【DRY-RUN】主 文 一 被告が、中労委昭和五五年(不再)第三九号事件について、昭和五八年八月三 日付けでした別紙1命令書記載の命令中、次の部分を取り消す。 1 主文第I項の3のうち、初審命令の主文第4項(1)
主文 一被告が、中労委昭和五五年(不再)第三九号事件について、昭和五八年八月三日付けでした別紙1命令書記載の命令中、次の部分を取り消す。 1 主文第I項の3のうち、初審命令の主文第4項(1)中に「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」とあるのを「の査定部分の平均が、全日本シェーリング労働組合の営業所の内勤者である組合員」と改めた部分 2 主文第Ⅰ項の4によって改められ、第Ⅰ項の5によって第5項とされた初審命令の主文第6項 3 主文第Ⅱ項のうち、主文第Ⅰ項の5によって第6項とされた初審命令第7項の記の(5)に対する再審査申立てを棄却した部分二甲事件原告のその余の請求を棄却する。 三訴訟費用は、甲・乙両事件を通じ、補助参加によって生じたものを除き、甲事件原告に生じた費用の五分の四と被告に生じた費用の三分の二を甲事件原告の負担とし、乙事件原告に生じた費用と甲事件原告及び被告に生じたその余の費用を被告の負担とし、補助参加によって生じた費用は、これを五分し、その四を甲事件原告の負担とし、その余を補助参加人らの負担とする。 事実 第一当事者の求める裁判一甲事件 1 請求の趣旨(一) 被告が、中労委昭和五五年(不再)第三九号事件について、昭和五八年八月三日付けでした別紙1命令書記載の命令を取り消す。 (二) 訴訟費用は、被告の負担とする。 2 請求の趣旨に対する答弁(一) 原告の請求を棄却する。 (二) 訴訟費用は、原告の負担とする。 二乙事件 1 請求の趣旨(一) 被告が、中労委昭和五五年(不再)第三九号事件について、昭和五八年八月三日付けでした別紙1命令書記載の命令中、初審命令主文第4項(1)中に「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」とあるのを「の査定部分の平均が、全日 号事件について、昭和五八年八月三日付けでした別紙1命令書記載の命令中、初審命令主文第4項(1)中に「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」とあるのを「の査定部分の平均が、全日本シェーリング労働組合の営業所の内勤者である組合員」と改めた部分を取り消す。 (二) 訴訟費用は、被告の負担とする。 2 請求の趣旨に対する答弁(一) 原告の請求を棄却する。 (二) 訴訟費用は、原告の負担とする。 第二当事者の主張(甲事件関係)一請求原因1(一) 大阪府地方労働委員会は、甲事件被告補助参加人ら(以下、甲・乙両事件を通じ、甲事件被告補助参加人らのうち乙事件原告と兼ねる者を「日シ組合」という。)ほか三名を申立人、甲事件原告(以下、甲・乙両事件を通じて「原告」あるいは「会社」という。)を被申立人とする大阪地労委昭和五〇年(不)第五九号、昭和五二年(不)第四八号及び昭和五三年(不)第六六号併合事件について、昭和五五年六月六日、別紙2命令書のとおりの命令(以下「初審命令」という。)を発した。 (二) 原告は、初審命令に対し、被告に再審査を申し立てたところ(中労委昭和五五年(不再)第三九号事件)、被告は、昭和五八年八月三日付けで、初審命令の一部を変更したほか再審査申立てを棄却する別紙1命令書のとおりの命令(以下「本件命令」という。)を発し、右命令書は、昭和五八年九月九日、原告に交付された。 2 しかし、本件命令は、労働組合法七条の解釈、適用を誤った違法なものであるから、取り消されるべきである。 二請求原因に対する認否及び抗弁 1 請求原因1は認める。 2 同2は争う。 3 本件命令は、労働組合法二五条、二七条及び労働委員会規則五五条に基づき適法に発せられた行政処分であって、処分の理由は、命令書記載のとおりであり、その認定事実及び判 1は認める。 2 同2は争う。 3 本件命令は、労働組合法二五条、二七条及び労働委員会規則五五条に基づき適法に発せられた行政処分であって、処分の理由は、命令書記載のとおりであり、その認定事実及び判断に誤りはない。 三本件命令の認定事実に対する原告の認否(以下、本件命令の認定事実とは、本件命令が「第1 当委員会の認定した事実」において初審命令の「第1 認定した事実」に加除訂正を加えて引用したものをいう。) 1 「1 当事者等」の認定事実いずれも認める。 2 「2 本件発生に至るまでの労使関係」の認定事実(一) (1)は、①のうち「従業員らはこの会社の方針に不満を抱き」との部分及び②のうち「会社の中部地区支配人P1らの指導により」との部分は不知、その余は認める。 (二) (2)①は、そのうち、P2副社長が昭和四八年二月一六日に行った社内放送において「組合のストライキが続けば、近い将来会社の破滅の日が来ることは明らかである」旨及び「親会社であるドイツ・シェーリング社はストライキの影響を避けるため、他社に生産、販売を任せたりすることが考えられる」旨の発言をしたとの部分は争い、その余は認める。②は、アのうち「小ぜり合いやもみ合いが生じ」との部分は否認し、「拡大闘争委員会及び執行委員会の決定に基づいて、賃上げ等の春闘要求を実現するため」との部分は不知、その余は認める。③は、そのうち、会社の部次長、課長らが「組合には未だ提示していなかった賃上げ等に関する全日シへの第二次回答の内容等を説明し、その内容で妥結して欲しいとの旨述べ」たとの部分は否認し、その余は認める。④ないし⑥は認める。 3 「3 EDP課廃止問題」認定事実(一) (1)の①、②、⑥ないし⑧、⑫、⑫の(イ)の(エ)、⑭、⑰及び⑱は認める。③は、そのうち、EDPS運営委員会が「会議を二回 認める。④ないし⑥は認める。 3 「3 EDP課廃止問題」認定事実(一) (1)の①、②、⑥ないし⑧、⑫、⑫の(イ)の(エ)、⑭、⑰及び⑱は認める。③は、そのうち、EDPS運営委員会が「会議を二回行っただけで、同年七月の会議を最後に自然消滅した」との部分及び「統一伝票委員会も同年一一月の会合を最後に自然消滅した」との部分を争い、その余は認める。④は、そのうち、高千穂バロースが昭和四七年一〇月二八日付け文書で被告認定のような内容の提案を行った事実は認め、その余は争う。⑤は、そのうち、「このため四八年八月以降には新たなけんしょう炎患者は発生しなくなった」との部分を否認し、その余は認める。⑨は外形的事実としては認める。パンチ業務の遅延が解消したのは、データ処理の大部分を取りやめたため、作業量が減少したからである。⑩及び⑪は、そのうち、昭和四九年四月が高千穂バロースとの契約の解約申入れ時期であったことは認め、その余は否認する。⑬の(ア)は不知、(イ)の(ア)及び(イ)は否認し、(ウ)は不知。会社は、「守る会」の結成にいかなる形においても関与したことはない。⑮は、そのうち、⑫及び⑭の会社の行為が組合及びEDP課の課員に知らされていなかったことは認め、その余は否認する。⑩及び⑪についてはもともとそのような事実がなかった。⑯は、EDP課に日シ組合副委員長等の役職者が所属していたことは認め、その余は不知。 (二) (2)の①、②、④、⑤、⑦、⑨ないし⑰、⑲及びは認める。③は、そのうち、P3部長が被告認定のような発言をしたことは否認し、その余は認める。⑥は、そのうち、「組合及び組合員らは、会社が組合の反対を押し切って、EDP課の廃止を強行するため電算機器を社外に搬出することをおそれ」との部分は不知、その余は認める。⑧は、そのうち、P2副社長が団体交渉の のうち、「組合及び組合員らは、会社が組合の反対を押し切って、EDP課の廃止を強行するため電算機器を社外に搬出することをおそれ」との部分は不知、その余は認める。⑧は、そのうち、P2副社長が団体交渉の席上で被告認定のような発言をしたとの部分は否認し、その余は認める。⑱は、そのうち、「被保全権利について申請人らが十分な釈明ができなかったため」との部分は否認し、その余は認める。仮処分事件の審尋の際に問題になったのは、現実に電算機等の搬出が不可能かどうか、すなわち保全の必要性の有無であった。⑳は、そのうち、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10、P11、P12、P13が被告認定のような組合役職にあったことは不知、その余は認める。 4 「4 五〇年度冬季一時金」認定事実(一) (1)ないし(3)は、(2)の「一一月五日に会社から回答がなかったため」との部分は不知、その余は認める。 (二) (4)は、そのうち、全日シとの妥結内容が「三・四カ月+α」であることは否認し、その余は認める。全日シとの妥結内容は「三・四か月、ただし、考課査定を行う。」というものであり、交渉の中で査定はプラスの方向でつける旨説明したものである。 (三) (5)ないし(7)は、(6)の「前記全日シの妥結内容の『α』」との部分を否認し、その余は認める。会社回答は、全日シと同じ「三・四ケ月、ただし考課査定を行う。」というものであって、「貢献度の高い者については上積み支給する」ことを口頭説明した。 (四) (8)は、そのうち、「説明途中ではあったが席を立ち」との部分及び考課査定の内容についての説明は行われなかった」との部分を否認し、その余は認める。 (五) (9)ないし⑯は認める。⑰は争う。 5 「5 五一年度賃上げ」認定事実(一) (1)ないし(3)は認める。 (二) (4)は、 ての説明は行われなかった」との部分を否認し、その余は認める。 (五) (9)ないし⑯は認める。⑰は争う。 5 「5 五一年度賃上げ」認定事実(一) (1)ないし(3)は認める。 (二) (4)は、そのうち、①のイ及び②の「なお、組合結成以来賃上げは、妥結が四月以降になった場合でも四月に遡って実施されていた。」との部分は争い、その余は認める。①のイについては、会社は、逸失時間にはすべての不就労時間が含まれると述べ、その例として、被告認定の項目を挙げたのである。②の右部分については、外形的には被告認定のとおりであるが、組合結成以来の賃上げの回数は少なく、しかもそのすべてが遅れて妥結したのでもないから、右部分は四月遡及が確立された慣行であるかのような誤った印象を与える不当な認定である。 (三) (5)は、そのうち、組合の意図は不知、その余は認める。 (四) (6)ないし(10)は認める。 (五) (11)は、そのうち、「応諾の文書を提出しない限り団体交渉を行わないとの態度を固持し」との部分は否認し、その余は認める。 (六) (12)は認める。 (七) (13)は、そのうち、組合が昭和五一年度の賃上げに関する協定を締結するとの意向を示した理由は不知、「しかし組合は、協定締結に際して」との部分及びP14部長が被告認定のような回答をしたことは否認し、その余は認める。 (八) (14)及び(15)は、(14)の①の「五月九日に全日シ中央委員会において妥結を決議」との部分は不知、その余は認める。 6 「6 五一年度夏季一時金」認定事実(一) (1)ないし(3)は認める。 (二) (4)は、そのうち、「六月一六日の交渉で、『二・八カ月分。ただし、考課査定分を含む』旨回答した。」との部分及び「同組合員に対する実際の平均支給月数は、考課査定の結果、二・八カ月であった 。 (二) (4)は、そのうち、「六月一六日の交渉で、『二・八カ月分。ただし、考課査定分を含む』旨回答した。」との部分及び「同組合員に対する実際の平均支給月数は、考課査定の結果、二・八カ月であった。」との部分を否認し、その余は認める。 (三) (5)ないし(9)は認める。ただし、(7)認定のような通告を組合が行ったのは、協定成立後である。 7 「7 五一年度冬季一時金」認定事実(一) (1)ないし(5)は認める。 (二) (6)は、そのうち、「組合は、会社の経理内容等に関する概略的な説明に対して質問をしたが、会社はこれに一切答えず」との部分は争い、その余は認める。 (三) (7)は、そのうち、一二月三日付けで全日シの場合と同一内容の協定を締結したことは認め、その余は不知。 (四) (8)は認める。 8 「8 五二年度賃上げ」認定事実(一) (1)ないし(3)は認める。 (二) (4)は、そのうち、三月二二日に組合が会社に文書で団体交渉申入れに応諾する旨通知したことは認め、その余は否認する。団体交渉は、組合の要求項目を特定しての申入れを受けて、会社がその項目について交渉の日時等を定めて団体交渉を申し入れるという形式で行い、組合がこれに応諾するという経過を経て行われるのであって、交渉の日時等の設定手順としては相当なものである。全日シとの団体交渉もこれと同一の形式、手順で行っている。 (三) (5)は認める。 (四) (6)は、そのうち、三月二六日に第一回の団体交渉が行われたことは認め、その余は争う。 (五) (7)は、そのうち、「守る会に対し有額回答を示した」との部分を否認し、その余は認める。 (六) (8)ないし(12)は、(9)の「会社側は、経営状態及び前記賃上げ回答の説明を行っただけで、組合の質問中であったが時間の経過を理由に退席した」 示した」との部分を否認し、その余は認める。 (六) (8)ないし(12)は、(9)の「会社側は、経営状態及び前記賃上げ回答の説明を行っただけで、組合の質問中であったが時間の経過を理由に退席した」との部分を否認し、その余は認める。 (七) (13)は不知。(14)ないし(22)は認める。 (八) (23)は、そのうち、組合が被告認定の文書を「会社に手渡し、会社はこの文書の受理後、協定書に調印した」との部分は否認し、その余は認める。 (九) (24)及び(25)は、(24)の「組合員は実際に賃金を受け取るまで、賃上げ対象者がだれであるか分からなかった」との部分は否認し、その余は認める。 9 「9 八〇%条項の適用状況」認定事実(3)のうち、昭和五二年における組合の八〇パーセント条項該当者が二五名で、救済措置適用者が一三名であるとの部分は否認し、その余は認める。 10 「10 チェック・オフ」認定事実(一) (1)ないし(11)は、(3)の組合への申入れ内容が被告認定のようなものであることを否認し、その余は認める。 (二) (12)は不知。 (三) (13)は、そのうち、賃金控除に関する協定中の「労働組合費」に臨時組合費が含まれることについて労使間に争いがなかったとの部分は否認し、「当時、五二年度賃上げ交渉中であったことから、臨時組合費の徴収は、毎月必要であった」との部分は不知、その余は認める。 11 「11 その他」認定事実についてこの点に関する認否はない。 四原告の主張 1 命令書の形式的違法(一) 当事者の表示の欠如再審査の命令書には、当事者の表示を記載しなければならない(労働委員会規則五六条一項、四三条二号)が、これは、労働委員会の命令が公法的側面からにせよ当事者間の権利義務を創設あるいは判定するものであるから、その命令書自体から 者の表示を記載しなければならない(労働委員会規則五六条一項、四三条二号)が、これは、労働委員会の命令が公法的側面からにせよ当事者間の権利義務を創設あるいは判定するものであるから、その命令書自体から当事者が誰であるか判然とすることを求めている趣旨である。したがって、命令書に当事者の表示を欠く命令は、重大かつ明白な瑕疵があるから無効というべきである。しかるところ、本件命令の命令書(以下「本件命令書」という。)には、再審査被申立人として、総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合と表示し、その下に同として「P15ほか一〇名(詳細は別紙1再審査被申立人目録記載のとおり)」と記載しているが、いうところの「別紙1再審査被申立人目録」は添付されていないから、再審査被申立人が具体的に誰であるかが特定できず、本件命令書は当事者の表示を欠くものである。 しかも、右別紙1は、本件命令主文第Ⅰ項の4でも「別紙1再審査被申立人目録記載の組合員(P16及びP4を除く。)」として用いられているから、別紙1が添付されていないことによって命令の主文までもが完結しないという結果を来している。 (二) 命令書の主文の不明確労働委員会の命令は、当事者間の紛争に関し、申立てを待って、準司法手続により申立ての当否を判断し、一定の公法的義務を課すものである。そして労働委員会の右判断は、命令書の主文に表示されて当事者に告知され法的効力を生じるのである。かかる観点からすると、命令の主文は明確でなくてはならず、一見して意味の読み取れないものであったり、何かを引用し、あるいはむやみに加除訂正する形で表示されていてはならない。したがって、再審査命令の主文において初審命令の主文を引用することは原則として許されない。このことは、民事訴訟法が控訴審の判決書において、事実及び理由の記載につ 正する形で表示されていてはならない。したがって、再審査命令の主文において初審命令の主文を引用することは原則として許されない。このことは、民事訴訟法が控訴審の判決書において、事実及び理由の記載については第一審判決の引用を認めているのに、主文については引用を認めていない(民訴法三九一条)ことの趣旨からも明らかである。 すなわち、再審査命令の主文が、一見しただけでは判然としないほど、初審命令の主文に加除訂正を加えてこれを引用したものである場合には、命令主文の明確性の要請にもとり、ひいてはその解釈を巡って新たな紛争を惹起するおそれがあるから、当該再審査命令は無効であると解すべきである。 しかるところ、本件命令の主文は、初めから終りまで初審命令の主文に加除訂正を加えてこれを引用したものであって、初審命令の主文と対比しても容易にその意味は判然としないから、本件命令は無効である。 2 命令の判断の誤り本件命令は、左記(一)ないし(五)のとおり、不当労働行為が成立しないにもかかわらず、その成立を認めた違法がある。 (一) EDP課の廃止及びそれに伴う組合員の配置転換について(1) 企業内の組織変更等企業経営の基本方針と深く係わる事項については、株主から経営についての委任を受け企業内外の経営諸情勢の詳細を知る経営者のみが判断できるものであって、その経営判断は何よりも尊重されるべきである。使用者が、右経営判断を全く離れ、専ら不当労働行為意思のみに基づき、組織変更に藉口して組合の組織壊滅を図ったことが明らかである場合などの特段の事情がある場合は別として、何がしかの経営上の必要性、合理性が認められ、当該組織変更は誰が見ても不自然というような格別の事情もないのに、単に労働組合ないし労働組合員に不利益な結果をもたらすこと及び従前の労使関係から推認される組合 しかの経営上の必要性、合理性が認められ、当該組織変更は誰が見ても不自然というような格別の事情もないのに、単に労働組合ないし労働組合員に不利益な結果をもたらすこと及び従前の労使関係から推認される組合嫌悪の情といった一般的、抽象的な不当労働行為意思を根拠として、当該組織変更を不当労働行為と断ずることは、経営に責任を負う立場になく、かつ、その権能もない労働委員会が、会社に代って経営判断を行うに等しく、現行法上許されない。 (2) しかるに、本件命令は、次のとおり、明白な合理性の認められるEDP課の廃止について、これを不当労働行為と判断しており、違法なものである。 すなわち、EDP業務の目的は、事務の能率を高め、併せて経費の節減を達成することにあるが、EDP課の行った業務は、手作業との併用又は重複実施を余儀なくされるもので、いわばテスト運転の状態のまま三年が経過しても、右目的を実現する方向づけもできず、経費のみがかさんで事務の能率を低下させているだけであって、その存在価値を失ったものである。 (二) 団体交渉について(1) 会社と日シ組合間の団体交渉は、その都度、団体交渉の議題・日時・場所・時間・人数を労使の文書による合意によって決定し、誠意を尽くして行っており、不当労働行為とされるいわれはない。 すなわち、団体交渉の議題は、基本的には日シ組合の申入れによっており、日シ組合の申し入れた議題を一部変更して会社から申し入れる場合も、日シ組合の申し入れた議題をベースにして、会社の意向を加味したにすぎない。また、日時・場所は、日シ組合の都合のみで決定されるべきものではなく、会社の都合も考慮して最終的には労使の合意で決める外はないものである。特に団体交渉の日時については、会社側は、議題について検討し意思決定する過程が複雑かつ厳格であり、業務上の支障も きものではなく、会社の都合も考慮して最終的には労使の合意で決める外はないものである。特に団体交渉の日時については、会社側は、議題について検討し意思決定する過程が複雑かつ厳格であり、業務上の支障もあるから、会社が自己の都合を主張する度合いが強いのもやむをえない。また、場所を淀川産業会館としたことも、全日シとも社外で団体交渉を行っていること、同会館は日シ組合も打合せ等に使用している場所で、会社から自動車で一〇分程度で行ける場所であることなどを総合すると、日シ組合に格別の不利益を強いる場所ではない。団体交渉の時間もおおむね二時間としており、特に問題がある内容ではない。更に、人数もおおむね日シ組合の申入れ人数と会社の申入れ人数は一致している。確かに、昭和五〇年後半から昭和五二年三ないし五月にかけて団体交渉の人数が双方七名以内から、双方五名以内、双方四名以内と推移してきたのは、会社側のイニシアチブによるところが大きいが、四名が団体交渉の人数として非常識に少ないとはいえないから、会社の態度は不当なものではない。 (2) また、複数の労働組合が併存する企業における労使関係の実情からすると、会社が、多数組合である全日シとの交渉を先にすることはある程度やむをえないところであり、多数組合との団体交渉で合意した事項について、日シ組合との団体交渉で会社が譲歩しなかったとしても、法が許容する取引きの範囲内のものである。 (三) 昭和五一年度夏季一時金及び冬季一時金について(1) 本件命令は、昭和五一年度夏季一時金及び冬季一時金について、営業所の内勤者である全日シの組合員に対する考課部分と日シ組合の組合員に対する考課部分に相当の差があるとし、これを不当労働行為としているが、この差は、個々の組合員に対する公正な考課査定の結果にほかならず、外形的差異から軽々にこれを 員に対する考課部分と日シ組合の組合員に対する考課部分に相当の差があるとし、これを不当労働行為としているが、この差は、個々の組合員に対する公正な考課査定の結果にほかならず、外形的差異から軽々にこれを不当労働行為とすることはできない。 (2) すなわち、従業員をいくつかの集団に分けて、それぞれの一時金の平均支給月数を比較すると、ある程度の差異は常に生ずるから、二つの組合の組合員に対する一時金の平均支給月数に差異があることを直ちに不当労働行為によるものと結論づけることはできない。また、仮に、いわゆる大量観察方式による差別取扱いの立証が許されるとしても、それは両組合の組合員の人的特質が同じであることが前提となるから、少なくとも両組合の組合員の勤務成績、能力その他考課の基礎とされる点において等質であることが立証されなければならない。しかるに、本件命令は、日シ組合の組合員と営業所内勤者である全日シの組合員との間に勤務成績、能力その他の考課の基礎とされる点における同一性・均一性については、何ら判断していないのであるが、例えば、昭和五一年一月から一二月までの稼働率一つをとっても、日シ組合の組合員のそれが八五・一パーセントであるのに対し営業所内勤者である全日シの組合員のそれは九五・六パーセントと大きく異なっており、両者間に集団としての勤務の実績ないし成績の均一性・同一性は存しない。 (四) 昭和五一年度及び昭和五二年度の賃上げについて(1) 八〇パーセント条項は、次のとおり、これを導入する必要性・緊急性があり、当時の会社の置かれていた状況からすると、合理的なものであった。 すなわち、会社の経営は、昭和四五年ころから悪化し、昭和五〇年ころには累積赤字が当時の資本金九億〇二〇〇万円を上回る気配を示すほどになった。このように、赤字が増大した原因の一つに従業員 であった。 すなわち、会社の経営は、昭和四五年ころから悪化し、昭和五〇年ころには累積赤字が当時の資本金九億〇二〇〇万円を上回る気配を示すほどになった。このように、赤字が増大した原因の一つに従業員の稼働率が著しく劣悪であったことがあげられる。例えば、本社製造部の女子従業員の平均稼働率は六四パーセントにすぎず、これは、年間九五日の休日があることを考えると、一年の総日数の半分以上は勤務していないことを意味した。一方、給与は、いくら欠勤を重ねても月額給与から控除されることはなく、昇給額にも差が生じない仕組みになっていたため、まじめに働く従業員との間に大きな不公平を生じていた。そこで、これが是正のため、実効性のある稼働率向上措置を導入する緊急の必要性があった。 そこで、八〇パーセント条項が、日シ組合との協約に基づいて導入されたのであるが、当時の会社の状況下では、十分合理的なものであった。現に、八〇パーセント条項が導入された昭和五一年以降、稼働率は年々向上し、それに伴って会社の業績も回復に向かい、昭和五七年には、累積赤字も解消した。そこで、昭和五八年からは、所期の目的を達したものとして、会社提案から除かれるようになった。このことからも、八〇パーセント条項導入の目的、その必要性を十分窺うことができる。 (2) 本件命令は、八〇パーセント条項で稼働率算出の基礎となる逸失時間の中に生理休暇、産前産後休暇、育児時間といった女子特有の項目が含まれていることから、全日シに比べ女子の占める割合の高い日シ組合を不利益に扱う目的をもって、右条項を導入したかの如く認定しており、この認定が八〇パーセント条項の不当労働行為性を根拠づける柱とされている。 しかし、これは、非組合員(日シ組合又は全日シのいずれの組合の組合員でもないものをいう。以下同じ。)の存在を無視して おり、この認定が八〇パーセント条項の不当労働行為性を根拠づける柱とされている。 しかし、これは、非組合員(日シ組合又は全日シのいずれの組合の組合員でもないものをいう。以下同じ。)の存在を無視している点で、基本的に誤っている。すなわち、非組合員中に占める女子の割合と日シ組合の組合員中の女子の割合を比較すると、昭和五一年末時点では、日シ組合の組合員一五六名中女子九二名(五九・〇パーセント)であるのに対し、非組合員一七九名中女子六六名(三六・九パーセント)と問題とするほどの差はない。また、全日シについても、その昭和五一年末現在の組合員三九六名中一〇五名(二六・五パーセント)が女子であって、女子の絶対数は全日シが最も多いのである。この程度の差をもって、八〇パーセント条項導入の目的が日シ組合の女子組合員に不利益を課すことにあったかのように推認することは、それ自体余りにも不自然である。 要するに、この女子の問題も含めて、日シ組合の組合員は該当しやすいが、他の従業員は該当しにくいといった客観的な条件の差はなく、八〇パーセント条項は、全日シに比べ日シ組合を不利益に取り扱うものではない。 (3) なお、全日シの組合員は、全員いわゆる救済条項によって救済されているが、日シ組合の組合員と本社に勤務する非組合員についてみると、昭和五一年から昭和五七年までの間に、日シ組合の組合員で八〇パーセント条項に該当した者一〇三名中救済された者五四名(救済率五二・四パーセント)に対し、非組合員では八〇パーセント条項に該当した者五二名中救済された者二六名(救済率五〇パーセント)と救済率に差はない。全日シの組合員が全員救済されたからといって、全日シ組合の組合員を救済することを目的とするものであるとはいえず、会社の不当労働行為意思を推認させる事実とはならない。 (4) 妥結月 救済率に差はない。全日シの組合員が全員救済されたからといって、全日シ組合の組合員を救済することを目的とするものであるとはいえず、会社の不当労働行為意思を推認させる事実とはならない。 (4) 妥結月払い条項も、日シ組合のみならず全日シにも同一時期に提案し、いずれも妥結調印している。日シ組合にのみ不利益に押し付けたというものではない。錯誤、強迫、詐欺などの事情もないのに、後になってこれを不当労働行為と主張することは信義則上も許されない。 (五) 臨時組合費のチェック・オフについて臨時組合費のチェック・オフについては、組合費のチェック・オフの本来の姿から大きく逸脱するもので、果たして適法になしうるのかどうかさえ疑問のあるところである。したがって、会社がその根拠を日シ組合に問い質し、回答が得られない状況の中では中止もやむをえず、これを不当労働行為ということはできない。 昭和五〇年一月から昭和五一年一二月までの二四か月間に臨時組合費の徴収要請があったのは一五回にのぼり、しかも、徴収の割合はその都度異なっていた。そのため、臨時組合費の徴収要請がある度に、給与計算のコンピュータープログラムを変更する必要があり、会社は、外部委託先に右変更費用を支払う必要があった。そして、例えば、昭和五一年一月には一五六名の日シ組合の組合員についてその基本給の〇・二パーセントの臨時組合費をチェック・オフしたが、その徴収総額は約三万八〇〇〇円であるのに対し、これに要するプログラム変更費用として会社が支払ったのは約一万円であった。このように、徴収額が小さいのに、徴収額からみるときわめて多額といえる費用を会社に負担させ、しかも頻繁に徴収依頼をするものであって、会社に不当な労力と出費を強いるものである。しかも、定期組合費はチェック・オフされるのであるから、臨時の出費があると きわめて多額といえる費用を会社に負担させ、しかも頻繁に徴収依頼をするものであって、会社に不当な労力と出費を強いるものである。しかも、定期組合費はチェック・オフされるのであるから、臨時の出費があるというのであれば、それを見越して、徴収率を操作すれば足り、臨時組合費のチェック・オフに固執するのは会社に対する嫌がらせともとれるものである。 このように、その必要性に疑問があり、過大な負担を会社にかけ、頻繁に行われる臨時組合費のチェック・オフは、その合法性(違法な経費援助に当たらないものか)に多大な疑問があるから、これを中止したことは不当労働行為とはならない。 五被告の主張 1 本件命令書の理由中「第1 当委員会の認定した事実」は、初審命令書の事実認定のうち特に改めた部分以外はすべて初審が認定した事実を引用しており、初審命令書の「別紙申立人目録」は、本件命令書の理由中の「第1 当委員会の認定した事実」の3によって、「別紙1再審査被申立人目録」と改められて本件命令書の一部になっている。また、本件命令書の主文第Ⅰ項の4において、初審命令書主文第6項中の「別紙申立人目録記載の組合員」は、「別紙1再審査被申立人目録記載の組合員(P16及びP4を除く。)」と改められて本件命令の主文の一部となっている。したがって、本件命令書における当事者欄の再審査被申立人「P15ほか一〇名」とは、本件命令において「別紙1」とされた初審命令書の「別紙」記載のP15ほか一〇名を意味し、本件命令主文第Ⅰ項の4における「組合員」とは、本件命令において「別紙1」とされた初審命令書の「申立人目録記載の組合員」からP16及びP4を除いた組合員であることは明らかである。 原告の主張は、本件命令書の構成についての理解の不足によるものであって、本件命令には、原告主張のような違法はない。 目録記載の組合員」からP16及びP4を除いた組合員であることは明らかである。 原告の主張は、本件命令書の構成についての理解の不足によるものであって、本件命令には、原告主張のような違法はない。 2 被告が初審の救済命令の一部を変更する場合の主文の記載方法は、従来から、変更された部分を加除訂正することにより表示する方式によっている。これは、再審査命令による変更の部分を明確にするためであり、本件命令書の理由中の「第2当委員会の判断」において述べられる主文変更の理由とあいまって、当事者の理解に便ならしめるものであるから、原告が主張するような違法はない。 六補助参加人らの主張 1 団体交渉の拒否について昭和五一年春闘の経過を見れば、会社は、日時・交渉時間・場所・出席者・議題等について、会社が提案したすべての条件を日シ組合が文書で応諾しない限り、団体交渉を開催していないことが明らかであって、会社のこのような態度が団体交渉拒否であることはいうまでもない。 2 昭和五一年度及び昭和五二年度の賃上げについて(一) 八〇パーセント条項について会社は、経営状態の悪化とその原因の一つに従業員の稼働率が低いことをあげ、これを八〇パーセント条項導入の理由として主張する。しかし、会社は、経営状態の悪化を原資料によって根拠づけたことはない。しかも、会社作成の資料によってすら、稼働率と申告所得の間に相関関係がなく、稼働率が赤字の原因とはいえないことは明らかである。 また、会社では、出勤率は、以前から、昇給査定の対象とされていたから、いくら欠勤しても昇給額に差がつかない給与体系になっていたことを前提とし、これを八〇パーセント条項導入の理由とする会社の主張は、失当である。 八〇パーセント条項導入の狙いは、日シ組合の組合員の労働基準法及び労働組合法上の権利の行使 い給与体系になっていたことを前提とし、これを八〇パーセント条項導入の理由とする会社の主張は、失当である。 八〇パーセント条項導入の狙いは、日シ組合の組合員の労働基準法及び労働組合法上の権利の行使を抑圧し、日シ組合を弱体化しようとしたものである。このことは、日シ組合の組合員に八〇パーセント条項の影響を受けやすい女性や職業病患者が多いという組織構成のほか、その運用の実態、廃止の経過を見ることによって明らかである。 (二) 妥結月払い条項について会社は、従来の慣行である四月遡及払いを何らの合理的な理由を示すことなく、日シ組合に早く妥結させることだけを狙いにして、昭和五一年度の賃上げの条件として突如妥結月払い条項を日シ組合に押し付けた。しかも、八〇パーセント条項と切り離しては解決しないとしたもので、不当労働行為性は明らかである。 3 臨時組合費のチェック・オフについて会社は、昭和四六年二月から昭和五二年二月までは、何らの異議もなく、臨時組合費を含む組合費等についてチェック・オフを行ってきたにも拘らず、昭和五二年三月に「対象者である在籍組合員が明確でない」という理由でチェック・オフを拒否し、その後、臨時組合費については一貫してチェック・オフを拒否している。しかし、チェック・オフを行わない理由は、徴収決定が適法にされたかどうか不明であるとか、チェック・オフ協定中に臨時組合費の項目がないとか、臨時組合費は計算が煩雑で徴収に過大な費用がかかるとか、種々主張してきた。しかし、そのいずれも失当であるばかりか、拒否の理由が度々変遷していること自体、拒否の意思が先にあって、後からその場限りの理由づけをしていることを示している。 (乙事件関係)一請求原因1(一) 甲事件請求原因1(一)に同じ。 (二) 被告は、原告の申立てに係る再審査事件についての本件 先にあって、後からその場限りの理由づけをしていることを示している。 (乙事件関係)一請求原因1(一) 甲事件請求原因1(一)に同じ。 (二) 被告は、原告の申立てに係る再審査事件についての本件命令において、初審命令主文第4項(1)中に「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」とあるのを「の査定部分の平均が、全日本シェーリング労働組合の営業所内勤者である組合員」と改めた。右命令書は、昭和五八年九月九日、日シ組合に交付された。 2 しかし、本件命令中の初審命令を右のとおり改めたのは、違法であるから右部分は取り消されるべきである。 二請求原因に対する認否及び抗弁 1 請求原因1は認める。 2 同2は争う。 3 本件命令は、労働組合法二五条、二七条及び労働委員会規則五五条に基づき適法に発せられた行政処分であって、処分の理由は、命令書記載のとおりであり、その認定事実及び判断に誤りはない。 三日シ組合の主張 1 本件命令のうちの請求原因記載の変更部分は、初審命令が、昭和五一年夏季一時金及び冬季一時金について、日シ組合の組合員を全日シの組合員に比べ不当に低く査定したことは、労働組合法七条一号及び三号の不当労働行為に当たるとして、その救済の方法として、日シ組合の組合員に対する査定部分を全日シの組合員に支給した各一時金の平均支給月数と同一になるよう再査定した上で、既支給額との差額を支払うよう命じた部分の、再査定の方法を、全日シの営業所内勤者である組合員の平均支給月数と同一となるように再査定することと変更したものである。そして、その理由とするのは、勤務評定の評定基準が職種によって異なっており、全日シの組合員中でも全体の平均支給月数と内勤務のみの平均支給月数には差があるところ、日シ組合は内勤者のみで構成され、全日シは外勤者がその組合員 るのは、勤務評定の評定基準が職種によって異なっており、全日シの組合員中でも全体の平均支給月数と内勤務のみの平均支給月数には差があるところ、日シ組合は内勤者のみで構成され、全日シは外勤者がその組合員の六割以上を占めているから、全日シの組合員に対する平均支給月数と日シ組合の組合員に対する平均支給月数の差が職種の違い以外の理由によるとの疎明がないことにある。 2 しかし、会社が、職種によって一時金の支給月数が異なる証拠として提出したものは、いずれも原資料ではなく、信用し難いし、それに関する会社側証人の証言もでたらめである。 また、会社が行う勤務評定は、各職種毎に評定基準を違えることによって、職種の相違を捨象し、いずれの職種の平均点も六〇点となるよう評定するという方法であるから、職種の相違は、評定に反映される仕組みとはなっていない。 したがって、右のとおりの理由で初審命令を変更したのは、判断を誤った違法なものである。 なお、被告は、その後の年度の一時金の差別に関する救済命令申立再審査事件では、本件初審命令と同一の立場をとる命令を発しており、本件命令の誤りを自ら認めている。 第三証拠(省略) 理由 第一請求原因について甲事件及び乙事件の各請求原因1の事実は、各当事者間に争いがない。 第二本件命令書の形式的違法について一1 原告は、本件命令書には、再審査被申立人として、総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合と表示し、その下に同として「P15ほか一〇名(詳細は別紙1再審査被申立人目録記載のとおり)」と記載しているが、いうところの「別紙1再審査被申立人目録」は添付されていないから、再審査被申立人が具体的に誰であるかが特定できず、本件命令書は当事者の表示を欠き、しかも、右別紙1は、本件命令主文第1項の4でも「別紙1再審 ろの「別紙1再審査被申立人目録」は添付されていないから、再審査被申立人が具体的に誰であるかが特定できず、本件命令書は当事者の表示を欠き、しかも、右別紙1は、本件命令主文第1項の4でも「別紙1再審査被申立人目録記載の組合員(P16及びP4を除く。)」として用いられているから、別紙1が添付されていないことによって命令の主文までもが完結しないという結果を来しているから無効であると主張する。 そして、本件命令書には、再審査被申立人として、総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合と表示し、その下に同として「P15ほか一〇名(詳細は別紙1再審査被申立人目録記載のとおり)」と記載されていることは、当事者間に争いがない。 (1)本件命令書自体には、いうところの別紙1は添付されていないこと、また、(2)本件命令書中にも、初審命令書の別紙を別紙1と改め、これを本件命令書に引用するというような記載はないこと、一方、(3)本件命令書は、その理由の「第1 当委員会の認定した事実」において、初審命令書の「第1 認定した事実」記載の認定事実を、必要な箇所について加除訂正を行った上で引用していること、(4)右「第1 当委員会の認定した事実」の3中において、「第1 認定した事実」1の(2)中の「別紙申立人目録」を「別紙1再審査被申立人目録」に改める旨及び「同目録の標題を『再審査被申立人目録』に改める。」旨の記載があること、以上は、本件命令書自体から明らかである。 そして、前記当事者間に争いのない事実に右(1)及び(2)の事実を併せ考えると、本件命令書は、形式的に見ると、当事者の表示を一部欠くものというべきである。 被告は、右(3)及び(4)の事実から、本件命令書には、当事者の表示に欠けるところはないと主張する。しかし、(4)の「別紙申立人目録」を「別紙1再 と、当事者の表示を一部欠くものというべきである。 被告は、右(3)及び(4)の事実から、本件命令書には、当事者の表示に欠けるところはないと主張する。しかし、(4)の「別紙申立人目録」を「別紙1再審査被申立人目録」と改めたのは、右(3)からすると、あくまで、理由中の判断として、初審命令書の「第1 認定した事実」の1の(2)に「別紙申立人目録」とある文言を「別紙1再審査被申立人目録」と改めるのみであって、本件命令書全体にわたって初審命令書の「別紙申立人目録」の記載を「別紙1再審査被申立人目録」と改めて引用する意味を持たず、また、同目録の標題を「再審査被申立人目録」と改める部分も初審命令書の「第1 認定した事実」の1の(2)に関してのみと解されるから、右(3)及び(4)の事実があるからといって、本件命令書に別紙1再審査被申立人目録が存するとはいえず、したがって、本件命令書の当事者の表示が不完全なものであることは否定できない。 2 しかし、再審査の命令書に当事者の表示が一部欠けている場合であっても、当該手続全体を通じて誰が当事者であるのかが明らかであれば、被告は、命令が確定するまでの間、更正決定等の方法でその表示を補うことが不可能ではないから、当事者の表示が一部欠けていても、命令自体が無効となり又は取消事由のあるものとなることはないと解するのが相当である。しかるところ、成立に争いのない乙第三七二号証によると、原告自身、本件再審査の申立てに際しては、総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合及びP15ほか一〇名の初審命令書の別紙申立人目録に記載された者を再審査被申立人と表示していることが認められ、この事実に弁論の全趣旨を併せると、本件再審査の手続を通じて、誰が再審査被申立人であるかは、自明のことであって、特に疑義を生じた事実もないことが認め た者を再審査被申立人と表示していることが認められ、この事実に弁論の全趣旨を併せると、本件再審査の手続を通じて、誰が再審査被申立人であるかは、自明のことであって、特に疑義を生じた事実もないことが認められる。したがって、本件命令には、原告主張のような違法はない。 また、右(3)及び(4)の事実からすると、本件命令書の「別紙1再審査被申立人目録」は、初審命令書の別紙申立人目録を、その標題を改めて引用する趣旨であること、したがって、本件命令の主文第1項の4中の「別紙1再審査被申立人目録記載の組合員(P16及びP4を除く。)」との部分の意味も明らかであるから、本件命令には、主文が不特定であるとの違法もない。 二1 原告は、本件命令の主文は、初めから終りまで初審命令の主文に加除訂正を加えてこれを引用したものであるが、労働委員会の命令の主文は、明確でなくてはならず、一見して意味の読み取れないものであったり、何かを引用し、あるいはむやみに加除訂正する形で表示されていてはならず、再審査命令の主文において初審命令の主文を引用することは原則として許されないから、違法、無効であると主張する。 そして、本件命令書に記載された本件命令の主文は、初審命令書の主文に加除訂正を加えた上でこれを引用するという方法によっていることは、本件命令書の記載自体から明らかである。 2 しかし、再審査命令書における主文の記載方法については、労働委員会規則五六条一項が、初審命令書における主文の記載方法を定めた同規則四三条二項三号を準用する旨定めているほかは、特段の規定は存しないから、初審命令書における主文と同じようにそれ自体完結したものとして記載するか、それとも初審命令書の主文に加除訂正を加えた上でこれを引用するかは、被告の裁量に委ねられていると解するのが相当である。もっとも、本件 書における主文と同じようにそれ自体完結したものとして記載するか、それとも初審命令書の主文に加除訂正を加えた上でこれを引用するかは、被告の裁量に委ねられていると解するのが相当である。もっとも、本件命令書の主文のように、初審命令書の主文に加除訂正を加えた上でこれを引用する形式によって記載されている場合には、その記載のみからは再審査命令書の主文内容が判然としないという問題はあるけれども、その意味するところは、既にその写しの交付を受けている初審命令書の主文と対照することによって容易に理解することができ、その解釈を巡って新たな紛争が惹起するおそれはないから、本件命令書のこのような記載方法も、当事者に対して親切なものであるかどうかは別として、裁量の範囲を逸脱するものとはいえず、本件命令には、原告主張のような違法はない。 第三本件命令の判断の誤りの主張について一 EDP課の廃止について 1 本件命令中の「第1 当委員会の認定した事実」の3(1)の①、②、④のうち高千穂バロースが昭和四七年一〇月二八日付け文書で被告認定のような提案を行ったこと、⑥ないし⑧、⑩のうち昭和四九年四月が高千穂バロースとの契約の解約申入れ時期であったこと、⑫、⑭、⑰及び(2)の①、⑭、⑰、⑱(会社及び高千穂バロースが、被告保全権利について十分な釈明ができなかったとの事実を除く。)、⑲、⑳のうち、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10、P11、P12及びP13の組合役職を除くその余の事実、●の事実、以上は、いずれも当事者間に争いがない。 2 右当事者間に争いのない事実に、成立に争いのない乙第七一、第八〇、第一二三、第二七〇、第二七七、第二八一、第二八三、第二八六ないし第二八八、第二九六、第二九七、第三一九、第三二一、第三二三、第三三三、第三三五、第三三七、第三三九、第三 いのない乙第七一、第八〇、第一二三、第二七〇、第二七七、第二八一、第二八三、第二八六ないし第二八八、第二九六、第二九七、第三一九、第三二一、第三二三、第三三三、第三三五、第三三七、第三三九、第三四一、第三六三(後記採用しない部分を除く。)、第三六五、第四〇八、第四一六号証、右乙第三六三号証中のP15の供述部分によって真正に成立したものと認められる乙第九三号証を総合すると、次の事実を認めることができる。 (一) 会社は、昭和四六年一〇月、コンピューター本体を高千穂バロースから、周辺機器であるパンチングマシンをIBMから、それぞれ賃借し、EDP課において、会社業務のコンピューター化を開始した。 (二) 会社が、コンピューター化を企図した業務は、次の(1)ないし(4)のほか、給料システム、固定資産システム、研究所システム及び原価計算システムの八システムであった。 (1) 営業会計事務システム会社は、当時全国三三か所にあった営業所ごとに医薬品を保管し、これを問屋に販売し、その代金を請求し、回収していた。この営業所における営業会計事務、すなわち、売掛金台帳の作成、請求書の発行等をコンピューター化をすることであり、これがコンピューター導入の主要目的であった。 その方法としては、各営業所において発行される手書きの販売伝票を毎月本社に送付させ、これをEDP課において、パンチャーがカードパンチしたものをコンピューターへの入力データとして用いることとされていた。 (2) 第一次販売統計システム各営業所から問屋への医薬品の販売(これを第一次販売という。)に関する諸統計(全品目販売統計表等で、営業又は経営上の基本的資料となる。)の作成事務のコンピューター化を目的とするもので、その方法としては、(1)と同様に販売伝票をパンチしたパンチカードを入力データとし 諸統計(全品目販売統計表等で、営業又は経営上の基本的資料となる。)の作成事務のコンピューター化を目的とするもので、その方法としては、(1)と同様に販売伝票をパンチしたパンチカードを入力データとして用いることとされていた。 (3) 第二次販売統計システム会社の医薬品の問屋から病院・開業医への販売(これを第二次販売という。)に関する諸統計(プロパー業績資料、個人別順位表等、営業所外勤者(プロパー)の個人別業績を知るための資料)の作成事務のコンピューター化を目的とするもので、その方法としては、問屋から入手する納入明細書を会社外に委託して、カードパンチし、これを入力データとして用いることとされていた。 (4) 営業所在庫管理システム各営業所における医薬品の在庫に関する統計(営業所別在庫移動表、総在庫明細表)の作成事務のコンピューター化を目的とするもので、その方法としては、販売伝票及び在庫移動に関する諸伝票をパンチしたパンチカードを入力データとして用いることとされていた。 (三) 右認定のとおり、(1)ないし(4)のシステムにおいては、営業所から本社に送付される販売伝票等をパンチしたパンチカードを入力データとして用いることとされていたので、販売伝票等が本社に送付されるのに日数を要し、そのため、通常でも、営業会計事務システム、第一次販売統計システムで当月分の統計等が作成できるのは、翌月末になり、第二次販売統計システムでは、前月二一日から当月二〇日までの分の統計が作成できるのは翌月末になった。 ところが、各営業所からの伝票の送付が、必要以上に遅れることがあり、更には、EDP課のパンチャーにけんしょう炎が多発するなどのこともあって、EDP課におけるパンチ業務は、昭和四七年末ころから遅延がちとなり、昭和四九年三月には、三か月分の遅れが生じていた。 があり、更には、EDP課のパンチャーにけんしょう炎が多発するなどのこともあって、EDP課におけるパンチ業務は、昭和四七年末ころから遅延がちとなり、昭和四九年三月には、三か月分の遅れが生じていた。 (四) そこで、昭和四九年三月ころ、会社は、右の遅れの解消方法についてEDP課の課員と話し合い、昭和四九年一月から三月までの販売伝票のパンチをとりやめ、その間の在庫移動票から毎月の商品販売量を手作業で集計し、これをコンピューターに入力することで、第一次販売統計システムに代えるという便宜的方法をとることとした。そのためもあって、右のパンチの遅延自体は、昭和四九年六月ころには、解消するに至った。 この便宜的な方法によると、営業会計事務システムにおける諸帳票の作成はできないが、第一次販売に関して得られるデータは、販売先別の集計はできないものの、その他の点ではほぼ同様の統計を得ることができた。 (五) これらの遅延のため、会社は、会社業務のコンピューター化の大きな目標としていた、請求書のコンピューターによる発行、売掛台帳のコンピューターによる作成を実施することができず、そのため、EDP課における業務と平行して、各営業所等で、手書きでこれらの作成を続けるほかはなかった。 また、その他の統計類も、作成が遅れるため、各営業所での日常業務には役立たず、各営業所で必要なものを、各営業所の手持資料から手計算で作成する状態であった。 (六) 一方、EDP課に所属する従業員は、昭和四六年一〇月ころから、コンピューター業務に関連していくつかの改善点につき提案を行っていた。 また、高千穂バロースの第一システム部も、昭和四七年一〇月二八日付けで、会社において解決すべき事項についての提案を行った。その内容は、推進組織の確立、社内ピーアールの徹底、基本方針及び決定事項の徹底 また、高千穂バロースの第一システム部も、昭和四七年一〇月二八日付けで、会社において解決すべき事項についての提案を行った。その内容は、推進組織の確立、社内ピーアールの徹底、基本方針及び決定事項の徹底、現状の事務改善(事務処理規定の整備、社内各伝票等の整備標準化等)、将来事項(インプットマシンの再検討、配送センターの設置等)などの多岐にわたるものであった。 しかし、右の高千穂バロースの提案は、例えば、インプットマシンの再検討に関しては、当時の三三か所の営業所のすべてにテレックス又は端末機を設置し、これをインプットマシンとして使用することは、当時会社が高千穂バロースから賃借していたコンピューターでは技術的にも無理があり、経費的にも会社の負担し得るところではなく、配送センターの設置等に関しては、会社組織、商品流通過程全体の見直しをも必要とする問題であった。また、その他の点は、伝票等を各営業所から送付することに伴う必然的な遅れの改善に役立つものではなかった(EDP課の課員の提案も同様である。)。 (七) ところで、EDP課の運営に要する費用は、コンピューター及びその周辺機器の賃借料だけで、昭和四九年には一か月三〇九万九〇〇〇円に達し、昭和五〇年には、これが三六二万円に達することが見込まれていた。一方、後記(八)認定のTCCへのコンピュータ業務の委託費用は、昭和五〇年においては一か月一九〇万円であった。 (八) 会社と高千穂バロースとのコンピューターの賃借契約によると、その賃借期間は、コンピューターの据付を完了し使用可能となった日の翌日から三年間(昭和四九年一〇月末まで)となっており、その六か月前までに当事者から文書による解約の予告がない限り、期間満了後も引き続き効力を有するものとされていた。そこで、会社は、右賃借期間の満了を契機に、EDP課の廃 九年一〇月末まで)となっており、その六か月前までに当事者から文書による解約の予告がない限り、期間満了後も引き続き効力を有するものとされていた。そこで、会社は、右賃借期間の満了を契機に、EDP課の廃止とコンピューター業務の外部委託を検討することとし、そのために、昭和四九年四月ころ、高千穂バロースに右解約予告期間の定めを弾力的に運用してくれるよう依頼し、その了解を得るとともに高千穂バロースの子会社であるTCCとの接触を開始した。そして、会社内にあったコンピューター用のマスターテープ等をコピーするなどした上、同年七月、TCCに対して、コンピューター業務を委託し、同年一〇月には、TCCにおいてテストも終り、会社のコンピューター業務を代替する準備が整っていた。 なお、TCCに委託することとなったコンピューター業務においては、営業会計事務システム、営業所在庫管理システム、原価計算システムが廃止されて五システムとなったが、第一次販売統計システムにおいては、営業所における在庫移動に関する資料を入力データとして用いることとされた。 (九) 右のような経過を経て、会社は、昭和四九年一〇月上旬、EDP課の廃止を正式決定し、同月二一日、日シ組合に対し、文書でその旨を通知するとともに、EDP課の課員を製造部、経理部、研究開発部等の本社内の諸部門に配転すること等について、労使協議会の開催を申し入れた。そして、同月二三日に労使協議会が開催され、また、同年一一月九日には大阪地方裁判所の仮処分決定を受けて団体交渉が開催されたのを初めとして、合計三回にわたって団体交渉が開催されたが、日シ組合が、EDP課の廃止及び配転に絶対反対の態度を示したため、話合いは不調となった。しかし、会社は、同年一一月一四日、IBMから賃借していたパンチングマシンを搬出し、同日付けで、EDP課の が、日シ組合が、EDP課の廃止及び配転に絶対反対の態度を示したため、話合いは不調となった。しかし、会社は、同年一一月一四日、IBMから賃借していたパンチングマシンを搬出し、同日付けで、EDP課の課員二二名中一四名の一般職種者に対し、本社内の各部付を命ずる旨の辞令を手交し(最終配属先を明示した辞令は、P17を除き、一二名に対しては同年一二月一二日に、一名に対しては翌昭和五〇年四月八日にそれぞれ手交された。)、同年一二月一六日には高千穂バロースから賃借していたコンピューターを搬出し、また、EDP課の課員中パンチャー、プログラマーなどの職種特約者七名(一名は同年一一月三〇日付けで退職した。)に対し、同月二三日付け又は二四日付けで、本社内の他部門への配転を発令し、このようにしてEDP課は廃止された。 (一〇) 会社は、EDP課廃止後の昭和五一年二月ころから、社内にプロジェクトチームを作って、会社業務の組織の変更をも含め、コンピューターの利用を必然とするシステムの構築を目的とする検討を開始した。このプロジェクトチームは、社外専門家の協力をも受け、旧EDP課の職員及び営業担当社員などを含む全社的なレベルで設けられた。 そして、昭和五二年一一月ころには、新しいシステムが構築され、運用を開始するに至った。これに伴い、前記のTCCに対する委託は、給与計算を除いて廃止された。 新しいシステムでは、従前三三か所の営業所の全てに在庫を置いていたことをやめ、全国六か所に支店、二か所にストックセンターを設置し、ここに在庫を置き、必要に応じて営業所に送付することとした。そして、各支店、ストックセンター、本社等にコンピューターの端末機を設置し、これをIBMの営業所にある大型コンピューターとオンラインで結び、各支店、ストックセンター等で在庫の動き、医薬品の販売の 。そして、各支店、ストックセンター、本社等にコンピューターの端末機を設置し、これをIBMの営業所にある大型コンピューターとオンラインで結び、各支店、ストックセンター等で在庫の動き、医薬品の販売の都度、伝票を右端末機で発行し、同時に右データを右端末機からコンピューターに入力し、これらデータを処理した必要な資料等は、右各端末機から出力できることとなった。 これによって、会社は、販売、在庫に関する必要な情報は、その時点での最新のものを常に入手することができるようになり、例えば在庫は半分以下に減らすことができるようになった。 また、この新しいコンピューター業務を担当する部署は、経理部に置かれ、その担当者は五名程度であり、うち二名はもとEDP課の課員で日シ組合の組合員であり、販売伝票をパンチしてコンピューターに入力することはなくなったため、そのためのパンチャーは不用となった。 3(一) ところで、企業が、ある部門の廃止を含む組織の変更を行うか否かは、どのような組織、機構によって事業を営むかと同じく、本来的に営業の自由の範囲内に属し、当該企業が専権的に決定し得る事柄であるから、その変更が経営判断として合理性を有する場合には、専ら、労働組合を嫌悪し、その活動に打撃を与える目的をもってされたものであるなどの特段の事情のない限り、組織の変更それ自体が不当労働行為となることはないと解するのが相当である。このことは、廃止の対象となった組織が労働組合の活動の拠点であって、組織変更の決定に当たり、右事情が何ほどか考慮されたと認められる場合であっても異なるものではなく、単に、組織変更の結果行われる配転において、労働組合の組合員であるが故に不利益に取り扱われた等の事情がある場合に、その配転が不当労働行為となることがあるに留るというべきである。 (二) これを本 、単に、組織変更の結果行われる配転において、労働組合の組合員であるが故に不利益に取り扱われた等の事情がある場合に、その配転が不当労働行為となることがあるに留るというべきである。 (二) これを本件について見ると、前2認定の諸事実に照らすと、EDP課を廃止するという決定は、経営判断として不合理なものとはいえず、昭和五一年から再開された会社のコンピューター業務を担当する部署も、EDP課と同一性があるともいえないから、EDP課の廃止は、会社の真意に出たものであって、専ら、日シ組合を嫌悪し、その活動に打撃を与える目的をもってされたものということはできない。 すなわち、右2認定の事実によると、会社が、会社業務のコンピューター化で主要な目的としたものは、導入以来三年近く経過しても実現しておらず、将来もその目処はなく、その実現のためには営業所と本社をオンラインで結ぶという新たなシステムが必要であったというのである。しかし、三三か所の営業所のすべてに端末機を置き本社とオンラインで結ぶには、経費的負担が大きい上、全営業所に在庫を置くことは、その管理面から無駄が多く、これらを併せて改善するために提案された、全国数か所に支店及びストックセンターを置くという方法も、そのためには会社組織及び商品流通過程全体の見直しが必要であったというのであるから、EDP課のみでなく、会社を挙げて取り組むべき問題であり、しかも一朝一夕に解決される問題ではなかったということができる。 日シ組合は、昭和四九年一〇月の時点では、コンピューターによる請求書発行業務等を行うこと、すなわち、いわゆる本番稼働が可能であったと主張し、前出乙第三六三号証中のP15の供述記載中にはその旨の部分がある。しかしながら、P15の右供述記載部分は、同人の主観的意見を述べたものにすぎない上、仮にEDP課 わゆる本番稼働が可能であったと主張し、前出乙第三六三号証中のP15の供述記載中にはその旨の部分がある。しかしながら、P15の右供述記載部分は、同人の主観的意見を述べたものにすぎない上、仮にEDP課における伝票パンチ業務が今後は遅れることがないという態勢が整っていたとしても、右認定のとおり、各営業所から伝票をまとめて送付させ、これをパンチしたものを入力データとして用いるというシステム自体から来る制約は何ら解消されていないから、いずれにせよ、右供述部分は採用できない(前出乙第一二三号証によると、日シ組合が昭和四八年ころ会社に対して行った本番稼働実施の提案も、営業所を限定しての試験的なものにすぎなかったことが認められる。)。 右のような会社の組織の変更を伴う新システムの構築は、EDP課を維持し、これにとりあえずの改善を加えつつ行う方法と、EDP課を廃止し、必要最小限の業務を外部に委託し、新システムの構築を行う方法の、二方法が考えられるが、いずれを選択するかは、経営者の高度な裁量的判断たる経営判断に委ねられるべきものである。 そして、①EDP課を維持するには、同じ業務しか処理しない場合においても、外部に委託するよりも経費がかかること(人件費を別にした機器の賃借料だけでも、外部に委託する方法をとった場合の総経費を上回る。)、しかし、②そのように経費をかけてEDP課を維持しても将来オンラインシステムを導入する際には、高千穂バロースやIBMから賃借している機器は必要がなくなるし、コンピューター業務に従事している人員も、そのまま必要とはならないこと(結果的にも、現在のシステムにおいては、会社内に専用のコンピューターを置くという方法によっていないし、社内のコンピューター担当の社員数もEDP課に比べはるかに少なくなっている。また、オンライン化した場合 にも、現在のシステムにおいては、会社内に専用のコンピューターを置くという方法によっていないし、社内のコンピューター担当の社員数もEDP課に比べはるかに少なくなっている。また、オンライン化した場合には、EDP課のパンチャーが不用になることは容易に予想し得るところである。)、したがって、③新システムの導入に要する費用は、EDP課を維持しつつ新システムに移行する場合と一旦EDP課を廃止した上で新システムを導入する場合とで差が出るとは限らないこと(前出乙第三六五号証中のP15の供述記載中には、EDP課を維持しつつ現行のようなシステムに移行した方が経費は少なくて済むとの趣旨の部分があるが、具体性がなく、採用しない。)、を総合的に考慮すると、会社が一旦EDP課を廃止した上で新システムを導入しようと判断したのは、経営判断として合理性があるものということができる。 4 また、EDP課の廃止に伴うEDP課所属の組合員の配転については、その手続に全く問題がなかったかどうかは別として、組合員であることを理由に不利益な配転が行われたことを認めるに足りる証拠はない。 5(一) なるほど、当事者間に争いのない本件命令書の「第1 当委員会の認定した事実」の1、2(ただし、(1)①中の「従業員らはこの会社の態度に不満を抱き」との部分、②中の「会社の中部地方支配人P1らの指導により」との部分、(2)1中のP2副社長の発言部分、②ア中の「拡大闘争委員会及び執行委員会の決定に基づいて、賃上げ等の春闘要求を実現するため」及び「小ぜり合いやもみ合いが生じ」との部分、③中の会社の部次長、課長らが第二次回答の内容等を説明し、その内容で妥結して欲しい旨述べたとの部分、以上を除く。)、3(1)⑬(イ)の(エ)、(2)②の各事実に、成立に争いのない乙第三三、第三五、第三六、第四二、第 、課長らが第二次回答の内容等を説明し、その内容で妥結して欲しい旨述べたとの部分、以上を除く。)、3(1)⑬(イ)の(エ)、(2)②の各事実に、成立に争いのない乙第三三、第三五、第三六、第四二、第四五ないし第五三、第六六ないし第六九、第九四、第二七〇、第二七三、第三一七号証、前出乙第三六五号証及びそのうちのP15の供述記載部分によって真正に成立したものと認められる乙第八七号証、右乙第三一七号証中のP18の供述記載部分によって真正に成立したものと認められる乙第三四、第五七ないし第六三号証、原本の存在及び成立に争いのない丙第一号証(そのうちの後記採用しない部分を除く。)によると、日シ組合の結成からEDP課廃止までの労使関係として、次の事実を認めることができる。 (1) 日シ組合は、昭和四五年一一月、本社内勤者を中心に、約四〇〇名の組合員で結成され、総評化学同盟に加入した。 (2) 全日シは、同年一二月一八日、営業所外勤者を中心に、会社の支配人の指導もあって、組合員約四〇〇名で結成され、全国化学一般労働組合同盟に加盟した(前出丙第一号証中のP14証言記載部分中のこの認定に反する部分は採用しない。)が、昭和四六年四月には、右同盟を脱退した。 (3) 会社は、昭和四五年一二月二三日付けで、社長名で従業員に対し、会社は、労働組合がなくても、自発的に社宅を提供し、他に先がけて隔週週休二日制を導入し、日シ組合の加盟した総評化学同盟加盟労働組合のある会社よりも多い冬季賞与を支給しているなどとした文書を配付し、同日付けで「社内労働情報」を創刊し、これを従業員に配付したが、ここで、総評の思想は企業として賛成できないものが多いのに対し同盟の思想は企業として賛成できるものが多い等と、総評と同盟の比較を行ったり、会社が、日本国内で販売する商品を作るための資材をドイツ たが、ここで、総評の思想は企業として賛成できないものが多いのに対し同盟の思想は企業として賛成できるものが多い等と、総評と同盟の比較を行ったり、会社が、日本国内で販売する商品を作るための資材をドイツのシェーリングAG社に送付したことを批判した日シ組合のビラに対し、そのようなビラの配付はまじめな社員の行う行為であるか否か疑問であり、組合は何を考えているのかと良識を疑われることにもなるなどと非難したりもした。 (4) また、会社は、昭和四六年一〇月ころ、会社の承認を得ないで、勤務時間中に組合活動を行った場合及び会社内で政治活動を行った場合を懲戒事由及び普通解雇事由とすることなどを内容とする就業規則の改正を企図し、翌年夏にかけて、これに反対する日シ組合との間で対立が続いた。 (5) 会社は、昭和四六年の冬季一時金について、全日シとの間では、日シ組合との妥結条件のほかに〇・二か月分の特別賞与を支払うことで妥結し、これを昭和四七年三月に支払っていたことが判明し、日シ組合は、差別の撤廃闘争を行った。 また、会社は、昭和四七年四月から、営業所外勤者に対し、外勤をした日について日当のほか食事手当てを支払うこととした。日シ組合は、このことを同年の一一月になって知り、これをやみ賃上げとして、その是正闘争を行った。 (6) 昭和四八年二月、P2副社長が、労務関係の責任者として会社に入社した(当初は、顧問)が、同月一六日、右食事手当ての問題についての団体交渉の後、社内放送で、右問題に関する会社の見解と提案内容を説明したが、その際、「日本シェーリングのストライキは業界でも名が通っており、そのたびに生産が害され、売上が害され、利益が減り、得意先の支持と信用が失われている。自分の手で自分の会社をぶちこわすようなことが行われている。もし日本シェーリングがいまのままの状態を 通っており、そのたびに生産が害され、売上が害され、利益が減り、得意先の支持と信用が失われている。自分の手で自分の会社をぶちこわすようなことが行われている。もし日本シェーリングがいまのままの状態を続ければ近い将来に破滅の日が来ることは明らかである。ドイツの本社は、日本シェーリングのこのような不安定な状態を、常に重要視している。この状態が続けばストの影響を受けないで、日本の商売を継続するために他の手段と方法を考えざるを得なくなる。たとえば、他の会社に販売を任せたりすることである。」との趣旨の発言をした。 日シ組合は、同年五月一一日、P2の右発言は、不当労働行為であるとして、大阪府地方労働委員会に救済の申立てを行った。 (7) 日シ組合は、昭和四八年四月一一日、賃上げ等の春闘要求を実現するためストライキを行い、その一環として本社正門前でピケッティングを行った。その際、P2副社長ら会社管理職四名は、会社内に入ろうとしたところ、日シ組合の組合員から暴行を受け負傷したとして、当時の日シ組合委員長、書記長らを傷害罪等で告訴した。 日シ組合は、これに対し、日シ組合の組合員が暴行を働いた事実はなく、会社側が暴行を働いたものであるとして、会社がピケッティングに際して暴行を働いたこと及び右傷害罪で告訴したことを不当労働行為と主張して、大阪府地方労働委員会に救済の申立てを行うとともに、当時の日シ組合委員長、書記長がP2副社長らをぶ告罪で告訴した。 なお、日シ組合の組合員は、右告訴に係る傷害等被疑事件について起訴猶予となり、P2副社長らは、右告訴に係るぶ告被疑事件について不起訴(嫌疑不十分)となり、また、組合の救済の申立ては棄却された。 (8) また、昭和四八年四月二四日から同月二六日にかけて、会社の部次長、課長らは、秘書課及び通関課以外の全職場において、 について不起訴(嫌疑不十分)となり、また、組合の救済の申立ては棄却された。 (8) また、昭和四八年四月二四日から同月二六日にかけて、会社の部次長、課長らは、秘書課及び通関課以外の全職場において、従業員を集めて経理内容説明会を開いた。日シ組合は、その際、会社の部次長、課長らが、日シ組合には未だ提示していなかった賃上げ等に関する全日シへの第二次回答の内容を説明しその内容で妥結して欲しい旨、右四月一一日のピケッティングの際執行部の指導で暴力行為があった旨等を述べたとして、これを不当労働行為として、大阪府地方労働委員会に救済の申立てを行った。 (9) 会社においては、昭和四九年六月ころ、日シ組合を脱退した者及び非組合員によって守る会が結成された。この会は、「良識と秩序ある言動により明るい職場を作るとともに、従業員の権利、義務及び責任等については、あくまでも、基本方針に則って解決すること」を主旨とするものであるが、その設立に当たっては、会社の幹部と会合を持つなどした。また、会社の職制をも含めて、日シ組合の組合員に対して組合からの脱退と守る会への参加が勧誘され、結局、日シ組合の組合員約八〇名が日シ組合を脱退して、守る会に参加した。 (10) ところで、昭和四九年一〇月二一日現在のEDP課の課員は、全員が日シ組合の組合員であり、組合の執行委員や元書記長等がおり、積極的に組合活動を行っていた。 (11) 会社は、EDP課廃止理由の一つとして、「ストライキやパンチャーのけんしょう炎と称しての異常な低就業率によるアウトプットの遅れ」をあげ、また、EDP課の廃止に関して昭和四九年一〇月二三日に開催された労使協議会や同課員に対する説明会において、P3部長は、EDP課でストライキがあっては困るとか、課員が組合員ばかりでは困るといった発言をし、また同年一一月九日 関して昭和四九年一〇月二三日に開催された労使協議会や同課員に対する説明会において、P3部長は、EDP課でストライキがあっては困るとか、課員が組合員ばかりでは困るといった発言をし、また同年一一月九日の団体交渉の席上、P2副社長は、EDP課の廃止を判断した基準の一つに、課員が全員日シ組合の組合員であり、課が組合活動の拠点になっていることがある旨等の発言をした(前出乙第四〇八号証のP3の供述記載中の右認定に反する部分及び前出乙第三二三号証のP19の供述記載中の右認定に反する部分はいずれも採用しない。)。 (二) 以上の事実によると、会社は、日シ組合を設立当初から快く思っておらず、事あるごとに対立関係が続いてきたもので、EDP課の廃止に当たっても、課員が全員日シ組合の組合員であって積極的に組合活動を行っていたことが相当程度考慮されたであろうことは推認するに難くない。しかし、前述のように、EDP課の廃止は、経営判断として見た場合、それ自体、合理性を有することは否定できないから、右のような事情があるからといって、それが、経営判断とは関係なく、専ら、日シ組合の組合員を各部門に分散させることによって、組合活動に打撃を与え、組合を弱体化させる意図をもってされたものとは認めることができない。 6 したがって、EDP課の廃止及びこれに伴うEDP課所属の日シ組合の組合員の配転は、不当労働行為に当たるとはいえないから、これを不当労働行為とした本件命令には、事実の認定及び判断を誤った違法がある。 二団体交渉について1(一) 本件命令中の「第1 当委員会の認定した事実」5の(1)ないし(3)、(4)のうち①のイを除くその余の事実、(5)のうち日シ組合が四月二四日に抗議及び要求を行った意図を除くその余の事実、(6)ないし(10)、(11)のうち会社がその団体交渉申入 (1)ないし(3)、(4)のうち①のイを除くその余の事実、(5)のうち日シ組合が四月二四日に抗議及び要求を行った意図を除くその余の事実、(6)ないし(10)、(11)のうち会社がその団体交渉申入れに対し日シ組合が「応諾の文書を提出しない限り団体交渉を行わないとの態度を固持し」との点を除くその余の事実、(12)の事実、6の(1)ないし(3)の事実、以上は、いずれも当事者間に争いがない。 右当事者間に争いのない事実に、成立に争いのない乙第一八五ないし第一八七、第一九〇ないし第一九七、第三四七、第三四九号証、右乙第三四七号証のP20の供述記載部分によって真正に成立したものと認められる乙第一五四、第一五五号証並びに証人P20の証言及びこれによって真正に成立したものと認められる丙第五八号証を総合すると、次の事実を認めることができる。 (1) 日シ組合は、昭和五一年三月二二日、会社に対し、昭和五一年度の賃上げ等に関する要求書を、同年三月二五日午前中に文書回答することをも求めて、提出した。そして、同日、右要求について説明のための団体交渉を、「日時・三月二五日午後(時間設定は就業時間外を含め一任)、場所・本社会議室、メンバー・組合から三役、調査部長ほか執行部役員数名」との内容で申し入れた。しかし、会社は、右のいずれについても回答しなかった。 (2) そこで、日シ組合は、賃上げ等の要求についての回答を求めるとともに、同年三月三一日、四月一四日にも前同様の内容で団体交渉を申し入れた。これに対し、会社は、同年四月一五日になって、賃上げ要求に対する文書回答を行い、自ら団体交渉を申し入れた。 (3) 会社の右団体交渉の申入れに基づき、同年四月二一日、約二時間にわたって団体交渉が行われ、その中で、会社は四月一五日の回答につき説明した。日シ組合は、同年四月二二日 ら団体交渉を申し入れた。 (3) 会社の右団体交渉の申入れに基づき、同年四月二一日、約二時間にわたって団体交渉が行われ、その中で、会社は四月一五日の回答につき説明した。日シ組合は、同年四月二二日、団体交渉の申入れをしたが、会社は、これに回答しなかった。そこで、日シ組合は、同月二四日、これに抗議するとともに、再び団体交渉の申入れをした。これに対し、会社は、同月二六日、日シ組合に対し、「議題・二月二七日付け及び三月二二日付け組合の要求について、場所・組合から応諾の回答あり次第通知する、日時・四月三〇日午前一〇時より二時間以内、出席者・双方五名以内、傍聴は認めない」旨の内容で団体交渉を申し入れ、これに日シ組合が応諾したので、同月三〇日再び団体交渉が行われた。 (4) 右の団体交渉では、会社から賃上げ額の上積み回答がないなどのため、進展を見なかった。そこで、日シ組合は、同年五月四日、「日時・五月六日午後一時から、なお午後五時以降でも可、場所・本社会議室、メンバー・組合より三役ほか数名、議題・二月二七日付け及び三月二二日付け組合の要求書」との旨の内容の団体交渉を申し入れ、これに対し、会社が、同月七日、日シ組合に団体交渉を申し入れ、これを受けて、同月一一日に団体交渉が行われ、会社は、協定書案を提示して、その内容による妥結を求めた。 (5) 会社は、同月一八日に至って、日シ組合に対し、「日時・五月二〇日午後三時から一時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知する、議題・昭和五一年賃上げその他要求(二月二七日付け及び三月二二日付け要求)に対する会社回答による妥結調印、出席者・双方五名以内、傍聴は認めない」旨の内容の団体交渉を申し入れた。 (6) 日シ組合が、右申入れを不満として拒否すると、会社は、現在の回答を変更する意思はないから、妥結のための による妥結調印、出席者・双方五名以内、傍聴は認めない」旨の内容の団体交渉を申し入れた。 (6) 日シ組合が、右申入れを不満として拒否すると、会社は、現在の回答を変更する意思はないから、妥結のための団体交渉以外は、団体交渉を重ねても無意味であるとして、その後、日シ組合が、同年六月一日、同月三日、同月一七日、同月二八日、同年七月七日の五回にわたり団体交渉を申し入れたのに対しても、五月二〇日に回答済みであるとして、その申入れ内容で団体交渉を申し入れ、あるいは、全日シとの協定内容による妥結のための団体交渉を申し入れる(日時、場所は、日シの応諾あり次第通知とした。七月八日)のみであった。そして、右七月八日の団体交渉申入れに対し、日シが団体交渉を開かしめるため応諾する旨の回答をすると、会社は、七月八日付け申入れに応諾しているのか不明であるとして、再度、同内容の申入れを行った。また、日シ組合が、同月七日、昭和五一年度夏季一時金についての要求書を提出し、団体交渉を申し入れたのに対しても、春闘解決後に回答するとしたのみで、具体的な回答は行わず、この要求に関し、日シ組合の団体交渉申入れにも応答しなかった。 (7) その後、ようやく八月六日になって、団体交渉が開かれ、会社と日シ組合との間で、賃上げ等に関する協定が締結された。その内容は、賃上げに関しては、会社が全日シと協定した内容、すなわち会社の協定書案を同一であった。 (二) ところで、成立に争いのない乙第一一、第一八、第二七号証によると、日シ組合が本件救済の申立てにおいて不当労働行為であると主張して救済を求めているのは、昭和五一年の賃上げについての団体交渉に関する会社の態度であることが認められる。しかるところ、右(一)で認定した事実からすると、会社は、昭和五一年の賃上げに関して、日シ組合からの団体交渉申入 るのは、昭和五一年の賃上げについての団体交渉に関する会社の態度であることが認められる。しかるところ、右(一)で認定した事実からすると、会社は、昭和五一年の賃上げに関して、日シ組合からの団体交渉申入れにそのまま応ずることなく、逆に自らが申し入れた場合に限り、しかも、団体交渉の日時・場所・時間・出席者の数・議題についての申入れを日シ組合が応諾した場合にしか団体交渉を行っていないことが、明らかである。したがって、昭和五一年の賃上げについての団体交渉に関する会社のこれら一連の態度は、全日シとの交渉の先後、交渉の内容を問題にするまでもなく、それ自体で、誠実に団体交渉を行ったものとは、とうていいい難い。したがって、これを労働組合法七条二号の不当労働行為に当たるとした本件命令は、相当なものである。 (三) なお、原告は、日シ組合との団体交渉は、日シ組合からの申入れがある都度、文書によって、議題・日時・場所・時間・人数を合意した上で行っており、その内容にも不当なところはない旨を主張する。 なるほど、団体交渉に先立って、日シ組合が、会社の申し入れた団体交渉の議題・日時・場所・時間・出席人数について合意していることは、前記(一)で認定したとおりである。しかしながら、右認定の事実によると、会社の申入れに基づかずに団体交渉が行われたことはないばかりか、会社は、日シ組合からの団体交渉の申入れに対し、自らも団体交渉を申し入れる場合を除き、これに応答すらしないか、団体交渉を拒否するかのいずれかである((一)(1)、(2)、(6))など、会社は、その団体交渉申入れに対し日シ組合が応諾しない限り、団体交渉を行わないという態度をとっていたことは明らかである。このことに加えて、会社の団体交渉申入れに日シ組合がしばしば抗議していた事実に照らすと、日シ組合が、会社申入れの、 組合が応諾しない限り、団体交渉を行わないという態度をとっていたことは明らかである。このことに加えて、会社の団体交渉申入れに日シ組合がしばしば抗議していた事実に照らすと、日シ組合が、会社申入れの、団体交渉の議題・日時・場所・時間・出席人数について同意していたのは、団体交渉の場を確保するためやむを得ない対応であったものと推認することができる。したがって、原告主張の合意があることは、その内容の合理性の有無に拘らず、不当労働行為の成立を妨げるものではない。 2 ところで、本件命令の主文第Ⅰ項の1は、昭和五一年の賃上げに留らず、広くすべての団体交渉拒否に対して救済を与えるかのような内容となっており、その理由中でも、昭和五〇年から昭和五二年にかけての団体交渉に対する会社の一連の態度についても言及しているので、このことと救済内容に関する被告の裁量との関係について見ることとする。 (一) 本件命令中の「第1 当委員会の認定した事実」4の(1)ないし(4)、(6)ないし(16)の事実(ただし、(2)のうち日シ組合が一一月七日に団体交渉の申入れをした動機、(4)のうち全日シとの妥結内容が「三・四カ月+α」であるとの点、(6)のうち「全日シの妥結内容の『α』」との部分、(8)のうち一一月二二日の団体交渉において、会社側は説明途中で席を立ったとの点及び考課査定の内容についての説明を行わなかったとの点は、除く。)、以上は、いずれも当事者間に争いがない。 右当事者間に争いのない事実に、成立に争いのない乙第一二九ないし第一五二号証、前出乙第三四七号証及びそのうちのP20の供述記載部分によって真正に成立したものと認める乙第一二八号証を併せると、次の事実を認めることができる。 (1) 日シ組合は、会社に対し、昭和五〇年一〇月二五日付けで、冬季一時金の支給及びその他の諸 供述記載部分によって真正に成立したものと認める乙第一二八号証を併せると、次の事実を認めることができる。 (1) 日シ組合は、会社に対し、昭和五〇年一〇月二五日付けで、冬季一時金の支給及びその他の諸要求についての要求書を会社に提出し、同年一一月五日に回答するよう求めた。 会社は、右要求について、同年一一月五日に回答しなかった。そこで、日シ組合は、同月七日、会社に対し、「日時・一一月一二日、時間設定は会社に一任、就業時間外でも可、場所・本社会議室、メンバー・組合から三役プラス数名、議題・一〇月二五日付け要求書の件」などとして団体交渉開催を申し入れた。会社は、これに対し、同月一一日になって、日シ組合の要求については検討中であるから、同月二〇日までに一括回答する、団体交渉は検討完了後開催するのが妥当と思料する旨回答し、日シ組合の団体交渉開催の要求に応じなかった。 (2) 会社は、同月一八日、日シ組合からの一〇月二五日付け要求に対し文書回答するとともに、右要求事項及び会社の回答について、「日時・一一月二二日午前一〇時三〇分より二時間以内、場所・組合の文書による応諾のあった後に連絡、出席者・双方七名以内、傍聴者は認めない」との内容で団体交渉の開催を申し入れた。日シ組合は、これに対し、同月二〇日、右のような会社の態度に抗議するとともに「日時・一一月二〇日午後より(時間外でも可)、場所・本社会議室、出席者・組合の要求に誠意をもって回答、説明のできる者」との内容で、同月二一日、「日時・一一月二一日午後より(時間外でも可)、場所・本社会議室、議題・秋闘、一時金要求の件、メンバー・議題につき誠意をもって回答、説明のできる者」との内容で、それぞれ団体交渉の開催を申し入れたが、会社はこれに応答しなかった。そのため、日シ組合は、同月二二日、重ねて会社の態度に抗議 求の件、メンバー・議題につき誠意をもって回答、説明のできる者」との内容で、それぞれ団体交渉の開催を申し入れたが、会社はこれに応答しなかった。そのため、日シ組合は、同月二二日、重ねて会社の態度に抗議するとともに、会社の右団体交渉の申入れに応諾する旨の回答をした。これを受けて、会社は、「日時・同日午前一一時から二時間以内、場所・淀川産業会館」として団体交渉を行う旨日シ組合に通知した。 (3) 同日、会社と日シ組合は、淀川産業会館で団体交渉を行ったが、妥結には至らなかった。 そこで、日シ組合は、同日、改めて、「日時・一一月二五日、開始時間については一任、場所・本社会議室、議題、メンバー・第一回団体交渉と同じ」として団体交渉を申し入れた。その際、日シ組合は、申入れ内容に反する部分があれば、変更理由及び変更内容を明記のうえ諾否について回答されたい旨を申し添えていた。 (4) しかし、会社は、同月二五日、再検討の結果、一一月一八日付け回答書の内容による妥結以外に方法はないとの結論に至ったとして、「会社回答による妥結のための団体交渉」を「日時・文書による応諾の回答があり次第直ちに連絡、場所・おって通知、出席者双方七名以内、傍聴者は認めない」との内容で開催するように申し入れた。右申入れの際、会社のP21総務部次長は、会社の申入れに対し応諾の文書回答がなければ団体交渉を開催しない旨説明した。 (5) 日シ組合は、同月二六日、会社の右のような申入れに抗議はしつつも、応諾の旨を文書で会社に回答した。それを受けて、会社は、同月二七日、日シ組合に対し、「日時・一一月二八日一四時から一時間以内、場所・前回通り(淀川産業会館)、議題・昭和五〇年度冬季賞与、その他要求事項に対する妥結調印、出席者・前回通り双方七名以内、傍聴は認めない」との内容で団体交渉を開催する旨通知 日一四時から一時間以内、場所・前回通り(淀川産業会館)、議題・昭和五〇年度冬季賞与、その他要求事項に対する妥結調印、出席者・前回通り双方七名以内、傍聴は認めない」との内容で団体交渉を開催する旨通知した。 (6) 同月二八日、会社と日シ組合間で団体交渉が持たれたが、その冒頭、日シ組合は、会社案による妥結調印ということで団体交渉の申入れがされているが、日シ組合は妥結調印するという意思表示をしたことがない旨抗議した。そのため、当日の団体交渉は、まったく進展を見ないまま一時間が経過して終了した。そこで、日シ組合は、同日、会社に、「日時・一一月二九日(開始時間については一任)、場所・本社会議室、議題・組合の要求の件、メンバー・議題につき誠意をもって回答、説明のできる者」との内容で団体交渉を申し入れ、その回答を同日午後五時までに文書で行うよう求めた。すると、会社は、同月二九日、日シ組合に対し、「労使間で事前に文書をもって合意した会社回答による妥結のための団体交渉において、会社は、協定書を日シ組合に手交し、署名捺印を求めたが、協定書が作成されなかったことは、遺憾である。」とし、協定書に署名捺印の上、返却することを申し入れた。これに対し、日シ組合は、同日、協定書作成のための団体交渉開催について労使間に事前に合意が成立した事実は存しないなどと抗議するとともに、団体交渉を再度申し入れた。 (7) また、会社は、同年一二月二日、会社回答による妥結調印のための団体交渉開催が往復文書によって合意され、その席上で会社回答による協定書を手交したのに、日シ組合はこれを持ち帰り、その後会社が署名捺印のうえ返却するよう求めたが未だに返却されないとして、「日時・文書による応諾の回答あり次第四日以内、場所・おって連絡、議題・昭和五〇年度冬季賞与、その他要求事項に対する会社 り、その後会社が署名捺印のうえ返却するよう求めたが未だに返却されないとして、「日時・文書による応諾の回答あり次第四日以内、場所・おって連絡、議題・昭和五〇年度冬季賞与、その他要求事項に対する会社回答による妥結調印、出席者・前回通り(双方七名以内)、傍聴は認めない」との内容での会社回答による妥結調印のための団体交渉を申し入れた。日シ組合は、これに対し、同日付けで、「妥結調印へ向けて合意点を見いだすための交渉」との趣旨で応諾する旨回答した。すると、会社は、同月四日、「日時・一二月五日午後二時より一時間以内、場所・前回通り(淀川産業会館)、議題・昭和五〇年度冬季賞与、その他要求事項に対する会社回答による妥結調印、出席者・前回通り(双方七名以内)、傍聴は認めない」との内容で団体交渉を申し入れ、日シ組合が、同月五日、「妥結調印へ向けて合意点を見いだすための交渉」との趣旨で応諾する旨回答すると、会社の右団体交渉申入れは、会社回答による妥結調印のための団体交渉であり、その申入れの条件で団体交渉を開催するから出席されたい旨を日シ組合に通知した。 (8) 一二月五日には、一時間三〇分にわたって団体交渉が行われたが、何らの進展も見なかった。しかし、日シ組合は、年末を控え、一時金を受け取る必要があることからやむを得ず会社回答により妥結することとし、同月九日、冬季一時金及びその他の要求について会社回答のとおりの内容の協定を締結した。 (二) また、本件命令中の「第1 当委員会の認定した事実」8の(1)ないし(3)、(4)のうち三月二二日に日シ組合が会社に文書で会社の団体交渉申入れに応諾する旨通知したこと、(5)、(6)のうち三月二六日に第一回目の団体交渉が行われたこと、(7)のうち守る会に対して有額回答を示したことを除くその余の事実、(8)、(9)のうち経営 体交渉申入れに応諾する旨通知したこと、(5)、(6)のうち三月二六日に第一回目の団体交渉が行われたこと、(7)のうち守る会に対して有額回答を示したことを除くその余の事実、(8)、(9)のうち経営状態及び賃上げ回答の説明を行っただけで日シ組合の質問中であったが時間の経過を理由に退席したことを除くその余の事実、(11)、(14)、(16)、(17)、(19)、(21)、(22)の事実、以上は、いずれも当事者間に争いがない。 右争いがない事実に、成立に争いのない乙第二二五ないし第二三三、第二三五、第二三六、第二四〇、第二四一、第二四三ないし第二五一、第二六三ないし第二六五(乙第三一一ないし第三一三号証と同じ)、第二六六、第三六一号証、右乙第三六一号証のP20の供述記載部分によって真正に成立したものと認られる乙第一五六、第二六二号証を併せると、次の事実を認めることができる。 (1) 日シ組合は、昭和五二年三月八日、同年度の賃上げ等についての要求書を回答指定日を三月二五日午前中として会社に提出し、同月一〇日、右要求の説明のために労使協議会の開催と、これとは別に、「日時・三月一八日午後一時三〇分から五時(組合は五時以降も可)、会社が上記開催日以前を希望するならば、応じる用意はある、場所・本社会議室、メンバー・会社側から決定権のある者、組合は八〇パーセント制限該当者を含めて八名程度、議題・昭和五一年度賃上げにおける八〇パーセント条項の件、同三か月分未払の件」として団体交渉を申し入れた。会社は、同月一七日、右労使協議会開催の申入れに対する回答として、「日時・昭和五二年三月二六日午後三時より一時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・三月八日付け要求事項の趣旨説明、出席者・会社側四名以内、組合側につき三月一〇日付け申入れに同意(三役四名 昭和五二年三月二六日午後三時より一時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・三月八日付け要求事項の趣旨説明、出席者・会社側四名以内、組合側につき三月一〇日付け申入れに同意(三役四名の趣旨)、ただし傍聴は認めない」との内容で団体交渉を申し入れ、日シ組合の右団体交渉の申入れに対しては、議題の趣旨内容が意味不明であり、それが文書で明らかにされた後に回答するとした。 (2) 日シ組合は、三月二二日、会社の右団体交渉申入れに対し、応諾した。そこで、会社は、同月二五日に「日時・昭和五二年三月二六日午後三時より一時間以内、場所・淀川産業会館、議題・三月八日付け要求事項の趣旨説明、出席者・会社側四名以内、組合側・四名以内、ただし傍聴は認めない」との内容で団体交渉を行う旨通知し、同月二六日、右のとおり団体交渉が持たれた。 (3) ところで、会社は、三月二五日になっても、日シ組合の要求について、検討が済み次第回答する旨通知しただけであったので、日シ組合は、同年四月一一日、同月一四日、同月一八日、同月一九日に、それぞれ、有額回答を示して団体交渉に応ずるよう申し入れた(一四日は回答を示すことのみの申入れである。)が、会社はこれに応じなかった。 (4) 会社は、同月二〇日、日シ組合の要求に対し文書回答するとともに、「日時・昭和五二年四月二五日午後二時より二時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・三月八日付け及び三月一〇日付け要求事項、出席者・会社、組合双方とも四名以内、ただし傍聴は認めない」との内容で団体交渉を申し入れた。日シ組合がこれに応諾したため、右のとおり団体交渉が持たれた。 (5) 日シ組合は、同年五月六日、会社に対し、「日時・五月第二週中(五月九日から五月一四日)時間は会社に一任、場所・会社内会議室、メンバー・会社側交渉権 諾したため、右のとおり団体交渉が持たれた。 (5) 日シ組合は、同年五月六日、会社に対し、「日時・五月第二週中(五月九日から五月一四日)時間は会社に一任、場所・会社内会議室、メンバー・会社側交渉権限を有する者、組合側三役、議題・賃上げ要求他」として団体交渉を申し入れ、これを受けて会社は、同月一〇日、「日時・五月一四日午後一時から従来どおり二時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・三月八日付け及び三月一〇日付け要求事項、出席者・会社、組合双方とも四名以内、会社は組合側のメンバーに同意、会社は前回どおりのメンバーを予定、ただし傍聴は認めない」との内容で団体交渉を申し入れた。そして、日シ組合がこれを応諾したので、右の団体交渉は開催された。 (6) 日シ組合は、同月一八日、会社に対し、「日時・五月第四週中(五月二三日から二八日)時間は一任、場所・本社内会議室、メンバー・組合より五名程度、会社側より交渉権限を有する者、組合側三役、議題・賃上げ要求他」として団体交渉を申し入れ、同月二〇日にも再度申し入れた。これを受けて会社は、同月二四日、「日時・五月二八日午後一時から従来どおり二時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・三月八日付け及び三月一〇日付け要求事項、出席者・会社、組合双方とも四名以内」との内容で団体交渉を申し入れた。そして、日シ組合がこれを応諾したので、右の団体交渉は開催された。 (7) 更に、日シ組合は、同月三〇日、会社に対し、「日時・五月三〇日もしくは三一日時間は一任、場所・本社内会議室、メンバー・双方四名ずつで可、会社側より交渉権限・決定権限を有する者、議題・組合春闘要求」として団体交渉を申し入れたが、会社が応答しなかったので、同年六月八日、回答期限を同月一〇日として、右申入れに対する回答を求めた。とこ 、会社側より交渉権限・決定権限を有する者、議題・組合春闘要求」として団体交渉を申し入れたが、会社が応答しなかったので、同年六月八日、回答期限を同月一〇日として、右申入れに対する回答を求めた。ところが、会社は、同月一四日に至って、「日時・六月一七日午後二時から一時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・三月八日付け及び三月一〇日付け要求事項、出席者・会社、組合双方とも四名以内」との内容で団体交渉を申し入れた。これに日シ組合が、応諾して、同月一七日に団体交渉が行われたが、ここでも進展を見なかったので、会社は、六月二〇日、日シ組合に対して、賃上げに関する最終回答を文書で提示するとともに、「日時・六月二二日午後二時から一時間以内、場所・文書による応諾あり次第おって通知、議題・昭和五二年賃上げに関し会社回答による件、出席者・会社、組合双方とも四名以内」との内容で団体交渉を申し入れた。 (8) 右のとおり六月二二日に団体交渉が開催され、ここでも妥結することはできなかったが、結局、同月三〇日に開催された団体交渉において、会社最終回答のとおり妥結した。 (三) 右(一)及び(二)の事実によると、会社は、昭和五〇年冬季一時金に関する団体交渉についても、昭和五二年賃上げに関する団体交渉についても、昭和五一年の賃上げに関する団体交渉におけると同様に、会社の申入れによるもので会社の申入れ条件に日シ組合が文書で応諾した場合に限って団体交渉を行ってきたことが明らかである。このように、会社の態度は、昭和五一年度賃上げの場合に限らず、一貫したものであったのであるから、昭和五一年の賃上げについて誠実に団体交渉をしなかったとの不当労働行為に対する救済の方法として、本件命令の主文のような一般的救済を命じる必要性はあったものと解される。本件命令の理由中には、 るから、昭和五一年の賃上げについて誠実に団体交渉をしなかったとの不当労働行為に対する救済の方法として、本件命令の主文のような一般的救済を命じる必要性はあったものと解される。本件命令の理由中には、昭和五〇年から昭和五二年にかけての会社の団体交渉に対する一連の態度をすべて不当労働行為であるとするかのような部分もあるが、その趣旨とするところは、本件命令のような救済方法を選択する必要性について述べられたものと解することができる。 3 右のような経過を踏まえると、被告が、会社の右不当労働行為について、日シ組合からの団体交渉の申入れに対し、会社から、議題・日時・場所・時間・出席人数を限定して団体交渉を申し入れ、この申入れに日シ組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度に固執することなく、誠意をもって速やかに団体交渉に応ずべき旨及びポストノーティスを命じたことは裁量の範囲を逸脱したものとはいえず、本件命令のこの点についての部分は適法なものである。 三一時金について 1 次の事実は、原告と被告間では争いがなく、日シ組合と被告の間では、日シ組合が明らかに争わないからこれを自白したものとみなす。 (一) 昭和五一年六月二五日、全日シと会社との間で、昭和五一年度夏季一時金について「二・四か月分、ただし考課査定を行う」旨の協定が調印されたこと、右協定中の「考課査定を行う」というのが、考課査定を実施して上積み支給額(以下、この上積み支給部分を「査定部分」という。)を決定するという内容であって、いわゆるプラスアルファのことを意味していたこと、七月九日に全日シの組合員に夏季一時金が支給されたこと、全日シの組合員のうち、営業所の内勤者に対する平均支給月数は二・六七か月であったこと、同年八月二〇日、日シ組合と会社間で夏季一時金について「基準内賃金(住宅手当を 合員に夏季一時金が支給されたこと、全日シの組合員のうち、営業所の内勤者に対する平均支給月数は二・六七か月であったこと、同年八月二〇日、日シ組合と会社間で夏季一時金について「基準内賃金(住宅手当を除く)の二・四か月分。ただし、考課査定を行う」旨の協定が締結されたこと、この「考課査定を行う」というのも査定部分を決定するという内容であって、いわゆるプラスアルファのことを意味していたこと、同年九月二日に日シ組合の組合員に夏季一時金が支給されたが、実際の平均支給月数は、考課査定の結果、二・四二四か月であったこと。 (二) 会社と全日シは、昭和五一年一一月二九日、昭和五一年度冬季一時金について、「支給月数・五一年一一月度基準内賃金(住宅手当を除く)の三・四か月、五一年四月一日以降入社した者については三・〇か月を限度として勤務時間に応じて支給する、ただし、いずれについても考課査定を行う、対象者・五一年一一月二一日以降入社した者を除く冬季一時金支給日在籍正社員、支給日・五一年一二月一〇日までに支給する」との内容で妥結したこと、この「考課査定を行う」というのも夏季一時金の場合と同じ意味であること、日シ組合と会社は、同年一二月三日、冬季一時金について全日シと同一内容の協定を締結したこと、会社は、同年一二月一〇日、日シ組合の組合員及び全日シの組合員に、冬季一時金を支給したが、考課査定の結果、実際の平均支給月数は、日シ組合の組合員の場合は、三・四四七か月であり、全日シの組合員の場合は三・七か月で、そのうち営業所の内勤者の場合は三・五八か月であったこと。 2(一) 各当事者間で争いのない乙第三四九号証、原告と被告の間においては右乙第三四九号証中のP20の供述記載部分によって真正に成立したものと認められ、日シ組合と被告の間においては成立に争いのない乙第二〇六、 各当事者間で争いのない乙第三四九号証、原告と被告の間においては右乙第三四九号証中のP20の供述記載部分によって真正に成立したものと認められ、日シ組合と被告の間においては成立に争いのない乙第二〇六、第二〇七号証、証人P20の証言及びにこれによって真正に成立したものと認められる丙第一二号証並びに弁論の全趣旨によると、昭和五一年度夏季一時金の全日シ組合の組合員に対する実際の平均支給月数は、二・八か月であることが認められる。 (二) 右1の当事者間に争いがない事実及び弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる丙第四一号証によると、次の事実を認めることができる。 昭和五一年の夏季一時金の支給時における日シ組合の組合員は一六八名であり(各当事者間で成立に争いのない乙第三九六号証中のこの認定に反する部分は、前出の丙第四一号証、証人P22の証言によって真正に成立したものと認められる甲第三五、第三六号証に照らして採用しない。)、同年冬季一時金支給時のそれは、一六一名であった(右甲第三五、第三六号証及び証人P22の証言によって真正に成立したものと認められる甲第三七号証中の右認定に反する部分は、前出丙第四一号証、乙第三九六号証に照らして採用しない。)。 そして、日シ組合の組合員の同年の夏季一時金及び冬季一時金の支給月数別の人数及び割合は、次のとおりである。 (1) 夏季一時金査定部分なし (支給月数二・四月) 一四〇名(八三.三パーセント)査定部分〇・一月 (支給月数二・五月) 二三名(一三.七パーセント)査定部分〇・二月 (支給月数二・六月) 三名(一.八パーセント)査定部分〇・三月 (支給月数二・七月) 二名(一.二パーセント)(2) 冬季一時金査定部分なし (支給月数三・四月) 一〇八名((六七.一パーセント)査定部分〇・〇五月 (支給月 八パーセント)査定部分〇・三月 (支給月数二・七月) 二名(一.二パーセント)(2) 冬季一時金査定部分なし (支給月数三・四月) 一〇八名((六七.一パーセント)査定部分〇・〇五月 (支給月数三・四五月) 八名(五.〇パーセント)査定部分〇・一月 (支給月数三・五月) 三〇名(一八.六パーセント)査定部分〇・二月 (支給月数三・六月) 九名(五.六パーセント)査定部分〇・二五月 (支給月数三・六五月) 一名(〇.六パーセント)査定部分〇・三月 (支給月数三・七月) 四名(〇二.五パーセント)査定部分〇・四月 (支給月数三・八月) 一名(〇.六パーセント)(三) 各当事者間で成立に争いのない乙第四一二号証、証人P22の証言及びこれによって真正に成立したものと認められる甲第三八号証、丙第三二号証、前出乙第三九六号証、甲第三五ないし三七号証(いずれも、前出の採用しない部分を除く。)、証人P20の証言及び弁論の全趣旨によると、次の事実を認めることができる。 昭和五一年一二月三一日現在の全日シの組合員は、三九六名であり、同年の夏季一時金及び冬季一時金の各支給期日における組合員数もこれと同程度であった。 昭和五一年末現在の全日シの組合員三九六名のうち、二七〇名(六八・二パーセント)は営業所の外勤者であり、一二六名(三一・八パーセント)が営業所の内勤者であって、営業所に所属する会社の管理職を除く従業員のほとんどを占めていた。全日シの組合員である営業所外勤者は、全員が男性であって、大学卒業者が中心であり、営業所内勤者は、女性が一〇五名(全日シの組合員中の二六・五パーセント)であるのに対し、男性は二一名であり、そのほとんどは高校卒業者であった。そして、全日シの組合員の五五パーセントが大学卒業者であり、四一・七パーセントが高校卒業者であり、短大 中の二六・五パーセント)であるのに対し、男性は二一名であり、そのほとんどは高校卒業者であった。そして、全日シの組合員の五五パーセントが大学卒業者であり、四一・七パーセントが高校卒業者であり、短大卒業者及び中学卒業者はそれぞれ二・〇パーセント及び一・三パーセントであった。これらの比率は、同年の各一時金支給時においてもほぼ同一であった。 営業所外勤者の職務は、各医療機関を訪問し、医師等に販売する医薬品に関する情報を提供しその宣伝活動を行うこと等であり、営業所内勤者の職務は、営業所における事務及び営業所での医薬品の受入れ、保管、発送という作業等であった。 一方、日シ組合の組合員は、本社内勤者で構成され、管理職を除く本社内勤者の過半数を占めていた。本社内勤者の職務は、西ドイツのシェーリングAG社で研究開発された医薬品を日本で販売するための試験分析、治験データ等の収集その他の研究開発部門での職務を担当する者、一般事務、右シェーリングAG社から輸入した医薬品を、国内向けに包装する業務、医薬品の倉庫等への出し入れ等の作業などからなっている。 そして、昭和五一年の各一時金支給時における日シ組合の組合員の三六・九パーセント(夏季一時金支給時)ないし三九・八パーセント(冬季一時金支給時)が男性であり、一六・七パーセント(夏季一時金支給時)ないし一六・〇パーセント強(冬季一時金支給時)が大学卒業者であって、五四・八パーセント(夏季一時金支給時)ないし五五・〇パーセント前後(冬季一時金支給時)が高校(短大を含む。)卒業者であり、二九・二パーセント(夏季一時金支給時)ないし二七パーセント強(冬季一時金支給時)が中学卒業者であった。 (四) 各当事者間で成立に争いのない乙第三〇七号証、丙第一八、第一九号証、証人P22の証言(次の認定に反する部分を除く。)及び 時)ないし二七パーセント強(冬季一時金支給時)が中学卒業者であった。 (四) 各当事者間で成立に争いのない乙第三〇七号証、丙第一八、第一九号証、証人P22の証言(次の認定に反する部分を除く。)及びこれによって真正に成立したものと認められる甲第五四、第五五号証、丙第二七、第二八号証によると、次の事実を認めることができる。 (1) 会社は、昭和五一年四月一日、勤務評定規程を制定し、これに基づいて勤務評定を実施することとした。 この勤務評定規程に基づく勤務評定は、年二回行われ、昭和五一年夏季一時金及び冬季一時金についての組合との協定中の、考課査定は、この勤務評定規程によって評定した結果を基礎資料とするものであって、昭和五一年夏季一時金に関する査定のための評定は、昭和五〇年一一月一日から昭和五一年四月末までを対象期間とし、冬季一時金についてのそれは昭和五一年五月一日から同年一〇月末までを対象期間として行われた。 (2) この勤務評定規程には、会社の従業員を、一般職、製造部一般職、製造部包装員、監督職、営業所一般外勤職、営業所一般内勤職等に分け、おのおのについての勤務評定書の書式、評定項目、評点の配分及び評価の基準を示し、また、そのおのおのについて第一次ないし第三次まで(監督職、管理職、支店長については第二次まで、営業所一般外勤職及び営業所一般内勤職については第四次まで)評定するものとされ、その評定者が示されていた。そして、各職種における評定項目及び配点は、おおむね次のようなものであり、職種の職務内容等の特色に応じて、異なったものとされていた。 一般職は、勤務態度六〇点(稼働率二〇点、責任感、規律正しい、積極性、協力性各一〇点)、能力二〇点、成果二〇点製造部一般職は、勤務態度五〇点(移働率、責任感各一五点、規律正しく指示に従う二〇点)、能力三 は、勤務態度六〇点(稼働率二〇点、責任感、規律正しい、積極性、協力性各一〇点)、能力二〇点、成果二〇点製造部一般職は、勤務態度五〇点(移働率、責任感各一五点、規律正しく指示に従う二〇点)、能力三〇点(知識・理解・技能一〇点、商品設備・備品の取扱いと段取り計画性二〇点)、成果二〇点(能率向上の努力、信頼のできる仕事をしているか各一〇点)営業所外勤者は、販売業績五〇点(販売金額二〇点、達成率、前年比、新規開拓各一〇点)、職務能力二〇点(勤務態度、原価意識及び利益判断各一〇点)、営業感覚三〇点(学術知識、企画及び創造力・実行力、市場把握各一〇点)営業所内勤者は、能率、勤勉度各三〇点、態度二〇点、得意先応対、能力各一〇点(3) 右勤務評定に当たっては、各評定者は、平均的業務達成度合いの者を六〇点とし、なるべく平均が六〇点になるように評定するよう指示されていた。しかし、実際には、平均がちょうど六〇点になるようには評定できず、各部門における最終評点は、平均点が六〇点ないし七〇点の場合が多いが、最低では五五点、最高では七十数点という平均点になることがあるといったばらつきが部門間で生じた。 このばらつきが、一、二点の範囲内であれば、各部門の最終評定者の評定がそのまま一時金の考課査定の資料として用いられるが、それを越えるばらつきがあるときには、会社の代表取締役、各部の部長らの部門の長等で構成される経営会議において部門間の調整が行われ、部門単位で全員について最終評定者の評点に一律に一定の点を加減し、その結果得られた評点(以下「調整点」という。)を一時金の考課査定の資料として用いることとされた。 この調整は、当該年度における各部門の貢献度も考慮して行われるが、貢献度の高い部門であってもその部門の平均点が高いのをそのまま認めることはなく、各部門の平均点が 定の資料として用いることとされた。 この調整は、当該年度における各部門の貢献度も考慮して行われるが、貢献度の高い部門であってもその部門の平均点が高いのをそのまま認めることはなく、各部門の平均点が六〇点前後となるように行われる(証人P22の証言中の右認定に反する部分は、前出丙第一九号証中のP14の供述記載部分に照らし採用しない。)。 そして、一時金の査定部分は、右の調整が行われた後の勤務評定の結果のみに基づいて決定される。したがって、右の調整点が同一の者は、同一の支給月数の一時金の支給を受け、調整点が低い者の支給月数がその高い者のそれを上回ることはない(証人P22の証言中の右認定に反する部分は採用しない。)。 3(一) ところで、本件においては、日シ組合の組合員が、全日シの組合員及び本社内勤者の組合員以外の者との比較において、勤務成績の劣る者の集団であるとか、反対に、全日シの組合員が勤務成績の優れた者の集団であるとかの事実を認めるに足りる証拠はない。そして、右2(四)で認定した会社の勤務評定は、職種ないし所属部門によって異なる評定項目及び配点を前提として、各所属部門における平均的業務達成者の評点を六〇点と想定して行われる相対評価であって、その上、各部門の平均の評点のばらつきを平準化するための調整も行われるというのであるから、このような考課及び査定部分決定の制度のもとでは、日シ組合及び全日シの各組合員程度の人数の集団間においては、各集団間の査定部分の平均はおおむね同じになり、また集団内の査定部分の分布は、いわゆる正常分布を示すものと解される。 ところが、右1及び2(一)で認定の事実からすると、昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金の査定部分には、日シ組合の組合員が〇・〇二四か月及び〇・〇四七か月であるのに対し、全日シの組合員が〇・四か月及 ところが、右1及び2(一)で認定の事実からすると、昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金の査定部分には、日シ組合の組合員が〇・〇二四か月及び〇・〇四七か月であるのに対し、全日シの組合員が〇・四か月及び〇・三か月であって、〇・三七六か月及び〇・二五三か月と大きな差があり、これは有意なものと解すべきである。 また、1及び2(一)及び(二)認定の事実からすると、日シ組合の組合員は、昭和五一年の夏季一時金については、その大多数である八三・二パーセントの者が査定部分がなく、査定部分が増えるほどその支給を受けた者は減少し、全日シの組合員の平均支給月数である二・八か月と同一又はそれ以上の支給を受けた者は皆無であり、同年の冬季一時金についても、六七・一パーセントという多数の者が査定部分はなく、〇・〇五か月単位の査定部分の支給を受けた者を別とすると、査定部分が増えるほどその支給を受けた者は減少し、全日シの組合員の平均支給月数である三・七か月と同一又はそれ以上の支給を受けた者は、五名(三・一パーセント)にすぎないが、このような査定部分の分布は、全日シの組合員についての査定部分も同様な分布をしていることを認めるに足りる証拠がない以上、百六十数名の集団における分布としては特異なものといわざるをえない。 (二) なお、原告は、例えば、昭和五一年一年間の稼働率は、日シ組合の組合員のそれが平均八五・一パーセントであるのに対し、営業所内勤者たる全日シの組合員のそれは平均九五・六パーセントであり、これ一つとっても、両者間に集団としての勤務成績の同一性はないことが明らかであると主張する。 そして、前認定のとおり、一般職、製造部一般職及び製造部包装員については、稼働率が評定項目に入っており、評点の相当部分(一五点ないし三〇点)を占めていたところ、証人P14の証言によって真 張する。 そして、前認定のとおり、一般職、製造部一般職及び製造部包装員については、稼働率が評定項目に入っており、評点の相当部分(一五点ないし三〇点)を占めていたところ、証人P14の証言によって真正に成立したものと認められる甲第三号証の一によると、日シ組合の組合員の昭和五〇年の平均稼働率は八三・二パーセントであり、昭和五一年のそれが八四・二パーセントであることが認められ、証人P14の証言によって真正に成立したものと認められる甲第七号証の一、二によると、稼働率については、絶対評価によっていて、稼働率八三パーセント以上八四パーセント未満(製造部包装員においては八三・五パーセント未満)の場合及び八四パーセント以上八五パーセント未満(製造部包装員においては八四・五パーセント未満)の評点は、一般職においては二〇点満点の四点ないし五点、製造部一般職においては一五点満点の三点ないし四点、製造部包装員においては三〇点満点の七点ないし九点にすぎないことが認められる。 しかし、営業所内勤者たる全日シの組合員の平均稼働率がいくらであるかを認めるに足りる証拠はなく、また、前出甲第三号証の一によると、昭和五〇年の本社の従業員の平均稼働率は、八四・八パーセントであって、日シ組合の組合員の平均稼働率八三・二パーセントと大差がないことが認められる。 そもそも、稼働率は、後四で認定・説示するとおり、欠勤、遅刻、早退等の本人の責めに帰すべき事由による不就労だけでなく、年次有給休暇、生理休暇、産前産後の休業、労働災害による休業、ストライキその他の労働基準法及び労働組合法により保障された権利の行使に基づく不就労をも含め、その理由のいかんを問わず、全不就労時間を控除した稼働時間の所定労働時間に対する割合を意味するのであるが、その高低を勤務成績の判断資料とし、ひいては一時金の 障された権利の行使に基づく不就労をも含め、その理由のいかんを問わず、全不就労時間を控除した稼働時間の所定労働時間に対する割合を意味するのであるが、その高低を勤務成績の判断資料とし、ひいては一時金の査定部分に反映させることは、労働基準法及び労働組合法により保障された権利の行使に基づく不就労をも稼働率算定の基礎としている点において、右権利を行使したことによって労働者を不利益に扱い各権利を保障した趣旨を実質的に失わしめることになり許されないものというべきである。 その点はさておいても、前認定のとおり、昭和五〇年の本社の従業員の平均稼働率は八四・八パーセントであって、日シ組合の組合員の平均稼働率八三・二パーセントと大差はなく、前出甲第七号証の一、二によると、この差は、評点においては一点程度の相違にすぎないことが認められる。更に、弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる甲第六〇号証によると、昭和五一年の夏季一時金においては、日シ組合の組合員中の約六三名が稼働率九〇パーセント以上であり、同年の冬季一時金においては、日シ組合の組合員中の約六七名が稼働率九〇パーセント以上であったことが認められるが、前出甲第七号証の一、二によると、稼働率九〇パーセント以上の場合には、稼働率の評点においては一一点(一般職)ないし二一点(製造部包装員)以上の得点を取得している計算となるから、他の項目を含めた場合には、日シ組合の組合員の中に、平均点である六〇点に達し得る者が一定数いても不自然ではないはずのところ、前出甲第六〇号証によると、稼働率九〇パーセント以上の日シ組合の組合員の平均査定部分は、〇・〇四六か月(昭和五一年夏季一時金)又は〇・〇七二か月(同年冬季一時金)に留まり、全日シの組合員に対する平均査定部分を大きく下回っていることが認められる。 したがっ 合の組合員の平均査定部分は、〇・〇四六か月(昭和五一年夏季一時金)又は〇・〇七二か月(同年冬季一時金)に留まり、全日シの組合員に対する平均査定部分を大きく下回っていることが認められる。 したがって、いずれにせよ、日シ組合の組合員の稼働率の低いことが、平均査定部分に有意な差をもたらし、平均査定部分の分布を特異なものとするほどの意味があるとは解されない。 4(一) 原告は、日シ組合と全日シとはその組合員の特性に相違があり、日シ組合の組合員に対する一時金の平均支給月数と全日シの組合員に対する一時金の平均支給月数の差を単純に比較することはできないと主張する。また、原告は、全日シの組合員は、営業所の外勤者及び内勤者で構成されており、特に営業所外勤者が多数である点に特色があり、その組合員の多数は学歴の面では大学卒であり、性別の面では男性であるのに対し、日シ組合の組合員は、本社の内勤者で構成され、学歴面では高校卒ないしは中学卒が多く、性別では女性が多いといった相違があるところ、日シ組合の組合員相互間でも、職種、学歴、性別によって一時金の支給月数に差が生じているから、これらの異なる全日シの組合員と日シ組合の組合員に対する一時金の平均支給月数に差が生じたとしても何ら不自然ではないとも主張する。 (二)(1) 右2(三)認定の事実によると、日シ組合と全日シとは、その構成員及び担当する職務、学歴、性別において、異なった集団であるということはできる。 (2) しかし、前述のとおり、会社における勤務評定は、基本的には、職種ないし所属部門によって異なる評定項目及び配点を前提として、各所属部門における平均的業務達成者の評点を六〇点と想定して行われる相対評価であって、その上、各部門の平均の評点のばらつきを平準化するための調整も行われるというのである。 また、前出丙第 提として、各所属部門における平均的業務達成者の評点を六〇点と想定して行われる相対評価であって、その上、各部門の平均の評点のばらつきを平準化するための調整も行われるというのである。 また、前出丙第一号証のP14の証言記載部分によると、会社においては、昭和四五年以前には、営業所の外勤者については、営業成果を一時金に反映させるという制度をとっており、外勤者に支給される一時金が多かったが、昭和四六年からは、外勤成果を一時金に直接反映させるのではなく給与に反映させることとし、成績のよい営業所の外勤者に対して、付加給及び特能給という手当てを支給することとしたことが認められ、営業所外勤者に対する一時金の支給月数が、他の職種に比べて高くなる制度とはなっていない。 したがって、各職種それぞれにおいて、調整点が六〇点近くになるように、評点は一定の分布を示すべきものであって、特定の職種のそれが高くなるという関係にはない。 また、学歴及び性別の点においても、前認定の事実及び弁論の全趣旨によると、営業所の外勤者は、全員男性で大学卒が中心を占め、営業所の内勤者は、多数が女性で、そのほとんどは高校卒業者であるなど、各部門によって、その構成員の学歴、性別に偏りがあるというべきである。しかるところ、右考課の制度によると、同一の学歴、性別の者の集団においても平均業務達成者の評点を六〇点と想定して相対評価が行われ、かつ、学歴、性別に偏りのある部門間でも平均点が同じようになるように調整されるのであるから、学歴及び性別によって、調整後の考課の結果が異なることは、制度上は、ないというべきである。 (3) 前出丙第三二号証、証人P20の証言及び弁論の全趣旨によると、昭和五一年の夏季一時金支給時の日シ組合の組合員中の会社のいう研究職に当たる者は三六名、冬季一時金支給時のそれは約 うべきである。 (3) 前出丙第三二号証、証人P20の証言及び弁論の全趣旨によると、昭和五一年の夏季一時金支給時の日シ組合の組合員中の会社のいう研究職に当たる者は三六名、冬季一時金支給時のそれは約三五名であり、そのほとんどは、大学卒の男性であるが、それに対する右各一時金の平均支給月数は二・四五か月(査定部分〇・〇五か月)及び三・四六か月(査定部分〇・〇六か月)であることが認められる。 一方、前認定のとおり、全日シに所属する営業所の内勤者は、その大多数が高校卒の女性であって、その職種は、会社のいう事務職(一部は作業職)に当たるが、それに対する昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金の平均支給月数は、それぞれ二・六七か月及び三・五八か月であった。 会社の主張のとおり、研究職が事務職より、大学卒業者が高校卒業者より、男性が女性より、それぞれ考課が高くなる傾向があるとすれば、全日シの組合員の営業所内勤者と日シ組合の組合員の研究職とを比較した場合には、職種、男女別、学歴のいずれの点から見ても、後者の平均支給月数が多くなるべきものである。しかるに、現実には、右のとおり、営業所内勤者の平均支給月数が多くなっている。また、研究職に属する大学卒の男子組合員が、全員ないしはそのほとんどが昭和五〇年一一月一日から昭和五一年一〇月までの勤務評定期間の勤務成績の劣っていたことを認めるに足りる証拠はないのであるから、会社主張のように、職種、学歴、性別で評定の結果が異なり、職種においては研究職が、学歴においては大学卒が、性別においては男性が、いずれも高い評定を受け、ひいては一時金の支給月数も多くなる傾向があるとすれば、研究職に属する大学卒の男子組合員の評定は高くなり、ひいては一時金の支給月数も多くなる傾向があるはずである。しかるに、実際には、前認定のとおり、昭和五一 時金の支給月数も多くなる傾向があるとすれば、研究職に属する大学卒の男子組合員の評定は高くなり、ひいては一時金の支給月数も多くなる傾向があるはずである。しかるに、実際には、前認定のとおり、昭和五一年の夏季一時金において全日シの組合員の平均支給月数以上の支給月の一時金の支給を受けた者はなく、冬季一時金についても、日シ組合の組合員全員を通じてわずか五名にすぎない。 このことからも、昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金の日シ組合の組合員に対する平均支給月数と全日シの組合員に対する平均支給月数の差が、両者の職種、学歴、性別の差によるものとは認められない。 証人P22の証言中右認定に反する部分は採用しない。 (4) なるほど、前出甲第三五、第三六号証(いずれも前出の採用しない部分を除く。)によると、日シ組合の組合員間においても、昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金について、次のような平均支給月数の差があることが認められる。 平均支給月数査定部分(ア) 夏季一時金男性二・四五月 〇・〇五月女性二・四一月 〇・〇一月大学卒業者二・四六月 〇・〇六月高校卒業者二・四二月 〇・〇二月中学卒業者二・四一月 〇・〇一月(イ) 冬季一時金男性約三・四七月約〇・〇七月女性約三・四三月約〇・〇三月大学卒業者約三・四八月約〇・〇八月高校卒業者約三・四四月約〇・〇四月中学卒業者約三・四五月約〇・〇五月しかし、右の性別、学歴による査定部分の差は、前述した日シ組合の組合員と全日シの組合員に対する平均支給月数の差に比べればわずかであって、これをもって、右の差が日シ組合の組合員と全日シの組合員の学歴、性別等の特性の差によるものと認めるには足りない。 (三) その他、本件記録を検討しても、昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金の日 て、これをもって、右の差が日シ組合の組合員と全日シの組合員の学歴、性別等の特性の差によるものと認めるには足りない。 (三) その他、本件記録を検討しても、昭和五一年の夏季一時金及び冬季一時金の日シ組合の組合員に対する平均支給月数と全日シの組合員に対する平均支給月数に右認定のような差が生じても合理的と認めるだけの資料はなく、原告は、未だこの点に関する全証拠の保持者としての立証の必要を尽くしたとはいえない。 5 そして、前記一で認定したとおり、日シ組合と会社は、昭和五一年以前より多くの紛争があり、会社は、日シ組合を快く思ってはいない上、とりわけ、昭和五〇年の冬季一時金、昭和五一年の賃上げの各要求に関する団体交渉に誠実に応じず、昭和五一年の夏季一時金についての団体交渉をしないなど、その組織、運営に打撃を与えるための行動を行っていたことを併せ勘案すると、日シ組合の組合員と全日シの組合員に対する各平均支給月数に差が生ずることについて合理的理由があるといえないことは、会社が、日シ組合の組合員に対し、組合員であることの故に不利益な取り扱いを行った結果であり、このような差を設けることによって組合の組織に打撃を与えようとした不当労働行為と解するほかはない。 したがって、本件命令の昭和五一年の各一時金に関する判断に、原告主張のような違法はない。 6 ところで、被告は、日シ組合は内勤者のみで構成されているのに対し、全日シは外勤者が六割以上を占めているとした上で、全日シの組合員に対する昭和五一年の各一時金について、組合員全体の平均支給月数と営業所内勤者に対する平均支給月数に、夏季一時金において〇・一三か月、冬季一時金においては〇・一二か月の差があるところ、これが外勤者と内勤者という職種の違い以外の理由によるとの疎明がないことを理由に、日シ組合の組合員に対する 月数に、夏季一時金において〇・一三か月、冬季一時金においては〇・一二か月の差があるところ、これが外勤者と内勤者という職種の違い以外の理由によるとの疎明がないことを理由に、日シ組合の組合員に対する平均支給月数と全日シの組合員に対する平均支給月数とに差があることは、日シ組合の組合員であることの故のものとは認めず、単に全日シの組合員中の営業所内勤者に対する一時金の平均支給月数に差があることを不当労働行為と認定するに留めている。 しかし、前認定説示のとおり、営業所内勤者と日シ組合の組合員とは、職種が同一であるとはいえないから、日シ組合の組合員と全日シの組合員である営業所内勤者とを比較することは相当でない。また、前認定説示のとおり、会社の考課制度上は、外勤であるか、内勤であるか等の職種の違いによって、査定部分の平均支給月数に差が生じるシステムとはなっていないから、右の差があったとしても、これが職種の相違によるものとはいえず、たまたま生じた差にすぎないと解することもできるから、右5に説示のとおり、日シ組合の組合員に対する平均支給月数と全日シの組合員に対する平均支給月数とに差があることは、日シ組合の組合員であることを理由とする不利益取扱いであるとの認定の妨げとなるものではない。 それにも拘らず、被告が、単に全日シの組合員中の営業所の内勤者に対する一時金の平均支給月数に差があることを不当労働行為と認定するに留めたのは、事実の認定及び判断を誤った違法があるというべきである。 四昭和五一年及び昭和五二年の賃上げについて 1 本件命令中の「第1 当委員会の認定した事実」の5の(3)、(4)のうち①のイを除くその余の事実、(12)、(13)のうち八月六日に被告認定のような内容の協定を締結し、この協定による稼働率の算出方式及び対象期間は(4)①及び②のとお た事実」の5の(3)、(4)のうち①のイを除くその余の事実、(12)、(13)のうち八月六日に被告認定のような内容の協定を締結し、この協定による稼働率の算出方式及び対象期間は(4)①及び②のとおりであり、協定締結に際して組合が被告認定のような申入れを会社に行った事実、(14)のうち五月九日に全日シ中央委員会において妥結を決議したことを除くその余の事実及び(15)の事実、同8の(8)、(9)のうち四月二五日の団体交渉において、会社は八〇パーセント条項について被告認定のとおりの説明を行った事実、(22)、(23)のうち会社が同認定の文書受理後協定書に調印したとの点を除くその余の事実、(24)のうち組合員は実際に賃金を受け取るまで、賃上げ対象者が誰であるか分からなかったとの点を除くその余の事実及び(25)の事実、以上は、いずれも当事者間に争いがない。 2(一) 右当事者間に争いのない事実、前記二1(一)認定の事実、前記三2(三)認定の事実に、前出乙第一八七、第一九三、第一九七(乙第二九九号証と同一)、第三四七、第三四九、第三九六、第四一二号証、証人P20の証言によって真正に成立したものと認められる乙第二六八号証、弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる乙第一八九号証、原本の存在及びその成立に争いのない丙第四、第五号証、成立に争いのない乙第二五五、第三〇〇、第三五七号証(そのP14の供述記載部分中の後記採用しない部分を除く。)、証人P14の証言及びこれによって真正に成立したものと認められる甲第九号証並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の事実を認めることができる。 (1) 会社は、昭和五一年四月一五日、日シ組合に対し、昭和五一年度賃上げについて書面で回答し、その回答中に八〇パーセント条項が含まれていたが、稼働率算出の方式や対象となる逸失 認めることができる。 (1) 会社は、昭和五一年四月一五日、日シ組合に対し、昭和五一年度賃上げについて書面で回答し、その回答中に八〇パーセント条項が含まれていたが、稼働率算出の方式や対象となる逸失時間などの説明はされておらず、また、妥結月払い条項も含まれていなかった。 (2) 会社は、同月二一日の団体交渉において、稼働率算出のための逸失時間及び対象期間などについて次のように説明した。 ① 算出方式 (所定労働時間―逸失時間)÷所定労働時間② 逸失時間には、遅刻、早退、欠勤、私用外出、年次有給休暇、生理休暇、慶弔、妊婦通院休暇、産前産後休暇、労災休業、労災通院、組合活動、ストライキによるすべての不就労時間が含まれる。 また、会社は、この団体交渉の後半に妥結月払い条項を提案した。その際、妥結月払い条項の提案理由については特に説明を加えなかった。なお、従前は、賃上げは、会社と日シ組合が五月以降に妥結した場合であっても、四月一日に遡って実施されていた。 会社が、同日、妥結月払い条項を提案したのは、回答後、貸金引き上げについての交渉が長引きそうだという事情を見て、労使間の交渉を長引かせないためであった。 (3) 右の会社回答を巡って、同月三〇日及び同年五月一一日に団体交渉が開催され、日シ組合は、八〇パーセント条項や妥結月払い条項に反対し、これに対し、会社は、五月一一日の団体交渉で、賃上げ一か月分相当の一時金を支給する旨回答したほか、進展は見られなかった。しかるに、会社は、同年五月一八日、会社回答による妥結調印のための団体交渉の開催を申し入れ、以後、これに日シ組合が応諾しない限り団体交渉に応じないという態度をとるに至った。 (4) その間、会社は、全日シとは、同年五月九日、賃上げについて、八〇パーセント条項及び妥結月払い条項の導入、賃上げの一か月 に日シ組合が応諾しない限り団体交渉に応じないという態度をとるに至った。 (4) その間、会社は、全日シとは、同年五月九日、賃上げについて、八〇パーセント条項及び妥結月払い条項の導入、賃上げの一か月分相当の一時金の支給を含めて、妥結した。 (5) 日シ組合は、日シ組合の組合員以外の従業員には、賃上げが実施され、夏季一時金も支給されているのに、日シ組合の組合員には賃上げも実施されず、夏季一時金も支給されていなかったため、日シ組合の組合員が経済的に困っていたこと、会社が妥結月払い条項に固執するため妥結が遅れれば遅れるほど、日シ組合の組合員に不利益となること等を考慮して、会社回答により妥結することとし、同年八月六日、次のような協定を締結した。 ① 賃上げ率五〇年度基本給の平均八・八パーセント② 賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇員、アルバイト、五一年一月一日以降入社した者、稼働率八八パーセント以下の者を除く。 ③ 新賃金は妥結した月より実施する。 ④ 賃上げ対象者に対し、一時金として賃上げの一か月分相当額を五一年八月二五日までに支給する。 右協定自体には、稼働率の算出方式、逸失時間の内容、対象期間等は明らかにされていないが、会社は、右(2)認定の団体交渉における説明のとおり取り扱い、逸失時間には、右団体交渉で例示したもののほか、その原因・理由を問わずあらゆる不就労時間が含まれるものとして取り扱った。 なお、団体交渉に要する時間も逸失時間に含まれた(社外で行われた場合には、会社の門を出たときから戻って門に入るまでの時間が逸失時間とされた。)が、労使協議会に必要な時間は逸失時間に含まれなかった(成立に争いのない乙第三六七号証のP20の供述記載中及び成立に争いのない乙第四一〇号証のP23の供述記載中のこの認定に反する部分は、いずれも採用しない 使協議会に必要な時間は逸失時間に含まれなかった(成立に争いのない乙第三六七号証のP20の供述記載中及び成立に争いのない乙第四一〇号証のP23の供述記載中のこの認定に反する部分は、いずれも採用しない。)。 (6) また、日シ組合は、右協定の締結に際し、「たとえ、協定を締結しても、八〇パーセント条項、妥結月払い条項等については引き続き会社の責任を追及して行く。」旨を会社に申し入れていた。 (7) ところで、昭和五一年の春闘の時期に、労働災害により休業又は通院中の従業員は、三七名であり、そのうち三一名が日シ組合の組合員であり、その余は非組合員であって、全日シの組合員は一名もいなかった(前出乙第三五七号証のP14の供述記載中の右認定に反する部分は採用しない。)。 また、昭和五一年夏季一時金支給時の日シ組合の組合員数は、一六八名であり、そのうち六二名(三六・九パーセント)が男性であるのに対し、全日シは、昭和五一年末の組合員三九六名のうち女性は一〇五名(二六・五パーセント)であり、同年夏季一時金支給時の全日シの女子組合員は九六名であり、冬季一時金支給時のそれは一〇一名であり、昭和五二年夏季一時金支給時のそれは八九名であった。 (8) そして、稼働率が八〇パーセントに達しなかったために、昭和五一年度において賃上げが受けられなかった者は二八名である(証人P14の証言により真正に成立したものと認められる甲第八号証中のこの認定に反する部分は採用しない。)が、そのうち、男性は一名で、他は女性であり、昭和五〇年中に労働災害による休業又は通院による不就労時間のない者は五名にすぎない。また、右の男性一名(P20)は、日シ組合の書記長であって、組合活動及びストライキによる不就労時間が全不就労時間の約半分を占めており、この時間を除くと稼働率が八〇パーセント未満となるこ にすぎない。また、右の男性一名(P20)は、日シ組合の書記長であって、組合活動及びストライキによる不就労時間が全不就労時間の約半分を占めており、この時間を除くと稼働率が八〇パーセント未満となることはなかった。また、六名は、産前産後の休業、育児時間による不就労時間を有している。 (二) また、右1の当事者間に争いがない事実、前記二2(二)認定の諸事実に、前出甲第九、乙第二三五、第二四九、第二五一(第三一〇号証と同一)、第二六二、第三四九、第三六一号証、弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる乙第二五三、第二五四号証及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実を認めることができる。 (1) 会社は、昭和五二年四月二〇日、日シ組合に対し、昭和五二年の賃上げについて、次のような内容の回答を書面で行った。 ① 賃上げ率五一年度基本給の平均八・八パーセント② 賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇員、アルバイト、五二年一月一日以降入社した者、稼働率八〇パーセント以下の者を除く。 ③ 新賃金は妥結の月から適用する。 ④ 日シ組合の要求のうち、昭和五一年度賃上げにおける三か月分の未払い賃金の支給、昭和五一年度賃上げゼロの者に対し昭和五一年四月一日に遡っての賃上げ及び夏・冬季一時金の差額支給、昭和五二年度の賃上げに当たっては、賃上げ後の基本給を算定基礎とすること、との要求は、すべて解決済みである。 ⑤ 稼働率による支給制限を行わないこと、職務給・職能給の導入、査定導入等を行わないこととの要求には応じられない。また、解決済みである。 (2) 会社の右回答を巡って、日シ組合と会社間で数回にわたる団体交渉が開催されたが、進展を見ないまま、会社は、同年六月二〇日、最終回答として、次のような回答をした。 ① 賃上げ率五一年度基本給の平均一〇パーセント② 賃上 、日シ組合と会社間で数回にわたる団体交渉が開催されたが、進展を見ないまま、会社は、同年六月二〇日、最終回答として、次のような回答をした。 ① 賃上げ率五一年度基本給の平均一〇パーセント② 賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇員、アルバイト、五二年一月一日以降入社した者、稼働率八〇パーセント以下の者を除く。 ③ 新賃金は妥結の月から適用する。 ④ 賃上げ対象者に対し、一時金として賃上げ相当額の二か月分を妥結の日から一か月以内に支給する。 (3) この間、会社は、全日シとは、右最終回答と同内容で妥結していた。 (4) 日シ組合は、結局、同年六月三〇日、右最終回答の内容で会社と妥結し、協定を締結したが、締結の際、「春闘が何らかの決着をするまで夏季一時金回答すらしないという事実など、また現時点での経済的困窮・不安・団結維持、更にすでに六月も終わりであるなどの諸般の事情を勘案し、やむなく妥結するものである。 従って、組織は、・・・本協定の違憲・違法の内容については、今後ともその違憲違法性を追及するものであることを改めて表明するものである。」等の内容の文書を会社に手交した。 なお、この間の団体交渉についても、会社は、自ら申し入れた場合であって、しかも申入れにかかる議題・日時・場所・時間・出席者数について日シ組合が応諾した場合に限って、交渉を行った。 (5) 右協定においては、稼働率の算出方法、逸失時間の内容、対象期間等は明確にされていなかったが、会社は、団体交渉において、計算期間は昭和五一年一月一日から一年間であり、計算方法、逸失時間の内容等は前年度と同様である旨説明し、そのとおり実施された。 (6) また、昭和五二年度において稼働率が八〇パーセントに達しなかったために賃上げが受けられなかった者は一六名である(うち日シ組合の組合員一二名)が、全員 である旨説明し、そのとおり実施された。 (6) また、昭和五二年度において稼働率が八〇パーセントに達しなかったために賃上げが受けられなかった者は一六名である(うち日シ組合の組合員一二名)が、全員が女性であり、昭和五一年中に労働災害による休業又は通院による不就労時間のない者は七名(日シ組合の組合員は三名)であるが、そのうちの日シ組合の組合員三名を含む五名は、産前産後の休業又は育児時間による不就労時間を有している。 3(一) ところで、会社は、八〇パーセント条項は、それを導入する緊急の必要性があり、合理的なものであると主張する。 すなわち、昭和四五年以降会社の経営は悪化したが、その原因の一つに従業員の稼働率が劣悪であったことがあげられた。そこで、その是正のための実効性のある措置を導入する緊急の必要性があったところ、そのような措置として組合との協約に基づいて導入されたのが八〇パーセント条項であった。八〇パーセント条項が導入された昭和五一年以降稼働率は向上し、それに伴って会社の業績も回復し、昭和五七年には累積赤字も解消したため、八〇パーセント条項も所期の目的を達したものとして会社提案から除かれるようになった。以上のように主張する。 (二) そして、前出甲第三号証の一、証人P14の証言及びこれによって真正に成立したものと認められる甲第二号証、第三号証の二、第四、第五号証、前出丙第四号証、弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる甲第四〇、第四三号証によると、会社は、昭和五〇年までに赤字に転じ、昭和五一年には更に赤字を増加させていたこと、一方、昭和五〇年の本社の従業員の稼働率は、平均八四・八パーセントであって同業他社の平均約九三パーセントに比べて低く、会社は、昭和四九年ころよりその改善を求めていたことが認められる。 (三) しかし、前出甲 和五〇年の本社の従業員の稼働率は、平均八四・八パーセントであって同業他社の平均約九三パーセントに比べて低く、会社は、昭和四九年ころよりその改善を求めていたことが認められる。 (三) しかし、前出甲第三号証の一、二、第五号証によると、稼働率の増減と会社の申告所得の増減には相関関係がなく、また、稼働率が高くなっても総売上高に占める人件費の割合は減少していないことが認められ、直ちに、会社の業績悪化の原因が従業員の稼働率の低い点にあったとは認め難い。 また、前認定のとおり、八〇パーセント条項は、原因を問わず一切の不就労時間を逸失時間に含めて稼働率を算出し、前年の稼働率が八〇パーセントに達しない者については、その年の賃上げを行わないというものであるが、この条項のもとでは、年次有給休暇、産前及び産後の休業、生理休暇、育児時間、労働災害に基づく休業又は通院等の労働基準法により認められた権利の行使による不就労や同盟罷業等の労働組合法によって認められた権利の行使に基づく不就労も稼働率算出のための逸失時間に含まれるため、これらの権利を行使した場合に賃上げを受けられないという不利益を被りやすく、ひいてはこれらの権利の行使を控えさせる結果となることは明らかである。 なるほど、稼働率が低い場合には、これが高い場合に比べ生産効率が劣ることがあるとしても、労働災害が少なくなるような職場環境を整えたり、欠勤、遅刻、早退等の労働者の責めに帰すべき事由による不就労を減少させるような措置を講ずることによって生産効率を高めることを目指すことは格別、労働基準法、労働組合法、就業規則等によって認められた権利の行使による不就労は、労働者がまじめに働いていないことの表れとは評価し得ないものであるから、結果的にであろうと、これら権利の行使を控えさせることによって、生産効率を高めるこ 等によって認められた権利の行使による不就労は、労働者がまじめに働いていないことの表れとは評価し得ないものであるから、結果的にであろうと、これら権利の行使を控えさせることによって、生産効率を高めることを目指すような措置をとることは、合理性のあるものとはいえない。 したがって、八〇パーセント条項は、それ自体として、合理性のあるものとはいい難い。 4(一) ところで、前出乙第三六七号証及びそのうちのP20の供述記載部分によって真正に成立したものと認められる乙第二六九号証によると、日シ組合は、かねてから労働災害認定運動に取り組んできたほか、産前産後の休業期間の延長、その他各種休暇制度の拡充に取り組んでいたことが認められる。 しかしながら、八〇パーセント条項のもとでは、日シ組合が右取組みに成果を挙げ、日シ組合の組合員が労働災害の認定を受けあるいは多くの休暇を取得すれば、それだけ八〇パーセント条項に該当して賃上げを受けられなくなることは見やすいところである。現に、前記2(一)(8)及び(二)(6)認定のとおり、昭和五一年及び昭和五二年のいずれにおいても八〇パーセント条項に該当して賃上げを受けられなかった者の多くが、労働災害による休業、通院、産前産後の休業、育児時間による逸失時間を有しているのである。したがって、八〇パーセント条項が日シ組合の右取組みの制約となることは、きわめて明らかである。 (二) また、会社は、団体交渉の時間を稼働率の算出にあたっての逸失時間中に含めていたことは、前認定のとおりであるが、更に、会社は、昭和五〇年から昭和五二年の春闘にかけて、日シ組合の労使協議会開催の申出には応じず、また、団体交渉についても、就労時間外でもよいとの日シ組合の申入れにも拘らず、すべて就労時間中に開催するよう申し入れ、これによらなければ団体交渉を行わな て、日シ組合の労使協議会開催の申出には応じず、また、団体交渉についても、就労時間外でもよいとの日シ組合の申入れにも拘らず、すべて就労時間中に開催するよう申し入れ、これによらなければ団体交渉を行わないとの態度をとってきたことは、前記二1(一)、2(一)(二)認定のとおりである(一方、前出丙第一号証によると、会社は、全日シとは、賃上げ等についても、まず、労使協議会を開催し、そこで十分に議論を行い、どうしても妥結に至らない場合にのみ団体交渉を開催し、交渉決裂を確認することとしていたことが認められる。そして、労使協議会に要する時間は、稼働率の算出については就労時間とみなしていたことは、前記2(一)(5)認定のとおりである。)。 右の事情のもとでは、日シ組合の組合員とりわけ組合役員については、団体交渉に時間をかければかけるほど逸失時間が増加し、八〇パーセント条項に該当しやすくなることは明らかであり、八〇パーセント条項が、日シ組合にとっては、会社に団体交渉を求めて行く上での制約となり得るものである。 同様に、八〇パーセント条項は、ストライキを実施する制約になることも明らかである。前記2(一)(7)認定のとおり、日シ組合は、その構成員中に、女性や労働災害により休業あるいは通院している者の占める割合が全日シに比べて高いところ、稼働率算出の際の逸失時間に産前産後休業、育児時間、生理休暇など女性特有のものがあり、女性のほうが抽象的には八〇パーセント条項に該当しやすく(現に、前記2(一)(8)及び(二)(6)認定のとおり、昭和五一年及び昭和五二年に八〇パーセント条項に該当して賃上げを受けられなかった者は、一名を除き女性である。)、労働災害により休業通院している者もそれだけ八〇パーセント条項に該当しやすいから、八〇パーセント条項は、女性や労働災害により休業 条項に該当して賃上げを受けられなかった者は、一名を除き女性である。)、労働災害により休業通院している者もそれだけ八〇パーセント条項に該当しやすいから、八〇パーセント条項は、女性や労働災害により休業しあるいは通院している者の割合が高い日シ組合にとってより強くストライキを行う制約となる。 (三) そして、八〇パーセント条項がそれ自体として合理性に欠けるものであること、会社は八〇パーセント条項を提案する前に稼働率ではなく出勤率を賃上げに反映させるという方法をほとんど検討していない事実(この事実は、前出丙第四号証により認められる。)、前記一5(一)認定の従前の労使関係、前記二認定説示のとおり昭和五〇年冬季一時金、昭和五一年及び昭和五二年の賃上げについての団体交渉を拒否している事実、前記三認定説示のとおり昭和五一年夏季及び冬季一時金について日シ組合の組合員を全日シよりも不利益に扱っている事実等に照らすと、八〇パーセント条項は、日シ組合の組合活動を制約することをも目的としたものと推認することができる。 (四) なお、P20は、前記2(一)(8)認定のとおり、昭和五〇年中の組合活動及びストライキによる不就労時間のため稼働率が八〇パーセント未満で、昭和五一年において賃上げを受けられなかったのであるが、右組合活動及びストライキが違法なものであることを窺わしめる何らの事情もないから、同人が、昭和五一年に賃上げを受けられなかったのは、その組合活動の故に受けた不利益ということができる。 5(一) 証人P14の証言及び前出乙第三五七号証のP14の供述記載部分中には、会社は、妥結月払い条項について、合意が成立したところから適用するのが正しい仕方であるという考え方で、これを提案した旨の部分がある。 しかし、賃金の引き上げは、労使の合意があれば、いつに遡及して実施す 社は、妥結月払い条項について、合意が成立したところから適用するのが正しい仕方であるという考え方で、これを提案した旨の部分がある。 しかし、賃金の引き上げは、労使の合意があれば、いつに遡及して実施することも可能であり、しかも、遡及して実施することは何ら不合理なものではない。そして、原告と日シ組合との間でも、従前は遡及して実施していたことは前記2(一)(2)認定のとおりであり、昭和五一年度及び昭和五二年度の賃金の引き上げについても、妥結時期のいかんに拘らず四月一日に遡って実施することが不可能であるとか不合理であるとか解するに足りる事情は窺えない。 そして、妥結月払い条項は、これが設けられると、賃金引き上げについての交渉が長引けば長引くほど、それが労使いずれの責任によるものであっても、組合員ひいては組合に不利益になる性質のものである。 しかるに、会社は、昭和五一年の賃金引き上げ交渉に際しては、当初の回答中にはこれを盛り込まなかったが、日シ組合が会社回答に同意しないことから、団体交渉の席上でこれを提案したもので、昭和五一年及び昭和五二年のいずれの賃上げ交渉においても、これを設ける必要性について何ら合理的な説明をしなかったばかりか、若干の団体交渉を行った後は、会社回答による妥結以外にないとして、会社回答による妥結調印のための団体交渉を申し入れ、これでなければ団体交渉にも応じないとの態度を固持したことも前認定のとおりである。 また、昭和五一年及び昭和五二年の賃上げについて、全日シとは昭和五一年には五月中に、昭和五二年には六月中に妥結していること、その各協定においても妥結月払い条項が含まれているが、右各協定により、全日シの組合員は、昭和五一年においては賃金引き上げ額の一か月分、昭和五二年においては二か月分相当の一時金の支給を受けていることは、前 協定においても妥結月払い条項が含まれているが、右各協定により、全日シの組合員は、昭和五一年においては賃金引き上げ額の一か月分、昭和五二年においては二か月分相当の一時金の支給を受けていることは、前認定のとおりであり、これによると、全日シの組合員については、いずれも四月に遡って賃金の引き上げが行われたのと同一の結果となったということができるところ、妥結月払い条項を維持しつつこれを設けなかったのと同一の結果となる右一時金の支給に会社が同意した合理的な理由は、本件証拠上は何ら見当たらない。 (二) 前認定のとおり、会社が妥結月払い条項を最初に提案したのは、回答後、賃金引き上げについての交渉が長引きそうだという事情を見て、労使間の交渉を長引かせないためであるが、このことに、妥結月払い条項の右の性質、昭和五一年及び昭和五二年の賃上げについての右の団体交渉の経緯、特に合理的理由もないのに一時金を支給し、その結果全日シの組合員らにとっては妥結月払い条項がないのと同一の結果となっていること等に照らし考えると、妥結月払い条項は、会社が、日シ組合が団体交渉や争議行為等を行うことを封じておくための方便であって、日シ組合の組合活動を抑圧することを目的としたものといわざるをえない。そして、昭和五一年の賃上げに際し、妥結月払い条項によって日シ組合の組合員が支払を受けられなかった四月分から七月分の賃上げ分の賃金のうち、一時金によって填補された一か月分を除く三か月分の賃上げ相当額の支給を受けられなかったのは、日シ組合の組合員であるが故に被った不利益ということができる。 6 ところで、日シ組合は、前記2(一)(5)及び(二)(4)認定のとおり、結局は、八〇パーセント条項や妥結月払い条項を含む賃上げ協定を締結している。 しかし、前記2(一)及び(二)認定の右協定を締結する ころで、日シ組合は、前記2(一)(5)及び(二)(4)認定のとおり、結局は、八〇パーセント条項や妥結月払い条項を含む賃上げ協定を締結している。 しかし、前記2(一)及び(二)認定の右協定を締結するに至った経緯からすると、日シ組合は、八〇パーセント条項や賃金の引上げ率に不満があり、なお、交渉を望んではいたものの、妥結が遅れると全組合員が経済的不利益を被るため、やむを得ず、各賃金引き上げの協定を締結したものであることは明らかである。 したがって、妥結月払い条項や八〇パーセント条項を含む賃金引上げ協定を日シ組合が締結したからといって、右のような経緯で締結されたものである以上、これが不当労働行為の成立を妨げる事情とはならない。 7 以上のとおり、昭和五一年及び昭和五二年の賃上げに際し、会社が八〇パーセント条項や妥結月払い条項に合意を余儀なくさせたことは、日シ組合の運営・活動に対する支配介入に当たり、その結果、日シ組合の組合員に昭和五一年において三か月分の賃上げ相当額を支払わなかったこと及びP20に昭和五一年の賃上げを行わなかったことは不利益取扱いとしての不当労働行為に当たるということができる。 8 本件命令は、右と同趣旨に解することができる。そして、八〇パーセント条項及び妥結月払い条項の適用を除外し、昭和五一年及び昭和五二年に八〇パーセント条項に該当した組合員に対して、それぞれ昭和五一年四月及び昭和五二年四月に遡って賃上げが実施されたものとして賃上げ相当額及びこれに対する年五分の割合による金額を支払い、昭和五一年度における八〇パーセント条項該当組合員以外の日シ組合の組合員に対し昭和五一年度賃上げの三か月相当額及びこれに対する年五分の割合による金額を支払うこととポストノーティスを命じたことが、救済方法についての裁量の範囲を逸脱したものとは認められ の日シ組合の組合員に対し昭和五一年度賃上げの三か月相当額及びこれに対する年五分の割合による金額を支払うこととポストノーティスを命じたことが、救済方法についての裁量の範囲を逸脱したものとは認められない。したがって、本件命令のこの点についての部分は、適法である。 五チェック・オフについて 1 本件命令の「第1 当委員会の認定した事実」10の(1)ないし(11)の事実((3)のうち会社の申入れ内容を除く。)及び(13)のうち四六年から五二年二月までの期間中会社は給料明細書に「組合費」と「組合費(臨時)」という欄を設け、定期組合費及び臨時組合費のチェック・オフを実施してきたこと、以上は、いずれも当事者間に争いがない。 2 右当事者間に争いのない事実に、弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる甲第一〇号証、成立に争いのない甲第五二号証、乙第一五七、第一六〇ないし第一七二(乙第一六七号証は甲第四九号証の一と、乙第一六八号証は甲第四九号証の二と、乙第一七〇号証は甲第四九号証の三とそれぞれ同一である。)、第一七七、第一七八、第三四五号証、原本の存在及びその成立に争いのない丙第八号証、前出乙第四一六号証中のP15の供述記載部分によって真正に成立したものと認められる乙第三七八号証、証人P14の証言によって真正に成立したものと認められる甲第一二号証、証人P20の証言によって真正に成立したものと認められる丙第七五号証及び同証言並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の事実を認めることができる。 (一) 会社と日シ組合は、昭和四七年一〇月六日、賃金控除に関する協定を締結した。この協定では、「労働組合費」が賃金から控除するものの一とされていた。 会社と日シ組合は、昭和五〇年三月一七日、改めて賃金控除に関する協定(以下「本件チェック・オフ協定」という。)を締結 を締結した。この協定では、「労働組合費」が賃金から控除するものの一とされていた。 会社と日シ組合は、昭和五〇年三月一七日、改めて賃金控除に関する協定(以下「本件チェック・オフ協定」という。)を締結したが、この協定は、賃金から控除する項目に社宅水道料及び社会保険料を新たに加えたほか、右の昭和四七年の協定と同一であった。 (二) 日シ組合の昭和四六年八月二日施行の規約によると、組合費は、組合員一人につき基本給の二パーセント(一〇円未満切り捨て、夏季及び年末一時金を含む年間一四回)であり、組合費に不足が生じた場合は、執行委員会の動議に基づき、職場委員会で決議し、臨時徴収することができる旨規定されており、この規約は会社にも交付されていた。 (三) 会社は、右各協定に基づいて、組合費のチェック・オフを行い、昭和四八年三月以降、日シ組合が右規約に基づき臨時組合費の徴収を開始するようになってからは、臨時組合費についても特に異議を述べることなく、チェック・オフを行ってきた(昭和五二年一月までの間に臨時組合費のチェック・オフを行った回数は三四回に達し、うち一九回は昭和五〇年三月より前である。)。そして、その間、日シ組合は、臨時組合費の徴収をいついかなる機関で決定したかなどを会社に知らせたことはないが、そのチェック・オフに関連して、日シ組合、会社、会社従業員の間で特段の紛争も生じていなかった。 (四) 日シ組合は、昭和五二年三月八日付けで、同年二月二八日現在在籍組合員を対象に三月度賃金から基本給の〇・一パーセントの臨時組合員のチェック・オフを依頼した。会社は、これに対し、同年三月二三日、在籍組合員が明確でないので、同月二四日正午までに組合員名簿を提出するよう申し入れ、名簿の提出があった後依頼どおりチェック・オフを実施した旨回答した。また、併せて、今後給与計 に対し、同年三月二三日、在籍組合員が明確でないので、同月二四日正午までに組合員名簿を提出するよう申し入れ、名簿の提出があった後依頼どおりチェック・オフを実施した旨回答した。また、併せて、今後給与計算締切日である毎月一〇日までに在籍組合員名簿を提出するよう申し入れた。日シ組合は、同月二四日正午までに組合員名簿を提出しなかったため、定期組合費及び労働金庫積立金も含め、同年三月度賃金からのチェック・オフはされなかった。 (五) 日シ組合は、同年四月一日、会社に対し、同日現在の組合員名簿を提出し、「従来どおりのチェック・オフ」の実施を申し入れるとともに、四月度賃金からその基本給の〇・五パーセントの臨時組合費のチェック・オフを依頼した。会社は、これに対し、同月一一日、いつの依頼に係るチェック・オフが「従来どおりのチェック・オフ」に相当するのか不明であるから、その点を依頼文書の写しを添えて明らかにするよう申し入れ、その回答があり次第チェック・オフを実施する旨回答し、同月二〇日付けでも、右文書をその週中に提出するよう求め、その提出がない場合には、四月度賃金からのチェック・オフは実施できない旨通知した。結局、四月度賃金からのチェック・オフも実施されなかった。 (六) 日シ組合は、同年五月一〇日、会社に対し、本件チェック・オフ協定の協定書の写しを添付して、チェック・オフは会社との協定に基づいて行われていたものであり、これを実施しなかったことは協定を無視した不当労働行為である旨抗議するとともに、同月一日現在の組合員名簿を添えて五月度賃金からの労働組合費及び労働金庫積立預金のチェック・オフを依頼した。しかし、会社は、同月一七日、上記申入れに係る文書が提出されていないとして、その文書の提出を求め、同月一八日までに提出されないときはチェック・オフは実施できない旨 積立預金のチェック・オフを依頼した。しかし、会社は、同月一七日、上記申入れに係る文書が提出されていないとして、その文書の提出を求め、同月一八日までに提出されないときはチェック・オフは実施できない旨回答し、結局同月度からのチェック・オフも実施されなかった。 (七) 日シ組合は、同年六月一〇日、会社に対し、「昭和五〇年三月一七日付け『賃金控除』の協定書に基づき、六月度賃金から、添付した名簿の組合員全員を対象に、労働組合費・同月一〇日現在の基本給の二パーセント及び添付した明細表記載金額の労働金庫積立預金をチェック・オフするよう依頼する」旨の文書を提出した。会社は、これに対し、同月二四日、明確なチェック・オフの依頼があったので六月度賃金からチェック・オフを行う旨回答し、チェック・オフを行った。 (八) 日シ組合は、同年七月九日、会社に対し、七月度賃金からのチェック・オフについて前同趣旨の依頼を行い、同月一二日、労働組合費・基本給の二パーセントとの依頼を二・五パーセントに変更するよう追加依頼を行った(右変更に係る〇・五パーセントは、臨時組合費に当たるものと解される。)。しかし、会社は、七月一八日、既に七月一〇日で締め切っているので、右の追加依頼については応じかねる旨回答し、定期組合費及び労働金庫積立預金についてのみチェック・オフを行った。 (九) その後、日シ組合は、同年九月にも、定期組合費及び労働金庫積立預金のほか臨時組合費についてもチェック・オフを依頼した。会社は定期組合費及び労働金庫積立預金についてはチェック・オフを行ったが、臨時組合費については特段の理由を示すことなくチェック・オフを行わなかった。以後、会社は、昭和六〇年二月、本件命令に関する東京地方裁判所の緊急命令(同地裁昭和五八年(行ク)第一〇五号、昭和六〇年一月二五日決定)に従って、 の理由を示すことなくチェック・オフを行わなかった。以後、会社は、昭和六〇年二月、本件命令に関する東京地方裁判所の緊急命令(同地裁昭和五八年(行ク)第一〇五号、昭和六〇年一月二五日決定)に従って、臨時組合費のチェック・オフを行うまで、臨時組合費のチェック・オフはしていない。 (一〇) 会社は、昭和五二年一〇月二九日、日シ組合の一〇月度賃金からのチェック・オフの依頼に対し、臨時組合費のチェック・オフを行わない理由として、臨時組合費のチェック・オフについては現在労使間で協定されていないからチェック・オフを行えない旨回答した。 3(一) ところで、会社は、本件の初審及び再審査の手続においては、臨時組合費は、本件チェック・オフ協定によるチェック・オフ項目に含まれず、また、臨時組合費を徴収する規約上の根拠、いつ誰によって臨時組合費の徴収が決定されたか不明であるからチェック・オフできない旨主張し、前出乙第四一二号証及び成立に争いのない乙第三五一号証中にはその旨のP14の供述記載部分がある。 (二) また、本訴においては、会社は、臨時組合費のチェック・オフは、徴収の割合もその都度異なるから、給料計算のコンピュータープログラムをその都度変更する必要があって、回数も多く、徴収額からすると多額の費用がかかる、一方、臨時の出費を見越して定期組合費の徴収率を操作すれば足りるのに、臨時組合費のチェック・オフに固執するのは会社に対する嫌がらせである、このような臨時組合費のチェック・オフは、その合法性に疑問があるからこれを中止しても不当労働行為には当たらない旨主張する。 (三)(1) しかし、右2認定の事実によると、本件チェック・オフ協定にいう「労働組合費」とは、組合規約中の組合費の概念を前提としているものと解すべきであるが、組合規約によると、その「組合費」にいわゆる )(1) しかし、右2認定の事実によると、本件チェック・オフ協定にいう「労働組合費」とは、組合規約中の組合費の概念を前提としているものと解すべきであるが、組合規約によると、その「組合費」にいわゆる臨時組合費が含まれることは明らかというべきである。 (2) そして、右の規約が会社にも交付されていること、昭和四八年三月から昭和五〇年一月まで一九回にわたり臨時組合費のチェック・オフが行われたが、チェック・オフ協定の改定に際しても、「労働組合費」の意義を明確にするような改定がされていないこと(なお、弁論の全趣旨によると、右改定の際に「労働組合費」の意義が問題とされていないことが認められる。)、本件チェック・オフ協定の締結後も昭和五二年一月まで一五回にわたって臨時組合費のチェック・オフが行われていること、以上に照らすと、会社も、臨時組合費が本件チェック・オフ協定の「労働組合費」に含まれること、それが規約所定のとおり職場委員会の決議によって徴収されるものであることは知っていたものと推認することができる(証人P14の証言、前出乙第四一二号証の各P14の証言記載部分中には、右認定に反する部分があるが採用しない。)。 そして、会社は、組合費のチェック・オフに際し、組合における組合費の決定手続の有効・無効を判断し得る立場にない上に、右認定のとおり、昭和四八年三月に臨時組合費のチェック・オフを開始して以来、臨時組合費をチェック・オフしたことにより会社従業員と紛争が生じたこともなく、また、会社が昭和五二年三月の臨時組合費のチェック・オフの依頼に対しても組合員名簿提出後依頼どおりチェック・オフを行う旨回答し、同年七月度の臨時組合費のチェック・オフの依頼についても締切後であることのみを理由としてこれを拒絶し、同年一〇月二九日に、一〇月度賃金からの臨時組合費のチ 後依頼どおりチェック・オフを行う旨回答し、同年七月度の臨時組合費のチェック・オフの依頼についても締切後であることのみを理由としてこれを拒絶し、同年一〇月二九日に、一〇月度賃金からの臨時組合費のチェック・オフの依頼を拒絶した際にも、臨時組合費のチェック・オフについては現在労使間で協定されていないことのみをその理由として挙げ、いずれも、臨時組合費の議決の手続を問題にしていない。 以上の事実を併せ考えると、会社の、臨時組合費は、本件チェック・オフ協定によるチェック・オフ項目に含まれず、また、臨時組合費を徴収する規約上の根拠、いつ誰によって臨時組合費の徴収が決定されたか不明であるからチェック・オフできない旨の主張は、とうてい採用できない。 (四)(1) 証人P14の証言中には、月によって臨時組合費の徴収割合が異なるため、作業として大変であり、昭和六〇年に緊急命令によって臨時組合費のチェック・オフを再開した際には、そのコンピュータープログラムの作成費が六万円かかり、この費用は臨時組合費の徴収割合が変わる度に必要であり、臨時組合費の項目を印刷して点検するのにも月五〇〇〇円を要し、人事課員も臨時組合費の徴収に関し一時間程度の作業を必要とする旨の部分があり、同証言によって真正に成立したものと認められる甲一九号証の一には、「日支臨時組合費一覧」のプリントプログラム作成料が一頁内に三列打出しする場合は六万円であり、一頁内に一列打ち出しをする場合は四万五〇〇〇円であり、同証言によって真正に成立したものと認められる甲一九号証の二には「日支臨時組合費一覧」のプリントの処理費用が一回五〇〇〇円である旨の記載がある。 (2) しかし、右認定説示したとおり、本件チェック・オフ協定のチェック・オフ項目の「労働組合費」の中に、臨時組合費も含まれ、このことは会社も認識して 処理費用が一回五〇〇〇円である旨の記載がある。 (2) しかし、右認定説示したとおり、本件チェック・オフ協定のチェック・オフ項目の「労働組合費」の中に、臨時組合費も含まれ、このことは会社も認識していたのである。したがって、会社は、本件チェック・オフ協定に従い臨時組合費をチェック・オフする義務を有していたのであって、費用がかかるといった理由があるとしても、本件チェック・オフ協定の廃止等の手続を踏むことなく、一方的にこれを取りやめることはできないというべきである。 しかも、そもそも、前認定のとおり、会社は昭和四八年三月から臨時組合費のチェック・オフを行っており、その回数が、昭和五〇年三月以降特別に増加したこともないのであるから、会社が、日シ組合の臨時組合費のチェック・オフの依頼を特に負担であるとか、会社に対する嫌がらせとか感じていたとすれば、昭和五〇年の協約改定の際に、臨時組合費をチェック・オフの項目から除外することを求めてもしかるべきであるのに、これを求めた形跡は本件全証拠及び弁論の全趣旨からも窺えない。したがって、会社が、臨時組合費のチェック・オフを特に負担としていたとは認められないし、臨時組合費のチェック・オフに特別の費用がかかっていたことを認めるに足りる証拠もない(なお、証人P14の証言中の臨時組合費の徴収割合が変わる度にその計算のためのコンピュータープログラムを変更する必要があるとの部分はとうてい採用できないし、臨時組合費の徴収のため、その一覧を印刷してチェックする必要があり、それに昭和六二年時点で、毎月五〇〇〇円を要し、人事課員の一時間の作業を要する旨の部分も、通常は、給与の支給及び控除の全項目と併せ印刷し、点検その他所要の手続をするものであるから、臨時組合費一覧のみの印刷にかかる費用を問題とすることは無意味であり、人事課員 時間の作業を要する旨の部分も、通常は、給与の支給及び控除の全項目と併せ印刷し、点検その他所要の手続をするものであるから、臨時組合費一覧のみの印刷にかかる費用を問題とすることは無意味であり、人事課員の作業量も臨時組合費に関するもののみを区別できるとは解せないから、採用できない。)。 したがって、会社の、臨時組合費のチェック・オフは、徴収の割合もその都度異なるから、給料計算のコンピュータープログラムをその都度変更する必要があって、回数も多く、徴収額からすると多額の費用がかかる、一方、臨時の出費を見越して定期組合費の徴収率を操作すれば足りるのに、臨時組合費のチェック・オフに固執するのは会社に対する嫌がらせである旨の主張も、臨時組合費のチェック・オフを中止する合理的理由とはいえない。 (五) また、前認定のとおり、会社は、昭和五二年三月分のチェック・オフを行わない理由として、日シ組合の組合員の範囲が明確でないことを挙げている。 しかし、会社は、昭和五二年二月までは毎月チェック・オフを行い、これによって、トラブルが生じていなかったことは前認定のとおりである。そして、昭和五二年三月になって、日シ組合の組合員の範囲が不明確になる事態が生じたことを窺わせるに足りる証拠はない。 (六) 以上のとおり、会社が臨時組合費のチェック・オフを中止した理由として挙げるものは、いずれも合理的なものでなく、しかも、仮に、昭和五二年に至って、本件チェック・オフ協定の「労働組合費」に臨時組合費が含まれるか否か、臨時組合費の決定手続が適正に行われているか否かに疑義が生じ、また、臨時組合費のチェック・オフが負担となり、日シ組合からのその依頼が嫌がらせと感じるようになったとしても、会社としては、日シ組合と協議し、その疑問点を解消し、必要に応じて本件チェック・オフ協定の改定を求 組合費のチェック・オフが負担となり、日シ組合からのその依頼が嫌がらせと感じるようになったとしても、会社としては、日シ組合と協議し、その疑問点を解消し、必要に応じて本件チェック・オフ協定の改定を求める等の手続を踏むべきであるのに、前認定のとおり、理由を告げることもせずに、いきなり中止しているのである。 (七) ところで、前記二1の当事者間に争いがない事実に、成立に争いのない乙第二五六ないし第二五八号証、前出乙第二二五、第二五一(乙第三一〇号証と同一)、第二六三ないし第二六五(乙第三一一ないし第三一三号証と同一)第二六二、第三六一号証を併せると、次の事実を認めることができる。 (1) 日シ組合は、昭和五二年三月八日、会社に賃上げ等に関する要求書を提出し、同月一〇日には団体交渉要求を行い、いわゆる春闘が開始された。 同年度の賃上げ等については、同年六月三〇日に、妥結したが、その間、日シ組合は、全日シとの統一ストライキ一回を含めて一〇回にわたるストライキを行った。 (2) 同年三月八日、日シ組合の方針により、八〇パーセント条項によって昭和五一年度の賃上げを受けられなかった日シ組合の組合員が原告となって、八〇パーセント条項が無効であるとして昭和五一年度の賃上げ分の賃金の支払を求める訴えを提起した。 (3) 会社は、同年五月一四日、日シ組合が、同年四月一八日に会社の施設使用許可を受けて社員食堂で行った組合の集会に際し、会社従業員のみとの施設使用許可条件に違反して、日本共産党所属の国会議員に演説を行わしめたとして、警告書を発し、始末書の提出を求め、これがない場合には今後会社施設の使用を許可しない旨通告した。これに対し、日シ組合は、右警告及び通告は、不当労働行為であるとして、同年五月一八日及び二五日の二回にわたり抗議し、その撤回を求めた。以後会社は、 場合には今後会社施設の使用を許可しない旨通告した。これに対し、日シ組合は、右警告及び通告は、不当労働行為であるとして、同年五月一八日及び二五日の二回にわたり抗議し、その撤回を求めた。以後会社は、日シ組合には会社施設の使用を認めていない。 (八) 右(五)及び(六)の事情に、右2認定のとおり、会社が、チェック・オフを行わない理由として挙げたものが変転していること、前認定のとおり、昭和五二年三月以前から、会社と日シ組合との間には多くの紛争があり会社は、日シ組合を快く思っていなかったと見られること、同年三月以降も前記二5(一)認定説示のとおり、会社は、日シ組合の団体交渉の申入れを拒否していたほか、右(七)の(1)ないし(3)のとおり、日シ組合と対立していたことに照らすと、会社が臨時組合費のチェック・オフを中止したのは、日シ組合の運営に混乱をもたらし、ひいては日シ組合に打撃を与えようとしたものと推認でき、労働組合法七条三号の不当労働行為に該当するというべきである。そして、本件の初審命令が臨時組合費のチェック・オフの再開とポストノーティスを命じたのは、救済方法として、労働委員会の裁量の範囲内にあることは明らかであるから、これを維持した本件命令も適法なものである。 4 なお、証人P14の証言及び原本の存在及び成立に争いのない丙第七、八号証中には、会社は、昭和五五年七月一日、同日付けの文書で日シ組合に本件チェック・オフ協定の解約を予告したから、同日から九〇日の経過により解約され、失効した旨の部分がある。 しかし、成立に争いのない乙第三八三(甲第一三号証の一、二と同じ)、第三八四号証(甲第一四号証と同じ。)によると、右昭和五五年七月一日付け文書は、日シ組合が、同年六月二三日付けで、それまでの会社の態度及び初審命令を踏まえて、臨時組合費を控除項目に加 、二と同じ)、第三八四号証(甲第一四号証と同じ。)によると、右昭和五五年七月一日付け文書は、日シ組合が、同年六月二三日付けで、それまでの会社の態度及び初審命令を踏まえて、臨時組合費を控除項目に加えること等を内容とする本件チェック・オフ協定の改定を申し入れたのを受けたもので、しかも、「会社も現行協定を維持できないので、会社案を近日中に提出します。」との内容であって、単に本件チェック・オフ協定の改定を求める予告にすぎないと解されるから(証人P14の証言及び丙第七、八号証中の右各部分は、いずれも独自の解釈を述べるものであって、採用に値しない。)、本件チェック・オフ協定の解約予告とはとうてい認められない。そして、他に、本件チェック・オフ協定が失効したことを認めるに足りる証拠はない。 したがって、本件チェック・オフ協定に基づいて、臨時組合費のチェック・オフの再開を命じた本件命令の取消しを求める利益は、未だ消滅していない。 第四結論以上の次第で、本件命令は、そのうち、EDP課の廃止とこれに伴う日シ組合の組合員の配転を不当労働行為とし、P16及びP4を除く初審命令書の別紙申立人目録記載の日シ組合の組合員が電算機業務への配転を希望した場合に、優先的に同業務に就かせるべき旨を命じ(主文第Ⅰ項の4によって改められ、第Ⅰ項の5によって第5項とされた初審命令の主文第6項)、EDP課の廃止とこれに伴う日シ組合の組合員の配転についてもポストノーティスを命じた部分(主文第Ⅱ項中の、主文第Ⅰ項の5によって第6項とされた初審命令の主文第7項の記の記の(5)に対する再審査申立てを棄却した部分)及び日シ組合の組合員に対する昭和五一年夏季及び冬季一時金の平均支給月数と全日シの組合員で営業所内勤者に対するそれとの差のみを不利益取扱いとして初審命令を変更した部分(主文第Ⅰ 申立てを棄却した部分)及び日シ組合の組合員に対する昭和五一年夏季及び冬季一時金の平均支給月数と全日シの組合員で営業所内勤者に対するそれとの差のみを不利益取扱いとして初審命令を変更した部分(主文第Ⅰ項の3のうち初審命令の主文第4項(1)中「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」を「の査定部分の平均が、全日本シェーリング労働組合の営業所の内勤者である組合員」と改めた部分)は、違法であるから、右各部分を取り消し、その余は、適法なものであるから、原告のその余の請求を棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九二条、九三条に従い、主文のとおり判決する。 (裁判官太田豊水上敏田村眞)別紙一命令書再審査申立人大阪市<以下略>日本シェーリング株式会社代表取締役 P24再審査被申立人大阪市<以下略>総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合執行委員長 P25同西宮市<以下略>P15ほか一〇名(詳細は、別紙一再審査被申立人目録記載のとおり)上記当事者間の中労委昭和五五年(不再)第三九号事件(初審大阪地労委昭和五〇年(不)第五九号、昭和五二年(不)第四八号及び昭和五三年(不)第六六号併合事件)について、当委員会は、昭和五八年八月三日第九一九回公益委員会議において、会長公益委員P26、公益委員P27、同P28、同P29、同P30、同P31、同P32、同P33出席し、合議のうえ、次のとおり命令する。 主文 Ⅰ 初審命令主文の一部を次のように変更する。 1 第1項中「団体交渉の申入れに対し、」の次に「被申立人から」を加え、「一方的に指定することなく、」を「限定して団体交渉を申し入れ、この申入れに組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度に固執することな 体交渉の申入れに対し、」の次に「被申立人から」を加え、「一方的に指定することなく、」を「限定して団体交渉を申し入れ、この申入れに組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度に固執することなく、」に改める。 2 第2項本文中「を撤回し、」を「の適用を除外し、」に改める。 3 第4項本文中の「における査定」及び「それによって」を削り、同項(1)中「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」を「の査定部分の平均が、全日本シェーリング労働組合の営業所の内勤者である組合員」に改め、同項(2)中「査定に基づいて既に申立人組合員各人に支給した」を「既に申立人組合員各人に支給した査定部分の」に改め、同項(2)の次に(3)として次のように加える。 (3) 上記各一時金の算出に当たっては、昭和五一年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員に対して同年度賃上げが行われたものとして計算すること。 4 第6項中「別紙申立人目録記載の組合員」を「別紙1再審査被申立人目録記載の組合員(P16及びP4を除く。)」に改める。 5 第3項を削り、第4項を第3項とし、第5項を第4項とし、第6項を第5項とし、第7項を第6項とする。 Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。 理由 第1 当委員会の認定した事実当委員会の認定した事実は、本件初審命令の理由第1の認定した事実のうち、その一部を次のように改める以外は、当該認定した事実と同一であるので、これを引用する。 1 1の(1)中「被申立人」を「再審査申立人」に改める。 2 1中「本件審問終結時」を「本件初審審問終結時」に改める。 3 1の(2)中「申立人」を「再審査被申立人」に、「総評化学一般日本シェーリング労働組合」を「総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合」に、「総評合化・化学総連化 件初審審問終結時」に改める。 3 1の(2)中「申立人」を「再審査被申立人」に、「総評化学一般日本シェーリング労働組合」を「総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合」に、「総評合化・化学総連化学一般労働組合連合」を「合化・化同総連・化学一般労働組合連合」に、「別紙申立人目録」を「別紙1再審査被申立人目録」に、同目録の標題を「再審査被申立人目録」に改める。 4 1の(3)中「約三五〇名である。」を「約三五〇名であり、そのうち、およそ六割以上は営業所の外勤者である。」に改める。 5 2の(1)の①中「一般従業員代表ら」を「従業員代表ら」に改める。 6 2の(2)の①中「当委員会」を「大阪府地方労働委員会(以下「大阪地労委」という。)」に、「四八年(不)第二五号事件」を「大阪地労委昭和四八年(不)第二五号事件」に改める。 7 2の(2)の②、④及び⑤中「当委員会」を「大阪地労委」に改める。 8 2の(2)の②中「四八年(不)第四八号事件」を「大阪地労委昭和四八年(不)第四八号事件」に改める。 9 2の(2)の④中「五〇年(不)第一二号事件」を「大阪地労委昭和五〇年(不)第一二号事件」に改める。 10 2の(2)の⑥を次のように改める。 ⑥ その後、会社は、当委員会に再審査を申し立てたが、五三年三月一五日、当委員会は、大阪地労委の命令をほぼ全面的に支持する再審査命令を発した。会社は、これを不服として、五三年六月七日東京地方裁判所に行政訴訟を提起したが、五七年一二月一四日労使間で和解が成立し、同日、会社は訴えを取り下げ、当委員会もこれに同意して事件は終結した。 11 3の(1)の⑧中「(イ)遅れを取り戻すため、」の次に「作業量の多い販売伝票のパンチ業務をやめ、単に在庫移動票の数字から、」を加え、「(マスター・メンテナンスという)」を削る。 12 3の 。 11 3の(1)の⑧中「(イ)遅れを取り戻すため、」の次に「作業量の多い販売伝票のパンチ業務をやめ、単に在庫移動票の数字から、」を加え、「(マスター・メンテナンスという)」を削る。 12 3の(1)の⑨中「マスター・メンテナンスという」を削り、同⑨末尾に「なお、そのパンチ結果を経理課はチェックしていた。」を加える。 13 3の(2)の②中「同趣旨」を「ほぼ同趣旨」に改める。 14 3の(2)の⑦中「プロプラマー」を「プログラマー」に改める。 15 3の(2)の⑧中「団体交渉が行われた。」を「団体交渉が二回行われた。」に、「組合の拠点」を「組合活動の拠点」に改める。 16 3の(2)の⑲中「一一月三一日」を「一一月三〇日」に改める。 17 3の(2)の⑳の表の備考欄中「本件申立人」を「本件再審査被申立人」に改める。 18 3の(2)の●中「その新規の電算機業務は」以下を次のとおり改める。 その新規の電算機業務は、経理部長の指揮の下に、会社の本社及び主要な営業所やストックセンター(以下「営業所等」という。)に置かれている端末機とIBMにある電算機の本体とをオンラインで直結して、各営業所等で端末機を通しインプットされた情報をIBMで計算、分析し、そのレポートを本社が取得するという方式で運営されている。 このことから、会社は販売伝票や請求書の発行をその段階から電算機システムで行うようになり、在庫管理を充実させたことによって在庫の削減も実現している。 この業務のための運営経費は、EDP課のそれと同程度である。 なお、前記外注による電算機業務は、給与計算を除き、委託後二年足らずで廃止された。 また、五五年一二月時点でシステム課(電算機業務担当課)で働いている者は、社員三名と外部から入れているパンチャー二名である。社員三名のうち二名は、元EDP課員 き、委託後二年足らずで廃止された。 また、五五年一二月時点でシステム課(電算機業務担当課)で働いている者は、社員三名と外部から入れているパンチャー二名である。社員三名のうち二名は、元EDP課員で組合の組合員でもある。 19 イの(8)の「電車で約三〇分」の次に「、自動車では約一〇分」を加える。 20 イ中「当委員会」を「大阪地労委」に改める。 21 イ中「(18)考課査定の結果」から「三・七ヵ月であった。」までを削る。 22 5の(4)の①のイ中「実際には前記項目の他に育児時間」を「実際には前記項目の他に団体交渉、育児時間」に改める。 23 5の(11)中「当委員会」を「大阪地労委」に改める。 24 5の(13)中「雇用」を「雇員」に改める。 25 6の(3)中「当委員会」を「大阪地労委」に改める。 26 6の(4)の末尾に次のように加える。 また、全日シ組合員のうち、営業所の内勤者に対する平均支給月数は、二・六七ヵ月であった。 27 6中「(8)なお、」から「組合結成以来初めてのことであった。」までを削り、「(9)」を「(8)」に改める。 28 6の(8)の次に(9)として次のように加える。 (9) 一時金の査定配分の基礎資料としても用いられている考課のための勤務評定規定は、別紙2のとおりである。 なお、本社一般職等の内勤者と営業所の外勤者とでは、考課項目等が大きく違っている。 29 7の(8)の末尾に次のように加える。 また、全日シ組合員のうち、営業所の内勤者に対する平均支給月数は、三・五八ヵ月であった。 30 8の(1)の⑤中「三月一五日」を「三月二五日」に改める。 31 8の(8)中「五一年一二月三日付け協定」を「五一年八月二〇日付並びに同年一二月三日付協定」に改める。 32 8の(14)の末尾に次のように加える。 これに対して会社 「三月二五日」に改める。 31 8の(8)中「五一年一二月三日付け協定」を「五一年八月二〇日付並びに同年一二月三日付協定」に改める。 32 8の(14)の末尾に次のように加える。 これに対して会社は、同月二四日、組合に対し前と同じ形式で五月二八日に団体交渉を行う旨申し入れた。 33 8の(15)中「午後三時一〇分」を「午後三時三〇分」に改める。 34 8の(23)中「追求」を「追及」に改める。 35 8中「(25)なお、」から「算入しなかった。」までを削り、「(26)」を「(25)」に改める。 36 9の(1)中「五〇%強」を「約六〇%」に改める。 37 9中「(4)五一年度賃上げ時」から「賃上げが実施された。」まで、「(5)五二年度賃上げ時」から「賃上げが行われた。」まで及び「(6)非組合員川崎」から「五二年度の賃上げが行われた。」までを削り、「(7)」を「(4)」に改める。 38 10の(7)中「、五月分」を削り、「実施しなかった。」を「実施せず、また、五月分についても、組合がチェック・オフを依頼しなかった臨時組合費は別として、定期組合費及び労働金庫積立金のチェック・オフを実施しなかった。」に改める。 39 10の次に11として次のように加える。 11 その他再審査被申立人組合並びに同P16及び同P4は、五六年九月二一日、次の書面を当委員会に提出した。 「取下書中労委昭和五五年(不再)第三九号・日本シェーリング不当労働行為事件の被申立人を下記理由により取り下げます。 記被申立人P16、P4は、いずれもすでに電算機業務に就いている。 以上」第二当委員会の判断 1 EDP課の廃止及びそれに伴う組合員の配置転換について会社は、本件EDP課の廃止及びそれに伴う組合員の配置転換を不当労働行為であるとした初審判断を争い、①企業内における組織 二当委員会の判断 1 EDP課の廃止及びそれに伴う組合員の配置転換について会社は、本件EDP課の廃止及びそれに伴う組合員の配置転換を不当労働行為であるとした初審判断を争い、①企業内における組織や業務内容の変更については、会社が独自に行うものであって、労働委員会が課の廃止や業務の廃止の当否を判断することは、それ自体違法であり、②EDP課を廃止したのは、(ア)長期にわたるストライキや他企業に例をみない多数のパンチャーのけんしょう炎と称しての異常な低就業率により、インプットが遅れた結果、アウトプット資料の遅れが数ヵ月に及び、(イ)EDP課の運営費用が巨額となり、会社の経済的負担の限界をはるかに超えており、経費節減を図る必要があったからであり、(ウ)しかも、EDP課を廃止するについては、社内発表に先がけてまず組合にその旨を伝え、団体交渉を重ねて詳細な説明をするなど、会社としては、尽すべき手続はとっており、非難されることはないと主張する。 (1) そこで、まず会社主張の第一点についてみると、本件は、会社がEDP課を廃止し、組合の組合員を他部門に配置転換したことが、組合の弱体化を企図したものとして争われているのであるから、労働委員会がかかる行為が不当労働行為に当たるか否かを判断することは当然のことであって、この点に関する初審判断に誤りはなく、会社主張は採用できない。 (2) 次に、会社主張の第二点についてみると、①前記第1の3の(1)の⑯認定のとおり、EDP課は、かねてから組合活動の拠点となっていて、本件廃止通告がなされるまで、課員の中から多数の組合役員が選出され、副委員長などの重要な役職に就く者が多く、かつ、課員のほとんどの者が執行委員、職場委員などの経験を持ち、それぞれ青年対策部、婦人対策部などの専門部に属し、積極的に組合活動を行っており 員が選出され、副委員長などの重要な役職に就く者が多く、かつ、課員のほとんどの者が執行委員、職場委員などの経験を持ち、それぞれ青年対策部、婦人対策部などの専門部に属し、積極的に組合活動を行っており、守る会結成時において組合を脱退する者がいなかったこと、②会社がEDP課廃止の理由として挙げる上記(ア)については、前記第1の3の(1)の⑨認定のとおり、廃止の時点では、アウトプット資料の遅れは一応解消していたこと、また、③(イ)については、前記第1の3の(2)の●認定のとおり、外注システムを発足させた二年後には、IBMと提携して新規に電算機業務を稼働させており、また、この新規の電算機業務を稼働させるために要した費用は、廃止前のEDP課の運営経費と異ならないものと推認されること等の点を総合勘案すると、EDP課を廃止する理由についての会社主張には疑問がある。 また、会社主張の上記(ウ)についても、前記第1の3の(2)の⑧認定のとおり、団体交渉の席上、P2副社長が「EDP課を廃止した基準の一つに、課員が全員組合の組合員であり、EDP課が組合活動の拠点となっていることが挙げられる。 会社としては、電算機の必要なことは十分承知しているので、二・三年後に計画と準備を整え、経営上役に立つようにしてからまた使う。その場合は社長の直轄とし、非組合員のみで構成する」との旨発言している。この点に関し、同席していたP3部長の再審査における証言は、P2副社長が、EDP課が組合活動の拠点になっていると発言したこと、また、将来電算機室は社長の直轄とし、非組合員のみで構成すると発言したことについては、記憶にないとしている。 しかしながら、上記発言直後の組合の機関紙日刊「きずな」には、当日の団体交渉の経過として上記発言が報告されているのに、これに対し当時会社は反論すらしてい したことについては、記憶にないとしている。 しかしながら、上記発言直後の組合の機関紙日刊「きずな」には、当日の団体交渉の経過として上記発言が報告されているのに、これに対し当時会社は反論すらしていなかったことからみて、同証言は採用できない。 また、P3部長も課員に対する説明会において、「ストライキがあったら仕事がとまるというのでは困る」とか、「課員が組合の組合員ばかりでは困る」との旨発言するなど、EDP課の廃止が組合対策であったことを推認させるような言動がみられるのである。 これらの諸事情を総合して考えると、会社によるEDP課の廃止及びこれに伴う組合員の配置転換の真の意図は、会社の中枢機構である同課が組合の組合活動の拠点となっていたことから、同課を廃止し、同課所属の組合員を配置転換して、少数組合である本件組合の組合員を各部門に分散させることにより、本件組合の組合活動力を低下させ、組合を弱体化することにあったものと認めざるを得ず、これは労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行為である。 なお、本件の救済として、初審命令主文第6項は、将来会社が電算機業務に人員を配置するに当たって、再審査被申立人組合員が希望する場合には、同組合員を同業務に優先的に就かせることを命じている。これは、電算機業務に必要な技術がより進歩した将来において、同組合員が希望すれば、同業務への適性の有無にかかわらず同組合員を同業務に就かせることを命じたものと解されるおそれがある。しかし、この主文の趣旨は、将来会社が電算機業務に人員を配置するに当たって、同組合員であると否とを問わず同業務に就くことを希望する者のうち、その時点での電算機業務への適性において、同組合員がその他の者より優れている場合又は同程度の場合には、同組合員を優先的に同業務に就かせることを命じたものである わず同業務に就くことを希望する者のうち、その時点での電算機業務への適性において、同組合員がその他の者より優れている場合又は同程度の場合には、同組合員を優先的に同業務に就かせることを命じたものである。 2 団体交渉について会社は、①五〇年以降五二年までの賃金、一時金に関する団体交渉にあっては、交渉の日時、場所、出席人員、議題について、あらかじめ書面をもって組合と合意し、その上で交渉を行っているのであるから、労働委員会が、特段の事情もないのに、かかる労使間で合意している内容にまで言及したことは違法であり、②しかも、初審命令主文第一項は、上記会社の慣行をそのまま掲げているものであって、全く無意味であるから取り消されなければならないと主張する。 (1) そこで、まず会社主張の第一点についてみると、前記第1のイの(6)、同5の(6)及び(9)、同7の(4)及び(6)並びに同8の(3)及び(4)認定のとおり、五〇年以降五二年までの各交渉にあたって、交渉の日時、場所、出席人員、議題について、書面で合意する形式をとっていることは、主張のとおりである。 しかしながら、各年度とも会社は、(ア)組合からの申入れに応じたことは一回もなく、別個に会社から組合に団体交渉を申し入れていること、(イ)しかも、この申入れは、本件組合が先に申し入れているにもかかわらず、別組合と先に交渉したのち、その経過をふまえて、交渉の日時、場所、出席人員、議題を自己の都合のみで決定し、これに組合が書面によって応諾しない限り団体交渉を行わないとしていること、(ウ)一ないし二回もたれた団体交渉の席でも、会社提案の趣旨説明あるいはこれに対する組合の質問について、十分な説明がなされず、また、予定された時間がくれば、それが中途であっても席を立つことなど、本件団体交渉の全般を通ずる会社の態度 の席でも、会社提案の趣旨説明あるいはこれに対する組合の質問について、十分な説明がなされず、また、予定された時間がくれば、それが中途であっても席を立つことなど、本件団体交渉の全般を通ずる会社の態度は、組合の申し入れた団体交渉に誠意をもって応じていたとは認められないことから、この点に関する初審判断は、結論において相当である。 (2)次に、会社主張の第二点についてみると、初審命令主文第一項は、労使間で合意すべき、交渉の日時、場所、出席人員、議題について、会社が自己の都合のみで決定し、組合とこの点について話し合うことすらしない会社の態度の是正を命じたものと認められるから、無意味なものとはいえない。 しかしながら、交渉の日時、場所、出席人員、議題は、本来労使間で話し合って決められる事柄であるから、初審命令主文第一項が、これらについて会社が自己の都合をいうことを一切禁止したという趣旨にも読めるので、表現の正確を期するため、主文のとおり変更することとした。 3 五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金について会社は、組合の組合員に対する上記各一時金の平均支給額が、全日シ組合員の平均支給額に比較して低かったことを不当労働行為であるとした初審判断を争い、①内勤者で構成されている組合の組合員に対する一時金の支給月数は、類似の職務に従事している全日シ組合員中の営業所の内勤者の一時金の支給月数と比較すべきであり、初審命令のように、職種の異なる者を含む全日シ組合員全員で比較しても、職種の類似性と評定の類似性が認められないものであるので意味がない。②組合員と全日シ組合員中の営業所の内勤者とを比較してみれば、いわゆる「有意差」は認められないと主張する。 (1) まず、会社主張の第一点についてみると、前記第1の6の(9)認定のとおり、(ア)勤務評定における評定基準が 中の営業所の内勤者とを比較してみれば、いわゆる「有意差」は認められないと主張する。 (1) まず、会社主張の第一点についてみると、前記第1の6の(9)認定のとおり、(ア)勤務評定における評定基準が職種によって異なっていること、(イ)本件で組合の組合員と比較される全日シ組合員についてみると、前記第1の6の(4)及び同7の(8)認定のとおり、全日シ組合の組合員の五一年度夏季、同冬季の各一時金の平均支給月数はそれぞれ二・八ヵ月と三・七ヵ月であるのに、そのうち内勤者のみの平均をみると二・六七ヵ月と三・五八ヵ月となっており、差異が認められる。 してみると、前記第1の1の(2)及び(3)認定のとおり、組合は内勤者のみで構成されており、他方、全日シ組合は外勤者が六割以上を占めているのであるから、内勤者と外勤者との間にある上記差異が職種の違い以外の理由によるとの疎明がなされていない本件にあっては、会社の主張に理由があるものといわざるを得ない。 (2) そこで、会社主張の第二点について判断する。 五一年度夏季、同冬季の各一時金における考課査定は、前記第1の6の(4)及び(6)並びに同7の(3)及び(8)認定のとおり、上積み分についてのみ行われるものであるから、これを組合の組合員と全日シ組合の組合員中の内勤者の各平均で比較すると、次表のとおりである。 <3488-001>本件各一時金のうち考課査定部分においては、相当の差異があるものと認められ、これについて有意差はないと会社は主張するが、これを認めるにたる疎明はない。さらに、この差異について、会社は、公正な考課査定の結果によるとして、考課査定の仕組みと組合の組合員についての勤務実績を立証しているが、組合の組合員と比較すべしとする全日シ組合員中の内勤者についての評定結果などは全く立証しないのであるから 課査定の結果によるとして、考課査定の仕組みと組合の組合員についての勤務実績を立証しているが、組合の組合員と比較すべしとする全日シ組合員中の内勤者についての評定結果などは全く立証しないのであるから、上記のごとき差異が生じたことが公正な考課査定の結果によるとする会社主張を認めることはできない。 他方、前記第1の2認定のとおり、組合結成以来、会社と組合との間には紛争があいつぎ、対立が顕著であったことを考え合わせると、本件各一時金の考課査定について、組合の組合員と全日シ組合員中の内勤者との間に生じた上記差異は、組合を嫌悪した会社が、組合の組合員の故になした労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為と認めざるを得ない。 したがって、上記(1)、(2)判断に基づき初審命令主文第4項を主文第2項のとおり変更することとした。 なお、初審命令主文第3項は、五一年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員に対する五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金の是正について命じたものであり、同第4項は、上記八〇%条項該当組合員を含む申立人組合員に対する上記一時金の査定部分の再査定について命じたものであるが、上記八〇%条項該当組合員については同第3項による是正のみで足りると誤解されるおそれがあり、また、同第4項は、申立人組合員に対する上記一時金の査定部分の再査定に当たって、申立人組合員のうち、その支給月数が全日シ組合員の平均支給月数以上の者についてはそのままとし、下回る者については全日シ組合員の平均支給月数と同一にするよう命じたものと解されるので、主文のとおりに改めた。 4 五一年度及び五二年度の賃上げについて(1) 会社は、五一年度及び五二年度の賃上げについて、①各年度の賃上げに関する協定は、組合、全日シ組合それぞれと十分な交渉をした結果、それぞれと全く めた。 4 五一年度及び五二年度の賃上げについて(1) 会社は、五一年度及び五二年度の賃上げについて、①各年度の賃上げに関する協定は、組合、全日シ組合それぞれと十分な交渉をした結果、それぞれと全く同一の内容で締結した労働協約であるから、この効力を否定した初審命令は違法であり、②協定の内容である八〇%条項は、従業員間の実質的公平と稼働率の向上を果すために、賃上げと一体をなすものとして提案したもので、組合の組合員であるか否かは適用上何の関係もなく、労働者の権利行使を制限するものでもない、③また、妥結月払い条項は、契約の変更についての本然の姿であり、団体交渉の結果合意されたものであるから、不当労働行為になるものではないと主張する。 (2) しかしながら、本件八〇%条項、妥結月払い条項を含む五一年度及び五二年度賃上げに関する協定締結に至った次のような経緯をみると、上記会社の主張には、措信しがたいものがある。 ① 八〇%条項は、全日シ組合と同一内容の協定であるが、前記第1の5の(4)の①のイ認定のとおり、この条項には、稼働率の算出の基礎となる逸失時間の項目として、例えば遅刻、早退、欠勤、私用外出のように、本人の責に帰すべきものも含まれている。しかし、他の多くの項目、例えば産前産後休暇のような母体保護に関する項目については、五一年当時の本件組合と全日シ組合との男女の構成割合をみると、組合の組合員は半数以上が女性であるのに対して、全日シ組合員の女性の占める割合は三〇~三五%であること、また、労災休業、労災通院については、五一年当時組合の組合員には二〇名ほどの労災認定患者がいたのに全日シ組合員にはいなかったことなどからして、この八〇%条項は、その導入により、全日シ組合に比べ組合の組合員に多大の影響を及ぼすことが予測されるなかで提案されたものであると認 労災認定患者がいたのに全日シ組合員にはいなかったことなどからして、この八〇%条項は、その導入により、全日シ組合に比べ組合の組合員に多大の影響を及ぼすことが予測されるなかで提案されたものであると認められる。さらに、ストライキ、団体交渉の項目については、組合のストライキ権、団体交渉権の権利行使を抑圧制限する意図で提案されたものと認めざるをえない。 しかも会社は、五一年度賃上げについて、全日シ組合と妥結調印後、六月に至って全日シ組合員に対して、直ちに救済措置を導入する旨明らかにしているのであるが、本件八〇%条項は、賃上げ対象者の範囲が労働条件の重要な内容であるにもかかわらず、賃上げ妥結後に直ちに救済措置を導入することは極めて不自然であり疑問の残るところである。 さらに会社は、全日シ組合員についての八〇%条項の具体的適用状況等に関する資料及び見直し期間中の稼働率に関する資料を提出していないのであるから、八〇%条項の運営及び救済措置が恣意にわたることなく、公平に行われたか否かは不明である。 ② これらのことを含め、組合は、会社に対し、再三にわたり団体交渉を申し入れているのであるが、この経緯については、前記判断のとおり、会社は、妥結のための団体交渉以外は一切応ぜず、このため組合は、当時大阪地労委に対し、団体交渉促進を求めるあっせんを申請していたという事情もあり、組合と十分な交渉をした結果という会社主張は採用できない。 ③ さらに会社は、前記第1の5の(4)認定のとおり、八〇%条項とともに妥結月払いの条項を突如として導入し、しかも会社は、前記第1の5の(5)、(7)及び(10)認定のとおり、誠意をもって団体交渉に応じようとしないのであるから、妥結はますます延引することとなった。 一方会社は、五一年五月に全日シ組合との間において行われた、同年度賃 5)、(7)及び(10)認定のとおり、誠意をもって団体交渉に応じようとしないのであるから、妥結はますます延引することとなった。 一方会社は、五一年五月に全日シ組合との間において行われた、同年度賃上げ交渉の最終段階において、全日シ組合からの要求に応じて、賃上げ一ヵ月相当分の臨時一時金を支給し、また、五二年度賃上げにおいては、全日シ組合が六月に妥結すると賃上げ二ヵ月相当分の臨時一時金を支給し、結局、全日シ組合員には、実質上四月から賃上げが実施されたと同一の取扱いをしているのである。 以上の諸事情を総合して考えると、会社は、一方的に八〇%条項という組合にとって全日シ組合員より不利益な結果が生ずる制度の導入をはかり、他方、妥結月払い条項については、全日シ組合員にはその不利益が及ぶことを避けつつ、交渉が長期化すればするほど組合の組合員に不利益が拡大するこの条項を併せて提案し、かつ、団体交渉についても、日時、交渉時間等を限定して、その進行を困難ならしめ、もって、組合をして会社の提案どおりの協定を締結せざるを得ない立場に追い込んだものである。 会社のこのような行為は、五一年度及び五二年度の賃上げについて、組合の組合員を全日シ組合員に比して不利益に取り扱うとともに、組合の組合活動の牽制とその弱体化を意図したものであって、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 もっとも、本件組合は、五一年度賃上げについての協定締結の際に、「協定を締結しても、八〇%条項、妥結月払い条項問題について、引き続き会社の責任を追及していく」旨を申し入れ、また、五二年度賃上げについての協定締結に際しても、「本協定の違憲、違法の内容については、今後とも、その違憲、違法性を追及する」旨の文書を会社に手渡しているものの、結局、組合は協定に調印しているので た、五二年度賃上げについての協定締結に際しても、「本協定の違憲、違法の内容については、今後とも、その違憲、違法性を追及する」旨の文書を会社に手渡しているものの、結局、組合は協定に調印しているのであるから、その責任は組合が負うべきもののようであるが、この協定締結に至る前記の経緯にかんがみるとき、組合はやむなく調印に追い込まれたものであると認めざるを得ず、この事実は前記判断を左右するものではない。 なお、本件の救済として、初審命令主文第2項は、会社に対して、締結した協定の条項の撤回を命じているが、これは表現として妥当を欠くので、主文のとおり改めた。 5 チェック・オフについて会社は、臨時組合費のチェック・オフを中止したことが不当労働行為であるとして再開を命じている初審判断を争い、①臨時組合費について、組合のどの機関が、いかなる規約上の根拠に基づいて、いつ、どういう徴収を決定したのか不明であり、かつ、徴収の決定自体が適法になされているのかも疑わしいので、チェック・オフをしなかったことは当然である、②また、臨時組合費とは、臨時に徴収の決定がなされるものであって、再開という継続的行為に関する観念とあいいれないものであり、この矛盾の故に命令は違法であり、取り消さねばならないと主張する。 (1) そこで、会社主張の第一点についてみると、組合が、臨時組合費について、組合員から、いつどのような方法で、いくら徴収するかは、本来組合が自主的に決めることであり、その決定方法をチェック・オフ中止の理由とする会社の主張は採用できない。 ところで、本件においては、前記第1の10の(12)認定のとおり、組合は、組合規約に定める職場委員会で臨時組合費の徴収を決定し、長年の間、定期、臨時をとわずチェック・オフが実施されていた労働協約の定めに基づいて、会社にチェック 第1の10の(12)認定のとおり、組合は、組合規約に定める職場委員会で臨時組合費の徴収を決定し、長年の間、定期、臨時をとわずチェック・オフが実施されていた労働協約の定めに基づいて、会社にチェック・オフの申入れをしたものであるから、会社が上記理由によりこれを拒否したことは、正当とは認められない。 (2) 次に、会社主張の第二点についてみると、初審命令主文第5項が違法であるとしているが、この主文は、毎月のチェック・オフの実施を命じているのではなく、組合から依頼があったらチェック・オフをすればよいというのであって、会社主張のような違法があるとは考えられず、会社の主張は採用できない。 (3) そこでさらに、本件不当労働行為の成否を検討するに、組合費は本来組合自身が徴収すべきものであるから、会社がチェック・オフを行うか否かは、労使間の交渉で自由に決めうるものである。しかし、本件会社のごとく過去六年間労働組合費のなかに、定期組合費と臨時組合費を含むということに関して、会社からその解釈上の疑義あるいは見解等の表明もなくチェック・オフされていたものであってみれば、これを五二年度賃上げ交渉時において、チェック・オフ協定解約の手続も踏むことなく、突如として臨時組合費についてのみ中止したことは、組合を弱体化するために、協定を無視して臨時組合費のチェック・オフを拒否したものと判断せざるを得ず、かかる会社の行為は労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当である。 6 その他再審査被申立人組合並びに同P16及び同P4は、前記第1の11認定のとおり書面を提出しているが、その趣旨は、P16及びP4の電算機業務への配置に関する部分の本件被救済利益の放棄を申し立てたものと解される。 以上のとおりであるので、上記判断に基づき、初審命令を主文の おり書面を提出しているが、その趣旨は、P16及びP4の電算機業務への配置に関する部分の本件被救済利益の放棄を申し立てたものと解される。 以上のとおりであるので、上記判断に基づき、初審命令を主文のとおり変更することを相当と認めるほか、本件再審査申立てには理由がない。 よって、労働組合法第二五条及び第二七条並びに労働委員会規則第五五条の規定に基づき主文のとおり命令する。 昭和五八年八月三日中央労働委員会会長 P26(印)別紙2規定・第2号昭和五一年四月一日総務部長勤務評定規定第一条(目的)勤務評定は、職務遂行能力、勤務態度、勤務適性及び業績等を、不断に、かつ客観的に観察記録し、教育、補職、昇給昇格、賞与等、人事管理の公正かつ効果的な運営に役立てつつ従業員の能力向上、資質の改善を図ることを目的とする。 第二条(評定者の責務)評定者は、勤務評定の目的の理解と結果の重要性の認識をもち公平、且、公正に行わなければならない。 第三条(秘密の保持)評定者は、自分の実施した評定につき、本人に意見を述べる場合を除き、特定の人事関係以外に評定内容を知らせてはならない。 第四条(勤務評定書及び勤務記録書)勤務評定は勤務評定書(別紙第1号)(本社一般職に係るもののみ掲げる。)によって行い、評定の基礎となる事実及び常時の観察結果を必要に応じて記録しておくものとする。 第五条(勤務評定書の記入順位)勤務評定書は、別紙第2号による順位で記載し調整者は全般を調整する。 第六条(試用期間評定)別紙第3号(略)による。 第七条(評定期間及び評定期日)評定は、社員については、原則として年二回とする。 その期間及び期日については、当分の間、その都度、示すものとする。 以上別紙第1号勤務評定書(一般職)<3488-002><記入方法>(抄 評定は、社員については、原則として年二回とする。 その期間及び期日については、当分の間、その都度、示すものとする。 以上別紙第1号勤務評定書(一般職)<3488-002><記入方法>(抄)(大阪本社)<一般職> 1 責任感:やりっぱなしでないか、どうか、責任を他に転嫁するようなことはないか、 2 規律正しい:服務規律をよく理解して、指示令達をよく守ったか、 3 積極性:与えられた仕事ばかりでなく、他の仕事も進んで引き受けたか、 4 協力性:いつも協力的で気持よく仕事をしているか、 5 知識、理解、能力:仕事をする上に、必要なる知識、理解、能力、技能をもち指示令達を理解しているか、 6 信頼の出来る仕事をしているか:安心して仕事をまかせる事が出来るか、能率的に仕事を進めているか、別紙第2号<考課評定の系統><3488-003><3488-004>※ 職種地域間調整は、営業本部長が行う。 ※ 支店間の調整は、営業部長が行う。 ※ 非常に片寄った評価等の平均化修正及び部、部門間の調整は総務部で行なう。 <評点早見表><3488-005>※ 評点は整数で記入、中間的なものは、中間の評点で記入。 命令書申立人大阪市<以下略>総評化学一般日本シェーリング労働組合執行委員長 P25同西宮市<以下略>P15ほか一〇名(詳細は、別紙申立人目録記載のとおり)被申立人大阪市<以下略>日本シェーリング株式会社代表取締役 P24上記当事者間の昭和五〇年(不)第五九号、昭和五二年(不)第四八号及び昭和五三年(不)第六六号併合事件について、当委員会は、昭和五五年三月二六日、四月九日、同月二三日及び五月一四日の公益委員会議において合議を行った結果、次のとおり命令する。 主文 1 被申立人は、申立人組合からの団体交渉の 委員会は、昭和五五年三月二六日、四月九日、同月二三日及び五月一四日の公益委員会議において合議を行った結果、次のとおり命令する。 主文 1 被申立人は、申立人組合からの団体交渉の申入れに対し、日時、交渉時間、場所、出席人員、議題を一方的に指定することなく、誠意をもって速やかに団体交渉に応じなければならない。 2 被申立人は、申立人組合と締結した昭和五一年度及び昭和五二年度賃上げに関する協定中、稼働率八〇%以下の者を賃上げ対象者から除外する旨の条項(以下「八〇%条項」という)及び新賃金は妥結した月から実施する旨の条項(以下「妥結月払い条項」という)を撤回し、次の措置を講じなければならない。 (1) 昭和五一年度及び昭和五二年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員に対し、それぞれ昭和五一年四月及び昭和五二年四月に遡って、昭和五一年度及び昭和五二年度賃上げが実施されたものとし、それぞれ昭和五一年度賃上げ相当額(これに対する年五分の割合による金額を含む)及び昭和五二年度賃上げ相当額(これに対する年五分の割合による金額を含む)を支払うこと。 (2) 昭和五一年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員以外の組合員に対し、昭和五一年四月から賃上げを実施したものとして取り扱い、昭和五一年度賃上げの三カ月分相当額(これに対する年五分の割合による金額を含む)を支払うこと。 3 被申立人は、昭和五一年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員に対する昭和五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金を、上記2の(1)によって同年度賃上げが行われたものとして算出し、その金額から既支給額を控除した額(これに対する年五分の割合による金額を含む)を同年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員に支払わなければならない。 4 被申立人は、申立人組合員に対し、昭和五一年度夏季一時金 から既支給額を控除した額(これに対する年五分の割合による金額を含む)を同年度賃上げにおける八〇%条項該当組合員に支払わなければならない。 4 被申立人は、申立人組合員に対し、昭和五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金における査定を次のように是正し、それによって算出した金額と既に支給した金額との差額(これに対する年五分の割合による金額を含む)を支払わなければならない。 (1) 申立人組合員各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員に対して支給した上記各一時金の平均支給月数と同一になるよう再査定すること。 (2) 上記(1)の再査定は、査定に基づいて既に申立人組合員各人に支給した金額を下回らない限度において行うこと。 5 被申立人は、申立人組合の臨時組合費について、チェック・オフを再開しなければならない。 6 被申立人は、将来電算機業務に人員を配置するに当って、別紙申立人目録記載の組合員がその業務への配置転換を希望した場合、優先的に同人らを同業務に就かせなければならない。 7 被申立人は、縦一メートル、横二メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社正面玄関付近の従業員の見やすい場所に一〇日間掲示しなければならない。 記年月日申立人代表者あて被申立人代表者名当社は、下記の行為を行いましたが、これらの行為は労働組合法第七条第一号、第二号及び第三号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 記(1) 貴組合からの団体交渉の申入れに対し、当社より日時、交渉時間、場所、出席人員、議題を限定して団体交渉を申し入れ、この申入れに貴組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度を固執したこと(2) 昭和五一年度及び昭和五二年度賃上げにおいて、八〇%条 間、場所、出席人員、議題を限定して団体交渉を申し入れ、この申入れに貴組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度を固執したこと(2) 昭和五一年度及び昭和五二年度賃上げにおいて、八〇%条項及び妥結月払い条項を内容とする協定を貴組合に押しつけ、貴組合員を不利益に取り扱ったこと(3) 昭和五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金において、貴組合員を不当に低く査定して不利益に取り扱ったこと(4) 貴組合の臨時組合費のチェック・オフを一方的に中止したこと(5) EDP課を廃止して、EDP課の貴組合員を配置転換したこと以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 8 昭和五〇年度冬季一時金に関する申立ては、これを却下する。 9 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 理由 第1 認定した事実 1 当事者等(1) 被申立人日本シェーリング株式会社(以下「会社」という)は、肩書地に本社を、全国約三〇ヵ所に営業所を置き、医薬品の輸入・製造・販売を業とする株式会社であり、その従業員数は、本件審問終結時約七五〇名である。 (2) 申立人総評化学一般日本シェーリング労働組合(以下「組合」という)は、会社の従業員のうち、医薬品の製造・研究、及び事務に従事する本社勤務の従業員(いずれも内勤者)を中心に組織されている労働組合で、その組合員数は、昭和五〇年当時約二一〇名、本件審問終結時約一〇〇名である。 なお組合は、結成と同時に総評化学同盟に加入し、その名称を総評化学同盟日本シェーリング労働組合としていたが、五二年に総評化学同盟が組織変更により、総評合化・化学総連化学一般労働組合連合(略称、化学一般)となったため、組合も前記のように改称した。 申立人P15ら別紙申立人目録記載の者は、いずれも上記組合の組合員である。 (3) 会社 により、総評合化・化学総連化学一般労働組合連合(略称、化学一般)となったため、組合も前記のように改称した。 申立人P15ら別紙申立人目録記載の者は、いずれも上記組合の組合員である。 (3) 会社には、組合のほかに、主として営業所に勤務する従業員(主に外勤者)を中心に組織されている全日本シェーリング労働組合(以下「全日シ」という)があり、その組合員数は、本件審問終結時約三五〇名である。 (4) また会社には、組合や全日シを脱退した者などを中心に組織されている「職場と生活を守る会」(以下「守る会」という)があり、その会員数は、五〇年五月当時約一〇〇名、本件審問終結時約一一〇名である。 なお守る会は、「労使の対立を避け、生活の基盤たる会社の発展向上を期し、自らの手で職場と生活を守ること」を目的とする団体である。 2 本件発生に至るまでの労使関係(1) 組合結成の事情① 四五年一一月五日、同年度冬季一時金をめぐり本社経営協議会(本社従業員の経営参加、労働条件の維持改善並びに企業の発展を目的として設置された機関)の下部機関である常任委員会が開催され、席上会社は、一般従業員代表らからの要求に対して、同月二〇日開催予定の次回常任委員会で回答する旨約束した。しかし会社は、それ以前の同月一〇日に、冬季一時金を平均四・五ヵ月分支給することを決定し、その旨を各課長に伝えたため、従業員らはこの会社の態度に不満を抱き、結局、同月二七日、本社内勤者を中心に組合を結成し、総評化学同盟に加入した。 ② 同年一二月一七日、会社の中部地方支配人P1らの指導により、外勤者等約四〇〇名によって全日シが結成された。全日シは、結成後間もなく、全国化学一般労働組合同盟に加入したが、四六年四月四日、前記上部団体から脱退し、その後、合成化学産業労働組合連合(略称、合化労連)に加入した 〇名によって全日シが結成された。全日シは、結成後間もなく、全国化学一般労働組合同盟に加入したが、四六年四月四日、前記上部団体から脱退し、その後、合成化学産業労働組合連合(略称、合化労連)に加入した。 (2) 組合結成後の紛議組合結成後、組合と会社との間には次のような争いがあった。 ① 四八年二月一六日、食事手当問題(会社が組合に知らせず賃金規則及び旅費規定を改正し、四七年四月から、内勤者が外勤をして日当が支給される場合には食事手当が支給されないのに対して、外勤者が外勤をすると日当のほかに食事手当(一日につき一二〇円)が支給されるように従来の取扱いを変えたため、組合が内勤者にも四七年四月に遡って月三、〇〇〇円(一二〇円×二五日)を支払うこと等を要求したという問題)についての団体交渉の終了直後、会社の労務担当最高責任者P2(以下「P2副社長」という。なお、同人は四八年六月副社長に就任した)が、就業中の本社従業員に対して、社内放送を通じて食事手当問題に関する交渉経過と会社提案の大要を説明したが、その際同人が「組合のストライキが続けば、近い将来会社の破滅の日が来ることは明らかである」旨及び「親会社であるドイツ・シェーリング社はストライキの影響を避けるため、他社に生産・販売を任せたりすることが考えられる」旨の発言をした。 組合は、P2副社長の上記発言及び後記③記載の会社の行為は、組合運営に対する支配介入であるとして、同年五月一一日、当委員会に不当労働行為救済申立てを行った〔四八年(不)第二五号事件〕。 ②ア四八年四月一一日、拡大闘争委員会及び執行委員会の決定に基づいて、賃上げ等の春闘要求を実現するため、会社正門前から会社構内にかけてスクラムを組んでいた組合員と、会社内に入構しようとしたP2副社長ら会社職制八名との間で小ぜり合いやもみ合いが生 会の決定に基づいて、賃上げ等の春闘要求を実現するため、会社正門前から会社構内にかけてスクラムを組んでいた組合員と、会社内に入構しようとしたP2副社長ら会社職制八名との間で小ぜり合いやもみ合いが生じ、P2副社長ら四名が負傷した。 イ同月一八日、P2副社長らは、組合役員らを傷害罪等で告訴した。 ウ同年七月二四日、組合は、上記ピケッティングに際し暴行を働いたのは会社側であるとし、その行為及び上記告訴は組合運営に対する支配介入であるとして、当委員会に不当労働行為救済申立てを行った〔四八年(不)第四八号事件〕。 ③ 四八年四月二四日から同月二六日にかけて、会社の部次長、課長らは、秘書課及び通関課を除く全職場において従業員を集め、「経理内容説明会」を行い、同人らは、組合には未だ提示していなかった賃上げ等に関する全日シへの第二次回答の内容等を説明し、その内容で妥結して欲しいとの旨述べるとともに、「四月一一日、ピケッティングに伴い暴力行為がなされたが、それは執行部が指導したものであり、また同日以降団体交渉が行われていないのは、組合が上記暴力行為について陳謝、誓約しないからである」などの旨発言した。 ④ 五〇年二月三日、会社は、六級職で主任であった組合の執行委員長P34及び書記長P35をそれぞれ五級職に降格し、かつ主任を免じた。 同月一八日、組合は、上記事実について、当委員会に不当労働行為救済申立てを行った〔五〇年(不)第一二号事件〕。 ⑤ 当委員会は、前記四八年(不)第二五号事件、同年(不)第四八号事件及び五〇年(不)第一二号事件を併合して審査した結果、五一年九月二四日、四八年(不)第四八号事件についてはその申立てを棄却し、他の二件については組合の主張をほぼ全面的に認める命令を発した。 ⑥ その後、会社は、中央労働委員会に再審査を申立てたが、五三年三月 九月二四日、四八年(不)第四八号事件についてはその申立てを棄却し、他の二件については組合の主張をほぼ全面的に認める命令を発した。 ⑥ その後、会社は、中央労働委員会に再審査を申立てたが、五三年三月一五日、中労委は、当委員会の命令をほぼ全面的に支持する再審査命令を発した。 3 EDP課の廃止問題(1) EDP課廃止に至るまでの経緯① 四五年一〇月、会社は、電算機課(EDP課の前身)を設置して会社業務の電算機化の準備作業を開始し、四六年一〇月、高千穂交易株式会社(以下「高千穂バロース」という)から電算機の本体を、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「IBM」という)からその周辺機器をそれぞれ賃借し、電算機を社内に導入するとともに、四七年一月からコンピューターを稼働させた。 ② EDP課においては、大別して次の八システムのコンピューター処理を行っていた。 ア営業会計事務システム問屋に対する請求書の発行の電算機化を主要目的として、営業所における各種の営業会計事務の電算機化を図るためのシステムで、その本格的稼働への移行に至るまで従来の手作業による処理と電算機による処理が併行して続けられたが、結局電算機への全面的移行にまで至らず、併行処理の状態がEDP課廃止に至るまで続いた。 イ第一次販売統計システム会社から問屋に商品が販売される過程(第一次販売)に関する諸統計の作成のためのシステムで、全国の各営業所から本社に送付された販売伝票をカード・パンチし、それをインプット・データーとして第一次販売に関する諸統計を作成していた。 ウ第二次販売統計システム問屋から病院又は開業医に商品が販売される過程(第二次販売)に関する諸統計の作成のためのシステムで、問屋から入手する納入明細書を全部外部委託によってカード・パンチし、その結果をインプット・データ 問屋から病院又は開業医に商品が販売される過程(第二次販売)に関する諸統計の作成のためのシステムで、問屋から入手する納入明細書を全部外部委託によってカード・パンチし、その結果をインプット・データーとしてEDP課でコンピューター処理をしていた。 エ営業所在庫システム営業所在庫に関する資料作成のためのシステムで、販売伝票及び在庫移動に関する諸伝票等をインプット・データーとして作成していた。 オ給料システム月々の給与計算のためのシステムカ固定資産システム固定資産の現物管理等のためのシステムキ研究所システム研究所における実験データーの集計のためのシステムク原価計算システム加工費原価の製品別原価計算のためのシステム③ 会社は、四七年二月、電算機の運営に関する最高機関としてEDPS運営委員会を設置したが、同委員会は会議を二回行っただけで、同年七月の会議を最後に自然消滅した。その後同委員会の下部組織であった統一伝票委員会も同年一一月の会合を最後に自然消滅した。 ④ このような状況のなかで、EDP課の課員(以下単に「課員」ともいう)は、電算機導入の当初から会社に対して電算機運営の方針、入力伝票送付体制などについて、それぞれの問題点を指摘し改善のためのさまざまな提案を行うとともに、四七年二月、四八年二月と二回にわたって、ストライキによって仕事に重大な影響が及ばないように事前に労使間で十分話し合って協定を締結するよう要望した。また、四八年三月ごろ、課員は会社に対して、電算機導入の最大の目的であった営業会計事務システムの本番化(手作業及び電算機による併行的処理から電算機による全面的処理への移行)を提案した。また、電算機導入の当初から会社に協力・助言し、会社従業員に対し電算機に関する教育をも行っていた高千穂バロースは、課員の要 及び電算機による併行的処理から電算機による全面的処理への移行)を提案した。また、電算機導入の当初から会社に協力・助言し、会社従業員に対し電算機に関する教育をも行っていた高千穂バロースは、課員の要望により、四七年一〇月二八日付け文書で、電算機化推進のための改善に関する意見として、推進組織の確立、社内PRの徹底、基本的方針及び決定事項の徹底などを会社に提案した。 しかし、これらの提案に対して会社は、具体的な措置を講じなかった。 ⑤ 四七年七月ごろ以降、パンチャーのなかから頸肩腕症候群(いわゆるけんしょう炎)患者が発生したため、課員は会社に作業環境の改善などを要望し、そのほとんどが受け入れられた。このため、四八年八月以降には新たなけんしょう炎患者は発生しなくなった。 ⑥ 会社は、四八年六月ごろから、ティー・シー・シー株式会社(高千穂バロースの子会社。以下「TCC」という)に対して電算機処理業務の代行に伴う諸経費の見積りを求めるなどして、電算機業務の外部への委託を検討していた。そしてTCCは、会社からの全面作業代行に移行する場合の準備体制についての問合わせに対して、同年九月四日付け文書で、「現行システムどおりの移行に要する期間は約二ヵ月。移行する機会に改良を加える場合に要する期間は約四ヵ月」との旨を回答した。 ⑦ 四八年一〇月ごろから、パンチャーのけんしょう炎による就業率の低下、営業所からの販売伝票送付体制の不備などによって、パンチ業務の遅れが積り始め、四九年三月ごろにはその遅れがピークに達し、営業会計事務システム及び第一次販売統計システムにおいては三ヵ月以上パンチ業務が遅延するということもあり、その停滞状態は同年六月ごろまで続いた。 ⑧ 四九年三月、課員は、上記の状態を改善するため経理部長P3(以下「P3部長」という)と懇談した。その席上、 三ヵ月以上パンチ業務が遅延するということもあり、その停滞状態は同年六月ごろまで続いた。 ⑧ 四九年三月、課員は、上記の状態を改善するため経理部長P3(以下「P3部長」という)と懇談した。その席上、P3部長は「遅れている分だけでも外注に出そう」との旨提案したが、課員は、その提案に反対し、パンチャーの増員を要求した。そして結局、(ア)パンチャーを増員する、(イ)遅れを取り戻すため、手作業で四九年一月から三月までのデーターの累計を出し、その結果をコンピューターの台帳にセットし、四月以降は従来どおり日々のデーターのコンピューター処理を行うという便宜的方法(マスター・メンテナンスという)を実施する、ということになった。なおその後、パンチャーが一名増員されたが、同人は同年七月に退職した。 ⑨ また、四九年四月から上記のマスター・メンテナンスという便宜的方法が採り入れられた結果、後述するEDP課廃止通告時点までにはパンチ業務の遅延は解消されていた。 ⑩ 四九年四月、会社は、高千穂バロースとの契約の解約申入時期(四九年一〇月三一日が契約満了時期で、契約上解約する場合にはその六ヵ月前にその旨を通告することが必要であり、それをしなかった場合は自動的に契約が更新されることになっていた)を迎え、高千穂バロースに対して、「電算機の利用をやめるかもしれないので、契約上の六ヵ月前の通知を弾力的に解釈してくれるように」との旨を依頼した。そして、この依頼の際に、会社はTCCと接触し、同社に対して、「高千穂バロースとの契約を解約したときはよろしく頼む」との旨要請し、外注準備に取りかかった。 ⑪ 四九年四月から七月にかけて、会社の意向を受けて会社及び高千穂バロースの各従業員は、組合員の目を避けるため深夜に会社のコンピュータールームに入り、マスターテープなどのコピーをした。 かかった。 ⑪ 四九年四月から七月にかけて、会社の意向を受けて会社及び高千穂バロースの各従業員は、組合員の目を避けるため深夜に会社のコンピュータールームに入り、マスターテープなどのコピーをした。 ⑫ 四九年七月から、会社は、TCCにコンピューター業務を委託した。そしてTCCは、一ヵ月近く電算機稼働のためのテストを繰り返し、後述するEDP課廃止通告日までには下準備が完了し、EDP課を廃止しても業務に支障が生じない体制ができあがっていた。 ⑬(ア) 四九年六月一九日、組合や全日シを脱退した者及び非組合員らは、守る会を結成した。 (イ) この守る会の結成に至るまでの経緯は大要次のとおりである。 (ア) 四八年一二月ごろから、非組合員である会社職制らを中心に、反執行部的な組合員を育てる動きが始まり、更に四九年春闘中の四月ごろから、上記会社職制らは、組合員に組合脱退を勧誘した。 (イ) 四九年六月八日夕刻、二〇数名の反執行部的な組合員とP2副社長ら会社役員及び職制は、従業員の新しい組織をつくるなどのために会合した。 (ウ) そして、前記のとおり、六月一九日守る会が結成され、八〇数名の組合員は組合を脱退して守る会に加入した。 (エ) EDP課の課員は全員組合員であったが、会社職制から脱退を勧誘された者はおらず、また、組合を脱退した者もいなかった。 ⑭ 四九年一〇月初めごろ、会社は、EDP課の廃止及びそれに伴う電算機業務のTCCへの委託を正式に決定した。そしてその後、TCCによる業務処理はスムーズにその機能を開始する一方、一〇月五日、会社は、高千穂バロースに対し電算機貸借契約の解約を、また、同月二五日、IBMに対し周辺機器貸借契約の解約を通知した。 ⑮ 前記⑩、⑪、⑫及び⑭の会社の行為は、組合及びEDP課の課員には一切知らされていなかった。 ⑯ 組合結成 算機貸借契約の解約を、また、同月二五日、IBMに対し周辺機器貸借契約の解約を通知した。 ⑮ 前記⑩、⑪、⑫及び⑭の会社の行為は、組合及びEDP課の課員には一切知らされていなかった。 ⑯ 組合結成以降、後記のEDP課廃止通告を受けるまでの間、同課課員の中から多数の組合役員が選出されており、しかも、副委員長などの重要な役職に就く者が多かった。また、課員中ほとんどの者が執行委員、職場委員などの経験を持ち、青年対策部、婦人対策部、教宣部などの専門部の部長等として積極的に組合活動を行っていた。 ⑰ 四九年においてEDP課の運営等に要した経費(旧システム実績)及び五〇年において外注に要した経費(新システム実績)の一ヵ月平均額は、次表のとおりである。 (単位:千円)<3488-006><3488-007>⑱ EDP課においては約六〇種類ほどのアウトプット資料を作成していたが、外注システムにより会社が得ていたアウトプット資料は、システム内容が簡素化されたため約二〇種類ほどであった。 (2) EDP課の廃止通告とその後の経過① 四九年一〇月二一日、会社は組合に対して、「現在、電算機導入当初の目的は全く達成されていない。その上、長期にわたるストライキや他企業には例をみない多数のパンチャーのけんしょう炎と称しての異常な低就業率によるアウトプット資料の遅れは数ヵ月にも及び、電算機利用の意味を全く無にする事態を呈している。 一方、その運営費用はEDP課の直接経費だけでも年間一億数千万円を越える巨額となり、当社の経済的負担の限界をはるかに越えるに至っている。今後、企業の経営効率を高めるためには、電算機の利用そのものは絶対に不可欠であるが、現状のままでの電算機の有効な利用は期待できないとの結論に達し、会社は四九年一〇月末日をもってEDP課廃止を決定した」との旨 の経営効率を高めるためには、電算機の利用そのものは絶対に不可欠であるが、現状のままでの電算機の有効な利用は期待できないとの結論に達し、会社は四九年一〇月末日をもってEDP課廃止を決定した」との旨を文書で通告するとともに、EDP課廃止に伴う課員の配置転換について労使協議会において説明するので出席するよう申し入れた。 なお、配置転換に関する会社の方針は次のとおりであった。 ア課員を各部に配置転換する。 イ配置転換先は総務部が個別面接を行い一一月一〇日までに決定する。 ウ本人の都合で退職を希望する者は、一一月一〇日までに申出のあった者に限り、冬期一時金と同率の金員を支給し、更に退職金も会社都合による退職の場合の率によって算出したうえ基準内賃金の二ヵ月分を加算する。 エ一一月一〇日以降の退職者は、自己都合による退職扱いとする。 ② 一〇月二三日、組合と会社との間で労使協議会が開催され、席上会社側は、EDP課廃止の理由について前記通告書と同趣旨の説明を行うとともに、課員の配置転換を行うとの態度を示した。また、この席上、P3部長は「EDP課の廃止を決めた背景として、数年間社内の協調関係がよくなかったことが考えられる。EDP課は会社の心臓部であり、そのEDP課でストライキやけんしょう炎があっては困る。また、課員の協力も得られなかった」との旨発言した。 ③ 同日夜、P3部長、総務部長P19(以下「P19部長」という)、総務部次長P21(以下「P21次長」という)らが出席して、EDP課廃止の件について、課員に対する説明会が行われた。会社は、前記労使協議会におけると同様、EDP課廃止の必要性について述べた。 これに対し課員は、同課の廃止及び配置転換に反対であるとの態度を示した。この席上、P3部長は「EDP課員と私の前任の経理部長との間にコミュニケーシ けると同様、EDP課廃止の必要性について述べた。 これに対し課員は、同課の廃止及び配置転換に反対であるとの態度を示した。この席上、P3部長は「EDP課員と私の前任の経理部長との間にコミュニケーションがなかった。技術的、制度的な問題が解決されず、それに対する課員の協力も満足ではなかった。ストライキがあったら仕事がとまるということでは困る。したがって、課員が組合員ばかりでは困る」との旨発言した。 ④ 翌二四日、P21次長は、課員の一人一人に対して、「新しく移って頂く部については、それぞれ部長の了解をとってありますので総務部長のところへ来るように」との旨記載した一〇月二二日付けの総務部長名文書を手渡した。 ⑤ 一〇月二八日、組合は、会社にEDP課の廃止に関する問題等について労使協議会の開催を申し入れたが、会社は同日付けの文書で組合の申入れを拒否した。 ⑥ 他方、組合及び組合員らは、会社が組合の反対を押し切って、EDP課の廃止を強行するため電算機器を社外に搬出することをおそれ、一〇月末ごろ、大阪地方裁判所に機械搬出差止を求める仮処分を申請した。しかし、同裁判所は、その請求を認めず、一一月二日、会社に対して「EDP課廃止及びこれに伴う労働条件の変更につき誠実に団体交渉を行わなければならない」との旨を命じたにとどまった。 ⑦ 一一月八日、会社は組合に対して、「EDP課廃止の件及び労働条件変更の件について一一月九日に団体交渉を行う」旨通知した。また会社は、同日付けで、パンチャー、プログラマーなど職種を特定して労働契約を締結している者(以下「職種特約者」という)を除く課員(以下「一般職種者」という)一四名に「一一月一〇日までに退職を希望する等何らかの申出がないと会社の予定に従ってあなたの配置転換命令が出る」との旨記載した「お知らせ」と題する文書を交付した を除く課員(以下「一般職種者」という)一四名に「一一月一〇日までに退職を希望する等何らかの申出がないと会社の予定に従ってあなたの配置転換命令が出る」との旨記載した「お知らせ」と題する文書を交付した。 ⑧ 翌九日、会社と組合との間で団体交渉が行われた。席上会社が、EDP課を廃止し、課員の配置転換を行う旨通告したところ、組合は、「配置転換についてはしばらくその実施を留保して欲しい。組合としての態度は一一月一二日に回答する」旨答え、会社もこれを了承した。また席上P2副社長は、「廃止を判断した基準のひとつに課員が全員組合員であり、EDP課が組合の拠点となっていることが挙げられる。会社としては電算機の必要なことは十分承知しているので、二、三年後に計画と準備を整え経営上役に立つようにしてからまた使う。その場合は社長の直轄とし、非組合員のみで構成する」との旨発言した。 ⑨ 一一月一二日、会社と組合との間で団体交渉が行われ、組合は、EDP課の廃止及びそれに伴う配置転換を受け入れることはできない旨回答した。これに対して会社は、廃止は最終決定なので譲歩できないとの態度を示し、結局、団体交渉は物別れに終った。 ⑩ その後組合は、会社に一一月一三日から一二月一九日までの間一〇回にわたり、EDP課の廃止及びそれに伴う配置転換について団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じなかった。 ⑪ 一一月一三日、P19部長は就業中の従業員に対して、社内放送を通じてEDP課廃止の事情等を説明するとともに、「部課の統合廃止は会社の決定することで組合と協議することではない。また、配置転換は会社が人事としてやることで組合と相談することではない」との旨述べた。 ⑫ 翌一四日会社は、IBMから借り受けているパンチングマシンを搬出した。これに対して組合は、団体交渉で結論がでていないうちに搬 会社が人事としてやることで組合と相談することではない」との旨述べた。 ⑫ 翌一四日会社は、IBMから借り受けているパンチングマシンを搬出した。これに対して組合は、団体交渉で結論がでていないうちに搬出したとして、これに抗議するため同日午後からストライキを行った。そして、組合三役とP36社長室長との話合いで、同日電算機本体の搬出は行わないことが確認された。 ⑬ なお、会社は、同日付で一般職種者一四名に対して総務部付など各部付を命じた「辞令」と題する文書を全国の営業所等に配布した。 ⑭ 一一月二〇日、P21次長は、上記と同一内容の同月一四日付け個人あて辞令を直接各人に手渡した。 ⑮ 一一月二一日、二二日の両日にわたり、一般職種者に対してそれぞれ各所属先の部長による個別面接が行われた。なお、P37(以下「P37」という)は、五〇年四月七日まで出産休暇中であったので、同人に対する面接は行われなかった。 ⑯ 一一月二八日、会社は、P37を除く一般職種者一三名に対して、「一二月一日より各所属に配置するから同月二日より新所属長の指示を受けるように」との旨記載した文書を渡した。 ⑰ その後会社は、P17及びP37を除く一般職種者一二名の最終的配属先を記載した一二月一二日付け「人事通知」と題する文書を全国の営業所等の管理職あてに配布するとともに、各所属長から各人にそれぞれ最終的配属先を明示した辞令が手渡された。なお、P37は、五〇年四月八日付けで発令された。 ⑱ 会社は、高千穂バロースから借り受けている電算機の返還を組合に妨害されることをおそれ、一一月一八日、高千穂バロースと連名で、大阪地方裁判所に対し電算機等搬出妨害禁止の仮処分を申請した。一二月九日、同裁判所において審尋が行われたが、被保全権利について申請人らが十分な釈明ができなかったため、五〇年一月二〇日 ースと連名で、大阪地方裁判所に対し電算機等搬出妨害禁止の仮処分を申請した。一二月九日、同裁判所において審尋が行われたが、被保全権利について申請人らが十分な釈明ができなかったため、五〇年一月二〇日に再度審尋が行われることになった。ところが、会社は、一二月一六日深夜、トラック四台をもって、これら機械を搬出した。 そして翌日、会社及び高千穂バロースは、前記仮処分申請を取り下げた。 ⑲ 職種特約者八名に対して、一一月二〇日から一二月一二日まで各人それぞれ三回にわたってP19部長の個別面接が行われた。この面接のなかで、P19部長は各人に対して、労働契約で職種を特約しているから、継続勤務を希望するのならその特約職種以外の仕事でも従事するとの意思表示が必要である旨を説明した。これに対してP38(以下「P38」という)は、「パンチャー以外の仕事に配置転換されるのはいやだ」との旨回答し、結局、同人は、一一月三一日付けで退職した。P38を除く七名の者は、EDP課の廃止に反対し、EDP課に勤めたいとの希望を述べていたが、会社は、一二月二三日、同人らに対し具体的配属先を明示した同日付けの辞令を手渡し(P39は同日休んでいたため一二月二四日付けで発令)、各人はこれに基づき各配属先に配置転換された。 ⑳ なお、前記EDP課廃止通告当時における課員の職種、組合役職及び配置転換先等は次表記載のとおりである。 <3488-008><3488-009>● EDP課廃止後、会社は、新たに電算機業務を導入するため、五一年二月ごろからシステムプロジェクトチームを編成し、第一次プロジェクトとして、販売事務及び流通機構に関する新しいシステムの基本設計について検討を行い、引き続き第二次プロジェクトとして、基本設計を実現するための具体的作業を開始し、その後第三次プロジェクトを経て、 クトとして、販売事務及び流通機構に関する新しいシステムの基本設計について検討を行い、引き続き第二次プロジェクトとして、基本設計を実現するための具体的作業を開始し、その後第三次プロジェクトを経て、五二年一一月ごろからIBMと提携して新しい電算機業務を開始した。その新規の電算機業務は、会社の本社及び営業所に端末機を置き、それとIBMにある電算機の本体とをオンラインで直結し、各営業所で端末機を通してインプットした情報をIBMで計算、分析し、そのレポートを本社が取得するという方式で運営されている。 なお、前記外注による電算機業務は、委託後二年足らずで廃止された。 4 五〇年度冬季一時金(1) 五〇年一〇月二五日、組合は、冬季一時金について「基準内賃金(住宅手当を除く)×五ヵ月」等の内容の要求書を会社に提出し、一一月五日を回答日に指定した。 (2) 一一月五日に会社から回答がなかったため、同月七日、組合は、同月一二日に団体交渉を行うよう会社に申し入れた。 (3) 一一月一一日、会社は組合に、「各種資料を検討中なので同月二〇日までに回答する。検討完了後団体交渉を開催する」との旨回答した。 (4) 一方会社は、一一月八日付けの全日シの冬季一時金要求(四・三〇三ヵ月分<六〇一、〇〇〇円>)に対して、その回答指定日である一一月一二日に労使協議会を開き、冬季一時金として三・四ヵ月分を回答した。その後、同月一三日、一四日の両日にわたって交渉が行われ、同月一四日、全日シは、「三・四ヵ月+α」(五一七、九二〇円)という内容で妥結し、協定を締結した。そして、一二月五日、組合員以外の従業員に冬季一時金が支給された。 (5) 一一月一四日、組合は会社に対して、全日シとのみ交渉し有額回答を示したことなどについて抗議するとともに団体交渉を申し入れた。 (6) 一一月一八日 組合員以外の従業員に冬季一時金が支給された。 (5) 一一月一四日、組合は会社に対して、全日シとのみ交渉し有額回答を示したことなどについて抗議するとともに団体交渉を申し入れた。 (6) 一一月一八日、会社は、組合に冬季一時金について「基準内賃金(住宅手当を除く)×三・四ヵ月。ただし、貢献度の高い者については上積み支給する」等を回答した。 なお、上記会社回答中のただし書は、考課査定を行うことにより上積み額を決定するという意味であり、また、前記全日シの妥結内容の「α」も同じ内容である。 会社においては以前、考課査定は行われておらず、この五〇年度冬季一時金のときに初めて導入された。 会社は、上記回答を行うとともに組合に対して、大要次のとおり団体交渉を申し入れた。 「① 日時一一月二二日午前一〇時三〇分より二時間以内② 場所組合より文書による応諾の回答があった後に連絡する。 ③ 出席者双方七名以内」なお、会社が組合に日時、場所、出席者数を指定して団体交渉を申し入れるようになったのはこのときからである。 (7) 一一月二〇日、組合は会社に対して、前記会社回答は新たに査定制度を導入するものであるとして抗議し、更に会社からの団体交渉申入れに対し、「組合に団体交渉権があり会社は団体交渉に応じる義務を有するものである」との旨の抗議を行うとともに、同日午後から本社会議室で団体交渉を行うように申し入れた。 更に引き続き、翌二一日にも組合は団体交渉を申し入れた。 (8) これに対して、会社が何らの回答も示さなかったため、一一月二二日、組合は「本来、労働組合が団体交渉を申し入れるものであり、また、会社の団体交渉の申入れに対してその諾否を回答する必要のないものであるが、今回に限り『応諾』の回答をする」との旨会社に回答した。これを受けて会社は、「本日午前一一 体交渉を申し入れるものであり、また、会社の団体交渉の申入れに対してその諾否を回答する必要のないものであるが、今回に限り『応諾』の回答をする」との旨会社に回答した。これを受けて会社は、「本日午前一一時より二時間以内に限り、淀川産業会館で団体交渉を行う」旨組合に通知した。 同日、淀川産業会館(会社から電車で約三〇分のところにある)において団体交渉が行われたが、会社側は、二時間経過したことを理由に説明途中ではあったが席を立ち団体交渉を打ち切った。また、会社から考課査定の内容についての説明は行われなかった。 なお、会社外で団体交渉が行われたのは組合結成以来初めてのことであった。そして以後、組合が社内で団体交渉を開催するよう要求したにもかかわらず、団体交渉はすべて淀川産業会館で行われた。 (9) 一一月二五日、会社は組合に、前記同月一八日の回答は最終回答であり変更できない旨回答するとともに、上記会社回答による妥結のための団体交渉をしたいとして、その開催を大要次のとおり申し入れた。 「① 日時文書による応諾の回答があり次第直ちに連絡する。 ② 場所追って通知する。 ③ 出席者双方七名以内」(10) 翌二六日、組合は会社に「労働基本権を有する労働組合が会社の団体交渉申入れを応諾しない限り団体交渉を開催しないということは不当労働行為である」旨を文書で抗議するとともに、日時・場所に関して直ちに連絡するよう申し入れた。 これに対して会社は、同日付けの文書で、「組合の申入れは、会社の団体交渉開催申入れを『応諾』しているのか否か不明であるので、簡明に諾否を文書で明確にされたい」旨を組合に申し入れた。これに対して組合は、同日付けの文書で話合いの場を持つためにやむなく応諾する旨を回答した。 (11) 翌二七日、会社は組合に一一月二八日午後二時から一時間以内 で明確にされたい」旨を組合に申し入れた。これに対して組合は、同日付けの文書で話合いの場を持つためにやむなく応諾する旨を回答した。 (11) 翌二七日、会社は組合に一一月二八日午後二時から一時間以内に限り、会社回答による妥結のための団体交渉を行う旨通知した。 (12) 翌二八日、淀川産業会館において団体交渉が行われた。冒頭、組合は会社に、妥結調印する意思はない旨抗議した。その後交渉に入り、会社は組合に会社回答に基づく協定書を手交してその署名・捺印を求めたが、組合は、交渉をして煮詰めたものではないとしてこれを拒否し、結局、何らの進展もみられず団体交渉は一時間行われただけで終了した。 そこで組合は、会社に対して、翌二九日に団体交渉を行うよう申し入れるとともに、同日付けで冬季一時金の上積み、考課査定の禁止などを求めて当委員会にあっせんを申請した。 (13) 翌二九日、会社は、組合に協定書に署名、捺印して返却するよう申し入れたが、組合は、協定書作成のための団体交渉開催について労使間で事前に合意が成立した事実はない旨反論した。 (14) 一二月二日、会社は組合に、「会社回答による妥結調印のための団体交渉を、組合から文書による応諾の回答があり次第、四日以内に開催する」旨を申し入れた。これに対して組合は、同日付け文書で前記(8)記載と同様の態度を表明したうえ、団体交渉に応じる旨会社に通知した。 (15) 翌三日、会社は、当委員会に対して、組合の前記あっせん申請につき、「団体交渉において労使間で妥結調印することの合意ができている」との旨述べて、あっせんに応じることを拒否した。 (16) 一二月五日、組合と会社との間で団体交渉が行われ、その後同月九日、組合は、前記一一月一八日の会社回答と同一内容で妥結調印し、同月一一日、組合員に冬季一時金が支給された。 ( とを拒否した。 (16) 一二月五日、組合と会社との間で団体交渉が行われ、その後同月九日、組合は、前記一一月一八日の会社回答と同一内容で妥結調印し、同月一一日、組合員に冬季一時金が支給された。 (17) なお会社は、この五〇年度冬季一時金交渉において、従前組合に行っていた会社回答の説明もせず、また、組合の要求にもかかわらず従前実施していた経理資料の提出もやめ、更に考課査定の内容も明確にせず、それに関する資料も提出しなかった。 (18) 考課査定の結果、五〇年度冬季一時金の実際の平均支給月数は、組合員の場合は、三・四一ヵ月、全日シ組合員の場合は三・七ヵ月であった。 5 五一年度賃上げ(1) 五一年三月二二日、組合は、賃上げ「基本給×二四%+一万円(一律)+是正」を行うよう要求し、同月二五日を回答日に指定するとともに団体交渉を申し入れた。 (2) しかし、同月二五日に会社から何らの回答もなかったため、組合は、連日にわたって会社に回答を求めるとともに、同月三一日、四月一四日の二回にわたり団体交渉を申し入れた。 (3) 四月一五日、会社は組合に、賃上げについて次のとおり回答した。 ① 賃上げ率五〇年度基本給の平均八・〇%② 賃上げ対象者五一年度賃上げ妥結時在籍者。ただし、雇員・アルバイト・五一年一月一日以降入社した者・稼働率八〇%以下の者を除く(以下、稼働率八〇%以下の者を賃上げ対象者から除外するとの旨の会社回答を「八〇%条項」という)。 (4) 同月二一日、組合と会社との間で賃上げ等について第一回目の団体交渉が二時間行われた。この団体交渉において会社は、上記稼働率算出のための逸失時間(不就労時間をいう)及び対象期間などにつき、おおむね次のとおり説明した。 ① 算出方式(所定労働時間-逸失時間)÷所定労働時間ア所定労働時間とは年間総労働時間 社は、上記稼働率算出のための逸失時間(不就労時間をいう)及び対象期間などにつき、おおむね次のとおり説明した。 ① 算出方式(所定労働時間-逸失時間)÷所定労働時間ア所定労働時間とは年間総労働時間を指す。 イ逸失時間には、遅刻、早退、欠勤、私用外出、年次有給休暇、生理休暇、慶弔、妊婦通院休暇、産前産後休暇、労災休業、労災通院、組合活動及びストライキによるすべての不就労時間が含まれる(なお、実際には前記項目の他に育児時間、育児休職、交通機関の延着による不就労時間も逸失時間に算入された)。 ② 対象期間五〇年一月から一二月までの期間なお、上記団体交渉の席上、総務部長P14(以下「P14部長」という)は、八〇%条項について「会社の状態がこんな具合だから、今年の賃上げについて稼働率八〇%以上の人にはこれからも仕事を一生懸命してもらうために賃上げはするが八〇%以下の人は賃上げはがまんしてもらう」との旨説明した。また会社は、この団体交渉の席上、賃上げは妥結した月より実施する旨(以下、このことを「妥結月払い条項」という)を組合に申し入れた。なお、組合結成以来賃上げは、妥結が四月以降になった場合でも四月に溯って実施されていた。 (5) 翌二二日、組合は、会社に団体交渉を申し入れたが、会社がこれに何らの回答も示さなかったため、四月二四日、組合は、全日シとは交渉を行い(後述)、他方組合には何らの回答も示さない会社の態度に抗議するとともに、団体交渉を時間制限を設けず社内で行うよう要求した。 (6) これに対して会社は、四月二六日、大要下記のとおり賃上げ等に関する団体交渉を組合に申し入れた。 「① 日時四月三〇日午前一〇時より二時間以内② 場所組合の応諾の回答あり次第通知する。 ③ 出席者双方とも五名以内」(7) 四月三〇日、賃上げ等について第二回 体交渉を組合に申し入れた。 「① 日時四月三〇日午前一〇時より二時間以内② 場所組合の応諾の回答あり次第通知する。 ③ 出席者双方とも五名以内」(7) 四月三〇日、賃上げ等について第二回目の団体交渉が行われたが、会社の回答は従前と同一内容で、組合からの資料提出要求も会社が拒否したため、物別れに終った。 なお、会社は、その後も賃上げに関する資料を組合に示さなかった。 (8) 五月四日、組合は、会社に時間制限を設けず本社会議室で団体交渉を行うよう申し入れた。これに対して会社は、同月七日、組合に団体交渉を申し入れ、同月一一日、第三回目の団体交渉が行われた。席上、会社は、一時金として賃上げ一ヵ月相当分を支給する旨回答したが、その他については従前と同様の回答であった。 (9) 五月一八日、会社は、組合に前記四月一五日の会社回答による妥結調印のための団体交渉を開催したいとし、次のとおり申し入れた。 「① 日時五月二〇日午後三時より一時間以内② 場所組合から文書による応諾の回答があり次第追って通知する。 ③ 出席者双方とも五名以内」(10) これに対して組合が、五月二〇日付け文書で拒否したところ、会社は、組合に同日付け文書で「会社は現在の回答を変更する意思はないので、これ以上団体交渉を重ねても無意味である。組合に会社回答で妥結する意向があるなら、妥結のための団体交渉を開催する用意はある」旨を申し入れた。 (11) その後組合は、六月一日、三日、一七日と団体交渉を申し入れたが、会社は組合が会社の前記団体交渉申入れに対し応諾の文書を提出しない限り団体交渉を行わないとの態度を固持し、このため組合は、同月二八日、当委員会に、五一年度賃上げ及び当時未解決であった同年度夏季一時金問題に関し、団体交渉促進を求めるあっせんを申請した。これに対して会 団体交渉を行わないとの態度を固持し、このため組合は、同月二八日、当委員会に、五一年度賃上げ及び当時未解決であった同年度夏季一時金問題に関し、団体交渉促進を求めるあっせんを申請した。これに対して会社は、七月二日、この問題については自主的に交渉する道が開かれているので、当事者間で自主的解決をしたいとして、あっせんに応じることを拒否した。 (12) その後組合は、再三にわたり上記問題について団体交渉を要求したが、会社はこれに応じなかった。しかし、七月末ごろから窓口段階での話合いができる状況となり、八月三日、P14部長ら会社側四名と組合役員との間で賃上げ等について話合いが行われた。その席上会社は、五〇年一月から一二月までの間の稼働率が八〇%以下の者でも五一年一月から三月までの間の稼働率が八〇%以上の者には賃上げを行う旨(以下、この措置を「救済措置」という)を回答し、更に、この救済措置により八〇%条項該当者は組合員中二二名となる旨説明した。 なお、組合は、八〇%条項及び妥結月払い条項について一貫して反対の態度を示していた。 (13) 組合は、後述のとおり既に組合員以外の従業員には賃上げが実施され、かつ、夏季一時金も支給されているにもかかわらず、組合員には実施されていなかったため、組合員の経済的状態がひっ迫していること、また会社は、後記のとおり賃上げを妥結しない限り夏季一時金の回答を行わないとの態度を固執していること、妥結月払い条項の関係上妥結が遅れるほど賃上げ実施時期が遅れることなどの理由から、五一年度賃上げ問題について協定を締結するとの意向を示し、八月六日、会社と組合は賃上げについて下記のとおり協定を締結した。 「① 賃上げ率五〇年度基本給の平均八・八%② 賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇用・アルバイト・五一年一月一日以降入社した者 月六日、会社と組合は賃上げについて下記のとおり協定を締結した。 「① 賃上げ率五〇年度基本給の平均八・八%② 賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇用・アルバイト・五一年一月一日以降入社した者・稼働率八〇%以下の者を除く。 ③ 新賃金は妥結した月より実施する。 ④ 賃上げ対象者に対し、一時金として賃上げの一ヵ月分相当額を五一年八月二五日までに支給する。」なお、稼働率算出の方式及び対象期間は、前記(4)の①、②記載のとおりであった。 しかし組合は、協定締結に際して、「たとえ協定を締結しても、八〇%条項、妥結月払い条項等の問題について引き続き会社の責任を追及していく」旨会社に申し入れた。これに対してP14部長は、「それらについては、この賃上げ問題が終った段階から、またやってもらったら結構だ。組合からまた要求を出してもらったら結構だ」との旨回答した。 (14) 全日シと会社との間の五一年度賃上げに関する交渉経過は、おおむね次のとおりである。 ① 三月二九日全日シ、会社に対して基本給の二二・一%の賃上げを要求四月一日労使協議会開催四月一五日労使協議会開催第一次回答賃上げ基本給の八・〇%四月二四日労使協議会開催第二次回答賃上げ基本給の八・四%四月二五日労使協議会開催四月二六日 〃五月六日 〃五月七日 〃五月八日労使協議会開催第三次回答(家族手当二、〇〇〇円増額)、その後の交渉で第四次回答として〇・三%(定率)を上積み五月九日労使協議会開催①午前一一時~午後〇時進展みられず、②午後二時三〇分~午後三時三〇分進展みられず、③午後四時三〇分~午後六時三〇分定率〇・一%上積み回答その後、全日シ中央委員会において妥結を決議同日全日シと会社妥結調印なお、全日シと会社との間で締結した協定中には、組合と会社との間で 、③午後四時三〇分~午後六時三〇分定率〇・一%上積み回答その後、全日シ中央委員会において妥結を決議同日全日シと会社妥結調印なお、全日シと会社との間で締結した協定中には、組合と会社との間で協定化したと同一内容の八〇%条項及び妥結月払い条項が盛り込まれていた。 ② 上記交渉過程において、全日シは、当初、妥結月払い条項に反対の態度を示していたが、交渉の最終段階において、従来の賃上げ時期である四月から妥結月までの差額分について、一時金として賃上げ相当額を支給することを妥結の条件として会社に要求し、会社もこれを了承して、その旨(賃上げ一ヵ月分相当額の支給)が協定化された。 ③ また会社は、全日シ組合員に賃上げを実施した後である同年六月ごろ、全日シ組合員のうち八〇%条項該当者に対して前記救済措置を適用した。 (15) 守る会の会員及び非組合員については、全日シとの協定と同一内容により五月度賃金から賃上げが実施された。 6 五一年度夏季一時金(1) 五一年六月七日、組合は会社に、①夏季一時金として「現行基準内賃金(住宅手当を除く)×三・八ヵ月+一律一二、〇〇〇円」を支給すること、②査定は絶対しないこと等を要求するとともに、同月一二日にこの要求について本社会議室で団体交渉を行うよう申し入れた。 (2) 六月一二日、会社は組合に、「賃上げに関し妥結・調印がなされた後直ちに夏季一時金について回答及び団体交渉を行う」旨回答した。 (3) その後組合は、六月一七日、一八日と会社に団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じなかった。このため、前記5の(11)記載のとおり、同月二八日組合は、当委員会にあっせん申請をしたが、七月二日、会社はあっせんに応じることを拒否した。 (4) この間会社は、全日シと夏季一時金に関する交渉を行い、当初「二・四ヵ月分。ただし、 おり、同月二八日組合は、当委員会にあっせん申請をしたが、七月二日、会社はあっせんに応じることを拒否した。 (4) この間会社は、全日シと夏季一時金に関する交渉を行い、当初「二・四ヵ月分。ただし、考課査定を行う」旨回答していたが、六月一六日の交渉で、「二・八ヵ月分。ただし、考課査定分を含む」旨回答した。その後、六月一七日、一八日、一九日と連日にわたって交渉が行われた結果、同月二五日、全日シと会社との間で、「二・四ヵ月分。ただし考課査定を行う」旨の協定が調印された。 なお、上記回答中の「考課査定を行う」というのは、考課査定を実施して上積み支給額を決定するという内容であり、いわゆるプラスアルファーのことを意味していた。 七月九日、全日シ組合員に夏季一時金が支給された。同組合員に対する実際の平均支給月数は、考課査定の結果、二・八ヵ月であった。 (5) 組合は、七月七日及び同月三一日、会社に団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じなかった。 (6) 前記5の(13)記載のとおり、八月六日、賃上げについて組合と会社との間に協定が締結されたが、その後会社は、組合に夏季一時金について「基準内賃金(住宅手当を除く)×二・四ヵ月分。ただし、考課査定を行う」等を回答した。 なお、この回答中の「考課査定を行う」というのは前記(4)記載の場合と同一内容のことを意味していた。 (7) 八月二〇日、組合は、会社に対して「この妥結調印が争議の全面的解決になり得るものでなく、今後に問題を残すものであって、協定の成立によって会社の違法行為、差別の事実を認めるものではない」との旨を通告し、前記会社回答と同一内容で協定を締結した。 (8) なお、組合と会社との間で団体交渉が一度も行われないで夏季一時金について協定が締結されたのは、組合結成以来初めてのことであった。 (9) を通告し、前記会社回答と同一内容で協定を締結した。 (8) なお、組合と会社との間で団体交渉が一度も行われないで夏季一時金について協定が締結されたのは、組合結成以来初めてのことであった。 (9) 九月二日、組合員に夏季一時金が支給されたが、実際の平均支給月数は、考課査定の結果、二・四二四ヵ月であった。 7 五一年度冬季一時金(1) 五一年一一月一日、組合は、会社に冬季一時金として「現行基準内賃金(住宅手当を除く)の四・五ヵ月。査定は絶対しないこと」等を要求するとともに、同月八日を回答日に指定し文書回答を求めた。 また、全日シも同日付けで冬季一時金に関する要求書を提出し、組合と同じく同月八日を回答日に指定した。 (2) 一一月八日、会社は、組合の上記要求に対して、「検討中で未だ回答できる段階にない。検討が済み次第早急に回答する」旨回答した。 (3) 一一月一六日、会社は、全日シに対して有額回答を行い、その翌一七日、組合に対して「従業員平均一人当り基準内賃金(住宅手当を除く)の三・四ヵ月。 ただし、考課査定を行う。支給日は妥結後二〇日以内とする」等を回答した。なお、回答中の「考課査定を行う」というのは、前記6の(4)記載と同一内容のことを意味していた。 (4) その後組合は、一一月一八日、一九日、二二日、二六日、二七日と五回にわたって会社に団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じず、逆に同月二七日、組合に対し、冬季一時金について下記のとおり団体交渉を申し入れた。 「① 日時一二月二日午後三時より二時間以内② 場所組合の文書による応諾の回答があり次第、追って通知する。 ③ 出席者双方とも五名以内」(5) 一一月二九日、全日シは、冬季一時金について下記のとおり妥結した。 ① 支給月数五一年一一月度基準内賃金(住宅手当を除く)の三・四ヵ月。た 第、追って通知する。 ③ 出席者双方とも五名以内」(5) 一一月二九日、全日シは、冬季一時金について下記のとおり妥結した。 ① 支給月数五一年一一月度基準内賃金(住宅手当を除く)の三・四ヵ月。ただし、考課査定を行う。 ② 五一年四月一日以降入社した者については三・〇ヵ月を限度として勤務期間に応じて支給する。ただし、考課査定を行う。 ③ 対象者五一年一一月二一日以降入社した者を除く冬季一時金支給日在籍正社員④ 支給日五一年一二月一〇日までに支給する。 (6) 一一月三〇日、組合は、会社からの前記団体交渉申入れに対して、文書で応諾の旨を通知し、一二月二日団体交渉が行われた。席上、組合は、会社の経理内容等に関する概略的な説明に対して質問をしたが、会社はこれに一切答えず、また、組合の資料提出要求にも応じず、団体交渉は二時間で物別れに終った。 (7) 一二月三日、組合は、会社回答の支給日が妥結後二〇日以内となっていること等を考慮し、年内に冬季一時金の支給を受けるためやむなく、同日付けで妥結し、前記全日シの場合と同一内容の協定を締結した。 (8) 一二月一〇日、組合員及び全日シ組合員に、それぞれ「三・四ヵ月。ただし考課査定を行う」との協定に基づいて、冬季一時金が支給されたが、上積みについての考課査定の結果により、実際の平均支給月数は、組合員の場合三・四四七ヵ月、全日シ組合員の場合三・七ヵ月であった。 8 五二年度賃上げ(1) 五二年三月八日、組合は、賃上げに関する下記内容の要求書を会社に提出した。 ① 賃上げ(四月一日より、基本給×一二・七九%+一万円<一律>+是正)を行うこと② 五一年度賃上げにおける三ヵ月分の未払い賃金を支給すること③ 五一年度賃上げがゼロの者に対し、同年四月一日に溯って賃上げし、かつ、夏・冬季一時金の差額を支給すること <一律>+是正)を行うこと② 五一年度賃上げにおける三ヵ月分の未払い賃金を支給すること③ 五一年度賃上げがゼロの者に対し、同年四月一日に溯って賃上げし、かつ、夏・冬季一時金の差額を支給すること。なお、五二年度賃上げに当たっては、上記のとおり賃上げした後の基本給を算定基礎額とすること④ 稼働率による支給制限、職務給・職能給の導入、日給月給制の導入など賃金体系の改悪や査定導入は一切行わないこと⑤ 以上の要求について、三月一五日午前中に文書回答をすることなお、八〇%条項該当組合員は、同日付けで、五一年度賃上げ分の支払を求める訴えを大阪地方裁判所に提訴した。 (2) 三月一〇日、組合は会社に対して「五一年度賃上げにおける八〇%条項の件、同三ヵ月分未払の件」を議題とする団体交渉を申し入れ、同時に、「春闘の組合要求の説明」等を議題とする労使協議会の開催を申し入れた。 (3) 三月一七日、会社は、上記組合の団体交渉の申入れに対して、議題の趣旨等が不明なので組合がその内容を具体的に明らかにした後に改めて回答する旨通知するとともに、上記組合の労使協議会の開催申入れに対する回答として、組合に下記のとおり「賃上げ要求事項の趣旨説明」を議題とする団体交渉の開催を申し入れた。 「① 日時三月二六日午後三時より一時間以内② 場所組合からの文書による応諾の回答があり次第、追って通知する。 ③ 出席者会社側四名以内組合側組合の三月一〇日付け労使協議会開催申入れ中の組合側出席者(組合三役四名)に同意する。」なお、その後、八〇%条項問題について労使間で文書のやりとりがあり、その中で会社は、既に解決済みの問題なので団体交渉には応じないとの態度を示し、八〇%条項問題について団体交渉は行われなかった。 (4) 三月二二日、組合は、会社に文書で上記団体交渉申 やりとりがあり、その中で会社は、既に解決済みの問題なので団体交渉には応じないとの態度を示し、八〇%条項問題について団体交渉は行われなかった。 (4) 三月二二日、組合は、会社に文書で上記団体交渉申入れについて応諾する旨通知した。以後妥結に至るまで、団体交渉はすべて会社の申入れに対して組合が文書で応諾してはじめて開催されるという形態で行われた。 (5) 三月二五日、会社は、組合に賃上げについて「検討がすみ次第回答する」旨通知するとともに、翌二六日に淀川産業会館において前記三月一七日付け申入れのとおり団体交渉を行う旨通知した。 (6) 三月二六日、第一回目の団体交渉が行われたが、組合が春闘の基本的な考え方及び要求事項の趣旨説明を行っただけで一時間経過し、会社側は退席した。 (7) 四月一一日、組合は、会社に対して、有額回答を示し、かつ、即刻団体交渉を行うよう申し入れたが、会社はこれに応じなかった。他方会社は、同月一三日に全日シ及び守る会に対して有額回答を示した。 その後組合は、会社に同月一四日、一八日、一九日の三回にわたり上記と同趣旨の申入れを行い、その間、同月一五日、一八日、一九日と抗議のため一時間ないし一時間五〇分の時限ストライキを行った。 (8) 四月二〇日、会社は、組合に賃上げについて下記のとおり回答した。 「ア賃上げ率五一年度基本給の平均八・八%イ賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇員・アルバイト・五二年一月一日以降入社した者・稼働率八〇%以下の者を除く。 ウ前記三月八日付け組合要求②(五一年度賃上げにおける三ヵ月分の支払い)、③(稼働率八〇%以下の者に対する五一年度賃上げの実施等)については、すべて解決済みである。夏・冬季一時金は、五一年一二月三日付け協定をもって解決済みである。 エ前記三月八日付け組合要求④(稼働率によ 稼働率八〇%以下の者に対する五一年度賃上げの実施等)については、すべて解決済みである。夏・冬季一時金は、五一年一二月三日付け協定をもって解決済みである。 エ前記三月八日付け組合要求④(稼働率による支給制限、職務給・職能給の導入等について反対)について応じられない。また、五一年八月六日付け協定で解決済みである。」なお同日、会社は、組合に、賃上げ等について、「四月二五日午後一時から二時間以内に限り、双方四名以内の出席者で、組合の文書による応諾の回答があり次第、場所を通知する」旨を記載して、団体交渉を申し入れた。 (9) 四月二五日、第二回目の団体交渉が午後一時から同三時まで行われたが、会社側は、経営状態及び前記賃上げ回答の説明を行っただけで、組合の質問中であったが時間の経過を理由に退席した。 なお、この団体交渉において会社は、八〇%条項について次のとおり説明した。 ① 八〇%条項の計算期間五一年一月一日から同年一二月三一日まで② 八〇%条項の計算方法前年度の場合と同様、就業しなかったすべての時間(実際に仕事をしていない時間)を非稼働時間として計算する。 ③ 八〇%条項該当者全社三五名、そのうち組合員二五名(10) 翌二六日、組合は、会社回答を不満として、一時間の時限ストライキを行った。 (11) 五月六日、組合は、会社に団体交渉を申し入れた。これに対して会社は、同月一〇日、組合に「五月一四日午後一時より従来どおり二時間以内に限り、双方四名以内の出席者のもとで、組合の文書による応諾の回答があり次第、場所を通知する」旨を記載して、団体交渉を申し入れた。 (12) 五月一四日、第三回目の団体交渉が行われ、席上会社は、賃上げの上積み要求を拒否するとともに、八〇%条項、妥結月払い条項を変更する意思はない旨回答し、結局、団体交渉は物別れに終っ し入れた。 (12) 五月一四日、第三回目の団体交渉が行われ、席上会社は、賃上げの上積み要求を拒否するとともに、八〇%条項、妥結月払い条項を変更する意思はない旨回答し、結局、団体交渉は物別れに終った。 (13) 組合は、五二年春闘以前から全日シに情報交換及び賃上げ等に関する共闘体制の確立などを申し入れていた。これに対して全日シは、前記四月一三日の会社回答に対する上積み交渉の中で全日シ単独で交渉することが困難になった状況が生まれたと判断し、四月中旬、組合に情報交換を申し入れ、その後組合と全日シ間で賃上げ問題等に関する共闘体制の話合いが進められ、五月一六日、最終的に、①低額回答を打破し、上積みを図る、②八〇%条項及び妥結月払い条項の撤廃、③P14体制の打破という三点で合意に達し、共闘体制が確立した。 (14) 組合は、五月一八日、会社に団体交渉を申し入れるとともに抗議のための一時間の時限ストライキを行い、更に、同月二〇日、会社に団体交渉を申し入れた。 (15) 組合及び全日シは、会社の賃上げ回答額、八〇%条項、妥結月払い条項などに反対して、五月二七日午後三時一〇分から同五時まで、約五二〇名の参加のもとに全国いっせいストライキを実施した。 (16) 五月二八日午後一時から同三時まで四回目の団体交渉が行われたが、進展はみられなかった。 (17) 五月三〇日、組合は、会社に団体交渉を申し入れたが、会社はこれに何らの回答もしなかったため、六月八日、組合は更に団体交渉を申し入れた。 (18) 六月一〇日、会社は、各営業所の従業員(ほとんどが全日シ組合員)に対して、「闘争がこれ以上拡大されれば、会社と従業員の将来が危くなるばかりか、現在行っている回答も維持できなくなる状態に追い込まれます。このような結果を避けて、早急に事態の解決を図るため、会社提案により本 、「闘争がこれ以上拡大されれば、会社と従業員の将来が危くなるばかりか、現在行っている回答も維持できなくなる状態に追い込まれます。このような結果を避けて、早急に事態の解決を図るため、会社提案により本年度賃上げ問題の解決を進めていただくよう御協力をお願いします」との旨記載した「従業員の皆様へ」と題する社長名の文書を会社回答と同封して郵送した。 (19) 六月一一日及び一四日、組合は、一時間から一時間三〇分程の時限ストライキを行った。 六月一四日、会社は、組合の前記五月三〇日付け及び六月八日付けの団体交渉申入れに対して、「①日時六月一七日午前二時より一時間以内、②出席者双方四名以内、③場所組合から文書による応諾の回答があり次第連絡する」との内容で団体交渉を開催したい旨組合に申し入れた。 (20) 六月一六日、組合は、一時間一〇分の時限ストライキを行った。 (21) 翌一七日、午後二時から午後三時まで5回目の団体交渉が行われたが、進展はみられなかった。 (22) 六月二〇日、会社は、組合に対して、賃上げに関する最終回答として次のとおり回答した。 「① 賃上げ率五一年度基本給の平均一〇%② 賃上げ対象者妥結時在籍者。ただし、雇員・アルバイト・五二年一月一日以降入社した者・稼働率八〇%以下の者を除く。 ③ 新賃金は妥結の月より適用する。 ④ 賃上げ対象者に対し、一時金として賃上げ相当額の二ヵ月分を妥結の日より一ヵ月以内に支給する。」会社は、上記回答を行うと同時に、組合に対し、上記会社回答について日時を六月二二日午後二時より一時間以内と指定した従前と同じ形式で団体交渉を申し入れた。 (23) その後、六月二二日に六回目の団体交渉が行われたが、妥結に至らず、結局、同月三〇日に行われた七回目の団体交渉の結果、会社と組合の間で賃上げについて前記 と同じ形式で団体交渉を申し入れた。 (23) その後、六月二二日に六回目の団体交渉が行われたが、妥結に至らず、結局、同月三〇日に行われた七回目の団体交渉の結果、会社と組合の間で賃上げについて前記六月二〇日の会社回答と同一内容の協定が締結された。 なお、同日、組合は、協定締結に際し、「現時点での経済的困窮、団結維持、既に六月も終りであることなどの諸般の事情を勘案し、やむなく妥結するものであるが、組合は団体交渉で明らかにしているとおり本協定の違憲、違法の内容については今後ともその違憲、違法性を追求することを改めて表明する」旨の文書を会社に手渡し、会社はこの文書の受理後、協定書に調印した。 また、妥結調印の際会社は、救済措置として五二年一月から五月までの期間に稼働率が八〇%を越えている者は賃上げを行う旨を明らかにし、この結果、八〇%条項該当者は組合員中一二名である旨説明した。 (24) 前記のとおり、五二年度賃上げ問題等について七回団体交渉が行われたが、会社は、組合が要求した八〇%条項の具体的な内容及び適用状況等についての資料の提出を拒否したため、組合員は実際に賃金を受け取るまで、賃上げ対象者がだれであるか分からなかった。 (25) なお、会社は、団体交渉の中で、五一年度は逸失時間から除外していた団体交渉に出席した時間も、五二年度は算出する旨を明らかにし、組合員にはこのとおり実施された。しかし、会社は、全日シとの交渉は、団体交渉ではなく労使協議会であるとして、全日シ組合員にはそれへの出席時間を不就労時間に算入しなかった。 (26) また、全日シは、五二年度賃上げについて、六月に妥結調印した。なお、全日シと会社との間で締結した協定中には、組合と会社との間で協定化したと同一内容の八〇%条項、妥結月払い条項及び臨時一時金(賃上げ二ヵ月相当分)の 五二年度賃上げについて、六月に妥結調印した。なお、全日シと会社との間で締結した協定中には、組合と会社との間で協定化したと同一内容の八〇%条項、妥結月払い条項及び臨時一時金(賃上げ二ヵ月相当分)の支給が盛り込まれていた。 9 八〇%条項の適用状況等(1) 組合及び全日シの男女構成比(五一年現在)組合女性五〇%強全日シ女性三〇~三五%(2) 労災認定患者(五一年現在)組合二〇名弱全日シゼロ(3) 八〇%条項該当者<3488-010>(4) 五一年度賃上げ時において、P40(五一年四、五月ごろに組合を脱退)は、救済措置対象期間を含め稼働率八〇%以下であったが賃上げが実施された。 (5) 五二年度賃上げ時において、非組合員P41は、救済措置対象期間を含め稼働率が八〇%以下であったのに、賃上げが行われた。 (6) 非組合員P42は、育児時間を行使したため稼働率が八〇%以下であったが、五二年度の賃上げが行われた。 (7) なお、四六年一二月、会社と組合との間で、妊婦通院休暇について協定が締結され、月一日の休暇が認められ、更に四七年一二月、異常妊娠で医師が必要と認めたとき二日の休暇が認められることになった。 10 チェック・オフ(1) 会社においては、四六年から労働組合費、労働金庫積立金等について毎月チェック・オフが行われていたが、四七年に至って、それを明確にするため組合と会社との間で賃金控除に関する協定が締結され、その後、五〇年三月一七日、上記四七年の協定と同一内容の協定書が作成された。そして、四六年から五二年二月に至るまで、会社は、臨時組合費を含めチェック・オフを実施してきた。 (2) 五二年三月八日、組合が会社に対して、二月二八日現在在籍組合員に対する三月度賃金からのチェック・オフを依頼したところ、会社は、三月二三日付け文書で 組合費を含めチェック・オフを実施してきた。 (2) 五二年三月八日、組合が会社に対して、二月二八日現在在籍組合員に対する三月度賃金からのチェック・オフを依頼したところ、会社は、三月二三日付け文書で、対象者である現在の在籍組合員が明確でないとして名簿の提出を申し入れた。 (3) 四月一日、組合は、会社に在籍組合員名簿を提出し、従来どおりのチェック・オフを実施するように申し入れた。これに対して、会社は、同月一一日、組合に「従来どおりのチェック・オフを行う根拠が不明なので、その根拠を文書で明らかにするように」との旨申し入れた。 (4) 四月二〇日、会社は組合に、会社が要求している上記文書がその週中に提出されない場合は、四月分のチェック・オフはできない旨申し入れた。 (5) 五月一〇日、組合は、会社に対して、三月分、四月分のチェック・オフを実施しなかったことについて抗議するとともに、前記協定に基づき五月度賃金から労働組合費、労働金庫積立後のチェック・オフを実施するよう依頼した。 (6) 五月一七日、会社は組合に対して、前記会社からの申入れ文書が未だ提出されないとして、組合の申入れを拒否するとともに、翌一八日までに文書の提出がない場合には五月度のチェック・オフも実施できない旨申し入れた。 (7) 以上の経過により会社は、三月分、四月分、五月分の各賃金から、毎月の定期組合費、臨時組合費及び労働金庫積立金のチェック・オフを実施しなかった。 (8) そこで六月一〇日、組合は会社に、「五〇年三月一七日付け賃金控除に関する協定に基づき六月度賃金よりチェック・オフを依頼する」旨の文書を提出した。 (9) これに対して会社は、六月二五日、「同月一〇日付け文書をもって明確な依頼があったので、同月度賃金よりチェック・オフを実施する」旨回答し、同月度賃金から定期組合費、労 」旨の文書を提出した。 (9) これに対して会社は、六月二五日、「同月一〇日付け文書をもって明確な依頼があったので、同月度賃金よりチェック・オフを実施する」旨回答し、同月度賃金から定期組合費、労働金庫積立金に関するチェック・オフを再開したが、臨時組合費のチェック・オフは依然として実施しなかった。 (10) その後毎月、組合は、会社に、定期組合費、臨時組合費などのチェック・オフを依頼したが、会社は、臨時組合費についてのチェック・オフを実施しなかった。 (11) 会社は組合に対し、臨時組合費をチェック・オフしない理由として、一〇月二九日付け文書で「臨時組合費のチェック・オフに関しては現在労使間に合意がなく協定化されていないので、五〇年三月一七日付け協定以外の項目についてチェック・オフはできない」旨回答した。 (12) 組合においては、臨時組合費の徴収は、大会に次ぐ決議機関である職場委員会の決定によって行われている。 (13) 四六年から五二年二月に至るまで、前記賃金控除に関する協定中の「労働組合費」の中に毎月の定期組合費と臨時組合費を含むということについて労使間に争いはなく、かつ、前記期間中、会社は、給与明細所に「組合費」と「組合費(臨時)」という欄を設け、定期組合費及び臨時組合費のチェック・オフを実施してきた。 また当時、五二年度賃上げ交渉中であったことから、臨時組合費の徴収は、毎月必要であった。 第2 判断 1 EDP課の廃止問題(1) 当事者の主張要旨① 組合は、会社が何らの合理的理由もなく、かつ組合との協議も行わず、一方的にEDP課の廃止を強行し、更に組合との団体交渉を拒否して課員の配置転換を強行したことは、EDP課が組合の拠点となっていたことからして、明らかに組合つぶしをねらって行われた不当労働行為であると主張する。 ② 会社 止を強行し、更に組合との団体交渉を拒否して課員の配置転換を強行したことは、EDP課が組合の拠点となっていたことからして、明らかに組合つぶしをねらって行われた不当労働行為であると主張する。 ② 会社は、(ア)課の廃止や業務の廃止自体は経営者が独自に判断すべきものであって、法律上特別の規定のある場合を除き権力機関(労働委員会を含む)が介入することはその権限の範囲を逸脱するものであり、労働委員会が課の廃止や業務の廃止の当否を判断することはそれ自体違法である、(イ)EDP課の廃止に伴う配置転換は、組合及び課員にその希望を十分に聞き、その意に反しないことを確認して命じたものであり、この配置転換命令にはいかなる瑕疵も存在しないと主張する。 (2) 不当労働行為の成否① まず、会社は、労働委員会が課や業務の廃止の当否を判断することはそれ自体違法であると主張するが、現行法制度上、労働委員会は、不当労働行為救済申立事件について審査を行い、命令を発する権限を有する。したがって、労働委員会が、組合からの課や業務の廃止及びこれに関連する使用者の行為が不当労働行為に該当するとの救済申立てに対して、申立てに係る事実が不当労働行為に該当するか否かの審査を行い、かつ、その当否を判定し得ることは労働委員会の当然の権能に属する事柄である。よって、会社の主張(ア)は失当であり、採用できない。 ② そこで、本件不当労働行為の成否を検討するに当たり、まずEDP課を廃止した経緯についてみる。 会社は、前記認定3の(2)の①記載のとおり、EDP課を廃止する理由として、(ア)長期にわたるストライキやけんしょう炎と称しての異常な低就業率によりアウトプットが遅れたこと、(イ)EDP課の運営費用が巨額となり、会社の経済的負担の限界をはるかに超えており、経費の節減を図る必要があることを挙げ トライキやけんしょう炎と称しての異常な低就業率によりアウトプットが遅れたこと、(イ)EDP課の運営費用が巨額となり、会社の経済的負担の限界をはるかに超えており、経費の節減を図る必要があることを挙げている。そこで、この各理由について検討すると、まず業務が遅延していたとの点については、確かに、四九年三月ごろには営業会計事務システム及び第一次販売統計システムにおいて、パンチ業務が三ヵ月遅れていたことは事実であるが、その直後いわゆるマスター・メンテナンス方式が採り入れられた結果、EDP課廃止通告時点では既にその遅延が解消されていたと認められる。次に、EDP課の運営に過大な費用を要したとの点については、確かに、前記認定のとおり、外注経費は、EDP課の運営経費の三分の一程度であって、外注による方が経費節減になることは理解し得る。しかし、EDP課のシステムと外注システムとではその業務の内容及び規模を異にするものであると認められ、更に会社は、経費節減になる外注システムを二年足らずでやめて、新たにIBMと提携して電算機業務を稼働させており、それの準備及び運営に要した費用は、本件審問の全趣旨からして、EDP課の運営経費と同程度ないしはそれ以上の費用を要したものと推認される。 以上のことから考えると、EDP課廃止についての会社の挙げる理由は、合理性を欠くものといわざるを得ない。 ③ そこで、次にEDP課を廃止した会社の真意を検討する。前記認定のとおり、(ア)EDP課の廃止通告がなされるまで、課員の中から多数の組合役員が選出され、副委員長などの重要な役職に就く者が多く、かつ課員のほとんどの者が執行委員、職場委員などの経験を持ち、それぞれ青年対策部、婦人対策部などの専門部に属し、積極的に組合活動を行っていたこと、(イ)守る会結成時において、課員のなかで組合を く、かつ課員のほとんどの者が執行委員、職場委員などの経験を持ち、それぞれ青年対策部、婦人対策部などの専門部に属し、積極的に組合活動を行っていたこと、(イ)守る会結成時において、課員のなかで組合を脱退した者がいなかったこと、(ウ)EDP課の廃止についての課員に対する説明会において、P3部長が「ストライキがあったら仕事がとまるということでは困る。したがって、課員が組合員ばかりでは困る」との旨発言していること、(エ)団体交渉の席上、P2副社長が「EDP課を廃止した基準のひとつに課員が全員組合員であり、EDP課が組合の拠点となっていることが挙げられる。会社としては電算機の必要なことは十分承知しているので、二、三年後に計画と準備を整え、経営上役に立つようにしてからまた使う。その場合は社長の直轄とし、非組合員のみで構成する」との旨発言していること、(オ)更に会社は、高千穂バロースとの契約解約申入れ時期を迎え、TCCと接触し外注準備に取りかかるとともに、かかる準備作業を組合及び課員に知らせることなく、かつ知られることを避けて、深夜にマスターテープなどのコピーを行い、周到な準備活動を経てEDP課を廃止しても業務に支障が生じない体制をつくり上げたのち、突然EDP課の廃止通告を行ったものであること、(カ)会社は、外注システムを発足させた後しばらくして新たな電算機業務の導入のため、システムプロジェクトチームを編成し、種々の検討を行った後、IBMと提携して新規に電算機業務を稼働させ、外注システムを二年足らずで廃止したことなどの諸事情を総合して考えると、会社のEDP課を廃止した真意は、会社の中枢機構に属するEDP課が組合の拠点となっていることを好まない会社が、組合を壊滅ないし弱体化する意図をもって、EDP課を廃止し、組合員を電算機業務から排除するにあったもの を廃止した真意は、会社の中枢機構に属するEDP課が組合の拠点となっていることを好まない会社が、組合を壊滅ないし弱体化する意図をもって、EDP課を廃止し、組合員を電算機業務から排除するにあったものと判断せざるを得ない。したがって、かかる会社の行為は、労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行為といわざるを得ない。 ④ 次に、EDP課の廃止に伴う本件配置転換は、前記判断のとおり、EDP課の廃止そのものが不当労働行為である以上、EDP課の廃止を理由とする本件配置転換もまた労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であると判断せざるを得ない。 2 団体交渉(1) 当事者の主張要旨① 組合は、会社は組合の団体交渉申入れに対して何ら応諾することなく、逆に組合に日時、交渉時間、場所、出席人員、議題を指定して団体交渉を申し入れ、この申入れに組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度をとっており、組合はやむを得ず会社の申入れに応じているが、かかる会社の態度は、実質的な団体交渉拒否であると主張する。 ② 会社は、組合との間で、団体交渉の日時、交渉時間、場所、出席人員、議題についてあらかじめ書面によって明確に合意する慣行が確立しており、その合意に基づき合意どおりの団体交渉が数多く持たれているのであって、団体交渉を拒否した事実はないと主張する。 (2) 不当労働行為の成否① まず、組合からの団体交渉申入れに対する会社の対応ないし団体交渉に関する会社の基本的姿勢についてみる。前記認定のとおり、会社は、五〇年度冬季一時金、五一年度賃上げ、同年度冬季一時金及び五二年度賃上げの各交渉において、一貫して、組合からの団体交渉申入れに応じないか、あるいは、それに対する回答として、会社から組合に対して、日時、交渉時間(おおむね一時間から二時間以内 冬季一時金及び五二年度賃上げの各交渉において、一貫して、組合からの団体交渉申入れに応じないか、あるいは、それに対する回答として、会社から組合に対して、日時、交渉時間(おおむね一時間から二時間以内)、出席人員(五〇年度冬季一時金交渉では双方七名以内、五一年度賃上げ交渉時に至り双方五名以内、その後五二年度賃上げ交渉時では双方四名以内)を指定ないし制限し、かつ、会社の申入れに対し組合から応諾する旨の文書回答があり次第場所を通知する旨を附記して(場所はすべての団体交渉において淀川産業会館と指定された)、団体交渉を申し入れ、組合がこの会社の申入れに応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度を固執している。 会社は、組合がこの会社の申入れについて応諾し、その合意に基づいて団体交渉が行われているのであるから、何ら不当労働行為の問題は生じないと主張するが、前記認定のとおり、組合は、会社に対して、再三にわたって交渉時間、出席人員等を制限することなく会社内で団体交渉を行うことを申し入れているのに会社がこの申入れに応じなかったところからやむなく組合は会社の申入れを応諾したものと判断するのが相当であり、双方自由な立場で十分議論した結果、団体交渉条件について合意は成立したものとする会社の上記主張は失当であり、採用できない。 ② そこで、会社において前記のような団体交渉条件を設けなければならない特別な事情が存したか否かについて検討する。 (ア) 団体交渉時間について団体交渉は、いうまでもなく、それぞれの交渉事項について、労使双方が誠意をもって話し合い、問題の平和的解決に向けて努力をする場であるから、交渉事項の難易度、その性質、交渉の進展状況等諸般の事情に応じて、労使双方が誠意をもって話合いができ得る時間が保障されることが要請される。そして、使用者が団体交渉時間 向けて努力をする場であるから、交渉事項の難易度、その性質、交渉の進展状況等諸般の事情に応じて、労使双方が誠意をもって話合いができ得る時間が保障されることが要請される。そして、使用者が団体交渉時間を限定するにはそれを正当とし得る合理的な事情の存することが必要である。 しかし、本件の場合会社は、この点について何らの疎明もせず、かつ、本件審問の全趣旨に徴しても、常に団体交渉時間を一時間ないし二時間以内に限定しなければならなかった特別の事情が存したとは考えられない。 (イ) 出席人員について団体交渉の出席人員を労使双方何名とするかは、当事者間で自主的に決定すべき性質の事柄であり、またその人員を制限する場合も、交渉課題の内容、性質に応じて、誠意をもって話合いができ得るに相当な合理的範囲内であることが要求される。 会社は、前記のとおり、当初は双方七名以内とし、その後双方五名以内、更には四名以内と順次その制限を強化していったのであるが、それらの人員数並びに人員数を順次減少させたことについて合理的事情が存したとの主張及び疎明はなく、かつ、前記認定のとおり、五〇年度冬季一時金交渉以前においては、とくに人数制限を設けることなく団体交渉が行われていたのであるから、会社においては、人数を制限しなければならない特段の事情が存したものとは考えられない。 (ウ) 団体交渉場所会社は、前記認定のとおり、五〇年度冬季一時金交渉以降、団体交渉の場所をすべて淀川産業会館と指定し、同所で団体交渉が行われたのであるが、会社内で団体交渉が行えない特別の事情があるとの主張及び疎明はなく、かつ、五〇年度冬季一時金交渉以前は会社内で団体交渉が行われていたのであるから、会社外で団体交渉を行わなければならない特段の事情が存したものとは考えられない。 以上要するに、前記のような団体 はなく、かつ、五〇年度冬季一時金交渉以前は会社内で団体交渉が行われていたのであるから、会社外で団体交渉を行わなければならない特段の事情が存したものとは考えられない。 以上要するに、前記のような団体交渉の諸条件を設けなければならない特段の事情は存せず、会社の団体交渉に関するかかる行為は、組合の団体交渉権の行使を著しく制限するものといわざるを得ない。 ③ 次に、団体交渉における会社の態度ないし姿勢についてみる。前記認定のとおり、会社は、(ア)五〇年度冬季一時金交渉において、新たに査定制度を導入するに当り、組合の要求にもかかわらず、その考課査定の内容及びその関係資料を組合に明らかにせず、更に五一年度夏・冬季一時金における考課査定についてもその資料を提出しなかったこと、(イ)五一年度賃上げ交渉において、新たに八〇%条項を導入するに当り、組合の要求にもかかわらず、その具体的資料を組合に提出せず、更に、五二年度賃上げ交渉においてもかかる資料を提出しなかったこと、(ウ)五〇年度冬季一時金及び五一年度賃上げの各交渉において、団体交渉の議題を一方的に「妥結」又は「妥結調印」のためと指定したこと、(エ)五〇年度冬季一時金及び五二年度賃上げに関する団体交渉において時間が経過したことを理由に交渉の途中で退席したこと、などの諸事実からみて、会社は、組合員の労働条件に関する重要な問題について、五〇年度冬季一時金、五一年度賃上げ、同年度冬季一時金及び五二年度賃上げの各交渉において誠意をもって団体交渉に臨んだものとは到底いえない。 ④ 以上のことにより、団体交渉に関する会社のこれら一連の行為は、労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為である。 3 五〇年度冬季一時金、五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金(1) 当事者の主張要旨① 組合は、(ア)会社は、本件各一 これら一連の行為は、労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為である。 3 五〇年度冬季一時金、五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金(1) 当事者の主張要旨① 組合は、(ア)会社は、本件各一時金について組合員を全日シ組合員と比べ、その支給額を低くしているが、かかる会社の行為は、考課査定において組合員を不利益に取り扱い、もって組合の弱体化を図るためになされたものである。(イ)五〇年度冬季一時金についての不利益取扱いは、「差別査定による組合の弱体化という不当労働行為意思に基づき、半年ごとに繰り返される差別査定という同種の行為が反復継続して行われた結果である」から、労働組合法第二七条第二項に規定する「継続する行為」に該当し、当然に救済の対象となると主張する。 ② 会社は、(ア)五〇年度冬季一時金に関する組合の申立ては、行為の日から一年を経過しているから、却下されるべきである、(イ)五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金については、組合と十分な団体交渉を行った結果、協定が締結されたものであり、その内容も全日シと全く同様である、(ウ)考課査定は、業務達成に貢献した従業員を正しく処遇し、従業員間の公平を図るために不可欠のものであり、その基準は組合に十分説明していると主張する。 (2) 不当労働行為の成否① 本件五〇年度冬季一時金に関する救済申立ては、五二年六月九日に行われており、事件発生後一年以上経過していることは明らかである。組合は、この点について、本件五〇年度冬季一時金に関する不利益取扱いは、いわゆる「継続する行為」に該当すると主張するが、考課査定に基づく各一時金の支給は、それ自体で完結する一回限りの行為であり、その後はその行為の結果が継続しているにすぎないと解さざるを得ず、組合の主張は失当である。 したがって、五〇年度冬季一時金に関す 定に基づく各一時金の支給は、それ自体で完結する一回限りの行為であり、その後はその行為の結果が継続しているにすぎないと解さざるを得ず、組合の主張は失当である。 したがって、五〇年度冬季一時金に関する本件申立ては、労働組合法第二七条第二項及び労働委員会規則第三四条第一項第三号によりこれを却下する。 ② 同一企業内に複数の労働組合が存在する場合、会社がそのうちの一つの労働組合の組合員を他の労働組合の組合員に比べて不利益に取り扱うことは、そうすることに合理的理由が存しない限り不当労働行為といわざるを得ない。 そこで、本件五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金についてみると、前記認定のとおり、五〇年度冬季一時金のときから導入された考課査定により、各一時金の上積み支給額が決定され、その結果、組合員及び全日シ組合員に支給された五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金のそれぞれの実際の平均支給月数は、次表のとおりである。 <3488-011>そして、上記の差異は、考課査定の結果により生じたものであるから、その考課査定が適正に行われたか否かが問題となる。 そこで、その点を検討するに、会社は、前記認定のとおり、五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金について、考課査定の内容及びその実績評価などを組合に十分説明していない。しかも、会社は、組合員の勤務成績等において、全日シ組合員との間に差異が生ずる合理的な理由が存するとの疎明を何ら行っていない。 したがって、考課査定により全日シ組合員と比べ組合員に少く支払われている事実に対して、それを正当視し得る合理的理由を会社が疎明していない以上、組合の主張を認めざるを得ず、結局、会社の五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金に関する本件行為は、前記各一時金について組合員と全日シ組合員とを差別し、もって組合弱体化を企図し 疎明していない以上、組合の主張を認めざるを得ず、結局、会社の五一年度夏季一時金及び同年度冬季一時金に関する本件行為は、前記各一時金について組合員と全日シ組合員とを差別し、もって組合弱体化を企図したものと判断せざるを得ず、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 4 五一年度・五二年度賃上げ(1) 当事者の主張要旨① 組合は、会社は五一年度及び五二年度賃上げについて、組合員に対し八〇%条項及び妥結月払い条項を適用したが、これら各条項は、いずれも会社が組合を壊滅ないしは弱体化せしめることを目的として取り入れられたものであって、これら条項を適用した会社の行為は不当労働行為である。すなわち、八〇%条項は、これを適用することによって組合員を経済的に圧迫するものであり、また妥結月払い条項は、これによって、八〇%条項など組合に不利益な協定の締結をおしつけようとするものである旨主張する。 ② 会社は、従業員間の実質的公平を図り、併せて稼働率の向上を果すために、賃上げと一体をなすものとして八〇%条項を提案したのである。また、妥結月払い条項は、約束ができたときから新しい約束を実施しようとするものであり、契約の変更についての本然の姿である。これら各条項については、十分組合に説明し、その結果、組合との間に合意が成立したものである旨主張する。 (2) 不当労働行為の成否① 協定の締結時の事情会社と組合との間に取り交わされた五一年度及び五二年度各賃上げに関する協定において、その賃上げにあたり、八〇%条項、妥結月払い条項を適用する旨の記載があり、組合がこれに調印していることは前記認定のとおりである。しかしながら、組合が、これら各条項の適用を承認したものでなく、また会社もその事実を知っていたことは、前記認定のとおり、(ア)五一年度賃上げに 、組合がこれに調印していることは前記認定のとおりである。しかしながら、組合が、これら各条項の適用を承認したものでなく、また会社もその事実を知っていたことは、前記認定のとおり、(ア)五一年度賃上げについての協定締結の際に、組合が会社に対して、「協定を締結しても、八〇%条項、妥結月払い条項の問題について引き続き会社の責任を追及していく」旨を申し入れ、これに対して会社は、「それについてはこの賃上げの問題が終った段階からまたやってもらったら結構だ。組合からまた要求を出してもらったら結構だ」との旨回答していること、(イ)また、五二年度賃上げについての協定締結に際して、組合が「本協定の違憲、違法の内容については今後ともその違憲、違法性を追及する」旨の文書を会社に手渡し、会社がこの文書の受理後に協定に調印したことからみて、明らかである。 したがって、組合は、八〇%条項、妥結月払い条項等について争う権利を留保しつつ妥結調印したものであり、また会社もそのことについて了解していたものと判断するのが相当である。 ② 八〇%条項(ア) 八〇%条項とは、稼働率八〇%以下の者を賃上げ対象者から除外するという内容のものである。そして、その稼働率の算出の基礎となる逸失時間(不就労時間)に、遅刻、早退、欠勤、私用外出、年次有給休暇、生理休暇、妊婦通院休暇、産前産後休暇、育児時間、育児休職、労災休業、労災通院、組合活動、ストライキ、団体交渉、慶弔、交通機関の延着によるすべての不就労時間を算入していることは前記認定のとおりである。 (イ) なるほど、遅刻、早退、欠勤、私用外出による不就労については、特段の事情のない限り、それ相応の取扱いをすることには合理性があり首肯しうるところである。しかしながら、年次有給休暇、生理休暇、産前産後休暇、育児時間の行使は、労働基準法に認 よる不就労については、特段の事情のない限り、それ相応の取扱いをすることには合理性があり首肯しうるところである。しかしながら、年次有給休暇、生理休暇、産前産後休暇、育児時間の行使は、労働基準法に認められている権利の行使であり、労災休業、労災通院は、会社の業務遂行過程で生じた災害に帰因する休業ないし通院であるから、その責任は会社が負うべき性質の事柄であり、正当な組合活動、ストライキ権・団体交渉権の行使は、憲法や労働組合法で認められた当然の権利の行使であり、交通機関の延着による不就労は、当事者の責に帰すことのできない不可抗力によるものであり、妊婦通院休暇は、組合と会社との間で協定が締結されているものであることからして、結局、遅刻、早退、欠勤及び私用外出を除くその余の事項を理由とする不就労を稼働率の算出の基礎とすることは、労働者の権利行使等を著しく制限するものであり、合理性を有するとは考えられない。 したがって、会社の主張は、正当な権利を行使した者、会社の責に帰すべき事由により就労しなかった者、不可抗力により就労できなかった者、協定に基づいて休職した者を、それらに該当しない者と比べ不利益に取り扱うことが「公平」であるとするものであり、到底容認することはできない。 なお、組合は、慶弔及び育児休職を理由とする不就労について、その不就労が就業規則または労働協約等に基づいて認められているものであるか否かについての疎明を十分行っていないが、そのことによって前記判断が左右されるものではない。 (ウ) 次に会社は、八〇%条項の導入により、稼働率の向上を期すことをも八〇%条項導入の理由としているので、この点について検討する。 会社は、前記認定のとおり、組合に対して、八〇%条項を導入する事情として、「会社の状態がこんな具合だから」とだけしか説明せず、その具体 八〇%条項導入の理由としているので、この点について検討する。 会社は、前記認定のとおり、組合に対して、八〇%条項を導入する事情として、「会社の状態がこんな具合だから」とだけしか説明せず、その具体的内容について十分説明していないが、本件審問のなかで、初めて、会社は、八〇%条項導入の事情として、五一年当時相当な赤字の拡大が見込まれ、稼働率低下の状態が続けば倒産の原因となるとの旨説明している。そこで、当時、会社が八〇%条項を導入しなければならないような急迫した経済的状態にあったか否かを検討するに、会社からその点について何らの疎明もなく、かつ、本件審問の全趣旨に照らし合わせて考えると、五一年当時において、ある程度の赤字は計上されていたものの、それが健全な経営活動を破たんに陥らせる程度のものであったとは考えられない。したがって、会社においては、前記判断のとおり著しい権利制限をもたらす結果となる八〇%条項を導入せざるを得ない特別の事情があったものとは考えられず、会社の主張は失当であり、採用できない。 (エ) そこで更に進んで本件不当労働行為の成否について検討する。 前記判断のとおり、(ア)五一年当時、会社において、賃上げと一体をなすものとして、八〇%条項を導入せざるを得ない特別な事情は存在しなかったこと、(イ)八〇%条項そのものが、著しく組合ないし組合員の権利行使を制限するものであり、しかもその導入を正当視しうる合理的理由が認められないこと、更に前記認定のとおり、(ア)五一年当時の組合と全日シとの男女構成比は、組合員の半数以上が女性であるのに対して全日シ組合員の女性の占める割合は、三〇~三五%であり、また、五一年当時組合員には約二〇名ほどの労災認定患者がいたのに全日シ組合員にはいなかったことからして、八〇%条項が導入されることによる組合員の蒙 シ組合員の女性の占める割合は、三〇~三五%であり、また、五一年当時組合員には約二〇名ほどの労災認定患者がいたのに全日シ組合員にはいなかったことからして、八〇%条項が導入されることによる組合員の蒙る影響は、全日シ組合員に比べ大きいこと、(イ)会社は、五一年度賃上げについて全日シと妥結調印後、六月に至って始めて全日シに対して救済措置を導入する旨明らかにしているが、賃上げ対象者の範囲が労働条件の重要な内容であることからして、賃上げ妥結後に救済措置を導入することは極めて不自然であること、(ウ)会社は、八〇%条項の具体的適用状況等に関する資料及び見直し期間中の稼働率に関する資料を提出しないため、八〇%条項の運営及び救済措置が恣意にわたらずに行われたか否か不明であること、(エ)また、その実際の運営状況も、P40、P41、P42の例のように稼働率が八〇%以下の者に対して賃上げを行うなど不合理な点があることなどの諸事情を総合して考えると、八〇%条項を導入した会社の本件行為は、組合員に組合活動上、経済上の不利益を及ぼし、もって組合の弱体化を図ったものと判断せざるを得ず、かかる会社の行為は、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 ③ 妥結月払い条項(ア) 妥結月払い条項とは、妥結月より賃上げを実施するという内容のものであることは前記認定のとおりである。 なるほど、契約の実施時期については、会社の主張するように合意が成立したときとすることも何ら差支えないことではある。しかしながら、合意が成立したときからしか合意内容を実施できないわけではなく、遡及して適用することも当事者間の合意がなされれば可能なことである。しかも、前記認定のとおり、五一年度賃上げ以前には、妥結が四月以降になっても四月に溯って賃上げが実施されていたのであるから、会 く、遡及して適用することも当事者間の合意がなされれば可能なことである。しかも、前記認定のとおり、五一年度賃上げ以前には、妥結が四月以降になっても四月に溯って賃上げが実施されていたのであるから、会社の主張は失当である。 (イ) そこで、本件不当労働行為の成否について検討すると、(ア)従来行われていた四月遡及支払を変更するにはそれなりの理由の存することが必要であるが、会社はその点につき何ら疎明していないこと、(イ)前記認定のとおり、会社は、五一年五月に行われた全日シとの間の同年度賃上げ交渉の最終段階において全日シからの要求に応じて、賃上げ一ヵ月相当分の臨時一時金を支給し、また五二年度賃上げにおいて、全日シが六月に妥結すると賃上げ二ヵ月相当分の臨時一時金を支給し、結局、全日シ組合員には実質上、四月度から賃上げが実施されたと同一の取扱いをしていること、(ウ)更に会社は、その臨時一時金を支給する必要性ないしその合理的理由について十分疎明していないことなどの諸事情を総合して考えると、会社は、一方で、八〇%条項という組合にとって到底容認しえない制度の導入を図り、これを早急に実施するために、他方で、全日シ組合員には不利益が及ぶことを避けつつ、交渉が長期化するほど組合にとって不利益が拡大する妥結月払い条項を導入したものと判断せざるを得ない。したがって、会社の本件行為は、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 5 チェック・オフ(1) 当事者の主張要旨① 組合は、四六年よりチェック・オフに関する協定に基づいて六年間問題なく実施されていた臨時組合費のチェック・オフを何ら正当な理由なく一方的に中止したのは不当労働行為であると主張する。 ② 会社は、臨時組合費について、組合のどの機関がいかなる規約上の根拠に基づいて、いつ、どういう徴収 臨時組合費のチェック・オフを何ら正当な理由なく一方的に中止したのは不当労働行為であると主張する。 ② 会社は、臨時組合費について、組合のどの機関がいかなる規約上の根拠に基づいて、いつ、どういう徴収を決定したのか不明であり、かつ、徴収の決定自体が適法になされているのかどうか疑わしい。十分な根拠もなく会社が従業員の賃金を控除することは許されないから、臨時組合費のチェック・オフをすることができないのは当然であると主張する。 (2) 不当労働行為の成否① 組合が、臨時組合費について、いかなる機関の手続を経て、その徴収を決定したかということは、組合の組織上の自主的運営に任すべき性質の事柄である。しかも、本件の場合、前記認定のとおり、臨時組合費の徴収は、大会に次ぐ決議機関である職場委員会の決定に基づいて行われているものであるから、これらの点からみて会社の上記主張は、失当であり採用できない。 ② そこで更に進んで、本件不当労働行為の成否を検討するに、前記認定のとおり、(ア)四六年以降本件問題が発生するまで、賃金控除に関する協定に基づき、臨時組合費のチェック・オフが実施されていたこと、(イ)過去六年間、前記協定中の「労働組合費」のなかに、定期組合費と臨時組合費を含むということに関して解釈上の疑義は生じていなかったこと、(ウ)本件紛争は、五二年度賃上げ交渉時において発生したもので、当時、臨時組合費の徴収は毎月必要であったこと、(エ)臨時組合費のチェック・オフを中止する合理的理由は存しないことなどの諸事情に照らし合わせ考えると、会社は、組合を弱体化するために、協定を無視して、一方的に臨時組合費のチェック・オフを中止したものと判断せざるを得ず、かかる会社の行為は、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 ③ なお、組合は、定期組合費、 を無視して、一方的に臨時組合費のチェック・オフを中止したものと判断せざるを得ず、かかる会社の行為は、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。 ③ なお、組合は、定期組合費、労働金庫積立金及び共済掛金に関するチェック・オフの再開をも求めるが、前記認定のとおり、会社は、昭和五二年六月以降、定期組合費及び労働金庫積立金に関するチェック・オフを再開しており、その後会社がそれらに関するチェック・オフを中止したと認めるに足りる疎明はなされておらず、かつ共済掛金に関しても会社がチェック・オフを中止したと認めるに足りる疎明がなされていないので、前記本件各申立ては、これを棄却せざるを得ない。 6 その他会社は、組合が五四年四月一六日付け準備書面により、「請求する救済の具体的内容」を変更したことは、数々の点について主張、立証が尽されてないまま審問が終結することになると主張する。 しかしながら、上記準備書面は、本件審問において争われた事実に基づいて請求する救済の内容及び範囲を具体化したものであり、その事実関係に関する主張、立証の機会は、当事者双方に十分保障され、本件審問が終結するに至ったものであるから、会社の上記主張は失当であり、採用できない。 以上の事実認定及び判断に基づき、当委員会は、労働組合法第二七条及び労働委員会規則第四三条により主文のとおり命令する。 昭和五五年六月六日大阪府地方労働委員会会長 P43(印)別紙申立人目録<3488-012><3488-013>
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