平成9(行ウ)249 道路位置指定処分無効確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成13年1月31日 東京地方裁判所 警察関係
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判決文本文17,029 文字)

主文 一本件訴えを却下する。 二訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第一当事者の求めた裁判一原告の請求東京都知事が昭和二七年一月三〇日付けで指定番号第一二二六号をもってした道路位置指定処分は無効であることを確認する。 二被告の答弁(本案前の答弁)東京都知事が昭和二七年一月三〇日付けで指定番号第一二二六号をもってした道路位置指定処分のうち別紙物件目録記載一及び二の土地に関する部分以外の部分の無効確認を求める訴えを却下する。 (本案の答弁)原告の請求を棄却する。 第二事案の概要本件は、所有地の一部について道路位置指定を受けているとされた原告が、右指定は、その対象となる土地の特定性を欠き、また、原告の承諾を欠くものであるから無効であるとして、被告に対し、その無効の確認を求めた事案である。 一法令の定め 1 建築基準法(昭和三四年法律第一五六号による改正前のもの。以下「法」という。)四二条一項は、「道路」とは、同項各号の一に該当する幅員四メートル以上のものをいうとし、同項五号は、右道路の一つとして、「土地を建築物の敷地として利用するため、道路法又は都市計画法によらないで築造する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの」と定めていた。 その後、昭和四五年法律一〇九号により、同項五号中「道」とあるのが「政令で定める基準に適合する道」と改められるに至り、右改正規定自体には経過措置は設けられなかったが、同法を受けて制定された政令(昭和四五年政令第三三三号)は、建築基準法施行令一四四条の三(昭和五〇年政令第二号により繰り下げられて一四四条の四となった。)を新設して位置指定道路の満たすべき基準を定めるとともに、その経過規定において「この政令の施行の際現に改正法による改正前 一四四条の三(昭和五〇年政令第二号により繰り下げられて一四四条の四となった。)を新設して位置指定道路の満たすべき基準を定めるとともに、その経過規定において「この政令の施行の際現に改正法による改正前の建築基準法第四二条第一項第五号の規定による道路の位置の指定を受けている道は、この政令による改正後の建築基準法施行令第一四四条の三第一項各号に掲げる基準に適合するものとみなす。」と定めた。 2 建築基準法施行規則(昭和三四年建設省令第三四号による改正前のもの。以下「規則」という。)七条は、法四二条一項五号に規定する道路の位置の指定を受けようとする者は、申請書正副二通に、それぞれ所定の図面と、指定を受けようとする道路の敷地となる土地の所有者及びその土地又はその土地にある建築物若しくは工作物に関して権利を有する者の承諾書とを添えて特定行政庁に提出するものとすると定めていた。同条には、右図面として、附近見取図及び地籍図が掲げられており、これらの図面に明示すべき事項として、前者については、「方位、道路及び目標となる地物」が、後者については、「縮尺、方位、指定を受けようとする道路の位置、延長及び幅員、土地の境界、地番、地目、土地の所有者及びその土地又はその土地にある建築物若しくは工作物に関して権利を有する者の氏名、土地内にある建築物、工作物、道路及び水路の位置並びに土地の高低その他形上特記すべき事項」が、それぞれ定められていた。 3 東京都建築基準法施行細則(昭和三六年規則第一一六号による改正前のもの。 以下「細則」という。)八条一項は、「道路の位置の指定を受けようとする場合においては、別記第三号様式による申請書に第四号様式による図書を合わせて提出しなければならない。」と定めていた。右第四号様式には、この図面の道路の位置の指定を承諾する旨の東京都知事あて うとする場合においては、別記第三号様式による申請書に第四号様式による図書を合わせて提出しなければならない。」と定めていた。右第四号様式には、この図面の道路の位置の指定を承諾する旨の東京都知事あての不動文言が記載された承諾書欄が設けられており、右承諾書欄には、土地所有者、管理者、使用権者の別を明らかにした上で、その住所及び氏名を記載する欄及び押印欄が設けられていた(乙二)。 4 なお、現在、東京都の特別区の区域における道路位置指定処分に関する権限は、東京都知事から特別区の長に委任されている(現行の建築基準法二条一項三六号ただし書、同法九七条の三第三項、同法施行令一四九条二項二号)。 二前提事実(甲一、三、四、六、七、一三、乙三、四、八、一〇、一八、争いのない事実) 1 原告は、昭和二六年二月七日、aから、別紙物件目録記載一の土地(以下「本件土地一」という。)を買い受け、右土地上の建物(以下「本件建物」という。)に居住した。 また、東京都豊島区α六二一番二の土地は、昭和二七年一月三〇日、同番二、四ないし六に分筆されたところ、原告は、昭和二七年六月二五日、bから、同番六の土地(別紙物件目録記載二の土地。以下「本件土地二」という。)を買い受けた。 さらに、原告は、同番五の土地(別紙物件目録記載三の土地。以下「本件土地三」という。)について、昭和四九年二月一六日、その共有持分一二〇分の一〇を買い受けた。 本件土地一ないし三の土地に接する土地の位置関係は、別紙図面1のとおりであり、本件土地三はその周囲の土地の通路としての役割を果たすべき位置にある。 2 cは、昭和二六年一二月二五日、東京都知事に対し、法四二条一項五号に規定する道路位置指定の申請(以下「本件申請」という。)をした。東京都知事は、昭和二七年一月三〇日、本件申請に基づき、指定番号第一 cは、昭和二六年一二月二五日、東京都知事に対し、法四二条一項五号に規定する道路位置指定の申請(以下「本件申請」という。)をした。東京都知事は、昭和二七年一月三〇日、本件申請に基づき、指定番号第一二二六号をもって道路位置指定を行い(以下「本件指定」という。)、昭和二七年三月二〇日、東京都告示第二一一号をもって本件指定を告示した。 3 本件申請に際して提出された細則第四号様式による図書(以下「本件申請図」という。)の内容は、別紙図面2のとおりである。右申請図には、本件指定に係る道路(以下「本件道路」という。)の形状が示されており、「豊島區α六二一巾員四M総延長二二・〇〇M」という記載があるが、本件道路と、本件土地一ないし三の境界との関係については、明示的には記載されていない。 また、本件申請図には、図面のとおり道路位置の指定を承諾する旨の東京都知事あての不動文言の記載がある承諾書欄(以下「本件承諾書欄」という。)があり、右承諾書欄には、土地所有者としてbの、借地者としてd及びeの、それぞれ住所及び氏名の記載と押印がされているほか、「借地者豊島區α五九八番地 f」という記載(以下「原告名義の署名」という。)及びf名義の押印がされている。 4 原告は、平成八年七月二九日、東京都豊島区建築審査会に対し、本件承諾書欄の原告名義の署名及びf名下の押印はその意思に基づくものではなく、本件指定は原告の承諾を欠いているから無効であるとして、その確認を求める審査請求をしたが、同審査会は、平成九年七月一一日、原告の右審査請求を棄却する旨の裁決をした。 三被告の本案前の主張1(一) 法四二条一項五号による位置指定道路については、道路を築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたものをいうのであり、既に道が築造されて道路の形態を有していることは 案前の主張1(一) 法四二条一項五号による位置指定道路については、道路を築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたものをいうのであり、既に道が築造されて道路の形態を有していることは右指定の要件ではない。したがって、一旦道路の位置指定がなされた場合においては、道路位置指定を受けた土地は、それが道路としての形態を有していないものであっても、法四四条一項の道路内建築制限、法五二条の容積率算定基準、法五六条の道路斜線制限の基線の適用において、道路として扱われる。また、法四三条一項の接道義務については、少なくとも当該建築物や敷地の利用上、通行の用に供される道としての形態を備えていれば、道路として取り扱われる。 (二) しかるところ、本件道路は、本件指定の前後から、本件道路周辺の居住者及び一般利用者の通行に使用される道の形態を備えていたことが明らかである。したがって、本件指定により、道路に関する右の法的効果のすべてが生じたものであるというべきである。 (三) しかしながら、仮に右の法的効果が生じていないとした場合は、本件指定が存在するとしても、現状においては原告の建物敷地としての使用に何ら制限を受けることがなく、今後においても、本件指定それ自体によっては原告所有地の使用について重大な変更を余儀なくされることはない。したがって、原告は、本件指定によって何ら権利利益を侵害され、または法律上の不利益を課せられたわけではなく、かつ、本件指定による道路位置指定に続く行政処分により損害を受けるおそれもないのであるから、本件指定の無効確認を求める法律上の利益ないし適格を有しないというべきである。 2 原告は、本件指定のうち、その所有する本件土地一及び本件土地二に関する部分のみの無効確認を求めることができるのであって、原告の所有地の範囲を超えて他 利益ないし適格を有しないというべきである。 2 原告は、本件指定のうち、その所有する本件土地一及び本件土地二に関する部分のみの無効確認を求めることができるのであって、原告の所有地の範囲を超えて他人の所有地に係る部分についてまで無効確認を求める利益はない。したがって、本件指定のうち右各土地以外の土地に関する部分の無効確認を求める訴えは、その利益がなく不適法として却下されるべきである。 3 本件土地三は、原告、g、c、hらが共有する土地であるが、本件指定のうち本件土地三に関する部分の無効確認を求める訴えについては、原告単独では原告適格を有しない。すなわち、道路位置指定処分を受けた土地が共有関係にある場合、共有者の一名に対する右処分の無効確認判決の効果は他の共有者全員に及ぶこととなるから、共有地に係る道路位置指定処分の無効確認の訴えは、共有者全員によってのみ提起し得る必要的共同訴訟であると解すべきである。したがって、本件指定のうち本件土地三に関する部分の無効確認を求める訴えは、不適法なものであり、却下されるべきである。 四本案に関する原告の主張(請求原因) 1 本件指定は特定性を欠き無効であること道路位置指定処分を受けると、指定を受けた土地の所有者等は、指定部分に建物を建築することができなくなる等の権利制限を受けることになるから、どの範囲の土地が道路位置の指定を受けたのかということは、当該指定自体から明らかでなければならない。ところが、本件申請図には、現地との関係での不動点が、マンホールと記載された地点しかなく、この地点から本件道路の各点への距離と角度が記載されていないから、本件指定に係る本件道路を現地で再現することは不可能である。 また、本件申請図には、本件道路の対象となる土地の地番については、単に「豊島區α六二一」としか記載されて 離と角度が記載されていないから、本件指定に係る本件道路を現地で再現することは不可能である。 また、本件申請図には、本件道路の対象となる土地の地番については、単に「豊島區α六二一」としか記載されておらず、被告が本件道路の敷地に含まれると主張する本件土地一の地番(五九九番二)の記載は見当らないほか、本件申請当時、豊島区α六二一番地の土地(以下、右α所在の土地については、地番のみで表示する。)は、既に六二一番一と六一二番二の各土地に分筆されていたことは明らかであるにもかかわらず、本件申請図には「豊島區α六二一」としか記載されていないから、どの土地が本件指定の対象となるのかが全く明らかになっていない。 したがって、本件指定は、道路位置指定処分として必要な特定性を欠くものであり、無効というべきである。 2 本件指定は原告の承諾を欠き無効であること(一) 本件承諾書欄の原告名義の署名及び押印は、原告が記載及び押印したものではなく、次の理由から、何者かにより偽造されたものであることは明らかである。 (1) 本件申請当時、原告は、本件土地一の所有者であり、右土地の借地者ではなかったにもかかわらず、本件承諾書欄においては、原告は「借地者」と記載されている。また、本件申請図中の本件建物の位置を示す部分には、「土地所有者b、家屋所有者f」との記載があるが、本件建物の敷地である本件土地一の所有者は原告であり、土地所有者をbとする右記載は誤りである。原告自身がこのような明らかな誤りを記載したり、又はこのような明らかな誤りが記載された本件申請図の本件承諾書欄に署名押印するはずがない。 (2) 本件承諾書欄の原告名義の署名は、原告の筆跡と明らかに異なる。また、右住所中「五九八番地」とあるのは、「五九二番地」と記載された後に、「二」が「八」に訂正されたものであるが するはずがない。 (2) 本件承諾書欄の原告名義の署名は、原告の筆跡と明らかに異なる。また、右住所中「五九八番地」とあるのは、「五九二番地」と記載された後に、「二」が「八」に訂正されたものであるが、本件申請当時の原告の住所は、五九九番地であるので、原告自身が記載したとすれば、当初から「五九二番地」という誤った記載をするはずがないことはもちろん、「五九八番地」という誤った訂正をするはずがない。 (3) 原告が所有していた本件土地一は、北側の公道に接し、法の規定する接道義務(法四三条一項本文)を満たしていたのであるから、原告にとっては本件道路の指定を受ける必要性はなかった。他方、本件申請当時、本件土地一の面積は三四・八四平方メートル、建物の面積は二三・一四平方メートルしかなく、この狭小な土地の西側に本件道路の指定を受けると、実質的に建物の敷地として使用できる面積が大幅に減り、宅地としての意味を失うことはもちろん、現実に本件道路を築造する場合には、本件建物を取り壊す必要も生ずる。このように、原告にとって、一方的に不利なだけの本件申請を原告が承諾するはずがない。 以上のような事情に照らせば、本件指定について原告が承諾をするはずがないのであり、本件承諾書欄の原告名義の署名及び押印は原告の意思に基づかない偽造によるものであることは明らかである。 (二) 本件指定について原告の承諾を欠くことは、次のとおり、無効原因となる。 (1) 道路位置指定がされると、当該指定部分については建築制限を受けるなどの重大な権利制限が生ずるのであるから、本件のように権利者の承諾書が偽造されたような場合には、処分に極めて重大な瑕疵があるというべきであり、その瑕疵が明白かどうかにかかわりなく無効となるというべきである。 (2) 仮に本件指定が無効であるというためには瑕疵の 諾書が偽造されたような場合には、処分に極めて重大な瑕疵があるというべきであり、その瑕疵が明白かどうかにかかわりなく無効となるというべきである。 (2) 仮に本件指定が無効であるというためには瑕疵の明白性が求められるとしても、本件指定の瑕疵は明白であるから無効である。 本件申請図には、本件道路部分の地番が「豊島區α六二一」と表示されているにすぎないが、本件道路部分に本件土地一が含まれることは、土地の登記簿や公図によって極めて容易に確認できるし、土地の登記簿や公図で土地の位置関係や所有者を確認すれば、本件土地一の所有者は原告であることは明らかとなるから、本件申請図中の本件建物の位置を示す部分にある「土地所有者b 家屋所有者f」という記載や、本件承諾書欄の、「借地者…f」という記載も誤りであることが容易に明らかとなるのである。このように、本件承諾書欄の原告名義の署名及び押印が偽造されたという瑕疵は容易な調査で判明するものであるので、右瑕疵は明白なものというべきである。 本件指定後の原告の追認又は承諾による瑕疵の治癒について行政行為の瑕疵が軽微であって無効事由に値しない場合には、その瑕疵が事後的に治癒されると解することを否定するものではない。しかし、本件指定は、本件承諾書欄の偽造された原告名義の署名及び押印に基づいてされたものであり、その瑕疵は軽微ではないから、事後的に治癒するものということはできないし、そもそも、原告は、事後的に本件指定を追認又は承諾したことはない。 平成三年二月のZの事務所での会合は、本件土地一の西側にある私道の奥の袋地所有者が、建築するための接道要件を満たすために、私道の拡幅を求めたことに対して、これを調整するために行われたもので、本件道路の位置を協議した会議ではない。 3 よって、原告は、本件指定が無効であること 者が、建築するための接道要件を満たすために、私道の拡幅を求めたことに対して、これを調整するために行われたもので、本件道路の位置を協議した会議ではない。 3 よって、原告は、本件指定が無効であることの確認を求める。 五本案に関する被告の主張 1 本件指定が特定性を有すること(一) 法四二条一項五号に基づく道路位置指定は、必ずしも現地に道路が開設された後に行なわれるものではなく、かつ、申請に当たり提出すべき地籍図(規則七条)の作成資格には法令上制限がないから、右地籍図に記載の固定物件、数値のみによっては、一義的に道路を現地に特定することができない場合も生じ得る。そのような場合には、右地籍図の記載を基礎とし、現地の状況、関係権利者相互間の関係など種々の個別的事情を吟味することによって、当該道路の位置を現地に特定することとなる。 (二) 本件指定に係る本件道路の位置は、別紙図面3のとおりである。これは、六二一番二の土地の西側の境界線の北への延長線がすみ切り部分をもって北側の公道に接するまでを本件道路の西側の境界線とし、右土地の北側の境界線を本件道路の南側の境界線として幅員四メートルの本件道路を特定したものである。その理由は、①本件申請図上の「建築申請地」の形状は六二一番二の土地の現状と一致していること、②六二一番二の土地には、別紙図面3にF点と表示された境界石、G点と表示された境界石が、本件指定の行われた当時から現在まで存在していること、③北側にある既存の公道の位置、形状は本件指定の行われた当時から現在まで変更されていないこと、④これらの固定物件を基に、六二一番二の土地から北側の公道に接続する道路を本件申請図に記載された形状に従って置くと、道路延長は概ね一致すること、⑤通路状の本件土地三は本件道路内に包含されること、⑥本件道路沿いの建物敷地 に、六二一番二の土地から北側の公道に接続する道路を本件申請図に記載された形状に従って置くと、道路延長は概ね一致すること、⑤通路状の本件土地三は本件道路内に包含されること、⑥本件道路沿いの建物敷地とこの道路との位置関係は、現況において、概ね整合性を有していることである。 したがって、本件道路の位置は、本件指定によって特定されているのであり、本件指定が道路位置指定処分としての特定性を欠くとの原告の主張は失当である。 本件指定に無効原因はないこと(一) 本件指定を原告が予め承諾していたことについて(1) 次のとおり、本件申請図の記載には明らかな誤りはなく、本件申請図の記載内容を理由として、原告が本件指定について承諾していた事実を否定する原告の主張は失当である。 昭和二五年八月四日に建築確認を受けた本件建物の敷地面積は一二・五三坪であるのに、本件土地一の面積は一〇・五三坪であるから、本件建物は、本件土地一だけでなく、本件土地二にも及んでいたものと推認できる。 本件土地二は、昭和二七年六月二五日に原告がbから取得したものであるが、借地者が当該借地を所有者から買い受けることはしばしば行われることであるから、本件申請当時は、原告は、本件土地二の一部をbから借地していたものと推認される。したがって、本件承諾書欄に原告が「借地者」と記載されていることは明らかな誤りではない。 また、原告は、本件申請当時の住所を、「豊島区α五九九番地」と主張し、本件承諾書欄の「豊島區α五九八番地」という記載は明らかな誤りであると主張するが、当時の原告の住所は、原告の戸籍の附票によれば豊島区β五九八番地であり、右記載は誤りではない。 (2) 仮に原告自ら本件承諾書欄に署名押印していないとしても、本件申請に関する事務を行った業者が原告宅のみを訪れなかったということ 籍の附票によれば豊島区β五九八番地であり、右記載は誤りではない。 (2) 仮に原告自ら本件承諾書欄に署名押印していないとしても、本件申請に関する事務を行った業者が原告宅のみを訪れなかったということは考えられないから、原告の妻であるi(以下「原告妻」という。)が、右押印をしたものであり、これを了解することによって、原告は、本件指定を承諾したというべきである。 (3) 本件指定によって、本件土地一は二方向の道路に面した土地となり、日照の確保など居住環境上の実益があったはずである。また、原告は、昭和二七年六月二五日にbから本件土地二を譲り受けることと引き換えに、本件申請を承諾したものと推認できるから、全体としてみると、本件指定によって、本件建物の敷地として使用できる面積が減少したということはできない。さらに、本件建物は、本件申請時においては本件道路部分には存在しなかったのであり、その一部が本件道路部分に存在することになったのは、本件指定後に原告が増改築を行ったことによるものである。 したがって、本件指定によって本件土地一の使用できる面積が減少することや、現時点で本件建物の一部が本件道路部分に存在することをもって、原告が本件指定を承諾していなかったと推認することはできない。 (二) 本件指定について原告の承諾が欠けていたとしても本件指定の無効原因とはならないこと行政処分が無効であるためには、瑕疵が重大であると同時に明白であることが必要と解される。瑕疵の明白性が要件とされるのは、行政処分がされるとそれを前提として種々の法律関係が積み重ねられることから、外形上明白でない瑕疵を理由として行政処分が無効とされると、法律関係の安定性が極めて害される結果となる一方、誰の目から見ても瑕疵が明らかであれば、当該処分を前提としてさらに法律関係が形成される ら、外形上明白でない瑕疵を理由として行政処分が無効とされると、法律関係の安定性が極めて害される結果となる一方、誰の目から見ても瑕疵が明らかであれば、当該処分を前提としてさらに法律関係が形成される恐れがないからである。したがって、瑕疵の明白性は、注意をすれば当該瑕疵が避けられたかどうかや、その瑕疵が過失によることが明らかかどうかによって判断されるべきではなく、当該瑕疵の存在が外形上、客観的に一見看取し得るかどうかによって判断されるべきである。 本件についてみれば、本件申請当時は、道路位置指定の申請に登記簿謄本や印鑑証明書等を添付することは求められておらず、申請書の記載内容に基づき道路位置指定処分がされていたこと、宅地の売買や建築に先だち本件指定の内容を知ろうとする者が本件申請図を閲覧した場合、本件承諾書欄のみから原告名義の署名及び押印が偽造であると判断することは実際上困難であることからすれば、仮に右署名及び押印が偽造であったとしても、これをもって明白な瑕疵ということはできないから、本件指定は無効とならないというべきである。 3 本件指定後の原告による追認又は承諾道路位置指定処分がされると、それを前提として種々の権利関係が形成されるため、法的安定性及び第三者の信頼保護が強く要請される。したがって、仮に処分時には右処分についての権利者の承諾が欠けていたとしても、後日その者が明示又は黙示に右処分を追認し、あるいは承諾したと認めることのできる事情があれば、右の瑕疵は事後的に治癒したものとして取り扱うべきである。 原告は、本件指定の後、昭和二七年六月に本件土地二を取得し、昭和三四年ころには本件建物の二階部分及び階段を増築しているが、右取得又は増築の際に、売主又は建築業者から当然、本件指定の存在及び本件道路の位置を知らされたはずである。また、 に本件土地二を取得し、昭和三四年ころには本件建物の二階部分及び階段を増築しているが、右取得又は増築の際に、売主又は建築業者から当然、本件指定の存在及び本件道路の位置を知らされたはずである。また、本件道路の位置確認の要望が関係者からあったことから、豊島区は、平成三年二月一六日、不動産業者Zの会議室で原告を含む関係住民の出席を得て会合を開き、職員が本件道路の位置を説明したのであるから、遅くともその時点で、原告は本件指定の存在及び本件道路の位置を知ったのである。にもかかわらず、原告は、ごく最近まで道路の存在を否定する態度を示すことがなかったのであるから、原告は、遅くとも、平成三年二月一六日において本件指定を追認又は承諾したものであり、本件指定の瑕疵は事後的に治癒したものと解すべきである。 六争点以上によれば、本件の争点は以下のとおりである。 1 本件指定の法的効果 2 本件指定のうち本件土地一及び本件土地二に関する部分以外の部分の無効確認を求める訴えは不適法なものか否か。 3 本件指定が特定性を欠く無効なものか否か。 4 本件指定当時、原告の承諾がなかったか否か。 5 本件指定当時、原告の承諾がなかった場合は、そのことが本件指定の無効原因となるか否か。 6 原告の右承諾がなかったことが本件指定の無効原因となるとしても、本件指定後の原告の承諾又は追認により右瑕疵は治癒されたか否か。 第三当裁判所の判断一本件指定の法的効果について 1 法四二条一項は、「道路」とは、同項各号の一に該当する幅員四メートル以上のものをいうとし、同項五号は、右道路の一つとして、「土地を建築物の敷地として利用するため、道路法又は都市計画法によらないで築造する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの」と定めている。 しかるところ、右条 して、「土地を建築物の敷地として利用するため、道路法又は都市計画法によらないで築造する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの」と定めている。 しかるところ、右条項が、「土地を建築物の敷地として利用するため・・・築造する道で」と規定していることからすると、同条にいう道路というには、その位置指定を受けたというだけでは足りず、既に「道」としての形状及び機能を備えていることを要するものと解するのが素直な文言解釈というべきである。この点については、同号の文言が前記のとおりであって、「築造した道で、あらかじめ・・・」というものでないことから、「築造する道」を築造予定の道と解し、位置指定さえ受ければ現に道としての形状や機能が備わっていない土地も同号にいう道路に当たるのではないかとの疑義が生じないでもない。しかしながら、この疑義は、法文が「・・・道で、・・・指定を受けたもの」という文言により、あくまで「道」を道路とする趣旨であることを無視しているに等しい点で、法文を正解していないというべきであって、このことは、同項四号において「道路法又は都市計画法による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの」とされていることとの対比からも明らかである。 他方、法四二条一項にいう道路とされれば、当該道路の敷地となる土地やその土地上の建物等の所有者等は重大な私権の制限を受けるにもかかわらず、法四二条一項五号は、この点に配慮した要件(制限を受ける者の承諾を得るべきこと等)を置いていないことに鑑みれば、単に指定のみによって道路とされると解することは困難というほかない。 これらに加えて、本法の立法経緯からしても、右の疑義を差し挟む余地はなく、前記解釈が立法趣旨に沿うもの いていないことに鑑みれば、単に指定のみによって道路とされると解することは困難というほかない。 これらに加えて、本法の立法経緯からしても、右の疑義を差し挟む余地はなく、前記解釈が立法趣旨に沿うものであることが明らかである。すなわち、本法の前身である市街地建築物法(大正八年法律第三八号)は、建築物はその敷地が道路敷地に接していなければ建築できないとしつつ(八条)、行政庁が何ら関与せずに設置された私道であっても幅員九尺以上のものはすべて道路としていたのであるが(二六条)、本法は、私道を道路とする要件を加重し、幅員を四メートルとしたほか予め行政庁の指定を要することとしたものであって、指定さえ受ければ築造前から道路として取扱うという趣旨は含まれていなかったのである。このことは、本法制定時に国会において政府委員が法四二条の道路の定義について「既存の道路で巾九メートル以上あるものは現行通り総て道路であります。又今後作られるものは、いわゆる公道や区劃整理によるものは、巾が四メートル以上あればやはり道路とみなされますが、その他いわゆる私道は予め行政庁から位置の指定を受けて作ったものだけを道路と見るのであります。」と説明し(第七回国会参議院建設委員会議事録二二号一頁、乙四〇)、これについて特に異論が出た形跡のないまま本法が制定されるに至っていることからして明らかである。 以上の経緯によると、道路位置指定処分は、指定どおりの道が築造されたならば、これを建築基準法上の道路とするという効力を有するにすぎず、指定どおりの道が築造される以前においては当該位置指定地について建築基準法上の私権を制限するなどの効果(以下「私権制限効果」という。)は発生しないと解するのが相当である。すなわち、道路位置指定がされたとしても、当該位置指定地の所有者等は、その築造に応じるか て建築基準法上の私権を制限するなどの効果(以下「私権制限効果」という。)は発生しないと解するのが相当である。すなわち、道路位置指定がされたとしても、当該位置指定地の所有者等は、その築造に応じるか否かを自由に決することができ、これに応じない場合は当該土地を自己の権利に基づき自由に使用収益し得るのはもとより、仮に自己の意に反して道の築造が開始された場合には妨害排除請求権を行使するなどしてその中止を求め得るのであって、その状態にある限りは、道路位置指定は私権制限効果を生じないが、当該位置指定に係る道が築造された後は、当該地権者に対して右のような私権の制限の効果が生じるものと解すべきである。 そして、現在、特定行政庁の多くは、規則により、道路位置指定を受けようとする者は、道路の境界を明確にしておかなければならない旨の現地表示を義務づけており、東京都豊島区においても、東京都豊島区建築基準法施行規則(昭和四〇年規則第一三号)一四条にその旨の規定が置かれており、弁論の全趣旨によると、このような規程が存在することなどから、現在では、道の築造以前に道路位置指定がされることはなくなり、その築造後に右規定や前記第二の一1の政令の要求する基準を満たしているか否かを確認した上で位置指定をするとの運用がされていることが認められるところ、この運用は、道が築造されていることが私権制限効果の発生要件であるという法解釈に沿ったものであるということができるし、このような運用がされている限りは、本件のような事例が発生する余地はほとんどなくなったといえるのである。 2 なお、法四二条一項五号は、道路位置指定は、道を「築造しようとする者」が申請する旨規定しているが、これは、申請権者の範囲について言及し、申請時において必ずしも道が築造されている必要がない旨を明らかにしたものに 二条一項五号は、道路位置指定は、道を「築造しようとする者」が申請する旨規定しているが、これは、申請権者の範囲について言及し、申請時において必ずしも道が築造されている必要がない旨を明らかにしたものにすぎず、道路位置指定がされれば道が築造されない段階においても直ちに私権制限効果が生じることを意味するものということはできない。 また、規則七条は、法四二条一項五号に規定する道路の位置の指定を受けようとする者は、指定を受けようとする道路の敷地となる土地の所有者及びその土地又はその土地にある建築物若しくは工作物に関して権利を有する者の承諾書を添えることを要するものと定めているが、右のような承諾が要件とされることは法の定めるところではなく、むしろ、道路位置指定はなされたが現実に道が築造されないという事態が生じることを避けるという政策的な目的を実現するため、申請時において地権者等の承諾が既に存在し直ちに築造可能な状態にしておくことを申請者に対して要請することとし、規則により独自にこれを定めたにすぎないと解するのが相当である。 3 被告は、道路位置指定を受けた土地は、それが道路としての形態を有していないものであっても、法四四条一項の道路内建築制限、現行法五二条の容積率算定基準、現行法五六条の道路斜線制限の基線の適用において、道路として扱われるが、法四三条一項の接道義務については、少なくとも当該建築物や敷地の利用上、通行の用に供される道としての形態を備えていれば、道路として取り扱われるものであると主張する。 しかしながら、位置指定に係る道が築造されていない限りは、位置指定を受けた土地を、右各規定について「道路」として扱うべきでないことは前記1で判示したとおりである。また、法四三条一項については、具体的な結論としては被告主張のような解釈を取ることがその は、位置指定を受けた土地を、右各規定について「道路」として扱うべきでないことは前記1で判示したとおりである。また、法四三条一項については、具体的な結論としては被告主張のような解釈を取ることがその立法趣旨に合致し、相当であると考えられるが、同項は、単に「建築物の敷地は、道路にニメートル以上接しなければならない」と定めるものであって、文言上、右条文にいう「道路」を法四二条一項にいう道路と別異に解すべき点は見当たらないのであるから、被告主張のように法四二条一項五号により道路位置指定を受けさえずれば、道として築造されていなくても当該位置指定地は道路となるとの解釈をとる以上は、法四三条一項についても、そのような道として築造されていない道路位置指定地に接する以上は接道義務を満たしているものというほかなく、前記のような相当な解釈を取る余地はなくなるのであり、被告の法四三条一項に関する右主張は、法四二条一項五号に関する自己の解釈と整合しないものというほかない。 4 以上によれば、私権制限効果が生じるためには、指定の対象となった道が築造されることが必要であり、指定の対象となった道が築造されていない段階においては、当該位置指定地は法四二条一項の「道路」ではないと解するべきである。 二1 そこで、本件について検討するに、前記前提事実及び証拠(甲一、二〇、乙四、五、九、一二ないし一六(枝番を含む)、二三、四一)によれば、以下の事実が認められる。 (一) 原告は、昭和二六年及び二七年に、本件土地一及び二を買い受けた。本件土地一の面積は三四・八〇平方メートル(一〇・五三坪)、本件土地二の面積は二三・二〇平方メートル(七坪)である。右当時、本件道路の周辺には、eが居住する建物とdが居住する建物が存在していた。 (二) 本件建物は、昭和二五年八月四日に建築確認を受けた )、本件土地二の面積は二三・二〇平方メートル(七坪)である。右当時、本件道路の周辺には、eが居住する建物とdが居住する建物が存在していた。 (二) 本件建物は、昭和二五年八月四日に建築確認を受けたが、右確認において敷地面積は一二・五三坪とされており、また、被告作成の豊島区建築確認台帳(昭和二五年度)には、本件建物の面積が五坪と表示されていた。 なお、昭和二六年六月二八日に都庁水道局に提出された、豊島区α五九八番地の水栓に関する「水道新設工事申込書」には、工事対象の建物の平面図及び水道管の引き込み箇所が記載され、建物延坪が五坪と表示されている。もっとも、右書面の委任状部分には、委任者として「j」と記載されており、委任者が原告と同一人物かどうかは必ずしも明らかではない。 (三) 東京都豊島都税事務所長が作成した固定資産(家屋)評価証明書には、原告建物が昭和三三年九月に増築され、床面積が六三・二平方メートルとなった旨の記載がある。 原告は、本件建物について、まず、その南側に居室を増築し、次に、北側部分に二階を増築し、さらに、南側部分に二階を増築したが、これらの増築に際して、建築確認申請はしていなかった。 なお、右増築の過程において、本件建物の西側部分が増築されたのか、あるいは当初から西側部分の位置に変動がなかったのかについては、必ずしも明らかではない。すなわち、原告は、本件建物の西側の位置は、建築された当初から、現在の建物の西側の位置と同一の位置であった旨主張し、原告本人の供述中にはこれに沿う部分があり、他方、被告は、本件建物は、増築により、その西側部分が本件道路内に突出するに至ったものであると主張し、証人石本の供述中にはこれに沿う部分がある。原告の主張は、本件建物の床面積が昭和二六年には既に七坪であったことを前提としており、その設定が 西側部分が本件道路内に突出するに至ったものであると主張し、証人石本の供述中にはこれに沿う部分がある。原告の主張は、本件建物の床面積が昭和二六年には既に七坪であったことを前提としており、その設定が前記建築確認と合致しない点で疑問がないではないが、原被告のいずれの主張についても、結局は三〇年以上前の事実に関する供述証拠を根拠とするにすぎず、これらを裏付けるに足りる的確な証拠がないことから、採用することができないし、少なくとも原告所有地が本件指定に沿って道として供用されたことを認めるに足りる証拠はない。 (四) cは、昭和二七年、東京都豊島区α六二一番二の敷地に建物を新築し、昭和三九年に増築した。 gは、昭和三五年六月一六日受付の登記をもって、同所六二一番四の土地につき所有権移転登記を得て、その夫であるkは、昭和四一年及び昭和四六年に、同所の敷地上に建物を新築した。 lは、昭和四二年、同所六二一番一四の敷地に、建物を新築した。 (五)原告を含む本件道路周辺の住民は、昭和五〇年ごろ、その地下に排水設備工事を行った。 (六) 被告の主張に基づく本件道路の位置と、現況の私道及び現存する建物等との位置関係は、別紙図面3のとおりである。 現況の私道は、それに沿って立ち並ぶ建物や塀と接しており、その幅員は一定ではなく、北側の入り口付近の開口部においては、約四メートル程度であるが、原告建物とlの建物との間の距離は四メートル未満の部分があり、さらに南側に行くにつれ、k宅の洗濯機置き場と板塀、h宅のブロック塀があることから幅員は狭くなり、最南端では幅員が約二メートルとなっているほか、各建物の前には、多数の植木鉢が置かれており、小庭のように利用されている。 2 本件の証拠によって認められるところは以上のとおりであるところ、現況の私道は、本件指定どおりの道 ートルとなっているほか、各建物の前には、多数の植木鉢が置かれており、小庭のように利用されている。 2 本件の証拠によって認められるところは以上のとおりであるところ、現況の私道は、本件指定どおりの道が築造されているものとはいえないことは明らかであり、また、本件指定がなされた後、本件指定どおりの道が築造されたことがあると認めるに足りる証拠もない。そして、仮に、本件指定当時、本件建物の現実の床面積が五坪であったとしても、その位置は明らかでないから、そのことから直ちに、本件指定に係る道が築造されていたということもできない。 三以上によれば、本件指定に係る道が築造されていないために、原告の所有する土地は、本件指定によって何ら私権の制限を受けておらず、原告は、本件指定によって、権利を侵害され法律上の不利益を課せられているものではないし、これに続く行政処分によって法律上の不利益を受けるとも認められないから、原告は、本件指定の無効確認を求める法律上の利益を有しないといわざるを得ない。 四よって、本件訴えは、その余の点について判断するまでもなく不適法であるからこれを却下することとし、本件訴訟は被告が本件指定により私権制限効果が生じているとの見解を前提とした運用をしていることに端を発するものであり、本判決は被告の右解釈を誤りとする点でむしろ原告に有利なものであるから、訴訟費用については行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六二条の趣旨に照らし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官藤山雅行裁判官谷口豊裁判官杜下弘記

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