平成28(ワ)10506 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成29年2月20日 大阪地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-86644.txt

キーワード

判決文本文5,661 文字)

平成29年2月20日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成28年(ワ)第10506号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成29年2月7日判決原告マイクロソフトコーポレーション同訴訟代理人弁護士村本武志同櫛田博之被告 P1 主文 1 被告は,原告に対し,280万円及びこれに対する平成27年3月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求主文同旨第2 当事者の主張 1 請求原因原告は,別紙「請求の原因」のとおり,請求の原因を述べた。 2 請求原因に対する認否,反論被告は,原告の主張する債務の存在を積極的に争うものではないが,損害額は否認ないし争う。 被告が販売したライセンスキーの単価は,本件各プログラム(別紙「原告製品一覧表」記載の「原告プログラム」)の単価と異なる。 また,本件各プログラムの販売価格が1キー1PC認証の割高な単価となってい るのに対し,被告が販売したボリュームライセンス(通称MAKキー)は,本件各プログラムのそれぞれに対してキーが1種類であり,同一のキーで複数のPCでの認証が可能である。 第3 当裁判所の判断 1 被告は,原告主張の著作権侵害に基づく損害賠償債務の存在を争っていないため,別紙「請求の原因」の「第1 当事者」及び「第2 著作権侵害行為」記載の各事実を争うこ 。 第3 当裁判所の判断 1 被告は,原告主張の著作権侵害に基づく損害賠償債務の存在を争っていないため,別紙「請求の原因」の「第1 当事者」及び「第2 著作権侵害行為」記載の各事実を争うことを明らかにしないものと認め,これを自白したものとみなす。 そうすると,被告は,原告の許諾を得ずに本件各プログラム(別紙「原告製品一覧表」記載の「原告プログラム」)を複製して商品を作成し,これをウェブサイトにアップロードし,自動公衆送信が可能な状態にして販売しており,同プログラムに係る原告の著作権(複製権及び送信可能化権)を侵害したと認められ,原告に対し,著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償責任を負う。 2 そこで,原告が被った損害額を検討する。 (1) 著作権侵害による使用許諾料相当額の損害ア争いのない事実及び証拠(甲5の1ないし5の4)によれば,本件各プログラムの販売価格は,別紙「原告製品一覧表」の「価格(税込)」欄記載のとおりであると認められる。そして,原告が本件各プログラムに係る著作権を有することに鑑みると,上記価格は,本件各プログラムの使用許諾料に相当するものであると認められる。 また,争いのない事実及び証拠(甲3,4)によれば,被告が落札者に本件各プログラムをダウンロードさせて販売した回数は,少なくとも,別紙「被告商品一覧表」の「ダウンロード数(重複控除)」欄記載のとおりであると認められる。 そうすると,本件各プログラムに係る著作権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額は,同プログラムの販売価格に被告による上記販売回数を乗じて算出するのが相当であり,その金額は別紙「被告商品一覧表」の「原告の被害金額」欄記載のとおりであり,合計額は2965万3992円となる。 イこれに対し,被告は,自らが 売回数を乗じて算出するのが相当であり,その金額は別紙「被告商品一覧表」の「原告の被害金額」欄記載のとおりであり,合計額は2965万3992円となる。 イこれに対し,被告は,自らが販売したライセンスキーの単価が本件各プログラムの単価と異なる旨主張し,証拠(甲2の1,2の2)によれば,被告による販売の際の落札価格が350円ないし2000円と定められ,本件各プログラムの販売価格よりも低額であったと認められる。しかし,被告が正規品よりも廉価で侵害品を販売したという事情は,むしろ,被告の行為の違法性が高いことを示すものであって,その場合に原告が通常の使用許諾料を減額したとは認め難く,損害額を低減させる事情には当たらないから,被告の上記主張は採用できない。 また,被告は,原告による本件各プログラムの販売価格が1キー1PC認証の割高なものであるのに対し,自らが販売したボリュームライセンス(MAKキー)は,同一のライセンスキーで複数のPCでの認証が可能である旨主張する。しかし,被告が検察庁において供述したところによれば,MAKキーは,1つのプロダクトキーで100台のパソコンでの認証ができるような企業用のプロダクトキーであるが,そもそも,被告は,原告との間で,プロダクトキーやソフトウェアの販売契約を締結していない(甲6の2頁,3頁)。そのため,原被告間で,被告が主張するところのMAKキーによる本件各プログラムの使用許諾が想定されていたとはいえず,被告が割安と主張するMAKキーの販売価格に基づいて使用許諾料相当額を算定するのは相当ではなく,被告の上記主張は採用できない。 (2) 弁護士費用原告が,本件訴訟の提起,遂行のために原告訴訟代理人を選任したことは,当裁判所に顕著であるところ,本件訴訟の事案の性質,内容,審理の経過等の 告の上記主張は採用できない。 主文 (2) 弁護士費用原告が,本件訴訟の提起,遂行のために原告訴訟代理人を選任したことは,当裁判所に顕著であるところ,本件訴訟の事案の性質,内容,審理の経過等の諸事情を考慮すると,被告の行為と相当因果関係のある弁護士費用は,原告が主張するとおりの296万円と認めるのが相当である。 (3) 合計額以上によれば,原告に生じた損害は,合計3261万3922円となる。 理由 3 よって,著作権侵害の不法行為に基づいて,損害金3261万3922円の一部である280万円及びこれに対する不法行為の最終日である平成27年3月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合の遅延損害金の支払を求める旨の原告の被告に対する請求は,理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部 裁判長裁判官 髙松宏之 裁判官 田原美奈子 裁判官 林啓治郎 (別紙)請求の原因 第1 当事者 1 原告原告は、コンピュータのオペレ 林啓治郎 (別紙) 請求の原因 第1 当事者 1 原告原告は、コンピュータのオペレーティングシステムプログラムの「MicrosoftWindows」や「MicrosoftOffice」などのアプリケーションプログラム、パソコンなどハードウェアの研究・開発・販売を業とするアメリカ合衆国の法人である。 2 被告被告は、昭和42年生まれの男性である。 被告は、原告の著作権及び商標権を侵害したとして、著作権法違反及び商標法違反の罪●(省略)●で●(省略)●判決が下され、●(省略)●確定している(甲1)。 第2 著作権侵害行為 1 原告が著作権者であること別紙原告製品一覧表の原告プログラム欄記載のプログラム(以下「本件各プログラム」という)は、コンピュータのオペレーティングシステムやワープロ、表計算及びプレゼンテーション用製品等を統合したもの等のプログラムに関するソフトウェアであり、プログラムの著作物(著作権法10条1項9号)に該当する。そして、原告は本件各プログラムの著作権者である。 2 被告による著作権侵害行為被告は前述第1の2項の行為に関連して、平成26年8月11日頃から同27年5月17日頃までの間、ヤフー株式会社が運営する「ヤフオク!」において、「P2」というYahoo!JapanID を利用して、別紙被告商品一覧表の商品 欄記載の商品(本件各プログラム)を販売していた(甲2の1,2)。そして、少なくとも、被告は平成27年1月28日から同3月7日までの間、本件各プログラムを、購入申込者と思われるものに対して、ダウンロードさせていた(甲3)。 原告は、本件各プログラムについて著作 て、少なくとも、被告は平成27年1月28日から同3月7日までの間、本件各プログラムを、購入申込者と思われるものに対して、ダウンロードさせていた(甲3)。 原告は、本件各プログラムについて著作権を有し、複製権及び公衆送信権を専有する(著作権法21条、23条)ことから、被告が本件各プログラムを複製及び公衆送信するためには、法定の除外事由がない以上、原告から許諾を得る必要がある。 ところが、被告は原告から許諾を受けることなく、本件各プログラムの複製物を販売し、ダウンロードさせたことは、原告の著作権(複製権又は公衆送信権)を侵害するものである。 3 被告に過失が認められること本件各プログラムを複製、販売することに関して、権利者である原告の許諾が必要であることは一般的に知られていることであるから、被告は複製権侵害又は公衆送信権侵害につき、故意があるか、少なくとも過失がある。 第3 原告の損害 1 原告の損害(1)損害の発生被告が本件各プログラムを原告の許諾なく複製したうえ、販売していたことにより、原告は本件各プログラムを販売する機会を喪失した。 (2)損害額(著作権法114条3項)ア販売(ダウンロード)数量(甲3,4)被告は「ヤフオク!」において、本件各プログラムを販売していた。被告が「ヤフオク!」において本件各プログラムをダウンロードさせた個数は、別紙被告商品一覧表のダウンロード数欄記載のとおりである。 なお、甲3には、重複したYahoo!ID やIP アドレスがあるところ、同一日におけるYahoo!ID 又はIP アドレスが同一であるものについては、複数ダウンロードされていたとしても、重複分を排除したうえで算出した。 イ原告の逸失利益本件各商品の原告製品の価格(ライセンス料 Yahoo!ID 又はIP アドレスが同一であるものについては、複数ダウンロードされていたとしても、重複分を排除したうえで算出した。 イ原告の逸失利益本件各商品の原告製品の価格(ライセンス料)は、別紙原告製品一覧表の価格欄記載のとおりである。 ウ損害額以上より、被告による著作権侵害行為により、原告は別紙被告商品一覧表記載の合計金額1のとおり、少なくとも2965万3992円の損害を被った。 (3)弁護士費用原告は被告に対して不法行為に基づく損害賠償請求をするため、弁護士に依頼することを余儀なくされた。そのための弁護士費用は296万円を下らない。 (4)小括よって、被告は原告に対し、不法行為に基づき、少なくとも3261万3922円の損害賠償義務を負う。 第4 結語よって、原告は被告に対し、不法行為(著作権侵害)に基づき、3261万3922円の一部である280万円及びこれに対する平成27年3月7日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を求める次第である。 以上 1 原告製品価格×ダウンロード数(重複は1カウントとして計算)で算出した。 (別紙) 原告製品一覧表 原告プログラム価格(税込)MicrosoftWindows 8 Professional 日本語 32bit 版¥27,864MicrosoftWindows 8 Professional 日本語 64bit 版¥27,864MicrosoftWindows7 Professional 日本語 32bit 版¥40,824MicrosoftWindows7 Profe 日本語 64bit 版¥27,864MicrosoftWindows7 Professional 日本語 32bit 版¥40,824MicrosoftWindows7 Professional 日本語 64bit 版¥40,824MicrosoftOffice 2013 ProfessionalPlus 32bit 版¥67,932MicrosoftOffice 2013 ProfessionalPlus 64bit 版¥67,932MicrosoftOffice 2010 ProfessionalPlus 32bit 版¥67,932MicrosoftOffice 2010 ProfessionalPlus 64bit 版¥67,932 (別紙) 被告商品一覧表 商品ダウンロード数ダウンロード数(重複控除)原告の被害金額2MicrosoftWindows 8 Professional 日本語 32bit 版 ¥83,592MicrosoftWindows 8 Professional 日本語 64bit 版 ¥27,864MicrosoftWindows7 Professional 日本語 32bit 版 ¥1,959,552MicrosoftWindows7 Professional 日本語 64bit 版 ¥1,632,960MicrosoftOffice 2013 ProfessionalPlus 32bit 版 ¥8,219,772MicrosoftOffice 2013 Profe MicrosoftOffice 2013 ProfessionalPlus 32bit 版 ¥8,219,772MicrosoftOffice 2013 ProfessionalPlus 64bit 版 ¥8,627,364MicrosoftOffice 2010 ProfessionalPlus 32bit 版 ¥4,823,172MicrosoftOffice 2010 ProfessionalPlus 64bit 版 ¥4,279,716合計2965 万3992 円 2 原告製品価格×ダウンロード数(重複控除)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る