平成24(行ケ)10325 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成25年3月14日 知的財産高等裁判所 2部 判決 請求棄却
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判決文本文9,076 文字)

- 1 -平成25年3月14日判決言渡平成24年(行ケ)第10325号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成25年1月15日判決 原告X 訴訟代理人弁理士八木澤史彦 被告キッコーマン株式会社 訴訟代理人弁護士岡崎士朗弁理士長谷川芳樹黒川朋也工藤莞司森川邦子 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判特許庁が取消2011-300937号事件について平成24年8月8日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要- 2 -本件は,被告の登録商標の不使用を理由とする原告からの登録取消審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,商標の使用の事実の有無である。 1 特許庁における手続の経緯被告は,本件商標権者である。 【本件商標】VICTOIRE(標準文字)・登録第5086706号・指定商品第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」・出願日平成19年4月9日・登録日平成19年10月26日原告は,平成23年10月5日,特許庁に対し,商標法50条1項の 品第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」・出願日平成19年4月9日・登録日平成19年10月26日原告は,平成23年10月5日,特許庁に対し,商標法50条1項の規定により,本件商標の指定商品中,第33類「日本酒,洋酒」についての登録を取り消すことを求めて審判の請求をし(取消2011-300937号),同月26日,取消審判請求がされた旨の予告登録がされた(甲1,21)。 特許庁は,平成24年8月8日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は同月16日,原告に送達された。 2 審決の理由の要点被請求人(被告)が提出した証拠(甲5~10,12~14,16)によれば,マンズワイン株式会社は,「Victoire」と「BOX」の欧文字を上下二段に書した商標(使用商標1)及び「ビクトワール」と「ボックス」の片仮名を上下二段に書した商標(使用商標2)を付した(箱入りの)果実酒(赤,白,赤甘)(使用商品)を製造し,平成23年8月3日,同月12日及び同月26日に使用商品をキッコーマン食品株式会社に販売したこと,キッコーマン食品株式会社は,同月2日及び同年9月30日に,使用商品を株式会社やまやに販売したこと,使用商標1及び使用商標2は,本件商標と社会通念上同一と認められること,マンズワイン株式会社及びキッコーマン食品株式会社は,本件商標の通常使用権者であることが認- 3 -められる。したがって,被請求人(被告)は,審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品中の「果実酒」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。 第3 原告主張の審決取消事由 1 取消事由1(証拠記載の使 定商品中の「果実酒」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。 第3 原告主張の審決取消事由 1 取消事由1(証拠記載の使用商標の見落とし)審決は,被告商品の包装容器(甲6~8)に基づいて,使用商標1,2の使用事実を認定したが,甲6~8には,「ビクトワールボックス」と片仮名で一段に書した商標(使用商標3)が,使用商標2よりも大きな文字で表示されており,審決はこれを看過した。 使用商標3の存在が,需要者・取引者の使用商標1,2の認識に影響することは明らかであるから,審決の上記看過は,審決の結果に重要な影響を与える誤りである。 2 取消事由2(使用商標1に関する認定判断の誤り)(1) 審決は,使用商標1は上下二段に横書きされた各文字が視覚上分離して看取されると判断したが(10頁),単に二段書きされていることが,需要者・取引者において分離して認識する根拠とはならない。むしろ,使用商標1においては,「Victoire」と「BOX」の双方とも短い欧文字が上下二段に密接してまとまりよく配置されており,しかも,同書同大で書してなる。さらに,「Victoire」において,最初の文字である「V」が大文字で表示されることにより強い印象を与えるのに対して,残りの文字「ictoire」は小文字で表示されており弱い印象しか与えない。一方,「BOX」はすべて大文字で表示されており,「Victoire」の最初の文字である「V」と同様に強い印象を与える。このため,使用商標1の外観構成において,「BOX」は「Victoire」の最初の文字である「V」と同様の識別機能を有するから,需要者・取引者は使用商標1- 4 -全体として認識する。 しかも,甲6~8において,使用商標1 において,「BOX」は「Victoire」の最初の文字である「V」と同様の識別機能を有するから,需要者・取引者は使用商標1- 4 -全体として認識する。 しかも,甲6~8において,使用商標1が表示されている箇所の近傍には,使用商標2「ビクトワール/ボックス」よりも大きな文字の使用商標3「ビクトワールボックス」が表示されていることから,需要者・取引者は,使用商標1が全体として「ビクトワールボックス」と称呼することを認識するのが当然である。 (2) 審決は,使用商標1の構成中,「BOX」の文字が「箱」を意味する平易な語であって,果実酒の分野において,当該商品が「箱」(紙パック)入りであるとの包装形態を表す語にすぎないから,「Victoire」の部分が自他商品の識別機能を有する部分というのが相当であると認定した(11頁)。 しかし,果実酒が紙パック入りという包装形態の場合には,「紙パック」と表示するのが圧倒的多数である(甲23)。被告商品の包装容器を示す甲6~8にも「紙パック」と小さく表示されている。果実酒において,「BOX」という包装形態の表示は,一般的には,例えば,ボトル入りのワインが複数本入った箱を意味し,具体的には木の箱やダンボール箱を意味する(甲24)。以上は,周知の事実である。 果実酒の分野において,その包装容器の目立つ部分に,大きな文字で,紙パック,ボトル,BOX,ボックス,というような包装形態をわざわざ表示することはない,というのが世の中における圧倒的多数であり,このことは周知の事実である。包装形態が表示されるとすれば,例えば,甲6~8のように,小さな文字で「紙パック」と表示されるのであり,このような表示は商標とは明確に区別される。 しかも,使用商標1が付されるワインの一点一点は,紙パック入りであるから,「 ,例えば,甲6~8のように,小さな文字で「紙パック」と表示されるのであり,このような表示は商標とは明確に区別される。 しかも,使用商標1が付されるワインの一点一点は,紙パック入りであるから,「BOX」という表示とは明らかに整合しない。 需要者・取引者は,上述の周知事実を踏まえて使用商標1を観察するから,包装容器の目立つ部分に,「Victoire」と密接して同書同大で,大きな文字で,わざわざ表示される「BOX」が,包装形態を示すにすぎないと認識するという認定は,経験則に反し,誤りである。 「BOX」が他の文言と結びついて全体として識別機能を有し,全体として商標- 5 -として機能する例は,多数存在する。 被告は,「日本酒,洋酒等」を指定商品として,片仮名の「マンズボックス」と欧文字の「MANNSBOX」が二段表示される商標を出願し,登録されている(甲25の2)。使用商標1,「CHILEBOX」商標及び「MANNSBOX」商標の存在を考慮すれば,「BOX」は,被告の一種のシリーズ名ないしはブランド名として機能していると評価できるから,この点からも,識別機能を有することが理解される。 酒類を指定商品として,「BOX」又は「ボックス」を含む全体に識別機能が認められて登録された商標は他にも多数存在する。 多くの当業者が,「BOX」あるいは「ボックス」の文言と識別力のない文言を組み合わせた商標を出願し,実際に登録されていることは,「BOX」あるいは「ボックス」にも識別機能があることを示す。 以上から,「BOX」の文字が「箱」を意味する平易な語であって,果実酒の分野において,当該商品が「箱」(紙パック)入りであるとの包装形態を表す語にすぎないから,「Victoire」の部分が自他商品の識別機能を有する部分というのが相当 意味する平易な語であって,果実酒の分野において,当該商品が「箱」(紙パック)入りであるとの包装形態を表す語にすぎないから,「Victoire」の部分が自他商品の識別機能を有する部分というのが相当であるとの審決の判断は,根拠がなく,事実に反し,誤りである。したがって,使用商標1と本件商標が社会通念上同一であるとする審決の認定は誤りである。 3 取消事由3(使用商標2における判断の誤り)審決は,使用商標2においても,使用商標1におけるのと同様に,「ボックス」の文字が当該商品の包装形態を表す語にすぎないから,「ビクトワール」の部分が自他商品の識別機能を有する部分というのが相当であると認定した。この認定が誤りである理由は,上述の使用商標1における認定が誤りであることと同様である。 甲6~8には,使用商標3も存在する。使用商標2と使用商標3とは,使用商標3が使用商標2よりも大きな文字で表示されていること以外では,二段書きか一段書きかの相違しかないから,需要者・取引者の認識にとって,その相違は何らの意- 6 -味も有さない。 審決は,本件商標について,本件商標は,その構成文字「VICTOIRE」に相応して「ビクトワール」の称呼を生じ,「勝利。勝利の女神」の観念を生じるものと認められると判断するが,誤りである。 「VICTOIRE」は審決も認定するようにフランス語であるが,フランス語を解する日本人は非常に少ない。圧倒的多数の需要者は,フランス語を解さず,フランス語の辞書を参照する等の努力をしない限り,「VICTOIRE」に相応して「ビクトワール」の称呼を生じることは認識せず,「勝利。勝利の女神」の観念を生じるものと認識することもない。 審決は,日本人の圧倒的多数がフランス語を解さないという周知の事実を捨象して,本件商標と使用 トワール」の称呼を生じることは認識せず,「勝利。勝利の女神」の観念を生じるものと認識することもない。 審決は,日本人の圧倒的多数がフランス語を解さないという周知の事実を捨象して,本件商標と使用商標2とが社会通念上同一であると判断しており,誤りがある。 第4 被告の反論 1 取消事由1(証拠記載の使用商標の見落とし)に対して原告は,使用商標3の存在が,需要者・取引者の使用商標1及び2の認定にいかなる影響を与えるのかについて何ら主張,立証していない。したがって,原告の主張は失当である。 2 取消事由2(使用商標1に関する認定判断の誤り)に対して本件商標が表示されているような1.8リットル入りの低価格の紙パックワインは,1994年頃より,サントリー,メルシャン,キッコーマン,サッポロビール等の国産メーカーが,家族やグループで手軽に飲むという新しい需要を開拓するために,開発された商品であり,ボックスタイプのワインとしての地位を確立するほどに,非常に好調に成長し,各社から多数,製造,販売されている。 使用商標1の構成中「BOX」は,果実酒との関係において,当該商品がボックスタイプ,すなわち,箱(紙パック)入りであるとの包装形態を表わすものとして,取引者・需要者に認識されることは明らかである。そのため,使用商標1の構成中- 7 -「BOX」は,自他商品の識別力がないか,もしくは極めて弱い部分であり,自他商品の識別力を有する部分は「Victoire」の部分にあるというべきであって,この点について審決に所論の違法性はない。 使用商標1の外観構成についていうと,上下二段に横書きされた各文字の文字数は,8文字と3文字と上下二段で著しく異なる上に,下段の文字のみが大文字で天地を揃えてまとまりよく表示されている。そのため,「Vi 商標1の外観構成についていうと,上下二段に横書きされた各文字の文字数は,8文字と3文字と上下二段で著しく異なる上に,下段の文字のみが大文字で天地を揃えてまとまりよく表示されている。そのため,「Victoire」と「BOX」の各文字は,視覚上分離され得ることは明らかである。 使用商標1の称呼についていうと,登録商標と称呼及び観念を同じくし外観も酷似する標章(社会通念上,登録商標と同一の標章)の使用が,商標法50条にいう「登録商標の使用」に該当すると解すべきことは当然であるが,それにとどまらず,登録商標の構成に変更が加えられたために外観が必ずしも登録商標と酷似するとはいえない標章であっても,構成の変更が,登録商標の構成において基本をなす部分を変更するものでなく,当該登録商標が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるものであるときは,その標章の使用をもって同条にいう「登録商標の使用」に該当すると解して差支えない。仮に,使用商標3から,全体としてそれ自体一つの称呼が生じる可能性があるとしても,取引の実際においては,使用商標1の構成中「Victoire」の部分,すなわち,本件商標に相当する部分が商標として自他商品識別力を有しているものというべきである。また,そのことから,使用商標1のような結合商標を,直ちに一連一体として観察,称呼しなければならないものとはいえず,「Victoire」の部分の自他商品識別力が否定されるものでもない。 使用商標3は,その構成全体から生じる称呼「ビクトワールボックス」は,10音(長音,促音を含む)とその音構成は冗長である。また,使用商標3の構成文字中「ビクトワール」の文字は,仏語の「Victoire」の表音であり,「勝利。 勝利の女神」の観念を生じるものと認められる。そのため,「箱」を意味する「ボックス 冗長である。また,使用商標3の構成文字中「ビクトワール」の文字は,仏語の「Victoire」の表音であり,「勝利。 勝利の女神」の観念を生じるものと認められる。そのため,「箱」を意味する「ボックス」の文字と結合し,必ずしも特定の観念をもって親しまれた一体不可分の熟- 8 -語等を表すものでもない。そうとすれば,「ビクトワール」と「ボックス」を常に一体のものと把握されるとみるべき特段の事情があるとも認められないことから,使用商標3は,その要部である「ビクトワール」と略称されることも少なくないというべきである。 結合商標の一部を構成する語が他の構成する語と比較して特に顕著である場合には,その顕著な部分のみに印象付けられて取引に供する場合も少なくない。使用商標3の構成中「ボックス」は,果実酒の分野において,当該商品がボックスタイプ,すなわち,箱(紙パック)入りであるとの包装形態を表わすものとして一般に認識されている。そのため,「ボックス」は,自他商品の識別力を有する要部ではない。 「BOX」あるいは「ボックス」の文言を含む商標が複数併存登録しているという事実は,「BOX」あるいは「ボックス」には識別機能がないか,あるいは極めて弱いものであることを示すものである。 よって,原告の主張に理由はない。 3 取消事由3(使用商標2における判断の誤り)に対して使用商標3から,全体としてそれ自体一つの称呼が生じる可能性があるとしても,取引の実際においては,使用商標2の構成中「ビクトワール」の部分,すなわち,本件商標に相当する部分が商標として自他商品識別力を有しているものというべきである。また,そのことから,使用商標2のような結合商標を,直ちに一連一体として観察,称呼しなければならないものとはいえず,「ビクトワール」の部分の自他商品識別 商品識別力を有しているものというべきである。また,そのことから,使用商標2のような結合商標を,直ちに一連一体として観察,称呼しなければならないものとはいえず,「ビクトワール」の部分の自他商品識別力が否定されるものでもない。 仮に,使用商標2の構成中「Victoire」を「勝利。勝利の女神」の観念を生じるものとの認識がなされず,特定の語義をもたない造語として認識されたとしても,「ビクトワール」の部分が要部として自他商品識別力を有することが否定されるものではない。 第5 当裁判所の判断- 9 - 1 取消事由1(証拠記載の使用商標の見落とし)について審決は,甲6~8に「Victoire」と「BOX」の欧文字を上下二段に書した商標(使用商標1)及び「ビクトワール」と「ボックス」の片仮名を上下二段に書した商標(使用商標2)が記載されていることを認定したが,「ビクトワールボックス」と片仮名で一段に書した商標(使用商標3)も記載されていることに言及しなかった。 しかし,原告主張の使用商標3が甲6~8に表示されているのは事実であるにしても,使用商標1,2が審決挙示の証拠に表示されている以上,使用商標1,2について本件商標の使用の有無を判断した審決に誤りはない。 よって,取消事由1には理由がない。 2 取消事由2(使用商標1に関する認定判断の誤り)について使用商標1は,「Victoire」と「BOX」の欧文字を上下二段に書してなり,上段からは「ビクトワール」,下段からは「ボックス」の称呼を生じる。「BOX」からは「箱」の観念を生じ,当該商品は箱(紙パック)入りであるから,使用商標1及び2を見た需要者は,「BOX」は当該商品の包装形態を意味すると理解する。したがって,使用商標1において自他商品の識別力を有するのは「Vic 生じ,当該商品は箱(紙パック)入りであるから,使用商標1及び2を見た需要者は,「BOX」は当該商品の包装形態を意味すると理解する。したがって,使用商標1において自他商品の識別力を有するのは「Victoire」の部分であると認めるのが相当である。 原告は,使用商標1の「V」と「BOX」は印象が強く「ictoire」は印象が弱いと主張するが,「Victoire」の「V」だけが大文字で表され,「ictoire」と小文字が連続した後,行を改めた「B」で再び大文字となり,続く「OX」も大文字で表されていることから,需要者が「Victoire」と「BOX」を分離して観察することは明らかである。したがって,使用商標1は全体として称呼されるとの原告の主張は理由がない。 原告は,使用商標1の「BOX」が商品の包装形態を示すとの審決の認定は経験則に反すると主張するが,甲18の1~4,甲23,24,25の1~8,10~13,甲28,乙1~25によれば,使用商品以外にも紙パック入りの果実酒が多- 10 -数販売されており,それらは取引上「ボックスワイン」又は「ボックスタイプ」と呼ばれ,「○○ボックス」又は「○○BOX」との商標を有する場合が多いことが認められる。多数の「ボックスタイプ」の果実酒が「○○ボックス」又は「○○BOX」の商標で販売されている以上,「ボックス」又は「BOX」の部分に自他商品の識別力があるとは認められない。したがって,原告の主張は理由がない。 以上によれば,使用商標1と本件商標が社会通念上同一であるとの審決の認定判断に誤りはなく,取消事由2には理由がない。 3 取消事由3(使用商標2における判断の誤り)について使用商標2は,「ビクトワール」と「ボックス」の片仮名を上下二段に書してなり,上段からは「ビクトワール」,下段か 事由2には理由がない。 3 取消事由3(使用商標2における判断の誤り)について使用商標2は,「ビクトワール」と「ボックス」の片仮名を上下二段に書してなり,上段からは「ビクトワール」,下段からは「ボックス」の称呼を生じる。「ボックス」からは「箱」の観念を生じ,当該商品は箱(紙パック)入りであるから,使用商標2を見た需要者は,「ボックス」は当該商品の包装形態を意味すると理解する。したがって,使用商標2において自他商品の識別力を有するのは「ビクトワール」の部分であると認めるのが相当である。 原告の,使用商標2の「ボックス」が商品の包装形態を示すとの審決の認定は経験則に反するとの主張に理由がないことは上記2における判断と同じであり,使用商標3の存在が本件商標の使用の有無判断の妨げとならないことは,上記1における判断のとおりである。 原告は,日本人がフランス語を解さないことを捨象した審決の判断は誤りであると主張する。しかし,一般の日本人にとって使用商標2の「ビクトワール」が特定の観念を生じないとしても,甲6~8に表示の「Victoire」とのアルファベット文字の発音が,同じ甲6~8の包装容器に併記されている「ビクトワール」であると理解するのが一般の日本人の発想であることは容易に認められる。そして「Victoire」の表示(使用商標1)は本件商標と社会通念上同一であることが明らかであることからすれば,使用商標2の「ビクトワール」も本件商標と社会通念上同一のものと認めることができる。 - 11 -以上によれば,使用商標2と本件商標が社会通念上同一であるとの審決の判断に誤りはなく,取消事由3も理由がない。 第6 結論以上によれば,原告主張の取消事由はいずれも理由がない。よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり 念上同一であるとの審決の判断に誤りはなく,取消事由3も理由がない。 第6 結論以上によれば,原告主張の取消事由はいずれも理由がない。よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官塩月秀平 裁判官池下朗 裁判官古谷健二郎

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