平成27(行ウ)15 年金額減額処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成31年4月26日 札幌地方裁判所
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判決文本文68,499 文字)

- 1 -主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求厚生労働大臣が原告らに対して平成25年12月4日付けでした国民年金,老齢厚生年金又は遺族厚生年金の額を改定する処分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本判決において,次表の法令等欄記載の法令等は,それぞれ略称欄記載の略称により表記する。 法令等略称国民年金法国年法厚生年金保険法厚年法国民法及び厚年法国年法等厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和48年法律第92号)昭和48年改正法平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律(平成12年法律第34号)平成12年特例法平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律(平成13年法律第13号)平成13年特例法平成十四年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律(平成14年法律第21号)平成14年特例法平成12年特例法,平成13年特例法及び平成14年特例法物価スライド特例法国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号)平成16年改正法- 2 -国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律(平成24年法律第99号)平成24年改正法平成十六年度,平成十七年度,平成十九年度及び平成二十年度の国民年金制度及び厚生年金保険制度並びに国家公務員共済組合制度の改正に伴う厚生労働省関係法令に関する経過措置に関する政令及び国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令の一部を改正する政令(平成25年政令第262号)平成25年政令経済的,社会的及び文化的権利に関 する経過措置に関する政令及び国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令の一部を改正する政令(平成25年政令第262号)平成25年政令経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(昭和54年条約第6号)社会権規約 1 事案の要旨本件は,老齢基礎年金,老齢厚生年金及び遺族厚生年金の受給者である原告らが,平成24年改正法及び平成25年政令に基づいて厚生労働大臣が行った原告らの年金額を減額する改定(以下,この各改定を「本件各処分」という。)は,憲法13条,25条及び29条に反する違憲のものであり,又は厚生労働大臣に認められた裁量を逸脱及び濫用するものであって違法のものであるなどと主張して,本件各処分の取消しを求める事案である。 2 前提事実(証拠原因(掲記した証拠の直後の〔〕内の記載は当該証拠における関係頁番号又は関係部分である。以下同じ。)を掲記しない事実は当事者間に争いがない。)⑴ 平成24年改正法以前の状況ア昭和48年,国年法等が改正され,全国消費者物価指数(以下「物価指数」という。)の変動の比率を基準に年金額等(年金額及び年金給付の額をいう。以下同じ。)を改定する制度(以下「物価スライド制」という。)が附則として設けられ(昭和48年改正法附則22条。乙7〔15〕),昭- 3 -和60年の改正によって,国年法及び厚年法の本則(平成16年改正法による改正前の国年法16条の2及び厚年法34条)として規定された(乙5〔7,15〕)。 イ平成12年から平成14年にかけて,物価スライド特例法が制定された。 これらの特例法においては,上記各年度について物価スライド制による年金額の改定を行わない旨の定めが置かれるとともに,その附則(平成13年特例法附則2条,平成14年特例法附則2条)において 定された。 これらの特例法においては,上記各年度について物価スライド制による年金額の改定を行わない旨の定めが置かれるとともに,その附則(平成13年特例法附則2条,平成14年特例法附則2条)において,物価スライド制を適用しなかったことによる財政への影響を考慮して,年金額の見直しその他の措置及び物価スライド制を定めた規定の見直しについて検討を行い,その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする旨定められた(ただし,平成12年特例法には,これに相当する附則は定められていない。)。 (乙10〔13,14〕,乙11〔148,149〕,乙12〔128,129〕)物価スライド特例法が制定された結果,国年法等が法律上予定していた年金額等より1.7%高い水準の年金が支給されることとなった(以下,国年法等が法律上予定していた年金額等の水準のことを「本来水準」といい,物価スライド特例法による年金額等の水準のことを「特例水準」という。)。 ウ平成16年改正法により,国民年金及び厚生年金保険に関し,最終的な保険料水準を法律上固定した(平成16年改正法による改正後の国年法87条,厚年法81条)上で,年金額等について,物価及び賃金の上昇を基準とした改定率から,公的年金制度の被保険者総数変動率(現役全体で見た保険料負担力の低下の指標としての現役人口の減少の程度)と平均余命の伸び率(受給者全体で見た給付費の増大の指標)とを勘案して自動的に決定された調整率を乗じて年金額の改定を行う仕組み(以下,この仕組みを「マクロ経済スライド」という。)が導入された(平成16年改正法に- 4 -よる改正後の国年法16条の2,27条の4,27条の5,厚年法34条,43条の4,43条の5)。 また,平成16年改正法においては,本来水準による年金額等は物価・賃金の変動に応 に- 4 -よる改正後の国年法16条の2,27条の4,27条の5,厚年法34条,43条の4,43条の5)。 また,平成16年改正法においては,本来水準による年金額等は物価・賃金の変動に応じて改定するが,特例水準による年金額等は物価指数の低下時のみに改定を行うものとし,その上で,本来水準と特例水準の額を比較し,特例水準の額が本来水準の額を上回る場合には,なお特例水準に基づく年金額等が支給されることとされた(平成16年改正法附則7条,27条)。そして,マクロ経済スライドは,特例水準の解消後に適用されることとされた(平成16年改正法附則12条及び31条)。 ⑵ 平成24年改正法及び本件各処分ア平成16年改正法によっても,特例水準の解消は図られず,平成23年度以降,本来水準と特例水準の差は最大2.5%にまで拡大した。このような状況を受けて,平成24年2月17日付けで社会保障・税一体改革大綱が閣議決定され,その中で,特例水準による年金の受給について早急(具体的には3年間)に計画的な解消を図ること,今の受給者の年金額等を本来水準に引き下げることで,年金財政の負荷を軽減し,現役世代(将来の年金受給権者)の年金額等の確保につなげるとともに,その財源を用いて社会保障の充実を図るものとする旨が定められた。(乙16)イこれを受けて,平成24年改正法が制定され,特例水準を平成25年度に1.0%,平成26年度に1.0%,平成27年度に0.5%解消することとし(乙14),上記平成24年改正法の規定により読み替えられた国年法等の規定の委任を受けて平成25年政令が制定され,同政令において,平成24年改正法に基づく読替え後の国年法等の各規定に従い,平成25年度の年金額の計算過程において乗じる具体的な率が0.968と定められた(同政令1条。乙1 成25年政令が制定され,同政令において,平成24年改正法に基づく読替え後の国年法等の各規定に従い,平成25年度の年金額の計算過程において乗じる具体的な率が0.968と定められた(同政令1条。乙15)。 ウ厚生労働大臣は,平成25年12月4日付けで,平成24年改正法,平- 5 -成25年政令及び国年法等に基づいて,特例水準の1.0%の解消として,個々の年金受給権者の年金額等を改定し(このうち,原告らに係る部分が本件各処分である。改定された年金の種類及び改定前後の年金額等については,別紙年金額一覧表1から3までの「従前の額(円)」欄及び「減額後の額(円)」欄記載のとおり。),各年金受給権者(既に裁定された受給権者)に対し,改定された年金額を通知した。 ⑶ 本件各処分に関する審査請求原告らは,本件各処分に対してそれぞれ審査請求を申し立てたが,いずれも却下された。原告らは,これを不服として再審査請求を申し立てたが,いずれも別紙「年金額一覧表」記載の「裁決日」記載の日付けで却下された。 ⑷ 本件訴えの提起平成27年(行ウ)第15号事件の原告らは平成27年4月15日に,同第20号事件の原告らは同年5月20日に,同第25号事件の原告らは同年6月16日に,それぞれ本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。 3 争点⑴ 本件各処分が憲法25条,社会権規約9条に反するものか。 ⑵ 本件各処分が憲法29条1項に反するものか。 ⑶ 本件各処分が憲法13条に反するものか。 ⑷ 平成25年政令は,法の委任の範囲を逸脱し違法・無効であるか。 4 争点についての当事者の主張別紙当事者の主張記載のとおり第3 当裁判所の判断 1 認定事実後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,国年法等の改正経緯に関し,次の事実が認められる。 4 争点についての当事者の主張別紙当事者の主張記載のとおり第3 当裁判所の判断 1 認定事実後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,国年法等の改正経緯に関し,次の事実が認められる。 ⑴ 厚生大臣は,物価スライド制に基づき,平成6年の物価指数の上昇率に合- 6 -わせて平成7年度における年金額等を0.7%引き上げ,同年の物価指数が0.1%下落していたものの平成8年度の年金額等は特例措置により据え置き(平成八年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律(平成8年法律第29号)による。),同年の物価指数が0.1%上昇したことから平成9年度の年金額を据え置き,同年の物価指数の上昇に合わせて平成10年度の年金額を1.8%引き上げた(乙26)。 ⑵ア厚生大臣は,国年法(昭和60年法律第34号による改正後のもの)87条4項(乙5〔11〕参照)及び厚年法(昭和29年法律第115号による改正後のもの)81条4項(乙3〔7〕参照)における,保険料の額が少なくとも5年ごとに再計算された結果に基づいて所要の調整が加えられるべきものとする規定に基づき,平成6年度において財政再計算を行った(乙43〔9〕)。 イ内閣は,上記結果に基づく審議の結果平成10年10月に取りまとめられた意見書及びその後の調整を踏まえ,年金額の給付乗率を5%引き下げる改正(厚年法43条の改正)などを行う年金制度の改正法案を国会に提出するとともに,消費が落ち込んで景気が悪化することを防ぐために必要であると考えて年金審議会委員の賛同を得(甲共79),また,厚生年金及び国民年金の保険料ないし保険料率を当面据え置くとの与党の意向を踏まえ,平成12年度に限定して年金額等の改定をしないこととする法案(平成12年特例法)を提出した。上記改正法案は平成12年法律 年金及び国民年金の保険料ないし保険料率を当面据え置くとの与党の意向を踏まえ,平成12年度に限定して年金額等の改定をしないこととする法案(平成12年特例法)を提出した。上記改正法案は平成12年法律第18号として,平成12年特例法は平成12年法律第34号として国会において可決し,成立した。(乙10,23〔13〕,43〔9,10〕)平成12年法律第18号においては,年金額等につき,上記の厚年法43条の改正前と比較して高い額としておく旨の経過措置が設けられていた(改正附則20,21条)。 平成11年の物価指数が0.3%下落したことから,平成12年特例法- 7 -の制定に伴い,特例水準が生じ,特例水準は,本来水準よりも0.3%高い額となった。 ウ厚生労働大臣は,平成13年度においても同様に年金額の改定をしない法案(平成13年特例法)を提出するに当たり,こうしたことを続けると平成12年法律第18号による改正の意味が問われることになることから,再検討が必要であると考え,「政府は,平成13年以降において初めて行われる…財政再計算…が行われるまでの間に」年金額「の改定の措置を,平成12年度に引き続き,平成13年度において行わなかったことにより,財政に与える影響を考慮して,当該額の見直しその他の措置及び当該規定の見直しについて検討を行い,その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」旨の規定(附則2条。乙11〔149〕参照)を上記法案に設けた(乙24〔13〕)。平成13年特例法は,平成13年法律第13号として国会において可決し,成立した(乙11〔148〕)。 ⑶ア社会保障審議会(厚生労働省設置法7条1項により設置される厚生労働大臣の諮問機関)は,平成14年1月30日,日本の将来推計人口において,65歳以上の人口割合が,平成9年1 11〔148〕)。 ⑶ア社会保障審議会(厚生労働省設置法7条1項により設置される厚生労働大臣の諮問機関)は,平成14年1月30日,日本の将来推計人口において,65歳以上の人口割合が,平成9年1月の推計(中位推計)では平成12年に17.2%,平成37年に27.4%,平成62年に32.3%となるとされていたものが,平成14年1月の推計(中位推計)では平成12年は17.4%であり,平成37年に28.7%,平成62年に35. 7%となるとされていることなどを資料として審議するとともに,年金部会を設置して年金制度について議論を進めることとした(乙29)。 イ社会保障審議会及び同年金部会においては,厚生労働省から,年金改革の骨格に関する方向性について,公的年金制度が現役世代の所得の喪失を補塡することにより高齢期の所得保障を行うものであり,老後の生活の支えにふさわしい実質的に価値のある年金を終身にわたって確実に保障することをその役割としていて,この役割を今後とも果たすことができるよう,- 8 -社会保険方式の下で,①現役世代の年金制度に対する不安感,不信感を解消する,②少子化の進行等の社会経済情勢の変動に対し,柔軟に対応することができ,かつ,恒久的に安定した制度とする,③現役世代の保険料負担が過大にならないよう配慮することに重点を置きつつ,給付水準と現役世代の保険料負担をバランスのとれたものとする,④現役世代が将来の自らの給付を実感することができる分かりやすい制度とする,⑤少子化,女性の社会進出,就業形態の多様化等の社会経済の変化に的確に対応することができるものとするという基本的視点が提示された。また,平成11年度の国民年金の保険料が月額1万3300円,厚生年金の保険料率が13. 58%であるのに対し,平成16年改正前の給付水準及び基礎年 ことができるものとするという基本的視点が提示された。また,平成11年度の国民年金の保険料が月額1万3300円,厚生年金の保険料率が13. 58%であるのに対し,平成16年改正前の給付水準及び基礎年金国庫負担割合3分の1をいずれも維持した場合に保険料等をどの程度まで増加させる必要があるかについての資料(平成14年12月13日に議論を整理した際の資料の数字は,国民年金の保険料が毎年2万9300円に,厚生年金の保険料率が26.2%)が提示された(乙27〔25〕)。 ウ社会保障審議会年金部会は,平成15年9月12日付けで,年金制度改正に関する意見をとりまとめた(甲共25)。 このとりまとめにおいては,次のことが記載されている。 平成12年の法改正において,少子高齢化の進行に対応するため,将来の給付水準を適正化し,最終的な保険料負担を年収の2割程度に抑制したが,凍結された厚生年金,国民年金の保険料の解除,基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げ等について課題を残していたところ,平成14年の人口推計によると少子高齢化が一層進行することが予想され,現行の給付水準を維持した場合,厚生年金の最終保険料率は,国庫負担割合を変えなければ,13.58%から26.2%にも上昇すると見込まれ,将来の世代の負担が過重なものとなるおそれがある(甲共25〔2〕)。 - 9 -少子高齢化が進む中で,最終的な保険料水準をできるだけ抑制するためにも,保険料負担は適切に引き上げていく必要がある。厚生年金におけるその上限については,20%程度とするのが相当である。世代間の公平の観点や現役世代の負担についての不安を解消するためには,最終的な保険料水準を法律上も明示し,負担の限度を明確に示すべきである。 (甲共25〔11から13まで〕)現役世代全体の保険料 代間の公平の観点や現役世代の負担についての不安を解消するためには,最終的な保険料水準を法律上も明示し,負担の限度を明確に示すべきである。 (甲共25〔11から13まで〕)現役世代全体の保険料負担能力とバランスのとれた給付水準とするという観点や,国民生活に急激な影響を及ぼさないよう時間をかけて緩やかに調整していくという観点から,マクロ経済スライドの導入が適当であるが,少子化の進行で給付水準が低下し,高齢期の生活の基本的な部分を支えるものとしての年金の役割が損なわれるおそれがあることなどから導入すべきでないという意見もあった(甲共25〔13,14〕)。 基礎年金に対する国庫負担割合の2分の1への引上げについては,将来の保険料水準が過大なものにならないようにし,給付も適切な水準を保つことができるようにするために不可欠なものであることから,安定的な財源を確保し,今回改正で実現すべきである(甲共25〔19〕)。 エそして,平成15年11月17日までに,厚生労働省は,上記の議論やとりまとめを踏まえ,上記の基本的視点に沿った改正を目指すこととし,その際,公的年金給付が個々人の生活設計に組み込まれていることから,その給付水準の過度の調整や急激な変更を行うことは適切でないと判断した(乙28)。 オ内閣は,平成16年2月,平成16年改正法に係る法案を国会に提出し,そのことを同年3月4日に社会保障審議会年金部会に報告した。当該報告には,同法案の内容に物価スライド特例措置の解消が含まれていること,その解消は平成17年度以降に物価が上昇する状況の下で解消することが含まれていた。(甲共26,80)- 10 -平成16年改正法案は,2条において国年法の保険料額を平成16年の賃金水準に照らした保険料水準を法定して賃金水準の上限に応じて改定す 消することが含まれていた。(甲共26,80)- 10 -平成16年改正法案は,2条において国年法の保険料額を平成16年の賃金水準に照らした保険料水準を法定して賃金水準の上限に応じて改定することとし(平成16年改正法2条により改正される国年法87条3項から6項まで。乙13〔12〕参照),7条において厚年法の最終保険料率を18.3%と法定し(平成16年改正法7条により改正される厚年法81条5項の表。乙13〔17〕参照),国年法等の基礎年金に対する国庫負担割合をそれぞれ2分の1と改め(平成16年改正法1条〔国年法85条1項1号を改める部分〕,7条〔厚年法80条1項を改める部分〕。乙13〔12,17〕参照),附則7条1項及び同27条1項において,改正後の年金額等が改正前の年金額等に満たないときは改正前の年金額等によることとし,附則7条2項及び同27条2項において,改正前の年金額等の計算については,平成16年度における特例水準(平成13年度における特例水準の98.8%)を前提に,平成16年以降の物価指数が平成15年の物価指数を下回ったときはその低下分だけ特例水準を下げ,その後は物価指数が,最後に特例水準を下げた年に比べて更に下がったときはその低下分だけ特例水準を下げる(同項の表下欄)こととし(乙13〔65,70〕参照),その一方で,マクロ経済スライド(改正後国年法27条の4及び27条の5,改正後厚年法43条の4及び43条の5)は,上記の特例水準が,同法案による改正後の本来水準であってマクロ経済スライドを適用しないで定めたものを超えるときまで,これを適用しないこととしていた(附則12条1項,同31条1項。乙13〔67,74〕参照)。 カ内閣は,同年2月,平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(以 で,これを適用しないこととしていた(附則12条1項,同31条1項。乙13〔67,74〕参照)。 カ内閣は,同年2月,平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(以下「平成16年特例法」という。)を国会に提出した。同法案においては,平成16年4月から平成17年3月までの月分の年金額については,平成13年の年平均の物価指数に対する平成15年の年平均の物価指数の比率を基準として改定する旨を規定してい- 11 -た。 キ平成16年改正法及び平成16年特例法は,国会において可決し,成立した。 ⑷ 平成16年改正法及び平成16年特例法の成立後,物価変動率は平成17年において0.3%下落し,これに伴って特例水準は平成18年度に0. 3%縮小した。他方,平成16年改正法以後の本来水準(マクロ経済スライドを適用しないもの。)は,平成20年度において名目手取り賃金変動率の上昇に伴って0.9%上昇したが,これによっても特例水準を0.8%下回ったことから,特例水準は解消せず,平成23年度における上記の本来水準は,物価指数等の下落に伴い,特例水準を2.5%下回る水準となった。 ⑸ 厚生労働省は,平成21年に財政検証を行った。その結果,65歳以上の人口割合が,平成18年人口推計(中位推計)において,平成17年に20. 2%であるものが,平成42(2030)年に31.8%,平成67(2055)年に40.5%となることが見込まれた。被保険者数に対する老齢年金受給権者数の比率は,厚生年金につき,平成元年に15.1%であったものが,平成11年には26.4%,平成15年には33.3%,平成19年には36.4%と,国民年金につき,平成元年に19.4%であったものが,平成11年には28.0%,平成15年には32.7%,平成19年には3 11年には26.4%,平成15年には33.3%,平成19年には36.4%と,国民年金につき,平成元年に19.4%であったものが,平成11年には28.0%,平成15年には32.7%,平成19年には37.5%とそれぞれ上昇していた。収支差引残が,厚生年金につき平成15年から赤字となり,赤字額は同年で3312億円,平成20年で3兆0380円であり,国民年金につき平成14年から赤字となり,赤字額は同年で382億円,平成20年で5772億円であった。(乙38〔13,78,80,82,85〕)⑹ア社会保障審議会年金部会は,平成23年8月26日から議論を重ね,同年12月16日,議論を整理した。ここでは,特例水準については,世代間の公平の観点及び年金財政の早期安定化を図る観点から,3年以内で解- 12 -消するなど,早急な解消に取り組むべきであるという意見が多数を占めたものであり,また,特例水準が本来水準より2.5%高くなったのは,特例水準の解消が十分に機能しない仕組みとなっていたためであり,特例水準を早期に解消する観点から,少なくとも現行の特例水準と本来水準の差が拡大する仕組みは改め,物価下落時には前年比で必ず引き下げるルールに見直すべきであると整理された。マクロ経済スライドについては,いわゆるデフレ経済下でもマクロ経済スライドを行えるようにすべきである,仮にそうであっても受給者に対して十分な説明が必要である,基礎年金についてこれを行うことは適当ではないなどの意見が出され,特例水準の解消の状況も踏まえながらマクロ経済スライドの見直しについて引き続き検討を進めることが今後の課題として考えられることと整理され,これらの項目については,引き続き検討を加えることとするが,平成24年の通常国会への法案提出を目指すことが適当と考えるものとされた。 続き検討を進めることが今後の課題として考えられることと整理され,これらの項目については,引き続き検討を加えることとするが,平成24年の通常国会への法案提出を目指すことが適当と考えるものとされた。(乙45〔1,2,14,20〕,47)。 イ平成24年2月17日には,社会保障・税一体改革大綱が閣議決定された。上記大綱においては,所得比例年金と最低保障年金の組合せからなる一つの公的年金制度に全ての人が加入する新しい年金制度の創設について引き続き実現に取り組むこととされた一方で,現行制度のうち物価スライド特例分について,年金財政の負荷を軽減し,現役世代の将来の年金額の確保につなげるとともに,その財源を用いて社会保障の充実を図るため,特例法により本来の年金額より2.5%高い水準の年金額を支給している措置について,早急に計画的な解消を図ること(乙30〔18〕)その他の施策が定められた。(乙30) 2 争点⑴(本件各処分が憲法25条,社会権規約9条に反するものか。)について⑴ まず,本件各処分が憲法25条に反するものか否かについて検討する。 - 13 -ア前記前提事実⑵イ及びウのとおり,本件各処分は,平成24年改正法による改正後の国年法等(平成24年改正法1条による改正後の平成16年改正法附則7条1項,7条の2,27条1項,27条の2により平成25年度について適用される国年法等の各規定。乙14〔48,49〕参照)及びこれを受けた平成25年政令(1条。乙15参照)に基づいてされたもので,特例水準のうち一部の減額を内容とするものである。 しかして,国年法は,憲法25条2項に規定する理念に基づき,老齢,障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与すること しかして,国年法は,憲法25条2項に規定する理念に基づき,老齢,障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とするものであり(同法1条),また,厚年法は,労働者の老齢,障害又は死亡について保険給付を行い,労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とするものであって(同法1条),その目的に照らし,憲法25条2項の趣旨を受けたものと解される。 イところで,憲法25条における「健康で文化的な最低限度の生活」は,極めて抽象的・相対的な概念で,その具体的内容は,その時々における文化の発達の程度,経済的・社会的条件,一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであるとともに,この規定を法律において具体化するに当たっては,国の財政事情を無視することができず,また,複雑多様で高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものである。このことに照らすと,同条の趣旨に応えて上記各制度につき具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は,立法府の広い裁量に委ねられており,それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱,濫用とみざるを得ないような場合を除き,裁判所が審査判断するのに適しない事柄である(最高裁昭和57年7月7日大法廷判決・民集36巻7号1235頁,最高裁平成19年9月28日第二小法廷判決・民集61巻6号2345頁参照)。 - 14 -したがって,本件各処分の根拠となった国年法等の規定に係る立法府の選択決定が著しく合理性を欠き,明らかに裁量の逸脱,濫用とみざるを得ないときは,当該規定及びこれに依拠する本件各処分が同条に違反するものと解するのが相当である。 ⑵ア平成24年改正法は,特例 の選択決定が著しく合理性を欠き,明らかに裁量の逸脱,濫用とみざるを得ないときは,当該規定及びこれに依拠する本件各処分が同条に違反するものと解するのが相当である。 ⑵ア平成24年改正法は,特例水準を段階的に解消することを内容とするものであり,平成25年政令は,これを受けて特例水準を一部解消するための具体的な減少率を踏まえて具体的な年金額等の算定に必要な割合を定めるものである。 イ前記認定事実によれば,こうした特例水準は,物価スライド制に基づくと平成12年度においては年金額等を0.3%減額改定すべきところを,年金受給者の購買力を維持して景気を維持する政策の実現を目的としてこうした改定をしないことを内容とする平成12年特例法を制定したことにより創設されたものであり(前記認定事実⑵イ),国年法等が予定する年金額等の給付水準を是正するものではなく,景気の維持という他の政策の実現の手段の一つとして採用されたものであるといえる。また,特例水準は,国年法等とは別の「平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律」(平成12年特例法)によって設けられたものであり,その法律の題名からして年金額等の改定をしないことは通常の措置でないことが明らかであるといえる上,その特例措置は平成12年度に限られていたのであるから,新たな法律が制定されなければ特例水準は平成12年度末で解消されていたのである。そして,こうした特例措置は,平成8年にも同様の特例法により講じられており,当該特例措置は翌年度の物価指数の変動に伴い,新たな措置が講じられなかったこと(前記認定事実⑴)からすれば,平成12年特例法の制定時においては,平成8年当時と同様に,平成12年度末をもって特例水準が解消されることとし,翌年度以降の特例水準の在り方は,将来の情勢変 かったこと(前記認定事実⑴)からすれば,平成12年特例法の制定時においては,平成8年当時と同様に,平成12年度末をもって特例水準が解消されることとし,翌年度以降の特例水準の在り方は,将来の情勢変化に委ねられていたもの- 15 -である。 こうした内閣及び国会による政策判断は,平成13年度及び平成14年度においても継続されたが,その一方で,2度目の特例法を平成13年に制定する際に,更に翌年度の特例法が制定され得ることに鑑み,特例水準に係る措置その他の見直しについて検討を行うべき旨の再検討規定を設ける(前記認定事実⑵ウ)ことで,国会において,特例水準が安易に継続されないこととする意思が表明されたものということができる。 そうすると,特例水準は,これが創設された時点及びこれを一度継続することを決した時点において,将来的には解消されるべきものであることが想定されていたものとみるのが相当である。 ウそして,上記再検討規定を受けて厚生労働大臣が検討した結果,年金の原資に対する国庫負担率を上昇させる一方で保険金に係る保険料額及び保険料率を固定することとし,併せてマクロ経済スライドを導入して物価水準の上昇割合に比較して給付水準の上昇割合を抑えることとし,これに沿った法案(平成16年改正法)が内閣から国会に提出され,国会において可決されたものである(前記前提事実⑴ウ,前記認定事実⑶オ)が,平成16年改正法は,経過措置として,その法案の提出時における特例水準(平成13年当時の特例水準)を固定化しつつ,その後の物価指数の上昇によってこれを解消することを予定し,その際,マクロ経済スライドの規定を考慮しないこととして,解消の時期が可及的に早期になるよう想定していたものであり(前記認定事実⑶ウからオまで),平成24年改正法は,平成16年改正法 ことを予定し,その際,マクロ経済スライドの規定を考慮しないこととして,解消の時期が可及的に早期になるよう想定していたものであり(前記認定事実⑶ウからオまで),平成24年改正法は,平成16年改正法による改正後の国年法等の規定を受けて行った財政検証の結果判明した状況の変化を踏まえ,特例水準の解消を,平成16年改正法によれば実現される時期よりも早期に実現するという政策判断に基づいたものである(前記認定事実⑸,⑹)。 上記のとおり,平成16年改正法においては,特例水準が解消されれば- 16 -その改正法の内容が実現されるという関係にあること(前記認定事実⑶オ参照)に照らすと,平成24年改正法は,特例水準の早期解消とともに,保険料額及び率の固定並びにマクロ経済スライドの早期実現を図ることを目的としたものであるところ,この政策判断は,前記認定事実⑶から⑹までによれば,社会保障審議会において,人口推計,財政状況その他の客観的情報(前記認定事実⑶ア,⑷及び⑸)を参照した結果,少子高齢化が平成16年改正法について検討した時点に比べて更に進行しており,年金の原資を保険料及び国庫負担金とし一部を積立金とする一方で,残部を直ちに年金の給付に充てることとしている制度においては,将来世代の負担が過重となるという課題があり,こうした課題を極力解消するための検討をした結果策定されたものということができる。こうした検討過程における客観的情報に鑑みると,保険料を負担すべき世代の人口の減少と同時に年金額等の給付を受ける世代の人口の増加が見込まれるのみならず,財政状況の赤字額が拡大していることが明らかであり,上記政策判断につき,こうした事情との合理的関連性や専門的知見との整合性に誤りがあるということはできない。また,平成24年改正法を立案して国会に提出した厚生 赤字額が拡大していることが明らかであり,上記政策判断につき,こうした事情との合理的関連性や専門的知見との整合性に誤りがあるということはできない。また,平成24年改正法を立案して国会に提出した厚生労働大臣ないし内閣の判断,また,これを受けて法案を審議し,可決した国会の判断は,専門委員会のこのような検討を経た結果出された意見に基づくものであり,その判断の過程及び手続に過誤,欠落があるというべき事情はうかがわれない。 エこのように,特例水準は,年金給付の水準とは異なる政策目的のために創設されたもので,その創設時から将来における解消が予定されていたものであり,また,その解消の判断に至る過程における判断及び手続に誤りがあるということもできない。そうすると,平成24年改正法の内容の策定について,国会に明らかな裁量権の逸脱又はその濫用があるということはできないから,憲法25条に反するということはできない。また,平成- 17 -24年改正法を受けて制定された平成25年政令は,年金額等を算定するための技術的事項に関するものであり,その内容に照らして内閣に裁量の余地はない。したがって,これらに基づく本件各処分が同条に反するということはできない。 ⑶ 次に,本件各処分が社会権規約に違反するか否かについて検討する。 社会権規約9条は,この規約の締約国は社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める旨規定しているが,これは,締約国において,社会保障についての権利が国の社会政策により保護されるに値するものであることを確認し,この権利の実現に向けて積極的に社会保障政策を推進すべき政治的責任を負うことを宣明したものであって,個人に対し即時に具体的権利を付与すべきことを定めたものではない。このことは,社会権規約2条1項が締約国において「立法 て積極的に社会保障政策を推進すべき政治的責任を負うことを宣明したものであって,個人に対し即時に具体的権利を付与すべきことを定めたものではない。このことは,社会権規約2条1項が締約国において「立法措置その他のすべての適当な方法によりこの規約において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成する」ことを求めていることからも明らかである。(最高裁平成元年3月2日第一小法廷判決・裁判集民事156号271頁参照)そうすると,社会権規約9条に基づいて社会保険その他の社会保障に関する権利が原告らに与えられたものということはできないから,本件各処分が同条に基づく権利を侵害するということはできない。 ⑷ 以上に対し,原告らは,次のとおり主張するが,それぞれにおいて説示するとおり,いずれも採用することができない。 ア原告らは,社会権規約2条1項の規定に加え,社会権規約委員会においては同項が締約国に対して社会権規約の定める権利の実現に関する明確な法的義務を課したものである旨の見解を示していることからすれば,社会保障に係る権利について取られた後退的な措置は規約上禁じられると解すべきであり,本件各処分は上記の後退的な措置に当たるから,被告においてその正当性を立証することができない限り本件各処分が社会権規約9条- 18 -に反すると主張する。 しかし,社会権規約9条の定めは締約国の国民に権利を付与するものではなく,また,社会権規約委員会の見解が直ちに締約国を法的に拘束すると解すべき根拠はないことからすれば,社会保障についての権利を定める立法府の裁量を法的に羈束するものと解することはできない。 イ原告らは,憲法98条2項にいう条約遵守義務の趣旨に照らせば,憲法25条の合憲性判断においても社会権規約9条の趣旨が反映されるべきであることや,憲法9 的に羈束するものと解することはできない。 イ原告らは,憲法98条2項にいう条約遵守義務の趣旨に照らせば,憲法25条の合憲性判断においても社会権規約9条の趣旨が反映されるべきであることや,憲法98条2項によれば,国は社会保障制度を後退させてはならない義務があるといえるから,年金受給権の切下げについても,規制の目的が正当で,規制の手段がその目的を達成するために必要最小限の手段であるといえなければ憲法25条に違反すると主張する。 しかし,社会権規約は,2条1項及び9条を併せみると,憲法25条と同趣旨を定めたものと解される。また,前記⑴イにおいて説示したとおり,憲法25条にいう健康で文化的な最低限度の生活という概念の具体的内容を決するに当たっては,複雑多様で高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものと解される。そして,国年法等は,その制度によって生活の維持又は安定に寄与することを目的とし(国年法1条,厚年法1条),これによって上記の最低限度の生活を保持することを目的としていない。 こうしたことに鑑みると,本件各処分前の年金額等の水準が憲法25条によって保障される上記の最低限度の水準であると解することはできないし,これを下回ることが同条によって保障される水準を侵害するものであると解することもできない。そうすると,本件各処分やその根拠となった平成24年改正法及び平成25年政令が,憲法上の保障する権利ないし水準に対する規制であるとして,その目的及び手段の相当性を判断することにより同条の適合性を判断することは相当でない。 - 19 -加えて,憲法25条2項は,国が社会保障の向上及び増進に努めなければならない旨を定めており,国に対して努力する義務を定めているにとどまる。そうすると,同項において,社会保障制度を後 - 19 -加えて,憲法25条2項は,国が社会保障の向上及び増進に努めなければならない旨を定めており,国に対して努力する義務を定めているにとどまる。そうすると,同項において,社会保障制度を後退させることが禁じられていると解することはできず,制度の後退が原則として同行に違反するということもできない。 したがって,原告らの主張する上記の解釈基準を採用することはできない。 ウ原告らは,公的年金制度はそれ自体で健康で文化的な最低限度の生活を営むことができる程度の生活を保障するものでなければならないことを前提に,平成24年改正法が,健康で文化的な最低限度の生活を営むことのできる水準を下回る程度に年金額等を切り下げるものであるから,憲法25条に違反すると主張する。 しかし,前記イにおいて説示したとおり,憲法25条にいう健康で文化的な最低限度の生活という概念の具体的内容を決するに当たっては,複雑多様で高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものと解され,また,国年法等は,その制度によって生活の維持又は安定に寄与することを目的とし(国年法1条,厚年法1条),これによって上記の最低限度の生活を保持することを目的としていない。原告らの主張は,前提を欠くものといわざるを得ない。 エ原告らは,平成24年改正法が,特例水準の解消及びマクロ経済スライドの適用を目的としているところ,マクロ経済スライドを適用することが不合理であると主張する。 しかし,本件各処分は,平成24年改正法のうち平成25年度について適用する規定及びこれを受けた平成25年政令の規定に基づくものであり,上記各規定は,特例水準の一部を解消して年金額等を減額する内容であって,その結果,特例水準と本来水準の差が1.5%となったにすぎず,マ- 20 - 受けた平成25年政令の規定に基づくものであり,上記各規定は,特例水準の一部を解消して年金額等を減額する内容であって,その結果,特例水準と本来水準の差が1.5%となったにすぎず,マ- 20 -クロ経済スライドの規定が適用になるものでない。そうすると,マクロ経済スライドの合理性は,本件各処分が憲法25条に適合するものであるか否かと直接関連しないものであるといわざるを得ない。 なお,事案に鑑み,念のためマクロ経済スライドの合理性について判断する。国年法等においては,その制度によって生活の維持又は安定に寄与することを目的とし(国年法1条,厚年法1条),これを受けて,財政の長期的均衡の保持を求め(制定時の国年法4条2項。乙6〔332〕参照),その年金額については,諸事情に著しい変動が生じた場合に変動後の諸事情に対応するために調整ないし改定され得るもの(制定時の国年法4条1項,昭和40年法律第104号による改正後の厚年法2条の2。乙4〔6〕,6〔332〕参照)とし,その後,昭和48年改正により,物価指数に併せて上下させる物価スライド制が導入された(前記前提事実⑴)。このように,国年法等においては,その制定時から,年金額が減額改定されることが制度上あり得るものとされている。 こうした制度設計のうち,年金額が増額のみならず減額され得るという点は,国年法等が,同じく憲法25条の趣旨を実現するために制定された生活保護法の目的が国民の最低限度の生活を保障することである(1条)のと異なり,その制度のみによって国民又は労働者の生活を維持することを必ずしも想定されないと解されることからして,財政規律を重視して長期的に多数の国民の生活の維持等に寄与する制度とすることに合理性を見いだすことができることに照らし,合理的なものと評価することができる。 また 想定されないと解されることからして,財政規律を重視して長期的に多数の国民の生活の維持等に寄与する制度とすることに合理性を見いだすことができることに照らし,合理的なものと評価することができる。 また,減額が物価指数を基準とする点についても,国年法等において年金額が生活の維持に寄与するものとされているところ,一般に生活水準が物価に影響され得るものであることからすれば,合理的なものと評価することができる。 マクロ経済スライドは,このような年金額の増減の基準であり,物価変- 21 -動率(国年法27条の2第1項1号,厚年法43条の2第2項1号),名目手取り賃金変動率(上記各項2,3号)のほか,年金全体の被保険者の減少率の実績と平均余命の伸長具合を勘案した一定率という要素により計算される割合(5年前における公的年金各法の被保険者等の総数として政令で定めるところにより算定した数に対する3年前における同様に算定した数の比率の三乗根となる率に0.997を乗じた数。国年法27条の4,厚年法43条の4)を要素とするものである。こうした要素が年金財政に係る収入及び支出の額を変動させる主要なものとみることができることに照らすと,このような改正は,財政の均衡の保持という法の求めに整合するものであるということができる。 以上を踏まえると,マクロ経済スライドが年金額等を定める基準として不合理なものであるとはいえない。 オ原告らは,平成24年改正法についての立法府の判断過程やその前段階において,①物価スライド特例法が制定された趣旨,平成16年改正法において本来水準の算定基準に賃金改定率を含めなければ特例水準はより早期に解消されていたことなどの重要な点について説明がされず,特例水準の解消により将来世代の年金給付額が抑制される,マクロ経済スライドの発動 来水準の算定基準に賃金改定率を含めなければ特例水準はより早期に解消されていたことなどの重要な点について説明がされず,特例水準の解消により将来世代の年金給付額が抑制される,マクロ経済スライドの発動と特例水準に論理的関係があるといった誤った説明がされた,②高齢者や学識経験者,関係団体等から十分な意見聴取やパブリックコメントを行わなかった,と主張する。 しかし,上記①の点については,証拠(乙45〔14〕)によれば,当時の社会経済情勢に鑑み特例的に年金額を引き下げずに据え置く措置を講じた旨の社会保障審議会年金部会の認識が示されているところ,そうした認識は,前記⑵イに説示したところに合致するものであるから,誤りということはできない上,特例水準により年金額等の水準が高い状態が続けば年金財政が悪化し,将来世代の年金給付額が抑制されることが見込まれる- 22 -と考えられること,平成16年改正法によればマクロ経済スライドは特例水準が解消しなければ適用がないこと(前記認定事実⑶オ)を踏まえると,説明に誤りがあるなど不適切な点があったとも認め難い。上記②の点については,上記年金部会において学識経験者を委員としていることがうかがわれるのみならず,パブリックコメントは,法律について義務的でない(行政手続法39条1項)上,平成25年政令についても義務的であると解し難い(同条4項2号,3号,6号)ことからすれば,その検討過程に不適切な点があると直ちにいえない。 カ原告らは,その他にも主張するが,いずれも前記判断を左右しない。 3 争点⑵(本件各処分が憲法29条1項に反するものか。)について⑴ 原告らが国年法等による年金受給権を有する者であることは当事者間に争いがない。こうした年金受給権は,国から金銭の支給を受ける権利であるから,憲法29条1項に 9条1項に反するものか。)について⑴ 原告らが国年法等による年金受給権を有する者であることは当事者間に争いがない。こうした年金受給権は,国から金銭の支給を受ける権利であるから,憲法29条1項にいう財産権に含まれるものと解される。 前記前提事実⑵ウによれば,本件各処分は,年金額等の減額を内容とするもので,年金受給権の価値を低下させるものであるから,同項の財産権の規制に当たり得る。しかるところ,こうした財産権に対する規制には種々の態様のものがあり得ることからすれば,財産権に対する規制が憲法29条2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかは,規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較考量して判断すべきものである(最高裁平成14年2月13日大法廷判決・民集56巻2号331頁参照)。 ⑵ 前記2⑴アのとおり,本件各処分は,平成24年改正法及び平成25年政令のうち特例水準を平成25年度に一部解消する旨の規定を受けたものであるから,平成24年改正法及び平成25年政令による規制が憲法29条2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかを検討する。 - 23 -ア上記の規制の目的及び必要性について検討するに,平成24年改正法及び平成25年政令の上記各規定は,特例水準の一部解消を目的としていると解される。 国年法等においては,その制度によって生活の維持又は安定に寄与することを目的とし(国年法1条,厚年法1条),これを受けて,財政の長期的均衡の保持を求め(制定時の国年法4条2項。乙6〔332〕参照),その年金額については,諸事情に著しい変動が生じた場合に変動後の諸事情に対応するために調整ないし改定され得るもの(制定時の国年法4条1 衡の保持を求め(制定時の国年法4条2項。乙6〔332〕参照),その年金額については,諸事情に著しい変動が生じた場合に変動後の諸事情に対応するために調整ないし改定され得るもの(制定時の国年法4条1項,昭和40年法律第104号による改正後の厚年法2条の2。乙4〔6〕,6〔332〕参照)とし,その後,昭和48年改正により,物価指数に併せて上下させる物価スライド制が導入された(前記前提事実⑴)。このように,国年法等においては,年金額等が減額改定されることが制度上あり得るものとされている上,年金額等は,財政の長期的均衡の保持のために変動され得るものということができる。 前記2⑵において説示したとおり,平成24年改正法が解消することとした特例水準は,特例法により平成8年度に初めて設けられ,平成12年度には景気対策を目的として設けられたもので,その際には同年度のみを適用範囲とし,更に平成13年度に再度これを設けるに当たっては再検討規定が設けられていたのであり,将来的な解消が予定されていたといえる。そして,再検討条項を受けて行われた検討の結果,平成16年改正法所定の制度に国年法等を改めることとし,経過措置として特例水準を維持することとする一方,物価の上昇等によりこれが解消される仕組みを設けたものである。 このように,年金額等については,従前からその減少があり得るものとして制度が設計されていたものであり,加えて,特例水準は,これが創設された当初から,景気対策の目的により,従前の年金額を定める基- 24 -準とは異なることとしたものであり,時限的な措置であることが想定されていたのであることからすると,いずれかの時期においてこれを解消する必要性があったとみるのが相当である。 また,前記2⑵ウにおいて説示したとおり,平成16年改正法は,特 措置であることが想定されていたのであることからすると,いずれかの時期においてこれを解消する必要性があったとみるのが相当である。 また,前記2⑵ウにおいて説示したとおり,平成16年改正法は,特例水準を一度固定しつつ,将来的に解消するための規定を置いていたものであるが,その施行後も,物価水準や名目賃金手取り率等の上昇が想定ほど芳しくなく,本来水準との差分が,平成23年度までに施行時よりも1.47倍に拡大した(前記認定事実⑷)ものであり,平成16年改正法の趣旨に沿わない状態が生じていたものである。そして,少子高齢化の進行度が従前の人口統計に照らして速まっており(前記認定事実⑶ア,⑸),年金額等の水準が高い状態が長く続くことは,いわゆる現役世代の負担を更に重くすることとなることを踏まえると,特例水準を速やかに解消することは,年金の原資に関する国民全体の負担の適正化につながるものであり,そうした必要性が,平成16年改正法の施行時に比して高まっていたということができる。 以上によれば,特例水準を解消する目的は正当性を有し,公共の福祉に適合するものであるということができる。 イ規制の内容についてみると,平成24年改正法及び平成25年政令のうち平成25年度に関する部分は,平成23年度において本来水準よりも2. 5%高い水準となっていた特例水準のうち1%分を減額するものであり(前記前提事実⑵イ),当該部分に関する規定のほか平成24年改正法1条中平成16年改正法附則に12条の2を加える部分その他関連規定をみると,特例水準は,平成25年度から平成27年度までの3か年で段階的に解消することとされていることが明らかである。 特例水準を解消する目的を実現するためには,特例水準に係る部分を年金額等の計算から除くことが合理的な手段ということができる。 度までの3か年で段階的に解消することとされていることが明らかである。 特例水準を解消する目的を実現するためには,特例水準に係る部分を年金額等の計算から除くことが合理的な手段ということができる。加えて,- 25 -上記のように特例水準の段階的な解消がされることは,年金が一般的に受給者の生活の原資として充てられていることを踏まえ,その生活に及ぼす影響を緩和する趣旨のものと考えられ,こうした手段は,前記の目的を達成する手段として必要性又は合理性に欠けるものであるとはいえない。 ウ以上によれば,前記の平成24年改正法及び平成25年政令の各規定は,公共の福祉に適合する制限を定めたものであって,憲法29条に違反するとはいえず,これを受けた本件各処分は,同条に違反するとはいえない。 ⑷ 以上に対し,原告らは,次のとおり主張するが,それぞれにおいて説示するとおり,いずれも採用することができない。 ア原告らは,①公的年金制度は憲法25条の要請を受けて国民の生存権を保障する目的で設けられたもので,年金受給権者にとって唯一の収入源であって,年金受給権が生存権的な財産権であること,②加入者が支払う保険料と給付との間に対応関係があることから,要保護性が強いと主張する。 上記①の点は,国年法等は,その制度によって生活の維持又は安定に寄与することを目的としているのであり,国民の生存権をこの制度のみによって保障することを目的としていないし,その規定を通覧しても,年金のほかに収入を得ることを禁じる規定はなく,厚年法上,その目的に照らして年金受給を不要とする程度の他の収入が得られているのでない限り年金が支給されることとされている(厚年法46条)ことからすれば,制度上,年金受給権が権利者にとって唯一の収入源であるということはできない。 また,上記②の点は 度の他の収入が得られているのでない限り年金が支給されることとされている(厚年法46条)ことからすれば,制度上,年金受給権が権利者にとって唯一の収入源であるということはできない。 また,上記②の点は,年金額等は,国民年金については保険料が納付された月数を要素として,厚生年金については被保険者であった期間とその平均標準報酬額を要素とし,これに対応して決定されるものである(国年法27条,厚年法43条)が,納付した保険料が納付者の年金等の額となるものでないことからすれば,上記各要素に対応して年金額等が定められることから直ちに定められた年金額等について要保護性が強いとみることは- 26 -できない。 イ原告らは,将来世代の給付水準の低下を防止して世代間の公平を図り,公的年金制度の持続可能性を確保するという平成24年改正法の目的と関連するのは,これによって実現される平成16年改正法所定のマクロ経済スライドであって,上記目的と特例水準の解消は関連しておらず,マクロ経済スライドは不合理で憲法25条に反するから,本件各処分に係る保護法益は重要でないと主張する。 しかし,前記前提事実⑴イ及び⑵アのとおり,特例水準によると,本来水準に比べて高い年金額等を支給することとなるから,保険料を高額なものとしなければ,年金に係る財政を悪化させるものであるといわざるを得ない。そうすると,特例水準の解消は,上記の平成24年改正法の目的と関連しないということはできない。 また,本件各処分は,特例水準の一部の解消に伴うものであり,マクロ経済スライドが適用されたことに伴うものでないことからすると,マクロ経済スライドの合理性は,直ちに本件各処分の憲法29条適合性の判断に関連する事情とみることはできないし,この点をひとまず措くとしても,マクロ経済スライドが国年法 伴うものでないことからすると,マクロ経済スライドの合理性は,直ちに本件各処分の憲法29条適合性の判断に関連する事情とみることはできないし,この点をひとまず措くとしても,マクロ経済スライドが国年法等に規定する財政の長期的均衡の保持の観点から年金額等を定める基準として合理性があることは前記2⑷エで説示したとおりである。 4 争点⑶(本件各処分が憲法13条に反するものか。)について⑴ 原告らは,本件各処分が最低限度の生活を送ることができない程度の水準に年金額を切り下げるものであり,①年金受給権者に生活保護の受給を強制する点で高齢者の自己決定権を不当に侵害する点,②特例水準が解消され年金額が減少することはないとの期待に背くもので,高齢者が自己の選択に従って老後の生活を送る自己決定権ないし幸福追求権を侵害する点の2点において憲法13条に反すると主張する。 - 27 -⑵アしかし,上記①につき,原告らの主張する自己決定権は,生活保護法に基づく保護でない方法により収入を得るか否かについて意思決定をする権利と解される。仮にこうした意思決定をする権利が憲法13条に照らして尊重されるものであるとしても,前記3⑷アにおいて説示したとおり,年金受給者の収入源が年金のほかに生活保護のみであるとはいえないから,本件各処分により年金額等が減少しても,そのことが直ちに生活保護の申請を強いるものとはいい難い。 イ上記②につき,これまで説示したとおり特例水準はその創設時から将来的な解消が法律上予定されていたことからすれば,原告らが主張する期待は法的に保護すべきものということはできない。そうすると,そうした期待に添って老後の生活を送る権利や利益が憲法上保護されているとみることには疑問がある。 仮にそうした権利や利益が憲法13条に照らして尊重されるもの ものということはできない。そうすると,そうした期待に添って老後の生活を送る権利や利益が憲法上保護されているとみることには疑問がある。 仮にそうした権利や利益が憲法13条に照らして尊重されるものであるとしても,前記のとおり,年金制度は,憲法25条の趣旨を受けて創設されたものであり,その具体的な制度設計が国の裁量に委ねられるものであって,本件各処分がその裁量を逸脱するものでないことからすれば,本件各処分により年金額等が減じられた結果として自己の選択の幅が狭められることは,憲法上許容されているとみるのが相当である。 ⑶ したがって,原告らの主張は採用することができない。 5 争点⑷(平成25年政令は,法の委任の範囲を逸脱し違法・無効であるか。)について⑴ 平成24年改正法は,平成16年改正法附則7条2項及び同27条2項(前記認定事実⑶オ)における年金額等の計算方法に関して,平成25年度については,平成16年改正法による改正後の国年法27条及び厚年法43条の改定率を採用して計算することとし,その際に当該改定率の更なる「改定の基準となる率に0.990を乗じて得た率として政令で定める率」を基- 28 -準とし,これが「1を下回る場合」においては,平成25年4月以降,0. 978に上記「政令で定める率」を乗じた率を基準として算定する旨の7条の2及び27条の2を加える旨の規定(平成24年改正法1条)を設けており,平成25年政令は,これを受けて上記の「政令で定める率」を定めている(乙14〔48,49〕参照)。 ところで,平成16年改正法による改正後の国年法27条及び厚年法43条の改定率は,毎年,物価指数,名目賃金手取り率等を基準として改定されるのである(上記改正後の国年法27条の2,厚年法43条の2)から,平成24年改正法の制定当時に 正後の国年法27条及び厚年法43条の改定率は,毎年,物価指数,名目賃金手取り率等を基準として改定されるのである(上記改正後の国年法27条の2,厚年法43条の2)から,平成24年改正法の制定当時においては一義的に定めることができないものである一方,その後の改定の際には,物価指数,名目賃金手取り率等が明らかになることにより一義的に定まる。そうすると,平成25年政令は,改定の際に一義的に定まる改定率が前年と比べて増減しなかったことが明らかとなったことから,上記の「政令で定める率」を1に0.990を乗じた0.990と定めたものということができる(その結果,0.978に0.990を乗じた0.968が年金額の計算過程において乗じる具体的な率となる。 前記前提事実⑵イ)から,平成24年改正法の委任の範囲を逸脱しているということはできない。 ⑵ 原告らは,国年法1条のほか,国年法4条が年金額は国民の生活その他の諸事情に著しい変動が生じた場合にのみ改定が可能としていることなどに照らして,平成25年政令は,平成24年改正法の委任の範囲を超える無効なものであると主張する。 しかし,国年法においては,著しく年金事業の財政の均衡を失すると見込まれる場合にも所要の措置が講ぜられ得るものである(同法4条の2)。また,前記認定事実によれば,平成24年改正法は,平成16年改正法が想定していた特例水準の解消のための方法(前記認定事実⑶オ)によっては特例水準が解消しないのみならずむしろ本来水準とのかい離が拡大した(前記認- 29 -定事実⑷)一方で,少子高齢化が更に進行し,年金財政も悪化することが見込まれる(前記認定事実⑸)という平成16年改正法の施行以後の事情を踏まえて制定された(前記認定事実⑹)ものである。こうした事情は,国民の生活その他の諸事情に著しい変 し,年金財政も悪化することが見込まれる(前記認定事実⑸)という平成16年改正法の施行以後の事情を踏まえて制定された(前記認定事実⑹)ものである。こうした事情は,国民の生活その他の諸事情に著しい変動が生じたとみることができるし,年金財政の悪化が見込まれることに照らすと,著しく年金事業の財政の均衡を失すると見込まれるということもできるから,平成25年政令は,年金額を改定することが必要な場合において行われた所要の法改正に基づいて年金額を改定するために必要な率を定めたものにすぎない。原告らの主張は採用し難い。 6 結論よって,原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 札幌地方裁判所民事第5部 裁判官萩原孝基 裁判官牧野一成 裁判長裁判官岡山忠広は,転補につき署名押印することができない。 裁判官萩原孝基 - 30 -(別紙)年金額一覧表1 番号従前の額(円)減額後の額(円)裁決日は2014年10月17日付 (基礎年金)国民年金756,300 (基礎年金)国民年金748,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金507,900 (基礎年金)国民年金502,800 (基礎年金)国民年金304,800 (基礎年金)国民年金301,700 (基礎年金)国民年金678,400 (基礎年金)国民年金671,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金19,000 (基礎年金)国民年金18,800 (基礎年金)国民年 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金19,000 (基礎年金)国民年金18,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 厚生年金437,900 厚生年金433,400 (基礎年金)国民年金597,800 (基礎年金)国民年金591,700 (基礎年金)国民年金648,100 (基礎年金)国民年金641,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金743,400 (基礎年金)国民年金735,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金609,500 (基礎年金)国民年金603,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金577,600 (基礎年金)国民年金571,700 (基礎年金)国民年金767,500 (基礎年金)国民年金759,700 (基礎年金)国民年金709,500 (基礎年金)国民年金702,300- 31 - (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金378,500 (基礎年金)国民年金374,700 (基礎年金)国民年金707,900 (基礎年金)国民年金700,700 厚生年金351,200 厚生年金346,800 厚生年金 金374,700 (基礎年金)国民年金707,900 (基礎年金)国民年金700,700 厚生年金351,200 厚生年金346,800 厚生年金1,040,300 厚生年金1,029,700 遺族厚生年金1,043,800 遺族厚生年金945,120 (基礎年金)国民年金349,500 (基礎年金)国民年金345,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金757,800 (基礎年金)国民年金750,100 遺族厚生年金1,228,600 遺族厚生年金1,216,100 (基礎年金)国民年金518,400 (基礎年金)国民年金516,700 (基礎年金)国民年金670,000 (基礎年金)国民年金663,200 (基礎年金)国民年金748,800 (基礎年金)国民年金741,200 (基礎年金)国民年金493,000 (基礎年金)国民年金488,000 厚生年金1,627,400 厚生年金1,610,800 (基礎年金)国民年金338,600 (基礎年金)国民年金335,200 (基礎年金)国民年金753,600 (基礎年金)国民年金746,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金745,000 (基礎年金)国民年金738,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金 礎年金)国民年金745,000 (基礎年金)国民年金738,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金724,200 (基礎年金)国民年金716,900裁決日は2014年11月21日付 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金392,500 (基礎年金)国民年金388,500- 32 - (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金742,300 (基礎年金)国民年金734,700 (基礎年金)国民年金735,700 (基礎年金)国民年金728,200 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金177,000 (基礎年金)国民年金175,200 (基礎年金)国民年金776,700 (基礎年金)国民年金768,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金717,100 (基礎年金)国民年金711,700 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金 基礎年金)国民年金717,100 (基礎年金)国民年金711,700 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金686,500 (基礎年金)国民年金679,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金688,200 (基礎年金)国民年金681,200 (基礎年金)国民年金737,300 (基礎年金)国民年金729,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金687,600 (基礎年金)国民年金674,700 (基礎年金)国民年金681,600 (基礎年金)国民年金674,700 (基礎年金)国民年金645,700 (基礎年金)国民年金639,100- 33 - (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金381,800 (基礎年金)国民年金377,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民 0 (基礎年金)国民年金377,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金499,900 (基礎年金)国民年金494,800 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金772,800 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金772,800 (基礎年金)国民年金776,700 (基礎年金)国民年金768,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金695,100 (基礎年金)国民年金688,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金739,000 (基礎年金)国民年金731,500 (基礎年金)国民年金687,300 (基礎年金)国民年金680,300 (基礎年金)国民年金525,300 (基礎年金)国民年金520,000裁決日は2014年12月19日付 (基礎年金)国民年金642,100 (基礎年金)国民年金635,800 (基礎年金)国民年金758,600 (基礎年金)国民年金 日は2014年12月19日付 (基礎年金)国民年金642,100 (基礎年金)国民年金635,800 (基礎年金)国民年金758,600 (基礎年金)国民年金750,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金554,700 (基礎年金)国民年金549,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 34 - (基礎年金)国民年金517,700 (基礎年金)国民年金512,500 (基礎年金)国民年金607,700 (基礎年金)国民年金601,700 (基礎年金)国民年金766,100 (基礎年金)国民年金758,600 (基礎年金)国民年金674,800 (基礎年金)国民年金667,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金85,333 (基礎年金)国民年金82,683 (基礎年金)国民年金456,200 (基礎年金)国民年金451,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金778,000 (基礎年金)国民年金770,400 (基礎年金 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金778,000 (基礎年金)国民年金770,400 (基礎年金)国民年金586,400 (基礎年金)国民年金580,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金671,000 (基礎年金)国民年金665,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金748,700 (基礎年金)国民年金741,300 (基礎年金)国民年金603,200 (基礎年金)国民年金597,100 (基礎年金)国民年金556,000 (基礎年金)国民年金550,400 (基礎年金)国民年金357,000 (基礎年金)国民年金353,600 (基礎年金)国民年金373,500 (基礎年金)国民年金369,800 (基礎年金)国民年金761,600 (基礎年金)国民年金754,200 (基礎年金)国民年金592,900 (基礎年金)国民年金587,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 35 - (基礎年金)国民年金709,500 (基礎年金)国民年金702,300 (基礎年金)国民年金373,500 (基礎年金)国民年金369,800 (基礎年金)国 (基礎年金)国民年金709,500 (基礎年金)国民年金702,300 (基礎年金)国民年金373,500 (基礎年金)国民年金369,800 (基礎年金)国民年金355,446 (基礎年金)国民年金351,974 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金727,300 (基礎年金)国民年金720,200 (基礎年金)国民年金353,800 (基礎年金)国民年金350,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金547,200 (基礎年金)国民年金541,700 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500裁決日は2015年1月23日付 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金776,700 (基礎年金)国民年金768,800 (基礎年金)国民年金537,100 (基礎年金)国民年金532,000 (基礎年金)国民年金707,900 (基礎年金)国民年金700,700裁決日は2015年2月20日付 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年 (基礎年金)国民年金707,900 (基礎年金)国民年金700,700裁決日は2015年2月20日付 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金718,500 (基礎年金)国民年金713,200 (基礎年金)国民年金680,000 (基礎年金)国民年金673,100 (基礎年金)国民年金761,900 (基礎年金)国民年金754,200 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 36 - (基礎年金)国民年金728,200 (基礎年金)国民年金722,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金521,500 (基礎年金)国民年金516,100 - 37 -(別紙)年金額一覧表2 番号従前の額(円)減額後の額(円)裁決日は2014年11月21日付 (基礎年金)国民年金725,900 (基礎年金)国民年金718,500 (基礎年金)国民年金439,100 (基礎年金)国民年金434,700 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金785,600 (基礎年金)国民年金777,700 (基礎年金)国民年金721,000 (基礎年金)国民年金713,600 (基礎年金)国民年金632,000 民年金785,600 (基礎年金)国民年金777,700 (基礎年金)国民年金721,000 (基礎年金)国民年金713,600 (基礎年金)国民年金632,000 (基礎年金)国民年金625,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金779,900 (基礎年金)国民年金772,000 (基礎年金)国民年金560,400 (基礎年金)国民年金554,700 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金734,100 (基礎年金)国民年金726,000 (基礎年金)国民年金653,800 (基礎年金)国民年金647,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金705,800 (基礎年金)国民年金698,700 (基礎年金)国民年金588,000 (基礎年金)国民年金582,200 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 38 - (基礎年金)国民年金722,600 (基礎年金)国民年金715,200 厚生年金1,773,000 厚生年金1,748,500 (基 - 38 - (基礎年金)国民年金722,600 (基礎年金)国民年金715,200 厚生年金1,773,000 厚生年金1,748,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 厚生年金2,281,612 厚生年金2,251,260 厚生年金1,735,530 厚生年金1,714,762 (基礎年金)国民年金732,400 (基礎年金)国民年金725,500 (基礎年金)国民年金563,340 (基礎年金)国民年金556,896 (基礎年金)国民年金732,400 (基礎年金)国民年金725,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金717,700 (基礎年金)国民年金710,400 (基礎年金)国民年金739,000 (基礎年金)国民年金731,500 (基礎年金)国民年金757,800 (基礎年金)国民年金749,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金488,300 (基礎年金)国民年金483,300 (基礎年金)国民年金533,300 (基礎年金)国民年金517,700 (基礎年金)国民年金753,500 (基礎年金)国民年金748,300 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金716,500 (基礎年金)国民年金667,900 (基礎年金)国民年金661,200 48,300 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金716,500 (基礎年金)国民年金667,900 (基礎年金)国民年金661,200 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金783,100 (基礎年金)国民年金773,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金729,700 (基礎年金)国民年金722,400 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 39 - (基礎年金)国民年金742,500 (基礎年金)国民年金714,500 (基礎年金)国民年金819,700 (基礎年金)国民年金811,700 (基礎年金)国民年金742,300 (基礎年金)国民年金734,700 (基礎年金)国民年金335,700 (基礎年金)国民年金332,200 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金511,800 (基礎年金)国民年金506,800 (基礎年金)国民年金596,800 (基礎年金)国民年金590,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金 )国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金444,300 (基礎年金)国民年金439,800 (基礎年金)国民年金766,800 (基礎年金)国民年金759,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金592,300 (基礎年金)国民年金586,600裁決日は2014年12月19日付 (基礎年金)国民年金712,800 (基礎年金)国民年金705,500 (基礎年金)国民年金721,000 (基礎年金)国民年金713,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金752,600 (基礎年金)国民年金745,000 (基礎年金)国民年金744,500 (基礎年金)国民年金737,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金55,266 (基礎年金)国民年金54,700 (基礎年金)国民年金75,000 (基礎年金)国民年金71,250- 40 - (基礎年金)国民年金128,500 (基礎年金)国民年金115,000 (基礎年金)国民年金615,10 ,000 (基礎年金)国民年金71,250- 40 - (基礎年金)国民年金128,500 (基礎年金)国民年金115,000 (基礎年金)国民年金615,100 (基礎年金)国民年金608,800 (基礎年金)国民年金846,400 (基礎年金)国民年金838,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 遺族年金1,903,200 遺族年金1,883,700 (基礎年金)国民年金810,900 (基礎年金)国民年金802,900 (基礎年金)国民年金70,500 (基礎年金)国民年金69,700 (基礎年金)国民年金779,900 (基礎年金)国民年金772,000 (基礎年金)国民年金774,100 (基礎年金)国民年金766,200 (基礎年金)国民年金782,900 (基礎年金)国民年金774,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金722,600 (基礎年金)国民年金715,200 (基礎年金)国民年金743,900 (基礎年金)国民年金736,300 (基礎年金)国民年金750,500 (基礎年金)国民年金742,800 (基礎年金)国民年金743,900 (基礎年金)国民年金736,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金376,200 (基礎年金)国民年金370,900 (基礎年金)国民 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金376,200 (基礎年金)国民年金370,900 (基礎年金)国民年金745,100 (基礎年金)国民年金737,500 (基礎年金)国民年金719,200 (基礎年金)国民年金711,900 (基礎年金)国民年金761,000 (基礎年金)国民年金753,300 (基礎年金)国民年金387,200 (基礎年金)国民年金383,300 (基礎年金)国民年金400,100 (基礎年金)国民年金396,000 (基礎年金)国民年金770,100 (基礎年金)国民年金762,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 41 - (基礎年金)国民年金669,800 (基礎年金)国民年金663,000 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金721,700 (基礎年金)国民年金743,900 (基礎年金)国民年金736,300 (基礎年金)国民年金472,100 (基礎年金)国民年金467,200 (基礎年金)国民年金774,400 (基礎年金)国民年金766,500 (基礎年金)国民年金747,800 (基礎年金)国民年金738,000 (基礎年金)国民年金761,300 (基礎年金)国民年金753,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金784,900 761,300 (基礎年金)国民年金753,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金784,900 (基礎年金)国民年金776,900 (基礎年金)国民年金719,300 (基礎年金)国民年金712,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金684,200 (基礎年金)国民年金677,300 (基礎年金)国民年金724,200 (基礎年金)国民年金716,900裁決日は2015年1月23日付 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金733,100 (基礎年金)国民年金725,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金739,300 (基礎年金)国民年金731,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金753,600 (基礎年金)国民年金746,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金782,900 (基礎年金)国民年金774,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 42 - (基礎年金 )国民年金782,900 (基礎年金)国民年金774,900 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 42 - (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金737,300 (基礎年金)国民年金729,800 (基礎年金)国民年金819,900 (基礎年金)国民年金811,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金732,400 (基礎年金)国民年金725,076 (基礎年金)国民年金668,400 (基礎年金)国民年金661,800 (基礎年金)国民年金499,332 (基礎年金)国民年金498,300 (基礎年金)国民年金597,200 (基礎年金)国民年金591,200 (基礎年金)国民年金549,400 (基礎年金)国民年金543,800 (基礎年金)国民年金735,700 (基礎年金)国民年金728,200 (基礎年金)国民年金669,800 (基礎年金)国民年金663,000 (基礎年金)国民年金755,400 (基礎年金)国民年金747,700 (基礎年金)国民年金476,100 (基礎年金)国民年金471,200 (基礎年金)国民年金478,500 (基礎年金)国民年金473,600 (基礎年金)国民年金 民年金476,100 (基礎年金)国民年金471,200 (基礎年金)国民年金478,500 (基礎年金)国民年金473,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金442,200 (基礎年金)国民年金437,700 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金106,483 (基礎年金)国民年金100,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金886,400 (基礎年金)国民年金877,300- 43 - (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金728,400 (基礎年金)国民年金721,000 (基礎年金)国民年金289,000 (基礎年金)国民年金283,200 (基礎年金)国民年金702,300 (基礎年金)国民年金697,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,5 金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金787,500 (基礎年金)国民年金773,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金709,500 (基礎年金)国民年金702,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金478,500 (基礎年金)国民年金473,600 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金764,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金757,000 (基礎年金)国民年金749,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金474,400 (基礎年金)国民年金469,600 (基礎年金)国民年金297,900 (基礎年金)国民年金295,700 (基礎年金)国民年金496,500 (基礎年金)国民年金491,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国 (基礎年金)国民年金295,700 (基礎年金)国民年金496,500 (基礎年金)国民年金491,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金730,980 (基礎年金)国民年金726,600- 44 - (基礎年金)国民年金673,400 (基礎年金)国民年金666,600 (基礎年金)国民年金495,200 (基礎年金)国民年金490,200 (基礎年金)国民年金285,700 (基礎年金)国民年金282,800 (基礎年金)国民年金711,800 (基礎年金)国民年金704,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金716,000 (基礎年金)国民年金708,800裁決日は2015年2月20日付 (基礎年金)国民年金758,600 (基礎年金)国民年金750,900 (基礎年金)国民年金578,600 (基礎年金)国民年金572,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金 金)国民年金578,600 (基礎年金)国民年金572,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金635,900 (基礎年金)国民年金629,200 (基礎年金)国民年金447,400 (基礎年金)国民年金442,800 (基礎年金)国民年金771,800 (基礎年金)国民年金763,900 (基礎年金)国民年金707,850 (基礎年金)国民年金700,650 (基礎年金)国民年金481,300 (基礎年金)国民年金476,400 (基礎年金)国民年金659,600 (基礎年金)国民年金652,900 (基礎年金)国民年金691,800 (基礎年金)国民年金684,900 (基礎年金)国民年金737,300 (基礎年金)国民年金729,800 (基礎年金)国民年金707,800 (基礎年金)国民年金700,600- 45 - (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金622,600 (基礎年金)国民年金611,800 (基礎年金)国民年金658,800 (基礎年金)国民年金652,000 (基礎年金)国民年金501,600 (基礎年金)国民年金496,600 (基礎年金)国民年金 国民年金658,800 (基礎年金)国民年金652,000 (基礎年金)国民年金501,600 (基礎年金)国民年金496,600 (基礎年金)国民年金527,000 (基礎年金)国民年金519,700 (基礎年金)国民年金727,500 (基礎年金)国民年金720,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金209,500 (基礎年金)国民年金207,300 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金727,500 (基礎年金)国民年金720,100 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金706,200 (基礎年金)国民年金699,000 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金473,300 (基礎年金)国民年金468,500 (基礎年金)国民年金696,100 (基礎年金)国民年金689,100 (基礎年金)国民年金742,800 (基礎年金)国民年金735,300 (基礎年金)国民年金780,700 (基礎年金)国民年金772,800 (基礎年金)国民年金633,100 (基礎年金)国民年金628,500 (基礎年金)国民年金676,700 (基礎年金)国民年金669,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年 100 (基礎年金)国民年金628,500 (基礎年金)国民年金676,700 (基礎年金)国民年金669,800 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金747,200 (基礎年金)国民年金739,600 - 46 -(別紙)年金額一覧表3 番号従前の額(円)減額後の額(円)裁決日は2014 年12 月19 日付 1 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 2 (基礎年金)国民年金749,500 (基礎年金)国民年金741,900 4 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500(基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 6 (基礎年金)国民年金745,500 (基礎年金)国民年金738,000 7 (基礎年金)国民年金470,800 (基礎年金)国民年金466,000 8 (基礎年金)国民年金793,700 (基礎年金)国民年金785,700 9 (基礎年金)国民年金763,000 (基礎年金)国民年金755,200(基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 11 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 12 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,5 )国民年金778,500 11 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 12 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 13 (基礎年金)国民年金522,700 (基礎年金)国民年金517,300 14 (基礎年金)国民年金775,000 (基礎年金)国民年金767,100(基礎年金)国民年金769,000 (基礎年金)国民年金761,200裁決日は2015 年1 月23 日付 16 (基礎年金)国民年金747,200 (基礎年金)国民年金739,600 17 (基礎年金)国民年金630,800 (基礎年金)国民年金624,400 18 (基礎年金)国民年金801,900 (基礎年金)国民年金794,100 19 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 47 -(基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 21 (基礎年金)国民年金715,300 (基礎年金)国民年金708,100 22 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 23 (基礎年金)国民年金635,400 (基礎年金)国民年金629,000 24 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500(基礎年金)国民年金508,200 (基礎年金)国民年金503,300 26 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 27 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 28 (基礎年金 26 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 27 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 28 (基礎年金)国民年金788,900 (基礎年金)国民年金778,500 29 (基礎年金)国民年金427,500 (基礎年金)国民年金421,900(基礎年金)国民年金660,300 (基礎年金)国民年金653,600 31 (基礎年金)国民年金553,800 (基礎年金)国民年金548,200 32 厚生年金987,600 厚生年金949,600 33 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 34 (基礎年金)国民年金750,400 (基礎年金)国民年金742,800(基礎年金)国民年金784,800 (基礎年金)国民年金776,800 36 (基礎年金)国民年金780,700 (基礎年金)国民年金772,700 37 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 38 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 39 (基礎年金)国民年金729,900 (基礎年金)国民年金722,500(基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 41 (基礎年金)国民年金503,200 (基礎年金)国民年金498,000 42 (基礎年金)国民年金805,400 (基礎年金)国民年金797,100 43 (基礎年金)国民年金690,000 (基礎年金)国民年金684,900- 48 - 44 (基礎年金 基礎年金)国民年金805,400 (基礎年金)国民年金797,100 43 (基礎年金)国民年金690,000 (基礎年金)国民年金684,900- 48 - 44 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金772,800(基礎年金)国民年金535,500 (基礎年金)国民年金530,100 46 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金774,000 47 (基礎年金)国民年金763,800 (基礎年金)国民年金756,100 48 (基礎年金)国民年金587,892 (基礎年金)国民年金539,300 49 (基礎年金)国民年金552,200 (基礎年金)国民年金546,600(基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 51 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 52 (基礎年金)国民年金775,000 (基礎年金)国民年金767,100 53 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 54 (基礎年金)国民年金738,200 (基礎年金)国民年金732,800(基礎年金)国民年金653,500 (基礎年金)国民年金646,900 56 (基礎年金)国民年金630,800 (基礎年金)国民年金624,400 57 (基礎年金)国民年金731,000 (基礎年金)国民年金723,600 58 (基礎年金)国民年金663,600 (基礎年金)国民年金656,900 59 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金774,880( 23,600 58 (基礎年金)国民年金663,600 (基礎年金)国民年金656,900 59 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金774,880(基礎年金)国民年金691,200 (基礎年金)国民年金684,400 61 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 62 (基礎年金)国民年金645,496 (基礎年金)国民年金635,300 63 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 64 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 65 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 66 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 67 (基礎年金)国民年金740,600 (基礎年金)国民年金733,100- 49 - 68 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 69 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 70 (基礎年金)国民年金415,100 (基礎年金)国民年金410,900 71 (基礎年金)国民年金723,580 (基礎年金)国民年金712,000 72 (基礎年金)国民年金506,900 (基礎年金)国民年金501,700 73 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 74 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 75 (基礎年金)国民年金561,400 (基礎年金)国民年金 基礎年金)国民年金778,500 74 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 75 (基礎年金)国民年金561,400 (基礎年金)国民年金555,900 76 (基礎年金)国民年金787,298 (基礎年金)国民年金785,165 77 (基礎年金)国民年金732,200 (基礎年金)国民年金724,700 78 (基礎年金)国民年金803,400 (基礎年金)国民年金795,300 79 (基礎年金)国民年金745,500 (基礎年金)国民年金738,000 80 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 81 厚生年金904,200 厚生年金844,700 82 (基礎年金)国民年金725,800 (基礎年金)国民年金722,000 83 (基礎年金)国民年金759,900 (基礎年金)国民年金752,200 84 (基礎年金)国民年金806,700 (基礎年金)国民年金798,500 85 (基礎年金)国民年金352,100 (基礎年金)国民年金348,500 86 (基礎年金)国民年金758,600 (基礎年金)国民年金750,900 87 (基礎年金)国民年金765,700 (基礎年金)国民年金758,000 88 (基礎年金)国民年金517,400 (基礎年金)国民年金512,200 89 (基礎年金)国民年金728,000 (基礎年金)国民年金720,600 90 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 91 (基礎年金)国民年金643,900 (基礎年金)国民年金637,400 金720,600 90 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 91 (基礎年金)国民年金643,900 (基礎年金)国民年金637,400- 50 - 92 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 93 (基礎年金)国民年金321,200 (基礎年金)国民年金317,900 94 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 95 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 96 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 97 (基礎年金)国民年金634,100 (基礎年金)国民年金627,700 98 (基礎年金)国民年金643,200 (基礎年金)国民年金636,600 99 (基礎年金)国民年金777,900 (基礎年金)国民年金770,000 101 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 102 (基礎年金)国民年金784,700 (基礎年金)国民年金776,700 103 (基礎年金)国民年金526,700 (基礎年金)国民年金521,400 104 (基礎年金)国民年金440,300 (基礎年金)国民年金435,800 105 (基礎年金)国民年金244,900 (基礎年金)国民年金243,100 106 (基礎年金)国民年金419,100 (基礎年金)国民年金414,800 107 (基礎年金)国民年金676,100 (基礎年金)国民年金669,200 108 (基礎年金)国民年金786,500 ( 419,100 (基礎年金)国民年金414,800 107 (基礎年金)国民年金676,100 (基礎年金)国民年金669,200 108 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 109 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 110 (基礎年金)国民年金748,600 (基礎年金)国民年金740,900裁決日は2015 年2 月20 日付 111 (基礎年金)国民年金781,000 (基礎年金)国民年金773,100 112 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 113 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金721,700 114 (基礎年金)国民年金730,800 (基礎年金)国民年金723,400 115 (基礎年金)国民年金666,200 (基礎年金)国民年金659,300- 51 - 116 (基礎年金)国民年金788,500 (基礎年金)国民年金780,500 117 (基礎年金)国民年金650,500 (基礎年金)国民年金643,900 118 (基礎年金)国民年金698,000 (基礎年金)国民年金690,800 119 (基礎年金)国民年金850,800 (基礎年金)国民年金842,100 120 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 121 厚生年金1,928,100 厚生年金1,908,400 122 (基礎年金)国民年金784,400 (基礎年金)国民年金776,400 123 (基礎年金)国民年金391,700 (基礎年金) 928,100 厚生年金1,908,400 122 (基礎年金)国民年金784,400 (基礎年金)国民年金776,400 123 (基礎年金)国民年金391,700 (基礎年金)国民年金387,700 124 (基礎年金)国民年金752,800 (基礎年金)国民年金745,100 125 (基礎年金)国民年金781,300 (基礎年金)国民年金773,400 126 (基礎年金)国民年金246,000 (基礎年金)国民年金243,500 127 (基礎年金)国民年金425,200 (基礎年金)国民年金420,900 128 (基礎年金)国民年金83,300 (基礎年金)国民年金82,400 129 厚生年金2,186,600 厚生年金2,183,800 130 (基礎年金)国民年金84,400 (基礎年金)国民年金83,500 131 (基礎年金)国民年金663,900 (基礎年金)国民年金657,100 132 (基礎年金)国民年金250,900 (基礎年金)国民年金248,300 133 厚生年金1,469,500 厚生年金1,448,700 134 (基礎年金)国民年金789,500 (基礎年金)国民年金781,500 135 (基礎年金)国民年金790,500 (基礎年金)国民年金782,500 137 (基礎年金)国民年金657,800 (基礎年金)国民年金651,100 139 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 140 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 141 (基礎年金)国民年金628,700 (基礎年金) 500 (基礎年金)国民年金778,500 140 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 141 (基礎年金)国民年金628,700 (基礎年金)国民年金622,300- 52 - 142 (基礎年金)国民年金779,000 (基礎年金)国民年金776,300 143 (基礎年金)国民年金717,700 (基礎年金)国民年金710,400 144 (基礎年金)国民年金830,500 (基礎年金)国民年金822,500 145 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金772,800 146 (基礎年金)国民年金802,900 (基礎年金)国民年金797,100 148 (基礎年金)国民年金672,600 (基礎年金)国民年金665,700 149 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 150 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500裁決日は2015 年3 月20 日付 151 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 152 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金721,700 153 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 154 (基礎年金)国民年金711,100 (基礎年金)国民年金703,900 155 厚生年金2,254,500 厚生年金2,231,500 156 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金721,700再審査請求日は2014 年5 月29 日付 158 (基礎年金)国民 00 厚生年金2,231,500 156 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金721,700再審査請求日は2014 年5 月29 日付 158 (基礎年金)国民年金485,200 (基礎年金)国民年金480,200 159 (基礎年金)国民年金727,500 (基礎年金)国民年金720,100 160 (基礎年金)国民年金708,600 (基礎年金)国民年金701,400 161 (基礎年金)国民年金689,100 (基礎年金)国民年金682,100 162 (基礎年金)国民年金772,700 (基礎年金)国民年金764,800 163 (基礎年金)国民年金772,700 (基礎年金)国民年金764,800 164 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 165 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 53 - 166 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 167 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 168 (基礎年金)国民年金456,600 (基礎年金)国民年金452,000 169 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 170 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 171 (基礎年金)国民年金678,400 (基礎年金)国民年金671,500 172 (基礎年金)国民年金744,300 (基礎年金)国民年金736,300 173 (基礎年金)国民年金709,200 (基礎年金 ,400 (基礎年金)国民年金671,500 172 (基礎年金)国民年金744,300 (基礎年金)国民年金736,300 173 (基礎年金)国民年金709,200 (基礎年金)国民年金702,000 174 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 175 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 176 (基礎年金)国民年金775,570 (基礎年金)国民年金772,800 177 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 178 (基礎年金)国民年金544,200 (基礎年金)国民年金538,600 179 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 180 (基礎年金)国民年金699,100 (基礎年金)国民年金692,000 181 (基礎年金)国民年金592,700 (基礎年金)国民年金586,900 182 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 183 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 184 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 185 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 186 (基礎年金)国民年金778,500 (基礎年金)国民年金772,800 187 (基礎年金)国民年金749,900 (基礎年金)国民年金742,200 188 (基礎年金)国民年金746,500 (基礎年金)国民年金737,300 189 (基礎年金 187 (基礎年金)国民年金749,900 (基礎年金)国民年金742,200 188 (基礎年金)国民年金746,500 (基礎年金)国民年金737,300 189 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 54 - 190 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 191 (基礎年金)国民年金588,200 (基礎年金)国民年金582,300 192 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 193 (基礎年金)国民年金531,700 (基礎年金)国民年金526,400 194 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 195 (基礎年金)国民年金473,500 (基礎年金)国民年金468,700 196 (基礎年金)国民年金499,800 (基礎年金)国民年金494,700 197 (基礎年金)国民年金765,200 (基礎年金)国民年金757,400 198 (基礎年金)国民年金724,500 (基礎年金)国民年金718,500 199 (基礎年金)国民年金766,700 (基礎年金)国民年金760,700 200 (基礎年金)国民年金534,100 (基礎年金)国民年金527,100 201 (基礎年金)国民年金599,500 (基礎年金)国民年金593,600 202 (基礎年金)国民年金573,300 (基礎年金)国民年金567,700 204 (基礎年金)国民年金786,200 (基礎年金)国民年金778,500 205 (基礎年金)国民年金782,800 (基 573,300 (基礎年金)国民年金567,700 204 (基礎年金)国民年金786,200 (基礎年金)国民年金778,500 205 (基礎年金)国民年金782,800 (基礎年金)国民年金774,800 206 (基礎年金)国民年金787,100 (基礎年金)国民年金779,100 207 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 208 (基礎年金)国民年金748,300 (基礎年金)国民年金740,700 209 (基礎年金)国民年金235,066 (基礎年金)国民年金229,233 211 (基礎年金)国民年金637,100 (基礎年金)国民年金624,800 212 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 213 (基礎年金)国民年金663,600 (基礎年金)国民年金656,900 214 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 215 (基礎年金)国民年金563,200 (基礎年金)国民年金557,600- 55 - 216 (基礎年金)国民年金729,200 (基礎年金)国民年金721,700 218 (基礎年金)国民年金702,500 (基礎年金)国民年金695,700 219 (基礎年金)国民年金444,900 (基礎年金)国民年金440,400 220 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 221 (基礎年金)国民年金748,500 (基礎年金)国民年金740,900 222 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 金778,500 221 (基礎年金)国民年金748,500 (基礎年金)国民年金740,900 222 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 223 (基礎年金)国民年金748,800 (基礎年金)国民年金741,200 225 (基礎年金)国民年金734,100 (基礎年金)国民年金726,600 226 (基礎年金)国民年金588,300 (基礎年金)国民年金582,200 227 (基礎年金)国民年金717,700 (基礎年金)国民年金710,400 228 (基礎年金)国民年金600,200 (基礎年金)国民年金594,000 229 (基礎年金)国民年金737,300 (基礎年金)国民年金724,500 230 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 231 (基礎年金)国民年金514,000 (基礎年金)国民年金508,800 234 (基礎年金)国民年金715,700 (基礎年金)国民年金708,400 235 (基礎年金)国民年金556,000 (基礎年金)国民年金550,300 236 (基礎年金)国民年金669,400 (基礎年金)国民年金662,500 237 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 238 (基礎年金)国民年金839,300 (基礎年金)国民年金823,300 239 (基礎年金)国民年金256,000 (基礎年金)国民年金253,490 240 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 241 (基礎年金)国民年金730,800 金256,000 (基礎年金)国民年金253,490 240 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 241 (基礎年金)国民年金730,800 (基礎年金)国民年金723,400 242 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 243 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500- 56 - 244 (基礎年金)国民年金739,000 (基礎年金)国民年金731,500 245 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 246 (基礎年金)国民年金755,300 (基礎年金)国民年金753,000 247 (基礎年金)国民年金735,700 (基礎年金)国民年金728,200 248 (基礎年金)国民年金728,200 (基礎年金)国民年金720,800 249 (基礎年金)国民年金731,800 (基礎年金)国民年金724,400 250 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 251 (基礎年金)国民年金614,000 (基礎年金)国民年金607,800 252 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 253 (基礎年金)国民年金727,500 (基礎年金)国民年金720,100 254 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 255 (基礎年金)国民年金712,800 (基礎年金)国民年金705,500 256 (基礎年金)国民年金739,000 (基礎年金)国民年金731, 国民年金778,500 255 (基礎年金)国民年金712,800 (基礎年金)国民年金705,500 256 (基礎年金)国民年金739,000 (基礎年金)国民年金731,500 257 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 258 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 259 (基礎年金)国民年金364,200 (基礎年金)国民年金360,500 260 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 261 (基礎年金)国民年金599,300 (基礎年金)国民年金593,200 262 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 263 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 264 (基礎年金)国民年金677,600 (基礎年金)国民年金670,700 265 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 266 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 267 厚生年金439,200 厚生年金434,800- 57 - 268 (基礎年金)国民年金566,000 (基礎年金)国民年金560,300 269 (基礎年金)国民年金747,200 (基礎年金)国民年金739,600 270 (基礎年金)国民年金141,000 (基礎年金)国民年金139,600 271 (基礎年金)国民年金570,900 (基礎年金)国民年金565,100 272 (基礎年金)国民年金786,500 141,000 (基礎年金)国民年金139,600 271 (基礎年金)国民年金570,900 (基礎年金)国民年金565,100 272 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 273 (基礎年金)国民年金762,000 (基礎年金)国民年金754,200 274 (基礎年金)国民年金724,200 (基礎年金)国民年金716,900再審査請求日は2014 年7 月8 日付 275 (基礎年金)国民年金781,600 (基礎年金)国民年金773,600 276 (基礎年金)国民年金743,900 (基礎年金)国民年金736,300 277 (基礎年金)国民年金737,300 (基礎年金)国民年金729,800 278 (基礎年金)国民年金605,400 (基礎年金)国民年金599,700 279 (基礎年金)国民年金546,100 (基礎年金)国民年金540,900 280 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 283 (基礎年金)国民年金768,500 (基礎年金)国民年金767,100 284 (基礎年金)国民年金354,100 (基礎年金)国民年金350,100 285 厚生年金2,187,700 厚生年金2,166,200 286 (基礎年金)国民年金764,300 (基礎年金)国民年金756,600 287 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 288 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 289 (基礎年金)国民年金763,600 (基礎年金)国民年金 基礎年金)国民年金778,500 288 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 289 (基礎年金)国民年金763,600 (基礎年金)国民年金755,800 290 (基礎年金)国民年金786,500 (基礎年金)国民年金778,500 292 (基礎年金)国民年金707,100 (基礎年金)国民年金699,900 293 (基礎年金)国民年金719,900 (基礎年金)国民年金712,500- 58 - 294 (基礎年金)国民年金775,000 (基礎年金)国民年金767,100 295 (基礎年金)国民年金343,100 (基礎年金)国民年金339,600 296 (基礎年金)国民年金732,400 (基礎年金)国民年金725,000 - 59 -(別紙)当事者の主張 1 本件各処分が憲法25条,社会権規約9条に反するものか。 (原告らの主張)⑴ 社会権規約9条は,すべての者について社会保障についての権利を認め,同規約2条1項は,同規約の締結国に対し,同規約において認められる権利の完全な実現を漸次的に達成するため,利用可能な手段を最大限に用いて立法措置等の適当な方法をとることを約束する旨定めているところ,経済的,社会的及び文化的権利委員会(以下「社会権規約委員会」という。)が同項の一般的意見(規約の特定の条項の解釈に関する同委員会の所見)において同項が締約国に対して同規約の定める権利の実現に関する明確な法的義務を課したものであるとの見解を示していることからすれば,同項は,同規約9条の定める社会保障についての権利の実現を漸次的に達成することを法的義務として締約国に課しているというべきである。 法的義務を課したものであるとの見解を示していることからすれば,同項は,同規約9条の定める社会保障についての権利の実現を漸次的に達成することを法的義務として締約国に課しているというべきである。 そして,権利の漸次的達成が法的義務であることからすれば,既に認められている権利の内容を後退させることは,上記義務に逆行するものであって,原則として許されないものと解すべきである。社会権規約委員会も,社会権規約9条に関する一般的意見において,社会保障についての権利について執られた後退的な措置は規約上禁じられるという強い推定が働き,後退的措置が執られた際には,締約国は,あらゆる選択肢を最大限慎重に検討し,その措置が正当化されることを証明する責任を負う旨の意見を述べており,既に認められた社会保障に関する権利を後退させる処分が原則として認められないことを明確に示している。 締約国である日本は,一般的意見による規約の解釈を尊重すべきであるから,被告が本件各処分による減額措置の正当性を立証することができない限り,本件各処分は社会権規約9条に反するものである。しかし,被告は,上記の観点- 60 -に照らし本件各処分に正当性があることを何ら立証しておらず,本件各処分が社会権規約9条に反するものであることは明らかである。 ⑵ 仮に社会権規約9条が直接適用されないとしても,条約順守義務(憲法98条2項)の趣旨に照らせば,憲法25条の合憲性判断においても社会権規約9条の趣旨が反映されるべきであって,年金受給権の切下げは原則として憲法25条違反になり,被告において,規制目的が正当であり,規制手段が同目的を達成するために必要最小限の手段であることを立証しなければならない。しかし,本件各処分の根拠である平成24年度改正法は立法目的及び内容が合理性を有するもの ,規制目的が正当であり,規制手段が同目的を達成するために必要最小限の手段であることを立証しなければならない。しかし,本件各処分の根拠である平成24年度改正法は立法目的及び内容が合理性を有するものでないことは以下のとおり明らかであって,同法に基づく減額措置である本件各処分には正当性がないから,本件各処分は憲法25条に反するものである。 ア立法目的の正当性について被告は,平成24年改正法の立法目的が,世代間の公平を図り,国民年金制度の持続可能性を確保するため,特例水準の解消を図ることにあると主張する。 しかし,特例水準による年金給付が長引き,将来に年金を受給することとなる者(以下「将来世代」という。)に対する給付が今の受給世代に回ることで,将来世代の給付水準が低下するとの被告の主張は,具体的な根拠を欠くものである。また,もともと特例水準が生じたのは,被告自身が景気対策という政策判断に基づいて物価スライド特例法を制定したことによるものであって,かかる判断の前提には,特例水準による年金額こそが高齢者の生活を支えるに足りる年金額であるとの考え方があったと考えられること,かかる考え方を踏まえ,特例水準による年金額は,国年法等の法律によって年金額として定められていたものであることからすれば,特例水準を解消しなければならないという必然性はない。被告は,物価スライド特例法が制定された時点で特例水準を解消することは予定されていた旨主張するが,同特例法- 61 -は,物価スライドを行わないことにより財政に与える影響を考慮し,検討結果に基づいて所要の措置を講ずることを予定しているにすぎず(前記前提事実⑴イ参照),特例水準の解消を当然の前提としているものではなく,むしろ物価スライド制そのものの見直しを含む検討をすることとしている。さらに, 要の措置を講ずることを予定しているにすぎず(前記前提事実⑴イ参照),特例水準の解消を当然の前提としているものではなく,むしろ物価スライド制そのものの見直しを含む検討をすることとしている。さらに,被告が物価スライド特例法を制定し物価スライドの形式的な適用を行わないこととしたのは,デフレによる可処分所得の減少,国民の家計の苦境という社会経済情勢を踏まえたものであるから,かかる社会情勢が解消されていない平成24年改正法制定時点において,物価スライド特例法によって生じた特例水準を解消すべき必要性及び合理性はない。 被告は,世代間の公平を確保するための制度であるマクロ経済スライドを発動させることも平成24年改正法の目的の一つであると主張する。しかし,マクロ経済スライドは,年金財源の範囲内で支給可能な年金額を決めるという制度であって,老齢者の老後の生活の最低限の需要に対応する額の年金を受給するという公的年金制度の目的を放棄するものである。また,その内容を見ても,100年という長期間の財政均衡という極めて不明確で仮定的な見通しを前提に,年金額や年金以外の収入の有無を考慮することなく,基礎年金にまで適用されるという極めて不合理なものであるし,世代間の公平は,現役世代の就労状況や生活状況の改善,厚生年金保険料の事業主負担や国庫負担の増大によって解決されるべき問題であることからすれば,特例水準を解消してマクロ経済スライドを発動させるという平成24年改正法の立法目的に何らの合理性がないことは明らかである。さらに,特例水準の解消とマクロ経済スライドの発動の間には論理必然の関係があるわけではなく,あくまで平成16年改正法によって特例水準解消後にマクロ経済スライドを発動させることが定められたにすぎない。よって,仮にマクロ経済スライドを発動させることが世代 は論理必然の関係があるわけではなく,あくまで平成16年改正法によって特例水準解消後にマクロ経済スライドを発動させることが定められたにすぎない。よって,仮にマクロ経済スライドを発動させることが世代間の公平の確保に資するものであるとしても,そのために特例水準を解消しなければならない必要性は全くない。 - 62 -イ規制内容の合理性について平成24年改正法は,年金受給権者に対して著しい不利益を課すものであり,その内容としても到底合理性があるとはいえない。 平成24年改正法制定当時において,老齢基礎年金の支給額は全国消費実態調査による高齢者の支出の合計額を大きく下回っていただけでなく,介護保険料,高齢者医療保険料の引上げや窓口負担の増加,消費税の増税等によって,年金受給権者の可処分所得はさらに減少していた。このような社会経済情勢の中で,さらに年金額の切下げを行うことは,年金受給権者に対して極めて大きな負担を課すものであって,極めて不当である。後記⑶のとおり,年金受給権者は,本件各処分により生活扶助基準以下の水準での生活を余儀なくされているのであって,このことのみをもっても,平成24年改正法の内容に合理性がないことは明らかである。 また,被告は,平成24年改正法が特例水準を平成25年から3年間かけて段階的に解消する内容であることをもってその正当性を主張する。しかし,段階的に解消する措置が執られているとしても,わずか3年間の間に特例水準を解消しなければならない理由はないのであるから,このことをもって同法の内容に合理性があるとはいえない。 さらに,被告は,特例水準が生じた当初からこれを解消することは予定されていたものであって,平成24年改正法は当初から予定されていたとおりの解消を行う旨を定めたものにすぎないと主張する。しかし 。 さらに,被告は,特例水準が生じた当初からこれを解消することは予定されていたものであって,平成24年改正法は当初から予定されていたとおりの解消を行う旨を定めたものにすぎないと主張する。しかし,平成16年改正法は,特例水準の解消を念頭に置いてはいるものの,公的年金制度に対する信頼及び高齢者の生活の安定に対する配慮から,物価上昇の局面でプラスの物価スライドを行わないという方法により特例水準を解消するものとした(前記前提事実⑴ウ)のであって,物価の下落の局面でこれを解消することは予定されていなかったのであるから,仮に特例水準の解消が当初から予定されたものであったとしても,デフレ状態が継続している社会経済情勢にお- 63 -いて特例水準の解消を図るという平成24年改正法の内容に合理性がないことは明らかである。 ⑶ また,上記の点に加え,平成24年改正法は,健康で文化的な最低限度の生活を営むことのできる水準以下に年金額を切り下げるものであり,憲法25条に反する。 ア憲法25条及びこれを受けて制定された国年法等の趣旨からすれば,公的年金制度は,それ自体で最低限度の生活を保障するものでなければ憲法25条に反するものであるというべきである。そして,公的年金制度が一定の要件を満たした者に加入を義務付け,強制力をもって保険料を徴収する制度であることを加味すれば,同制度に基づき支払われる年金額は,全額が税金で賄われている生活保護制度の給付額を超えるものでなければならない。具体的には,年金受給権者に支給される年金の額は,厚生労働大臣が定める生活扶助基準を上回るか,少なくとも同程度のものでなければならず,生活扶助基準を下回る額に年金額を改定する処分は,年金受給権者の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を侵害するものとして,憲法25条に反する 基準を上回るか,少なくとも同程度のものでなければならず,生活扶助基準を下回る額に年金額を改定する処分は,年金受給権者の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を侵害するものとして,憲法25条に反するものといわざるを得ない。 しかし,被告は,昭和60年に国年法を改正し,5万円という高齢者の生活実態に見合わない基礎年金額を設定したことによって,それまで生活扶助基準と同程度であった国民年金額をこれよりも低い基準に設定しただけでなく,本件各処分により,さらに年金額を切り下げた。その結果,平成26年度の国民年金受給権者の年金受給額は月平均5万4497円,北海道内の年金受給権者の平均年金受給額は月平均5万3664円となったが,これは,生活保護水準の生活扶助費(札幌市の場合,60歳代単身が7万6370円,70歳代単身が7万1430円である。)にはるかに及ばないものであって,本件各処分は,健康で文化的な最低限度の生活を送ることができない程度の水準に年金額を切り下げるものであり,年金受給権者の健康で文化的な最低- 64 -限度の生活を営む権利を侵害するものであって,憲法25条に反する。 イ被告は,国民年金が保険方式を制度の基本として設計しているから,基礎年金額が生活扶助基準に及ばなくてもやむを得ないかのように主張しているが,保険方式をとるかどうかは技術的な問題にすぎず,これを理由に国民の生存権保障という公的年金制度の目的を放棄してよいということにはならない。 また,被告は,憲法25条の定める健康で文化的な最低限度の生活は,社会法制度全体を通じて保障されるべきものであると主張する。しかし,生活保護法の趣旨である自立の助長は,稼働能力の回復が見込めない老齢者には妥当せず,これを老齢者の生活保障に用いるのは妥当でないから,生活保護の受給が可能 障されるべきものであると主張する。しかし,生活保護法の趣旨である自立の助長は,稼働能力の回復が見込めない老齢者には妥当せず,これを老齢者の生活保障に用いるのは妥当でないから,生活保護の受給が可能であることは,年金額の水準が生活扶助基準を下回ることを何ら正当化するものではない。また,生活保護を利用するためには資産調査が必要不可欠であって利用しやすいものであるとはいえず,実際にも,生活保護に対するマイナスイメージや精神的な負担を理由に,高齢者の生活保護の捕捉率が極めて低いのであって,被告の主張はこのような実態にも反するものといわざるを得ない。 ⑷ 被告は,憲法25条を具体化する立法については,立法府に広範な裁量が認められると主張するが,既に定められた権利を切り下げる場合にまでかかる広範な裁量が認められないことは既に述べたとおりである。また,立法府に一定の広範な裁量が認められるとしても,以下の事情に照らすと,立法府に裁量の逸脱及び濫用があったといわざるを得ず,平成24年改正法及びこれに基づく本件各処分はいずれも憲法25条に反する。 ア立法府の判断過程やその前段階(年金部会,行政刷新会議等)の議論において,物価スライド特例法が制定された趣旨や,平成16年改正法において本来水準を賃金改定率に変更しなければ特例水準は解消されていたこと等の重要な点についての説明がされず,特例水準の解消により将来世代の年金給- 65 -付額が抑制されることや,マクロ経済スライドの発動と特例水準との間に論理的関係があるかのような断定的な誤った説明がされたため,考慮に入れるべき事項を考慮に入れず,又は考慮すべきでない事項を考慮した判断がされた。 イ年金の減額処分により影響を受ける高齢者や,年金制度に関する学者,学識経験者,年金問題の関係団体からの意見聴取 入れるべき事項を考慮に入れず,又は考慮すべきでない事項を考慮した判断がされた。 イ年金の減額処分により影響を受ける高齢者や,年金制度に関する学者,学識経験者,年金問題の関係団体からの意見聴取を行わず,パブリックコメントの収集も行わないなど,十分な意見聴取がされていたとはいえず,国会における審議時間も極めて短かった。 (被告の主張)⑴ 国民年金制度は,憲法25条の趣旨を実現するために設けられた社会保障上の制度であり,年金額は法律の規定により具体的に定められているところ,憲法25条の趣旨に応えて具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は立法府の広い裁量に委ねられており,それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱及び濫用とみざるを得ないような場合を除き,裁判所が審査判断するのに適しない事柄であるといわなければならない。このことは,新たに制度を設計する場合だけでなく,現在の年金制度の見直しを図り,年金額の引下げを図る場合にも同様に妥当するというべきである。なぜならば,保険料率や年金額については,物価水準や賃金水準,社会経済の状況,世代間の公平等の種々の事情によって大幅に変動するものであって,公的年金制度を持続可能なものとするためにはこれらの事情を踏まえて適時に適切な対応を取らなければならず,高度の専門技術的な考察とそれに基づく政策的な判断が必要不可欠であって,このことは,新たに制度を設計する場合だけでなく,年金額を引き下げる場合にも同様に妥当するからである。 原告らは,社会権規約9条やこれに関する一般的意見を引いて,既に認められた権利を後退させる措置を採る場合にはより厳格な司法審査に服するべきであり,被告がかかる措置の正当性を立証し得なければ,本件各処分は憲法25- 66 -条及び社会権規約9条に反すると主張する。し た権利を後退させる措置を採る場合にはより厳格な司法審査に服するべきであり,被告がかかる措置の正当性を立証し得なければ,本件各処分は憲法25- 66 -条及び社会権規約9条に反すると主張する。しかし,社会権規約9条は,各締約国が社会保障の権利の実現に向けて積極的に社会保障政策を推進すべき政治的責任を負うことを明らかにしたものにすぎず,個人に対し直ちに具体的権利を付与することまでをも認めたものではない。また,同規約2条が,締約国に対して権利の完全な実現の漸次的な達成を求めているに過ぎないことからすれば,社会権規約は,社会保障についての権利が国の社会政策によって保護されるに値するものであることを確認し,締約国はその実現に向けて積極的に社会保障政策を推進すべき政治的責任を負うことを宣明したものにすぎず,締約国の国民に対し何らかの権利を保護したものでもなければ,社会保障政策について後退的な措置を執ることを原則として禁止して立法府の裁量を羈束するものでもない。また,一般的意見は,社会権規約委員会による一般的意見によって社会権規約の解釈を明確化するために出されるものであり,これ自体が我が国に対して法的拘束力を有するものではない。 ⑵ そして,平成24年改正法は,将来世代に対する給付が今の受給世代に回ることで将来世代の給付水準が低下することを回避し,世代間の公平を図り,もって,社会保障である国民年金制度の持続可能性を確保するため,特例水準の解消を図ることを目的としつつ,特例水準の解消を段階的に行うことで特例水準の解消による現在の受給者の負担も考慮したものであるから,立法目的,立法内容ともに合理的かつ相当なものである。 物価スライド特例法においては,特例水準が生じた後の早い段階から,財政に与える影響を考慮して,年金額の見直しその他の必要な措置 のであるから,立法目的,立法内容ともに合理的かつ相当なものである。 物価スライド特例法においては,特例水準が生じた後の早い段階から,財政に与える影響を考慮して,年金額の見直しその他の必要な措置を講じてこれを解消することが予定され,その旨が附則として制定されていた(前記前提事実⑴イ参照)。これを受けて,平成16年改正法は,物価が上昇しても特例水準の年金額を据え置き,特例水準と本来水準の間隙を埋めるという方法によって特例水準の解消を企図したが,かかる措置が十分に機能せず,特例水準という高い水準での年金受給が続いていたことから,平成24年改正法を制定し,特- 67 -例水準の解消を図ったものである。かかる制定の経緯に鑑みれば,平成24年改正法の内容は,特例的に高い水準で支払われていた年金額を,本来物価スライド制が適用されていれば支払われていたはずの水準に改定するものにすぎず,かかる改定は当初から予定されていたものであって,特例水準の解消方法も,平成25年度から平成27年度までの3年間で段階的に解消することとされるなど現在の年金受給権者に対しても配慮した措置が執られている。よって,平成24年改正法の内容が,現在の年金受給権者に著しく不合理な措置であるということはできない。 また,現在我が国における公的年金制度は,将来の年金給付に必要な原資をあらかじめ保険料で積み立てていく積立方式としての側面を有しつつも,年金給付に必要な費用をその都度被保険者からの保険料で賄っていく賦課方式を基本としている制度であるということができるところ,賦課方式においては,年金財源の基本的部分を担う現役世代たる被保険者の理解は不可欠であるから,世代間の公平を図るという平成24年改正法の目的は,被保険者たる現役世代の保険料の支払についての理解を得ることで,我が ては,年金財源の基本的部分を担う現役世代たる被保険者の理解は不可欠であるから,世代間の公平を図るという平成24年改正法の目的は,被保険者たる現役世代の保険料の支払についての理解を得ることで,我が国における公的年金制度を維持することにもつながるのであって,著しく不合理であるということはできない。 したがって,平成24年改正法及びその委任を受けて制定された平成25年政令は,その立法目的及び具体的内容において,いずれも合理性を有するものであって,著しく合理性を欠くものであるとは到底いえず,これらに基づいてされた本件各処分も,著しく合理性を欠くものとはいえない。 なお,原告らは,マクロ経済スライドが不合理な制度であることをもって平成24年改正法の立法目的が不合理であると主張するが,マクロ経済スライドは,世代間の公平を図り持続可能な公的年金制度を構築するという目的の下,現役人口の減少(すなわち,現役全体で見た保険料負担力の低下)と平均余命の伸び(受給者全体で見た給付費の増大)を指標として固定された保険料水準- 68 -の範囲内で給付水準を調整する仕組みであって,その内容としても年金受給者に過度な負担を強いるものではないから,不合理な制度であるということはできない。 ⑶ 原告らは,本件各処分により受給することができる年金額が健康で文化的な最低限度の生活を保障する水準を下回ることを理由に憲法25条違反を主張するが,憲法25条の定める健康で文化的な最低限度の生活は,社会保険法,社会福祉法その他の社会法制度全体を通じて保障されるべきもので,公的年金制度のみで保障されるというものではない。また,国民年金は,被保険者の拠出した保険料を基礎として年金給付を行う保険方式を制度の基本として創設されている以上,その年金額は,被保険者の保険料納付済期 金制度のみで保障されるというものではない。また,国民年金は,被保険者の拠出した保険料を基礎として年金給付を行う保険方式を制度の基本として創設されている以上,その年金額は,被保険者の保険料納付済期間等によっても異なることが前提とされていることに加え,国民の生活水準や財政状況等により改定されることが予定されている。 このように,国民年金制度は,受給者や受給する時期によって給付される額に変動があることが当然に予定されているのであって,保険料の納付期間を問わず健康で文化的な最低限度の生活を保障するだけの額が常に支給されるような制度設計とはなっていない。このことからすれば,国民年金制度は,それのみで憲法25条の定める最低限度の生活を保障することを目的として定められていないことは明らかであって,仮に本件各処分により,原告らが受給する年金額がそれのみで健康で文化的な最低限度の生活を保障するに足りない額になったとしても,そのことから本件各処分やその根拠となった平成24年改正法及び平成25年政令が憲法25条に反すると直ちにいうことはできない。 原告らは,年金額が生活扶助基準額を下回ることをもって,本件各処分により年金受給権者の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が侵害されていると主張するが,現役時代からの備えと組み合わせて老後生活の安心を確保することを目的とする公的年金制度における給付額と,自らの資力や備えが乏しい者への最低限度の生活保障を目的とする生活保護における給付額とを比較して- 69 -論じること自体が失当である。 2 本件各処分が憲法29条1項に反するものか。 (原告らの主張)⑴ 前記1のとおり,平成16年改正法は,物価上昇の局面においても特例水準による年金額を据え置きすることによって特例水準を解消することを予定していた 29条1項に反するものか。 (原告らの主張)⑴ 前記1のとおり,平成16年改正法は,物価上昇の局面においても特例水準による年金額を据え置きすることによって特例水準を解消することを予定していたことからすれば,同改正法が制定された時点において,年金額を減ずる内容の改定処分によって特例水準の解消を行うことはないことが法律上保障されていたものというべきである。 したがって,特例水準の解消を理由として年金額が切り下げられないということは,単なる期待感を超えて,原告ら年金受給権者の財産権(憲法29条1項)の内容となっていたと解すべきところ,これを事後的に変更する平成24年改正法が憲法29条に反しないかは,法律に基づく財産権の性質,その内容を変更する程度,及びこれを変更することによって保護される公益の性質等を総合的に勘案して決すべきである(最高裁昭和53年7月12日大法廷判決・民集32巻5号946頁)。 ⑵アこれを本件について見るに,本件で変更の対象となる年金受給権は,いわば生存権的財産権ともいうべきものであって,強い要保護性が認められる。 すなわち,公的年金制度は,憲法25条の要請を受け,国民(特に年金受給権者)の生存権を保障する目的で定められたものであり,年金受給権者にとって生計の資本となるべき唯一の収入源である。したがって,年金受給権は,憲法25条の要請する健康で文化的な最低限度の生活を保障するものであって,極めて強い要保護性が認められる。 また,わが国の公的年金制度は,一定の要件を満たした者を被保険者として強制的に加入させ,年金保険料が強制力をもって徴収される社会保険方式が採用されているところ,かかる方式の下では加入者が支払う保険料と給付との間に対応関係があるといえ,既裁定の年金受給権は強い権利性を帯びた- 70 -財産 が強制力をもって徴収される社会保険方式が採用されているところ,かかる方式の下では加入者が支払う保険料と給付との間に対応関係があるといえ,既裁定の年金受給権は強い権利性を帯びた- 70 -財産権であるといえる。 イそして,これまで述べたとおり,年金受給権者は,社会保険料や介護保険料,消費増税等の負担の中,本件各処分によって受給者の中には受給額が生活扶助基準を下回るような減額改定をされたのであって,本件各処分が年金受給権者の生活に与える打撃は著しいものといえる。また,本件各処分やこれに伴って発動されるマクロ経済スライドは,物価スライド制によって維持されてきた年金の実質的価値を切り下げるものであるところ,年金の実質的価値が維持されず,将来の年金額が的確に把握できないことで,年金受給権者は老後の生活設計をすることができなくなるのであり,この点でも,本件各処分が原告らに与える影響は著しいものといえる。 ウ他方で,平成24年改正法の目的は,将来世代の給付水準の低下を防止して世代間の公平を図り,公的年金制度の持続可能性を確保することにあるところ,既に述べたとおり,世代間の公平を図ることと特例水準の解消には何らの関係がない(被告の主張を前提としても,世代間の公平を図るための制度はマクロ経済スライドであって,特例水準の解消それ自体ではない。)。また,そもそもマクロ経済スライド自体が不合理な制度であって憲法25条にも反することは既に述べたとおりである。よって,本件各処分によって保護される公益は重要なものであるとはいえない。 エ以上のとおり,本件各処分は,要保護性の高い年金受給権について,その受給者に対し著しい影響を及ぼすものである一方,これにより保護される公益は,重要ではないどころか,むしろ違憲かつ違法なものである。また,原告ら年金受給 処分は,要保護性の高い年金受給権について,その受給者に対し著しい影響を及ぼすものである一方,これにより保護される公益は,重要ではないどころか,むしろ違憲かつ違法なものである。また,原告ら年金受給権者は,年金の実質的価値が維持されるとの公的年金制度に対する信頼の下,保険料を支払い続けてきたのであり,かかる信頼による保険料支払に基づいて公的年金制度が成り立っている以上は,年金受給権者の信頼は十分に保護されるべきであって,これを裏切るような本件各処分に正当な理由があるとはいえない。 - 71 -したがって,本件各処分による財産権の事後的変更に正当な理由を見出すことは到底できず,本件各処分は憲法29条に反するものである。 ⑶ 憲法29条との関係においても,平成24年改正法は,憲法25条と同様の判断過程統制による審査に服するところ,原告らの既裁定年金が憲法29条で保障される財産権であることが意識され,議論されている事実は見当たらず,年金受給者の負担や支出増についての資料検討もなければ,そもそもその事実自体を検討した形跡は全く見当たらない。また,世代間の公平など,保護されるべき公益が何なのかについて,客観的かつ具体的な議論や検討が行われていない。 したがって,平成24年改正法は,憲法29条との関係においても,立法裁量の濫用及び逸脱が認められ,平成24年改正法及びこれに基づく本件各処分は,憲法29条に違反する。 (被告の主張)⑴ 特例水準の解消を理由として年金額の減額が行われない,あるいは,物価下落の局面における特例水準の解消が行われないという原告らの期待が,憲法29条により保護される財産権の内容となっていたとはいえない。確かに,平成16年改正法の施行時においては年金額を減額して特例水準を解消することは想定されていなかったが,他 という原告らの期待が,憲法29条により保護される財産権の内容となっていたとはいえない。確かに,平成16年改正法の施行時においては年金額を減額して特例水準を解消することは想定されていなかったが,他方で,同法は,同法施行後に社会経済情勢等や年金財政が変動した場合にまで特例水準を解消するための年金額の減額を一切行わないことまでをも定めたものではない。むしろ,争点1について述べたとおり,特例水準の解消のために必要な措置を講ずべきことは,特例水準が生じた後の早い段階から予定されていたのであり,平成16年改正法もこれを受けて制定されたものであるから,同改正法により,特例水準の解消を理由とした年金額の減額が行われないことが法律上保障されたとは到底いうことができない。 ⑵ これを措くとしても,将来具体的に受給し得る年金額は,その時点における法律の規定によって変わり得るのであり,かつ,年金制度について具体的にど- 72 -のような立法措置を講じるかの選択決定が立法府の広い裁量に委ねられていることや,法律上も,年金額について,国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には変動後の諸事情に応ずるため速やかに改定の措置が講ぜられなければならない旨規定されており(国年法4条,厚年法2条の2),社会経済情勢等の変動により年金額が改定されることが予定されているものであることからすると,仮に原告らの主張する年金受給権が何らかの財産権を構成するものであるとしても,その権利の性質は,抽象的,不確定的なものであって,要保護性の乏しいものであるといわざるを得ない。 また,上記のとおり,年金受給権は社会経済情勢等の変動により改定されることが予定されているところであるから,社会経済情勢等の変動に応じた改定は,年金受給権に対する制約や制限となるものではない。そ また,上記のとおり,年金受給権は社会経済情勢等の変動により改定されることが予定されているところであるから,社会経済情勢等の変動に応じた改定は,年金受給権に対する制約や制限となるものではない。そして,争点1について述べたとおり,平成24年改正法は,少子高齢化といった社会経済情勢の変動を背景に,世代間の公平を図り持続可能な公的年金制度を構築するために行われたものであって,その内容も,特例的に高い水準(特例水準)で支払われていた年金額を,本来法が予定していた給付水準(本来水準)に適合させるために段階的に減額するにとどまるものであるから,年金受給権に対し何らかの制約や制限が生じたものではなく,原告らの年金額の実質的価値を損なうものでないことは明らかである。 さらに,平成24年改正法は,争点1について述べたとおり,将来世代の年金水準を確保し,かつ,社会保障である国民年金制度及び厚生年金保険制度の持続可能性を確保するため,特例水準を解消するという重大な公益目的を達成するために制定されたものである。 以上の事実を踏まえると,仮に,平成24年改正法,平成25年政令及び本件各処分が原告らの何らかの財産権を制約するものであったとしても,合理的な制約といえるのであって,憲法29条に違反するものではない。 3 本件各処分が憲法13条に反するものか。 - 73 -(原告らの主張)本件各処分は,上記2で述べたとおり,最低限度の生活を送ることができない程度の水準に年金額を切り下げるものであって,年金受給権者に生活保護の受給を強制するものであるといわざるを得ない。したがって,本件各処分は,高齢者の自己決定権を不当に侵害するものであって,憲法13条に反する。 また,上記3で述べたとおり,年金受給権者は,特例水準が解消され年金額が減少することは るを得ない。したがって,本件各処分は,高齢者の自己決定権を不当に侵害するものであって,憲法13条に反する。 また,上記3で述べたとおり,年金受給権者は,特例水準が解消され年金額が減少することはないとの期待のもと老後の生活設計を行っていたものであるにもかかわらず,本件各処分は高齢者が自己の選択に従って老後の生活を送る権利(自己決定権,幸福追求権)を侵害するものであるから,憲法13条に反する。 (被告の主張)平成24年改正法や平成25年政令,本件各処分は,原告らに対して生活保護の受給を何ら強制するものではなく,原告らの自己決定権を侵害するものであるとはいえない。また,特例水準が解消されず年金額が切り下げられることがないとの原告らの期待が憲法上保護に値するものでないことは上記2で述べたとおりである。 したがって,本件各処分は憲法13条に反しない。 4 平成25年政令は,法の委任の範囲を逸脱し違法・無効であるか。 (原告らの主張)被告(内閣ないし厚生労働大臣)は,平成24年改正法を受けた平成25年政令により,平成25年から3年間で特例水準を解消する旨及びその減額率を確定したところ,平成25年政令は,以下のとおり法の趣旨に反するものであるから,委任の範囲を超えるものとして無効である。 国年法は,年金制度によって老齢等の事由により国民生活の安定が損なわれることを防止し,もって健全な国民生活の維持と向上に寄与することを目的としており(同法1条),年金額の改定を国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合にのみ可能であるとしている(同法4条)。かかる法律上の定め及- 74 -び老齢者の唯一の収入源としてその生存を支えるという年金受給権の重要性に鑑みれば,国年法及びこれを前提にした平成24年改正法は,具体的な減額の方法 る(同法4条)。かかる法律上の定め及- 74 -び老齢者の唯一の収入源としてその生存を支えるという年金受給権の重要性に鑑みれば,国年法及びこれを前提にした平成24年改正法は,具体的な減額の方法について被告(厚生労働大臣)に一定の裁量を与えている一方で,減額改定を行うことができる場合を諸事情に著しい変動が生じた場合に限定し,また,減額改定を行う場合には,不当に年金受給権を侵害することのないように幅広く財源確保の可能性を検討することが求められていたというべきであって,この限度で被告(厚生労働大臣)の裁量権は制限を受けているものというべきである。 しかし,被告(厚生労働大臣)は,その当時,年金額の改定を行うべき諸事情の著しい変動は生じていなかったにもかかわらず,減額改定を行う内容の平成25年政令を制定し,かつ,制定に際しては,上述したような十分な検討は行われていない。このような平成25年政令は,厚生労働大臣に与えられた裁量権の範囲を逸脱する違法なものであって,かつ,法の委任の範囲を超える無効なものであるから,平成25年政令に基づく本件減額処分は効力を有しない。 (被告の主張)争点1から3について述べたとおり,平成24年改正法は,その立法目的及び具体的内容において合理性を有するものであり,これを受けて,特例水準を解消するための年金額の計算過程において乗じる具体的な率などを定めた平成25年政令が制定されたものであるから,平成25年政令の制定について,厚生労働大臣に何らの裁量権の逸脱はないし,法の委任の範囲を超える無効なものであるともいえない。 以上 い。 以上

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