昭和29(あ)1724 強要、不法監禁

裁判年月日・裁判所
昭和31年5月29日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人の上告趣意第一点について。  所論は、原判決は憲法二八条に違反すると主張する。しかし所論の前提とする、 A巡査部長

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判決文本文1,560 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 被告人の上告趣意第一点について。 所論は、原判決は憲法二八条に違反すると主張する。しかし所論の前提とする、A巡査部長が所論集合に干渉する意思であつたとか、勤労者の団結権または団体行動権に干渉しようとしたという事実は、原審の認定しないところであり、また集合に臨んだことが直ちに団結権や団体行動権に干渉することになるという主張は、独自の見解に過ぎず採用のかぎりでない。されば所論違憲の主張は前提においてすでに成り立たない。 同第二点について。 所論は、原判決が所論の警察官の活動を容認したことは、憲法の保障する思想、信条の自由を侵害すると主張する。しかし第一審判決及びこれを支持する原判決もともに、警察官の行為について所論のような事実を認定していない。所論は、原審の認定と異なる事実に立脚し違憲を主張するのであつて前掲を欠き採用できない。 同第三点について。 所論のしきりに強調するところは、独自の見解に基き本件を政治的陰謀によるデツチ上げでありとする事実誤認の主張たるに帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 弁護人諫山博の上告趣意第一点について。 所論は、原判決の法令違反を主張し、その前提に立つて憲法二八条違反及び判例違反を主張する。しかし労働組合法一条二項の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて、同条一項にかかげる目的を達成するためにした正当なものについて刑法三五条の適用を認めるとともに、その但書において、いかなる場合において- 1 -も、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならないとし、刑法三五条の定める行為に当らないことを明らかにしたものと解すべく、原判決の同趣旨に帰する判断は正当である。そして原判決は、第一審判決の確定した事実によつ 組合の正当な行為と解釈されてはならないとし、刑法三五条の定める行為に当らないことを明らかにしたものと解すべく、原判決の同趣旨に帰する判断は正当である。そして原判決は、第一審判決の確定した事実によつて、被告人の本件強要、不法監禁の所為を、労働争議において社会通念上許容される限度を越えた暴力の行使であることを確認し、この理由によつて第一審判決が刑法三五条を適用しなかつたことを正当であるとしこれを支持したのであるから、原判決になんら法律の解釈を誤つた違法はない。そしてまた所論は、法律解釈について独自の見解に立ち判例違反を主張し大法廷判例を引用するけれども、原判決はなんら右判例の趣旨に反する判断をしたものではない。従つて原判決に法律解釈の誤のあることを前提とする違憲の主張はその前提を欠き採用のかぎりでない。 同第二点について。 所論は、原判決は大審院判例に違反すると主張する。しかし所論の前提とするA巡査部長の本件行動が職権濫用罪であるという事実は、原判決が強く否定するところであつて、この点に関する原判決の説明は相当である。所論は、独自の事実認定に立つて理論を展開するのであり採用のかぎりでない。従つて判例違反の主張の成り立たないことも自ら明らかである。 同第三点について。 所論は、要するに事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 そして所論の内容についても、理由のないこと第一点第二点において説明したとおりである。 その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 昭和三一年五月二九日最高裁判所第三小法廷- 2 -裁判長裁判官小林俊三裁判官島 り判決する。 昭和三一年五月二九日最高裁判所第三小法廷- 2 -裁判長裁判官小林俊三裁判官島保裁判官河村又介裁判官本村善太郎裁判官垂水克己- 3 -

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