令和7 年8 月28 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和6 年(ワ)第70283 号特許権侵害差止請求事件(第1 事件)令和6 年(ワ)第70284 号特許権侵害損害賠償請求事件(第2 事件)口頭弁論終結日令和7 年6 月24 日判決 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は、第1 事件及び第2 事件を通じて、原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 第1 事件(1) 被告は、別紙被告製品目録記載の製品を生産し、使用し、譲渡し若しくは貸渡し(電気通信回線を通じた提供を含む。)、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。)をしてはならない。 (2) 被告は、前項の製品及びその半製品(同目録記載の製品の構造を具備して いるが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 (3) 被告は、別紙被告方法目録記載の方法を使用してはならない。 2 第2 事件被告は、原告に対し、1 億円及びこれに対する令和6 年7 月3 日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、発明の名称を「予約管理装置、予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラム」とする発明に関する特許(特許第5931837 号。以下「本件特許」といい、本件特許に係る特許請求の範囲請求項7 及び8 の発明をそれぞれ「本件発明7」、「本件発明8」という。また、これらの発明を併せて「本 件各発明」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が、別紙被告製品目録記載の製品(以下「被告製品」という。)は本件発明7 の、別紙被告方法 明を併せて「本 件各発明」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が、別紙被告製品目録記載の製品(以下「被告製品」という。)は本件発明7 の、別紙被告方法目録記載の方法(以下「被告方法」という。また、被告製品と被告方法を併せて「被告システム」と総称する。)は本件発明8 の技術的範囲にそれぞれ属することから、被告製品の生産等及び被告方法の使用はい ずれも本件特許権の侵害に当たると主張して、被告に対し、本件特許権に基づき、被告製品の生産等の差止め(特許法100 条1 項)及び被告方法の使用の差止め並びに被告製品及びその半製品の廃棄(同条2 項)を求める(第1 事件)と共に、本件特許権侵害の不法行為に基づき、総額12 億7050 万円の損害の一部請求として1 億円の損害賠償及びこれに対する不法行為日又は不法行為後の 日である令和6 年7 月3 日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める(第2 事件)事案である。 1 前提事実(証拠等を掲記しない事実は、当事者間に争いがないか、弁論の全趣旨により容易に認められる。なお、書証の番号は特に断らない限り枝番号を含む(以下同じ。)。) (1) 当事者ア原告は、薬局・医療向けソリューションを提供する会社であり、患者向けサービスである「EPARK くすりの窓口」及び「EPARK お薬手帳アプリ」並びに医療機関向けサービスである「みんなのお薬箱」及び「みんなの共同仕入サービス」を提供している。(甲1) イ被告は、医療関連サービスの開発、提供を行う会社である。 (2) 本件特許権及び本件特許に至る経緯等ア原告は、次の特許権(本件特許権)を有する(以下、本件特許に係る明細書及び図面を「本 イ被告は、医療関連サービスの開発、提供を行う会社である。 (2) 本件特許権及び本件特許に至る経緯等ア原告は、次の特許権(本件特許権)を有する(以下、本件特許に係る明細書及び図面を「本件明細書」という。また、「/」は改行部分を示す。以下同じ。)。 特許番号特許第5931837 号 発明の名称予約管理装置、予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラム出願日平成25 年11 月13 日登録日平成28 年5 月13 日特許請求の範囲 【請求項7】「利用者によって利用される利用者端末と、当該利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置とを備える予約管理システムにおいて、/前記利用者端末は、前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記予約管 理装置に送信する送信手段を含み/前記予約管理装置は、/前記送信された画像データを受信する受信手段と、/前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段と、/前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、 前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段と/を含む/ことを特徴とする予約管理システム。」【請求項8】「利用者によって利用される利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置が実 行する予約管理方法であって、/前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記利用者端末から受信するステップと、/前記受信された画像データを 装置と通信可能に接続される予約管理装置が実 行する予約管理方法であって、/前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記利用者端末から受信するステップと、/前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示するステップと、/前記画像データが表示された前回(裁判所注:「前記」の誤りとみられる。)店舗端末を 利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された 画像データを前記画像印刷装置に送信するステップと/を具備することを特徴とする予約管理方法。」イ本件特許に至る経緯(ア) SGS 株式会社は、平成25 年11 月13 日、本件特許に係る出願をした。これに対し、特許庁審査官は、平成27 年9 月17 日起案に係る拒絶 理由通知書(乙1 の9)により、特開2011-180859 号公報(乙4。以下「乙4 文献」という。)を引用文献1 とする新規性及び進歩性欠如等を理由とする拒絶理由通知をした。 (イ) これを受け、株式会社EPARK(以下「EPARK 社」という。)は、平成27 年11 月5 日提出に係る手続補正書(乙1 の10)により、出願当 初の請求項7 及び8 を現在のものにすることなどを内容とする手続補正をした(以下「本件補正」という。上記請求項の記載の下線部が本件補正に係る部分である。)。また、同社は、同日提出に係る意見書(乙1 の11。以下「本件意見書」という。)において、上記新規性及び進歩性欠如に係る拒絶理由の解消につき、以下のとおり説明した。 「本願発明は、利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に につき、以下のとおり説明した。 「本願発明は、利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する構成により、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことができるとともに、画像データを画像印刷装置に送信した後に店舗端末 の利用者(店舗スタッフ)が処方箋の内容を確認することができず、調整作業を行うことができないといった事態を回避することができるという顕著な効果を達成することを特徴とする。/これに対して、…引用文献1 にはサーバが携帯端末から受信した処方箋全体画像をファクシミリ装置に送信することについては記載されているものの、本願発明の「利 用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該 画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する」旨の技術思想については引用文献1 には記載も示唆もされていない。」(ウ) これを受け、平成28 年3 月25 日、本件特許に係る特許査定がされ(甲3、乙1 の12)、同年5 月13 日、本件特許権の設定登録がされた。 なお、本件特許権については、令和6 年2 月28 日、EPARK 社から原告に対する特定承継による移転登録がされた(甲3)。 (3) 構成要件の分説ア本件発明77A 利用者によって利用される利用者端末と、当該利用者端末及び画像 データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置とを備える予約管理システムにおいて、7B 前記利用者端末は、前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記予 ータを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置とを備える予約管理システムにおいて、7B 前記利用者端末は、前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記予約管理装置に送信する送信手段を含み7C 前記予約管理装置は、 7C-1 前記送信された画像データを受信する受信手段と、7C-2 前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段と、7C-3 前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の 前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段と7D を含むことを特徴とする予約管理システム。 イ本件発明88A 利用者によって利用される利用者端末及び画像データを印刷する ことが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置が実 行する予約管理方法であって、8B 前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記利用者端末から受信するステップと、8C 前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示するステップと、 8D 前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信するステップと8E を具備することを特徴とする予約管理方法。 (4) 被告の行為 被告は、令和2 年7 月2 日、患者向け「おくすり連絡帳アプリ」である「PocketMusubi」を提供し、同アプリによるサービスの提供を開始した。 このサービスには、患者がその利用する端末により処方箋画像 和2 年7 月2 日、患者向け「おくすり連絡帳アプリ」である「PocketMusubi」を提供し、同アプリによるサービスの提供を開始した。 このサービスには、患者がその利用する端末により処方箋画像データを店舗(薬局)に送信し、店舗が当該画像データを用紙に印刷することを内容とするサービス(以下「被告提供サービス」といい、これを実施する方法を「被 告提供方法」という。両者を併せたものが「被告システム」である。)が含まれる(甲5~7)。 ただし、被告システムの具体的な構成については、後記のとおり、当事者間に争いがある。 2 争点 (1) 被告システムによる直接侵害の成否(争点1)(2) 被告システムの本件各発明の技術的範囲への属否(争点2)ア構成要件7A 及び8A の充足性(争点2-1)イ構成要件7C-2 及び8C の充足性(争点2-2)ウ構成要件7C-3 及び8D の充足性(争点2-3) エ均等侵害の成否(争点2-4) (3) 無効理由の有無(争点3)ア無効理由1サポート要件違反(争点3-1)イ無効理由2実施可能要件違反(争点3-2) ウ無効理由3乙3 発明を主引用例とする進歩性欠如(争点3-3)エ無効理由4乙4 発明を主引用例とする進歩性欠如(争点3-4)(4) 原告の損害(争点4) 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(被告システムによる直接侵害の成否)について(原告の主張)ア被告システムの構成被告システムの構成は、別紙「被告システムの構成(原告の主張)」記載 のとおりである。 イ被告システムは、利用者端末(患者端末)上で動作する て(原告の主張)ア被告システムの構成被告システムの構成は、別紙「被告システムの構成(原告の主張)」記載 のとおりである。 イ被告システムは、利用者端末(患者端末)上で動作するアプリと、店舗端末(薬局端末)からアクセスする管理画面と、サーバから構成されるものであるところ、アプリが利用者端末にインストールされるか否かにかかわらず、利用者端末上で動作するアプリを提供しているのは被告である。 そのアプリによって利用者端末は処方箋の画像データをサーバに送信することができるのであるから、被告システムにおける利用者端末の提供主体は被告である。 (被告の主張)ア被告システムの構成は、別紙「被告システムの構成(被告の主張)」記載 のとおりである。被告提供サービスの構成7b’及び7c’-1 が本件発明7 の構 成要件7B 及び7C-1 を充足すること、被告提供方法の構成8b’が本件発明 8 の構成要件8B を充足することは争わない。 イ被告システムにおいて、被告は、患者端末(利用者端末)を提供していない。被告システムのアプリケーションはウェブブラウザを通じてアクセス及び実行されるウェブアプリケーションであり(以下「被告ウェブアプ リケーション」という。)、患者端末にインストールされるものではないから、被告が患者端末の提供主体となることはない。したがって、被告システムの実施による本件特許権の直接侵害は成立しない。 (2) 争点2-1(構成要件7A 及び8A の充足性)について(原告の主張) ア以下の理由から、「画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置」(構成要件7A 及び8A)とは、画像データの送受信について、予約管理装置とは別の装置が画像印刷装置と直接通信可能に接続され、予約 以下の理由から、「画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置」(構成要件7A 及び8A)とは、画像データの送受信について、予約管理装置とは別の装置が画像印刷装置と直接通信可能に接続され、予約管理装置は当該別の装置を介して画像印刷装置と間接的に通信可能に接続されることを含むと解釈すべきであり、予約管理装置が画像印刷装置と直接通信 可能に接続される必要があると解釈すべきではない。 (ア) 予約管理装置から画像印刷装置に画像データが直接送信される場合と、予約管理装置から画像印刷装置に店舗端末を介して画像データが送信される場合のいずれであっても、利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末 を利用する利用者(店舗スタッフ)の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する構成を備えなければ、店舗スタッフが処方箋の内容を確認することができない。なぜなら、予約管理装置から画像印刷装置に店舗端末を介して画像が送信される場合であっても、店舗端末で処方箋の画像データが表示され、画像データの送信のタ イミングを利用者の操作に応じたものとしない限り、利用者は処方箋の 内容を印刷前に確認できないからである。したがって、予約管理装置から画像印刷装置に画像データが直接送信される場合と、店舗端末を介して送信される場合のいずれであっても、本件各発明の課題は生じる。その課題を解決するために上記構成を採用したものが本件各発明である。 (イ) 本件明細書には、「本実施形態においては、予約管理装置10 から店 舗に設置されているファクシミリ装置に対して画像データ送信されるものとして説明したが、当該画像データは例えば予約管理装置10 とは異なるファクシミリ送信用サー いては、予約管理装置10 から店 舗に設置されているファクシミリ装置に対して画像データ送信されるものとして説明したが、当該画像データは例えば予約管理装置10 とは異なるファクシミリ送信用サーバ装置から送信されるような構成とすることも可能である。更に、予約管理装置10 は、例えば画像サーバ装置やWeb サーバ装置を利用するような構成であっても構わない。」と記載さ れている(【0090】)。この記載からは、予約管理装置とは別のサーバ装置によって画像データを画像印刷装置に送信することも記載されているといえる。 また、本件明細書には、「本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要 素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。」などとする記載もあり(【0098】)、本件各発明の実施形態として本件明細書に記載された予約管理装置と画像印刷装置とが直接画像データをやり取りする実施形態に限定されないことが明記されている。 (ウ) 本件各発明には、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことができると共に、画像データを画像印刷装置に送信した後に店舗端末の利用者が処方箋画像データに記載される文字等の内容を確認することで、判読することができず、調製作業を行うことができないといった事態を回避することができるという作用効果を奏する範囲であれば、 種々の実施形態が含まれるのであって、予約管理装置と画像印刷装置とが直接画像データをやり取りする構成に限定されることはない。 イ被告システムにおいては、サーバ(予約管理装置)がプリンタ(画像印刷装置)と直接通信可能に接続されているわけで 理装置と画像印刷装置とが直接画像データをやり取りする構成に限定されることはない。 イ被告システムにおいては、サーバ(予約管理装置)がプリンタ(画像印刷装置)と直接通信可能に接続されているわけではないが、薬局端末(店舗端末)がプリンタと通信可能に接続されているから、薬局端末と通信可 能に接続されているサーバは、薬局端末を介してプリンタと間接的に通信可能に接続されているといえる。 ウしたがって、被告システムのプリンタと通信可能に接続される薬局端末と通信可能に接続されるサーバは、「画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置」(構成要件7A 及び8A)に該当し、被告システムの構成7a 及び8a は本件各発明の構成要件7A 及び8A を充足する。 (被告の主張)ア以下の理由から、「画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置」(構成要件7A 及び8A)とは、予約管理装置自体が画像印刷装置と情報をやり取りすることができる状態に繋がっている構成を必須の前提としてい るといえる。 (ア) 一般に、「通信」とは情報をやり取りすること、「接続」とは繋がることをそれぞれ意味するから、「画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置」とは、予約管理装置自体が、画像印刷装置と情報をやり取りすることができる状態に繋がっていることを意味する。 (イ) 本件明細書及び本件意見書の記載によれば、本件各発明は、予約管理装置が店舗端末を介さずに画像印刷装置と通信可能に接続されているために、予約管理装置から画像印刷装置に処方箋画像が送信される場合に、店舗スタッフが処方箋画像の内容を確認することができないという課題を解決するために、処方箋画像が画像印刷装置に送信される前に店舗端 末において処方箋画像の内容を表示するとい 送信される場合に、店舗スタッフが処方箋画像の内容を確認することができないという課題を解決するために、処方箋画像が画像印刷装置に送信される前に店舗端 末において処方箋画像の内容を表示するという構成を採用することによ り、「処方箋画像の内容を確認することができず、調製作業を行うことができ」ないという事態を回避するという効果を奏するものである。すなわち、本件各発明の技術的思想によれば、処方箋画像を予約管理装置から画像印刷装置に送信する際に、店舗スタッフによる処方箋の内容の確認とその承認というプロセスを挟むことに意味があり、そのためには、 予約管理装置と画像印刷装置との間の店舗端末を介さない通信経路の存在が必須の前提となっている。 (ウ) 予約管理装置が店舗端末を介して処方箋画像を送信するシステムでは、処方箋画像が画像印刷装置に送信される前に、店舗端末が標準的に備える表示機能によって店舗スタッフがその処方箋画像の内容を確認す ることができるのであって、画像データをファクシミリ装置に送信した後に店舗スタッフが処方箋の内容を確認することができないという本件各発明の課題が生じない。 (エ) 本件明細書には、予約管理装置自体が店舗に設置されているファクシミリ装置と画像データをやり取りすることができる状態に繋がっている ものが本件各発明の実施形態として記載されており、そのような状態に繋がっていないことを前提とする構成についての説明はなく、その場合に、どのような構成であれば本件各発明の課題に直面するかを説明した記載もない。本件明細書【0090】の記載は、予約管理装置が全ての機能を担う必要はなく、ファクシミリ送信用サーバ装置や画像サーバ装置等 にその一部の機能を担わせてもよいという趣旨を説明するものに過ぎず、 。本件明細書【0090】の記載は、予約管理装置が全ての機能を担う必要はなく、ファクシミリ送信用サーバ装置や画像サーバ装置等 にその一部の機能を担わせてもよいという趣旨を説明するものに過ぎず、これを超えて、予約管理装置側ではなく薬局端末側と画像印刷装置側の接続についても妥当することは記載されていない。 イ被告システムにおいて、サーバは薬局端末とは通信可能に接続されているが、プリンタとは通信可能に接続されていないから、被告システムの構 成7a’及び8a’は、本件各発明の構成要件7A 及び8A を充足しない。 (3) 争点2-2(構成要件7C-2 及び8C の充足性)について(原告の主張)ア本件明細書等において、予約管理装置が受信した画像データについて、加工をせずに店舗端末に送信することは記載されておらず、そのように限定解釈する理由はない。したがって、「前記受信された画像データを店舗 に設置された店舗端末に送信する」(構成要件7C-2 及び8C)とは、予約管理装置が受信した画像データを店舗端末に送信することだけを規定しているのであって、これには受信した画像データをリサイズした画像データを送信することも含まれる。 被告システムにおいては、サーバは、患者端末から送信された画像デー タを受信して、受信された画像データを店舗に設置された薬局端末に送信する。したがって、被告システムは、画像データがリサイズされているか否かにかかわらず、「前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信する」ものといえる。 イ本件各発明の構成要件7C-2 及び8C には、「前記受信された画像データ を店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段」と記載さ イ本件各発明の構成要件7C-2 及び8C には、「前記受信された画像データ を店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段」と記載されているだけであり、画像データを送信した直後に無条件に店舗端末に表示する態様に限定して記載されてはおらず、むしろ、本件明細書の記載によれば、店舗端末の店舗スタッフの行為が介在して初めて画像データが店舗端末に表示される態様も 含まれる。そうすると、「前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段」とは、店舗スタッフの行為が介在するか否かにかかわらず、送信された画像データを店舗端末に表示することができればよいといえる。 被告システムでは、薬局端末において印刷のアイコンを押下することにより画像データが表示されるとしても、送信された画像データを薬局端末に表示する以上、「前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段」を備えるものといえる。 ウ以上より、被告システムの構成7c-2 及び8c は、本件各発明の構成要件7C-2 及び8C を充足する。 (被告の主張)被告システムにおいては、薬局端末に対し、患者端末から受信した処方箋画像がそのまま送信されるのではなく、その処方箋画像をリサイズ加工した 画像が送信される。したがって、被告システムは、「前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信する」という構成を採用していない。 また、被告システムにおいては、薬局端末の利用者が同端末に表示された印刷アイコンを押下することにより処方箋画像をリサイズした画 ータを店舗に設置された店舗端末に送信する」という構成を採用していない。 また、被告システムにおいては、薬局端末の利用者が同端末に表示された印刷アイコンを押下することにより処方箋画像をリサイズした画像が同端末に表示されるものの、同端末の利用者がそのアイコンを押下しない限り、リ サイズ画像が同端末に表示されることはない。すなわち、被告システムにおいては、薬局端末の利用者の行為が介在して初めてリサイズ画像が薬局端末に表示されるのであって、リサイズ画像を薬局端末に「送信することによって」リサイズ画像を薬局端末に表示しているものではない。したがって、被告システムは、「前記受信された画像データを…店舗端末に送信することに よって…前記店舗端末に表示する」ものではない。 以上より、被告システムの構成7c’-2 及び8c’は、本件各発明の構成要件7C- 2 及び8C を充足しない。 (4) 争点2-3(構成要件7C-3 及び8D の充足性)について(原告の主張) アクラウドサービスを利用する被告システムにおいて、薬局端末からプリンタに画像データを送信する処理は、薬局端末上で動作する被告ウェブアプリケーションによって行われている。したがって、被告ウェブアプリケーションは、プリンタに対して画像データを送信する機能を含む。また、被告ウェブアプリケーションは被告システムのサーバによって提供されて いるから、被告ウェブアプリケーション上の印刷プレビュー表示アイコンを押下し、ブラウザ上の印刷実行ボタンを押下することにより、薬局端末からプリンタに対して画像データが送信されることは、被告システムにおいて、サーバ(被告ウェブアプリケーション)が薬局端末からプリンタに対して画像データを送信する送信手段を含むことにほかならない。 末からプリンタに対して画像データが送信されることは、被告システムにおいて、サーバ(被告ウェブアプリケーション)が薬局端末からプリンタに対して画像データを送信する送信手段を含むことにほかならない。 イ本件各発明の構成要件7C-3 及び8D については、構成要件7A 及び8Aと同様に、予約管理装置が画像データを画像印刷装置に直接送信する必要はなく、予約管理装置が別の装置を介して画像データを画像印刷装置に送信することをも含むと解釈できる。被告システムにおいては、薬局端末の利用者が薬局端末に表示された印刷実行ボタンを押下した場合、仮に、サ ーバからではなく、薬局端末からプリンタに画像データが送信されるとしても、サーバが、薬局端末を介して画像データをプリンタに送信していることにほかならない。 ウ以上より、被告システムの構成7c-3 及び8d は、本件各発明の構成要件7C-3 及び8D を充足する。 (被告の主張)本件各発明においては、利用者端末から受信した画像データを、処方箋の内容が確認できるか否かを判読するために予約管理装置から一度店舗端末に送信して表示し(構成要件7C-2、8C)、当該画像データが表示された店舗端末において店舗端末の利用者の操作があったことを予約管理装置が検知した 後に、予約管理装置から画像印刷装置に送信することが必要である(構成要 件7C-3、8D)。これに対し、被告システムでは、薬局端末の利用者が同端末に表示された印刷実行ボタンを押下した場合、サーバからではなく、薬局端末からプリンタに対してリサイズ画像が送信されるのであって、サーバから同じ画像データが異なる宛先に対して2 度送信されることはない。したがって、被告システムの構成7c’-3 及び8d'は、本件各発明の構成要 リンタに対してリサイズ画像が送信されるのであって、サーバから同じ画像データが異なる宛先に対して2 度送信されることはない。したがって、被告システムの構成7c’-3 及び8d'は、本件各発明の構成要件7C-3 及び 8D を充足しない。 (5) 争点2-4(均等侵害の成否)について(原告の主張)仮に、被告システムについて本件特許権の文言侵害が成立しないとしても、以下の理由から、本件特許権の均等侵害が成立する。 ア均等の第1 要件均等の第1 要件は、特許請求の範囲に記載された構成中に、相手方が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分が存在する場合であっても、異なる部分が特許発明の本質的部分ではないことである。 本件各発明は、利用者が処方箋を店舗に持参した後に調剤作業が開始さ れるために、利用者は、同作業が完了するまでの時間、店舗で待たなければならないという課題を解決すべく、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことが可能な予約管理システム及び予約管理方法を提供することを課題とし、予約管理システムにつき、利用者端末から処方箋の画像データを受信し、利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗 端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する構成とすることにより、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことができると共に、画像データを画像印刷装置に送信した後に店舗端末の利用者(店舗スタッフ)が処方箋画像データに記載される文字等の内 容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができないといった事態を回避することができるという顕著な作用効果を奏するものである。 したが 画像データに記載される文字等の内 容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができないといった事態を回避することができるという顕著な作用効果を奏するものである。 したがって、本件各発明の本質的部分すなわち特有の技術的思想を構成する特徴的部分は、予約管理システムが、利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端 末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する構成を有することである。ここで、予約管理装置とは別の装置が画像印刷装置と通信可能に接続される場合においても、予約管理システムが、「利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の 当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する構成」を備えれば、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことできると共に、画像データを画像印刷装置に送信した後に店舗端末の利用者が処方箋画像データに記載される文字等の内容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができないといった事態を回避することが できるという作用効果を奏する。そうすると、予約管理装置と画像印刷装置とが直接通信可能に接続される必要はなく、また、画像データを画像印刷装置に送信する構成を予約管理装置に設ける必要もない。 このため、予約管理装置が「画像印刷装置と通信可能に接続される」構成は本件各発明の本質的部分ではなく、また、「前記受信された画像デー タを画像印刷装置に送信する送信手段」を予約管理装置に設けることも、本件各発明の本質的部分ではない。 したがって、本件各発明と被告システムとの異なる部分は、本件各発 「前記受信された画像デー タを画像印刷装置に送信する送信手段」を予約管理装置に設けることも、本件各発明の本質的部分ではない。 したがって、本件各発明と被告システムとの異なる部分は、本件各発明の本質的部分ではない。 イ均等の第2 要件 均等の第2 要件は、特許発明と対象製品等との異なる部分につき、対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであることである。 本件各発明の「画像印刷装置と通信可能に接続される」構成を被告システムにおける店舗端末に置き換え、かつ、「前記受信された画像データを 前記画像印刷装置に送信する送信手段」を店舗端末に含むものと置き換えても、予約管理システム全体として、「利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する」構成を備え、本件各発明の目的を達することができ、 同一の作用効果を奏する。 ウ均等の第3 要件均等の第3 要件は、上記のように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであることである。 被告システムの製造等の時点において、本件各発明のような予約管理システムにつき、画像印刷装置を予約管理装置ではなく店舗端末と通信可能に接続し、店舗端末が画像データを画像印刷装置に送信することは、特開2018-73066 号(甲15。以下「甲15 文献」という。)に開示されており、公知技術であった。本件各発明と甲15 文献に開示された公知技術とは共 通の技術分野に属する することは、特開2018-73066 号(甲15。以下「甲15 文献」という。)に開示されており、公知技術であった。本件各発明と甲15 文献に開示された公知技術とは共 通の技術分野に属すると共に、システム全体が利用者端末、店舗端末、画像印刷装置及び予約管理装置から構成される点でも共通している。このため、当業者であれば、甲15 文献に開示された公知技術に基づいて、本件各発明における「画像印刷装置を通信可能に接続される」構成を店舗端末とし、「前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段」 を店舗端末に設けることは容易に想到できる。 エ均等の第4 要件均等の第4 要件は、対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから当該出願時に容易に推考できたものではないことである。 本件各発明と被告システムとは、画像データを画像印刷装置に送信する 構成が予約管理装置であるのか店舗端末であるのかという違いしかない。 このため、本件各発明が容易に想到できたものではないのと同様の理由から、被告システムも容易に推考できたものではない。 オ均等の第5 要件均等の第5 要件は、対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許 請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないことである。 原告は、本件補正により、予約管理装置につき、「前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段と、前記画像データが表示され た前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、」という発明特定事項を追加した。もっとも、本件意見書においては、この発明特定事項の全てが必ず予約管理装 像データが表示され た前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、」という発明特定事項を追加した。もっとも、本件意見書においては、この発明特定事項の全てが必ず予約管理装置に含まなければならないことを主張してはおらず、「画像印刷装置と通信可能に接続される」構成を店舗端末とし、「前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信 手段」を店舗端末に設ける構成を敢えて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示してもいない。 したがって、客観的、外形的にみて、被告システムに係る構成が特許請求の範囲に記載された構成に代替するものと認識しながら敢えて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していないことから、被告システムが本 件特許の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情はない。 カ小括以上より、被告システムは均等侵害の成立要件を充足することから、被告システムは、本件各発明に係る特許請求の範囲記載の構成と均等なもの として、本件各発明の技術的範囲に属する。 (被告の主張)以下の理由から、被告システムは均等侵害の要件を充足しない。 ア均等の第1 要件について調剤の予約に係る分野では、本件特許の出願時において既に処方箋受付 支援システム及びサーバに関する乙4 文献記載の従来技術が存在していたが、これについて、本件明細書には従来技術として記載されておらず、かえって、携帯端末を利用した調剤の予約が可能となる仕組みはこれまで知られていないという出願当時の技術水準と異なる説明がある。すなわち、本件明細書の記載は出願時の従来技術に照らして不十分であるから、本件 各発明の本質的部分を確定するに当たっては、従来技術である乙4 文献の記 う出願当時の技術水準と異なる説明がある。すなわち、本件明細書の記載は出願時の従来技術に照らして不十分であるから、本件 各発明の本質的部分を確定するに当たっては、従来技術である乙4 文献の記載事項も参酌する必要がある。 乙4 文献には、予約管理装置が利用者端末から受信した処方箋の画像データを店舗端末に送信することによって店舗端末に表示する構成及び予約管理装置による画像印刷装置に対する当該画像データの送信が店舗端末を 利用する利用者の店舗端末に対する操作に応じて行われる構成(本件発明 7 の構成要件7C、7C-2、7C-3 前段)に相当する構成の記載はないから、本件発明7 と乙4 文献記載の発明(以下「乙4 発明」という。)とは、これらの構成において相違するに過ぎない。その上で、本件明細書には、これらの構成を備えることにより、「画像データをファクシミリ装置に送信 した後に店舗スタッフが処方箋の内容を確認することができず、調製作業 を行うことができないといった事態を回避する」という従来技術(乙4 発明)の構成だけでは達成することができない独自の効果を奏することが説明されているのである。また、本件補正及び本件意見書の内容といった本件特許の出願経過からも、上記各構成が本件各発明のうち従来技術にみられない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であるといえる。 被告提供サービスは、本件発明7 の本質的部分である構成要件7C、7C- 2 及び7C-3 前段に係る構成において本件発明7 と相違する。したがって、被告提供サービスは、本件発明7 の本質的部分を備えておらず、本件発明 7 との関係で、均等の第1 要件を充足しない。 被告提供方法と本件発明8 についても同様である。 イ均等の第2 要件について本件 は、本件発明7 の本質的部分を備えておらず、本件発明 7 との関係で、均等の第1 要件を充足しない。 被告提供方法と本件発明8 についても同様である。 イ均等の第2 要件について本件各発明と被告システムで相違する部分(構成要件7C、7C-2、7C-3前段及びこれらに対応する本件発明8 の各構成要件)を、薬局端末の利用者の薬局端末に対する操作に応じて、サーバにより薬局端末に処方箋画像が送信されるとの構成に置換したとしても、「予約管理装置が画像データ を画像印刷装置に送信した後に画像データが判読不能であることが判明」するなどという事態が発生することはなく、このような事態が回避されるという本件各発明の作用効果と同一の作用効果が生じることもない。 したがって、被告システムは、本件各発明との関係で、均等の第2 要件も充足しない。 ウ均等の第3 要件について本件各発明と被告システムとは、予約管理装置(サーバ)が画像データを画像印刷装置に送信するか、店舗端末に送信するかという点で相違する。 本件各発明は、予約管理装置により処方箋の画像データが画像印刷装置に送信された後にその内容を確認することができないという課題を解決でき るのに対し、被告システムでは、そもそもサーバにより処方箋画像がプリ ンタに送信されることがないため、上記課題そのものが発生せず、これが解決されるということもない。すなわち、本件各発明と被告システムでは、技術の基本的発想が異なる。また、本件明細書には、本件各発明と被告システムで異なる上記各構成について、本件各発明を被告システムのような構成に置換することを明示又は示唆する記載はないから、そのような置換 をする動機付けもない。 したがって、被告システムは、本件各発明との関係で、均等 成について、本件各発明を被告システムのような構成に置換することを明示又は示唆する記載はないから、そのような置換 をする動機付けもない。 したがって、被告システムは、本件各発明との関係で、均等の第3 要件も充足しない。 エ均等の第4 要件について被告システムと特開平8-235273 号公報(乙3。以下「乙3 文献」とい う。)記載の発明(以下「乙3 発明」という。)の相違点は、①被告システムはサーバが処方箋画像を患者端末から受信することにより取得するのに対し、乙3 発明は処方箋伝送装置1 が処方箋を読み取ることにより取得する点、②被告システムはリサイズ画像を薬局端末が利用者の薬局端末に対する操作に応じて薬局端末に表示するのに対し、乙3 発明は処方箋コー ド情報を調剤保険請求用コンピュータ2 が薬局端末に送信して薬局端末に表示する点にある。しかし、乙4 文献等には、携帯端末から送信された処方箋の画像データをサーバが受信することにより取得する構成が開示されていることなどから、乙3 発明の相違点に係る構成に代えて乙4 文献等記載の構成を採用し、被告システムの構成とすることは、当業者が本件特許 の出願時に容易に推考し得たものといえる。 また、被告システムと乙4 発明の相違点は、被告システムは薬局端末が利用者の操作に応じてリサイズ画像をプリンタに送信する手段を含むのに対し、乙4 発明は、薬局端末が利用者の操作に応じて画像データをファクシミリ装置4 に送信する手段を含むかどうかが不明である点にある。しか し、ウェブページ「プリンターの歴史」(乙6。以下「乙6 文献」という。) 等には、ファクシミリ機能とプリンタ機能を搭載する複合機をパソコン端末と通信可能に接続することで、パソコン端末の操作に応じて画 ージ「プリンターの歴史」(乙6。以下「乙6 文献」という。) 等には、ファクシミリ機能とプリンタ機能を搭載する複合機をパソコン端末と通信可能に接続することで、パソコン端末の操作に応じて画像データを複合機に送信する構成が開示されていることなどから、乙4 発明に乙6文献等の記載事項を適用して被告システムの構成とすることは、当業者が本件特許の出願時に容易に推考し得たものといえる。 以上より、被告システムは、本件各発明との関係で、均等の第4 要件も充足しない。 オ均等の第5 要件について本件補正に係る本件特許の出願経過に鑑みると、本件特許の出願人は、拒絶理由を回避するために、本件発明7 の構成要件7C、7C-2 及び7C-3 前 段に係る構成を備えた発明に限定して特許を受けたといえる。これにより、出願人は、これらの構成要件の全部又は一部を備えない発明については、本件各発明の技術的範囲に属しないことを承認したか、少なくとも外形的にそのように解される行動をとったと評価されるべきである。 また、仮に、本件明細書に、予約管理装置が店舗端末を介して画像印刷 装置と通信可能に接続される構成や、店舗端末が画像印刷装置に画像データを送信する送信手段を含む構成、画像データが利用者の店舗端末に対する操作に応じて店舗端末に表示される構成も明記されているというのであれば、そもそも、出願人は、本件特許出願時に、本件各発明との相違点である被告システムに係る構成を容易に想到することができたことになる。 それにもかかわらず、出願人はこれを特許請求の範囲に敢えて記載しなかったのであるから、均等の成立を妨げる特段の事情がある。 これらの事情から、被告システムは、本件各発明との関係で、均等の第要件も充足しない。 (6) 争点3- 特許請求の範囲に敢えて記載しなかったのであるから、均等の成立を妨げる特段の事情がある。 これらの事情から、被告システムは、本件各発明との関係で、均等の第要件も充足しない。 (6) 争点3-1(サポート要件違反)について (被告の主張) 予約管理装置から画像印刷装置に店舗端末を介して画像データが送信される場合には、そもそも店舗端末に画像データが送信された時点(画像印刷装置に画像データが送信される前の時点)において、店舗端末が標準的に備える表示機能により、画像データに記載される文字等が判読可能か否かを判断することができる。このため、この場合には、「画像データをファクシミリ 装置に送信した後に店舗スタッフが処方箋の内容を確認することができ」ないという本件各発明の課題が生じる余地はない。 そうすると、本件各発明の構成要件7A、8A、7C、7C-3、8A、8D の各発明特定事項について、原告が主張するように、予約管理装置が画像データを画像印刷装置に直接送信する必要はなく、別の装置が画像データを画像印刷 装置に直接送信し、予約管理装置は当該別の装置を介して画像データを画像印刷装置に送信することをも含むと解釈できるなどと解釈し得るとすると、当業者は、特許請求の範囲の記載から、いかなる場合に本件各発明の課題に直面するかを理解することができない。すなわち、本件各発明は、発明の詳細な説明の記載等や出願当時の技術常識に照らしても、当業者がその発明の 課題を解決できると認識できる範囲を超えたものといえる。 したがって、本件各発明に係る特許請求の範囲の記載は「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものである」とはいえず、本件特許は、特許法36 条6 項1 号所定の要件を満たしていない特許出願に対して 本件各発明に係る特許請求の範囲の記載は「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものである」とはいえず、本件特許は、特許法36 条6 項1 号所定の要件を満たしていない特許出願に対してされたものとして、特許無効審判により無効にされるべきもの(123 条1 項 4 号)であるから、原告は、被告に対し、本件特許権を行使できない(104 条の3 第1 項)。 (原告の主張)予約管理装置から画像データが画像印刷装置に直接送信される場合も、予約管理装置から画像印刷装置に店舗端末を介して画像データが送信される場 合も、いずれも本件各発明の課題に直面する構成である。この課題を解決す るために、「利用者端末から受信された処方箋の画像データを店舗端末に表示し、当該画像データが表示された店舗端末を利用する利用者の当該店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信する構成」を採用したものが本件各発明である。したがって、本件特許につきサポート要件違反はない。 (7) 争点3-2(実施可能要件違反)について(被告の主張)原告の主張を前提とすると、本件各発明が実施可能要件に適合するためには、別の装置が画像データを画像印刷装置に直接送信し、予約管理装置は当該別の装置を介して画像データを画像印刷装置に送信することをも包含した システムについて実施できる程度に本件明細書の発明の詳細な説明の記載がされている必要がある。しかし、本件明細書の発明の詳細な説明にはそのようなシステムについての記載はなく、予約管理装置が画像データを画像印刷装置に送信する実施形態しか開示されていない。また、原告が主張するシステムとする場合に、どのようなシステムを用いてどのような通信をすること によって本件各発明 約管理装置が画像データを画像印刷装置に送信する実施形態しか開示されていない。また、原告が主張するシステムとする場合に、どのようなシステムを用いてどのような通信をすること によって本件各発明の課題が生じ、それがどのように解決されるかの原理についての説明も記載されていない。このため、原告の主張を前提とする限り、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものとはいえない。 したがって、本件特許は、特許法36 条4 項1 号所定の要件を満たしてい ない特許出願に対してされたものとして、特許無効審判により無効にされるべきもの(123 条1 項4 号)であるから、原告は、被告に対し、本件特許権を行使できない。 (原告の主張)本件明細書の記載によれば、本件各発明には、処方箋を店舗に持参するこ となく調剤の予約を行うことができると共に、画像データを画像印刷装置に 送信した後に店舗端末の利用者が処方箋画像データに記載される文字等の内容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができないといった事態を回避することができる作用効果を奏する範囲であれば、種々の実施形態が含まれ、予約管理装置と画像印刷装置とが直接画像データをやり取りする構成に限定解釈されることはない。別の装置が画像印刷装置と通信可能に 接続され、予約管理装置は当該別の装置を介して画像印刷装置と通信可能に接続される場合も上記作用効果を奏することから、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、予約管理装置が別の装置を介して画像印刷装置と通信可能に接続される場合について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものといえる。したがって、本件特許につき実施可 能要件違反 が別の装置を介して画像印刷装置と通信可能に接続される場合について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものといえる。したがって、本件特許につき実施可 能要件違反はない。 (8) 争点3-3(乙3 発明を主引用例とする進歩性欠如)について(被告の主張)ア乙3 発明の構成乙3 文献記載の発明(乙3 発明)は、以下の構成のものである。 (ア) 本件発明7 に対応する構成3-7a 次の構成を備える処方箋伝送システムである。 ① 処方箋伝送装置1 を備える。 ② 前記処方箋伝送装置1 は薬局で利用される調剤保険請求用コンピュータ2と通信可能に接続されている。 ③ 前記調剤保険請求用コンピュータ2 は仮の処方箋に係るデータを紙媒体に印刷することが可能なプリンタ25 に通信可能に接続されている。 3-7b 前記処方箋伝送装置1 は、前記患者に対して発行された処方箋を処方箋イメージ情報として読み取る手段を備える。 3-7c 前記処方箋伝送装置1 は、次の構成を備える。 ① 前記読み取られた処方箋イメージ情報及び前記処方箋イメージ情報から処方箋の内容を抽出した処方箋コード情報を記憶する手段。 ② 前記処方箋コード情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2に送信し、前記処方箋コード情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2に表示する手段。 ③ 前記調剤保険請求コンピュータ2 を利用する薬剤師等の操作に応じて、前記処方箋コード情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2から前記調剤保険請求用コンピュータ2 と通信可能に接続されている前記プリンタ25 に送信する手段。 3-7d 上記3-7a~3-7c を含むことを特徴とする処方箋伝送システムで ある。 (イ 前記調剤保険請求用コンピュータ2 と通信可能に接続されている前記プリンタ25 に送信する手段。 3-7d 上記3-7a~3-7c を含むことを特徴とする処方箋伝送システムで ある。 (イ) 本件発明8 に対応する構成3-8a 次の構成を備える処方箋予約受付処理方法である。 ① 処方箋伝送装置1 を備える。 ② 前記処方箋伝送装置1 は薬局で利用される調剤保険請求用コンピ ュータ2 と通信可能に接続されている。 ③ 前記調剤保険請求用コンピュータ2 は仮の処方箋に係るデータを紙媒体に印刷することが可能なプリンタ25 に通信可能に接続されている。 ④ 上記②③の構成を備える前記処方箋伝送装置1 が以下の構成3- 8b~3-8d の処理を実行する。 3-8b 前記処方箋伝送装置1 は、前記患者に対して発行された処方箋を処方箋イメージ情報として読み取るステップを備える。 3-8c 前記読み取られた処方箋イメージ情報から抽出した処方箋コード情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2 に送信し、前記処方箋コー ド情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2 に表示するステップを備える。 3-8d 前記調剤保険請求コンピュータ2 を利用する薬剤師等の操作に応じて、前記処方箋コード情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2 から前記調剤保険請求用コンピュータ2 と通信可能に接続されている前 記プリンタ25 に送信するステップを備える。 3-8e 上記3-8a~3-8d を具備することを特徴とする処方箋予約受付処理方法である。 イ本件発明7 と乙3 発明との相違点(ア) 相違点3-7-1 本件発明7 は、「利用者端末」と「予約管理装置」が「通信可能に接続」されているのに対し、乙3 発明は、「利用 である。 イ本件発明7 と乙3 発明との相違点(ア) 相違点3-7-1 本件発明7 は、「利用者端末」と「予約管理装置」が「通信可能に接続」されているのに対し、乙3 発明は、「利用者端末」に対応する構成を備えていない点。 (イ) 相違点3-7-2本件発明7 は、「利用者に対して発行された処方箋の画像データを前 記予約管理装置に送信する送信手段」を含む「利用者端末」を備えるのに対し、乙3 発明は、「利用者端末」に対応する構成を備えていない点。 (ウ) 相違点3-7-3本件発明7 は、「利用者端末」から「送信された画像データを受信する受信手段」を含むのに対し、乙3 発明は、「利用者端末」に対応する 構成を備えていない点。 (エ) 相違点3-7-4本件発明7 は、「処方箋の画像データ」を送信することにより「店舗端末」の画面に表示させるのに対し、乙3 発明は、「処方箋イメージ情報」から所定の情報を抽出して文字認識した「処方箋コード情報」を送 信することにより「調剤保険請求用コンピュータ2」の画面に表示させる点。 ウ本件発明8 と乙3 発明の相違点(ア) 相違点3-8-1本件発明8 は、「利用者端末」と「予約管理装置」が「通信可能に接 続」されているのに対し、乙3 発明は、「利用者端末」に対応する構成を備えていない点。 (イ) 相違点3-8-2本件発明8 は、「利用者端末」から「利用者に対して発行された処方箋の画像データを受信するステップ」を含むのに対し、乙3 発明は、「利 用者端末」に対応する構成を備えていない点。 (ウ) 相違点3-8-3本件発明8 は、「処方箋の画像データ」を送信することにより「店舗端末」の画面に表示するのに対し、乙3 発明は、「処方 用者端末」に対応する構成を備えていない点。 (ウ) 相違点3-8-3本件発明8 は、「処方箋の画像データ」を送信することにより「店舗端末」の画面に表示するのに対し、乙3 発明は、「処方箋イメージ情報」から所定の情報を抽出して文字認識した「処方箋コード情報」を送信す ることにより「調剤保険請求用コンピュータ2」の画面に表示させる点。 エ容易想到性(本件各発明について)(ア) 乙4 文献の記載事項乙4 文献には、顧客が所望する薬局に対し処方箋に基づく調剤の申込みをすることができるようにして、薬局での待ち時間を短縮するための 処方箋受付技術が開示されており、具体的には、顧客が所望する薬局を選択し、携帯端末より処方箋の画像データ(処方箋全体又は処方箋に付された二次元バーコードの画像)を添付した電子メールを支援センタのサーバに送信すると、当該サーバが当該画像データを薬局端末に転送して、当該処方箋の画像データによる調剤の申込みを行うことなどが記載 されている。 (イ) 特開2010-246873 号公報(乙5。以下「乙5 文献」という。)には、患者が処方箋を調剤薬局に持参して処方薬を受け取れるまで待たなければならないという問題を解決するための技術が開示されており、具体的には、医院で渡された処方箋を写真撮影機能付き携帯電話で撮影し、処方薬を受け取る調剤薬局を指定した上で、処方箋のデジタル写真データ を携帯電話のインターネット接続機能でサーバに送信し、サーバでは、受け取った上記データを暗号化し、調剤薬局に配信し、調剤薬局では、サーバから配信された上記データにつき、パソコン上で暗号化を解除して画面表示される処方箋に基づいて、患者が調剤薬局に訪れる前に処方薬の調剤を開始することなどが記載されてい 局に配信し、調剤薬局では、サーバから配信された上記データにつき、パソコン上で暗号化を解除して画面表示される処方箋に基づいて、患者が調剤薬局に訪れる前に処方薬の調剤を開始することなどが記載されている。 (ウ) 乙3 発明は、医療機関から受領した処方箋を処方箋伝送装置を用いて読み取り、読み取った処方箋に関する所定のデータを薬局等に設置された調剤保険請求用コンピュータに送信する処方箋伝送システムに係る発明である。このようなシステムにおいて、処方箋の画像データを取得する手段として、医療機関等に設置された端末(処方箋伝送装置)の読み 取り手段に代えて、個々の患者が保有する携帯端末の撮影機能を用いることは、乙4 文献及び乙5 文献の上記各記載事項のとおり、本件特許出願当時、当業者にとって周知の技術であった。また、乙3 発明と乙4 文献及び乙5 文献の上記各記載事項とは、いずれも、処方箋を遠隔で受け付けるシステムという共通の技術分野に属し、患者が薬局を訪れる前に 薬局側で調剤業務を行い、薬局での待ち時間を短縮するという共通の作用効果を奏する。このため、乙3 発明に接した当業者において、同発明に周知技術である乙4 文献及び乙5 文献の各記載事項を適用し、相違点3-7-1~3-7-3 並びに3-8-1 及び3-8-2 に係る本件各発明の構成とすることには動機付けがあったといえ、容易に想到し得たものである。 (エ) 相違点3-7-4 及び3-8-3 については、薬局に設置された端末のディスプレイに表示する処方箋の内容を処方箋の画像データとするか、処方箋の内容を示した文字コードに基づく情報とするかという表示対象の形式的な相違に過ぎない。したがって、本件各発明と乙3 発明とは、処方箋の内容を薬局に設置された端末の 処方箋の画像データとするか、処方箋の内容を示した文字コードに基づく情報とするかという表示対象の形式的な相違に過ぎない。したがって、本件各発明と乙3 発明とは、処方箋の内容を薬局に設置された端末のディスプレイに表示させる点で差異は なく、実質的には同一のものと評価することができる。 仮に上記各相違点につき同一でないとしても、処方箋の予約を受け付けるシステムの分野において、画面に表示する内容を画像データとするか文字コードに基づく情報とするかは、利用者の利便性やコンピュータの性能等を考慮して適宜選択される設計的事項である。そうすると、乙 3 発明の処方箋コード情報を調剤保険請求用コンピュータの画面に表示させる構成を、相違点3-7-4 及び3-8-3 に係る本件各発明の構成にすることは、当業者において容易に想到し得たものである。 (オ) 以上より、本件各発明はいずれも、本件特許出願前に当業者が乙3 発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本件特許 は、特許法29 条2 項に違反してされたものであり、特許無効審判により無効にされるべきものである(同法123 条1 項2 号)。 オしたがって、原告は、被告に対し、本件特許権を行使できない。 (原告の主張)ア本件各発明と乙3 発明の相違点 乙3 発明の処方箋伝達装置は、利用者によって利用される利用者端末と通信可能に接続されることはなく、当該端末から画像データを受信することもないから、乙3 発明は、本件各発明の「予約管理装置」に相当する構成を備えていない。これを踏まえると、本件各発明と乙3 発明との相違点は、以下のとおりとなる。 (ア) 本件発明7 と乙3 発明の相違点 a 相違点3-7-1’本件発明7 は、「利用者によ 。これを踏まえると、本件各発明と乙3 発明との相違点は、以下のとおりとなる。 (ア) 本件発明7 と乙3 発明の相違点 a 相違点3-7-1’本件発明7 は、「利用者によって利用される利用者端末と、当該利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置とを備える予約管理システム」であるのに対し、乙3 発明は、「患者によって利用される処方箋伝送 装置1 と、当該処方箋伝送装置1 及びデータを紙媒体に印刷することが可能なプリンタ25 と通信可能に接続される調剤保険請求用コンピュータ2 とを備える処方箋伝送システム」である点。 b 相違点3-7-2’本件発明7 では、「前記利用者端末は、前記利用者に対して発行さ れた処方箋の画像データを前記予約管理装置に送信する送信手段を含」むのに対し、乙3 発明は、そもそも「利用者端末」に対応する構成を備えていない点。 c 相違点3-7-3’本件発明7 では、「前記予約管理装置は、前記送信された画像デー タを受信する受信手段と」を含むのに対し、乙3 発明は、そもそも「予約管理装置」に対応する構成を備えていない点。 d 相違点3-7-4’本件発明7 は、「前記予約管理装置は、…前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像デー タを前記店舗端末に表示する表示処理手段と、前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段とを含む」のに対し、乙3 発明は、そもそも「予約管理装置」に対応する構成を備えておらず、「前記処方箋伝送装置1 は、…①処 方箋イメージ情報か 画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段とを含む」のに対し、乙3 発明は、そもそも「予約管理装置」に対応する構成を備えておらず、「前記処方箋伝送装置1 は、…①処 方箋イメージ情報から処方箋の内容を抽出した処方箋コード情報を前 記調剤保険請求用コンピュータ2 に送信することによって、当該処方箋コード情報を前記調剤保険請求用コンピュータ2 に表示する手段」を含み、「前記調剤保険請求用コンピュータ2 は、前記処方箋コ-ド情報が表示された前記調剤保険請求用コンピュータ2 を利用する薬剤師等の前記調剤保険請求用コンピュータ2 に対する操作に応じて、前記 処方箋コード情報をプリンタ25 に送信する手段を含む」点。 (イ) 本件発明8 と乙3 発明の相違点a 相違点3-8-1’本件発明8 は、「利用者によって利用される利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続さ れる予約管理装置が実行する予約管理方法」であるのに対し、乙3 発明は、「データを紙媒体に印刷することが可能なプリンタ25 と通信可能に接続される調剤保険請求用コンピュータ2 と通信可能に接続される患者によって利用される処方箋伝送装置1 が実行する処方箋予約受付処理方法」である点。 b 相違点3-8-2’本件発明8 は、「前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記利用者端末から受信するステップ」を具備するのに対し、乙 3 発明は、そもそも「利用者端末」に対応する構成を備えていない点。 c 相違点3-8-3’ 本件発明8 は、「前記送信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示するステップ」を含むのに対し、乙3 発明は、そもそ -8-3’ 本件発明8 は、「前記送信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示するステップ」を含むのに対し、乙3 発明は、そもそも「予約管理装置」に対応する構成を備えていない点。 d 相違点3-8-4’ 本件発明8 は、「前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信するステップ」を具備するのに対し、乙3 発明は、そもそも「予約管理装置」に対応する構成を備えておらず、「前記調剤保険請求用コンピュータ2 は、前記処方箋コード 情報が表示された前記調剤保険請求用コンピュータ2 を利用する薬剤師等の前記調剤保険請求用コンピュータ2 に対する操作に応じて、前記処方箋コード情報をプリンタ25 に送信するステップ」を具備する点。 ウ容易想到でないこと(本件各発明について) (ア) 相違点3-7-1’~3-7-3’及び3-8-1’~3-8-3’について乙3 文献には、処方箋伝送装置を医療機関等の一定の場所に設備することが明記されており、これ以外の態様は想定されていない。乙3 発明のシステムにおいては、このように固定の場所に設備された処方箋伝送装置と薬局に設備された調剤保険請求用コンピュータとが通信可能に接 続されているだけであり、サーバと携帯端末とによるシステムを使用することは想定されていない。これに対し、乙4 文献記載のシステムは、支援センタに設備された支援センタのサーバと、顧客の携帯端末と、薬局に設備された薬局端末とが通信可能に接続される構成である。乙5 文献記載のシステムも、サーバと、患者の携帯電話と、薬局に設備された パソコン された支援センタのサーバと、顧客の携帯端末と、薬局に設備された薬局端末とが通信可能に接続される構成である。乙5 文献記載のシステムも、サーバと、患者の携帯電話と、薬局に設備された パソコンとが通信可能に接続される構成である。このように、乙3 発明のシステムと、乙4 文献及び乙5 文献に各記載のシステムとは、システム全体の構成が根本的に異なる。 また、乙3 発明の処方箋伝送装置は、患者が、手元にある処方箋と、読み取られた処方箋イメージ情報及び処方箋コード情報との内容が同じ であることを確認してから、処方箋コード情報と処方箋イメージ情報を 調剤保険請求用コンピュータに送信するものである。これに対し、乙4文献及び乙5 文献に各記載のシステムでは、利用者端末を用いて処方箋の画像データを読み取り・送信する際に、患者が、手元にある処方箋と読み取られた情報との内容が同じであることを確認することはない。 以上のとおり、乙3 発明のシステムと乙4 文献及び乙5 文献記載のシ ステムとは、システム全体の構成及び処方箋に係る情報の送信方法が根本的に異なることから、これらを組み合わせる動機付けはなく、むしろ、乙3 発明に乙4 文献及び乙5 文献に開示された技術を適用することには阻害要因がある。 したがって、乙3 発明に乙4 文献及び乙5 文献の各記載事項を適用 し、乙3 発明の処方箋伝送装置を本件各発明の「利用者端末」と「予約管理装置」とに置き換えることは、当業者にとって容易に想到し得ない。 (イ) 相違点3-7-4’及び3-8-4’について本件各発明においては、画像データから抽出した情報ではなく、画像データそのものを店舗端末に表示した上で、店舗端末に対する操作に応 じて画像データを画像印刷装置に送信するという -4’について本件各発明においては、画像データから抽出した情報ではなく、画像データそのものを店舗端末に表示した上で、店舗端末に対する操作に応 じて画像データを画像印刷装置に送信するという2 段階のステップを踏むからこそ、画像データに記載される文字等の内容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができない事態を回避できる。 これに対し、乙3 発明は、処方箋イメージデータではなく、判読可能な印刷処方箋コード情報に基づいて仮の処方箋を印刷して調剤業務を行 うものであるから、処方箋画像データに記載される文字等の内容を確認、判読することができないという問題は生じ得ず、画像データを店舗端末(調剤保険請求用コンピュータ)に表示し、店舗端末に対する操作に応じて画像データを画像印刷装置に送信するという2 段階のステップを踏む必要がない。 したがって、乙3 発明からでは、相違点3-7-4’に係る本件各発明の構成は、当業者であっても想起し得ない。 (9) 争点3-4(乙4 発明を主引用例とする進歩性欠如)について(被告の主張)ア乙4 発明の構成 乙4 発明の構成は、以下のとおりである。 (ア) 本件発明7 に対応する構成4-7a 顧客が利用する携帯端末1 と、当該携帯端末1 及び画像データを用紙に印刷することが可能なファクシミリ装置4 と通信可能に接続されたサーバ2 とを備える処方箋受付支援システムであって、 4-7b 前記携帯端末1 は、前記顧客に対して発行された処方箋の処方箋に係る画像データを前記サーバ2 に送信する送信手段を含み、4-7c 前記サーバ2 は、4-7c-1 前記送信された処方箋に係る画像データを受信する受信手段と 4-7c-2 前記受信された処 データを前記サーバ2 に送信する送信手段を含み、4-7c 前記サーバ2 は、4-7c-1 前記送信された処方箋に係る画像データを受信する受信手段と 4-7c-2 前記受信された処方箋に係る画像データを薬局に設置された薬局端末3 に送信し、薬局端末3 の利用者が当該処方箋に係る画像データを開くことにより薬局端末3 が当該処方箋に係る画像データを前記薬局端末3 に表示する表示手段と4-7d を含むことを特徴とする処方箋受付支援システム。 (イ) 本件発明8 に対応する構成4-8a 顧客によって利用される携帯端末1 及び画像データを用紙に印刷することが可能なファクシミリ装置4 と通信可能に接続されるサーバ 2 が実行する処方箋受付支援方法であって、4-8b 前記顧客に対して発行された処方箋の処方箋に係る画像データ を前記携帯端末1 から受信するステップと、 4-8c 前記受信された画像データを薬局に設置された薬局端末3 に送信し、薬局端末3 の利用者が当該処方箋に係る画像データを開くことにより薬局端末3 が当該処方箋に係る画像データを薬局端末3 に表示するステップと、4-8d を具備することを特徴とする処方箋受付支援方法。 イ本件発明7 と乙4 発明の相違点4-7本件発明7 では、「前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する」手段が備わっているのに対し、乙4 発明では、薬局端末を利用する利用者が薬局端末に対して操作をしても、受 信された画像データをファクシミリ装置に送信して印刷することができるか否かが不明である点。 ウ本件発明8 と乙4 発明の相違点4-8本件発 する利用者が薬局端末に対して操作をしても、受 信された画像データをファクシミリ装置に送信して印刷することができるか否かが不明である点。 ウ本件発明8 と乙4 発明の相違点4-8本件発明8 では、「前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像デー タを前記画像印刷装置に送信するステップ」が備わっているのに対し、乙 4 発明では、薬局端末を利用する利用者が薬局端末に対して操作をしても、受信された画像データをファクシミリ装置に送信して印刷することができるか否かが不明である点。 エ容易想到性(本件各発明について) 本件特許の出願時において、組織内に設置されたパソコン(端末)を、ファクシミリ機能に加えてプリンタ機能を搭載する複合機にLAN 接続し、パソコン(端末)内にある画像データをその複合機の印刷機能を用いて印刷することは、周知の技術であった。加えて、乙4 文献には、乙4 発明におけるファクシミリ装置を、印刷機能を有する複合機に置き換え、その複 合機を用いて処方箋の画像データを印刷することの動機付けが示唆されている。 したがって、乙4 発明に接した当業者において、乙4 発明の処方箋受付支援システムのファクシミリ装置につき、周知技術を適用し、相違点4-7及び4-8 に係る本件各発明の構成とすることには動機付けがあり、容易に 想到し得たものといえる。 そうすると、本件各発明はいずれも、本件特許出願前に当業者が乙4 発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法29 条2 項に違反してされたものであり、特許無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、被告に対し、本件特許権を行使でき な 明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法29 条2 項に違反してされたものであり、特許無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、被告に対し、本件特許権を行使でき ない。 (原告の主張)ア相違点の認定の誤り(ア) 乙4 文献には、①サーバから薬局端末に送られた処方箋に係る画像データに基づいて受付を行うことと、②サーバからファクシミリ装置に送 られた処方箋に係る画像が示されたファクシミリ文書に基づいて受付を行うこととが二者択一の関係にあることが記載されており、サーバから薬局端末に送られた処方箋に係る画像データを、利用者が薬局端末に対して操作をしてファクシミリ装置に送信して印刷することは想定されていない。この点を踏まえると、本件各発明と乙4 発明の相違点は、以下 のとおりとなる。 (イ) 本件発明7 と乙4 発明の相違点4-7’本件発明7 は、「前記予約管理装置は、…前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段とを 含む」のに対し、乙4 発明においては、薬局端末の操作に関係なく、サ ーバが自動的に画像データをファクシミリ装置に送信しており、薬局端末に対する操作に応じて薬局端末から画像データがファクシミリ装置に送信されることはない点。 (ウ) 本件発明8 と乙4 発明の相違点4-8’本件発明8 は、「前記画像データが表示された前記店舗端末を利用す る利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信するステップとを具備する」のに対し、乙4 発明においては、薬局端末の操作に関係なく、サーバが自動的に画像データをファク 舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信するステップとを具備する」のに対し、乙4 発明においては、薬局端末の操作に関係なく、サーバが自動的に画像データをファクシミリ装置に送信しており、薬局端末に対する操作に応じて薬局端末から画像データがファクシミリ装置に送信されることは ない点。 イ容易想到でないこと(本件各発明について)被告の指摘する周知技術に係る文献は、プリンタ機能を有する複合機に係る技術等が開示されているだけであり、本件各発明や乙4 発明のような予約管理システムとは無関係の技術である。乙4 発明は、遠隔地から所望 とする薬局での処方箋の受付を支援する処方箋受付支援システムであり、そのシステムの中にファクシミリ装置が使用されているだけであって、複合機の技術分野とは関連性がないことなどから、乙4 発明のファクシミリ装置を複合機に置き換えなければならない理由はない。また、乙4 発明におけるファクシミリ装置を被告の指摘する周知技術の複合機に置き換えた としても、サーバが、携帯端末から送信されてきた処方箋画像データを自動的にFAX 番号に転送し、複合機が自動的にファクシミリ文書を受信するものとなるに過ぎず、薬局端末の操作に応じて画像データが複合機に送信されることにはならないので、相違点4-7'及び4-8'に係る本件各発明の構成には至らない。また、乙4 文献及び被告の指摘する周知技術に係る文 献のいずれにも、画像データを画像印刷装置に送信した後に店舗端末の利 用者が処方箋画像データに記載される文字等の内容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができないという課題を解決するために、店舗端末に対する操作に応じて予約管理装置が画像データを画像印刷装置に送信 箋画像データに記載される文字等の内容を確認、判読することができず、調製作業を行うことができないという課題を解決するために、店舗端末に対する操作に応じて予約管理装置が画像データを画像印刷装置に送信する構成を採用したことの開示はない。 したがって、乙4 発明と被告の指摘する周知技術に係る文献に開示され た技術からでは、当業者であっても、本件各発明の「前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段」を含む予約管理装置とすることは、容易に想到し得ない。 (10) 争点4(原告の損害)について (原告の主張)遅くとも令和2 年7 月2 日から現在までの被告製品の生産等及び被告方法の使用による被告の売上高は15 億円を下らず、限界利益率は70%を下ることはない。したがって、被告が不法行為によって得た利益は10 億5000 万円(=15 億円×70%)となり、これが原告の被った損害と推定される(特許法 102 条2 項)。 また、原告は、被告の本件特許権侵害行為により本件訴訟を提起せざるを得なくなったものであるから、当該不法行為と相当因果関係が認められる弁護士費用相当損害額は、1 億0500 万円を下らない。 さらに、上記損害の合計額11 憶50500 万円は消費税の課税対象となるた め、その10%である消費税相当額1 億1550 万円も損害となる。 したがって、原告の損害額は合計12 億7050 万円を下らないところ、一部請求として、1 億円の損害賠償を請求する。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 事案に鑑み、争点2-3(構成要件7C-3 下らないところ、一部請求として、1 億円の損害賠償を請求する。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 事案に鑑み、争点2-3(構成要件7C-3 及び8D の充足性)及び争点2-4(均等侵害の成否)について、まず検討する。 2 本件明細書の記載本件明細書(甲4)には、次のような記載がある。 (1) 技術分野 本発明は、予約管理装置、予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラムに関する。(【0001】)(2) 背景技術一般に、病院において処方された薬剤を店舗(例えば、調剤薬局等)で購入するためには、利用者は、当該病院が発行した処方箋を当該店舗(店頭) に持参する必要がある。(【0002】)(3) 発明が解決しようとする課題薬剤を調製する作業(調剤作業)は、…利用者が処方箋を店舗に持参した後に開始される。このため、利用者は、調剤作業が完了するまで数十分から小一時間、店舗で待たなければならない。(【0004】) なお、近年では例えばスマートフォン及びタブレット等の端末を利用して飲食店等の店舗における予約をすることが可能な仕組みが提案されているが、当該端末を利用して調剤の受付(つまり、予約)を行う仕組みについては知られていない。(【0005】)そこで、本発明の目的は、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を 行うことが可能な予約管理装置、予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラムを提供することにある。(【0006】)(4) 課題を解決するための手段本発明の1 つの態様によれば、利用者によって利用される利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続 される予約管 (4) 課題を解決するための手段本発明の1 つの態様によれば、利用者によって利用される利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続 される予約管理装置において、前記利用者に対して発行された処方箋の画像 データを前記利用者端末から受信する受信手段と、前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示する表示処理手段と、前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段とを具備する予 約管理装置が提供される。(【0007】)(5) 発明の効果本発明は、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことを可能とする。(【0008】)(6) 発明を実施するための形態 図1 に示すように、予約管理システムは、予約管理装置(サーバ装置)10、利用者端末20 及び店舗端末30 を含む。(【0012】)予約管理装置10 は、コンピュータ及び…外部記憶装置等から構成される。 なお、外部記憶装置には各種プログラムが格納されており、予約管理装置10のコンピュータは外部記憶装置に格納されている各種プログラムを実行する。 (【0013】)なお、予約管理装置10 は、利用者端末20 及び店舗端末30 と、例えばインターネットのようなネットワーク40 を介して通信可能に 接続される。(【0014】)利用者端末20 は、例えば病院から処方箋が発行された利用者によって利用される端末である。この利用者端末20 には、例えばスマートフォン及びタブレット端末等が含まれる。なお、利用者端末 014】)利用者端末20 は、例えば病院から処方箋が発行された利用者によって利用される端末である。この利用者端末20 には、例えばスマートフォン及びタブレット端末等が含まれる。なお、利用者端末20 には、各種画像を撮像することが可能なカメラが備えられているものとする。(【0015】) 店舗端末30 は、上記した処方箋に基づく調剤作業を行うことが可能な店 舗…に設置される端末である。この店舗端末30 は、例えば店舗内の当該店舗端末30 を利用する利用者(例えば、薬剤師等)によって利用される。この店舗端末30 には、例えばタブレット端末等が含まれる。なお、店舗端末30が設置されている店舗には、各種画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置…が設定されているものとする。この画像印刷装置には、ファ クシミリ通信によって送信された画像データをFax 用紙に印刷して出力するファクシミリ装置が含まれる。以下、店舗に設置されている画像印刷装置はファクシミリ装置であるものとする。(【0016】)図3 のシーケンスチャートを参照して、本実施形態に係る予約管理システムの処理手順について説明する。(【0027】) まず、利用者端末20 は、例えば病院において利用者に対して発行された処方箋の画像データを取得する(ステップS1)。この場合、利用者端末20は、当該利用者端末20 に備えられて いるカメラで処方箋を撮像することによって、当該処方箋の画像データを取得する。(【0028】)利用者端末20 は、取得された画像データを予約管理装置10 に対して送信する(ステップS2)。(【0029】) 予約管理装置10 に含まれる画像受信部11 は、利用者端末20 によって送信され 末20 は、取得された画像データを予約管理装置10 に対して送信する(ステップS2)。(【0029】) 予約管理装置10 に含まれる画像受信部11 は、利用者端末20 によって送信された画像データを受信する(ステップS3)。画像受信部11 によって受信された画像データは、格納部15 に格納される。(【0030】)このように画像受信部11 によって画像データが受信された場合、処方箋に基づく調剤作業の予約を受け付けたことを通知するメールが予約管理装置 から利用者端末20 に対して送信される(ステップS4)。この場合、処方 箋に基づく調剤作業の予約があったことを通知するメールが店舗端末30 に送信されても構わない。(【0031】)次に、調剤予約処理部12 は、画像受信部11 によって受信された画像データ(格納部15 に格納された画像データ)を店舗端末30 に対して送信する(ステップS5)。なお、画像データが送信される店舗端末30 は、上記した画 像データが利用者端末30 から送信される際に利用者によって指定された店舗により特定されるものとする。(【0032】)店舗端末30 は、調剤予約処理部12 によって送信された画像データを受信する。店舗端末30 は、受信された画像データを当該店舗端末30 の画面(例えば、タブレット端末の画面)に表示する(ステップS6)。(【0033】) ここで、店舗端末30 を利用する管理者は、当該店舗端末30 に表示された画像データを目視で確認することによって、当該画像データから処方箋の内容(例えば、薬剤名等)が判読可能であるか否かを判断する。(【0034】)管理者によって処方箋の内容が判読可能であると判断された場合、店舗端末30 は、当該判読可能であ 画像データから処方箋の内容(例えば、薬剤名等)が判読可能であるか否かを判断する。(【0034】)管理者によって処方箋の内容が判読可能であると判断された場合、店舗端末30 は、当該判読可能であることを指示する店舗スタッフの操作に応じて、 当該判読可能である旨の指示(以下、判読可能指示と表記)を予約管理装置に対して送信する(ステップS7)。(【0035】)ここで、処方箋に基づく調剤作業(の受付)のためには、画像データではなく、処方箋の用紙を店舗(調剤薬局)に提出する必要である。(【0036】)このため、予約管理装置10 に含まれるファクシミリ送信処理部13 は、店 舗端末30 によって送信された判読可能指示に基づいて、処方箋の画像データをファクシミリ通信によって店舗に設置されているファクシミリ装置に送信する(ステップS8)。これにより、店舗には、処方箋(の画像データ)が印刷された用紙がファクシミリ装置から出力される。これにより、店舗において処方箋が受け付けられる。(【0037】) このようにファクシミリ送信処理部13 によって画像データがファクシミ リ通信によって送信された場合、処方箋が受け付けられたことを通知するメールが予約管理装置10 から利用者端末20 に対して送信される(ステップS9)。(【0038】)なお、ここでは、店舗スタッフによって処方箋の内容が判読可能であると判断された場合について説明したが、当該処方箋の内容が判読可能でない(つ まり、判読不能である)と判断された場合、ステップS7 において、店舗端末は、当該判読可能でないことを指示する店舗スタッフの操作に応じて、当該判読可能でない旨の指示(以下、判読不能指示と表記)を予約管理装置10に対して送信する。こ ステップS7 において、店舗端末は、当該判読可能でないことを指示する店舗スタッフの操作に応じて、当該判読可能でない旨の指示(以下、判読不能指示と表記)を予約管理装置10に対して送信する。この場合、ステップS8 以降の処理は実行されず、予約管理装置10 は、店舗端末30 によって送信された判読不能指示に基づいて、 処方箋の画像データの再送信が必要なことを通知するためのメールを利用者端末20 に対して送信する。このようなメールが送信された場合、利用者端末20 では、処方箋の内容が判読可能なような新たな処方箋の画像データが取得されて、上述したステップS2 以降の処理が実行される。(【0039】)上記したステップS9 の処理が実行されると、予約管理装置10 に含まれる 予約状況管理部14 による予約状況管理処理が実行される(ステップS10)。 なお、この予約状況管理処理においては、例えば上記した処方箋に基づく調剤作業の予約のキャンセルや当該予約状況の更新等の処理が実行される。 (【0040】)本実施形態においては、上記した図3 に示すような処理が実行されること によって、利用者が処方箋を店舗に持参することなく調剤作業が開始されるため、当該利用者は、例えば店舗に到着してすぐに薬剤を受け取るといったことが可能となる。薬剤の受け取りのために利用者が店舗に来店した際には、店舗スタッフは、当該利用者が持参した処方箋の原本と上記したようにファクシミリ通信によって送信された処方箋の画像データ(つまり、ファクシミ リ装置によって処方箋の画像データが印刷された用紙)の内容とに相違がな いかを確認し、当該処方箋の原本を回収する。(【0041】)本実施形態においては、店舗端末30 を利用する店舗スタッフが当該店舗 処方箋の画像データが印刷された用紙)の内容とに相違がな いかを確認し、当該処方箋の原本を回収する。(【0041】)本実施形態においては、店舗端末30 を利用する店舗スタッフが当該店舗端末30 に表示された画像データを判読可能である場合の当該店舗スタッフの操作に応じて画像データをファクシミリ装置に送信し、当該画像データを判読可能でない場合の当該店舗スタッフの操作に応じて当該画像データの再 送信が必要なことを利用者端末20 に通知することにより、画像データをファクシミリ装置に送信した後に店舗スタッフが処方箋の内容を確認することができず、調整作業を行うことができないといった事態を回避することが可能となる。(【0089】)なお、本実施形態においては、予約管理装置10 から店舗に設置されてい るファクシミリ装置に対して画像データ送信されるものとして説明したが、当該画像データは例えば予約管理装置10 とは異なるファクシミリ送信用サーバ装置から送信されるような構成とすることも可能である。更に、予約管理装置10 は、例えば画像サーバ装置やWebサーバ装置を利用するような構成であっても構わない。(【0090】) なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。 また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。…更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。(【0098】) 3 被告システムの構成(1) 証拠(甲9、乙11)及び弁論の全趣旨によれば、被告システムの構成については、別紙「被告システムの構成(被告主張)」記載の被告提供サービス及び被告提供方法のとおりであ 被告システムの構成(1) 証拠(甲9、乙11)及び弁論の全趣旨によれば、被告システムの構成については、別紙「被告システムの構成(被告主張)」記載の被告提供サービス及び被告提供方法のとおりであることが認められると共に、その具体的処理については、以下のとおりのものであることが認められる。 (2) 被告システムの具体的処理 ア全体像被告システムは、被告が管理するサーバ、患者端末、薬局端末及び広域通信網からなり、サーバは、広域通信網を介して、患者端末及び薬局端末にそれぞれ通信接続される。薬局端末は、ローカルネットワークによりプリンタに通信接続されるが、サーバはプリンタとは通信接続されていない。 イ利用者端末による処方箋画像データの送信利用者(患者)は、患者端末にインストールされたLINE アプリ内で動作する「LIFF」(LINEFront-endFramework)を通じて、ウェブブラウザを通じてアクセス及び実行されるアプリケーションである被告システム に係るウェブアプリケーション(被告ウェブアプリケーション)にアクセスする。 処方箋を送信しようとする利用者は、被告ウェブアプリケーション上で、まず予約先薬局を選択した後、患者端末のカメラを用いて処方箋を撮影し、画像データに変換された処方箋画像を、被告ウェブアプリケーションを通 じてサーバに対して送信する。 ウサーバによる処方箋画像データの受信及び薬局端末への送信サーバは、患者端末により送信された処方箋画像を受信すると、その画像をリサイズした上でストレージに保存すると共にその画像に関する情報をデータベースに記録し、また、保存した処方箋画像を薬局端末に対して 送信する。 エ薬局端末における表示 の画像をリサイズした上でストレージに保存すると共にその画像に関する情報をデータベースに記録し、また、保存した処方箋画像を薬局端末に対して 送信する。 エ薬局端末における表示及び保存薬局端末は、サーバにより送信された処方箋画像データを受信する。 もっとも、処方箋画像データを受信したことにより直ちにその画像が薬局端末の画面上に表示されることはなく、薬局端末の利用者が薬局端末のブラウザ上に表示される印刷プレビュー表示のアイコンを押下すると、薬 局端末上に処方箋画像のプレビュー画面が表示されると共に、受信した処方箋画像が薬局端末のメインメモリ内に保存される。 オ薬局端末における印刷薬局端末においてサーバから受信した処方箋画像を印刷する場合には、薬局端末の利用者は、薬局端末に設定された被告ウェブアプリケーション 上の印刷実行ボタン(印刷プレビュー表示のアイコンとは別のもの)を押下する。これにより、薬局端末のメインメモリに保存された処方箋画像が薬局端末からこれにローカルネットワークにより接続されたプリンタに送信され、プリンタから処方箋画像が紙媒体として出力される。 4 争点2-3(構成要件7C-3 及び8D の充足性)について (1) 「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する」(構成要件7C-3、8D)の意義ア本件発明7 に係る特許請求の範囲の記載によれば、「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段とを含む」(構成要件7C-3)のは、「前記予約管理装 置」(構成要件7C)であることがその文言上理解される。本件発明8 においても、「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じ に送信する送信手段とを含む」(構成要件7C-3)のは、「前記予約管理装 置」(構成要件7C)であることがその文言上理解される。本件発明8 においても、「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信するステップ」(構成要件8D)を実行するのは、「画像印刷装置と通信可能に接続される予約管理装置」(構成要件8A)と理解される。 また、「前記受信された画像データ」(構成要件7C-3、8D)とは、「利用 者端末」が「予約管理装置に送信する送信手段」(構成要件7B)により「送信された画像データ」を、予約管理装置がその備える「受信手段」により受信したものであり(構成要件7C-1)、また、「処方箋の画像データを前記利用者端末から受信するステップ」(構成要件8B)により「受信された画像データ」(構成要件8C、8D)である。 イ本件明細書の記載によれば、予約管理装置10 を構成する調剤予約処理部12 が、画像受信部11 によって受信され格納部15 に格納された画像データを店舗端末30 に対して送信し(【0032】)、店舗端末30 は、これを受信し、受信した画像データを当該店舗端末30 の画面に表示し(【0033】)、店舗端末30 の利用者が表示された画像データを目視で確認することによ って、当該画像データから処方箋の内容が判読可能であるか否かを判断し(【0034】)、判読可能と判断された場合、店舗端末30 は、その利用者の操作に応じて、判読可能である旨の指示を予約管理装置に対して送信し(【0035】)、予約管理装置10 に含まれるファクシミリ送信処理部13 は、その指示に基づいて、処方箋の画像データをファクシミリ通信によって店 舗に設置されているファクシミリ装置 て送信し(【0035】)、予約管理装置10 に含まれるファクシミリ送信処理部13 は、その指示に基づいて、処方箋の画像データをファクシミリ通信によって店 舗に設置されているファクシミリ装置に送信する(【0037】)という実施例が具体的に記載されている。これに加え、処方箋の画像データにつき、予約管理装置10 とは異なるファクシミリ送信用サーバ装置から送信されるような構成とすることも可能である旨の記載もある(【0090】)。しかし、それ以外の具体的な実施例の記載はない。そのほかには、本件各発明の実施 形態は、本件明細書記載の実施例そのままに限定されるものではなく、「実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる」(【0098】)といった抽象的・概括的な記載がされているにとどまる。 これらの記載を踏まえると、本件明細書には、本件各発明に係る予約管理システム及び予約管理方法において、予約管理装置から処方箋画像デー タを送信され、当該画像データが表示された店舗端末において、判読可能 指示等を予約管理装置に送信することなく、利用者の店舗端末に対する操作により店舗端末から直接的に画像印刷装置により画像データを印刷する構成が含まれることを具体的に開示する記載はなく、また、これを示唆する記載も見当たらないというべきである。 ウ以上より、「利用者の店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画 像データを前記画像印刷装置に送信する」(構成要件7C-3、8D)とは、「予約管理装置」が「利用者端末」から送信されて受信した画像データである「前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する」ことを意味するところ、画像印刷装置に送信される画像データは、「予約管理装置」が「利用者端末」から受信したもの されて受信した画像データである「前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する」ことを意味するところ、画像印刷装置に送信される画像データは、「予約管理装置」が「利用者端末」から受信したものと解される。 (2) 被告システムの文言充足性前記3 のとおり、被告システムにおいて薬局端末(店舗端末)の操作によりプリンタ(画像印刷装置)に送信される画像データは、サーバ(予約管理装置)が患者端末(利用者端末)から受信したデータではなく、サーバから薬局端末が受信したデータである。 したがって、被告システムの構成7c’-3 及び8d’は、本件各発明の構成要件7C-3 及び8D を充足しない。 これに対し、原告は、被告システムが被告主張に係る構成のものであるとしても、本件各発明の構成要件7C-3 及び8D は、予約管理装置が別の装置を介して画像データを画像印刷装置に送信することをも含むから、被告システ ムは本件各発明の構成要件7C-3 及び8D を充足すると主張する。 しかし、上記各構成要件につき、特許請求の範囲の記載によれば、予約管理装置が別の装置を介して画像データを画像印刷装置に送信することをも含むことをうかがわせる記載はない。また、本件明細書を見ても、前記のとおり、予約管理装置から処方箋画像データを送信され、当該画像データが表示 された店舗端末において、判読可能指示等を予約管理装置に送信することな く、利用者の店舗端末に対する操作により店舗端末から直接的に画像印刷装置により画像データを印刷する構成が含まれることを開示又は示唆する記載も見当たらない。 したがって、この点に関する原告の主張は採用できない。 5 争点2-4(均等侵害の成否)について (1) 特許請求の範囲に記載された 含まれることを開示又は示唆する記載も見当たらない。 したがって、この点に関する原告の主張は採用できない。 5 争点2-4(均等侵害の成否)について (1) 特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合、当該対象製品等は、特許発明の技術的範囲に属するということはできない。しかし、特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合であっても、①当該部分が特許発明の本質的部分ではなく、②当該部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達 することができ、同一の作用効果を奏するものであって、③そのように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであり、④対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではなく、か つ、⑤対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは、当該対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解される(最高裁第3 小法廷平成10 年2 月24 日判決・民集52 巻1 号113 頁参照)。 このうち、均等の第1 要件(上記①)にいう「特許発明の本質的部分」とは,当該特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であると解される。また、上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて特許発明の課題及び解決手段とその効果を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち, 従来技術に 部分であると解される。また、上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて特許発明の課題及び解決手段とその効果を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち, 従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるか を確定することによって認定されるべきである。 (2) 本件明細書の記載のほか、本件特許の審査に当たり拒絶理由通知において引用文献として引用された乙4 文献を従来技術に係るものとして考慮すると、本件各発明は、従来技術によれば、病院において処方された薬剤を店舗で購入するには、利用者は、当該病院が発行した処方箋を店舗に持参する必要が あるところ、この場合、利用者が処方箋を店舗に持参した後に調剤作業が開始されることになるため、利用者は、調剤作業が完了するまで数十分から小一時間店舗で待たなければならないこと、及びスマートフォン等の端末を利用して調剤の受付(予約)を行う仕組みは知られていないことを踏まえ、処方箋を店舗に持参することなく調剤の予約を行うことが可能な予約管理装 置、予約管理システム等を提供することを解決すべき課題とする(本件明細書【0002】、【0004】~【0006】)。また、その解決手段である本件各発明は、予約管理装置から受信して店舗端末に表示された画像データを店舗端末の利用者が目視で確認し、判読可能であると判断される場合には、店舗端末が、その利用者の操作に応じて、その旨の指示を予約管理装置に送信することな どの当該店舗に設置されている画像印刷装置による処方箋の画像データの印刷に至るプロセスが進められ、判読不能の場合には、店舗端末が、その利用者の操作に応じて、その旨の指示を予約管理装置に送信し、これを受信した予約管理装置は、その指示に基づき、処方箋の画 画像データの印刷に至るプロセスが進められ、判読不能の場合には、店舗端末が、その利用者の操作に応じて、その旨の指示を予約管理装置に送信し、これを受信した予約管理装置は、その指示に基づき、処方箋の画像データの再送信が必要なことを通知するメールを利用者端末に送信することによって、新たな処方 箋の画像データが取得され、その後は判読可能であった場合と同様のプロセスが進められることで(【0034】~【0039】)、利用者が処方箋を店舗に持参することなく調剤作業が開始されるため、当該利用者は、例えば店舗に到着してすぐに薬剤を受け取るといったことが可能となる(【0041】)という作用効果を奏するというものである。 以上によれば、本件各発明については、店舗端末に表示された処方箋画像 データを確認し、判読可能であれば、利用者が店舗端末を操作して予約管理装置に対し画像データの画像印刷装置に対する送信指示をし、判読不能であれば、利用者が店舗端末を操作して予約管理装置に対し判読不能である旨の指示をし、この指示を受けた予約管理装置が利用者端末に再送が必要なことを通知することで、患者が店舗に来るのを待って調剤を始めなければならな いという従来技術の課題を解決する点に意義があるものと理解される。このことは、本件意見書において出願人がこのような点を本件各発明の特徴としていたことからもうかがわれる。 そうすると、店舗端末の操作を契機として画像データが予約管理装置から画像印刷装置に送信されるという構成は、本件各発明の本質的部分といえる。 しかるに、被告システムは、この本質的部分をその要素とする本件各発明の構成要件7C-3 及び8D の発明特定事項を備えていない。すなわち、本件各発明に係る特許請求の範囲に記載された構成中の被告システ しかるに、被告システムは、この本質的部分をその要素とする本件各発明の構成要件7C-3 及び8D の発明特定事項を備えていない。すなわち、本件各発明に係る特許請求の範囲に記載された構成中の被告システムと異なる部分は、本件各発明の本質的部分であるから、本件においては均等の第1 要件を欠くこととなる。 (3) 小括したがって、被告システムにつき、本件特許権の均等侵害は成立しない。 この点に関する原告の主張は採用できない。 6 まとめ以上のとおり、被告システムは、本件各発明の構成要件7C-3 及び8D を充足 せず、また、均等侵害も成立しないことから、本件各発明の技術的範囲に属さない。 したがって、その余の点につき論ずるまでもなく、被告による被告システムの販売等をもって本件特許権の侵害ということはできず、原告は、被告に対し、本件特許権に基づく差止請求権及び本件特許権侵害の不法行為に基づく損害 賠償請求権を有しない。 第4 結論よって、原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47 部 裁判長裁判官 杉浦正樹 裁判官 池田幸子 裁判官 松尾恵梨佳 別紙当事者目録 原告株式会社くすりの窓口 同訴訟代理人弁護士兼弁理士弓削田博同訴訟代理人弁護士平田慎二 被告株式会社カケハシ 同訴訟代理人弁護士佐藤安紘同 同訴訟代理人弁護士兼弁理士弓削田博同訴訟代理人弁護士平田慎二 被告株式会社カケハシ 同訴訟代理人弁護士佐藤安紘同小西絵美同補佐人弁理士大谷寛 (別紙) 被告製品目録 「PocketMusubi」と称する、薬局と患者をつなぐ患者フォローシステム。 (別紙)被告方法目録 「PocketMusubi」と称する、薬局と患者をつなぐ患者フォローシステムを提供する方法。 (別紙)被告システムの構成(原告の主張) 1 被告製品7a-1 利用者によって利用される利用者端末と、7a-2 当該利用者端末及び画像データを用紙に印刷することが可能な画像印 刷装置と通信可能に接続される店舗端末と通信可能に接続されるサーバとを備える7a-3 予約管理システムにおいて、7b 前記利用者端末は、前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記サーバに送信する送信手段を含み 7c 前記サーバは、7c-1 前記送信された画像データを受信する受信手段と、7c-2 前記受信された画像データを店舗に設置された薬局端末に送信することによって当該画像データを前記薬局端末に表示する表示処理手段と、7c-3 前記画像データが表示された前記薬局端末を利用する利用者の前記薬局 端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する送信手段とを含む7d 予約管理システム。 2 被告方法 8a-1 利用者によって利用される利用者端末及び8a-2 画像データを用紙に印刷することが可能な画像 印刷装置に送信する送信手段とを含む7d 予約管理システム。 2 被告方法 8a-1 利用者によって利用される利用者端末及び8a-2 画像データを用紙に印刷することが可能な画像印刷装置と通信可能に接続される店舗端末と通信可能に接続されるサーバ8a-3 が実行する予約管理方法であって、 8b 前記利用者に対して発行された処方箋の画像データを前記利用者端末から受信するステップと、8c 前記受信された画像データを店舗に設置された店舗端末に送信することによって当該画像データを前記店舗端末に表示するステップと、8d 前記画像データが表示された前記店舗端末を利用する利用者の前記店舗 端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信するステップと8e を具備する予約管理方法。 (別紙)被告システムの構成(被告の主張) 1 被告提供サービス7a’ 次の構成を備える処方箋予約受付処理システムである。 7a’-1 サーバを備える。 7a’-2 前記サーバは患者が利用する患者端末と通信可能に接続されている。 7a’-3 前記サーバは薬局が利用する薬局端末と通信可能に接続されている。 7a’-4 前記薬局端末は処方箋画像を紙媒体に印刷することが可能なプリンタに通信可能に接続されている。なお、上記7a’-3 とは異なる通信プロトコル で接続されている。 7a’-5 前記サーバは前記プリンタと通信可能に接続されていない。 7b’ 前記患者端末は、前記患者に対して発行された処方箋の処方箋画像を前記サーバに送信する送信手段を備える。 7c’ 前記サーバは、次の構成を備える。 7c’-1 前記送信された処方箋画像を受信する受信 端末は、前記患者に対して発行された処方箋の処方箋画像を前記サーバに送信する送信手段を備える。 7c’ 前記サーバは、次の構成を備える。 7c’-1 前記送信された処方箋画像を受信する受信手段。 7c’-2 前記受信された処方箋画像をリサイズした画像(「リサイズ画像」)を前記薬局端末に送信する手段。なお、前記薬局端末において、前記薬局端末の利用者が前記薬局端末に表示された印刷のアイコンを押下すれば、前記リサイズ画像が前記薬局端末に表示されるが、前記薬局端末の利用者がそのアイ コンを押下しなければ、前記リサイズ画像は前記薬局端末に表示されない。 7c’-3 前記リサイズ画像が表示された前記薬局端末を利用する利用者が前記薬局端末に表示された印刷のボタンを押下しても、前記処方箋画像も前記リサイズ画像も前記サーバから前記プリンタに送信されない。前記リサイズ画像は前記薬局端末から前記薬局端末と通信可能に接続されている前記プリ ンタに送信される。 7d’ 上記7a’~7c’を含むことを特徴とする処方箋予約受付処理システムである。 2 被告提供方法8a’ 次の構成を備える処方箋予約受付処理方法である。 8a’-1 サーバを備える。 8a’-2 前記サーバは患者が利用する患者端末と通信可能に接続されている。 8a’-3 前記サーバは薬局が利用する薬局端末と通信可能に接続されている。 8a’-4 前記薬局端末は処方箋画像を紙媒体に印刷することが可能なプリンタに通信可能に接続されている。なお、上記8a’-3 とは異なる通信プロトコル で接続されている。 8a’-5 前記サーバは前記プリンタと通信可能に接続されていない。 8a’-6 上記8a’-2、8a’-3、8a’-5 の構成を備えるサーバが以下 異なる通信プロトコル で接続されている。 8a’-5 前記サーバは前記プリンタと通信可能に接続されていない。 8a’-6 上記8a’-2、8a’-3、8a’-5 の構成を備えるサーバが以下の構成8b’~8d’の処理を実行する。 8b’ 前記患者端末から、前記患者に対して発行された処方箋の処方箋画像を受 信するステップを備える。 8c’ 前記受信された処方箋画像をリサイズした画像(「リサイズ画像」) を前記薬局端末に送信するステップを備える。なお、前記薬局端末において、前記薬局端末の利用者が前記薬局端末に表示された印刷のアイコンを押下すれば、前記リサイズ画像が前記薬局端末に表示されるが、前記薬局端末の利 用者がそのアイコンを押下しなければ、前記リサイズ画像は前記薬局端末に表示されない。 8d’ 前記リサイズ画像が表示された前記薬局端末を利用する利用者が前記薬局端末に表示された印刷のボタンを押下しても、前記処方箋画像も前記リサイズ画像も前記サーバから前記プリンタに送信されない。前記リサイズ画像 は前記薬局端末から前記薬局端末と通信可能に接続されている前記プリンタに送信される。 8e’ 上記8a’~8d’を具備することを特徴とする処方箋予約受付処理方法である。
▼ クリックして全文を表示