平成29(行コ)195 所得税更正処分取消請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成30年5月18日 大阪高等裁判所 租税
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判決文本文11,390 文字)

平成30年5月18日判決言渡平成29年(行コ)第195号所得税更正処分取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成26年(行ウ)第298号)主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 A税務署長が平成24年12月25日付けで控訴人に対してした,平成21年分の所得税の更正処分のうち還付金の額に相当する税額460万0977円を超えない部分及び過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 3 A税務署長が平成24年12月25日付けで控訴人に対してした,平成22年分の所得税の更正処分のうち還付金の額に相当する税額598万1231円を超えない部分及び過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 4 A税務署長が平成24年12月25日付けで控訴人に対してした,平成23年分の所得税の更正処分のうち還付金の額に相当する税額2707万9520円を超えない部分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要(以下,略語は,特記しない限り原判決の例による。) 1 事案の要旨本件は,控訴人が,本件各年分(平成21年分から平成23年分まで)の所得税について確定申告をしたところ,A税務署長が,平成24年12月25日付けで,控訴人に対し,①本件各更正処分(本件各年分の所得税に係る更正処分),②本件各過少申告加算税賦課決定処分(本件各年分の所得税に係る過少申告加算税の賦課決定処分)及び③本件重加算税賦課決定処分(平成23年分 の所得税に係る重加算税の賦課決定処分)をしたことから,本件各更正処分(ただし,控訴人がした申告における還付金の額に相当する税額を超えない部分)並びに本件各過 算税賦課決定処分(平成23年分 の所得税に係る重加算税の賦課決定処分)をしたことから,本件各更正処分(ただし,控訴人がした申告における還付金の額に相当する税額を超えない部分)並びに本件各過少申告加算税賦課決定処分及び本件重加算税賦課決定処分の取消しを求める事案である。 原審が控訴人の請求をいずれも棄却したところ,控訴人が本件控訴を提起した。 2 関係法令の定め原判決「事実及び理由」欄の第2の1に記載のとおりであるから,これを引用する。 3 前提事実下記のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第2の2に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決3頁24行目の「α市β所在」を「α市βγ番地のδ所在」に改める。 (2) 原判決4頁12行目の「争いがある」を「争いがあるが,貸倒金,借入金利子,租税公課及び専従者給与が別表1-1の「③被告主張額」欄に記載のとおりであることは,当事者間に争いがないか,弁論の全趣旨により認められる」に改める。 (3) 原判決4頁19行目の「争いがある」を「争いがあるが,給料賃金,借入金利子,租税公課及び立退料が別表1-2の「③被告主張額」欄に記載のとおりであることは,当事者間に争いがないか,弁論の全趣旨により認められる」に改める。 (4) 原判決4頁25行目の「争いがある」を「争いがあるが,給料賃金,借入金利子,租税公課,損害保険料,修繕費及び立退料が別表1-3の「③被告主張額」欄に記載のとおりであることは,当事者間に争いがない」に改める。 4 主たる争点及び当事者の主張下記のとおり当審における控訴人の補足的主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第2の3に記載のとおりであるから,これを引用する。 ただし,原判決7頁2行目の たる争点及び当事者の主張下記のとおり当審における控訴人の補足的主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第2の3に記載のとおりであるから,これを引用する。 ただし,原判決7頁2行目の「火災」を「α市βγ番地のδ所在の建物の火災」に,同10頁5行目で参照を指示する別表3-5の「支払額」欄の「計」(原判決63頁)の「4,318,039」を「4,411,077」にそれぞれ改める。 (1) 争点①についてア必要経費の判断基準等について所得税法37条1項は「その年における販売費,一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」を必要経費に算入すべき金額として規定しているところ,上記規定には「直接」や「合理的」との文言は使用されていない。また,同法施行令96条1号は,家事関連費のうち必要経費に算入することができるものについて,経費の主たる部分が「事業所得を…生ずべき業務の遂行上必要」であることを要すると規定している。したがって,ある支出が業務の遂行上必要なものであれば,当該支出を不動産所得の金額の計算上必要経費として算入すべきであり,必要経費算入のための要件として合理的関連性を要するとの解釈を採用するのは,租税法律主義,文理解釈に反するおそれがある。 イ必要経費の立証責任について必要経費該当性につき争いのある支出について,控訴人において当該支出の具体的内容を明らかにし,その必要経費該当性について相当の立証をする必要があり,控訴人がこれを行わない場合には当該支出が必要経費に該当しないことが事実上推定されるとするのは不当である。上記の取扱いは,被控訴人(課税庁)が課税要件事実について主張立証責任を負うとの考え方を実質的に転換するものであるし,本件では,控訴人の支配領域外 しないことが事実上推定されるとするのは不当である。上記の取扱いは,被控訴人(課税庁)が課税要件事実について主張立証責任を負うとの考え方を実質的に転換するものであるし,本件では,控訴人の支配領域外の出来事である本件火災により証拠書類が失われており,立 証責任を転換するための前提を欠くから,上記の事実上の推定が働く余地はない。 ウ本件各年分の地代家賃について控訴人は,本件業務に係る資料(平成21年~平成23年分の賃貸に関する資料のほか,平成14年以降の賃料増額請求,建物明渡請求の調停や訴訟(甲20)の資料,平成13年以降の賃貸に関する資料,入居者による賃料供託に関する通知書類等)が膨大な量となり,自宅や会社で保管しきれなくなったことから,D及びEを借りていたものであり,上記の部屋には机とパソコンを設置し,資料を保管するほか,インターネットによる賃貸に関する紛争の処理方法等の調査,立退後の賃貸事業の再構築や分譲事業に関する調査・計画策定,賃料供託の有無等を管理するための資料の作成・更新等の作業を行っていた。本件業務は,本件各建物の解体後も第三者への土地の売却等により事業自体を廃止するまでの合理的期間内は事業として継続していたというべきところ,控訴人が本件各建物の敷地を売却したのは平成24年5月1日である。したがって,本件各年分の地代家賃は必要経費に算入されるべきである。 エ平成21年分及び平成22年分の修繕費について(ア) 平成21年分及び平成22年分の修繕費は,本件各建物の修繕及び倒壊防止のための工事費である。本件各建物は昭和14年頃に建築された古い木造建物であったが前所有者は修繕をしておらず,空室に不審者が出入りしたり不法投棄者が増えていたため,控訴人は飾磨警察署や姫路市役所から管理をするよう ある。本件各建物は昭和14年頃に建築された古い木造建物であったが前所有者は修繕をしておらず,空室に不審者が出入りしたり不法投棄者が増えていたため,控訴人は飾磨警察署や姫路市役所から管理をするよう行政指導を受けていた。また,弁護士に相談した結果,建物が崩れる等の事故が発生したときには管理責任を問われることになるとの回答を得たため,やむを得ず,修繕及び倒壊防止のための工事をしたものである。 (イ) 上記修繕費を含む控訴人の必要経費に係る証拠書類は本件火災によ り消失しているが,このことについて本件調査報告書(乙36)を根拠に控訴人の主張及び供述が変遷しているということはできない。すなわち,本件調査報告書は,供述者の署名押印等もなく,一方当事者が事後的に作成したものであってその信用性は低い上,①平成24年3月の質問調査の際にマンションの一室に書類を保管していると控訴人が答えたのは,本件業務に係る資料の全部をD及びEで保管している趣旨の回答をしたものではないこと(控訴人は,上記資料のうち過年度の領収書など日常的に使わないものは,本件各賃貸物件の空き部屋に保管していたところ,質問の内容に応じて保管方法を随時回答していたものであること),②同年11月8日の質問調査の際は,被控訴人が主張する「控訴人が平成23年分の不動産所得の必要経費に係る領収書等として提出したものの中に,平成22年分の支出に係る領収書等が混入していた」事実(平成27年7月7日付け被告第1準備書面19頁)に気付いておらず,実際に平成22年分以前の資料がどこかに残っていないか探したものの見つからなかったため,その旨を回答したものであること,③平成25年6月の審査請求書に引越し業者の手違いで紛失したと記載したのは勘違いであることを踏まえると,控訴人の主張及び供述が いか探したものの見つからなかったため,その旨を回答したものであること,③平成25年6月の審査請求書に引越し業者の手違いで紛失したと記載したのは勘違いであることを踏まえると,控訴人の主張及び供述が変遷しているということはできない。 (ウ) Fの平成21年6月期の確定申告書等(甲35)に記載されている預り金71万8976円は,本件各建物の修繕,補強工事の前払金であり,Fの平成22年6月期の確定申告書(甲36)に記載されている株式会社T(現商号は株式会社L。以下,商号変更の前後を通じて「L」という。)に係る売上額3800万円には,本件各建物に係る控訴人個人からの修繕,補強工事の受注代金全額が含まれて計上されていたものと認定するのが合理的であるから,平成21年分及び平成22年分の修繕費の支払の事実は認められる。 (エ) 控訴人から修繕工事を請け負ったことはないとのGの供述(乙43)は,①Gが,控訴人が代表者であるLから資金を借り受けて全く返済せず,弁護士を通じて債務整理等の通知を送付しても,誠意のない対応に終始した人物であって,上記供述の時点ではGと控訴人との関係が決定的に破綻していたこと(甲25)や,②Fの決算書には,控訴人から受注した工事代金をLからの受注金額に含めた記載をした事実を隠すために事実と異なる回答をしている可能性もあることに照らすと,信用することはできない。 (2) 争点②についてア本件貸倒金について(ア) 控訴人が,平成23年1月の時点で本件解体造成工事を発注したのは,①本件火災により本件各建物に実際に居住する者がいなくなった,②同月15日頃,飾磨警察署の警部補から本件各建物の早期解体を促された際,Rの立退きについて「Rにはこちらで話してみます,これ以上長引くならRの立件も含めて方 建物に実際に居住する者がいなくなった,②同月15日頃,飾磨警察署の警部補から本件各建物の早期解体を促された際,Rの立退きについて「Rにはこちらで話してみます,これ以上長引くならRの立件も含めて方法を考えます。」と言われていた,③本件明渡請求訴訟の代理人間では,100万円前後の立退料の支払と引換えに明渡しを命じる判決が言い渡されることが確実視され,判決後,判決で認定された立退料を授受して和解する旨の打合せが事前にされていたという経緯があり,控訴されることなく本件明渡請求訴訟が終了すると確信していたからである。控訴人が同月の時点で本件解体造成工事を発注したことを不自然ということはできない。 (イ) 控訴人が本件会社による本件解体造成工事の施工をあきらめた経緯を不自然ということもできない。すなわち,上記(ア)のとおり,控訴人は平成23年1月に本件解体造成工事を発注していたのだから,同年3月頃にIがMに予め工事の打診をしていたとしても不自然ではなく,Mが同年4月12日付けで見積書を作成していることも時系列的にみて 不自然ではない。同年1月の時点でIが控訴人に対して見積書を交付しているのにMの見積書が同年4月12日付けとなっていることも,Iは,同年1月以降,M以外の者からも順次見積りを取って検討していたところ,最終的に発注した相手がMだったのであるから不自然ではない。 (ウ) 本件解体造成工事の見積額3500万円(甲18)は,その過半を造成費用が占めており,解体工事のみを発注したMの見積額等と比較して高額ということはできない。 (エ) 控訴人は,本件会社の破産管財人から控訴人宛の破産手続開始等の連絡文書(甲17)が送付された後に,破産管財人の事務所を訪問して詳しい話を聴いた。本件会社の債権者一覧表に控訴人の名前がないのは,債権調 訴人は,本件会社の破産管財人から控訴人宛の破産手続開始等の連絡文書(甲17)が送付された後に,破産管財人の事務所を訪問して詳しい話を聴いた。本件会社の債権者一覧表に控訴人の名前がないのは,債権調査手続が行われないまま破産手続が廃止となったからに過ぎないから,債権者一覧表に控訴人の名前がないことを根拠に本件貸倒金が架空のものであるとすることはできない。 (オ) 過去に取引のある会社間では契約書を作成することなく工事請負契約の合意をすることも珍しくはないから,本件解体造成工事について契約書等の書面が作成されていないことも不自然ではない。 (カ) 前記のとおり本件調査報告書(乙36)の信用性は低いので,本件報告書の控訴人が本件調査の際には本件解体造成工事に係る書類としては本件各預かり証(乙12)しかないと述べたとの記載を根拠に,本件見積書(甲18)は本件貸倒金を偽装するために事後的に作出されたものであると認定することはできない。 イ本件給与について(ア) 本件会社の譲渡は,Iから本件会社を高く売る自信があるとの申出を受けて成立したものであるところ,6か月で9000万円という本件会社の給与額は,株式譲渡代金を2万円と低く設定する代わりに設定されたものであることを踏まえると不自然とはいえない。 (イ) 前記のとおり,本件調査報告書(乙36)の信用性が低いことを踏まえると,本件報告書の記載を根拠に,本件給与について控訴人の供述・主張に変遷があったとは認めることはできない。 (ウ) 源泉徴収票及び給与明細書が手書きで作成されていたこと,平成23年1月分と同年2月分の給与明細書に発行会社名が記載されていないこと,源泉徴収票と給与明細書で金額が一致しないことは,いずれもIの行為によるものであって,控訴人の行為によるも れていたこと,平成23年1月分と同年2月分の給与明細書に発行会社名が記載されていないこと,源泉徴収票と給与明細書で金額が一致しないことは,いずれもIの行為によるものであって,控訴人の行為によるものではないところ,控訴人に本件給与を仮装する意図があったのであれば,Iの協力を得て,上記の不備や齟齬が生じないようにしたはずである。 (エ) 本件会社の譲渡等の経緯については,Iの質問てん末書(乙48)に,控訴人主張と大筋で合致する供述が記載されていることも踏まえるべきである。 ウ本件貸倒金及び本件給与が架空のものか否かの判断について控訴人には,被控訴人の主張する意図で複雑なスキームを企画,実行する能力はないし,税理士等の第三者から上記スキームについて指南,指導を受けていた事実もない。控訴人において,不動産に係る貸倒処理が否認され,多額の給与所得だけが認定されるというリスクのある上記スキームを企画し,実行した事実はなく,本件貸倒金及び本件給与が架空のものであるとはいえないから,被控訴人において重加算税の要件事実について立証責任を尽くしたとはいえない。 (3) 争点③について前記のとおり,控訴人の主張・供述が変遷しているということはないから,国税通則法65条4項の「正当な理由」があるというべきである。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,本件各更正処分等(本件各更正処分,本件各過少申告加算税賦課決定処分及び本件重加算税賦課決定処分)はいずれも適法であると判断する。 その理由は,下記1のとおり補正し,下記2のとおり当審における控訴人の補足的主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第3の1~3に記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決の補正(1) 原判決18頁19行目 り当審における控訴人の補足的主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第3の1~3に記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決の補正(1) 原判決18頁19行目から20行目にかけての「事実上推認」及び同19頁20行目の「事実上の推認」をいずれも「推認」に,同頁2行目の「12名」を「13名」に,同11行目の「上記の程度」を「上記及び本判決「事実及び理由」欄の第2の4(1)ウに記載の程度」にそれぞれ改める。 (2) 原判決20頁4行目の「乙41」の後に「。なお,控訴人は,上記の回答の際には,被控訴人の平成27年7月7日付け被告第1準備書面19頁に記載の「控訴人が平成23年分の不動産所得の必要経費に係る領収書等として提出したものの中に,平成22年分の支出に係る領収書等が混入していた」事実に気付いていなかったと主張するが,控訴人の上記回答は「平成22年分以前の確定申告において必要経費に計上した支出に係る証拠書類」の所在について述べたものと理解すべきところ,上記準備書面で指摘されている平成22年分の書類とは,平成23年分の確定申告において必要経費に計上されているが本来は平成22年分の経費として処理すべきであった13件の支出に係る領収書等を指しており,平成22年分の確定申告において必要経費に計上された支出に係る証拠書類とは異なるものであるから,被控訴人の上記指摘は,控訴人が上記回答で述べた平成22年分の確定申告において必要経費に計上された支出に係る証拠書類の所在とは無関係である。」を加え,同9行目の「主張するのみで」から同12行目の末尾までを「主張するに至っている。」に,同16行目の「主張」を「供述」に,同21行目から22行目にかけての「その内容が原告本人でなければ知り得ない内容を含む」を「その内容が,平成 から同12行目の末尾までを「主張するに至っている。」に,同16行目の「主張」を「供述」に,同21行目から22行目にかけての「その内容が原告本人でなければ知り得ない内容を含む」を「その内容が,平成23年分確定申告書の提出後間もない平成24年3月28日の時点において調査担当者が知ることは困難と考えられる事項を多数含 む」にそれぞれ改める。 (3) 原判決20頁26行目の「本件各更正処分等の異議申立て及び審査請求の際」を削る。 (4) 原判決21頁2行目の「工事代金である旨」の後に「主張しており,本件各更正処分等の異議申立て及び審査請求の際にも,その旨」を加え,同4行目の「原告は」から同5行目の「また,」までを削り,同7行目の「というのも」を「というのは」に改める。 (5) 原判決21頁18行目の末尾の後に改行の上,次のとおり加える。 「また,控訴人は,Fの平成21年6月期の確定申告書等(甲35)に記載されている預り金の記載が本件各建物の修繕,補強工事の前払金であるとか,Fの平成22年6月期の確定申告書(甲36)に記載されているLに係る売上額3800万円には控訴人個人からの修繕,補強工事の受注代金が含まれていると主張する。しかし,上記の確定申告書等はいずれも税理士が作成した書類であるところ,控訴人の上記主張は,会計用語における「預り金」と「前払金」の対義語である「前受金」の意義が異なること(乙50,51)を看過したものであることや,上記の確定申告書にLに対する売上額として記載されているものの中に控訴人個人に対する売上げが含まれていることを裏付ける的確な証拠もないことを考慮すると,控訴人の上記主張を採用することはできない。」(6) 原判決25頁15行目の「原告は」から同17行目の「応じなかった。」までを「控訴人は,R以外 ことを裏付ける的確な証拠もないことを考慮すると,控訴人の上記主張を採用することはできない。」(6) 原判決25頁15行目の「原告は」から同17行目の「応じなかった。」までを「控訴人は,R以外の被告との間で占有部分の明渡しを内容とする和解などをしたが,Rは和解に応じなかった。」に,同24行目の「代理人」を「控訴人の代理人」に,同26行目の「などを提案する電子メールに対し」を「などを内容とする和解契約の締結の提案があったことを連絡する電子メールに対し」にそれぞれ改め,同21行目の「午後」を削る。 (7) 原判決27頁26行目の「不自然である」の後に「(なお,控訴人は, 同月の時点で,代理人間で和解についての打合せがされていた等の事情があったため本件明渡請求訴訟が控訴されることなく終了すると確信していたと主張し,これに沿う供述をするが,控訴人の上記供述を裏付ける客観的な証拠はなく,これをにわかに信用することはできない。)」を加える。 (8) 原判決28頁8行目の「代金額についても」を「代金額について」に,同10行目から11行目にかけての「合意していること(認定事実オ,カ)からすると,」を「合意しているところ(認定事実オ,カ),本件解体造成工事の代金額3500万円(税別)のうち1650万円(税別)は解体工事が占めていること(甲18)を考慮すると,」にそれぞれ改める。 (9) 原判決29頁1行目の「認識していない」を「認識していなかった」に,同5行目の「郵送されてきた」から同8行目の「考え難い。」までを「郵送されてきた旨や,その後,破産管財人の事務所を訪問して詳しい話を聴いており,債権者一覧表に控訴人の名前がないのは破産手続が異時廃止で終わったからである旨主張するが,上記連絡文書が債権者一覧表に記載されている控訴人を代表者と 産管財人の事務所を訪問して詳しい話を聴いており,債権者一覧表に控訴人の名前がないのは破産手続が異時廃止で終わったからである旨主張するが,上記連絡文書が債権者一覧表に記載されている控訴人を代表者とする会社(L)宛ではなく,控訴人宛に郵送されたことを裏付ける証拠はないし,破産管財人が債権者一覧表に記載されていない控訴人宛に上記連絡文書を郵送したり,控訴人から本件会社の債権者であると主張されていたにもかかわらず控訴人を債権者一覧表に追加する措置をとらないことは考え難い。」にそれぞれ改める。 (10) 原判決29頁18行目の「と時期」から20行目の「というのに」まで及び同23行目の「さらに」から30頁1行目末尾までをいずれも削る。 (11) 原判決30頁5行目の「特殊なもの」を「工事着工までに全額前払いという一般的な工事請負契約の条件とは異なる内容のもの」に改め,同6行目の「(乙36,弁論の全趣旨)は,」の後に「建設関係では契約書を作成しないことも珍しくないとの控訴人の主張を考慮しても」を加える。 (12) 原判決31頁3行目の「国税不服審判官」を「担当審判官」に改める。 2 当審における控訴人の補足的主張に対する判断(1) 控訴人は,必要経費の判断基準等について,前記第2の4(1)アのとおり主張する。しかし,ある支出が不動産所得の金額の計算上必要経費として控除されるためには,当該支出が所得を生ずべき業務(不動産賃貸業)と合理的な関連性を有し,かつ,当該業務の遂行上必要であることを要することは,前記1のとおり補正した上で引用した原判決「事実及び理由」欄第3の1(1)で説示したとおりである。控訴人の上記主張を採用することはできない。 (2) 控訴人は,必要経費の立証責任について,前記第2の4(1)イのとおり主張する。しかし 判決「事実及び理由」欄第3の1(1)で説示したとおりである。控訴人の上記主張を採用することはできない。 (2) 控訴人は,必要経費の立証責任について,前記第2の4(1)イのとおり主張する。しかし,必要経費該当性につき争いのある支出については,控訴人において当該支出の具体的内容を明らかにし,その必要経費該当性について相応の立証をする必要があるというべきであり,控訴人がこれを行わない場合には,当該支出が必要経費に該当しないことが推認されることや,本件火災により証拠書類が消失したと認めることができないことは,前記1のとおり補正した上で引用した原判決「事実及び理由」欄第3の1(2),(4)アで判示したとおりである。控訴人の上記主張を採用することはできない。 (3) 控訴人は,前記第2の4(1)ウのとおり,本件各年分の地代家賃は必要経費に算入されるべきであると主張する。しかし,本件各年分の地代家賃が必要経費に該当しないと推認されることは,前記1のとおり補正した上で引用した原判決「事実及び理由」欄第3の1(3)で判示したとおりである。控訴人の上記主張を採用することはできない。 (4) 控訴人は,前記第2の4(1)エのとおり,平成21年分及び平成22年分の修繕費は,本件各建物の修繕及び倒壊防止のための工事費であり,必要経費に算入されるべきであると主張し,これに関連して,本件調査報告書(乙36)の信用性は低いと主張する。しかし,平成21年分及び平成22年分の修繕費の支出の事実がないと認められることや,本件調査報告書の内容が信用できることは,前記1のとおり補正した上で引用した原判決「事実及び 理由」欄第3の1(4)で判示したとおりである。この点に関して控訴人が当審において主張するところを考慮しても,上記判断は左右されない。控訴人の上記主 補正した上で引用した原判決「事実及び 理由」欄第3の1(4)で判示したとおりである。この点に関して控訴人が当審において主張するところを考慮しても,上記判断は左右されない。控訴人の上記主張を採用することはできない(5) 控訴人は,前記第2の4(2)のとおり,本件貸倒金及び本件給与は架空のものではなく,重加算税の要件事実は認められないと主張する。しかし,本件貸倒金及び本件給与が架空のものであり,国税通則法68条1項の定める重加算税の要件を満たすことは,前記1のとおり補正した上で引用した原判決「事実及び理由」欄第3の2で判示したとおりである。この点に関して控訴人が当審において主張するところを考慮しても,上記判断は左右されない。 控訴人の上記主張を採用することはできない。 (6) 控訴人は,前記第2の4(3)のとおり,国税通則法65条4項の「正当な理由」があると主張するが,控訴人の上記主張を採用できないことは,前記1のとおり補正した上で引用した原判決「事実及び理由」欄第3の3で判示したとおりである。 第4 結論以上のとおり,本件各更正処分等はいずれも適法であるから,控訴人の請求はいずれも理由がなくこれを棄却すべきである。よって,上記判断と同旨の原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第14民事部 裁判長裁判官田中俊次 裁判官大畑道広 裁判官住山真一郎は,転補につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官田中俊次 裁判長 裁判官田中俊次 署名押印することができない。

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