主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人大木和弘、同瀧康暢、同田鎖麻衣子の上告趣意のうち、憲法一三条、三六条違反をいう点は、死刑制度がその執行方法を含め憲法に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁、最高裁昭和二六年(れ)第二五一八号同三〇年四月六日大法廷判決・刑集九巻四号六六三頁)とするところであるから、所論は理由がなく、憲法三一条、三七条三項違反をいう点は、記録によれば被告人の弁護人依頼権が侵害されたものとは認められないから、所論は前提を欠き、その余は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であり、被告人本人の上告趣意は、単なる法令違反の主張であって、いずれも適法な上告理由に当たらない。 また、所論にかんがみ記録を調査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(本件は、被告人が、結婚相手と考えて合計三五〇万円を超える金員を貸し与えるなどして一年以上交際してきたA(当時四二歳)が結婚をいったんは承諾したもののその後消極的になったことから、結婚をする意思がないのに結婚すると言ってだまし続けてきたと考えて憤激し、A方アパート近くの路上において、金属製大型ハンマーでAの頭部、顔面を多数回殴り付けてAを殺害した上、このようなことになった一因はAの両親が被告人とAの仲を裂こうとしたことにあると邪推し、Aの実家に押し掛けてAの実父B(当時六九歳)及び実母C(当時六五歳)を同様の方法で順次殺害し、さらに、この上はAの一族を皆殺しにしようと考え、B方に隣接するAの実妹D方に押し掛けてD(当時三八歳)及び同女の長女E(当時六歳)を殺害しようとしたが、家人に取り押さえられたため殺害するには至らなかったという事案であっ を皆殺しにしようと考え、B方に隣接するAの実妹D方に押し掛けてD(当時三八歳)及び同女の長女E(当時六歳)を殺害しようとしたが、家人に取り押さえられたため殺害するには至らなかったという事案であって、本件犯行の罪質、動機、態様、結果に照らすと、被告- 1 -人の罪責は誠に重大であり、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。 よって、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 検察官小見山道有公判出席(裁判長裁判官大出峻郎裁判官小野幹雄裁判官遠藤光男裁判官井嶋一友裁判官藤井正雄)- 2 -
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