平成23(行ウ)609等 行政処分取消請求事件(第1事件)行政処分取消請求事件(第2事件)

裁判年月日・裁判所
平成25年10月29日 東京地方裁判所 情報公開
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判決文本文56,930 文字)

平成25年10月29日判決言渡平成23年(行ウ)第609号行政処分取消請求事件(第1事件)平成24年(行ウ)第722号行政処分取消請求事件(第2事件)                        主文      1 原告の請求をいずれも棄却する。      2 訴訟費用は原告の負担とする。                        事実及び理由第1 請求 1 第1事件厚生労働大臣が原告に対し平成23年7月25日付けでした行政文書開示決定処分(ただし,平成24年2月15日付けでした行政文書開示決定変更処分による一部取消し後のもの)のうち,別紙3不開示事由整理票「情報の概要等」欄記載の部分(ただし,第2事件に係る「本件添付ファイル2」欄及び「本件添付ファイル4」欄記載の部分を除く。)を不開示とした部分を取り消す。 2 第2事件厚生労働大臣が原告に対し平成24年9月6日付けでした行政文書開示決定処分のうち,添付ファイル2(G患者の会の見解)及び添付ファイル4(H法人の見解)を不開示とした部分を取り消す。第2 事案の概要 1 第1事件は,原告が,厚生労働大臣に対し,平成23年6月24日付けで,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき,厚生労働大臣の指示によりa訴訟問題検証チーム(以下「検証チーム」という。)が作成した調査報告書(以下「本件調査報告書」という。)に関連する行政文書のうち,関係者からの聴取記録や事実認定のために確認した資料などについて開示を請求したところ,厚生労働大臣が,同年7月25日付けで,請求対象文 書(以下「本件調査報告書」という。)に関連する行政文書のうち,関係者からの聴取記録や事実認定のために確認した資料などについて開示を請求したところ,厚生労働大臣が,同年7月25日付けで,請求対象文書の一部を開示したが,その余については,①情報公開法5条1号に該当し,同号ただし書イないしハのいずれにも該当しない,②同条2号イに該当する,③同条6号柱書きに該当する,④同条6号ロに該当する不開示情報が記録されているとして,不開示とする旨の決定をした(なお,厚生労働大臣は,本件訴えの提起後である平成24年2月15日付けで,同決定を変更し,同決定により不開示とした部分の一部を開示する旨の決定をした)ことから,原告が,その一部の取消しを求める事案である。第2事件は,原告が,厚生労働大臣に対し,平成24年8月22日付けで,情報公開法に基づき,本件調査報告書に関連する行政文書のうち,上記開示請求において請求対象文書として扱われなかったもの(別紙3不開示事由整理票において「本件添付ファイル2」及び「本件添付ファイル4」とされる文書)などについて開示を請求したところ,厚生労働大臣が,同年9月6日付けで,請求対象文書の一部を開示し,その余については,①情報公開法5条2号イに該当する,②同条5号に該当する,③同条6号ロに該当するなどとして,不開示とする旨の決定をしたことから,原告が,その一部の取消しを求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,文中記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実) 原告原告は,薬害の防止を目的として,危険な薬についての情報収集,調査検討,情報提供を行い,厚生労働省や製薬企業等に対し,薬害を防止するために必要な活動をするように各種の働きかけを行っている民間 原告は,薬害の防止を目的として,危険な薬についての情報収集,調査検討,情報提供を行い,厚生労働省や製薬企業等に対し,薬害を防止するために必要な活動をするように各種の働きかけを行っている民間の医薬品監視機関である。 a訴訟の経緯等についてア a(有効成分ゲフィチニブ)は,がん細胞増殖に関連する上皮成長因子受容体(EGFR)のシグナル伝達経路を選択的に遮断することによって,がん性腫瘍に対する腫瘍縮小効果を発揮する分子標的薬であり,効果・効能を手術不能又は再発非小細胞肺がんとする抗がん剤である。イ aを服用した患者及びaを服用した後に死亡した患者の遺族らは,平成16年以降,順次,b株式会社(以下「b社」という。)が厚生労働大臣の輸入承認を得て輸入販売したaの副作用により間質性肺炎を発症し,若しくは増悪させ,又は間質性肺炎により死亡したものであり,aの輸入承認をした厚生労働大臣の行為には国家賠償法上の違法があり,また,b社には製造物責任又は不法行為責任があるなどとして,国に対しては,国家賠償法1条1項に基づき,b社に対しては,製造物責任法3条又は不法行為に基づき,損害賠償等を請求する訴えを大阪地方裁判所及び東京地方裁判所に提起した(以下,大阪地方裁判所に提起された訴えに係る訴訟を「a大阪訴訟」と,東京地方裁判所に提起された訴えに係る訴訟を「a東京訴訟」といい,これらを併せて「a訴訟」という。また,a訴訟の原告らを併せて「a訴訟原告」ともいう。)。ウ大阪地方裁判所は,平成22年7月30日,a大阪訴訟の口頭弁論を終結し,また,東京地方裁判所は,平成22年8月25日,a東京訴訟の口頭弁論を終結した。そして,大阪地方裁判所及び東京地方裁判所は,a訴訟原告,国及びb社に対し,平成 訴訟の口頭弁論を終結し,また,東京地方裁判所は,平成22年8月25日,a東京訴訟の口頭弁論を終結した。そして,大阪地方裁判所及び東京地方裁判所は,a訴訟原告,国及びb社に対し,平成23年1月7日,国及びb社にはaを服用した患者らのうち一定の範囲の者の救済を図るべき責任があるとして,和解を勧告した(以下「本件和解勧告」という。甲3の6,甲6の2,3,甲22,乙9)。a訴訟原告は,大阪地方裁判所及び東京地方裁判所に対し,平成23年1月12日,本件和解勧告を受け入れる旨回答した(甲7)。他方で,b社は,大阪地方裁判所及び東京地方裁判所に対し,平成23年1月24日,本件和解勧告は受け入れることができない旨回答した。国も,大阪地方裁判所及び東京地方裁判所に対し,平成23年1月28日,本件和解勧告は受け入れることができない旨回答した。その際,厚生労働省は,「a訴訟和解勧告に関する考え方」(甲15)及び参考資料(甲16)を公表した。(甲15,16,22,乙9)エ大阪地方裁判所は,平成23年2月25日,a大阪訴訟原告らの国に対する請求をいずれも棄却し,同訴訟原告らの一部につきb社に対する請求を一部認容する旨の判決(以下「a大阪訴訟地裁判決」という。)をし,また,東京地方裁判所は,平成23年3月23日,a東京訴訟原告らの一部につき国及びb社に対する請求を一部認容する旨の判決(以下「a東京訴訟地裁判決」という。)をした。a大阪訴訟地裁判決に対しては,同訴訟原告ら及びb社が控訴を提起し,また,a東京訴訟地裁判決に対しては,同訴訟原告ら,国及びb社が控訴を提起した。オ東京高等裁判所は,平成23年11月15日,原判決の請求認容部分を取り消し,a東京訴訟原告らの請求 起し,また,a東京訴訟地裁判決に対しては,同訴訟原告ら,国及びb社が控訴を提起した。オ東京高等裁判所は,平成23年11月15日,原判決の請求認容部分を取り消し,a東京訴訟原告らの請求をいずれも棄却する旨の判決(以下「a東京訴訟高裁判決」という。)をし,大阪高等裁判所は,平成24年5月25日,原判決の請求認容部分を取り消し,a大阪訴訟原告らの請求をいずれも棄却する旨の判決(以下「a大阪訴訟高裁判決」という。)をした。a東京訴訟高裁判決及びa大阪訴訟高裁判決に対し,a訴訟原告が上告を提起するとともに上告受理の申立てをした。カ最高裁判所は,a東京訴訟について,平成25年4月2日,上告を棄却する旨の決定をするとともに,国に対する請求部分につき上告審として事件を受理せず,b社に対する請求部分につき一部理由を排除して上告審として事件を受理する旨の決定をし,同月12日,上告を棄却する旨の判決をし,また,a大阪訴訟について,同日,上告を棄却するとともに,上告審として事件を受理しない旨の決定をした。 検証チームの設置及び本件調査報告書の作成の経緯等についてア大阪地方裁判所及び東京地方裁判所は,a訴訟原告,国及びb社に対し,平成23年1月7日,本件和解勧告を行い,a訴訟原告は,大阪地方裁判所及び東京地方裁判所に対し,同月12日,本件和解勧告を受け入れる旨回答した(上記ウ)。      イ c学会,d学会及び独立行政法人国立がん研究センターは,平成23年1月24日付けで,国が本件和解勧告を受け入れることについて消極的な見解ないし声明を公表した。また,e学会の会長は,個人名を用いて,同月23日付けで発行されたメールマガジン及び同月24日付けで掲載されたe学会のホームペ 本件和解勧告を受け入れることについて消極的な見解ないし声明を公表した。また,e学会の会長は,個人名を用いて,同月23日付けで発行されたメールマガジン及び同月24日付けで掲載されたe学会のホームページ上の記事において,同様の意見を公表した(甲11,22,43,乙9)。      ウ国は,東京地方裁判所及び大阪地方裁判所に対し,平成23年1月28日,本件和解勧告を受け入れることができない旨回答した(上記ウ)。      エ平成23年2月24日,上記イのとおり学会等が見解等を公表したことについて,厚生労働省が事前に学会関係者等の一部に対し声明文案を提供した旨の報道がされた(甲17ないし19)。そして,同日,衆議院予算委員会において,厚生労働省職員が学会関係者等に対して声明文案を提供していたか否かが厚生労働大臣に質問され,細川律夫厚生労働大臣(当時。 以下「細川大臣」という。)は,事実関係を調査したい旨答弁した(甲20)。      オ細川大臣の指示により,平成23年3月3日付けで,厚生労働省内に,g厚生労働大臣政務官(当時。以下「g政務官」という。)を主査,h参議院議員(前厚生労働大臣政務官。当時)及びi弁護士を副主査とし,厚生労働省大臣官房総務課を事務局として,「a訴訟問題検証チーム」(検証チーム)が設置された(以下,上記のとおり学会等が見解等を公表するに当たって厚生労働省職員が学会関係者等に接触したり,声明文案を提供するなどしたことについての問題を「a訴訟問題」という。甲22,乙1,9)。 なお,検証チームは,「a訴訟問題検証チーム設置要綱」に基づいて設置されたものであり(甲22,乙9),法令に基づいて設置されたものではなか った。      カ検証チームは, なお,検証チームは,「a訴訟問題検証チーム設置要綱」に基づいて設置されたものであり(甲22,乙9),法令に基づいて設置されたものではなか った。      カ検証チームは,平成23年3月3日から同年5月24日までの間,a訴訟問題について調査した(以下「本件調査」という。甲22,乙9)。検証チームによる主な調査事項は,以下のとおりであった(甲22,乙9)。ア a訴訟の本件和解勧告に関し,厚生労働省関係者が学会関係者に接触していたか。イ 上記アの事実があった場合,厚生労働省関係者から学会関係者に対し,和解勧告に対する見解の公表を要請していたか。ウ 上記ア及びイの事実があった場合,厚生労働省関係者から学会関係者に対し,声明文案を提供していたか。エ 上記アないしウについて,厚生労働省の職務の執行の観点から,不適正な行為や改善すべき事項があったか。      キ検証チームは,まず,厚生労働省関係者から事情を聴取するとともに学会関係者に提供された資料を確認し,学会関係者への接触の有無等の事実を把握し,次に,厚生労働省関係者と接触があったとされる学会関係者から事情を聴取し(以下,本件調査における関係者からの事情聴取を「本件事情聴取」という。),上記アないしウについての事実関係を明らかにした上,上記エについて考察した。検証チームは,平成23年3月3日から同年5月24日までの間,合計15回の会合を開催し,この間,上記のとおり,厚生労働省関係者や学会関係者から事情を聴取したり,資料の提供を受けるなどするとともに,論点や方針の整理等を行った(甲22,乙9)。検証チームは,厚生労働省医薬食品局( ,上記のとおり,厚生労働省関係者や学会関係者から事情を聴取したり,資料の提供を受けるなどするとともに,論点や方針の整理等を行った(甲22,乙9)。検証チームは,厚生労働省医薬食品局(以下「医薬食品局」という。)からの申告,提出された電子メール等の関係資料,順次行われた事情聴取の結果を踏まえ,事実関係の把握に必要な者を選定した。そして,検証チームは,上記の調査事項を調査するため,厚生労働省関係者13人及び学会 関係者7人を対象者として,延べ41回,本件事情聴取をした(甲22,乙9)。検証チームは,本件事情聴取に係る回答内容を被聴取者ごとに回答記録として書面化し,本件被聴取者に内容を確認させるとともに,署名,押印させ,冒頭に本件被聴取者ごとの目次を付した上でその各回答記録をまとめたもの(以下「本件聴取記録」という。)を作成した(甲3の1)。ク検証チームは,本件調査に当たり,a訴訟問題に関する各種資料として,①厚生労働省関係者が作成した,学会関係者の見解の内容及びその公表状況に関する資料(以下「本件見解状況資料」という。甲3の2,乙10[1ないし11]),②医薬食品局安全対策課長名義の要請書2通(以下「本件要請書」という。甲3の3),③厚生労働省関係者から学会関係者に対して送信された電子メール3通(以下「本件メール」という。甲3の4,甲38[1],乙10[12ないし14])を印刷した文書,④本件メールに添付されたファイルを印刷した文書(このうち,平成23年1月26日に送信されたメールに添付されたファイル4通をそれぞれ「本件添付ファイル1ないし4」という。甲3の5,甲38[2ないし5],乙10[15,16]),⑤東京地方裁判所が本件和解勧告に際して当事者に交付した「和解勧告及び所見」と題する書面(甲3の6),⑥ 本件添付ファイル1ないし4」という。甲3の5,甲38[2ないし5],乙10[15,16]),⑤東京地方裁判所が本件和解勧告に際して当事者に交付した「和解勧告及び所見」と題する書面(甲3の6),⑥aの添付文書(甲3の7)その他各種資料の提出を受け,これを確認した(甲22,乙9)。ケ検証チームは,本件調査の結果を踏まえ,調査報告書(本件調査報告書。 甲22,乙9)及びその概要をまとめた「a訴訟問題検証チーム調査報告書概要」と題する文書(乙8)を作成し,平成23年5月24日,これを厚生労働大臣に提出した。厚生労働省は,同日,本件調査報告書等を公表した(甲22,乙9)。 本件調査報告書の内容等について(甲22,乙8,9)ア本件調査報告書においては,以下の事実が認定されている(なお,この項における個人,団体又は法人の略称は,本件調査報告書に記載されてい るものである。)。ア 平成23年1月7日,東京・大阪両地方裁判所がa訴訟に関して和解勧告を行ったことから,国では,内閣官房,法務省,医薬食品局を中心として,対応策を検討していた。イ 医薬食品局は,和解勧告の受諾に消極的であったところ,厚生労働大臣政務官から,和解勧告に対する世間の様々な意見を広く収集するよう指示を受け,個別に意見収集を始めた。ウ 医薬食品局は,同月19日夕方の新聞夕刊に,和解勧告を受諾するべきであるとのj意見(元厚生労働省職員のjの意見)が掲載されたことを契機として,医薬食品局長主宰の局議において,和解勧告の受諾に積極的な意見が多数を占めるメディア対策として,慎重な意見が多いと思われる学会等に対し,翌週前半までに見解を公表するよう要請するべきであり,そのためには,各自の能力に応じて,やれ ,和解勧告の受諾に積極的な意見が多数を占めるメディア対策として,慎重な意見が多いと思われる学会等に対し,翌週前半までに見解を公表するよう要請するべきであり,そのためには,各自の能力に応じて,やれることは何でもやるべきであるとの方針がまとまった。かかる方針に基づき,同局の職員らが中心となって,特定の学会などへの働きかけを開始することになった。エ 同月19日夕方,医薬食品局甲室長は,ウ記載の方針に基づき,別件でA学会のア氏に電話した際,同学会の和解勧告に対する意見を聞いた。 同学会としては,和解勧告の受諾に懸念を表す声明を出す予定との回答だったので,同学会の見解を聞かせてほしいと要請した。オ 同月19日夕方,医薬食品局甲室長は,ウ記載の方針に基づき,B学会のイ氏に電話し,同学会の和解勧告に対する意見を確認した。イ氏個人としては,受諾に慎重な意見であり,厚生労働省の要請書があれば同学会として対応するとの回答だったので,同日夜,上司の安全対策課長とともに同課長名義の要請書を作成した。カ 同月20日,医薬食品局甲室長が,ウ記載の方針に基づき,ア氏とイ氏にそれぞれメールにて,和解勧告の受諾に消極的な見解の公表を求め る趣旨で,上記要請書と資料を送付した。キ 同月20日,医薬食品局甲室長と乙職員は,ウ記載の方針に基づき,局内において,他の職員の意見を聴取しつつ,C学会名義の和解勧告の受諾に懸念を示す声明文案を作成した。ク 同月20日,医薬食品局甲室長と乙職員は,ウ記載の方針に基づき,D学会ウ氏と面談し,D学会の和解勧告に対する見解を確認した。ウ氏個人としては,和解勧告の受諾に慎重な意見という回答だったので,論点表,和解勧告及びC学会名義の 乙職員は,ウ記載の方針に基づき,D学会ウ氏と面談し,D学会の和解勧告に対する見解を確認した。ウ氏個人としては,和解勧告の受諾に慎重な意見という回答だったので,論点表,和解勧告及びC学会名義の上記声明文案を示し,D学会として見解を公表するよう要請した。また,両名は,上記面談後,同学会関係者エ氏とも面談したところ,エ氏個人としては,和解勧告の受諾に慎重な意見という回答だったので,上記資料を示した上で,見解を公表するよう要請した。ケ 同月21日,大臣官房審議官(医薬担当)と医薬食品局甲室長は,ウ記載の方針に基づき,C学会オ氏と面談し,論点表,和解勧告及びC学会名義の上記声明文案を示し,同学会として見解を公表するよう要請した。オ氏としては,既に他の団体から和解勧告の受諾に慎重な見解の公表を要請されていたところ,厚生労働省の職員からも同様の要請を受けたことから,個人としてなら和解勧告の受諾に慎重な見解を出せるかもしれないと回答した。コ 同月21日,D学会のウ氏が医薬食品局甲室長と乙職員に対し,メールにて,同学会の見解案を送付したが,結局,同学会はこれを公表しなかった。サ 同月21日,保険局丙職員は,E学会が和解勧告に関する見解の発表を準備中であるとの情報を得た事務次官の指示に基づき,E学会カ氏に対し,同学会の和解勧告に対する見解の表明の時期を確認した。同学会としては,和解勧告の受諾に慎重な見解の公表又は記者会見の予定があ るとの回答だったが,結局,同学会はこれを公表しなかった。シ 同月23日,オ氏が,メルマガ上に,個人的な意見として和解勧告に懸念を示す見解を公表した。ス 同月24日,オ氏が,C学会HP上に,個人的な意見として和解勧告に懸念 シ 同月23日,オ氏が,メルマガ上に,個人的な意見として和解勧告に懸念を示す見解を公表した。ス 同月24日,オ氏が,C学会HP上に,個人的な意見として和解勧告に懸念を示す見解を掲載し,B学会が,HP上に,和解勧告に慎重な見解を掲載し,A学会が,HP上に,和解勧告に懸念を表する見解を掲載し,b社が,和解勧告の受諾を拒否した。セ 同月26日,F学会のキ氏は,学会関係者から学会として和解勧告に関して見解を出すべきであると要請されていたことから,別件で医薬食品局甲室長に架電した際,同室長に対し,和解勧告に関する関係資料の送付を依頼した。かかる依頼を受けた同室長は,ウ記載の方針に基づき,キ氏に対し,見解の早期公表を要請した後,声明文案,G患者の会の見解,C学会のオ氏のメルマガ上の見解,H法人の見解を送付した。イ本件調査報告書における結論は,以下のとおりであった。ア 厚生労働省の職員が,複数の学会・個人に対して,関連資料や自ら作成した声明文案を提供するなどして,和解勧告の受諾に慎重な見解の表明を要請したという事実はあった。        イ 学会等に見解の公表を求めることは,国民に対し,多様な意見が存在することを示し,かつ,厚生労働省の従前の施策に対する信頼感を高めようとするもので,通常の職務の執行の範囲内であったと考える。また,学会や個人に対する働きかけの結果,公表された見解自体に不当な影響力が及んでいたとまでは認められない。        ウ しかし,本来,学会で独自に作成すべき声明文案を提供するのは,過剰なサービスであり,各学会や個人が独立して行うべき内部意思決定過程に介入したことにもなるのではないかと考えられる    ウ しかし,本来,学会で独自に作成すべき声明文案を提供するのは,過剰なサービスであり,各学会や個人が独立して行うべき内部意思決定過程に介入したことにもなるのではないかと考えられる。よって,声明文案を提供して見解の表明を要請したことについては,公務員としては行き過ぎた行為であったといわざるを得ない。ウ厚生労働省は,上記イウの点が社会に対する厚生労働省の信用を失墜させたと認められることを理由として,平成23年5月24日付けで,局長,審議官及び室長以下2名につき訓告の措置を,事務次官及び課長3名につき文書による厳重注意の措置を行った(乙27)。 原告による第1事件に係る行政文書の開示請求原告は,本件調査報告書の調査及び結論の妥当性を判断するためには,本件調査報告書の調査過程及び内容が全面的に明らかにされる必要があるとの考えから,厚生労働大臣に対し,平成23年6月24日,情報公開法に基づき,開示を求める文書を以下のア及びイのとおりとして,行政文書の開示請求をした(甲1)。ア検証チーム作成の平成23年5月24日付け本件調査報告書に関連する下記の文書(以下「本件対象文書1」という。)ア 本件調査報告書4頁「2 調査の体制と概要」に記載された延べ41回の聴取の結果を記録した文書イ 本件調査報告書4頁「2 調査の体制と概要」記載の「資料」,同記載の「確認したメール等の関係資料」,その他本件調査報告書作成に当たって検証チームが事実認定のために確認した資料全て。ただし,本件調査報告書13頁「第3 資料一覧」記載の資料を除く。ウ 本件調査報告書5頁「3 認定した事実」記載の局議の開催時間,出席者の氏名,議 定のために確認した資料全て。ただし,本件調査報告書13頁「第3 資料一覧」記載の資料を除く。ウ 本件調査報告書5頁「3 認定した事実」記載の局議の開催時間,出席者の氏名,議事の内容が記載された文書イ a訴訟において平成23年1月7日に東京地方裁判所及び大阪地方裁判所から示された本件和解勧告について,省内での検討ないし第三者に対する説明のために作成された,本件和解勧告の内容及びこれに対する厚生労働省の評価を記載した文書(以下「本件対象文書2」という。)  厚生労働大臣による第1事件に係る一部開示決定等ア厚生労働大臣は,平成23年7月22日付けで,本件対象文書2に係る開示請求について,請求対象文書を「a訴訟への対応について(案)」,「a訴訟和解勧告に関する考え方」,「和解勧告の概要」,「所見の内容と問題点」,「新規抗がん剤開発との関係」,「臨床研究との関係」と特定した上,その一部を開示するとの決定をした(甲4)。なお,原告は,上記の一部開示決定については,本訴において取消しを求めていない。イ厚生労働大臣は,平成23年7月25日付けで,本件対象文書1に係る開示請求について,請求対象文書を「a訴訟問題検証チームが行った,関係者からの聴取の回答記録」(本件聴取記録。甲3の1),検証チームが確認した資料のうちの「関係者の見解の状況に関する資料」(本件見解状況資料。甲3の2,乙10[1ないし11]),「安全対策課長名義の要請書(A・B学会あて)」(本件要請書。甲3の3),「室長からA・B・F学会関係者に対して送信されたメール本文及び添付ファイル」(本件メール及び本件添付ファイル3。甲3の4,5,甲38,乙10[12ないし16]),「和解勧告及び所見」(本 3),「室長からA・B・F学会関係者に対して送信されたメール本文及び添付ファイル」(本件メール及び本件添付ファイル3。甲3の4,5,甲38,乙10[12ないし16]),「和解勧告及び所見」(本件和解勧告書。甲3の6),「aの添付文書」(甲3の7)と特定した上,その一部を開示し,その余については不開示とする旨の決定(以下「本件処分1」という。甲2)をした。厚生労働大臣は,本件対象文書1のうち一部を不開示とした理由を,以下のとおり示した。ア 個人に関する情報であって,当該情報に含まれる記述等により特定の個人を識別することができるものについては,情報公開法5条1号に該当し,同号ただし書イないしハのいずれにも該当しないためイ 法人その他の団体に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものについては,情報公開法5条2号イに該当するため          ウ 検証チームが行った関係者からの聴取の回答記録については,当該聴取は被聴取者の任意の協力の下で行われたものであり,開示した場合,被聴取者との信頼関係が損なわれるなどし,今後,同種の調査が必要となったときに,率直な意見等を聴取することができなくなる等の可能性があることから,情報公開法5条6号柱書きに該当するためエ 関係者の見解の状況に関する資料,室長からA・B・F学会関係者に対して送信されたメール本文並びに和解勧告及び所見については,検証チームが検証のために確認した情報であるとともに,国家賠償訴訟に対する国の争訟方針等の検討過程に関する情報や,裁判所から公開しないように求められている事項に係る情報であり,開示した場合, ては,検証チームが検証のために確認した情報であるとともに,国家賠償訴訟に対する国の争訟方針等の検討過程に関する情報や,裁判所から公開しないように求められている事項に係る情報であり,開示した場合,争訟に係る事務に関し,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものであることから,情報公開法5条6号ロに該当するためオ 開示請求のあった行政文書のうち「局議の開催時間,出席者の氏名,議事の内容が記載された文書」については,当該行政文書を作成・取得しておらず,これを保有していないためウ g政務官は,本件処分1に先立つ平成23年7月12日,参議院厚生労働委員会において,本件調査の結果の基礎となった回答記録や関係資料を開示しない理由を問われ,「ヒアリングにおいて正確な事実関係を確認すること,これが一番求められたことでございます。その意味で,公表を前提とせず任意で協力をいただいたものである。(中略)このため,ヒアリング結果の記録を公表することは差し控えをさせていただきたい。また,関係資料については,学会関係者の個人名が特定できるもの等を除いて,報告書に添付し,既に公表している」旨答弁した(乙7)。 原告による第1事件に係る訴えの提起原告は,平成23年10月20日,本件処分1の一部を不服として,その取消しを求め,第1事件に係る訴えを提起した(以下,原告が第1事件に係る訴えにおいて取消しを求める不開示部分を「本件不開示部分1」という。)。なお,原告は,本件処分1のうち,「和解勧告及び所見」(本件和解勧告書。 甲3の6)及び「局議の開催時間,出席者の氏名,議事の内容が記載された文書」を不開示とした部分については,本件訴えにおいて取消しを求めていない。  厚生労働大臣 所見」(本件和解勧告書。 甲3の6)及び「局議の開催時間,出席者の氏名,議事の内容が記載された文書」を不開示とした部分については,本件訴えにおいて取消しを求めていない。  厚生労働大臣による第1事件に係る変更決定厚生労働大臣は,平成24年2月15日付けで,本件対象文書1につき,本件処分1において不開示とされた部分の一部について開示する旨の決定をした(甲42,乙10,19)。  原告による第2事件に係る行政文書の開示請求原告は,厚生労働大臣に対し,平成24年8月22日,情報公開法に基づき,開示を求める文書を以下のとおりとして,行政文書の開示請求をした(甲36)。検証チーム作成の平成23年5月24日付け本件調査報告書にいうところの「医薬食品局甲室長」が,「F学会キ氏」に対し,平成23年1月26日に送付した電子メール及びその添付ファイル(以下「本件対象文書3」という。) 厚生労働大臣による第2事件に係る一部開示決定厚生労働大臣は,平成24年9月6日付けで,本件対象文書3に係る開示請求について,請求対象文書を「室長からF学会関係者に対して送信されたメール本文及び添付ファイル」と特定した上,その一部を開示し,その余については不開示する旨の決定(以下「本件処分2」という。)をした(甲37)。これに対し,原告の代理人は,厚生労働省大臣官房総務課情報公開文書室に対し,平成24年9月21日,「連絡書」と題する文書(甲39)をファックスで送付し,本件対象文書3のうち本件処分2により不開示とした部分について,更に特定をするとともに,不開示とした理由を明示するように求めた(甲39)。これを受け,厚生労働省大臣官房総務課は,原告の代理人に対し,平成2 2により不開示とした部分について,更に特定をするとともに,不開示とした理由を明示するように求めた(甲39)。これを受け,厚生労働省大臣官房総務課は,原告の代理人に対し,平成24年10月5日付け事務連絡「平成24年9月21日付け連絡書について」(甲40)を送付し,本件対象文書3のうち本件処分2により不開示とした部分について,以下のとおり更に特定をするとともに,不開示とした理由を明示した。同事務連絡においては,本件対象文書3として特定された「室長からF学会関係者に対して送信されたメール本文及び添付ファイル」は,「メール本文」(本件メール),「添付ファイル1ないし4」(本件添付ファイル1ないし4)の各文書で構成されること,本件添付ファイル2は上記「G患者の会の見解」に,本件添付ファイル4は上記「H法人の見解」に,それぞれ該当することが示されているとともに,本件対象文書3のうち原告が第2事件に係る訴えにおいて不開示決定の取消しを求める本件添付ファイル2及び本件添付ファイル4を全部不開示とした理由は,以下のとおり示されている。ア本件添付ファイル2についてア 法人その他の団体に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等の利益,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものであり,情報公開法5条2号イに該当するためイ 国家賠償請求訴訟の和解勧告に対する国の意思決定過程における審議,検討又は協議に関する情報であり,公にすることにより,率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある情報であることから,情報公開法5条5号に該当するためウ 国家賠償請求訴訟に対する国の争訟方針等の検討過程に関する情報及び行政処分取消請求事件に 中立性が不当に損なわれるおそれがある情報であることから,情報公開法5条5号に該当するためウ 国家賠償請求訴訟に対する国の争訟方針等の検討過程に関する情報及び行政処分取消請求事件において現在係争中の事項に関する情報であり,公にすることにより,争訟に係る事務に関し,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものであることから,情報公開法5条6号ロに該当するためイ本件添付ファイル4についてア 国家賠償請求訴訟の和解勧告に対する国の意思決定過程における審議,検討又は協議に関する情報であり,公にすることにより,率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある情報であることから,情報公開法5条5号に該当するためイ 国家賠償請求訴訟に対する国の争訟方針等の検討過程に関する情報及び行政処分取消請求事件において現在係争中の事項に関する情報であり,公にすることにより,争訟に係る事務に関し,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものであることから,情報公開法5条6号ロに該当するため 原告による第2事件に係る訴えの提起原告は,平成24年10月16日,本件処分2のうち,本件添付ファイル2及び本件添付ファイル4を全部不開示とした部分の取消しを求め,第2事件に係る訴えを提起した(以下,原告が第2事件に係る訴えにおいて取消しを求める不開示部分を「本件不開示部分2」という。)。 3 争点本件の争点は,本件処分1(平成24年2月15日付け決定による変更後のもの)及び本件処分2の適法性であり,具体的には,本件不開示部分1及び2(以下これらを単に「本件不開示部分」という。)に記録されている情報が,①情報公開法5条6号柱書きに規定 付け決定による変更後のもの)及び本件処分2の適法性であり,具体的には,本件不開示部分1及び2(以下これらを単に「本件不開示部分」という。)に記録されている情報が,①情報公開法5条6号柱書きに規定する不開示情報に当たるか否か,②同条6号柱書き及びロに規定する不開示情報に当たるか否か,③同条5号に規定する不開示情報に当たるか否か,④同条1号本文に規定する不開示情報に当たり,かつ,同号イ又はハに規定する情報に当たらないか否か,⑤同条2号イに規定する不開示情報に当たるか否かである。 4 争点についての当事者の主張別紙4当事者の主張記載のとおり。なお,本件不開示部分の不開示事由該当性についての被告の主張の概要は,別紙3不開示事由整理票「被告の主張」欄記載のとおりである。第3 当裁判所の判断 1 本件聴取記録について 認定事実上記前提事実,争いのない事実,証拠(甲22,乙9のほか文中記載のもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。      ア作成経緯及び構成等          本件聴取記録は,検証チームが行った本件被聴取者20名に対する本件事情聴取に係る回答内容を被聴取者ごとに回答記録として書面化し,本件被聴取者の各回答記録をまとめ,冒頭に目次を付した文書である(前提事実キ。なお,本件聴取記録各ページ右下に手書きで記載された通しページ数により,本件聴取記録のページを示す。)。本件聴取記録は,目次部分(1ページ及び2ページ)及び本件被聴取者ごとに回答内容を記載した回答記録部分(3ページないし75ページ)により構成されている(別紙5参照)。      イ目次部分の構成等ア 1ページ目     ごとに回答内容を記載した回答記録部分(3ページないし75ページ)により構成されている(別紙5参照)。      イ目次部分の構成等ア 1ページ目            本件聴取記録の「厚生労働省関係者」に関する目次部分である。各行冒頭の番号ごとに,1行目に本件被聴取者のうち厚生労働省関係者(いずれも厚生労働省職員である。)13名の氏名が,2行目に本件事情聴取時における役職及び本件聴取記録における通しページが記載されている(別紙5[1]参照)。イ 2ページ目            本件聴取記録の「学会関係者」に関する目次部分である。各行冒頭の番号ごとに,1行目に本件被聴取者のうち学会関係者である個人7名の氏名が,2行目に当該学会関係者の所属する学会名又は国立大学法人名及び当該学会又は国立大学法人における本件事情聴取時の役職(なお,うち1名については,その者が過去に役員であった学会名及び当該学会における過去の役職が併記されている。)並びに本件聴取記録における通しページが記載されている(別紙5[2]参照)。      ウ回答記録部分(3ページないし75ページ)の構成等          回答記録部分は,本件被聴取者20名の各回答記録によって構成されている。各回答記録には,冒頭に回答者の役職及び氏名が記載される欄が,続けて,回答結果を記載する欄があり,末尾に「以上,確認しました。」との確認文言に続けて日付欄,被聴取者の署名・押印をする欄が設けられている(別紙53以下参照)。なお,57ページ下部の3か所,59ページ下部(2つの署名押印欄の下),60ページ,63ページ,71ページ右側及び署名押印欄の直下 取者の署名・押印をする欄が設けられている(別紙53以下参照)。なお,57ページ下部の3か所,59ページ下部(2つの署名押印欄の下),60ページ,63ページ,71ページ右側及び署名押印欄の直下部分,75ページ下部(署名押印欄の下)には,当該被聴取者自身による回答結果の訂正が,手書き(57ページ,59ページ,71ページ,75ページ)あるいは別途作成した書面を検証チームに提出する(60ページ,63ページ)といった形式で行われている。          また,61ページないし63ページの回答記録には署名押印欄が2か所あるが,63ページ自体が,当該被聴取者自身において別途作成した訂正書面であり,同ページの署名押印欄は,訂正書面の署名押印欄である。71ページ最下部(「3」という当該回答記録におけるページ記載と,「71」という本件聴取記録の通しページの記載との間)には,当該被聴取者が訂正内容を手書きで記載したのに併せてされた押印がされている。          さらに,59ページの2個の「署名又は印」欄は,上部のものは当該被聴取者の署名が,下部のものは検証チームの事務局であった厚生労働省大臣官房総務課職員の署名がされている。同職員は,本件被聴取者ではなく,当該回答記録(57ページないし60ページ)の回答記録案の作成を担当した職員であるが,当該被聴取者に対する事情聴取の終了後,当該被聴取者に回答記録案の確認を求める前に,当該被聴取者から回答内容の訂正を求める電話連絡があったため,同職員において,訂正内容を回答記録案に追記したが,当該部分を正式な回答記録とするためには自らの署名が必要と考え,当該被聴取者の署名押印欄の下に日付欄及び自己の署名押印欄を作成し,自らの氏名を自署したものである(本件 内容を回答記録案に追記したが,当該部分を正式な回答記録とするためには自らの署名が必要と考え,当該被聴取者の署名押印欄の下に日付欄及び自己の署名押印欄を作成し,自らの氏名を自署したものである(本件担当職員に係る日付欄には,本件担当職員が署名した日付が記載されている。)。回答記録部分には,厚生労働省関係者については,①学会関係者等との接触についての指示ないし接触を行うに至った経緯,②厚生労働省関係者の学会関係者等との接触の状況,③文書の作成の状況,④声明文案の提供の状況,⑤学会関係者等との接触の成果ないし接触が学会関係者等に与えた影響,⑥a訴訟問題についての反省ないし評価の各点について,具体的な記述がある。また,学会関係者については,①本件和解勧告に対する被聴取者自身ないし当該学会自身の見解,②厚生労働省関係者との接触以前における本件和解勧告についての対応,③厚生労働省関係者との接触の経緯及び状況,④厚生労働省からの資料ないし声明文案の受領の有無,⑤厚生労働省に対する声明文案の提供の要求の有無,⑥厚生労働省関係者から受領した声明文案の扱い,⑦公表した見解の作成経緯,⑧見解の公表の経緯,⑨厚生労働省関係者との接触が学会関係者等に与えた影響等の厚生労働省関係者との接触についての評価,⑩a訴訟問題についての各点について,具体的な記述がある。      エ不開示部分に記載されている情報          不開示部分は,別紙5のとおりであり,不開示部分に記録されている情報の概要は以下のとおりである(別紙3不開示事由整理票(1枚目)「情報の概要等」の「目次部分(1及び2ページ)」及び「回答記録部分(3ないし75ページ)」欄参照)。   ① 本件被聴取者である厚生労働省関係者 紙3不開示事由整理票(1枚目)「情報の概要等」の「目次部分(1及び2ページ)」及び「回答記録部分(3ないし75ページ)」欄参照)。   ① 本件被聴取者である厚生労働省関係者の氏名,押印  ② 本件被聴取者である厚生労働省職員の役職  ③ 本件被聴取者である学会関係者の氏名,押印  ④ 本件被聴取者である学会関係者の所属する学会名及び役職  ⑤ 本件被聴取者である学会関係者の所属する国立大学法人名及び役職  ⑥ 本件被聴取者である学会関係者が過去に役員であった学会名及び当該過去の役職  ⑦ 本件被聴取者の回答内容,訂正内容  ⑧ 本件担当職員の氏名  ⑨ 本件担当職員(厚生労働省職員(検証チーム事務局))の押印 検討ア本件聴取記録の①ないし⑦の情報が情報公開法5条6号柱書きに規定する不開示情報(事務事業情報)に当たるか否かについてア 情報公開法5条6号柱書きは,国の機関が行う事務に関する情報であって,公にすることにより,当該事務の性質上,当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示情報として規定する。この規定の文言からすれば,当該事務の性質上,当該事務と同種の事務が将来反復されることが予想され,かつ,当該事務に関する情報を開示することが将来の同種の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある場合も,同号の規定の適用が認められるものと解される。もっとも,上記の「適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」の有無の判断に当たっては,事務の根拠となる規定・趣旨に照らし,公益的な開示の必要性等の種々の利益を衡量した上での「適正な遂行」といえるものかどうかも検討することを要すると 行に支障を及ぼすおそれ」の有無の判断に当たっては,事務の根拠となる規定・趣旨に照らし,公益的な開示の必要性等の種々の利益を衡量した上での「適正な遂行」といえるものかどうかも検討することを要すると解される。イ 上記前提事実及び ウ,上記認定事実,証拠(乙7)並びに弁論の全趣旨によれば,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,a訴訟問題に関する検証チームが行った本件事情聴取における被聴取者の特定及び被聴取者の回答内容に関する情報であるところ,①本件事情聴取は,a訴訟問題に関し,厚生労働省において職務の執行の観点から不適正な行為があったかどうかを判定するために行われたこと,②a訴訟自体,社会的関心の高い訴訟であったことに加え,a訴訟問題の存在も報道され,国会でも取り上げられていたこと,③検証チームは,厚生労働大臣の指示により設置されたものにすぎず,本件被聴取者に対して事情聴取を強制する権限を有していなかったこと,④本件調査の主査であるg政務官は,本件事情聴取において,正確な事実関係を確認するため,回答記録を公表しないことを前提として本件被聴取者に対して任意の協力を求めたことが認められる。しかるに,将来において,本件事情聴取と同種の事務,すなわち,厚生労働省を含む中央省庁が,職務執行の適正さを内部的に調査するため,社会的関心事の高い事項につき,担当職員やその相手方となった者を対象として,その回答を公表しないことを前提として,任意の事情聴取を行うという調査事務を行うことが必要となることがあることは明らかであるところ,本件事情聴取によって得られた本件聴取記録の①ないし⑦の情報を開示するという取扱いが先例として確立すれば,将来,これと同種の公表を予定しない事情聴取に係る調査事務を行う場合において, であるところ,本件事情聴取によって得られた本件聴取記録の①ないし⑦の情報を開示するという取扱いが先例として確立すれば,将来,これと同種の公表を予定しない事情聴取に係る調査事務を行う場合において,調査対象者の任意の協力を得られないおそれや,事実に関する率直な回答が得られないおそれが生じるということができる。そうすると,本件事情聴取は,その事務の性質上,同種の事務が将来反復されることが予想され,かつ,当該事務に関する情報を開示することが同種事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものと認められる。他方,上記前提事実のとおり,検証チームは,本件聴取記録などに基づいて作成した本件調査報告書を公表しているところ,①同報告書には,事実関係の概要が記載されるとともに,参考資料が添付され,これらによって,見解の公表を要請した先の学会名などが明確に特定できないまでも推測可能なものとなっていること,②同報告書は,職員が学会関係者に対して声明文案を提供したことについては,公務員としては行き過ぎた行為であり,職務の執行の観点から不適正な行為があったとの結論を明らかにしていること,③厚生労働省は,上記の行為を非違行為に当たるものとして,関係職員に対して訓告等の措置を執っていることが認められるところ,これらの点を勘案すると,本件聴取記録の①ないし⑦の情報の開示の必要性は,上記で判示した同種事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれを排斥する程度に強いものとまではいい難い。以上によれば,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,情報公開法5条6号柱書きに規定する不開示情報に当たるというべきである。ウ これに対し,原告は,公表しないということを前提として事情聴取がされたのかどうかは全く不明であり,同様の趣旨を述 開法5条6号柱書きに規定する不開示情報に当たるというべきである。ウ これに対し,原告は,公表しないということを前提として事情聴取がされたのかどうかは全く不明であり,同様の趣旨を述べたg政務官の国会答弁だけでは何らこれを立証し得るものではなく,国会において細川大臣が厳格な調査と国会への報告を確約していたことからすれば,調査結果として具体的事実関係が公表されることが当然考えられるのであり,働きかけを受けた団体名まで非公表とするような前提があったとは考え難いと主張する。しかしながら,上記前提事実 ウのとおり,g政務官は,参議院厚生労働委員会において,ヒアリングにおいて正確な事実関係を確認するため,公表を前提とせず任意で協力をいただいたものであり,ヒアリングの結果の記録を公表することは差し控えをさせていただきたい旨答弁しているところ,この答弁の趣旨は,本件事情聴取が回答者とその回答内容を公表することを前提としないで行われたことをいうものであることは明らかである。また,細川大臣の平成23年2月24日の衆議院予算委員会における答弁(甲20)や,同年3月9日の衆議院厚生労働委員会における答弁(甲21),同月10日の参議院予算委員会における答弁(甲32)をみても,しっかり調査をしたい,厳格に調査をする,しっかり検証をしていきたい,あるいはきちっと御報告もしたいという抽象的な表現にとどまり,本件事情聴取により得られた回答内容をそのまま公表することを前提に調査を指示していたことまではうかがうことができない。そうすると,本件事情聴取は,本件被聴取者に対し任意の協力を求めた上で,本件被聴取者の率直な回答を得るため,回答者と回答内容を公表しないことを前提として実施されたことが認められるから,原告の上記主張は すると,本件事情聴取は,本件被聴取者に対し任意の協力を求めた上で,本件被聴取者の率直な回答を得るため,回答者と回答内容を公表しないことを前提として実施されたことが認められるから,原告の上記主張は採用することができない。また,原告は,本件調査の性質が任意の調査であるとしても,大臣政務官を主査とする検証チームによる本件事情聴取を厚生労働省職員が拒否するのは実際上不可能であることなどからして,聴取に支障が生じることにはならない旨主張する。しかしながら,上記のとおり,本件事情聴取は,a訴訟問題に関する職務執行の適正さを調査する目的で行われたもので,a訴訟問題については社会的な関心も高かったことからすると,このような状況で被聴取者を特定する情報や具体的な回答内容に関する情報が公表されることになれば,被聴取者において率直な回答を回避しようとする心情が働くのが通常であって,このことが的確な事実認定の妨げとなる可能性があるということができる。したがって,原告の上記主張は採用することができない。イ本件聴取記録の①ないし⑦の情報が情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報(争訟事務情報)に当たるか否かについてア 情報公開法5条6号柱書き及びロは,国の機関が行う争訟に係る事務に関する情報であって,公にすることにより,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものを不開示情報として規定する。この規定は,国が訴訟の当事者となっている場合,国の機関は,訴訟の局面に応じて対処方針を定め,訴訟活動に関する準備等を行うことになるところ,裁判所の面前で実際に行う訴訟活動とは別に,訴訟に係る内部的な対処方針や訴訟活動の準備等に関する情報が公開されて,相手方当事者が利用でき 処方針を定め,訴訟活動に関する準備等を行うことになるところ,裁判所の面前で実際に行う訴訟活動とは別に,訴訟に係る内部的な対処方針や訴訟活動の準備等に関する情報が公開されて,相手方当事者が利用できることになると,国の一方当事者としての地位が不当に害されることがあり得ることから,上記の情報を公開しないことにしたものと解される。イ 上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,①東京・大阪両地方裁判所が平成23年1月7日にa訴訟に関して和解勧告を行ったことから,内閣官房,法務省,医薬食品局などがその対応策を検討していたこと,②医薬食品局は,和解勧告の受諾に消極的であったところ,厚生労働大臣政務官から,和解勧告に対する世間の様々な意見を広く収集するように指示を受け,個別に意見収集を始めたこと,③同月19日の新聞夕刊に,和解勧告を受諾すべきであるとのj意見が掲載されたことから,これを契機として医薬食品局長主宰の局議が行われたこと,④同局議においては,メディア対策として,学会等に対して和解勧告の受諾に消極的な見解の公表を行うように働きかけるとの方針が定まったこと,⑤同日以降,同局職員がその方針に従って活動を行い,複数の学会等が和解勧告の受諾に消極的な見解を公表したこと,⑥国は,同月28日,裁判所に対し,和解勧告を受諾しない旨回答し,そのことに関する考え方を公表したことが認められる。そして,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,以上の事務処理の過程において,裁判所からの和解勧告に対して国の関係機関がいかなる検討を行っていたのか,医薬食品局の職員は学会関係者等とどのような接触をしていたのか,接触した学会関係者等は和解勧告に関してどのような意見を有していたのかなどの点に関する具体的な事実関係から成るものであるこ ,医薬食品局の職員は学会関係者等とどのような接触をしていたのか,接触した学会関係者等は和解勧告に関してどのような意見を有していたのかなどの点に関する具体的な事実関係から成るものであることが認められる。そうすると,これらの情報は,訴訟に係る内部的な対処方針や訴訟活動の準備等に関する情報であるといえるから,「争訟に係る事務に関する情報」に当たるというべきである。            また,本件処分1がされた平成23年7月当時,a訴訟は控訴審に係属中であったこと,これと同種訴訟が将来係属する可能性があることに照らせば,上記の事実関係に関して,本件調査報告書の概括的な記載を超える具体的で詳細な情報が開示され,相手方当事者がこれを入手し利用し得るという状況が生じることになれば,それは,薬害訴訟という事案の特性を勘案してもなお,民事訴訟が立脚する対立当事者間の公平を害するものと評価せざるを得ない。そうすると,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,公にすることにより,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものに当たるというべきである。            以上のとおりであるから,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報に当たると認められる。ウ これに対し,原告は,学会関係者に対する働きかけは,訴訟手続外において,訴訟外の第三者に対してされたものであるし,本件調査報告書によれば,働きかけは「国民一般に対して,従前の施策の正当性を広報し,その信頼感を高めようとする」ものであったというのであるから,このような働きかけは「争訟に係る事務」には当たらないと主張する。しかしながら,本件聴取記録の①ないし⑦の情 当性を広報し,その信頼感を高めようとする」ものであったというのであるから,このような働きかけは「争訟に係る事務」には当たらないと主張する。しかしながら,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,関係者に対する働きかけに関するものにとどまらず,和解勧告についての国の関係機関の検討ぶりや,和解勧告について学会関係者等が有していた意見をも含むものであることは上記イのとおりであるから,原告の上記主張はその前提において失当である。また,原告は,a訴訟問題は,国にとっては,一審段階における裁判所の和解勧告を拒否するに当たり,世論による批判を回避するための「メディア対策」として行われたものであって,その主張立証に関係するものではなく,その事実関係が公となったとしても,国が和解勧告を拒否して一審判決が下され,訴訟が上級審に係属している段階において,国の主張立証などの訴訟遂行に支障が生じるものではないし,主張立証に関係しない和解対応についての検討の経緯や意思形成過程が時後に明らかとなるからといって,その後の主張立証などの訴訟遂行に大きな不利益が生じるとは考え難いと主張する。しかしながら,「争訟に係る事務に関する情報」や「不当に害されるおそれ」の範囲を,原告が主張するように当該訴訟における主張立証それ自体のみに限定して解すべき根拠はないから,原告の上記主張はその前提において失当である。ウ本件聴取記録の①ないし⑦の情報が情報公開法5条5号に規定する不開示情報(意思形成過程情報)に当たるか否かについてア 情報公開法5条5号は,国の機関及び独立行政法人等の内部又は相互間における検討等に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれる ア 情報公開法5条5号は,国の機関及び独立行政法人等の内部又は相互間における検討等に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるものを不開示情報として規定する。この規定が設けられた趣旨は,国が終局的な意思決定に至るまでには,国の関係機関の内部及び相互間において,様々な観点から自由な意見交換等がされるべきであるところ,終局的な意思決定に至らない段階における中間的な検討状況に関する情報を公開することによって,外部からの過剰な干渉や無用な誤解が生じ,意思決定の中立性が不当に損なわれたり,率直な意見の交換が不当に妨げられることがあり得ることから,これを防止するために,上記の情報を公開しないことにしたものと解される。そして,このような趣旨に照らすと,上記の「率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」には,将来,同種の意見交換や意思決定が行われることが予想され,それが不当に損なわれるおそれがある場合も含むと解することが相当である。イ 上記,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件聴取記録は,裁判所からの和解勧告に対して国の関係機関間でどのような協議を行っていたのか,医薬食品局の職員は,局議でどのような協議を行っていたのか,接触すべき学会関係者等やその接触結果についてどのような協議を行っていたのかといった情報を含むものである。そうすると,これらは,国の機関の内部における審議,検討又は協議に関する情報に当たるということができる。また,裁判所からの和解勧告に対する対処方針を定めて訴訟活動に関する準備等を行うという争訟事務に関して国の担当部局の職員が内部でどのような協議を行っていたのかなど ということができる。また,裁判所からの和解勧告に対する対処方針を定めて訴訟活動に関する準備等を行うという争訟事務に関して国の担当部局の職員が内部でどのような協議を行っていたのかなどの情報に関し,本件調査報告書に記載された概括的なものを超える具体的で詳細なものが開示されることになれば,爾後,争訟事務を行うに当たって国の内部で本来行われるべき率直な意見の交換につき,萎縮的効果が働く蓋然性が高いといわざるを得ない。そうすると,本件聴取記録の①ないし⑦の情報を公開することにより,将来行われることが予想される同種の事務における率直な意見交換が不当に損なわれるおそれがあるということができる。以上のとおりであるから,本件聴取記録の①ないし⑦の情報は,情報公開法5条5号に規定する不開示情報に当たると解される。ウ これに対し,原告は,a訴訟問題においては,国は,和解勧告を拒否するという方針を定めた上で,その環境を整えるため,国による和解勧告受入れに否定的な見解の発表を学会等に要請していたにすぎず,当時の国の方針が,広く意見収集をした上で和解勧告受入れを判断するというものではなかったことは,厚生労働省職員による働きかけの対象に,和解勧告受入れに積極的な団体・個人が全く含まれていないことからも明らかであり,本件聴取記録は,「審議,検討又は協議に関する情報」に該当しないと主張する。しかしながら,上記イのとおり,和解勧告を拒否するという方針を定めた後においても,医薬食品局の職員は,学会関係者等に対する見解の公表要請に関する協議を行っていたのであるから,当該協議に関する情報が「審議,検討又は協議に関する情報」に当たることは否定できない。 したがって,原告の上記主張は採用することができな 等に対する見解の公表要請に関する協議を行っていたのであるから,当該協議に関する情報が「審議,検討又は協議に関する情報」に当たることは否定できない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。また,原告は,仮に,本件聴取記録に記載された情報が和解勧告を受け入れるかどうかという意思決定に関連するものとして「審議,検討又は協議に関する情報」に該当するとしても,本件開示請求は,その意思決定の後にされたものであるから,これが開示されたとしても,当該意思決定には何ら影響は与えず,将来の同種の意思決定に対する支障については,政策判断の後に,その判断過程の情報が開示請求されることは,むしろ情報公開制度の常態というべきであり,情報公開法5条5号がこのようなケースを広く対象としているものと解するべきではなく,他の不開示事由に該当する場合にのみ不開示とされれば足りるというべきであると主張する。しかしながら,上記アで判示したとおり,情報公開法5条5号が設けられた趣旨に照らせば,意思決定が終了したものに関する情報は一律に情報公開法5条5号に当たらないものと解することは相当ではなく,将来,同種の意見交換や意思決定が行われることが予想され,それが不当に損なわれるおそれがある場合も含まれると解釈できることは同号の文言上も明らかである。したがって,原告の上記主張は採用することができない。さらに,原告は,仮に情報公開法5条5号の適用があり得るとしても,不開示とされるのは,開示することの利益をしんしゃくしても,なお開示のもたらす支障が重大な場合であり,不開示とすることに合理性が認められる場合に限られるというべきであるが,本件聴取記録に記載された下書き問題に関する事実関係が事後に開示されたとしても,将 ,なお開示のもたらす支障が重大な場合であり,不開示とすることに合理性が認められる場合に限られるというべきであるが,本件聴取記録に記載された下書き問題に関する事実関係が事後に開示されたとしても,将来の訴訟における国の和解勧告受入れに関する「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性」が害されることになるとは考え難いと主張する。しかしながら,「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」につき,将来の訴訟における国の和解勧告受入れに限定しなければならない理由はないことは上記ア及びイで判示したとおりであるから,原告の上記主張はその前提において失当である。エ本件聴取記録の①ないし⑨の情報が,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報(個人識別情報)に当たり,かつ,同号イ(公にされている情報)又はハ(公務員等の職務遂行情報)に規定する情報に当たらないか否かについてア 情報公開法5条1号は,本文において,「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」を不開示情報として規定する一方で,「ただし,次に掲げる情報を除く。」と規定し,同号イにおいて,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」を,同号ハにおいて,「当該個人が公務員等である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当 公にされ,又は公にすることが予定されている情報」を,同号ハにおいて,「当該個人が公務員等である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当 該職務遂行の内容に係る部分」を不開示情報から除く情報として規定する。なお,この点に関連し,本件申合せ(乙12)は,「各行政機関は,その所属する職員(補助的業務に従事する非常勤職員を除く。)の職務遂行に係る情報に含まれる当該職員の氏名については,特段の支障の生ずるおそれがある場合を除き,公にするものとする。なお,特段の支障の生ずるおそれがある場合とは,以下の場合をいう。① 氏名を公にすることにより,情報公開法第5条第2号から第6号までに掲げる不開示情報を公にすることとなるような場合 ②氏名を公にすることにより,個人の権利利益を害することとなるような場合」と定めている。イ 上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件聴取記録は,目次部分と,本件被聴取者20名の各回答記録から成り,目次部分には,本件被聴取者に関する上記①ないし⑥の情報が記録されており,本件被聴取者20名の各回答記録には,上記①ないし⑨の情報が記録されていることが認められる。これらの情報のうち,上記①ないし⑥,⑧及び⑨の情報(氏名,役職,所属学会名等)は,いずれも個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,役職,所属する学会名その他の記述等により,あるいは職員録やホームページ等により容易に入手し得る情報と組み合わせることにより,特定の個人を識別することができるものと認められる。また,上記⑦の情報(回答内容等)は,目次部分及び各回答記録に記録されている本件被聴取者の上記①ないし⑥の情報(氏名,役職,所属学会名等)と一体となって,特定の 別することができるものと認められる。また,上記⑦の情報(回答内容等)は,目次部分及び各回答記録に記録されている本件被聴取者の上記①ないし⑥の情報(氏名,役職,所属学会名等)と一体となって,特定の個人を識別する情報を構成しているものと認められる。そうすると,本件聴取記録の①ないし⑨の情報は,いずれも情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報に当たるというべきである。次に,同号イについて検討するに,本件被聴取者に関する上記①ないし⑥の情報(氏名,役職,所属学会名等)は,「ガイドブック厚生労働省」又は当該学会若しくは当該国立大学法人のホームページにより公表されていることがうかがわれるが,これらは,上記のとおり,本件被聴取者に関する上記⑦の情報(回答内容等)と一体となって特定の個人を識別する情報を構成しており,本件事情聴取の対象となったという属性を帯びていると認められる。そして,この属性を勘案すると,本件被聴取者に関する上記①ないし⑦の情報は,慣行として公にされているものとはいえないから,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないというべきである。また,本件聴取記録の⑧及び⑨の情報は,本件被聴取者の回答記録に現れた本件担当者の氏名及び押印であり,本件担当者の氏名は,「ガイドブック厚生労働省」により公表されていることがうかがわれるが,上記認定事実によれば,回答記録は,本件被聴取者名義の文書として作成されたものであり,本件担当者が職務上その氏名の記載及び押印をすることが本来予定されていないものと認められる。この点を勘案すると,上記⑧及び⑨の情報は,慣行として公にされているものとはいえないから,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないというべきである。さらに,同号ハについて検討 。この点を勘案すると,上記⑧及び⑨の情報は,慣行として公にされているものとはいえないから,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないというべきである。さらに,同号ハについて検討するに,上記のとおり,本件聴取記録の②及び⑤の情報(本件被聴取者である厚生労働省職員の役職等)は,同⑦の情報(回答内容等)と一体となっているものであるところ,当該回答内容は,a訴訟問題に関し厚生労働省において職務の執行の観点から不適正な行為があったかどうかを判定するために行われた本件事情聴取に対する応答であって,職員の非違行為の有無を調査するために回答を求められたものであり,実際にも複数の厚生労働省職員の矯正措置(訓告,厳重注意(文書))の処分につながるものであったと認められる。そうすると,本件聴取記録の②及び⑤並びにこれと一体をなす⑦の情報は,職務の遂行に係る情報には当たらず,本件聴取記録の②及び⑤の情報は情報公開法5条1号ハにより公開すべきものとはいえないと解するべきである。ウ これに対し,原告は,①医薬食品局長が主宰する局議において決められた方針に従って組織的に行われた見解公表の要請が厚生労働省職員の職務執行として行われたものであることは疑いがなく,検証チームの本件調査報告書は,職務執行として行われたやり取りの確認作業の経過とその過程で作成取得された情報をまとめただけのものであり,情報公開法5条1号が個人識別情報に関して不開示事由としたような個人の正当な権利利益を害するおそれがある情報は,基本的に含まれておらず,本件和解勧告に対するこれらの対応は,厚生労働省職員のみならず,同省職員らに対応した学会関係者や独立行政法人の職員,他の中央官庁の職員にとっても,各人の職務の遂行なのであって,個人の私事に関する情 件和解勧告に対するこれらの対応は,厚生労働省職員のみならず,同省職員らに対応した学会関係者や独立行政法人の職員,他の中央官庁の職員にとっても,各人の職務の遂行なのであって,個人の私事に関する情報ではないし,個人の権利利益の保護が要請される情報でもないこと,②本件和解勧告に対する厚生労働省職員らの職務執行に対応した学会や個人は,いずれもそれぞれの学会及び医学・薬学の専門家たる立場に基づき,各自の職務活動として関与したのであって,このような公的な活動は,各学会及び専門家についてホームページ等で役職及び氏名を公表して実践している活動の内容というべきものであり,情報公開法5条1号が保護しようとした個人の正当な権利利益に該当する情報ではなく,いずれも慣行として公表されるべきであることを主張する。しかしながら,本件聴取記録の①ないし⑨の情報が,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報に当たると解すべきこと,また,本件聴取記録の①ないし⑦の情報が,慣行として公にされている情報とはいえず,個人の権利利益の保護が要請される面のある情報であると解すべきことは,上記イで判示したとおりであるから,原告の上記主張は採用することができない。オ本件聴取記録の③,④,⑥及び⑦の情報が情報公開法5条2号イに規定する不開示情報(法人等情報)に当たるか否かについてア 情報公開法5条2号柱書き及びイは,法人その他の団体(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものを不開示情報として規定する。当該情報を公にすることにより当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるかど って,公にすることにより,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものを不開示情報として規定する。当該情報を公にすることにより当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるかどうかについては,当該法人等の性質,当該情報の内容,性質,当該情報をめぐって当該法人等が置かれている状況などを勘案し,当該情報を公開することにより当該法人等の権利利益等を害するおそれがあるか否かを客観的に判断することが相当である。イ 上記認定事実によれば,上記③,④,⑥及び⑦の情報に含まれる法人等は,医学関係の学会であり,上記の情報は,当該学会に所属し,又は所属した者が,本件事情聴取の対象となったことなどに関する情報であることが認められる。そして,証拠(乙2ないし6の3,乙17,22ないし26)によれば,a訴訟問題については,a弁護団や各種報道機関等から,「産官学の癒着」,「こんな癒着は許さない!」,「ヤラセによる和解拒否」,「科学者としての倫理観の欠如」,「行政・企業との癒着」,「日ごろのもたれ合い」,「産官学政の『ムラ』にも例えられる癒着」,「産・官・学の後ろめたい癒着の関係」,「社会を欺いている」,「行政と学会のいびつな関係」などとする強い批判がされ,こうした批判は,a訴訟問題に関係したとされる学会等にも向けられていることが認められる。そうすると,本件調査において調査の対象となった学会等を特定する情報が開示されると,その真偽にかかわらず,当該学会等が厚生労働省や製薬会社と癒着しているなどという批判を受けるなどして,当該学会等の社会的評価が低下するなどの不利益を被り,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められる。したがって,上記③,④,⑥及び⑦の情報は,情報公開法5条2号イに規定する不開 社会的評価が低下するなどの不利益を被り,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められる。したがって,上記③,④,⑥及び⑦の情報は,情報公開法5条2号イに規定する不開示情報に当たるというべきである。ウ これに対し,原告は,情報公開制度によって明らかとなった事実により,国の政策決定や行為が国民や報道機関の評価・批判の対象となること,このような国の政策決定や行為に関与した法人等もまた評価・批判の対象となることは,法が予定しているところであり,また,そもそも社会的に活動する法人等がその公的活動について評価・批判を受けるのはやむを得ないことであり,それによって法人等の活動を従来どおりに行うことができなくなったとしても甘受せざるを得ないと主張する。しかしながら,情報公開法は,法人等の権利その他正当な利益を害することになる情報の公開を予定するものではないから,原告の上記主張は採用することができない。 2 本件見解状況資料について 認定事実上記前提事実,争いのない事実,証拠(甲22,乙9のほか文中記載のもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。      ア作成経緯及び構成等        ア 被告は,平成23年1月7日の本件和解勧告を受け,内閣官房,法務省,医薬食品局といった関係省庁において対応策を検討していた。医薬食品局は,和解勧告の受諾に消極的であったところ,厚生労働大臣政務官から,和解勧告に対する世間の様々な意見を広く収集するよう指示を受けて個別に意見収集を開始し,医療・薬事分野の専門家である医師・薬剤師,医学・薬学系の研究者,専門家団体関係者等に対し,本件和解勧告に対する意見ないし評価を尋ね 様々な意見を広く収集するよう指示を受けて個別に意見収集を開始し,医療・薬事分野の専門家である医師・薬剤師,医学・薬学系の研究者,専門家団体関係者等に対し,本件和解勧告に対する意見ないし評価を尋ねることとした。        イ 平成23年1月19日の新聞夕刊に本件和解勧告を受諾すべきであるとの元厚生労働省職員のjの意見が掲載されたことを契機として,医薬食品局の局議において,各種メディアにおいては国は本件和解勧告を受諾すべきであるとの論調が優位を占めているが,一方で,従前からの意見収集の過程で,研究者や学会等の専門家集団からは本件和解勧告の受諾に慎重な意見が多かったことから,上記のような報道を展開する各種メディアへの対策という面も含め,学会等に対し,翌週前半までにその見解を公表するよう要請するべきであるとの方針がまとまり,かかる方針に基づき,同局の職員らが中心となって,特定の学会やそこに所属する研究者個人に対する働きかけが開始されることになった。        ウ 以上の方針に基づき,医薬食品局は,学会や研究者個人への接触を開始したが,その際,当該専門家ないし専門家団体が本件和解勧告について有している見解の内容,厚生労働省関係者から当該専門家ないし専門家団体に対する見解公表の要請の状況,当該専門家ないし専門家団体が見解公表を行う予定の有無,見解公表の実施の有無など,厚生労働省関係者が行う働きかけの進捗状況や本件和解勧告をめぐる厚生労働省外の専門家ないし専門家団体の対応状況について収集した情報を厚生労働省内部において確認・共有できるよう,随時,更新しながら一覧性のある資料としてまとめた。本件見解状況資料は,このようにして厚生労働省職員が平成23年1月21日から同月26日までの した情報を厚生労働省内部において確認・共有できるよう,随時,更新しながら一覧性のある資料としてまとめた。本件見解状況資料は,このようにして厚生労働省職員が平成23年1月21日から同月26日までの間に作成した資料である。      イ文書の構成等          本件見解状況資料は,以下の8通の文書により構成されている。          A 「意見書関係のアタックリスト(最新状況1/21 9:00)」と題する書面(以下「本件見解状況資料A」という。甲3の2[1],乙10[1]。別紙61参照)          B-1 「メディア対応の状況(1月21日(金)21:00版)」と題する書面(以下「本件見解状況資料B-1」という。甲3の2[2,3],乙10[2,3]。別紙62,3参照)          B-2 「メディア対応の状況(1月24日(月)18:30版)」と題する書面(以下「本件見解状況資料B-2」という。甲3の2[4,5],乙10[4,5]。別紙64,5参照)          B-3 「メディア対応の状況(1月25日(火)22:30版)」と題する書面(以下「本件見解状況資料B-3」といい,本件見解状況資料B-1ないし3を総称して「本件見解状況資料B」という。 甲3の2[6,7],乙10[6,7]。別紙66,7参照)          C-1 「a訴訟和解勧告に関する学会等の見解の状況について」と題する書面(以下「本件見解状況資料C-1」という。甲3の2[8],乙10[8]                。別紙68参 に関する学会等の見解の状況について」と題する書面(以下「本件見解状況資料C-1」という。甲3の2[8],乙10[8]                。別紙68参照)          C-2 「a訴訟和解勧告に関する学会等の見解の状況」と題する書面(平成23年1月24日付けのもの。以下「本件見解状況資料C-2」という。甲3の2[9],乙10[9]。別紙69参照)          C-3 「a訴訟和解勧告に関する学会等の見解の状況」(平成23年1月25日付けのもの。以下「本件見解状況資料C-3」という。 甲3の2[10],乙10[10]。別紙610参照)          C-4 a訴訟和解勧告に関する学会等の見解の状況(平成23年1月26日付けのもの。以下「本件見解状況資料C-4」といい,本件見解状況資料C-1ないし4を総称して「本件見解状況資料C」という。甲3の2[11],乙10[11]。別紙611参照)      ウ本件見解状況資料A及びBについて        ア 本件見解状況資料Aの構成等          a 概要              本件見解状況資料Aは,「意見書関係のアタックリスト(最新状況1/21 9:00)」との表題部分,「総論系意見書」との見出しが付された表部分,「専門各論系意見書」との見出しが付された表部分(以下,この2つの表を併せて「表A」という。)及び表外の部分により構成された文書である。              本件見解状況資料Aは,平成23年1月21日午前 分(以下,この2つの表を併せて「表A」という。)及び表外の部分により構成された文書である。              本件見解状況資料Aは,平成23年1月21日午前9時の時点において,医薬食品局が本件和解勧告に関して意見収集,見解公表要請等の接触を行い,又は接触の対象として検討・予定している個人や団体等について,厚生労働省関係者による接触状況,予定する接触内容,個人又は団体等の見解公表の実施状況又は予定の有無等をまとめたものである。(別紙61参照)          b 表Aの左から2列目及び3列目の欄(対象団体等欄)              表Aの左から2列目の欄及び左から3列目の欄(以下,併せて「対象団体等欄」という。)には,意見収集,見解公表要請等の接触の対象である学会等の団体名や個人名が記載されている。              接触の対象として対象団体等欄に記載された学会等の団体・行政機関や個人については,実際に意見収集等の接触をした相手方に限らず,接触を検討・予定していたが実際には接触をしなかった者も記載されている。接触の態様については,意見収集として本件和解勧告に対する意見を尋ねたにすぎないもの,意見を尋ねた上で見解の公表を要請したもの,先方から医薬食品局に対して積極的に本件和解勧告について質問をしてきたものなど様々である。          c 表Aの左から4列目の「アタック」欄(接触者等欄)              表Aの左から4列目の「アタック」欄(以下「接触者等欄」という。)には,同じ行の対象団体等欄に対応し,基本的には,対象団体等欄に記 者等欄)              表Aの左から4列目の「アタック」欄(以下「接触者等欄」という。)には,同じ行の対象団体等欄に対応し,基本的には,対象団体等欄に記載された学会等の団体・行政機関,個人と連絡を取ることを担当した厚生労働省職員等の姓が記載されている。なお,連絡先として想定していた学会等の団体・機関や個人の中には,担当者が直接の面識を有しない者や団体もあり,このような接触先に関しては,厚生労働省の職員ではなく,当該連絡先と接点があると思われた厚生労働省外の中央官庁の職員,独立行政法人等に所属する個人に依頼して,同人らを通じて接触することとしたため,そのような仲介役を担当した者の姓ないし名称が記載されている(なお,上記の担当者には,対象団体等に実際に接触した者もいるし,接触していない者もいる。)。          d 表Aの左から5列目の「最新状況」欄(最新状況欄)              表Aの左から5列目の「最新状況」欄(以下「最新状況欄」という。)には,同じ行の対象団体等欄に対応し,それぞれ対象団体等欄記載の団体等,個人について,医薬食品局において当該資料作成時に確認した当該団体等の本件和解勧告に対する見解,その見解の公表予定の有無,予定する見解公表の方法,見解公表実施の有無といった見解公表に係る情報や,厚生労働省関係者が当該団体等に対して行い又は行う予定としていた接触内容が記載されている。          e 表外の部分              表外の部分には,「平成17年時点,接触した専門家リスト(利益相反要注意)」との記載に続けて,医薬食品局が平成17年当時に  e 表外の部分              表外の部分には,「平成17年時点,接触した専門家リスト(利益相反要注意)」との記載に続けて,医薬食品局が平成17年当時にa訴訟に関して意見収集等を行った専門家個人の姓,当該個人が過去に所属していた独立行政法人等の名称及び当該独立行政法人等における過去の役職並びに当該個人の属性を示す情報が記載されている。        イ 本件見解状況資料Bの構成等          a 概要              本件見解状況資料Bは,いずれも,「メディア対応の状況」との表題部分,「総論系意見書」との見出しが付された表部分,「専門各論系意見書」との見出しが付された表部分,「その他」との見出しが付された表部分(以下,この3つの表を併せて「表B」と総称する。)及び表外の部分により構成された文書である。              本件見解状況資料Bは,それぞれ,冒頭の表題に記載されている日時時点において,厚生労働省関係者と学会等の団体等ないし個人との接触状況,予定する接触内容,個人又は団体等の見解公表の実施又は予定の有無等をまとめたものである。(別紙62ないし7参照)          b 表Bの左から1列目及び2列目の欄(対象団体等欄)              表Bの左から1列目の欄及び左から2列目の欄(以下,これらの欄も併せて「対象団体等欄」という。)には,意見収集,見解公表要請等の接触の対象である学会等の団体の名称・個人名といった情報や,厚生労働省職員において見解公表に係る状況を把握した団体等の名称 れらの欄も併せて「対象団体等欄」という。)には,意見収集,見解公表要請等の接触の対象である学会等の団体の名称・個人名といった情報や,厚生労働省職員において見解公表に係る状況を把握した団体等の名称・個人名が記載されている。なお,表Aにおける同欄と同じく,表Bに記載された学会等の団体・機関や個人の中にも,厚生労働省において接触を予定していたが実際には接触をしなかったもの,厚生労働省において接触を検討していなかったが見解公表に係る情報を入手したものが含まれており,また,「接触」の状況も様々なものがある。          c 表Bの左から3列目の欄(最新状況欄)              表Bの左から3列目の欄(以下,同欄も「最新状況欄」という。)には,同じ行の対象団体等欄に対応し,それぞれ対象団体等欄記載の団体等,個人について,医薬食品局において資料作成時に把握した当該団体等の本件和解勧告に係る見解,その見解の公表予定の有無,予定する見解公表の方法,見解公表実施の有無,行った見解公表の方法等といった見解公表に係る情報や,厚生労働省関係者による接触状況といった情報が記載されている。                      d 表外の部分              本件見解状況資料B-1の表外の部分                本件見解状況資料B-1の表外の部分には,本件見解状況資料Aの表外と同じ情報が記載されている。             本件見解状況資料B-2及びB-3の表外の部分           解状況資料Aの表外と同じ情報が記載されている。             本件見解状況資料B-2及びB-3の表外の部分                本件見解状況資料B-2及びB-3の表外の部分には,厚生労働省職員が把握したa訴訟ないし本件和解勧告に関するマスコミの動向が記載されている。        ウ 不開示部分に記載されている情報            本件見解状況資料A及びBの不開示部分は,別紙61ないし7のとおりであり,不開示部分に記録されている情報の概要は以下のとおりである(別紙3不開示事由整理票(3枚目及び4枚目)「情報の概要等」の「本件見解状況資料A」及び「同B」欄参照)。(対象団体等欄について)① 学会・患者団体・専門家団体の名称並びに当該団体に所属する個人の姓及び当該団体における役職又は敬称  ② 「公務員等」に該当する個人の氏名並びに当該個人が所属する独立行政法人等の名称及び役職  ③ 「公務員等」に該当する個人の氏名及び当該個人が所属する行政機関の名称  ④ 行政機関の名称及び当該行政機関に所属している「公務員等」に該当する個人の姓及び敬称  ⑤ 行政機関の名称並びに当該行政機関に所属する「公務員等」に該当する個人の氏名及び当該行政機関における役職(なお,③ないし⑤の中には,厚生労働関係者からの意見収集等の接触を一切受けていない者が含まれる。)  ⑥ 国立大学法人の名称及び当該国立大学法人に所属する「公務員等」に該当する個人の姓及び役職  ⑦ 学会等の団体と関係の 受けていない者が含まれる。)  ⑥ 国立大学法人の名称及び当該国立大学法人に所属する「公務員等」に該当する個人の姓及び役職  ⑦ 学会等の団体と関係のある法人名(同じ行の対象団体等欄1に記載された団体が特定されるものである。)(最新状況欄について)  ⑧ ①ないし⑥の主体に対する厚生労働省関係者の接触状況,①ないし⑥の主体の本件和解勧告についての見解公表に係る情報(医学・薬学の専門家としての個人としての活動が記載されている部分と,所属する独立行政法人等の職務としての活動が記載されている部分がある。)(接触者等欄について)  いずれも,①ないし⑥の主体に対して実際に接触し,又は接触することが適任であると想定されていた者である。  ⑨ 厚生労働省職員の姓  ⑩ その他の中央官庁の職員の姓  ⑪ 独立行政法人等に所属する個人の姓及びその役職(仲介役として,厚生労働省職員による意見収集等の接触に協力し,協力することが想定されていた者)  ⑫ 独立行政法人等の名称(表外の部分について)  ⑬ 厚生労働省職員が平成17年当時に接触した個人の姓,当該個人が過去に所属していた独立行政法人等の名称及び役職,当該個人の属性を示す情報  ⑭ 厚生労働省職員がa訴訟ないし本件和解勧告について把握した情報      エ本件見解状況資料Cについて        ア 文書の構成等            本件見解状況資料Cは,いずれも「a訴訟和解勧告に関する学会等の 況資料Cについて        ア 文書の構成等            本件見解状況資料Cは,いずれも「a訴訟和解勧告に関する学会等の見解の状況について」又は「a訴訟和解勧告に関する学会等の見解の状況」との表題の下に記載された日付の時点において厚生労働省職員が把握した学会等の団体や,独立行政法人等,個人の見解公表に係る状況をまとめたものであり,学会等の団体や,独立行政法人等,個人の見解公表に係る情報(見解公表の予定の有無及び予定があるならその日付,見解公表実施の有無及び実施済みであればその日付,見解公表の方法等)が記載された文書である。            本件見解状況資料C-1は,おおむね1行ごとに,本件見解状況資料C-2ないし4は番号ごとに,見解公表をする主体,当該主体による見解公表が行われる予定の有無及び予定の日,当該主体によって既に見解公表が行われたこと及びその日が記載され,一部について,見解公表の方法や補足が記載されている。(別紙68ないし11参照)            なお,学会等の団体(学会・患者団体・専門家団体)には,特定非営利活動法人であるもの,公益社団法人であるもの,社団法人であるもの,社団法人内に置かれた学会であるもの,法人格を取得していることが確認できないものがあるが,いずれも情報公開法5条2号の「法人等」に当たる。        イ 不開示部分に記載されている情報            本件見解状況資料Cの不開示部分1は,別紙68ないし11のとおりであり,不開示部分に記録されている情報の概要は以下のとおりである(別紙3不開示事由整理            本件見解状況資料Cの不開示部分1は,別紙68ないし11のとおりであり,不開示部分に記録されている情報の概要は以下のとおりである(別紙3不開示事由整理票(4枚目)「情報の概要等」の「本件見解状況資料C」欄参照)。    ⑮ 学会等の団体の名称    ⑯ 学会等の団体の名称並びに当該団体に所属する個人の氏名及びその役職    ⑰ 独立行政法人等の名称並びに当該独立行政法人等に所属する個人の姓及びその役職    ⑱ ⑮ないし⑰の主体についての本件和解勧告に対する見解公表に係る情報    ⑲ メールマガジンの名称(メールマガジンに見解を掲載した学会関係者である個人が識別され,それにより当該個人が所属している団体が識別されることになるもの) 検討ア本件見解状況資料の①ないし⑲の情報が情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報(争訟事務情報)に当たるか否かについて情報公開法5条6号柱書き及びロの内容等は,上記1イアのとおりであり,東京・大阪両地方裁判所が和解勧告を行ってから本件見解状況資料を作成するに至る経緯は上記認定事実アのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報は,国が和解勧告を受諾しない旨の回答をするという訴訟活動に至るまでの段階において,医薬食品局の職員が学会,患者団体,専門家等とどのような接触を行い,接触した学会関係者等から和解勧告に対する見解の公表に関してどのような反応を得ていたのかなどの点に関する具体的な事実関係から成り,医薬食品局の職員は,事態の進展等 ,専門家等とどのような接触を行い,接触した学会関係者等から和解勧告に対する見解の公表に関してどのような反応を得ていたのかなどの点に関する具体的な事実関係から成り,医薬食品局の職員は,事態の進展等にあわせてこれを文書にまとめて一体的なものとし,内部的な情報の共有を図っていたものと認められる。そうすると,これらの情報は,訴訟に係る内部的な対処方針や訴訟活動の準備等に関する情報であるといえるから,「争訟に係る事務に関する情報」に当たるというべきである。          また,本件処分1がされた平成23年7月当時,a訴訟は控訴審に係属中であったこと,これと同種訴訟が将来係属する可能性があることに照らせば,上記の事実関係に関して,本件調査報告書の概括的な記載を超える具体的で詳細な情報が開示され,相手方当事者がこれを入手し利用し得るという状況が生じることになれば,それは,薬害訴訟という事案の特性を勘案してもなお,民事訴訟が立脚する対立当事者間の公平を害するものと評価せざるを得ない。そうすると,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報は,公にすることにより,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものに当たるというべきである。          以上のとおりであるから,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報は,情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報に当たると認められる。イ本件見解状況資料の①ないし⑲の情報が情報公開法5条5号に規定する不開示情報(意思形成過程情報)に当たるか否かについて情報公開法5条5号の内容等は,上記1ウアのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報は,国 否かについて情報公開法5条5号の内容等は,上記1ウアのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報は,国が和解勧告を受諾しない旨の回答をするという訴訟活動に至るまでの段階において,医薬食品局の職員が学会,患者団体,専門家等とどのような接触を行い,又は行おうとし,学会等から見解の公表に関してどのような反応を得ていたのかなどの点に関する具体的な事実関係から成り,医薬食品局の職員は,事態の進展等にあわせてこれを文書にまとめて一体的なものとし,内部的な情報の共有を図っていたものと認められる。そうすると,これらは,国の機関の内部における審議,検討又は協議に関する情報に当たるということができる。また,裁判所からの和解勧告に対して国の担当部局の職員が内部でどのような検討や協議を行っていたのかなどの情報に関し,本件調査報告書に記載された概括的なものを超える具体的で詳細なものが開示されることになれば,爾後,争訟事務を行うに当たって国の内部で本来行われるべき率直な意見の交換につき,萎縮的効果が働く蓋然性が高いといわざるを得ない。そうすると,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報を公開することにより,将来行われることが予想される同種の事務における率直な意見交換が不当に損なわれるおそれがあるということができる。以上のとおりであるから,本件見解状況資料の①ないし⑲の情報は,情報公開法5条5号に規定する不開示情報に当たると解される。ウ本件見解状況資料の①ないし⑪,⑬,⑮,⑯,⑱及び⑲の情報が,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報(個人識別情報)に当たり,かつ,同号イ(公にされている情報)又はハ(公務員等の職務遂行情報)に 件見解状況資料の①ないし⑪,⑬,⑮,⑯,⑱及び⑲の情報が,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報(個人識別情報)に当たり,かつ,同号イ(公にされている情報)又はハ(公務員等の職務遂行情報)に規定する情報に当たらないか否かについてア 情報公開法5条1号の内容等は,上記1エアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件見解状況資料の①ないし⑦,⑨ないし⑪,⑬,⑮,⑯及び⑲の情報は,個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,役職,所属する学会,団体,独立行政法人等の名称その他の記述等により,あるいは職員録やホームページ等により容易に入手し得る情報と組み合わせることにより,特定の個人を識別することができるものと認められるものであり,上記⑧及び⑱の情報は,上記①ないし⑥,⑮及び⑯の情報と一体となって特定の個人を識別する情報を構成しているものと認められる。そうすると,本件見解状況資料の①ないし⑪,⑬,⑮,⑯,⑱及び⑲の情報は,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報に当たるというべきである。次に,同号イについて検討するに,上記①ないし⑦,⑨ないし⑪,⑬,⑮,⑯及び⑲の情報により特定される個人については,これらの情報に含まれる姓,氏名,名称,役職等は,当該団体のホームページや職員録等により公表されていることなどがうかがわれるが,これらの情報は,本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,専門家又は専門家団体と接触し,又は接触することを検討したことや,国から接触され,又は接触することを検討されたことに関する情報と一体となって特定の個人を識別する情報を構成していると認められる。この点を勘案すると,これらの情報は,慣行として公にさ 討したことや,国から接触され,又は接触することを検討されたことに関する情報と一体となって特定の個人を識別する情報を構成していると認められる。この点を勘案すると,これらの情報は,慣行として公にされている情報に当たらず,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないというべきである。また,上記⑧及び⑱の情報が慣行として公にされている情報に当たらず,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないことは明らかである。さらに,同号ハについて検討するに,上記②ないし⑥,⑧,⑪及び⑬の情報により特定される個人は,公務員等に該当することが認められるものの,これらの個人は,厚生労働省職員による意見収集等の対象となる医学・薬学の専門家として把握されていた者であり,このうち,公務員等としてではなく個人の活動として記録されていた者,実際には厚生労働省職員からの接触を受けていない者,仲介役である者については,当該個人の職務の遂行に係る情報には当たらない。したがって,上記②ないし⑥,⑧,⑪及び⑬の情報のうち,上記の者に関する部分は,情報公開法5条1号ハに規定する情報に当たらないというべきである。イ これに対し,原告は,①本件見解状況資料は,いずれも,厚生労働省が国民に対し,多様な意見が存在することを示し,かつ,従前の施策に対する信頼感を高めようという職務の執行を遂行する過程で作成されたものであり,見解を発表する行為は,学会・患者団体・専門家団体にとってそれぞれ当該団体の社会的活動であり,当該学会及び団体に所属する個人の役職や姓は,このような活動のために本件資料に記載されているものであるから,本件見解状況資料について情報公開法5条1号本文に該当するとして不開示とした情報も,そもそも同号本文にいう「個人に関する情報」に当たらな のような活動のために本件資料に記載されているものであるから,本件見解状況資料について情報公開法5条1号本文に該当するとして不開示とした情報も,そもそも同号本文にいう「個人に関する情報」に当たらない,②仮に,「個人に関する情報」に該当する部分があるとしても,本件見解状況資料は厚生労働省の職務遂行の過程で作成されたものであり,厚生労働省職員のみならず,これに関与した他の行政機関・独立行政法人・国立大学法人に所属する「公務員等」や,学会・患者団体・専門家団体に所属する個人にとっても,この課程への関与は職務あるいは公的な活動の一環であるから,このような公的な活動の場面において,個人の氏名及び役職等が職員録やホームページにおいて公表されているときは,公表慣行がある情報として,情報公開法5条1号ただし書イに該当し,開示されるべきものばかりであるとして,種々の主張をする。しかしながら,本件見解状況資料に記載されている厚生労働省の職員の活動の最終的な目的が,学会・患者団体・専門家団体に対して団体としての見解の公表を求めることにあったとしても,それが故に,その過程において厚生労働省の職員が接触をした,又は接触することを検討した,当該団体に所属する者等に関する情報が,当然に当該団体の活動に関するものと評価されるべきことにはならないから,原告の上記①の主張は採用することができない。また,原告の上記②の主張が採用できないことは上記アで判示したとおりである。エ本件見解状況資料の①,⑦,⑧,⑮,⑯,⑱及び⑲の情報が情報公開法5条2号イに規定する不開示情報(法人等情報)に当たるか否かについて情報公開法5条2号イの内容等は,上記1オアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件見解 条2号イに規定する不開示情報(法人等情報)に当たるか否かについて情報公開法5条2号イの内容等は,上記1オアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,本件見解状況資料の①,⑦,⑧,⑮,⑯,⑱及び⑲の情報に含まれる法人等は,医学関係の学会,患者団体,専門家団体であり,上記の情報は,当該学会等に所属している者が,a訴訟問題に関して厚生労働省の職員から接触する対象となったことなどに関する情報であることが認められる。そして,厚生労働省の職員による接触の対象となった学会等であることやその状況が開示されると,上記1オイのとおり,当該学会等の社会的評価が低下するなどの不利益を被り,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められるから,上記①,⑦,⑧,⑮,⑯,⑱及び⑲の情報は,情報公開法5条2号イに規定する情報に当たるというべきである。  3 本件要請書について 認定事実上記前提事実,争いのない事実,証拠(甲22,乙9のほか文中記載のもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。      ア作成経緯及び構成等        ア 本件要請書(2通)は,いずれも,平成23年1月20日,医薬食品局安全対策課長が,特定非営利活動法人であるA学会及びB学会(本件調査報告書に記載された「A学会」及び「B学会」を示す。)に対して,本件和解勧告に対する具体的な見解を尋ねるとともに,その見解の公表を求める趣旨で作成された文書で,後記4の本件メール①及び②の添付ファイルとして上記学会に所属する者に対して送信されたものであり,検証チームが本件調査において提供を受けた資料である。       成された文書で,後記4の本件メール①及び②の添付ファイルとして上記学会に所属する者に対して送信されたものであり,検証チームが本件調査において提供を受けた資料である。        イ 本件要請書は,上から順に,時候の挨拶,東京地方裁判所及び大阪地方裁判所から本件和解勧告が出された経緯の報告,本件和解勧告に関する見解を求める内容,作成日付,作成者部分,宛名部分により構成されている(別紙7参照)。      イ不開示部分に記載されている情報          不開示部分は,別紙7のとおりであり,不開示部分に記録されている情報の概要等は,①医薬食品局安全対策課長の氏名,②A学会及びB学会の名称及び役職名を含む情報である(別紙3不開示事由整理票(5枚目)「情報の概要等」欄参照)。 検討ア本件要請書の①及び②の情報が情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報(争訟事務情報)に当たるか否かについて情報公開法5条6号柱書き及びロの内容等は,上記1イアのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記①及び②の情報は,国が本件和解勧告をめぐって本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員がどのような学会関係者と接触したのかという事実関係に関するものであり,これらの情報は,訴訟活動の準備等に関する情報であるといえるから,「争訟に係る事務に関する情報」に当たるというべきである。また,本件処分1がされた平成23年7月当時,a訴訟は控訴審に係属中であったこと,これと同種訴訟が将来係属する可能性があることに照らせば,上記の事実関係に関 」に当たるというべきである。また,本件処分1がされた平成23年7月当時,a訴訟は控訴審に係属中であったこと,これと同種訴訟が将来係属する可能性があることに照らせば,上記の事実関係に関して,本件調査報告書の概括的な記載を超える具体的で詳細な情報が開示され,相手方当事者がこれを入手し利用し得るという状況が生じることになれば,それは,薬害訴訟という事案の特性を勘案してもなお,民事訴訟が立脚する対立当事者間の公平を害するものと評価せざるを得ない。そうすると,上記①及び②の情報は,公にすることにより,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものに当たるというべきである。したがって,上記①及び②の情報は,情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報に当たると認められる。イ本件要請書の①及び②の情報が情報公開法5条5号に規定する不開示情報(意思形成過程情報)に当たるか否かについて情報公開法5条5号の内容等は,上記1ウアのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記①及び②の情報は,国が本件和解勧告をめぐって本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員がどのような学会関係者と接触したのかという事実関係に関するものであり, このような情報は,国の機関の意思形成過程の各段階における検討の結果を反映し,かつ,その後に続く検討の資料ともなるものとして,国の機関等の内部における検討等に関する情報に当たると解される。そして,このような情報を開示することにより,今後行われることのあるべき同種の検討等のための資料の収集に支障を生じ,ひいては国の機関の内部における率直な意見の交換又は意思決定の中立 たると解される。そして,このような情報を開示することにより,今後行われることのあるべき同種の検討等のための資料の収集に支障を生じ,ひいては国の機関の内部における率直な意見の交換又は意思決定の中立性等が不当に損なわれるおそれがあるものと認められるから,情報公開法5条5号に規定する不開示情報に当たるというべきである。ウ本件要請書の①及び②の情報が,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報(個人識別情報)に当たり,かつ,同号イ(公にされている情報)に規定する情報に当たらないか否かについてア 情報公開法5条1号の内容等は,上記1エアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記①及び②の情報は,個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名その他の記述等により,あるいは「ガイドブック厚生労働省」等により容易に入手し得る情報と組み合わせることにより,特定の個人を識別することができるものと認められ,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報に当たるというべきである。なお,本件要請書の体裁等からすれば,上記②の情報に含まれる役職が当該学会の代表者の役職である可能性があり,その場合には,上記②の情報は法人等に関する情報に当たると解されるが,これが情報公開法5条2号イに規定する不開示情報に当たるか否かについては下記エのとおりである。次に,同号イについて検討するに,上記①及び②の情報により特定される個人については,これらの情報に含まれる氏名や役職は,「ガイドブック厚生労働省」又は当該学会のホームページにより公表されていることがうかがわれるが,これらの情報は,上記ア及びイのとおり国が本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,どのよ 学会のホームページにより公表されていることがうかがわれるが,これらの情報は,上記ア及びイのとおり国が本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,どのような専門家又は専門家団体と接触したのかという事実関係についての訴訟活動の準備等に関する情報ないし国の機関等の内部における検討等に関する情報と一体となって特定の個人を識別する情報を構成していると認められる。この点を勘案すると,これらの情報は,慣行として公にされている情報に当たらず,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないというべきである。イ これに対し,原告は,そもそも上記②は「個人に関する情報」ではなく,仮に上記①及び②が個人識別情報に該当し得るとしても,本件要請書は,医薬食品局安全対策課長が,A学会及びB学会に対して,本件和解勧告に対する具体的な見解を尋ねるとともに,その見解の公表を求める趣旨で作成された文書であり,厚生労働省の職務執行において作成された文書であるところ,上記①は医薬食品局安全対策課長の職務遂行に係る情報にほかならず,本件申合せに基づき,あるいは「ガイドブック厚生労働省」で氏名が公表されている慣行が妥当する情報として,情報公開法5条1号ただし書イに該当し,上記②は各学会のホームページ上で,当該役職に就いている個人の氏名と共に公表されており,学会として厚生労働省からの要請を受けることや,これに対応することは,当該役職に就いている個人の職務ともいうべき公的な活動であり,情報公開法5条1号ただし書イに該当し,いずれも公表慣行のある情報であると主張する。しかしながら,上記のとおり,上記①及び②を含む情報が,個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名その他の記述等により,あるいは「ガイ れも公表慣行のある情報であると主張する。しかしながら,上記のとおり,上記①及び②を含む情報が,個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名その他の記述等により,あるいは「ガイドブック厚生労働省」等により容易に入手し得る情報と組み合わせることにより,特定の個人を識別することができるものと認められ,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報に当たること,本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,専門家又は専門家団体と接触し,又は接触することを検討したことや,国から接触され,又は接触することを検討されたことに関する情報は,慣行として公にされている情報に当たらず,上記①及び②を含む情報は,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないことは,いずれも明らかというべきであるから,原告の上記主張は採用することができない。エ本件要請書の②の情報が情報公開法5条2号イに規定する不開示情報(法人等情報)に当たるか否かについて情報公開法5条2号イの内容等は,上記1オアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記②の情報に含まれる法人等は,医学関係の学会であり,上記の情報は,当該学会に所属している者が,a訴訟問題に関して厚生労働省の職員から接触する対象となったことに関する情報であることが認められる。そして,厚生労働省の職員による接触の対象となった学会であることが開示されると,上記1オイのとおり,当該学会の社会的評価が低下するなどの不利益を被り,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められるから,上記②の情報は,情報公開法5条2号イに規定する不開示情報に当たるというべきである。  4 本件メール 利益を被り,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められるから,上記②の情報は,情報公開法5条2号イに規定する不開示情報に当たるというべきである。  4 本件メール及び本件添付ファイル2ないし4について 認定事実上記前提事実,争いのない事実,証拠(甲22,乙9のほか文中記載のもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。      ア作成経緯及び構成等          本件メール(3通)は,いずれも医薬食品局に属する室長(本件調査報告書において「甲室長」と記載されている者。以下「甲室長」という。)が,A学会,B学会及びF学会(本件調査報告書に記載された「A学会」,「B学会」及び「F学会」を示す。)に対して本件和解勧告に対する具体的な見解を尋ねるとともに,その見解の公表を求める趣旨で,A学会のア氏(本件調査報告書に記載された「ア氏」を示す。)に宛てて送信した電子メールを印刷した文書(以下「本件メール①」という。甲3の4[1],乙10[12]。別紙81参照),B学会のイ氏(本件調査報告書に記載された「イ氏」を示す。)に宛てて送信した電子メールを印刷した文書(以下     「本件メール②」という。甲3の4[2],乙10[13]。別紙82参照)及びF学会のキ氏(本件調査報告書に記載された「キ氏」を示す。)に宛てて送信した電子メールを印刷した文書(以下「本件メール③」という。 甲3の4[3],乙10[14]。別紙83参照)である(本件調査報告書第2の3 及び,甲3の4,甲22,乙9,1012ないし14])。      イ本件メールの構成等         3参照)である(本件調査報告書第2の3 及び,甲3の4,甲22,乙9,1012ないし14])。      イ本件メールの構成等        ア 本件メール①について            本件メール①は,平成23年1月20日に甲室長がA学会のア氏に対して送信した電子メールを印刷したものである。A学会は特定非営利活動法人であり,ア氏はA学会の役員である。            本件メール①は,最上部欄,差出人欄,送信日時欄,宛先欄,CC欄(カーボンコピー欄),件名欄及びメール本文欄で構成されている。(別紙81参照)            なお,表示されている添付ファイルは,左側のワードファイル     (ファイル名の一部が不開示とされているもの)がA学会宛ての本件要請書(甲3の3[1])のデータであり,右側のPDFファイル     (ファイル名が「東京の所見」となっているもの)が本件和解勧告書(甲3の6)のデータである。        イ 本件メール②について            甲室長は,平成23年1月20日午前2時3分にB学会のイ氏に宛てて電子メールを送信したところ,当該メール送信の際に,厚生労働省職員をCCとして送信先に加えることを失念していたため,同日午前2時4分に厚生労働省職員に対し,当該メールをそのまま転送した。本件メール②は,この転送したメールを印刷したものである。B学会は特定非営利活動法人であり,イ氏はB学会の役員である。            本件メール②は,最上部欄 た。本件メール②は,この転送したメールを印刷したものである。B学会は特定非営利活動法人であり,イ氏はB学会の役員である。            本件メール②は,最上部欄,差出人欄,送信日時欄,宛先欄,件名欄,メール本文欄で構成されている。(別紙82参照)            なお,表示されている添付ファイルは,左側のワードファイル(ファイル名が一部不開示とされているもの)がB学会宛ての本件要請書(甲3の3[2])のデータであり,右側のPDFファイル(ファイル名が「東京の所見」となっているもの)が東京地方裁判所から受領した本件和解勧告書(甲3の6)である。        ウ 本件メール③について            本件メール③は,平成23年1月26日に甲室長がF学会のキ氏に対して送信した電子メールを印刷したものである。F学会は社団法人であり,キ氏はF学会の役員である。            本件メール③は,最上部欄,差出人欄,送信日時欄,宛先欄,CC欄,件名欄,メール本文欄により構成されている。(別紙83参照)            なお,表示されている添付ファイルは,左から1番目の添付ファイル(本件添付ファイル1)が本件調査報告書第2の3の「声明文案」であり,左から2番目の添付ファイル(本件添付ファイル2)が「G患者の会の見解」,左から3番目の添付ファイル(本件添付ファイル3)が「C学会のオ氏のメルマガ上の見解」,左から4番目の添付ファイル(本件添付ファイル4)が「H法人の見解」である。「H法人」は,独立行政法人等である。      ァイル3)が「C学会のオ氏のメルマガ上の見解」,左から4番目の添付ファイル(本件添付ファイル4)が「H法人の見解」である。「H法人」は,独立行政法人等である。        エ 本件添付ファイル3について            本件添付ファイル3は,本件メール③の添付ファイルであり,C学会オ氏のメールマガジン上の見解を印刷したものであって,印刷用紙の最上部には医薬食品局職員による手書きの書き込みが加えられている(別紙9参照)。C学会は,社団法人内に置かれた学会であり,オ氏は,C学会の役員である。        オ 本件添付ファイル2について            本件添付ファイル2は,本件メール③のうちの「添付ファイル2(G患者の会の見解)」を印刷した文書である。本件添付ファイル2には,G患者の会の名称,具体的な見解の内容及びその見解が示された日付が記録されている。本件添付ファイル2は,G患者の会が自らのホームページで公開している。        カ 本件添付ファイル4について            本件添付ファイル4は,本件メール③のうちの「添付ファイル4(H法人の見解)」を印刷した文書である。本件添付ファイル4には,H法人の名称,連絡先,役員の氏名及びその役職,具体的な見解の内容及びその見解が示された日付が記載されている。H法人は,情報公開法5条1号ハ,2号本文の「独立行政法人等」に該当する団体である。本件添付ファイル4は,H法人が自らのホームページで公開している。      ウ不開示部分に記載されている情報    ア 本件メール 人等」に該当する団体である。本件添付ファイル4は,H法人が自らのホームページで公開している。      ウ不開示部分に記載されている情報    ア 本件メール①ないし③の不開示部分に記録されている情報の概要は以下のとおりである(別紙3不開示事由整理票(6,7枚目)「情報の概要等」の「本件メール①」,「同②」及び「同③」欄参照)。    (本件メール①ないし③に記載のあるもの) 本件メールを検証チームに提供した厚生労働省職員の氏名,甲室長の氏名,メールの送信先となった厚生労働省職員の氏名 甲室長の内線番号,所属課の直通電話番号,所属課のファックス番号       甲室長の所属課及び役職       A学会,B学会及びF学会の名称 A学会の関係者であるア氏の姓及び役職,F学会の関係者であるキ氏の氏名        A学会ア氏及びB学会のイ氏のメールアドレス       B学会事務局のメールアドレス        B学会関係者のメールアドレス    (本件メール③にのみ記載のあるもの)        C学会オ氏の姓及び敬称(メール本文欄4行目)       H法人の名称(メール本文欄4行目,添付ファイルの表示欄)       G患者の会に所属する個人の姓及び敬称(メール本文欄4行目)       G患者の会の名称(添付ファイルの表示欄)       メールマガジンの名称(C に所属する個人の姓及び敬称(メール本文欄4行目)       G患者の会の名称(添付ファイルの表示欄)       メールマガジンの名称(C学会オ氏が特定されるもの)    イ 本件添付ファイル3の不開示部分は,別紙9のとおりであり,不開示部分に記録されている情報の概要は,C学会の名称,C学会オ氏の氏名及び役職, メールマガジンの名称及び発行主体を含む情報である(別紙3不開示事由整理票(8枚目)「情報の概要等」の「本件添付ファイル3」欄参照)。    ウ 本件添付ファイル2及び4は,その全部が不開示とされている。不開示部分に記録されている情報の概要は,それぞれ,G患者の会の名称, G患者の会の具体的な見解の内容, その見解が示された日付,H法人の名称,連絡先,役員の氏名及びその役職,H法人の具体的な見解の内容,その見解が示された日付の情報である(別紙3不開示事由整理票(8枚目)「情報の概要等」の「本件添付ファイル2」及び「同4」欄参照)。 検討ア本件メール及び本件添付ファイルのないしの情報が情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報(争訟事務情報)に当たるか否かについてア 情報公開法5条6号柱書き及びロの内容等は,上記1イアのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記①ないしの情報は,国が本件和解勧告をめぐって本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員がどのような学会関係者に対してどのような内容の依 ば,上記①ないしの情報は,国が本件和解勧告をめぐって本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員がどのような学会関係者に対してどのような内容の依頼をしたのか,その際にどのような専門家等の見解を参考資料として添付したのかという事実関係に関するものであり,訴訟活動の準備等に関する情報であるといえるから,「争訟に係る事務に関する情報」に当たるというべきである。また,本件処分1がされた平成23年7月当時,a訴訟は控訴審に係属中であったこと,これと同種訴訟が将来係属する可能性があることに照らせば,上記の事実関係に関して,本件調査報告書の概括的な記載を超える具体的で詳細な情報が開示され,相手方当事者がこれを入手し利用し得るという状況が生じることになれば,それは,薬害訴訟という事案の特性を勘案してもなお,民事訴訟が立脚する対立当事者間の公平を害するものと評価せざるを得ない。そうすると,上記ないしの情報は,公にすることにより,国の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるものに当たるというべきである。したがって,上記ないしの情報は,情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報に当たると認められる。イ これに対し,原告は,本件添付ファイル3については,メールマガジンによって公表された見解の本文が全て開示されており,これは後にe学会ホームページに掲載された同学会k会長の見解と同文であるから,上記ないし の情報は,いずれも公になっているということができ,不開示とすることは認められないと主張する。しかしながら,上記ないし の情報及び本件添付ファイル3に含まれている見解の内 情報は,いずれも公になっているということができ,不開示とすることは認められないと主張する。しかしながら,上記ないし の情報及び本件添付ファイル3に含まれている見解の内容に関する情報は,上記アのとおり,国が本件和解勧告をめぐって本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請する際にどのような専門家等の見解を参考資料として添付したのかという事実関係に関するものであり,情報公開法5条6号柱書き及びロに規定する不開示情報に当たると認められるところ,本件添付ファイル3のうち上記ないし の情報を除いて見解の内容に係る部分の情報を開示し,その結果,上記ないし の情報が推測できることになったからといって,上記ないし の情報までを開示すべきことにはならないことは明らかであるから,原告の上記主張は採用することができない。イ本件メール及び本件添付ファイルのないしの情報が情報公開法5条5号に規定する不開示情報(意思形成過程情報)に当たるか否かについて情報公開法5条5号の内容等は,上記1ウアのとおりであるところ,上記前提事実,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記ないしの情報は,国が本件和解勧告をめぐって本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員がどのような学会関係者に対してどのような依頼をしたのかという事実関係に関するものであり,このような情報は,国の機関の意思形成過程の各段階における検討の結果を反映し,かつ,その後に続く検討の資料ともなるものとして,国の機関等の内部における検討等に関する情報に当たると解される。そして,このような情報を開 意思形成過程の各段階における検討の結果を反映し,かつ,その後に続く検討の資料ともなるものとして,国の機関等の内部における検討等に関する情報に当たると解される。そして,このような情報を開示することにより,今後行われることのあるべき同種の検討等のための資料の収集に支障を生じ,ひいては国の機関の内部における率直な意見の交換又は意思決定の中立性等が不当に損なわれるおそれがあるものと認められるから,情報公開法5条5号に規定する不開示情報に当たるというべきである。ウ本件メール及び本件添付ファイルのないし,, , , ,,,及び の情報が,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報(個人識別情報)に当たり,かつ,同号イ(公にされている情報)に規定する情報に当たらないか否かについてア 情報公開法5条1号の内容等は,上記1エアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記の情報は,個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,役職,学会の名称その他の記述等により,あるいは「ガイドブック厚生労働省」やホームページ等により容易に入手し得る情報と組み合わせることにより,特定の個人を識別することができるものと認められ,情報公開法5条1号本文に規定する不開示情報に当たるというべきである。次に,同号イについて検討するに,上記の情報により特定される個人については,これらの情報に含まれる氏名や,姓,役職は,「ガイドブック厚生労働省」又は当該学会等のホームページにより公表されていることがうかがわれるが,これらの情報は,国が本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員が学会関 」又は当該学会等のホームページにより公表されていることがうかがわれるが,これらの情報は,国が本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,厚生労働省の職員が学会関係者に対してどのような依頼をしたのかに関する情報と一体となって特定の個人を識別する情報を構成していると認められる。 この点を勘案すると,これらの情報は,慣行として公にされている情報に当たらず,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないというべきである。また,上記 及び の情報が慣行として公にされている情 報に当たらず,情報公開法5条1号イに規定する情報に当たらないことは明らかである。イ これに対し,原告は,本件メールも,医薬食品局が本件和解勧告への対応を検討するに当たって,A学会,B学会及びF学会に対し,本件和解勧告に係る具体的な意見の内容を尋ねるとともに,その見解の公表を求める趣旨で送付されたものであり,厚生労働省の職務の執行の範囲内において作成,送付されたものであり,仮に個人識別情報に当たる部分があったとしても,いずれも公務員等の職務の執行に係る文書として,あるいは「ガイドブック厚生労働省」において氏名及び役職が公表されている慣行が妥当するもの,ホームページにおいて学会における個人の役職及び氏名が公表されている慣行が妥当するものとして,情報公開法5条1号ただし書イに該当すると主張するが,上記3ウイと同じく,原告の上記主張は採用することができない。エ本件メール及び本件添付ファイルのないし, 及びないし の情報が情報公開法5条2号イに規定する不開示情報(法人等情報)に当たるか否かについて情報公開法5条2号イの内容等は,上記1オアのと し, 及びないし の情報が情報公開法5条2号イに規定する不開示情報(法人等情報)に当たるか否かについて情報公開法5条2号イの内容等は,上記1オアのとおりであるところ,上記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,上記ないし, 及びないし の情報に含まれる法人等は,医学関係の学会であり,上記の各情報は,国が本件和解勧告を受諾することに慎重であるべきとする見解の表明を要請するに当たり,当該学会に所属している者に対して,どのような団体の見解を添付して見解の表明を依頼をしたのかという事実関係に関するものである。そして,厚生労働省の職員による接触の対象となった学会であることや,その接触に際して参考とされた資料を作成した団体であることが開示されると,上記1オイのとおり,当該学会及び団体の社会的評価が低下するなどの不利益を被り,当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められるから,上記ないし, 及びないし の情報は,情報公開法5条2号イに規定する不開示情報に当たるというべきである。これに対し,弁論の全趣旨によれば,上記ないし の情報(本件添付ファイル2)は,本件メール③が送付される以前の段階で既に公表されて一般人でも入手可能な見解であったことがうかがわれることからすると,開示したとしても,当該団体等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められないというべきであるから,情報公開法5条2号イに規定する不開示情報に当たるとは認められない。この点について,被告は,G患者の会を特定する情報は,G患者の会が,a訴訟問題に関し,国からの接触を受けていたことを示唆する情報で 条2号イに規定する不開示情報に当たるとは認められない。この点について,被告は,G患者の会を特定する情報は,G患者の会が,a訴訟問題に関し,国からの接触を受けていたことを示唆する情報であると主張するが,上記のとおり,本件添付ファイル2の見解は,公表されて一般人でも入手可能なものであったことがうかがわれることからすると,それを本件メール③に添付して送付したからといって,これにより,G患者の会が,a訴訟問題に関し,国からの接触を受けていたことが直ちに示唆されるとまではいえないというべきであるから,被告の上記主張は採用することができない。もっとも,上記ないし の情報が情報公開法5条6号柱書き及びロ並びに5号に規定する不開示情報に当たることは,上記ア及びイのとおりである。 5 結論以上によれば,本件処分1及び本件処分2において本件不開示部分を不開示としたことは,適法であるというべきである。よって,原告の請求はいずれも理由がないから,これを棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。        東京地方裁判所民事第38部            裁判長裁判官谷口豊                  裁判官竹林俊憲                  裁判官貝阿彌亮 裁判官貝阿彌亮

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