令和3(ワ)11104 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年8月30日 大阪地方裁判所
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判決文本文9,608 文字)

1 主 文1 原告A の請求をいずれも棄却する。 2 被告B らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、第一事件及び第二事件を通じ、原告A に生じた費用の4分の1及び被告B らに生じた費用の各5分の2を原告A の負担とし、原告A 及び被告5B らに生じたその余の費用並びに被告C に生じた費用を被告B らの負担とする。 事実及び理由第1 請求1 第一事件被告B らは、原告A に対し、連帯して299万6000円及びこれに対する10令和3年9月17日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 第二事件原告A 及び被告C は、被告B らそれぞれに対し、連帯して220万円及びこれに対する令和2年9月15日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 15第2 事案の概要第一事件は、原告A が、ツイッター (インターネットを利用してツイートと呼ばれる短文のメッセージ等を投稿することができる情報ネットワーク)のウェブサイトに被告B らがした投稿の内容が、原告A の死亡した子に対する敬愛追慕の情を侵害するものであるなどと主張として、被告B らに対し、民法70209条、719条に基づき、慰謝料等299万6000円及びこれに対する不法行為後である令和3年9月17日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 第二事件は、被告B らが、原告A が被告C を訴訟代理人として行った第一事件の訴えの提起等が違法な行為であると主張して、原告A 及び被告C に対し、25民法709条、719条に基づき、それぞれ慰謝料等220万円及びこれに対 2 する不法行為後である令和2年9月15日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅 び被告C に対し、25民法709条、719条に基づき、それぞれ慰謝料等220万円及びこれに対 2 する不法行為後である令和2年9月15日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 1 前提事実⑴ 原告A の長女であるD(以下「亡長女」という。)は、令和2年5月23日、自死した(甲2、弁論の全趣旨)。 5⑵ 原告A は、亡長女の死亡後、亡長女のツイートに対して別紙投稿記事目録記載の返信(以下「本件返信」という。)が投稿されたような外観の画像(以下「本件画像」という。)を入手し、本件返信により亡長女が誹謗中傷されたと考えて、弁護士である被告C に対応を依頼した(甲1、丙22)。 ⑶ 被告C は、令和2年6月10日以降、原告A の代理人として、本件画像に10本件返信の投稿主体として表示されたアカウント(以下「本件アカウント」という。)に係る発信者情報開示請求に関する手続を行い、一定の時期にされた本件アカウントへのログインの際のIP アドレスの一部を管理する経由プロバイダ(以下「本件プロバイダ」という。)から、当該IP アドレスを割り当てられた契約者が被告B である旨の発信者情報の開示を受けた(甲5~8、15丙22、弁論の全趣旨)。 ⑷ 被告C は、令和3年8月19日、原告A の訴訟代理人として、被告B 及びその同居の家族のうち3名(被告B ら)を相手に、第一事件の訴えを提起した(甲9、顕著な事実)。 2 争点に関する当事者の主張20本件の争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおりである。 ⑴ 被告B らが本件返信を投稿したか(第一事件の争点)(原告A の主張)被告B らは、亡長女の死亡後、本件返信を本件アカウントからツイッターに投稿した。 当事者の主張は、次のとおりである。 ⑴ 被告B らが本件返信を投稿したか(第一事件の争点)(原告A の主張)被告B らは、亡長女の死亡後、本件返信を本件アカウントからツイッターに投稿した。 25(被告B らの主張) 3 否認する。本件画像は捏造されたものであり、本件返信が本件アカウントから投稿された事実自体が存在しない。仮に本件返信が本件アカウントから投稿されていたとしても、当該投稿は被告B らがしたものではない。よって、被告B らが亡長女を誹謗中傷した事実はない。 ⑵ 原告A の損害(第一事件の争点)5(原告A の主張)原告A は、被告B らの不法行為により、①亡長女に対する敬愛追慕の情を侵害されたことによる精神的苦痛に係る慰謝料200万円、②弁護士費用20万円及び③発信者情報開示請求に関する調査費用79万6000円の合計299万6000円の損害を被った。 10(被告B らの主張)否認し、争う。 ⑶ 第一事件の訴えの提起等の違法性の有無(第二事件の争点)(被告B らの主張)被告B らが本件返信を投稿して亡長女を誹謗中傷した事実はなく、原告A15及び被告C(インターネット上の誹謗中傷の問題に詳しく発信者情報開示請求に関する著作も複数ある弁護士)は、次のア、イの事情からすれば、そのことを知り又は容易に知り得た。しかるところ、原告A 及び被告C は、本件プロバイダに対する発信者情報開示請求や第一事件に係る訴えの提起を行い、遅くとも本件プロバイダが被告B に対する意見照会書を作成した令和2年920月15日以降、被告B らの平穏な生活を送る権利を侵害したものといえるから、その行為は、被告B らに対する違法な行為となる。 ア 本件画像の外観には不審な点が複数存在しており、本件画像が第三 20月15日以降、被告B らの平穏な生活を送る権利を侵害したものといえるから、その行為は、被告B らに対する違法な行為となる。 ア 本件画像の外観には不審な点が複数存在しており、本件画像が第三者から原告A に提供された出所不明のものであったこと、スクリーンショットを用いたツイートの捏造が容易であり社会的問題にもなっていたこと等か25らすれば、本件画像が捏造されたものであることを疑って然るべきところ、 4 本件画像については捏造を指摘するツイートがされるなどしており、遅くとも令和2年6月24日には、本件アカウントのユーザーID を検索エンジン等で検索することにより、容易に上記ツイートを発見して本件画像が捏造されたものであることを知ることができた。 イ 仮に本件返信が本件アカウントから投稿されたものであるとしても、当5該投稿に係る本件アカウントへのログインの際のIP アドレスが仮処分決定により開示されたものであると特定することは不可能であるし、被告Bらの家族構成等を調査すれば、本件アカウントへのログインがあった時間帯に被告B らが自宅の回線等を利用していないことは明らかであるから、被告B らが本件返信を投稿したものでないことは容易に知り得た。 10(原告A 及び被告C の主張)否認し、争う。発信者情報開示請求に関する手続において本件画像が捏造されたものであるといった指摘がなかったこと等に照らすと、被告B らが亡長女を誹謗中傷した事実がないことを容易に認識し得たとはいえない。 ⑷ 被告B らの損害(第二事件の争点)15(被告B らの主張)被告B らは、原告A 及び被告C の不法行為により、①平穏な生活を送る権利を侵害されたことによる苦痛に係る慰謝料各200万円及び②弁護士費用各20万円の合計各220 15(被告B らの主張)被告B らは、原告A 及び被告C の不法行為により、①平穏な生活を送る権利を侵害されたことによる苦痛に係る慰謝料各200万円及び②弁護士費用各20万円の合計各220万円の損害を被った。 (原告A 及び被告C の主張)20否認し、争う。 第3 当裁判所の判断1 認定事実前記前提事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 25⑴ 本件画像の入手等 5 ア 原告A は、令和2年6月3日、被告C に対し、亡長女を誹謗中傷するツイート等が多数投稿されているとして、これを行った者を特定したいなどと相談したところ、誹謗中傷と思われる投稿のURL やスクリーンショットを送るよう指示されたため、同日、本件画像を含む多数の画像のデータを被告C に送信した(甲22、丙22、被告C 本人)。 5イ 被告C は、その後、本件画像に表示された本件アカウントのユーザーIDを検索エンジンに入力して検索を行うなどしたところ、非公開設定がされた状態の本件アカウントを発見したが、本件返信が投稿されたことを確認することはできなかった(丙22、被告C 本人)。 ⑵ 発信者情報開示請求等10ア 被告C は、令和2年6月10日、原告A の代理人として、ツイッターの運営会社を相手に、本件アカウントにログインした際のIP アドレス等の開示を求める仮処分を申し立て、その後、これを認容する決定を得て、同年5月25日から同年7月13日までの間の当該IP アドレス等の開示を受けた(甲5、6、丙22)。 15イ 被告C は、上記アのとおり開示を受けたIP アドレスを管理する二つの経由プロバイダに対して発信者情報の開示を求めたところ、一方からは発信者が特定できない旨の回答を受け、他 丙22)。 15イ 被告C は、上記アのとおり開示を受けたIP アドレスを管理する二つの経由プロバイダに対して発信者情報の開示を求めたところ、一方からは発信者が特定できない旨の回答を受け、他方(本件プロバイダ)からは開示を拒否する旨の回答を受けたため、本件プロバイダを相手に発信者情報開示請求訴訟を提起し、その後、これを認容する判決を得て、令和3年7月2027日頃、前記前提事実⑶のとおり、本件プロバイダから上記IP アドレスを割り当てられた契約者が被告B である旨の発信者情報の開示を受けた(甲7、8、丙21、弁論の全趣旨)。 ⑶ 第一事件の訴えの提起ア 被告C は、令和3年8月2日、被告B の世帯全員の住民票を取り寄せて、25被告B らと当時8歳の子の合計5名が同居していることを確認した(甲9)。 6 イ 被告C は、令和3年8月19日、前記前提事実⑷のとおり、原告A の訴訟代理人として、被告B らを相手に、第一事件の訴えを提起した。 2 争点⑴(被告B らが本件返信を投稿したか)について⑴ 原告A は、本件返信が本件アカウントから投稿されたことを前提に、被告B らが当該投稿をしたと主張して、本件画像(甲1)を証拠として提出する。 5しかしながら、本件画像は亡長女のツイートへの返信投稿のような外観を有するところ、返信投稿であれば返信先や投稿日時が表示されるはずであるにもかかわらず(乙11)、本件画像にはこれらの表示がない(甲1)。そして、本件画像が、その外観に照らし、返信投稿自体ではなく、ツイートに添付された画像を表示させた画面をスクリーンショットしたものと認められる10こと(甲1、乙8)をも併せ考慮すると、本件画像については、トリミング(切り抜き)等の加工がされている可能性が高いものといえる。 た画像を表示させた画面をスクリーンショットしたものと認められる10こと(甲1、乙8)をも併せ考慮すると、本件画像については、トリミング(切り抜き)等の加工がされている可能性が高いものといえる。さらに、前記認定事実⑴のとおり、本件画像の出所は不明であり、被告C は本件返信自体の存在を確認できなかったところ、亡長女の死亡の翌日である令和2年5月24日に本件画像が添付されたツイートを投稿したアカウントについては、15捏造した画像を投稿しているとの指摘がインターネット上でされており、本件画像についても同アカウントの利用者が捏造したものであるとするツイートがされていることが認められる(乙12~16)。 なお、原告A は、ツイッターは表示させる環境によって表示形式が異なるから、返信先や投稿日時が表示されていなくても不自然ではないと主張する20が、表示環境によって返信投稿に返信先や投稿日時が表示されない場合があることを認めるに足りる証拠はない。 ⑵ 以上によれば、本件画像は捏造されたものである可能性を否定できないから、本件画像があることをもって直ちに本件返信が本件アカウントから投稿されたと認めることはできず、ほかにこれを認めるに足りる的確な証拠もな25い。そうすると、本件返信が本件アカウントから投稿されたことを前提とす 7 る原告A の請求は、その余の点について判断するまでもなく、いずれも理由がない。 3 争点⑶(第一事件の訴えの提起等の違法性の有無)について⑴ 第一事件の訴えの提起の違法性の有無についてア 訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟におい5て提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものである上、提訴者が、そのことを知りなが えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟におい5て提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものである上、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である(最高裁昭和1063年1月26日第三小法廷判決・民集42巻1号1頁参照)。 イ 第一事件において原告A が主張した権利等については、前記2のとおり、本件返信が本件アカウントから投稿されたと認めるに足りる証拠はなく、被告B らが亡長女を誹謗中傷したとはいえないから、事実的、法律的根拠を欠くものであったといわざるを得ない。しかしながら、原告A 及び被告15C が、被告B らが亡長女を誹謗中傷した事実がないことを知りながら、第一事件の訴えを提起したと認めるに足りる証拠はない。 ウ そこで、通常人であれば被告B らが亡長女を誹謗中傷した事実がないことを容易に知り得たか否かについて検討する。 まず、本件画像(甲1)については、ツイートに対する返信であれば表20示されるはずの返信先や投稿日時が本件画像には表示されていないといった事情はあるものの、これらの表示が返信投稿の外観上主要な構成要素であるとまではいえないこと等に照らすと、本件画像が一見して明らかに捏造されたものであるとはいい難い。そして、第一事件の訴えが提起された当時、スクリーンショットを用いたツイートの捏造が容易であることが25指摘されるなどしていたとしても、捏造された画像のために権利侵害を行 8 っていない者が誤って提訴されたといった事案が知られていたとは認められないこと等に トの捏造が容易であることが25指摘されるなどしていたとしても、捏造された画像のために権利侵害を行 8 っていない者が誤って提訴されたといった事案が知られていたとは認められないこと等に鑑みると、直ちに本件画像が捏造されたものであることを疑うべきであったとまではいうことができない。なお、被告B らは、本件アカウントのユーザーID 等を検索エンジン等で検索すれば、本件画像が捏造されたものであることを指摘するツイート等を容易に発見すること5ができたと主張し、これに沿う証拠もある(乙28の1・2、37~40)。 しかしながら、第一事件の訴えを提起するまでに被告B らの指摘するような検索を行うことによって上記ツイート等を容易に発見し得たか否かは必ずしも明らかでない上(丙25、26)、仮にこれらを発見したとしても、それ自体も信頼性の明らかでないインターネット上の情報にすぎないこ10とからすれば、これをもって直ちに本件画像が捏造されたものであると断ずることはできない。そうすると、本件アカウントが非公開設定をされた状態であり、本件返信自体の存在を確認することができなかったこと等を考慮しても、第一事件の訴え提起の時点において、通常人であれば本件画像が捏造されたものであることを容易に知り得たとまでは認められない。 15次に、被告B らは、仮に、本件返信が本件アカウントから投稿されたものであるとしても、①仮処分決定により開示されたIP アドレスは、当該投稿がされた後のログインの際のものである上、本件プロバイダが固定IP アドレスを付与していないことから、当該投稿の時点で被告B に割り当てられたものと同一であるとは確認できず、本件返信が投稿された際の本件ア20カウントへのログインに当該IP アドレスが用いられたものと特定すること ないことから、当該投稿の時点で被告B に割り当てられたものと同一であるとは確認できず、本件返信が投稿された際の本件ア20カウントへのログインに当該IP アドレスが用いられたものと特定することは不可能である、②被告B らは、本件アカウントへのログインがあった時間帯の大半は外出等のために本件プロバイダが提供する自宅の回線を使用しておらず、また、本件アカウントへのログインには、被告B らのうち2名が使用していた携帯電話に係る経由プロバイダが管理するIP アド25レスも用いられていたものの、当該ログインがあった時間帯の大半は上記 9 両名とも携帯電話を使用していなかったから、被告B らが本件アカウントにログインして本件返信を投稿したものでないことは明らかであり、このことは、被告B らの家族構成等の調査により容易に知り得たなどと主張する。しかしながら、上記①の点については、ツイッターへの個別の投稿に用いられたIP アドレスは記録されないところ(甲6、弁論の全趣旨)、本5件アカウントへのログインの際のものとして開示されたIP アドレスを割り当てられた契約者と無関係の者が本件アカウントにログインしていたことをうかがわせる事情は認められないから、この点をもって、直ちに本件返信が被告B ら以外の者によって投稿されたことを疑うべきものということはできない。また、上記②の点については、被告B らの家族構成等か10ら自宅等の回線を利用する時間帯を含む具体的な生活状況等が直ちに明らかになるとはいい難い上、一般にパスワード等によって保護された回線を第三者が不正に使用することは容易ではないこと、他方、被告B らは、最年少者でも当時14歳であり(甲9)、いずれもツイッターのアカウントを有する可能性を否定できなかったこと等をも考慮すれば、被 線を第三者が不正に使用することは容易ではないこと、他方、被告B らは、最年少者でも当時14歳であり(甲9)、いずれもツイッターのアカウントを有する可能性を否定できなかったこと等をも考慮すれば、被告B らのい15ずれについても、本件返信を投稿したものでないことが明らかであったということはできない。第一事件の訴えの提起に先立つ発信者情報開示請求に関する手続において、被告B が、本件プロバイダからの照会に対し、第三者による回線の不正使用の可能性を指摘するなどして関与を否定していたこと(甲27、乙19)は、当該回答に客観的な裏付けがあったわけ20ではないことを踏まえると、上記の認定評価を左右しないというべきである。以上によれば、第一事件の訴えの提起の時点において、通常人であれば被告B らが本件返信を投稿したものでないことを容易に知り得たとは認められない。 以上のほか、本件訴えの提起に先立つ発信者情報開示請求訴訟において25原告A の請求を認容する判決が確定していることをも併せ考慮すれば、本 10 件訴えの提起の時点において、通常人であれば被告B らが本件返信を投稿して亡長女を誹謗中傷した事実がないことを容易に知り得たということはできない。この点は、被告C がインターネットの誹謗中傷に詳しく発信者情報開示請求に関する著作も複数ある弁護士であったとしても、変わるところはないというべきである。 5エ そうすると、原告A 及び被告C が、第一事件に係る権利等が事実的、法律的根拠を欠くものであることを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したとはいえず、ほかに、第一事件の訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くというべき事情も認められない。 10よ あれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したとはいえず、ほかに、第一事件の訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くというべき事情も認められない。 10よって、第一事件の訴えの提起が被告B らに対する違法な行為ということはできない。 ⑵ 発信者情報開示請求の違法性の有無についてア 前記⑴において認定説示したところや、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律に定める発信者情報開15示請求に関する手続の位置付けのほか、発信者の特定に必要な情報は短期間で消去されるところ(弁論の全趣旨)、原告A が被告C に送付した画像が多数に上っており、個々の画像の精査に充てられる時間は限られていたこと(前記認定事実⑴)等をも併せ考慮すると、本件プロバイダに対する発信者情報開示請求が被告B らに対する違法な行為ということはできない。 20イ なお、被告B らは、本件アカウントは複数のIP アドレスによってログインがされており、本件返信の投稿に係るIP アドレスは特定されていなかったにもかかわらず、原告A 及び被告C が漫然と本件プロバイダの管理するIP アドレスについてのみ発信者情報開示請求を行ったのは不合理であるなどと主張する。 25しかしながら、ツイッターへの個別の投稿に用いられたIP アドレスは 11 記録されないところ、本件アカウントへのログインの際のものとして開示されたIP アドレスを割り当てられた契約者と無関係の者が本件アカウントにログインしていたことをうかがわせる事情は認められないことは前記⑴ウのとおりである。そして、ログインに係るIP アドレスを管理する他の経由プロバイダからは発信者が特定できない旨の回答を受けたこと(前5記認定事実⑵ をうかがわせる事情は認められないことは前記⑴ウのとおりである。そして、ログインに係るIP アドレスを管理する他の経由プロバイダからは発信者が特定できない旨の回答を受けたこと(前5記認定事実⑵イ)をも考慮すれば、原告A 及び被告C が本件プロバイダに対してのみ発信者情報開示請求を行ったことが不合理であるということはできない。 よって、被告B らの上記主張は採用することができない。 ⑶ 小括10以上によれば、被告B らの請求は、その余の点について判断するまでもなく、いずれも理由がない。 第4 結論以上のとおりであって、原告A の請求及び被告B らの請求はいずれも理由がないから、これらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 15大阪地方裁判所第16民事部 裁判長裁判官 山 本 拓 20裁判官 村 上 貴 昭 裁判官 山 下 栞 菜 25

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