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平成10(行ウ)78 登録取消処分取消請求事件

裁判所

平成10年11月13日 東京地方裁判所 その他

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23,084 文字

主文 一原告の請求をいずれも棄却する。二訴訟費用は、原告の負担とする。事実及び理由 第一当事者の求めた裁判一原告 1 第一次請求被告が平成九年一一月六日付けで原告に対してした登録取消年月日を平成四年三月九日とする司法書士の登録の取消処分を取り消す。2 第二次請求(選択的併合)原告が被告に備える司法書士名簿に登録を受けた者として司法書士の地位を有することを確認する。二被告(本案前)原告の第一次請求に係る本件訴えを却下する。(本案)原告の請求をいずれも棄却する。第二事案の概要一本件は、被告に備える司法書士名簿に登録を受け司法書士の地位を有していた原告が、被告が原告に対してした司法書士の登録取消しは、聴聞の手続を欠くなど手続法上重大、明白な瑕疵があり、また、右登録取消しは、憲法違反の司法書士法(以下「法」という。)四条三号に該当することを理由としており、また、同号に該当する事由がないのに、これがあるものとしてされているなど、実体法上も重大、明白な瑕疵があり、いずれにしても右登録取消しには無効事由又は取消事由があると主張し、第一次的に右登録の取消処分の取消しを求め、第二次的(選択的)に原告が被告に備える司法書士名簿に登録を受けた者として司法書士の地位を有することの確認を求めたものである。二関係法令の定め 1 法三条は、同条各号の一に該当する者は、司法書士となる資格を有する旨規定し、また、法四条は、同条各号に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない旨規定し、司法書士の欠格事由を定めており、その三号において「破産者で復権を得ないもの」を欠格事由の一つとして掲げている。2 司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属 三号において「破産者で復権を得ないもの」を欠格事由の一つとして掲げている。2 司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない(法六条一項)。 2 司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属 三号において「破産者で復権を得ないもの」を欠格事由の一つとして掲げている。2 司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない(法六条一項)。そして、右登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、被告に登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載した登録申請書を提出しなければならず、右申請書には司法書士となる資格を有することを証する書面を添付しなければならない(法六条の二)。法六条の八第一項は、司法書士が①その業務を廃止したとき(一号)、②死亡したとき(二号)、③司法書士となる資格を有しないことが判明したとき(三号)、④法四条各号の一に該当するに至ったとき(四号)の一に該当する場合には、被告は、その登録を取り消さなければならない旨定めている。司法書士が法六条の八第一項各号に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該司法書士が所属し、又は所属していた司法書士会を経由して、被告にその旨を届け出なければならない(同条二項)。法六条の八第一項により司法書士の登録を取り消された者は、当該処分に不服があるときは、法務大臣に対して行政不服審査法による審査請求をすることができる(法六条の一〇、六条の五第一項)。右審査請求が理由があるときは、法務大臣は、被告に対し、相当の処分をすべき旨命じなければならない(同条三項)。3 被告は、司法書士の登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならず(法六条の一一)、また、その旨を、当該司法書士の事務所の所在地 命じなければならない(同条三項)。3 被告は、司法書士の登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならず(法六条の一一)、また、その旨を、当該司法書士の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知しなければならない(法施行規則一一条一項)。右法令の規定を受けて、日本司法書士会連合会会則(以下「会則」という。 一一)、また、その旨を、当該司法書士の事務所の所在地 命じなければならない(同条三項)。3 被告は、司法書士の登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならず(法六条の一一)、また、その旨を、当該司法書士の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知しなければならない(法施行規則一一条一項)。右法令の規定を受けて、日本司法書士会連合会会則(以下「会則」という。)二七条の一三は、被告は、司法書士が法六条の八第一項各号の一に該当することとなったときは、遅滞なく、その登録を取り消すものとする旨定め(一項)た上、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、その旨及びその理由を、登録を取り消した者及びその者が所属する司法書士会並びに司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に、書面により通知しなければならい旨定めており(五項)、会則二七条の一五は、被告は、登録を取り消したときは、その旨を官報をもって公告する旨定めている。さらに、右会則の規定を受け、日司連登録事務取扱規則(以下「取扱規則」という。)二六条一項は、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、付録登第二三号様式による登録取消通知書を当該登録を取り消された者に、付録登第二四号様式による取消通知書を司法書士の登録を取り消された者が所属していた司法書士会及び司法書士会の事務所を管轄する法務局又は地方法務局の長に送付するものとする旨定め、取扱規則二八条は、取消通知書で当該本人に送付する通知書は、すべて配達証明郵便で送付しなければならない旨定めている。三前提事実(証拠により認定した事実は、その末尾に証拠を掲げた。その余の事実は、当事者間に争いがない。) 1 原告は、法の一部を改正する法律(昭和三一年法律第一八号)附則二項により右改正後の法による司法書士とみなされ、司法書士の登録制度の創設 尾に証拠を掲げた。その余の事実は、当事者間に争いがない。) 1 原告は、法の一部を改正する法律(昭和三一年法律第一八号)附則二項により右改正後の法による司法書士とみなされ、司法書士の登録制度の創設に伴いその登録を受け、東京司法書士会に所属して継続的に司法書士の業務を営んでいたものである。2 原告は、平成四年三月九日、東京地方裁判所において破産宣告を受けた。その後、原告は、平成八年三月二九日、東京地方裁判所から免責許可決定を得、右決定は、同年五月二二日に確定している。 、法の一部を改正する法律(昭和三一年法律第一八号)附則二項により右改正後の法による司法書士とみなされ、司法書士の登録制度の創設に伴いその登録を受け、東京司法書士会に所属して継続的に司法書士の業務を営んでいたものである。2 原告は、平成四年三月九日、東京地方裁判所において破産宣告を受けた。その後、原告は、平成八年三月二九日、東京地方裁判所から免責許可決定を得、右決定は、同年五月二二日に確定している。3 被告は、平成九年一一月六日付けで、法六条の八第一項四号に基づき、原告について、登録取消年月日を平成四年三月九日とする司法書士の登録の取消し(以下「本件登録取消し」という。)を行い、平成九年一二月一〇日発行の官報をもって、本件登録取消しを公告した(乙四)。そして、被告は、原告に対し、平成九年一一月七日、本件登録取消しを行った旨記載した登録取消通知書を簡易書留郵便で発送したが、原告の不在及び保管期間経過のため、右通知書は返送されたため、同年一一月一八日、原告に対し、再度右通知書を普通郵便で発送した(乙五の1、2)。また、東京司法書士会は、平成九年一一月一四日付けで、原告に対し、同月六日付けの東京司法書士会会長あての「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」(写し)を添付した「東京司法書士会の脱会について(通知)」と題する書面を郵送した(甲三、四の1、2、弁論の全趣旨)。なお、原告は、東京司法書士会会長あてに、平成一〇年三月三日付けで「会費免除申請用紙の送付方依頼について」と題する書面及び同日付けの「平成九年分年計報告書用紙の送付方依頼について」と題する書面を送付し、各用紙の送付を依頼した(甲一の1ないし3)。これに対し、同司法書士会は、平成一〇年三月一一日付 て」と題する書面及び同日付けの「平成九年分年計報告書用紙の送付方依頼について」と題する書面を送付し、各用紙の送付を依頼した(甲一の1ないし3)。これに対し、同司法書士会は、平成一〇年三月一一日付けで、原告に対し、被告から同司法書士会会長あての原告に係る「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」(平成九年一一月六日付け)の写し及び「東京司法書士会の脱会について(通知)」と題する書面で通知されているとおり、原告は、平成四年三月九日をもって、法六条の八第一項四号の事由により、司法書士の登録を取り消され、かつ、東京司法書士会会則一一条に基づき、同司法書士会を脱会しており、したがって、原告からの右依頼については、同司法書士会として対応できない旨記載した回答書を右の「登録取消通知書」の写し等を添付して発送し、右回答書は、平成一〇年三月一五日に原告に到達した(甲二、三、四の1、2)。 面で通知されているとおり、原告は、平成四年三月九日をもって、法六条の八第一項四号の事由により、司法書士の登録を取り消され、かつ、東京司法書士会会則一一条に基づき、同司法書士会を脱会しており、したがって、原告からの右依頼については、同司法書士会として対応できない旨記載した回答書を右の「登録取消通知書」の写し等を添付して発送し、右回答書は、平成一〇年三月一五日に原告に到達した(甲二、三、四の1、2)。四争点及びこれに対する当事者の主張本件の争点は、(一) 本件登録取消しは抗告訴訟の対象となる処分に該当するかどうか、(二) 本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき手続法上の瑕疵があるかどうか、(三) 本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき実体法上の瑕疵があるかどうかであり、これらの点に関する当事者の主張は以下のとおりである。1 本件登録取消しは抗告訴訟の対象となる処分に該当するかどうか(被告の主張)法四条は、「破産者で復権を得ないもの」(三号)について、司法書士となる資格を有しないと規定し、法六条の八第一項は、司法書士が「第四条各号の一に該当するに至ったとき」(四号)は、被告はその登録を取り消さなければならないと規定している。そして、司法書士について欠格事由が発生した場合には、当該司法書士は当然に資格を喪失するのであって、その場合におけ 至ったとき」(四号)は、被告はその登録を取り消さなければならないと規定している。そして、司法書士について欠格事由が発生した場合には、当該司法書士は当然に資格を喪失するのであって、その場合における司法書士の登録の取消しは、これによって司法書士としての身分又は資格そのものを失わしめる行為ではなく、司法書士としての身分又は資格を失っているという事実を公に証明する行為にすぎず、登録を取り消される者の権利義務に直接影響を与えるものではないと解される。したがって、法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の取消しは、行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)三条二項にいう「処分」には該当しないものである。なお、行政処分性の有無の判断に当たっては、行政不服審査請求の可否が斟酌されるものと解されるところ、法六条の一〇の規定は、その文言だけからすると、司法書士の登録の取消し一般について行政不服審査請求を認める趣旨であるかのように読めなくはない。 される。したがって、法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の取消しは、行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)三条二項にいう「処分」には該当しないものである。なお、行政処分性の有無の判断に当たっては、行政不服審査請求の可否が斟酌されるものと解されるところ、法六条の一〇の規定は、その文言だけからすると、司法書士の登録の取消し一般について行政不服審査請求を認める趣旨であるかのように読めなくはない。しかし、法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の取消しが性質上行政処分でないことは既に述べたとおりである。また、一般に、行政不服審査法が審査請求ができる場合として予定しているのは、事実認定や処分の妥当性に争いが存在し、争訟的要素を観念し得る場合である。ところが、本件のような「破産者で復権を得ないもの」であるか否かは、破産宣告決定正本の存否により容易に明らかになる問題であって、本来的に審査請求の対象とならないと考えるのが自然である。さらに、法の立法当時の審議によれば、法六条の一〇が想定しているのは、法一二条により業務の禁止の懲戒処分がされ、それに対する行政不服審査請求等によって懲戒処分が取り消されたにもかかわらず、被告において登録取消しの取消しを行わないことに対して、行政不服審査請求を認めるという事案 より業務の禁止の懲戒処分がされ、それに対する行政不服審査請求等によって懲戒処分が取り消されたにもかかわらず、被告において登録取消しの取消しを行わないことに対して、行政不服審査請求を認めるという事案であるとされている。右審議過程からすれば、法六条の一〇は、本件のような事案にまで行政不服審査請求を認める趣旨の規定でないことは明らかである。(原告の主張)本件登録取消しは、公権力に基づき、司法書士の地位を制裁的に剥奪する不利益処分であり、名あて人である原告の権利義務に直接影響を与える行為であるから、行訴法三条二項にいう「処分」に該当する。2 本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき手続法上の瑕疵があるかどうか(原告の主張)本件登録取消しは、次のとおり、聴聞の手続を欠くなどその手続に重大、明白な瑕疵があり、したがって、右処分は、憲法三一条に違反し、当然無効である。(一) 本件登録取消しは制裁的な不利益処分であるから、被告は、右登録取消しをするときには、行政手続法一三条一項に従い、名あて人となるべき原告について聴聞の手続を行うべきである。 録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき手続法上の瑕疵があるかどうか(原告の主張)本件登録取消しは、次のとおり、聴聞の手続を欠くなどその手続に重大、明白な瑕疵があり、したがって、右処分は、憲法三一条に違反し、当然無効である。(一) 本件登録取消しは制裁的な不利益処分であるから、被告は、右登録取消しをするときには、行政手続法一三条一項に従い、名あて人となるべき原告について聴聞の手続を行うべきである。しかるに、被告は、右聴聞の手続を行わずに右登録取消しをしたものであり、右登録取消しは、同項に違反している。(二) 本登録取消しは制裁的な不利益処分であるから、右登録取消しを書面でするときには、行政手続法一四条三項に従い、その理由を付記しなければならないものである。しかるに、被告は右登録取消しの通知に理由を付記しておらず、右登録取消しは同項に違反している。(三) 会則二七条の一三第五項は、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、その旨を登録を取り消した者に書面により通知しなければならい旨定めており、また、取扱規則二六条一項は、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、付録登第二三号様式による登 の登録を取り消したときは、その旨を登録を取り消した者に書面により通知しなければならい旨定めており、また、取扱規則二六条一項は、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、付録登第二三号様式による登録取消通知書を当該登録を取り消された者に通知するものとする旨定め、取扱規則二八条は、取消通知書で当該本人に送付する通知書は、すべて配達証明郵便で送付しなければならない旨定めている。しかるに、被告は、本件登録取消しの通知を簡易書留郵便で送付し、しかも、それが原告に到達しなかったにもかかわらず、あえて放置したままにした。その後、原告に対しては、東京司法書士会会長あての取扱規則の付録登第二四号様式による登録取消通知書のコピーしか送付されていない。右のとおり、本件登録取消しについては、会則及び取扱規則に従った通知がされていない。(被告の主張)(一) 法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の消しは不利益処分には該当しないから、行政手続法一三条の適用がないのは当然である。法六条の八第一項各号に該当する事由が発生した以上、被告は裁量の余地なく司法書士の登録を取り消さなければならないのであるから、あえて聴聞の手続を設ける必要もなく、現に法上聴聞の手続を行うべき旨の規定はおかれていないのである。 規則に従った通知がされていない。(被告の主張)(一) 法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の消しは不利益処分には該当しないから、行政手続法一三条の適用がないのは当然である。法六条の八第一項各号に該当する事由が発生した以上、被告は裁量の余地なく司法書士の登録を取り消さなければならないのであるから、あえて聴聞の手続を設ける必要もなく、現に法上聴聞の手続を行うべき旨の規定はおかれていないのである。法は、一三条の場合にのみ聴聞の手続を行うべき旨特例を定めているが、本件登録取消しは、法一三条の定める場合には該当しない。また、会則二七条の一三第四項は、「法第六条の八第一項各号の一に該当する事実が裁判所の判決等の客観的な資料により直接証明されないときは、あらかじめ、その者にその旨を通知して、相当の期間内に聴聞の機会を与えなければならない。」と規定しているが、本件は、官報による公告があり客観的な資料が存在する事案であるから、会則上も聴聞の手続を必要としないこと の者にその旨を通知して、相当の期間内に聴聞の機会を与えなければならない。」と規定しているが、本件は、官報による公告があり客観的な資料が存在する事案であるから、会則上も聴聞の手続を必要としないことは明らかである。(二) 法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の取消しは不利益処分には該当しないから、行政手続法一四条の適用がないのは当然である。(三) 登録の取消しをした場合、被告は、官報をもって公告し(法六条の一一)、登録を取り消した者及びその者が所属する司法書士会並びに司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知する(法施行規則一一条一項、会則二七条の一三第五項)ことをもって足りるものである。被告は、本件登録取消しをした旨を官報をもって公告しており、また、原告に対しては、平成九年一一月七日、本件登録取消しを行った旨記載した登録取消通知書を簡易書留郵便で発送したが、原告の不在及び保管期間経過のため、右通知書は返送されたため、同月一八日、原告に対し、再度右通知書を普通郵便で発送している。原告は、平成一〇年三月一五日になって、東京司法書士会あての登録取消通知書と題する書面の写しが送付されたことを問題にするが、既に平成九年一一月七日及び同年一一月一八日の登録取消通知書の発送により、本件登録取消しの手続は適式に完了しているのであって、右登録取消しの通知の手続に瑕疵は存在しない。 び保管期間経過のため、右通知書は返送されたため、同月一八日、原告に対し、再度右通知書を普通郵便で発送している。原告は、平成一〇年三月一五日になって、東京司法書士会あての登録取消通知書と題する書面の写しが送付されたことを問題にするが、既に平成九年一一月七日及び同年一一月一八日の登録取消通知書の発送により、本件登録取消しの手続は適式に完了しているのであって、右登録取消しの通知の手続に瑕疵は存在しない。なお、取扱規則二八条は、司法書士の登録の取消しに係る本人に対する取消通知書は、配達証明郵便によって送付すべき旨を定めているが、配達できなかった場合の定めをおいていないのであるから、通知すべき事柄の性質によって適宜その後の手続をとれば足りると解されるところ、本件登録取消しは原告が破産宣告を受けたことを理由とするものであって、原告本人がその事実を既 めをおいていないのであるから、通知すべき事柄の性質によって適宜その後の手続をとれば足りると解されるところ、本件登録取消しは原告が破産宣告を受けたことを理由とするものであって、原告本人がその事実を既に了知している上、被告への報告義務が課せられている事項であり、前述したとおり、聴聞などの手続を行う必要のない場合であるから、本件登録取消しに係る通知書が仮に原告に到達しなかったとしても、原告に特段の不利益はなく、被告としては普通郵便で右通知書を発送することでなすべきことをすべて行ったものというべきである。3 本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき実体法上の瑕疵があるかどうか(被告の主張)(一) 司法書士に法四条各号に定める欠格事由が生じた場合、当該司法書士は直ちに司法書士の資格を失う。被告は、右欠格事由に該当することとなった司法書士等からの届出又は職権により司法書士が資格を喪失した事実を把握したときには、その者が資格を喪失した日付けで司法書士の登録を取り消さなければならないのである。右登録の取消しは、司法書士としての資格を喪失した事実を公に証明する行為であるから、一旦、特定の司法書士が破産宣告を受けたことにより資格を喪失した以上、その後司法書士の登録の取消しの前にその者が復権を得て資格を回復したとしても、被告は、右の資格喪失の日付けで登録の取消しを行う義務があるのである。被告は、原告が平成四年三月九日に破産宣告を受け、司法書士の資格を喪失したことから、右資格喪失の日付けで本件登録取消しを行ったものであり、右登録取消しは適法である。 に証明する行為であるから、一旦、特定の司法書士が破産宣告を受けたことにより資格を喪失した以上、その後司法書士の登録の取消しの前にその者が復権を得て資格を回復したとしても、被告は、右の資格喪失の日付けで登録の取消しを行う義務があるのである。被告は、原告が平成四年三月九日に破産宣告を受け、司法書士の資格を喪失したことから、右資格喪失の日付けで本件登録取消しを行ったものであり、右登録取消しは適法である。(二) 原告は、破産宣告を受けたが、本件登録取消しの前に復権を得ていたから、本件登録取消しは、原告に法四条に定める欠格事由がないのにされた違法なものというべきである旨主張するところ、右の主張は、司法 二) 原告は、破産宣告を受けたが、本件登録取消しの前に復権を得ていたから、本件登録取消しは、原告に法四条に定める欠格事由がないのにされた違法なものというべきである旨主張するところ、右の主張は、司法書士であった者が破産宣告によりその資格を失っても、登録が取り消されない間に復権を得た場合には、再登録の申請を省略でき、取り消されなかった登録をそのまま流用して、司法書士となることができるという考え方を前提とするものである。しかし、このような原告の主張の前提は、次に述べる理由により認められない。すなわち、法六条の三によれば、被告は、司法書士になろとする者からの申請に基づいて司法書士の登録の手続を行うに当たっては、当該申請者について登録拒否事由がないかどうかを審査し、右申請者に登録拒否事由が存在するときは、司法書士の登録を拒否できるものとされている。法が、右のような審査を行わせる趣旨は、司法書士の有資格者に司法書士の業務を遂行させるに当たり、適正かつ誠実な業務の遂行及び司法書士の品位の保持を確保することを目的とするものであり、また、右審査権を被告に付与したのは、その具体的判断を専門職たる司法書士の自治団体である被告の自主的判断にゆだねるのが相当であるとの趣旨に出たものである。その意味で、被告の有する右審査権は、法の目的を達成するために必要不可欠であるのみならず、被告の自治権の確保にとって最も重要な権限である。そして、右の適格性の審査は、司法書士の資格を取得した者が初めて登録を申請する場合に行われなければならないことはいうまでもないが、破産宣告により資格を喪失した者が復権を得た後に再登録の申請をしたときにも、必要不可欠な手続というべきである。 るとの趣旨に出たものである。その意味で、被告の有する右審査権は、法の目的を達成するために必要不可欠であるのみならず、被告の自治権の確保にとって最も重要な権限である。そして、右の適格性の審査は、司法書士の資格を取得した者が初めて登録を申請する場合に行われなければならないことはいうまでもないが、破産宣告により資格を喪失した者が復権を得た後に再登録の申請をしたときにも、必要不可欠な手続というべきである。なぜなら、過去に破産者となった事実は、そのことが直ちに登録の拒否事由となるわけではないにしても、司法書士 を喪失した者が復権を得た後に再登録の申請をしたときにも、必要不可欠な手続というべきである。なぜなら、過去に破産者となった事実は、そのことが直ちに登録の拒否事由となるわけではないにしても、司法書士の適格性の判断に当たって無視できない要素であることは明らかであるからである。したがって、このような重要な審査を免れる結果を招く「登録の流用」が許されないことは明らかである。また、一般に、司法書士に法四条各号に定める欠格事由が生じたことを被告が知る手段としては、事実上当該司法書士及びその関係者からの所属司法書士会を経由しての届出しかないところ、仮に、原告の主張するとおり、司法書士の登録の取消し前に既に復権を得ている場合に右登録の取消しができないということになれば、司法書士が自らに欠格事由が発生したことを届け出る可能性は著しく低下し、登録取消制度の適切な運営は不可能となり、ひいては法一条、一条の二が定める司法書士に対する社会的信頼の確保等の目的を達成し得なくなることは明らかである。原告の主張は、司法書士の登録取消制度の健全な運営を否定するものであって許されない。(原告の主張)本件登録取消しには、次のとおり、これを無効とし又は取り消すべき実体的法上の瑕疵がある。(一) 公務員の欠格事由を定めている国家公務員法三八条、地方公務員法一六条は、いずれも、「破産者で復権を得ないもの」を欠格事由としていない。しかるに、法四条三号が右の事由を公務を間接的に援助する司法書士の欠格事由としているのは、社会的身分により経済的関係において国民を差別するものであり、憲法一四条一項に違反する。したがって、法六条の八第一項四号に基づき、原告が「破産者で復権を得ないもの」に該当するとしてされた本件登録取消しは違法、無効である。 法三八条、地方公務員法一六条は、いずれも、「破産者で復権を得ないもの」を欠格事由としていない。しかるに、法四条三号が右の事由を公務を間接的に援助する司法書士の欠格事由としているのは、社会的身分により経済的関係において国民を差別するものであり、憲法一四条一項に違反する。したがって、法六条の八第一項四号に基づき、原告が「破産者で復権を得ないもの」に該当するとしてされた本件登録取消しは違法、無効である。(二) 原告は、平成四年三月九日、東 一四条一項に違反する。したがって、法六条の八第一項四号に基づき、原告が「破産者で復権を得ないもの」に該当するとしてされた本件登録取消しは違法、無効である。(二) 原告は、平成四年三月九日、東京地方裁判所において破産宣告を受けたが、その後、平成八年三月二九日、東京地方裁判所から免責許可決定を得、右決定は、同年五月二二日に確定したから、破産法三六六条の二一第一項一号により復権を得た。したがって、平成九年一一月六日現在、原告には法六条の八第一項四号に該当する欠格事由は存在しなかったものである。しかるには、被告は、法四条三号の「破産者で復権を得ないもの」との定めを「破産宣告を受けた者」と同義であるとする誤った解釈のもとに、原告に欠格事由があると認定し、本件登録抹消しを行ったものであり、右登録取消しは、法に違反しひいては憲法二二条一項等に違反するものであり、違法、無効である。(三) 本件登録取消しは、平成四年三月九日に遡及して原告の司法書士の登録を取り消すというものであるが、このように過去に遡及して原告に不利益を課す行為は、法律不遡及の原則に反するのみならず、憲法一三条、三九条に違反するものであって、違法、無効である。第三当裁判所の判断一本件登録取消しは抗告訴訟の対象となる処分に該当するかどうか 1 抗告訴訟の対象となる処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうちで、その行為により直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を画することが法律上認められているものをいう。2 そこで、法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の取消しが抗告訴訟の対象となる処分に該当するか否かについて判断する。法三条各号の一に該当し司法書士の資格を有する者は、被告に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けることにより司法書士となること 抗告訴訟の対象となる処分に該当するか否かについて判断する。 直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を画することが法律上認められているものをいう。2 そこで、法六条の八第一項四号に基づく司法書士の登録の取消しが抗告訴訟の対象となる処分に該当するか否かについて判断する。法三条各号の一に該当し司法書士の資格を有する者は、被告に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けることにより司法書士となること 抗告訴訟の対象となる処分に該当するか否かについて判断する。法三条各号の一に該当し司法書士の資格を有する者は、被告に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けることにより司法書士となることができるものであるが(法六条一項)、司法書士が法四条各号に掲げる欠格事由に該当したときには、その者の司法書士たる資格は当然に失われ、その者は司法書士名簿に登録されていても、もはや司法書士としの地位を有せず、その業務を行うことができないものと解される。そして、司法書士がその資格を喪失した場合には、司法書士の登録を抹消してこれを公に証明する必要があるが、法は、司法書士が資格を喪失した場合の公証手続については、被告において当該司法書士が法四条各号に掲げる欠格事由に該当すると認定したときには、司法書士の登録を取り消すべき旨規定し(六条の八第一項四号)、法六条の八第一項四号を含め同項各号に該当することを理由に司法書士の登録を取り消された者が右登録取消しを不服とするときは、法務大臣に対し行政不服審査法に基づく審査請求をすることができる旨規定している(六条の一〇、六条の五第一項)。右各規定によれば、被告がする司法書士の登録の取消しは、当該司法書士が法六条の八第一項各号の一に該当するとの認定判断に基づく司法書士の登録の抹消としての性質を有するものであり、法は、右登録取消しに公定力をもたせ、右認定判断に不服のある者は、原則として、行政不服審査法による不服申立てあるいは取消訴訟によりその是正を求めるべきものとする趣旨であると解される。したがって、法四条各号に掲げる欠格事由に該当しないにもかかわらず、法六条の八第一項四号に基づき司法書士の登録を取り消された者は、右登録の取消しにより、その地位を違法に奪われることになるのであって、その意味で、右登録取消しは抗告訴 格事由に該当しないにもかかわらず、法六条の八第一項四号に基づき司法書士の登録を取り消された者は、右登録の取消しにより、その地位を違法に奪われることになるのであって、その意味で、右登録取消しは抗告訴訟の対象となる処分に該当するものと解するのが相当である。 四号に基づき司法書士の登録を取り消された者は、右登録の取消しにより、その地位を違法に奪われることになるのであって、その意味で、右登録取消しは抗告訴 格事由に該当しないにもかかわらず、法六条の八第一項四号に基づき司法書士の登録を取り消された者は、右登録の取消しにより、その地位を違法に奪われることになるのであって、その意味で、右登録取消しは抗告訴訟の対象となる処分に該当するものと解するのが相当である。被告は、右の場合における司法書士の登録取消しは、これによって司法書士としての身分又は資格そのものを失わしめる行為ではなく、司法書士としての身分又は資格を失っているという事実を公に証明する行為にすぎず、登録を取り消される者の権利義務に直接影響を与えるものではない旨主張するところ、司法書士が法四条各号に掲げる欠格事由に該当することとなった場合には、当該司法書士は当然に資格を喪失するものと解すべきこと、司法書士が法四条各号に掲げる欠格事由に該当するかどうかの認定判断は裁判所の決定等により容易にできるものであり、被告と当該司法書士の間にその点に関して紛争が生じる余地が極めて少ないことは被告のいうとおりである。しかしながら、司法書士が欠格事由に該当し資格を喪失した場合の公証手続について、登録取消制度を採用し、被告がするその資格喪失についての認定判断を含む登録取消しに公定力をもたせ、右認定判断に違法がある場合には、登録取消しの取消訴訟を提起できるものとしてその是正を図ることとするか、あるいは、税理士法二六条一項による登録抹消制度と同様の制度を採用し、被告がする右認定判断に公定力をもたせず、司法書士の資格喪失の事実がないのに、司法書士の登録を抹消する手続がとられた場合には、当該抹消手続を当然無効とする取扱いにするかは、立法政策にゆだねられているものと考えられる。そして、司法書士の資格喪失の場合の公証手続について法が前者の立場をとっているものと解すべきことは前示のとおりである。したがって、被告の 扱いにするかは、立法政策にゆだねられているものと考えられる。そして、司法書士の資格喪失の場合の公証手続について法が前者の立場をとっているものと解すべきことは前示のとおりである。したがって、被告の主張は採用することができない。二本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき手続法上の瑕疵があるかどうか 手続について法が前者の立場をとっているものと解すべきことは前示のとおりである。したがって、被告の 扱いにするかは、立法政策にゆだねられているものと考えられる。そして、司法書士の資格喪失の場合の公証手続について法が前者の立場をとっているものと解すべきことは前示のとおりである。したがって、被告の主張は採用することができない。二本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき手続法上の瑕疵があるかどうか 1 原告は、被告が、司法書士の登録を取り消したときは、その旨を登録を取り消した者に書面により通知しなければならず(会則二七条の一三第五項)、また、付録登第二三号様式による登録取消通知書を当該登録を取り消された者に送付するものとするとされ(取扱規則二六条一項)、取消通知書で当該本人に送付する通知書は、すべて配達証明郵便で送付しなければならないとされている(同規則二八条)にもかかわらず、被告は、本件登録取消しの通知を簡易書留郵便で送付し、しかも、それが原告に到達しなかったにもかかわらず、あえて放置したままにし、その後、原告に対しては、東京司法書士会会長あての取扱規則の付録登第二四号様式による登録取消通知書のコピーしか送付されていないとし、本件登録取消しの通知には重大、明白な瑕疵がある旨主張する。しかしながら、司法書士の登録を取り消した場合の公告、本人等への通知手続に関しては、法六条の一一が、被告は、司法書士の登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならない旨、法施行規則一一条一項が、被告は、登録を取り消した者が所属する司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知しなければならない旨それぞれ定め、さらに、会則二七条の一三第五項が、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、その旨及びその理由を、登録を取り消した者及びその者が所属する司法書士会並びに司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務 、さらに、会則二七条の一三第五項が、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、その旨及びその理由を、登録を取り消した者及びその者が所属する司法書士会並びに司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に、書面により通知しなければならない旨定めているだけであり、被告は、司法書士の登録を取り消した場合には、右の手続を履践すればよく、また、登録を取り消した者等への通知方法について、法は特に規定していないから、その通知は適宜の方法ですれば足りるものと解される。 ときは、その旨及びその理由を、登録を取り消した者及びその者が所属する司法書士会並びに司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に、書面により通知しなければならない旨定めているだけであり、被告は、司法書士の登録を取り消した場合には、右の手続を履践すればよく、また、登録を取り消した者等への通知方法について、法は特に規定していないから、その通知は適宜の方法ですれば足りるものと解される。しかして、証拠(甲二、三、四の1、2、乙四、五の1、2)及び弁論の全趣旨によれば、被告は、本件登録取消しをした旨を平成九年一二月一〇日発行の官報をもって公告したこと、また、被告は、その旨を原告が所属する東京司法書士会及び同司法書士会の事務所の所在地を管轄する東京法務局長に通知したこと、さらに、被告は、原告に対し、平成九年一一月七日、本件登録取消しを行った旨記載した登録取消通知書を簡易書留郵便で発送したが、原告の不在及び保管期間経過のため、右通知書は返送されたため、同月一八日、原告に対し、再度右通知書を普通郵便で発送したことが認められ、右事実によれば、被告は、司法書士の登録を取り消した場合に法が要求している本人等への通知手続を履践したものと認めることができる。なお、右会則の規定を受け、取扱規則二六条一項は、被告は、司法書士の登録を取り消したときは、付録登第二三号様式による登録取消通知書を当該登録を取り消された者に送付するものとする旨定め、同規則二八条は、取消通知書で当該本人に送付する通知書は、すべて配達証明郵便で送付しなければならない旨定めているが、取扱規則二八条の規定は、通知の事跡を明らかにしておくための措置を定めた訓示的規定と解され、右規定に反したからといって、 送付する通知書は、すべて配達証明郵便で送付しなければならない旨定めているが、取扱規則二八条の規定は、通知の事跡を明らかにしておくための措置を定めた訓示的規定と解され、右規定に反したからといって、会則の定める通知の要件を満たさないものということはできない。しかも、原告が、その後、東京司法書士会会長あてに、平成一〇年三月三日付けで「会費免除申請用紙の送付方依頼について」と題する書面及び同日付けの「平成九年分年計報告書用紙の送付方依頼について」と題する書面を送付し、各用紙の送付を依頼し、これに対し、同司法書士会は、平成一〇年三月一一日付けで、原告に対し、被告から同司法書士会会長あての原告に係る「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」(平成九年一一月六日付け)の写し及び「東京司法書士会の脱会について(通知)」と題する書面で通知されているとおり、原告は、平成四年三月九日をもって、法六条の八第一項四号の事由により、司法書士の登録を取り消され、かつ、東京司法書士会会則一一条に基づき、同司法書士会を脱会しており、したがって、原告からの右依頼については、同司法書士会として対応できない旨記載した回答書を原告に係る「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」の写し等を添付して発送し、右回答書が、平成一○年三月一五日に原告に到達したことは、前記第二の一3記載とおりであり、原告は遅くとも、その時点では、本件登録取消しがあったことを知ったものと認められるのであって、本件登録取消しの通知手続に右登録取消しを無効とし又は取り消すべき瑕疵があったということはできない。 書士会として対応できない旨記載した回答書を原告に係る「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」の写し等を添付して発送し、右回答書が、平成一○年三月一五日に原告に到達したことは、前記第二の一3記載とおりであり、原告は遅くとも、その時点では、本件登録取消しがあったことを知ったものと認められるのであって、本件登録取消しの通知手続に右登録取消しを無効とし又は取り消すべき瑕疵があったということはできない。2 原告は、被告は、原告について聴聞の手続を行わずに本件登録取消しを行ったものであり、右登録取消しは、行政手続法一三条一項に違反している旨主張する。確かに、行政手続法一三条一項は、行政庁は、不 2 原告は、被告は、原告について聴聞の手続を行わずに本件登録取消しを行ったものであり、右登録取消しは、行政手続法一三条一項に違反している旨主張する。確かに、行政手続法一三条一項は、行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、当該名あて人となるべき者について、聴聞等の意見陳述のための手続をとらなければならない旨定めているが、しかし、一方において、同条二項二号は、法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書等その他客観的な資料により直接証明されたものをしようとするときには、同条一項の規定は適用しない旨定めている。本件についてみると、本件登録取消しは、法四条三号の「破産者で復権を得ないもの」に該当する場合に必ずすることとされている処分であり、その資格の喪失は、裁判所の決定書ないし破産宣告があった旨の公告(破産法一四三条参照)により直接証明される事項であるから、右登録取消しには行政手続法一三条一項の規定の適用はないというべきである。したがって、原告のこの点に関する主張は、失当である。3 原告は、本登録取消しに当たり、その通知に右登録取消しの理由を付記しておらず、右登録取消しは、行政手続法一四条三項に違反している旨主張する。しかしながら、被告が、本件登録取消しをするに当たり、原告に対し登録取消通知書を送付する手続をとっていること、東京司法書士会から原告に対し、被告から同司法書士会会長あての原告に係る「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」の写しが送付されていることは前記認定のとおりであるところ、証拠(甲二、三、四の1、2、乙五の1、2)によれば、右各通知書には、登録取消事由について「司法書士法六条の 旨主張する。しかしながら、被告が、本件登録取消しをするに当たり、原告に対し登録取消通知書を送付する手続をとっていること、東京司法書士会から原告に対し、被告から同司法書士会会長あての原告に係る「登録取消通知書(日司連登発第二四九九号)」の写しが送付されていることは前記認定のとおりであるところ、証拠(甲二、三、四の1、2、乙五の1、2)によれば、右各通知書には、登録取消事由について「司法書士法六条の 書(日司連登発第二四九九号)」の写しが送付されていることは前記認定のとおりであるところ、証拠(甲二、三、四の1、2、乙五の1、2)によれば、右各通知書には、登録取消事由について「司法書士法六条の八第一項四号」との記載が、登録取消年月日について、原告が破産宣告を受けた日である「平成四年三月九日」との記載があり、原告が破産宣告を受けたことは自ら承知していることであることを考慮すれば、右各通知書には、行政手続法一四条一項、三項にいう「不利益処分の理由」が示されているものとみるのが相当である。したがって、原告の右主張は採用できない。三本件登録取消しにこれを無効とし又は取り消すべき実体法上の瑕疵があるかどうか 1 司法書士が法四条各号の一に該当したときには、その者は当然に司法書士の地位を失う。同条三号は、「破産者で復権を得ないもの」は司法書士の資格を有しない旨規定しており、したがって、破産宣告を受けた者は、復権を得るまでの間は司法書士の資格を喪失し、司法書士の登録を受けていても、司法書士としての業務を行うことはできなくなるものである。そこで、法六条の八第一項四号は、被告は、司法書士が法四条各号の一に該当するに至った場合には、その登録を取り消さなければならないとし、これにより、右資格喪失の事実を公に証明すべきものとし、また、右公証行為を円滑かっ適正に行うために、法六条の八第二項は、司法書士が、法四条各号の一に該当するに至ったときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該司法書士が所属していた司法書士会を経由して、被告にその旨を届け出なければならないものと定めているのである。また、司法書士の資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けなければならない(法六条一項)のであって、 なければならないものと定めているのである。また、司法書士の資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けなければならない(法六条一項)のであって、司法書士の資格を喪失した者がその後その資格を回復したときにも、あらためて右の登録を受けなければならないものである。 に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けなければならない(法六条一項)のであって、 なければならないものと定めているのである。また、司法書士の資格を有する者が、司法書士となるには、被告に備える司法書士名簿に氏名その他の事項の登録を受けなければならない(法六条一項)のであって、司法書士の資格を喪失した者がその後その資格を回復したときにも、あらためて右の登録を受けなければならないものである。そして、司法書士の資格を回復した者が登録を受けようとする場合には、当然のことながら、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、被告に登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載した登録申請書を司法書士となる資格を有することを証する書類を添付して提出しなければならないものであり(法六条の二)、また、右申請があった場合、被告は、その者が司法書士の資格を有せず、又は法六条の三第一項各号の一に該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならないものである(法六条の三第一項)。右のとおり、現行の司法書士の登録制度は、司法書士の資格の取得、喪失についてこれを正確に公証し、司法書士の資格を喪失した者が再びその資格を回復し、司法書士としての業務を行おうとする場合には、あらためて所定の登録申請をして司法書士の登録を受けなければならず、その際、被告においては、当該申請者が司法書士の資格を有するかどうか、法六条の三第一項各号の一に該当しないかどうかの審査を新規に行うべきものとし、これによって、司法書士の業務の適正を図り、登記、供託及び訴訟等に関する手続の円滑な実施に資するという法の目的を達成しようとしているものと解される。法四条三号及び右の登録制度の趣旨からすれば、司法書士で破産宣告を受け司法書士の資格を喪失した者が、その後、復権を得ても、司法書士の資格を回復するに止まり、 達成しようとしているものと解される。法四条三号及び右の登録制度の趣旨からすれば、司法書士で破産宣告を受け司法書士の資格を喪失した者が、その後、復権を得ても、司法書士の資格を回復するに止まり、司法書士の地位まで回復するわけではなく、右復権を得た者が再び司法書士となるためには、あらためて法六条一項による司法書士の登録を受けなければならないものと解するのが相当である。 司法書士の資格を回復するに止まり、 達成しようとしているものと解される。法四条三号及び右の登録制度の趣旨からすれば、司法書士で破産宣告を受け司法書士の資格を喪失した者が、その後、復権を得ても、司法書士の資格を回復するに止まり、司法書士の地位まで回復するわけではなく、右復権を得た者が再び司法書士となるためには、あらためて法六条一項による司法書士の登録を受けなければならないものと解するのが相当である。したがって、司法書士が破産宣告により資格を喪失したにもかかわらず、被告が右資格喪失の事実を把握できず、法六条の八第一項に基づく司法書士の登録の取消しをしないうちに、その者が復権を得てその資格を回復したという場合にも、被告は、その者が破産宣告を受け、司法書士の資格を喪失したことを把握したときには、直ちに右事実を公証すべく、その者が破産宣告を受けた日を資格喪失日とする司法書士の登録の取消しを行うべきであり、また、その者が復権を得た後に司法書士としての業務を行おうとする場合には、あらためて被告に司法書士の登録申請をし、その審査を受けてその登録を受けなければならないものというべきである。原告が平成四年三月九日に破産宣告を受けたことは、前記第二の三2記載のとおりであるところ、被告が平成九年一一月六日付けで原告に対してした平成四年三月九日を取消年月日とする本件登録取消しは、被告において原告が同日破産宣告を受け、司法書士の資格を喪失したことを把握したことから、これを公証すべく、その登録を取り消す趣旨のものであると解されるのであって、右登録取消しは、法六条の八第一項四号に基づく適法な処分というべきである。2(一) 原告は、法四条が、公務員の欠格事由とはされていない「破産者で復権を得ないもの」を公務を間接的に援助する立場にある司法書士の欠格事由としているのは、社会的身分により経済的関係 べきである。2(一) 原告は、法四条が、公務員の欠格事由とはされていない「破産者で復権を得ないもの」を公務を間接的に援助する立場にある司法書士の欠格事由としているのは、社会的身分により経済的関係において国民を差別するものであり、憲法一四条一項に違反する旨主張する。しかしながら、憲法一四条一項は、国民に対し絶対的な平等を保障したものでなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであり、事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱いをすることは、何ら同条項の否定するところではないというべきである(最高裁昭和三七年(オ)第一四七二号同三九年五月二七日大法廷判決・民集一八巻四号六七六頁参照)。 憲法一四条一項に違反する旨主張する。しかしながら、憲法一四条一項は、国民に対し絶対的な平等を保障したものでなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであり、事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱いをすることは、何ら同条項の否定するところではないというべきである(最高裁昭和三七年(オ)第一四七二号同三九年五月二七日大法廷判決・民集一八巻四号六七六頁参照)。公務員は、国又は地方公共団体から給与を受けてその公務に従事する者であり、その公務に関する行為については国家や地方公共団体が最終的に責任を負う仕組みになっているのに対し、司法書士は、独立の事業者としてその業務を営む者であり、その行為については自ら責任を負わなければならない立場にあるのであるから、法四条が司法書士の欠格事由について、公務員の欠格事由を定める国家公務員法三八条及び地方公務員法一六条と異なる定めをしているのは、公務員と司法書士の各法律上の地位の差異に基づく合理的な区別であるというべきであり、原告の右主張は採用できない。(二) 原告は、平成九年一一月六日現在、原告には法六条の八第一項四号に該当する欠格事由は存在しなかったにもかかわらず、被告は、法四条三号の「破産者で復権を得ないもの」との定めを「破産宣告を受けた者」と同義であるとする誤った解釈のもとに、原告に欠格事由があると認定し、本件登録抹消しを行ったものであり、右登録取消しは、法に違反しひいては憲法二二条一項等に違反するものであり、違法、無効である旨主 と同義であるとする誤った解釈のもとに、原告に欠格事由があると認定し、本件登録抹消しを行ったものであり、右登録取消しは、法に違反しひいては憲法二二条一項等に違反するものであり、違法、無効である旨主張する。しかしながら、前記1に説示したとおり、司法書士の欠格事由を定める法四条三号及び司法書士の登録の取消しについて定める法六条の八第一項四号は、破産宣告を受けた者は復権を得るまでの間は司法書士としての資格を失うこと、司法書士の資格を失った場合にはこれを公に証明するためその登録は取り消されるべきことをそれぞれ定めているのであって、破産宣告を受けた者がその後復権を得たときには、破産宣告を受けなかった者と同様に取り扱われ、従前受けていた司法書士の登録を取り消されることがなく、その登録をそのまま流用できる旨を定めているものではない。 第一項四号は、破産宣告を受けた者は復権を得るまでの間は司法書士としての資格を失うこと、司法書士の資格を失った場合にはこれを公に証明するためその登録は取り消されるべきことをそれぞれ定めているのであって、破産宣告を受けた者がその後復権を得たときには、破産宣告を受けなかった者と同様に取り扱われ、従前受けていた司法書士の登録を取り消されることがなく、その登録をそのまま流用できる旨を定めているものではない。原告の右主張は、右各規定の趣旨について右と異なる見解に立つものであって、失当である。(三) 原告は、本件登録取消しは、平成四年三月九日に遡及して原告の司法書士の登録を取り消すというものであるが、このように過去に遡及して原告に不利益を課す行為は、法律不遡及の原則に反するのみならず、憲法一三条、三九条に違反するものであって、違法、無効である旨主張する。しかしながら、前示のとおり、原告は、平成四年三月九日に破産宣告を受けたことにより、司法書士の資格を喪失したものであり、本件登録取消しは、原告が右の時点で資格を喪失した旨を公証するためにされたものであって、原告に対し過去に遡及して不利益を課す処分ということはできない。原告の右主張は、その前提を誤るものであり、失当である。四結語以上の次第で、本件登録取消しには、手続法上も実体法上もこれを無効とし又は取り消すべき瑕疵はないというべきであり、したがってまた、原告が司法書士 、その前提を誤るものであり、失当である。四結語以上の次第で、本件登録取消しには、手続法上も実体法上もこれを無効とし又は取り消すべき瑕疵はないというべきであり、したがってまた、原告が司法書士名簿に登録を受けた者でなく、司法書士の地位を有するものでないことは明らかというべきである。よって、原告の本件請求はいずれも理由がないから、これらを棄却することとし、訴訟費用の負担について、行訴法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官青柳馨裁判官増田稔裁判官篠田賢治

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