主文 被告人を懲役2年に処する。 この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,有限会社Aの代表取締役であるが,広島市○○区○○町○○丁目○○番○○号所在の財団法人広島県埋蔵文化財調査センターで事務局総務課総務係長をしていたBと共謀の上,同センターから測量機材の賃借料名下に金員を詐取しようと企て,別表記載のとおり,平成11年8月30日ころから平成12年2月28日ころまでの間,前後3回にわたり,同センターにおいて,同センター事務局長Cに対し,真実は同社が同センターに対して測量機材を賃貸しておらず,同センターが同社に対して測量機材の賃借料を支払うべき義務はないのに,これあるように装い,同社の同センターあての架空の測量機材賃借料合計330万7500円に係る請求書3通をそれぞれ提出し,同人をして,その旨誤信させ,よって,平成11年8月31日から平成12年2月29日までの間,前後3回にわたり,同人をして賃借料名下に同市○○区○○町○○番○○号所在の株式会社D銀行○○支店のA代表者E名義の普通預金口座に合計330万7500円を振込送金させ,もって人を欺いて財物を交付させたものである。 (証拠の標目)(省略)(法令の適用)(省略)(量刑の理由)本件は,広島県が全額出資して設立された広島県埋蔵文化財調査センターの取引業者であった被告人が,当時の同センター事務局総務課総務係長であった共犯者と共謀の上,3回にわたり測量機材の賃借料名下に合計330万7500円を詐取したという事案であるところ,本件一連の犯行は,当初,共犯者から被告人に持ちかけられたものであり,被告人は,取引業者という立場から断り切れなかったという面もあるが,その後 計330万7500円を詐取したという事案であるところ,本件一連の犯行は,当初,共犯者から被告人に持ちかけられたものであり,被告人は,取引業者という立場から断り切れなかったという面もあるが,その後は,詐取金員を自己の会社資金の穴埋めに充てる等しており,本件各犯行についても,詐取金員のうち84万円余は被告人が領得しているのであって,その動機に酌量の余地はないというべきである。また,本件各犯行は,平成4,5年ころから継続して行われていた一連の犯行の一部であり,その方法は,架空の見積書や請求書を作成して架空の測量機材賃借料を振込送金させるという計画的で巧妙かつ悪質なものであり,その被害金額は,本件起訴分だけでも合計330万7500円と多額である。そして,被告人は,上記のような立場にあったとはいえ,ためらうことなく本件一連の犯行に関与していること,本件は,公共性の高い同センターの職員が取引業者と共謀して公的性格の強い金員を詐取したものであって,社会的影響も大きいことなどに照らすと,被告人の刑事責任は重いというべきである。 もっとも,被告人は,共犯者が事実関係を認めていない捜査段階から一貫して本件各犯行を認め,本件事犯の全容解明に協力するなど,反省悔悟していること,本件一連の犯行は,共犯者が計画し,被告人は,共犯者の指示に従って,白紙の見積書や請求書に会社代表者印等を押して同人に手渡したり,会社の銀行口座に振り込まれた金員を引き出して同人に手渡すなど,従属的な立場にあったこと,不正に得た金員も多くは共犯者が得ていること,本件各犯行だけでなく,自ら不正に取得したとする金額合計562万円余を弁償していること,被告人には前科前歴がないことなど,斟酌すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を考慮して,被告人に対しては,その刑責を明確にした上で, 得したとする金額合計562万円余を弁償していること,被告人には前科前歴がないことなど,斟酌すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を考慮して,被告人に対しては,その刑責を明確にした上で,今回に限り,刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 よって,主文のとおり判決する。(求刑懲役2年)平成13年10月17日広島地方裁判所刑事第二部裁判長裁判官小西秀宣裁判官浅見健次郎裁判官鈴木祐治
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