【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人山崎利男の上告理由一及び二について 所論の点に関する原審の認定判断
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人山崎利男の上告理由一及び二について所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。 同三について原審の適法に確定したところによれば、上告会社は本件建物を譲り受けるとともに本件各土地の賃借権の譲渡を受けたが、右賃借権の譲渡については賃貸人である被上告人らの承諾を得ることがなく、また、右賃借権の無断譲渡について被上告人らとの信頼関係を破壊するものと認めるに足りない特段の事情があるとはいえないというのであるところ、所論は、要するに、被上告人らの右無断譲渡を理由とする契約解除権は、右賃借権が無断譲渡された昭和三四年一月三一日から既に一〇年の経過をもつて時効により消滅したにもかかわらず、右契約解除権が時効により消滅したとは認められないとした原判決には民法一六六条の解釈適用を誤つた違法があるというのである。 しかしながら、賃借権の譲渡を承諾しない賃貸人は、賃貸借契約を解除しなくても、所有権に基づき、譲受人に対しその占有する賃貸借の目的物の明渡を求めることができるのであり(最高裁昭和二五年(オ)第八七号同二六年四月二七日第二小法廷判決・民集五巻五号三二五頁、同昭和二五年(オ)第一二五号同二六年五月三一日第一小法廷判決・民集五巻六号三五九頁、同昭和四一年(オ)第七九二号同年- 1 -一〇月二一日第二小法廷判決・民集二〇巻八号一六四〇頁)、賃借権の譲渡人に対する関係で当該賃貸借契約の解除権が時効によつて消滅したとしても、賃借権の無 、同昭和四一年(オ)第七九二号同年- 1 -一〇月二一日第二小法廷判決・民集二〇巻八号一六四〇頁)、賃借権の譲渡人に対する関係で当該賃貸借契約の解除権が時効によつて消滅したとしても、賃借権の無断譲受人に対する右の明渡請求権にはなんらの消長をきたさないと解するのが相当であるから(最高裁昭和五二年(オ)第二六〇号同年一〇月二四日第二小法廷判決・裁判集民事一二二号六三頁)論旨は、ひつきよう、原判決の結論に影響を及ぼさない事項について違法をいうものにすぎず、採用することができない。 同四及び五について所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原審の認定に沿わない事実に基づいて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。 上告代理人松井順孝の上告理由について所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原判決の結論に影響を及ぼさない部分を論難するものにすぎず、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官本山亨裁判官団藤重光裁判官藤崎萬里裁判官中村治朗裁判官谷口正 重光裁判官藤崎萬里裁判官中村治朗裁判官谷口正孝- 2 -
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