平成20(行ウ)265 賦課決定処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年7月30日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文34,904 文字)

主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求青梅税務署長が原告に対して平成18年10月31日付けでした,亡P1(平成▲年▲月▲日相続開始)の相続に係る相続税の再更正処分のうち課税価格5億3278万3000円,納付すべき税額1億5695万0700円を超える部分(ただし,平成19年11月5日付け裁決により一部取り消された後のもの)及び青梅税務署長が原告に対して平成18年6月30日付けでした亡P1(平成▲年▲月▲日相続開始)の相続に係る相続税の更正処分に係る過少申告加算税賦課決定処分(ただし,平成19年11月5日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨等本件は,被相続人P1(以下「本件被相続人」という。)の相続(以下「本件相続」という。)に係る相続税の申告をした原告が,処分行政庁から,平成18年6月30日付けで更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分(以下,この賦課決定処分を「本件賦課決定処分」といい,本件更正処分と併せて「本件更正処分等」という。)を受け,さらに同年10月31日付けで再更正処分(以下「本件再更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分(以下,この賦課決定処分を「本件再賦課決定処分」といい,本件再更正処分と併せて「本件再更正処分等」という。)を受け,その後,本件更正処分等と本件再更正処分等について併せ審理した国税不服審判所長から,平成19年11月5日付けで本件更正処分,本件再更正処分及び本件賦課決定処分の各一部と本件再賦課決定処分の全部を取り消す裁決(以下 「本件裁決」という。)を受けた原告が,本件再更正処分 判所長から,平成19年11月5日付けで本件更正処分,本件再更正処分及び本件賦課決定処分の各一部と本件再賦課決定処分の全部を取り消す裁決(以下 「本件裁決」という。)を受けた原告が,本件再更正処分及び本件賦課決定処分は,相続財産の価額の評価を誤るなどの理由により違法であるとして,本件再更正処分のうち原告の申告を上回る部分及び本件賦課決定処分(ただし,いずれも本件裁決により一部取り消された後のもの)の取消しを求める事案である。なお,訴状再訂正申立書(平成20年7月25日付け)の記載によれば,本件訴えのうち過少申告加算税賦課決定処分の取消しを求める部分は,本件再賦課決定処分の取消しを求める趣旨と解する余地がないではないが,本件訴状第2の1.4)には本件裁決の対象とされた原処分を取消しの対象とする趣旨の記載があり,訴状再訂正申立書には本件裁決により一部取り消された後の過少申告加算税賦課決定処分の取消しを求める旨の記載があるところ,本件再賦課決定処分は本件裁決により全部取り消されていることに照らし,上記部分の趣旨は,本件賦課決定処分の取消しを求めるものであると解される。 被告が本件において主張する原告の相続税額及び本件更正処分に係る過少申告加算税の額は別紙1更正等の根拠及び計算のとおりである。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 本件相続の相続人は原告ほか4名(以下,「本件共同相続人」といい,原告以外の4名の共同相続人を「訴外相続人ら」という。)である(弁論の全趣旨)。 (2) 原告は,本件被相続人(平成▲年▲月▲日相続開始)の財産を相続し,処分行政庁に対し,法定申告期限内にその相続に係る相続税(以下「本件相続税」という。)の申告書を提出した(争いのない事実)。 (2) 原告は,本件被相続人(平成▲年▲月▲日相続開始)の財産を相続し,処分行政庁に対し,法定申告期限内にその相続に係る相続税(以下「本件相続税」という。)の申告書を提出した(争いのない事実)。 本件相続の相続財産には別表5の1ないし75記載の土地が含まれている(弁論の全趣旨。以下,別表5の1ないし34記載の土地を「本件各土地」という。また,本件各土地のうち,別表5の1記載の土地を「本件土地1」,同別表の2記載の土地を「本件土地2」のようにいうほか,本件土地1を 「本件α土地」,本件土地2及び3を「本件β土地」,本件土地4ないし21を「本件γ山林」,本件土地22ないし24を「本件δ山林」,本件土地25ないし34を「本件ε山林」といい,本件γ山林,本件δ山林及び本件ε山林を「本件各山林」と総称する。)。 (3) 原告は,平成18年2月9日,処分行政庁に対し,本件相続税の修正申告書(以下「本件修正申告書」という。)を提出した(争いのない事実。以下,本件修正申告書の提出による修正申告を「本件修正申告」という。)。 これに伴い,原告は,同月22日付けで過少申告加算税賦課決定処分を受けた(甲1)。 (4) 処分行政庁は,平成18年6月30日付けで,本件相続税の更正処分(本件更正処分)及び過少申告加算税賦課決定処分(本件賦課決定処分)をした(争いのない事実)。 (5) 原告は,平成18年7月6日,本件更正処分等の取消しを求め,処分行政庁に対し,異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)をした(甲1)。処分行政庁は,同年10月6日付けで,本件異議申立てを棄却する旨の決定(以下「本件異議決定」という。)をし,本件異議決定の決定書は同月7日に原告に到達した(争いのない事実)。 (6) 処分行政庁は,平成18年10月31日付けで,原告の本件相続 立てを棄却する旨の決定(以下「本件異議決定」という。)をし,本件異議決定の決定書は同月7日に原告に到達した(争いのない事実)。 (6) 処分行政庁は,平成18年10月31日付けで,原告の本件相続税について,再更正処分(本件再更正処分)及び過少申告加算税賦課決定処分(本件再賦課決定処分)をした(甲1)。 (7) 原告は,平成18年11月6日,国税不服審判所長に対し,本件更正処分等に対する審査請求(以下「本件審査請求」という。)をした(争いのない事実)。 (8) 国税不服審判所長は,国税通則法104条2項の規定に基づき,本件審査請求の審理において本件再更正処分等について併せて審理した上,平成19年11月5日付けで,本件更正処分,本件再更正処分,本件賦課決定処分 の各一部と本件再賦課決定処分の全部を取り消す旨の裁決(本件裁決)をした(甲1)。本件裁決の通知書は同月7日,原告に到達した(争いのない事実)。 (9) 上記(2)の本件相続税の申告,本件修正申告,上記(3)の過少申告加算税賦課決定処分,本件更正処分等,本件異議申立て,本件異議決定,本件再更正処分等,本件審査請求及び本件裁決の内容は別表1のとおりである(甲1)。 (10) 原告は,平成20年5月7日,本件訴えを提起した。本件訴状の請求の趣旨には,本件更正処分等の取消しを求める旨が記載されていた(顕著な事実)。 (11) 原告は,平成20年7月25日,訴状再訂正申立書を提出した。同申立書には,本件の請求の趣旨を前記第1記載のとおり訂正する旨が記載されていた(顕著な事実)。 3 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56・直審(資)17国税庁長官通達。ただし,平成17年5月17日付け課評2-5による改正前のもの。乙5。以下「評価通達」という。)及び「平成16年分財 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56・直審(資)17国税庁長官通達。ただし,平成17年5月17日付け課評2-5による改正前のもの。乙5。以下「評価通達」という。)及び「平成16年分財産評価基準書評価倍率表」(乙6。以下「評価倍率表」という。)の定め本件各土地の評価に関連する評価通達及び評価倍率表の定めは,別紙2のとおりである。 4 争点(1) 本件再更正処分の取消しを求める訴えの適法性(2) 本件各土地の評価の適法性 5 当事者の主張の要旨(1) 争点(1)(本件再更正処分の取消しを求める訴えの適法性)についてア被告(ア) 国税に関する法律に基づく処分で不服申立てができるものの取消し を求める訴えは,異議申立てをすることができる処分にあっては異議申立てについての決定を,審査請求をすることができる処分にあっては審査請求についての裁決をそれぞれ経た後でなければ,提起することができず(国税通則法115条),ここでいう異議申立て及び審査請求は,いずれも適法に行われたものでなければならないと解されている。税務署長がした処分に不服がある者は,その処分をした税務署長に対して異議申立てをすることができ(国税通則法75条1項1号),当該異議申立てについての決定があった場合において,当該決定を経た後の処分になお不服があるときは,国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる(同条3項)が,税務署長がした処分に対して適法な異議申立てがされていない場合には,当該処分に対する審査請求をすることはできないこととなる。本件で,原告は,本件再更正処分に対する異議申立てを行っていないから,本件再更正処分について適法な審査請求による裁決を経ていないのであって,当該処分の取消しを求める訴えを提起することはできない。なお,異 ,原告は,本件再更正処分に対する異議申立てを行っていないから,本件再更正処分について適法な審査請求による裁決を経ていないのであって,当該処分の取消しを求める訴えを提起することはできない。なお,異議申立ての対象とされなかった処分に関する審査請求は本来不適法なものであるから,これに対し誤って実体審理の上裁決がされたとしても,それによって異議申立ての対象となされなかった処分につき異議申立てがされたことになるものではない。 (イ) 本件訴えは,本件再更正処分があったことを知った日から6か月以上経過し,本件再更正処分から1年以上経過した平成20年5月7日に提起されており,出訴期間を徒過している。 イ原告更正処分に対する異議決定の後に増額再更正処分がされているという本件の事実関係に照らすと,課税処分の取消しを求める訴訟を提起するためには再更正処分に対する異議申立てを前置しなければならないとの解釈を採ることは,更正処分に対する不服申立て等を無益なものとする結果をも たらすものであり,納税者の権利救済を著しく妨げる。特に,本件で,国税不服審判所長が本件更正処分に対する審査請求である本件審査請求の審理において,本件再更正処分等について併せて審理を行い(国税通則法104条2項),本件更正処分及び本件賦課決定処分の各一部だけでなく,本件再更正処分の一部及び本件再賦課決定処分の全部を取り消す裁決をしていることにかんがみれば,本件再更正処分に対する不服申立てを行っていないとの理由で本件再更正処分に対する訴えが不適法となるというのは不当である。 (2) 争点(2)(本件各土地の評価の適法性)についてア被告被告は,評価通達,「平成16年分財産評価基準書路線価図」(乙16。以下「路線価図」という。)及び評価倍率表に基づき本件各土地の評価額 争点(2)(本件各土地の評価の適法性)についてア被告被告は,評価通達,「平成16年分財産評価基準書路線価図」(乙16。以下「路線価図」という。)及び評価倍率表に基づき本件各土地の評価額を算定した。 (ア) 本件α土地についてa 本件α土地は,あきる野市αの市街化区域のうち,路線価地域及び主要地方道○号線沿い及び都道×号線沿いの地域以外の地域にある畑なので宅地比準方式で評価することになる。そして,本件α土地は倍率方式により評価すべき地域内に所在する市街地農地であるから,まず,本件α土地が宅地であるとした場合の価額として,本件α土地の近傍宅地の1㎡当たりの固定資産税評価額に,同地域にある宅地を評価するための固定資産税評価額に乗ずる倍率である1.1を乗じて近傍宅地の1㎡当たりの評価額を求め,その上で,当該近傍宅地と本件α土地との位置,形状等の条件の差を考慮して本件α土地の1㎡当たりの評価額を算定した。 b 具体的には,次のとおりである。 ① 8万6256円(近傍宅地の固定資産税評価額)×1.1(上記 a)=9万4881円② 9万4881円×0.95(奥行価格補正率)=9万0136円③ 9万0136円×0.88(不整形地補正率)=7万9319円④ 7万9319円-500円(平坦地の整地費)-600円(伐採・抜根費)=7万8219円⑤ 7万8219円×121㎡=946万4499円⑥ 946万4499円×0.95(生産緑地による調整率)=899万1274円c 上記のうち,奥行価格補正率は,評価通達15の定めにより,普通住宅地区の奥行距離7.1mに相当する0.95とするのが相当である。原告は,奥行価格補正率は0.92であるとするが,そのように解する根拠はない。また,不整形地補正率は,想定整形地の間口距離が 普通住宅地区の奥行距離7.1mに相当する0.95とするのが相当である。原告は,奥行価格補正率は0.92であるとするが,そのように解する根拠はない。また,不整形地補正率は,想定整形地の間口距離が17.0m,奥行距離が11.4mで地積が193.8㎡であることから,かげ地割合が37.56%となり,不整形地補正率は評価通達20に従って0.88となる。原告は,不整形地補正率は0.82とすべきであると主張するが,そのように解する根拠はない。さらに,原告は,宅地造成費相当額として1㎡当たり4000円を控除すべきと主張し,これは当該土地が傾斜地であることを前提とするものと解されるが,本件α土地は平坦な土地であり,傾斜地の宅地造成費相当額を適用して評価することはできない。なお,原告は,本件α土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額算定に当たり,処分行政庁が,市の発行した「土地評価証明書」備考欄に近傍土地㎡当たりの価額として記載した8万6256円を採用したことが不当である旨主張するようであるが,当該金額は,原告が主張する路線価9万6700円に,原告が主張する時点修正率0.892を乗じた金額と同額であるから,原告の当該主張には理由がない。 d 本件α土地と道路を挟み隣接する土地について原告が平成19年に譲渡した売買実例からみても,被告の主張する評価額は時価を上回るものではないと解される。 (イ) 本件β土地についてa 本件β土地は,路線価地域内に所在する市街地農地であるため,まず,路線価方式によって自用地としての1㎡当たりの評価額を算出した上で,評価額を算定するのが相当である。 b 具体的には次のとおりである。 ① 11万0000円(正面路線価)×1.0(奥行価格補正率)=11万0000円② 11万0000円(側方路線価)×1. で,評価額を算定するのが相当である。 b 具体的には次のとおりである。 ① 11万0000円(正面路線価)×1.0(奥行価格補正率)=11万0000円② 11万0000円(側方路線価)×1.0(奥行価格補正率)×0.05(側方路線影響加算率)=5500円③ (11万0000円+5500円)×0.99(不整形地補正率)=11万4345円④ 11万4345円-500円(平坦地の造成費)=11万3845円⑤ 11万3845円×508㎡=5783万3260円c 本件β土地の奥行価格補正率を求めるための奥行距離の算出に当たっては,本件β土地の北側と東側に路線があることから,どちらが正面路線であるかを定めてから算定をする必要があるが,北側道路を正面と見た場合の奥行距離は21m(地積を間口距離で除した数値が想定整形地の奥行の距離を超えるため,想定整形地の奥行距離の21mとなる。),東側道路を正面と見た場合の奥行距離は23.6mとなり,どちらを正面路線としても奥行価格補正率は1.0で,価額は変わらない。したがって,路線に接する距離の長い方の路線を正面路線とすべきであり,北側の路線を正面路線とする。そうすると,奥行距 離は21mで,奥行価格補正率は1.0となる。原告は,正面路線は,奥行価格補正後の価額が低い方の路線とすべきである旨主張するが,本件β土地は,上記のとおり,北側路線と東側路線のどちらを正面路線としても,奥行価格補正を要しない土地であるから,原告の主張は前提を欠く。不整形地補正率は,普通住宅地区所在の500㎡以上750㎡未満の土地のかげ地割合10.4%に対応する値である0.99である。また,原告は,宅地造成費相当額として1㎡当たり4000円を控除すべきである旨主張するが,本件β土地は区画整理を了したほぼ平坦な土地で の土地のかげ地割合10.4%に対応する値である0.99である。また,原告は,宅地造成費相当額として1㎡当たり4000円を控除すべきである旨主張するが,本件β土地は区画整理を了したほぼ平坦な土地であり,同土地の周辺にある既存住宅の状況と比較しても,土盛り又は土止めを要しないことは明らかであり,傾斜地に適用される宅地造成費相当額を控除することはできない。 d 本件β土地と同じ区画整理地域内の住宅地としての地価公示価格と比べても,本件β土地の評価が時価を超えるとはいえない。 (ウ) 本件各山林についてa 本件γ山林は,国道×号線(通称ζ街道。以下「ζ街道」という。)の北側に位置し,八王子市γ町(以下「γ町」という。)の市街化調整区域に存する山林,本件δ山林は,八王子市δ町(以下「δ町」という。)の市街化調整区域のうち,農業振興地域内の農用地区域及びζ街道以北の地域以外の地域に存する山林で,いずれもいわゆる里山である。本件ε山林は,η川沿いの八王子市ε町(以下「ε町」という。)の北部に所在し,農業振興地域内の農用地区域内以外の地域にある。また,本件ε山林のうち,本件土地34はいわゆる里山であり,本件土地25は,ε町の農業振興地域の南側に位置し,土砂流出防備保安林に該当する。 b 本件各山林は,東京国税局長が定めた財産評価基準において,いずれも中間山林で倍率方式により評価することとされており,その固定 資産税評価額に乗ずる倍率は本件δ山林で43倍,本件γ山林で85倍,本件ε山林で69倍と定められているから,本件各山林の固定資産税評価額に各評価倍率を乗じて評価額を計算すると,本件γ山林の評価額合計は2億4318万6105円,本件δ山林の評価額合計は2590万5178円,本件ε山林の評価額合計は6573万6541円となる。 c 各評価倍率を乗じて評価額を計算すると,本件γ山林の評価額合計は2億4318万6105円,本件δ山林の評価額合計は2590万5178円,本件ε山林の評価額合計は6573万6541円となる。 c 評価通達では,山林の倍率を,① 純山林について,地勢,土層,林産物の搬出の便等の状況の類似する地域ごとに,② 中間山林については,地価事情の類似する地域ごとにその地域にある山林の精通者意見価格等を基として国税局長が定めるとされている。この場合の「類似する地域」について「町名」又は「大字」などの行政区画としてまとまった地域ごとに評価倍率を定めることは,課税事務の公平と効率の観点から合理性を有し,町名を単位に評価倍率を定める方法が著しく合理性を欠くといった特段の事情が存しない限り,町名を地域の単位とする方法は,合理的な評価方法として一応是認できるところ,本件各山林が所在する各町を取り巻く地理的状況は,各町内では著しく異なるものではないから,本件において,結果として各町を単位に山林の倍率を定めた方法が著しく合理性を欠くものではない。 また,純山林は通常林業経営のための林地と解されており,また,中間山林は市街地付近又は別荘地帯等にある山林で,通常の純山林と状況を異にするため純山林として評価することを不適当と認めるものをいうとされるところ,平成16年分倍率表によると,八王子市において純山林として区分される地域は概ね都道△号線を境に同市内の西側に存する一帯の地域に限られ,その地域は,隣接するθ村,相模原市等の山林地域とともに広範な純山林地域(いわゆる奥山)を構成しているのであり,その東側においては,概ね市街地との境に当たる地 域までの間に所在する山林を中間山林として区分されている。そして,本件各山林は,その東側の地域に属し,いずれも市街地付近に 構成しているのであり,その東側においては,概ね市街地との境に当たる地 域までの間に所在する山林を中間山林として区分されている。そして,本件各山林は,その東側の地域に属し,いずれも市街地付近にあって,周辺には,学校,病院,ゴルフ場,不燃物処理センター,霊園といった施設が多数所在し,そのような施設に乏しい都道△号線以西とは明らかに状況を異にしている。すなわち,本件各山林は,通常の林業経営のための山林とは状況を異にしており,純山林としての評価が不適当であることは明らかである。 純山林,中間山林又は市街地山林は,地理的な条件は異なるものの,いずれも同一状況下で竹木の生育する一定の面的な広がりをもった一団の林地と解され,たとえば,その全体的な地理状況から中間山林と区分された土地の中に,一部地勢,地形等が複雑で,傾斜の度合いが強い部分があったとしても,その部分のみをとらえて純山林として区分し,評価を別にすることは,評価通達が定める山林の評価方法として合理的なものといえない。 したがって,本件各山林の全部又は一部を純山林として評価すべきであるとの原告の主張は失当である。 d 原告は,本件再更正処分における本件各山林の評価額は,地元精通者の意見に比し,相当に高額である旨主張するが,この主張には客観的な裏付けがなく,失当である。 原告は,本件各山林の一部は,その地勢,傾斜角度等の要素からして,相当な造成費を投じない限り宅地転用ができないものもあるから,本件各山林の評価は,この点を考慮して行われるべきである旨主張するが,本件各山林は市街化調整区域にあり,原則として建築物の建築の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更等の開発行為は禁止されているから,本件各山林の評価について,宅地化を前提に個別の事情を考慮した評価方法を採ることは,時価算 にあり,原則として建築物の建築の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更等の開発行為は禁止されているから,本件各山林の評価について,宅地化を前提に個別の事情を考慮した評価方法を採ることは,時価算定の方法として合理的で はなく,原告の上記主張は,前提を欠く。 なお,本件γ山林と本件ε山林を取り巻く地理的状況は大きく異なり,本件土地19と本件土地29の土地とではそれぞれが存する地域,すなわち「地価事情の類似する地域」が異なるのであって,同一の評価額であるべきとする原告の主張には理由がない。 e 本件各山林に最も近接する中間山林の地価公示地の地価公示価格や本件γ山林に隣接する土地を原告が譲渡した価格と比較しても,本件各山林の評価額は時価を上回るものとはいえない。 原告は,本件各山林の相続税評価額が時価を超えて不合理であることの立証を何ら行っていない。 イ原告(ア) 本件α土地についてa 評価通達によれば,市街地農地の評価は,同農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額から,その農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費相当額を控除した金額による。本件α土地について,本件再更正処分では,市が評価証明書の備考欄に近傍宅地㎡当たりの価格として記載した価格をもって,近傍宅地価格とした。しかしながら,本件では問題となる農地に沿接する街路に路線価が付されているので,これによるべきである。また,本件再更正処分では,上記近傍宅地㎡当たりの価格に相続税評価倍率を乗じているが,これは,根拠がない。上記近傍宅地㎡当たりの価格は,路線価に時点修正率を乗じた金額にすぎず,評価通達21の倍率方式の基準となる価格に当たらない。 b 本件α土地の正当な評価額及びその算定方法は次のとおりである。 ① 9万6700円(路 の価格は,路線価に時点修正率を乗じた金額にすぎず,評価通達21の倍率方式の基準となる価格に当たらない。 b 本件α土地の正当な評価額及びその算定方法は次のとおりである。 ① 9万6700円(路線価)×0.92(奥行価格補正率)=8万8964円 ② 8万8964円×0.82(不整形地補正率)=7万2950円③ 7万2950円-4000円(造成費)=6万8950円④ 6万8950円×0.892(時点補正率)≒6万1503円⑤ 6万1503円×1.1(相続税評価倍率)≒6万7653円⑥ 6万7653円×0.95(生産緑地による調整率)≒6万4270円⑦ 6万4270円×121㎡=777万6670円c 本件α土地の造成費については,同土地は梅林であり,凹凸のある地形であるから,整地費,伐採・抜根費,地盤改良費,土盛り費などの宅地造成費を必要とするものであり,傾斜度が3度以下の宅地造成費である1㎡当たり4000円が相当である。 d 本件α土地の隣接地は,発展途上の市街地にある農地を住宅用地として譲渡したもので,売買時期も相続時とはかなり異なる時期であるから本件α土地の価格の参考とはならない。 (イ) 本件β土地についてa 本件β土地の正当な評価額及びその算定方法は次のとおりである。 ① 11万0000円(正面路線価)×0.99(奥行価格補正率)=10万8900円② 11万0000円(側方路線価)×0.05(側方路線価影響加算率)=5500円③ (10万8900円+5500円)×0.95(不整形地補正率)=10万8680円④ 10万8680円-4000円(造成費)=10万4680円⑤ 10万4680円×508㎡=5317万7440円b 本件β土地のある地域は,将来商業地区に発展するかもしれないか 8680円④ 10万8680円-4000円(造成費)=10万4680円⑤ 10万4680円×508㎡=5317万7440円b 本件β土地のある地域は,将来商業地区に発展するかもしれないから,宅地としての造成としては,単なる整地のみでは足りず,地盤改 良費,土盛り費,土止め費まで必要になるから,少なくとも傾斜地の造成費相当の1㎡当たり4000円が相当である。 (ウ) 本件各山林についてa 評価通達において山林の評価単位は原則1筆とされているが,被告は一つの町に属する土地地積を総合計した地積を評価単位とし,その固定資産税評価額に一つの町全体に共通の倍率を乗じて評価額を計算しており,評価通達に反する。このような評価方法は,各筆の特性である地勢,土層,林産物の搬出の便等の価格構成における極めて重要な要素を無視又は放棄したもので,極めてずさんなものになるから適正時価の算定とはいえない。 固定資産税の評価額が地勢,土層,林産物の搬出の便等に応じて妥当に付されている場合であればともかく,全地域について1㎡当たり27.7円という同一の固定資産税評価額が付されている八王子市の場合は,町ごとに画一的な倍率を定める方式では,山林の各要素に基づく価値の差異が反映されるはずがなく,極めて不均衡かつ不公平な評価となっているから,そのような評価方法は,相続税法22条に違反し,また,評価通達の原則である「財産の評価に当たっては,その財産の価額と影響を及ぼすべきすべての事情を考慮」したことにはならず,評価通達にも違反する。 本件土地19と本件土地29は一つの山林の尾根と山麓に位置するものであるが,町ごとの倍率が定められた結果,尾根に位置する本件土地19よりも,山麓に位置し,経済的価値が勝っていると考えられる本件土地29の方が倍率が低いという異 一つの山林の尾根と山麓に位置するものであるが,町ごとの倍率が定められた結果,尾根に位置する本件土地19よりも,山麓に位置し,経済的価値が勝っていると考えられる本件土地29の方が倍率が低いという異常な結果になっている。被告は,本件γ山林と本件ε山林を取り巻く地理的状況は異なる旨主張するが,それは,γ町とε町の中心部の状況であり,本件γ山林と本件ε山林を取り巻く状況については,同様に議論することはできず, 被告の主張するような評価額における差異を見出すことはできない。 また,本件土地4と本件土地7は,傾斜角度や林産物の搬出距離等が大きく違うにもかかわらず同じ倍率となっている。このように,町ごとの倍率を採用することは不合理である。 b 山林が中間山林に当たるか,純山林に当たるかは,所在地のみならず,地勢,土層,林産物の搬出の便等も加味して判断すべきであり,また,山林の価額は,評価単位である一筆ごとに評価するべきであるところ,本件再更正処分では,正しくは純山林に当たる山林を,所在する地域のみを基準として中間山林と評価しているが,これは不当である。また,中間山林の定義からして,通常の山林と状況を異にするものではなければ,純山林とされるべきであり,γ町,δ町,ε町全域の山林を中間山林とすることは,中間山林の解釈を誤ったものである。γ町,δ町,ε町は,住宅地として発展途上にある地域であるとはいえるが,本件山林のうちには,地勢地形等が複雑かつ劣悪であって,傾斜角度も相当大きい山林があり,これらは,容易に造成できないから,純山林として評価すべきである。 c 本件土地4ないし6,本件土地8,本件土地13ないし31及び本件土地34は,傾斜角度が20度以上であり,林産物の搬出,植栽,伐採が困難であり,また,岩石が含まれている割合が平坦地に比して る。 c 本件土地4ないし6,本件土地8,本件土地13ないし31及び本件土地34は,傾斜角度が20度以上であり,林産物の搬出,植栽,伐採が困難であり,また,岩石が含まれている割合が平坦地に比して多く,造成が困難であることなどからして,純山林として評価すべきである。 d 本件各山林の正しい評価額及びその算定方法は別表6,7のとおりである。 e 公示地価額についても,現実の評価に当たっては,造成費を考慮すれば評価額は0に近くなるのであり,画一的な評価は正当とはいえない。地価公示地は,いずれも市街地付近であって,宅地化が予定され たもので,現在はいずれも宅地化されているから,本件各山林と明らかに状況を異にする。原告が譲渡した本件γ山林近くの土地は,全くの平坦地であり,譲渡の理由も付近道路の整地のための交換であって価額も相手方の申し入れに従っただけであり,時期も異なる上,この売却価額は造成費用(駐車場としての簡易な造成を前提とするもので,正規に造成する場合にはより高額が必要となる。)に基づくものであり,土地自体の価値はないものとして評価されており,参考とならない。 本件各山林については,多額の造成費を支出しなければ売却の対象とはならないのが現実であり,本件各山林は無価値としかいいようがなく,被告の行った本件各山林の評価が時価を超えることは明らかである。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件再更正処分の取消しを求める訴えの適法性)について(1) 前記前提事実(5)及び(7)によれば,原告は,本件訴えの提起前に,本件更正処分等についての異議申立て(本件異議申立て)及び本件異議申立てを棄却する旨の決定(本件異議決定)に対する審査請求(本件審査請求)をしたことが認められるが,原告が本件再更正処分に対する不服申立て(異議申 についての異議申立て(本件異議申立て)及び本件異議申立てを棄却する旨の決定(本件異議決定)に対する審査請求(本件審査請求)をしたことが認められるが,原告が本件再更正処分に対する不服申立て(異議申立て及び審査請求)をしたことの証拠はない。したがって,本件再更正処分の取消しを求める訴えは,国税通則法115条1項各号のいずれかの事由がない限り,不適法なものである(同項)。 この点,前記前提事実(5)ないし(8)によれば,原告は,平成18年10月7日に本件更正処分に対する異議申立て(本件異議申立て)についての本件異議決定があったことを知り,本件審査請求をしたが,原告が本件審査請求をするかどうかの検討をしている期間に本件再更正処分を受けたこと,本件審査請求を受けた国税不服審判所長は,国税通則法104条2項の規定に基 づき,本件審査請求の審理において本件再更正処分等について併せて審理した上,本件裁決をしたことが認められる。本件再更正処分がされた結果,本件更正処分は本件再更正処分に吸収されたと解されるところ,原告が本件再更正処分を争う意思を有することは容易に看取されるのであり,本件裁決の内容にかんがみても,本件再更正処分が本件裁決による裁決の対象とされていることは明らかである。また,仮に本件再更正処分に対する異議申立てがされた場合でも国税通則法90条1項,3項により審査請求がされたものとみなされ,当該異議申立てに対する独自の判断が示されることはないのであって,別途本件再更正処分に対する不服申立てを経ることに特段の意味は認められないといわざるを得ない。このように,本件においては,本件更正処分に対する不服申立手続がとられた結果,本件再更正処分について実質上審理判断が行われており,これに対する審査請求及び裁決を経ているとみることができる一方,改 。このように,本件においては,本件更正処分に対する不服申立手続がとられた結果,本件再更正処分について実質上審理判断が行われており,これに対する審査請求及び裁決を経ているとみることができる一方,改めて本件再更正処分について不服申立てをしてもそれに対する独自の判断が示されることはなく当該不服申立てに意味はないのであって,このような場合,本件再更正処分に対する不服申立て(異議申立て及び審査請求)を経ないまま原告が本件訴えを提起したことには,国税通則法115条1項3号にいう「正当な理由」があるというべきである。 (2) 次に,本件再更正処分は,平成18年10月31日付けでされたもので(前記前提事実(6)),弁論の全趣旨によれば,原告は,そのころ本件再更正処分を知ったものと認められるが,原告が本件訴えを提起したのは平成20年5月7日であり(前記前提事実(10)),原告が本件再更正処分があったことを知った日から6か月以内及び本件再更正処分の日から1年以内の出訴期間をいずれも経過した後のことであるから,正当な理由がない限り,本件再更正処分の取消しを求める訴えは不適法である(行政事件訴訟法14条1項,2項)。 しかし,前記(1)において説示したところに加え,原告は,本件裁決があ ったことを知った日から6か月以内に本件訴えを提起していることにかんがみれば,本件の場合は,処分につき審査請求をすることができる場合において審査請求があったとき(行政事件訴訟法14条3項本文)に準ずるものということができ,本件再更正処分を知った日から6か月以内又は本件再更正処分の日から1年以内の出訴期間内に本件再更正処分の取消しを求める訴えを提起しなかったとしても行政事件訴訟法14条1項ただし書及び2項ただし書の正当な理由があるときに該当すると解するのが相当である。な 分の日から1年以内の出訴期間内に本件再更正処分の取消しを求める訴えを提起しなかったとしても行政事件訴訟法14条1項ただし書及び2項ただし書の正当な理由があるときに該当すると解するのが相当である。なお,前記前提事実(10)及び(11)によれば,本件訴え提起時に原告が求めたのは本件更正処分の取消しであり,それが,平成20年7月25日に交換的に本件再更正処分の取消訴訟に変更された(この時点で,同訴訟が提起された)と解すべき余地が十分にある。しかし,そのように解した場合でも,以上に説示したところに加え,本件訴状に本件裁決の内容に不服がありその原処分の取消しを求める旨等の記載があることにかんがみれば,原告が本件訴状を提出した時点において本件再更正処分の取消訴訟を提起する意思を潜在的に有していたことが十分にうかがわれ,被告の変更を伴うものでないことや前記(1)において説示した本件更正処分と本件再更正処分の関係等を併せ考えれば,本件再更正処分の取消訴訟が本件訴状提出時に提起されたものと同視すべき特段の事情があるということができる。 (3) そして,他にこれを違法というべき事情も認められないから,本件再更正処分の取消しを求める訴えは適法である。 2 争点(2)についての判断の基礎とすべき事実について前記前提事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実を認めることができる。 (1) 本件α土地の状況等についてア本件α土地は,あきる野市αの市街化区域のうち,路線価地域並びに主要地方道○号線(ι通り)沿い及び都道×号線(κ線)沿いの地域以外の 地域にあり,本件相続開始時には畑(果樹園)として利用されていた。本件α土地は道路にほぼ等高に接する平坦な土地であり,形状は不整形である。また,本件α土地は,本件相続開始時において生産 以外の 地域にあり,本件相続開始時には畑(果樹園)として利用されていた。本件α土地は道路にほぼ等高に接する平坦な土地であり,形状は不整形である。また,本件α土地は,本件相続開始時において生産緑地であり,買取りの申出により市町村長に対し時価で買い取るべき旨の申出をすることができる土地であった。(乙6ないし8,弁論の全趣旨)そして,本件α土地の近傍宅地の平成16年度の固定資産税評価額は,1㎡当たり8万6256円であった。(乙9)イ原告は,本件α土地と公衆用道路を挟んで隣接する土地(あきる野市λ×に所在する土地の一部。以下「本件α土地隣接土地」という。)を平成19年に譲渡した。その際の1㎡当たりの譲渡平均価格は12万3334円であった。この価格を基に時点修正すると平成16年当時の上記土地の1㎡当たりの譲渡価格は約12万8340円となる。時点修正の方法は,本件α土地隣接土地の所在するあきる野市α地区に近接する地価公示地の3か所の平成16年の価額と平成19年の価額を比較し,平成16年から平成19年の間の上記3か所の下落率の平均値である3.9%で本件α土地隣接土地の売買価格の割り戻しをするというものである。(弁論の全趣旨)(2) 本件β土地の状況等についてア本件β土地は,あきる野市μにあり,本件相続開始時には畑として利用されていた。本件β土地は北側及び東側で幅員6.0mの道路にそれぞれ接面する(以下,本件β土地に北側で接面する道路を「本件β土地北側道路」といい,本件β土地に東側で接面する道路を「本件β土地東側道路」という。)角地で,北東の角を隅切りされたやや不整形(台形状)の土地である。また,本件β土地は土地区画整理事業を了したほぼ平坦な土地である。(乙2の1・2,同7,15)イ本件β土地と同じ区画整理地域内の住宅 で,北東の角を隅切りされたやや不整形(台形状)の土地である。また,本件β土地は土地区画整理事業を了したほぼ平坦な土地である。(乙2の1・2,同7,15)イ本件β土地と同じ区画整理地域内の住宅地としての地価公示地(標準地 番号ν-11)の地価公示価格は,平成16年1月1日現在で13万5000円,平成17年1月1日現在で12万8000円である。(乙11の1・2,同18の1・2)(3) 本件各山林の状況等についてア本件各山林は,東京都の西方の山地から東方のξ台地に向けて連なる丘陵の一つにあるが,この丘陵は八王子市の北部に位置し,北方をπ川(η川),南方をσ川に挟まれ,π川南岸に沿って南東になだらかに連なっている。本件各山林は,西から本件δ山林の所在するδ町,同町の東側に接して本件γ山林の所在するγ町,同町の北東側に接して本件ε山林の所在するε町の順に並んで位置し,これらの町の北側は,あきる野市と接している。γ町とδ町のそれぞれの町の中心部をζ街道(国道×号線)が東西に横断しており,ζ街道は,γ町とδ町の主要な道路となっている。ε町は,η川の南側に位置し,同町の中心部付近を都道×号線が南北に縦断しており,同町の主要な道路となっている。γ町及びδ町付近のζ街道沿い並びにε町付近の都道×号線沿いは,一部に農地として利用されている土地もあるが,ほぼ建物が建ち並んだ状態である。 本件γ山林は,ζ街道の北側に位置し,隣接地にはP2病院,P3大学,八王子市立P4中学校など宅地開発された施設がある。本件γ山林の標高は最も高いところで約200mであるが,本件γ山林と隣接する上記施設には標高約190mの位置に建設されたものもあり,また,平成20年7月31日時点では,本件土地9の頂上付近(標高約190m)は平坦に整地されている。本件γ山林 であるが,本件γ山林と隣接する上記施設には標高約190mの位置に建設されたものもあり,また,平成20年7月31日時点では,本件土地9の頂上付近(標高約190m)は平坦に整地されている。本件γ山林は,南向きに傾斜しているいわゆる南斜面の土地である。 本件δ山林は,ζ街道の南側に位置し,西側でP5ゴルフ場,北側でP6大附属中野P7高校及び中学校,東側でP8清掃事業所及びP9最終処分場(同処分場跡地では(仮称)P10公園の整備が行われている。), 南側でP11等と隣接している。本件δ山林の標高は最も高いところで220m程度であり,上記隣接する施設と比較して同程度又はやや高いところに位置する。本件δ山林は,北向きに傾斜しているいわゆる北斜面の土地である。 本件ε山林は,ε町の北部に所在し,都道×号線の西側の斜面に位置している。本件ε山林のある場所は,γ町の北東側と接し,同町と一体となって一つの尾根を形成している。本件ε山林の周囲には,上記のP2病院があり,また,本件ε山林とη川との間には農地となっている部分がある。 本件ε山林の標高は最も高いところで170m程度であるが都道×号線及び上記農地の標高はおおむね100mないし110mである。本件ε山林に含まれる土地のうち,本件土地25は,その地積5454㎡のうち4099㎡が土砂流出防備保安林(主伐に係る伐採種は定められていない。)に指定され,非課税となっている。 (以上,甲1,2の1ないし5,同3の1ないし6,同4の1ないし10,同5の1・2,乙3,7,19ないし21)イ八王子市内にある山林の地価公示地の中で中間山林としての地域にある標準地(3か所)における平成16年の地価公示価格は,1㎡当たり3900円,4500円,6600円である(乙11の1・2。なお,原告は,甲第9ないし 山林の地価公示地の中で中間山林としての地域にある標準地(3か所)における平成16年の地価公示価格は,1㎡当たり3900円,4500円,6600円である(乙11の1・2。なお,原告は,甲第9ないし第12号証の各1・2を根拠に,これらの山林の地価公示地が,宅地化を予定された市街地付近の土地であり,現在は宅地化されている旨主張するが,証拠(乙11の2,同19,22,23の1・2,同24,25の1・2,同26ないし34)に照らし,その事実を認めることはできない。)。また,原告は,本件γ山林と隣接する八王子市γ町×に所在する山林を平成17年に譲渡しているが,この譲渡価額は1㎡当たり6050円であった(甲8。なお,この点につき,原告は,1㎡当たり6050円という価格は,造成費用を基準として算定されたものであり,土 地自体の価値はないとか,通常の売買とは異なる価格で売買されたものであるとか主張するが,それらの点を認めるに足りる証拠はない。)。 3 争点(2)(本件各土地の評価の適法性)について(1) 相続税の対象となる財産の評価について相続税の課税価格となる相続財産の価額は原則として当該財産の(相続による)取得の時における時価により算定するものとされている(相続税法22条)が,この時価とは,相続開始時における当該財産の客観的交換価値をいうものと解される。もっとも,相続財産の客観的交換価値といっても,必ずしも一義的に確定されるものではないことから,課税実務においては,相続財産評価の一般的基準が評価通達(以下,特に注記しない限り,これに従って定められた定めを含む。)によって定められ,これに定められた画一的な評価方式によって相続財産の時価,すなわち客観的交換価値を評価するものとしている。これは,相続財産の客観的な交換価値を個別に評価する方法 られた定めを含む。)によって定められ,これに定められた画一的な評価方式によって相続財産の時価,すなわち客観的交換価値を評価するものとしている。これは,相続財産の客観的な交換価値を個別に評価する方法を採ると,その評価方式,基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生じることを避け難く,また,課税庁の事務負担が重くなり,回帰的かつ大量に発生する課税事務の迅速な処理が困難となるおそれがあることなどからして,あらかじめ定められた評価方式によりこれを画一的に評価する方が,納税者間の公平,納税者の便宜,徴税費用の節減という見地から見て合理的であるという理由に基づくものである。そして,評価通達の定める前記のような評価方法は,一般的に合理性を有するものとして,課税実務上も定着しているものということができる。したがって,相続財産の価格は,評価通達によって評価するとかえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであったり,その評価方法によっては時価を適切に算定することができず,これを超える結果となることが明らかであるなど,評価通達によって評価することが相当ではないと認められる特段の事情がない限り,評価通達に規定された評価方法によって評価するのが相当であり,その評価の結果を もって適切な時価と推認することができるものというべきである。 (2) 本件α土地についてア本件α土地の価額を評価通達に従って算出すると,以下のとおりとなる。 (ア) 前記2(1)ア及び評価倍率表(乙6)によれば,本件α土地は,市街地農地として宅地比準方式(別紙2の13(1)の方式)により価額を算出すべきものである(別紙2の12(2),13(1))。 (イ) 本件α土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,別紙2の13(4),3(2)及び10 並びに評価倍 1)の方式)により価額を算出すべきものである(別紙2の12(2),13(1))。 (イ) 本件α土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,別紙2の13(4),3(2)及び10 並びに評価倍率表によれば,本件α土地の近傍宅地の固定資産税評価額を1.1倍した価額を基に算出すべきことになるが,前記2(1)アによれば,本件α土地の近傍宅地の固定資産税評価額は,8万6256円であるから,本件α土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額の算出の基となる近傍宅地の1㎡当たりの価額は,8万6256円に1.1を乗じた9万4881円となる。 (ウ) 次に,本件α土地の近傍宅地と本件α土地の位置,形状等の条件の差を考慮する必要がある(別紙2の13(4))。その方法として,別紙2の6の奥行価格補正及び同8の不整形地補正を用いるのが相当である(補正率については,本件α土地の周辺の状況等(乙7等参照)によれば普通住宅地区の補正率を参考とするのが相当である。)ところ,本件α土地の想定整形地は,別紙3の図面のとおりであり,想定整形地の間口距離は17.0m,奥行距離は11.4m,地積は193.8㎡となる。そうすると,本件α土地の奥行距離は,評価通達20(2)により本件α土地の地積121㎡を想定整形地の間口距離17.0mで除した7. 1mとなり,奥行価格補正率は別紙2の6により0.95となる。また,かげ地割合は,別紙2の8により,193.8㎡から121㎡を差し引いたものを193.8㎡で除した37.56%となる。これら及び別紙2の6及び8によれば,奥行価格補正率は0.95,不整形地補正率は 0.88となる。したがって,本件α土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,9万4881円に奥行価格補正率0.95と不整形地補正率0.88を順次乗じて,7万93 95,不整形地補正率は 0.88となる。したがって,本件α土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,9万4881円に奥行価格補正率0.95と不整形地補正率0.88を順次乗じて,7万9319円となる。 (エ) さらに,別紙2の13(1)によれば,本件α土地の価額の算定のためには,その農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として国税局長が定める金額を控除する必要がある。この金額を定めた本件造成費基準によれば,本件α土地は前記2(1)アのとおり平坦地であり,本件相続開始時には果樹の植えられた畑として利用されていたことに照らし,整地費として1㎡当たり500円,伐採・抜根費として1㎡当たり600円を控除すべきである。 したがって,上記の国税局長が定める金額を控除した価額は,7万9319円から500円と600円を差し引いた7万8219円となる。原告は,造成費として1㎡当たり4000円を控除すべきであるとするが,本件造成費基準によって評価することが相当ではないと認められる特段の事情は認められない以上,この主張は失当である。 (オ) 以上の結果に本件α土地の地積121㎡を乗じた金額は946万4499円であり,前記2(1)アのとおり,本件α土地は本件相続開始時において買取りの申出により市町村長に対し時価で買い取るべき旨の申出をすることができる生産緑地であったから,これに別紙2の14(2)による生産緑地の補正を行う必要があり,本件α土地の価額は,946万4499円に1から0.05を控除したものを乗じた899万1274円となる。 イ原告は,① 路線価方式によって計算すべきであること,② 不整形地補正率は0.82とすべきであること,③ 路線価に奥行価格補正率及び不整形地補正率を乗じ,造成費を控 99万1274円となる。 イ原告は,① 路線価方式によって計算すべきであること,② 不整形地補正率は0.82とすべきであること,③ 路線価に奥行価格補正率及び不整形地補正率を乗じ,造成費を控除してから時点補正率,相続税評価倍率(1.1),生産緑地による調整率を乗じ,地積を乗じるという算出方 法を採るべきことを主張するが,これらは,上記ア(ア)ないし(オ)によれば,いずれも評価通達の定める算出方法とは異なる方法であるところ,評価通達によって評価することが相当ではないという事情は認められないことからすれば,原告の上記各主張に理由はない(なお,上記①に関し,原告が路線価として主張する9万6700円に時点補正率として主張する0. 892を乗ずると8万6256円となって本件α土地の近傍宅地の固定資産税評価額と同一となるから,この点に関し,原告の主張を採用したとしても結論に影響しない。)。 (3) 本件β土地についてア本件β土地の価額を評価通達に従って算出すると,以下のとおりとなる。 (ア) 前記2(2)ア及び評価倍率表によれば,本件β土地は,市街地農地として宅地比準方式(別紙2の13(1)の方式)により価額を算出すべきものである(別紙2の12(2),13(1))。 (イ) 本件β土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,別紙2の13(4)及び評価倍率表によれば,本件β土地の路線価を基に算出することになる。路線価図によれば,本件β土地北側道路及び本件β土地東側道路の路線価はいずれも1㎡当たり11万円である。 (ウ) そして,本件β土地の奥行価格補正率等を求めるためには,本件β土地北側道路と本件β土地東側道路のどちらが正面路線であるかを定める必要があるが,評価通達20(2)によれば,別紙4及び5の図面のとおり,本件β土地北 土地の奥行価格補正率等を求めるためには,本件β土地北側道路と本件β土地東側道路のどちらが正面路線であるかを定める必要があるが,評価通達20(2)によれば,別紙4及び5の図面のとおり,本件β土地北側道路を正面と見た場合の奥行距離は21mとなり(本件β土地の地積508㎡を間口距離である23mで除した22mが想定整形地の奥行である21mを超えるため,想定整形地の奥行である21mが本件β土地の奥行となる。),本件β土地東側道路を正面と見た場合の奥行距離は23.6m(本件β土地の地積を間口距離である21.5mで除した数値が想定整形地の奥行距離を超えないためこの数値 となる。)となって,別紙2の6によりいずれも奥行価格補正率は1. 00となることから,奥行価格補正後の本件β土地北側道路の路線価と本件β土地東側道路の路線価は同一であり,本件β土地が接する距離が長い本件β土地北側道路を正面路線とするのが相当である。 (エ) 次に,別紙2の6ないし8について検討する。本件β土地の正面路線を上記(ウ)のとおり本件β土地北側道路とすると,想定整形地の間口距離は27m,奥行距離は21m,地積は567㎡となる。そして,本件β土地の奥行距離は上記(ウ)のとおり21mであるから,奥行価格補正率は別紙2の6により1.00となる。また,本件β土地東側道路を正面路線とした場合の奥行距離は上記(ウ)のとおり23.6mで,この場合の奥行価格補正率も別紙2の6により1.00となる。さらに,本件β土地のかげ地割合は,別紙2の8により,567㎡から508㎡を差し引いたものを567㎡で除して10.4%となり,不整形地補正率は0.99となる。これらによれば,本件β土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,次のようになる。 まず,本件β土地の路線価11万0000円に奥行 ㎡で除して10.4%となり,不整形地補正率は0.99となる。これらによれば,本件β土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,次のようになる。 まず,本件β土地の路線価11万0000円に奥行価格補正率(別紙2の6の1.00)を乗じて11万0000円となる。次に別紙2の7の側方路線影響加算は,本件β土地東側道路の路線価11万0000円に奥行価格補正率1.00を乗じた上で,側方路線影響加算率(別紙2の7(2)のとおり0.05)を乗じて算出し,5500円となる。そこで,別紙2の7により,側方路線影響加算をした後の価額は,11万5500円となる。さらに,別紙2の8により不整形地補正をすることとし,本件β土地のかげ地割合は10.4%であるから,不整形地補正率は0.99となって,本件β土地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,11万5500円に0.99を乗じた11万4345円となる。 (オ) また,別紙2の13(1)によれば,本件β土地の価額の算定のためには,その農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として国税局長が定める金額を控除する必要がある。この金額を定めた本件造成費基準によれば,本件β土地は前記2(2)アのとおり土地区画整理事業を了した平坦な土地であるが,本件相続開始時畑として利用されていたため,整地費として1㎡当たり500円を控除すべきである。したがって,上記の造成費を控除した価額は,11万4345円から500円を差し引いた11万3845円となる。原告は,本件β土地の周辺が将来商業地となることも予想されるから,造成費として1㎡当たり4000円を控除すべきであるとするが,本件造成費基準によって評価することが相当ではないと認められる特段の事情は認められないから,この主張 来商業地となることも予想されるから,造成費として1㎡当たり4000円を控除すべきであるとするが,本件造成費基準によって評価することが相当ではないと認められる特段の事情は認められないから,この主張は失当である。 (カ) 以上の結果に本件β土地の地積508㎡を乗じた金額は,5783万3260円となり,これが本件β土地の価額となる。 イ原告は,① 奥行価格補正率は0.99であること,② 不整形地補正率は0.95であることを主張するが,これらは,上記ア(ア)ないし(カ)によれば,いずれも評価通達の定める算出方法とは異なる方法であるところ,評価通達によって評価することが相当ではないという事情は認められないことからすれば,原告の上記各主張に理由はない。 (4) 本件各山林についてア本件各山林の価額を評価通達に従って算出すると以下のとおりとなる。 (ア) 前記2(3)ア及び評価倍率表によれば,本件各山林は,中間山林として倍率方式により価額を算出すべきものである(別紙2の15(1),17)。 (イ) 評価倍率表によれば,本件各山林の評価のため固定資産税評価額に乗ずべき倍率は,本件γ山林の場合は85倍,本件δ山林の場合は43 倍,本件ε山林の場合は69倍であり,本件各山林に含まれる各土地(ただし,本件土地25を除く。)の価額は,これらの各土地の固定資産税評価額(乙第3号証参照)に,上記の倍率を乗じた額となり,別表5の各土地の②評価額欄のとおりである。なお,本件土地25については,保安林として指定されている4099㎡の部分(以下「本件土地25保安林部分」という。)について固定資産税評価額が付されていないため,別紙2の18 により,本件土地25保安林部分の付近にある本件土地25のうち本件土地25保安林部分以外の部分(1355㎡)に係る 保安林部分」という。)について固定資産税評価額が付されていないため,別紙2の18 により,本件土地25保安林部分の付近にある本件土地25のうち本件土地25保安林部分以外の部分(1355㎡)に係る1㎡当たりの固定資産税評価額27.7円に本件土地25保安林部分の面積4099㎡を乗じた11万3542円を本件土地25保安林部分の固定資産税評価額とし,本件土地25全体の固定資産税評価額15万1075円に本件ε山林における倍率である69を乗じた1042万4175円からその価額に0.3を乗じたものを控除した729万6922円がその価額となる。 イ原告は,一つの町に属する山林全体について同一の倍率を付することは相続税法22条に反し,評価通達7-2(3)にも違反する旨主張する。しかし,原告の指摘する評価通達の定め(別紙2の2)は,山林の評価の単位を1筆とする旨定めたものにすぎず,山林の評価倍率をどのように定めるかにはかかわらないと解される。むしろ,別紙2の17(評価通達48)が,地価事情の類似する地域ごとに国税局長が倍率を定める旨規定していることからすると,評価通達(以下,この段落においては財産評価基本通達のみを指す。)は,画一的かつ迅速的な処理の観点から,国税局長が同一の倍率を定める地域に含まれる各山林の地価事情が同一であることまでを求めているとはいえず,ある程度地価事情に幅があることを予定していると解するのが相当であり,地価事情が類似すると認められる範囲であれば,地価事情が多少異なる土地について同一の倍率が定められていて も,評価通達に反することにはならないと解すべきであり,このことは,一つの町に属する山林全体に同一の倍率が付されたとしても同様である。 このことを更に敷えんすると,山林である以上,一部に標高の高い部分や急勾配の部分が含ま とにはならないと解すべきであり,このことは,一つの町に属する山林全体に同一の倍率が付されたとしても同様である。 このことを更に敷えんすると,山林である以上,一部に標高の高い部分や急勾配の部分が含まれることは当然であり,評価通達はそのようなことも勘案した上で「地価事情の類似する地域」ごとに倍率を定めるべきことを定めていると解される。そして,中間山林は,市街地や別荘地の周辺に位置し,通常の山林(別紙2の16(評価通達47)が,林産物の搬出の便を価額の考慮要素としていることからして,林業を目的とするものをいうと解される。)と状況を異にすることにかんがみれば,中間山林の価額を決定する事情としては,林産物の搬出の便等林業経営に着目した事情よりも,周辺の市街地化の程度や市街地の中心への交通の便といった所在地による事情が主要なものになると考えられ,以上によれば,町という行政上の地域区分に属する山林全体について同一の倍率が付されたとしてもそのことから直ちに当該国税局長の定めが不合理であるとはいえず,相続税法22条に反するということもできないというべきである。 ウ原告は,同じ斜面の麓に近いところに位置する本件土地29(本件ε山林に属する。)よりも,尾根に近いところに位置する本件土地19(本件γ山林に属する。)の方が1㎡当たりの価額が高額となるのは不合理である旨主張する。しかし,前記のとおり,中間山林の評価はある程度個別の事情が捨象された地価事情が類似する地域ごとに倍率が定められているのであり,本件γ山林の1㎡当たりの価額が本件ε山林の1㎡当たりの価額の約1.2倍であるとしても,市街地化の程度や市街地の中心への交通の便等の地価事情が異なる(γ町の主要道路は国道であり,中学校や大学が所在するのに対し,ε町の主要道路は都道であり,ε町に学校施設が所在 1.2倍であるとしても,市街地化の程度や市街地の中心への交通の便等の地価事情が異なる(γ町の主要道路は国道であり,中学校や大学が所在するのに対し,ε町の主要道路は都道であり,ε町に学校施設が所在するとは認められない(前記2(3)ア,乙19)。)ことからすれば,そのことから直ちに評価通達によって評価することが相当ではないと認めら れる特段の事情があると認めることはできない。 また,原告は,本件土地4と本件土地7が傾斜や林産物の搬出距離などにおいて大きく異なるにもかかわらず1㎡当たりの価額が同一となっているのは不合理である旨主張する。しかし,前示のとおり,個別の事情はある程度捨象されて評価額は算定されるのであり,市街地化の程度や市街地の中心への交通の便が同等である町を単位として同一の倍率を定めることが不合理であるとは認められないことにかんがみ,そのことから直ちに評価通達によって評価することが相当ではないと認められる特段の事情があるということはできない。 その他,本件各山林の評価額について,評価通達によって評価することが相当ではないと認められる特段の事情があると認めるに足りる証拠はない。 エさらに,原告は,本件各山林の一部は純山林として評価すべきであると主張する。しかし,前記2(3)アの本件各山林の状況及び本件各山林の周囲の状況(ことに,本件各山林の周辺に学校,病院,ゴルフコース等が本件各山林と大きく変わらない標高の位置に存在し,また,本件山林と近辺の道路等との標高差もそれほどないこと)に加え,八王子市内で市街化調整区域にある山林が純山林として評価されるものとされている地域は中央自動車道の北側にあっては都道△号線の西側にほぼ限られ,本件各山林とは少なくとも2km離れていること(乙6,19)からすれば,本件各山林は,いずれも, 山林として評価されるものとされている地域は中央自動車道の北側にあっては都道△号線の西側にほぼ限られ,本件各山林とは少なくとも2km離れていること(乙6,19)からすれば,本件各山林は,いずれも,通常の山林と状況を異にするため純山林として評価することを不適当と認めるもの(別紙2の15(1)参照)に該当するというべきであり,原告の上記主張は失当である。 4 本件再更正処分及び本件賦課決定処分(いずれも本件裁決により一部取り消された後のもの)の適法性について(1) 以上を前提に,本件再更正処分及び本件賦課決定処分の適法性について 検討する。 (2) 本件相続に係る原告の相続税についてみると,被告が本訴において主張する別紙1更正等の根拠及び計算の1記載の原告の相続税の額の計算は相当であり,これによって計算した原告の納付すべき相続税額は同別紙の1(3)キのとおり2億8994万5100円であると認められ,別表1の⑨の「納付すべき税額」欄記載の原告に係る本件再更正処分における原告が納付すべき相続税額(本件裁決により一部取り消された後のもの)は,上記別紙の1(3)キ記載の原告の納付すべき相続税額の範囲内であるから,本件再更正処分は適法である。 (3) また,本件更正処分に係る原告の過少申告加算税についてみると,被告が本訴において主張する別紙1更正等の根拠及び計算の2記載の原告に係る過少申告加算税の額の計算は相当であり,これによって計算した原告の過少申告加算税の額は同別紙の2のとおり1988万8500円であると認められ,別表1の⑨の「過少申告加算税」欄記載の原告に係る本件賦課決定処分に基づく過少申告加算税額(本件裁決により一部取り消された後のもの)は,上記別紙2記載の過少申告加算税と同額であるから,本件賦課決定処分は適法である。 税」欄記載の原告に係る本件賦課決定処分に基づく過少申告加算税額(本件裁決により一部取り消された後のもの)は,上記別紙2記載の過少申告加算税と同額であるから,本件賦課決定処分は適法である。 5 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官川神 裕 裁判官小海隆則 裁判官須 賀 康太郎 (別紙1)更正等の根拠及び計算 1 原告の相続税額(1) 課税価格の合計額(別表2の⑩の「合計額」欄の金額)14億1929万4000円上記金額は,次のアの金額のうち,本件共同相続人がそれぞれ相続により取得した財産の価額(別表2の⑦の原告及び訴外相続人らの各金額)から,次のイの金額のうち同人らがそれぞれ負担する債務の金額(別表2の⑧の原告及び訴外相続人らの各金額)を控除した各人の課税価格(ただし,国税通則法118条1項の規定により,各相続人ごとに課税価格の1000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額,すなわち,別表2の⑩の原告及び訴外相続人らの金額)を合計した金額である。 ア本件相続により取得した財産の価額(別表2の⑦の「合計額」欄の金額)15億4971万0927円上記金額は,本件共同相続人が取得した財産の総額であり,その内訳は次のとおりである。 (ア) 土地等の価額(別表2の①の「合計額」欄の金額)13億7417万5812円上記金額は,別表5「土地の明細」に記 本件共同相続人が取得した財産の総額であり,その内訳は次のとおりである。 (ア) 土地等の価額(別表2の①の「合計額」欄の金額)13億7417万5812円上記金額は,別表5「土地の明細」に記載した各土地の価額の合計額である(別表5「土地の明細」土地合計欄の②の評価額)。 (イ) 家屋・構築物の価額(別表2の②の「合計額」欄の金額)5153万0752円(ウ) 有価証券の価額(別表2の③の「合計額」欄の金額)5002万9935円(エ) 現金預貯金等の価額(別表2の④の「合計額」欄の金額)5277万8764円 原告は,平成18年2月9日本件修正申告書を提出しているところ,上記(イ)ないし(エ)の各金額は,本件修正申告書第11表の4枚目(家屋・構築物の価額),同表5枚目(有価証券の価額)及び同表6枚目(現金預貯金等の価額)に記載された金額と同額である。 (オ) 立木(別表2の⑤の「合計額」欄の金額) 34万2936円上記金額は,本件修正申告書に記載された立木の価額34万5549円が本件再更正処分によって一部減額されたものである。 (カ) その他の財産の価額(別表2の⑥の「合計額」欄の金額)2085万2728円上記金額は,本件修正申告書第11表の8枚目に記載されたその他の財産の価額と同額である。 イ債務等の金額(別表2の⑧の「合計額」欄の金額)1億3041万5287円上記金額は,本件修正申告書第1表に記載された債務等の金額と同額である。 (2) 原告の課税価格(別表2の⑩の「原告」欄の金額) 8億5969万円上記金額は,次のアの金額からイの金額を控除した金額(ただし,国税通則法118条1項の規定により,1000円未満の端数を切り捨てた 告の課税価格(別表2の⑩の「原告」欄の金額) 8億5969万円上記金額は,次のアの金額からイの金額を控除した金額(ただし,国税通則法118条1項の規定により,1000円未満の端数を切り捨てた後の金額)である。 ア原告が相続により取得した財産の価額(別表2の⑦の「原告」欄の金額)9億8769万8541円イ原告が負担した債務等の金額(別表2の⑧の「原告」欄の金額)1億2800万8114円(3) 原告の納付すべき税額(別表2の⑮の「原告」欄の金額)2億8994万5100円上記金額は,相続税法(ただし,平成17年法律第21号による改正前のも の。以下同じ。)15条ないし17条の各規定に基づき,次のとおり算出した金額である。 ア本件相続税の課税価格の合計額(別表3の①及び別表2の⑩の「合計額」欄の金額) 14億1929万4000円イ遺産に係る基礎控除額(別表3の②の金額) 1億円上記金額は,上記アの課税価格の合計額から控除すべき基礎控除額であり,相続税法15条の規定により,5000万円と1000万円に本件相続に係る法定相続人の数である5を乗じて算出した金額5000万円との合計額である。 ウ課税遺産総額(別表3の③の金額) 13億1929万4000円上記金額は,上記アの金額から上記イの金額を控除した後の金額である。 エ法定相続分に応ずる取得金額(別表3の⑤の各人の金額)(ア) 原告(法定相続分8分の1) 1億6491万1000円(イ) 訴外相続人A(法定相続分2分の1) 6億5964万7000円(ウ) 訴外相続人B(法定相続分8分の1) 1億6491万1000円(エ) 訴外相続人C(法定相続分8分の1) 1億6491 訴外相続人A(法定相続分2分の1) 6億5964万7000円(ウ) 訴外相続人B(法定相続分8分の1) 1億6491万1000円(エ) 訴外相続人C(法定相続分8分の1) 1億6491万1000円(オ) 訴外相続人D(法定相続分8分の1) 1億6491万1000円上記(ア)ないし(オ)の各金額は,相続税法16条の規定により,上記ウの金額に当該各相続人の法定相続分に相当する割合をそれぞれ乗じて算出した金額(ただし,相続税法基本通達(昭和34年1月28日付け直資10国税庁長官通達(ただし,平成17年5月31日付け課資2-4ほかによる改正前のもの))16-3により,各法定相続人ごとに1000円未満の端数を切り捨てた後の金額)である。 オ相続税の総額(別表2の⑪及び別表3の⑦の金額)4億7868万1100円上記金額は,上記エの各金額に,相続税法16条に定める税率を適用して それぞれ算出した金額の合計額である。 カ原告の相続税額(別表2の⑬の「原告」の金額)2億8994万5109円上記金額は,相続税法17条の規定により,上記オの金額に,原告の課税価格(別表2の⑩の「原告の課税価格」欄の金額)が上記アの課税価格の合計額(同表の⑩の「合計額」欄の金額)のうちに占める割合(同表の⑫の各人のあん分割合)を乗じて算出した金額である。 キ原告の納付すべき税額(別表2の⑮の「原告」欄の金額)2億8994万5100円上記金額は,カの原告の相続税額について,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後の金額である。 2 本件更正処分に係る過少申告加算税について本件更正処分により,原告が新たに納付すべき相続税額は1億3259万5500円(甲第1号証・裁決書別表3の2請求人P12の納付す てた後の金額である。 2 本件更正処分に係る過少申告加算税について本件更正処分により,原告が新たに納付すべき相続税額は1億3259万5500円(甲第1号証・裁決書別表3の2請求人P12の納付すべき税額欄の金額2億8954万6200円から同別表1請求人P12の修正申告等における納付すべき税額欄の金額1億5695万0700円を控除した後の金額,ただし,本件裁決により一部取り消された後のもの。別表4付表C欄参照)であるところ,原告は,納付すべき税額を過少に申告していたものであり,過少申告したことについて,国税通則法65条4項に規定する正当な理由があるとは認められない。 したがって,原告に対し,国税通則法65条1項の規定に基づき,過少申告加算税が賦課されることとなり,その課されるべき過少申告加算税の額は,次のとおりである。 1988万8500円上記金額は,国税通則法65条1項及び2項の規定に基づく,次の(1)の金額と(2)の金額を合計した金額である。 (1) 1325万9000円 本件更正処分により新たに納付すべき税額1億3259万5500円(別表4付表C欄,ただし,国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,100分の10の割合を乗じて算出した金額(別表4付表D欄)。 (2) 662万9500円上記(1)の新たに納付すべき税額1億3259万5500円(別表4付表C欄)に,本件修正申告により新たに納付すべき税額(国税通則法65条3項1号の累積増差税額)9381万1700円(別表4付表E欄)を加算した金額2億2640万7200円(別表4付表F欄)のうち,① 期限内申告税額(同条3項2号)6313万9000円(別表4付表G欄)と,② 50万円とのいずれか多い方の金額である① 6313万900 た金額2億2640万7200円(別表4付表F欄)のうち,① 期限内申告税額(同条3項2号)6313万9000円(別表4付表G欄)と,② 50万円とのいずれか多い方の金額である① 6313万9000円を超える部分に相当する税額(ただし,本件更正処分により新たに納付すべき税額がその超える部分に相当する税額に満たないので,同条2項かっこ書きに基づき,当該新たに納付すべき税額1億3259万5500円(別表4付表H欄。ただし,同法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。)に100分の5の割合を乗じて算出した金額(別表4付表I欄)。 (別紙2)評価通達及び評価倍率表の定め 1 田及び畑(以下「農地」という。)は,1枚の農地(耕作の単位となっている1区画の農地をいう。)を評価単位とする。 ただし,後記13(1)の定めにより評価する市街地農地及び後記14 に定める生産緑地等は,それぞれ利用の単位となっている一団の農地を評価単位とする。 (以下略)(評価通達7-2(2)) 2 山林は,1筆の山林を評価単位とする(評価通達7-2(3)本文)。 3 宅地の評価は,原則として,次に掲げる区分に従い,それぞれ次に掲げる方式によって行う(評価通達11)。 (1) 市街地的形態を形成する地域にある宅地路線価方式(評価通達11(1))(2) (1)以外の宅地倍率方式(評価通達11(2)) 4 路線価方式とは,その宅地の面する路線に付された路線価を基とし,後記6ないし8等の定めにより計算した金額によって評価する方式をいう(評価通達13)。 5 路線価方式により評価する地域については,宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに,国税局長が次に掲げる地区を定めるものとする(評価通達14-2)。 (1) 通達13)。 5 路線価方式により評価する地域については,宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに,国税局長が次に掲げる地区を定めるものとする(評価通達14-2)。 (1) (略)(評価通達14-2(1)ないし(4))(2) 普通住宅地区(評価通達14-2(5))(3) (略)(評価通達14-2(6),(7)) 6 一方のみが路線に接する宅地の価額は,路線価にその宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率(普通住宅地区における奥行価格補正率は,奥行距離4m以上6m未満の場合0.92,奥行距離6m以上8m未満の場合0.95,奥行距離10m以上24m未満の場合1.00,奥行距離24m以上28m未満の場合0. 99,奥行距離40m以上44m未満の場合0.92である。評価通達付表1) を乗じて求めた価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する(評価通達15)。 7 正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」という。)の価額は,次の(1)及び(2)に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する(評価通達16)。 (1) 正面路線(原則として,上記6により計算した1㎡当たりの価額の高い方の路線をいう。以下同じ。)の路線価に基づき計算した価額(評価通達16(1))(2) 側方路線(正面路線以外の路線をいう。)の路線価を正面路線の路線価とみなし,その路線価に基づき計算した価額に側方路線影響加算率(普通住宅地区における角地の場合の同加算率は0.05である。評価通達付表2)を乗じて計算した価額(評価通達16(2)) 8 不整形地の価額は,評価通達20(1)ないし(4)に例示するいずれかの方法により上記6,7等の定めによって計算した価額に,その不整形の程度,位置及び地積の大小に応じて定める 価通達16(2)) 8 不整形地の価額は,評価通達20(1)ないし(4)に例示するいずれかの方法により上記6,7等の定めによって計算した価額に,その不整形の程度,位置及び地積の大小に応じて定める補正率(以下「不整形地補正率」という。普通住宅地区における500㎡未満の土地についてかげ地割合35%以上40%未満の場合は0.88,かげ地割合45%以上50%未満の場合は0.82,普通住宅地区における500㎡以上750㎡未満の土地についてかげ地割合10%以上15%未満の場合は0.99,かげ地割合25%以上30%未満の場合は0.95である。 なお,かげ地割合は,想定整形地の地積から不整形地の地積を差し引いたものを想定整形地の地積で除して求める。評価通達付表4,5,同付表(注)2)を乗じて計算した価額により評価する(評価通達20)。 9 倍率方式とは,固定資産税評価額(地方税法381条の規定により土地課税台帳若しくは土地補充課税台帳に登録された基準年度の価格又は比準価格をいう。)に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいう(評価通達21)。 倍率方式により評価する宅地の価額は,その宅地の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに,その地域にある宅地の売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する(評価通達21-2)。 11 農地を評価する場合,その農地を次に掲げる農地のいずれかに分類する(評価通達34)。 (1) (略)(評価通達34(1)ないし(3))(2) 市街地農地(評価通達34(4)) 12 市街地農地とは,次に掲げる農地のうち,そのいずれかに該当するものをいう する(評価通達34)。 (1) (略)(評価通達34(1)ないし(3))(2) 市街地農地(評価通達34(4)) 12 市街地農地とは,次に掲げる農地のうち,そのいずれかに該当するものをいう(評価通達36-4)。 (1) (略)(評価通達36-4(1))(2) 市街化区域内にある農地(評価通達36-4(2))(3) (略)(評価通達36-4(3))13(1) 市街地農地の価額は,その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として,整地,土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に,その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する(評価通達40本文)。 (2) 本件α土地及び本件β土地の存する地域においては,上記(1)の国税局長の定める金額は,平坦地の場合,整地を必要とする場合の整地費として,整地を必要とする面積1㎡当たり500円,伐採・抜根を必要とする場合の伐採・抜根費として,伐採・抜根を必要とする面積1㎡当たり600円と定められ,傾斜地の場合,3度以下の傾斜度の土地では1㎡当たり4000円と定められている(以下,この定めを「本件造成費基準」という。乙6)。 (3) 市街化区域内に存する市街地農地については,その農地の固定資産税評価 額に地価事情の類似する地域ごとに,その地域にある農地の売買実例価額,精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することができるものとし,その倍率が定められている地域にある市街地農地の価額は,その農地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する(評価通達40ただし書)。 によって評価することができるものとし,その倍率が定められている地域にある市街地農地の価額は,その農地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する(評価通達40ただし書)。 (4) その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額は,その付近にある宅地について上記3の方式によって評価した1㎡当たりの価額を基とし,その宅地とその農地との位置,形状等の条件の差を考慮して評価するものとする(評価通達40(注))。 14 生産緑地の価額は,その生産緑地が生産緑地でないものとして評価した価額から,その価額に次に掲げる生産緑地の別にそれぞれ次に掲げる割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する(評価通達40-3)。 (1) (略)(評価通達40-3(1))(2) 課税時期において市町村長に対し買取りの申出が行われていた生産緑地又は買取りの申出をすることができる生産緑地 100分の5(評価通達40-3(2))山林の評価は,次に掲げる区分に従い,それぞれ次に掲げる方式によって行う(評価通達45)。 (1) 純山林及び中間山林(通常の山林と状況を異にするため純山林として評価することを不適当と認めるものに限る。以下同じ。) 倍率方式(評価通達45(1))(2) (略)(評価通達45(2)) 16 純山林の価額は,その山林の固定資産税評価額に,地勢,土層,林産物の搬出の便等の状況の類似する地域ごとに,その地域にある山林の売買実例価額,精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する(評価通達47)。 17 中間山林の価額は,その山林の固定資産税評価額に,地価事情の類似する地域ごとに,その地域にある山林の売買実例価額,精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を る(評価通達47)。 17 中間山林の価額は,その山林の固定資産税評価額に,地価事情の類似する地域ごとに,その地域にある山林の売買実例価額,精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する(評価通達48)。 18 森林法その他の法令の規定に基づき土地の利用又は立木の伐採について制限を受けている山林の価額は,上記15 ないし17 等により評価した価額(その山林が森林法25条の規定により保安林として指定されており,かつ,倍率方式により評価すべきものに該当するときは,その山林の付近にある山林につき上記15 ないし17 等により評価した価額に比準して評価した価額とする。)から,その価額にその山林の上に存する立木について別に定める割合(一部皆伐の場合0.3(評価通達123))を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する(評価通達50)。

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