平成26年10月30日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成26年(ワ)第773号商標権侵害差止請求事件口頭弁論終結日平成26年9月4日判決 名古屋市中区<以下略>原告興和株式会社 同訴訟代理人弁護士北原潤一 江幡奈歩 梶並彰一郎 同訴訟代理人弁理士高野登志雄 大阪市北区<以下略>被告ニプロ株式会社 同訴訟代理人弁護士伊原友己 加古尊温 主文 原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 (主位的請求)(1) 被告は,別紙被告標章目録記載1~3の各標章(以下「被告各標章」と総称し,それぞれを「被告標章1」などという。)を付したPTPシートを包装とする薬剤を販売してはならない。(2) 被告は,前項記載の薬剤を廃棄せよ。 2 (予備的請求)(1) 被告は,別紙被告標章目録記載4~6の各標章(以下「被告各全体標章」と総称し,それぞれを「被告標章4」などという。)を付したPTPシートを包装とする薬剤を販売してはならない。(2) 被告は,前項記載の薬剤を廃棄せ ~6の各標章(以下「被告各全体標- 2 -章」と総称し,それぞれを「被告標章4」などという。)を付したPTPシートを包装とする薬剤を販売してはならない。 (2) 被告は,前項記載の薬剤を廃棄せよ。 第2 事案の概要本件は,原告が,被告に対し,被告が原告の商標権を侵害していると主張して,商標法36条1項及び2項に基づき,主位的に被告各標章の使用の差止め及び被告各標章を付したPTPシートを包装とする薬剤の廃棄を,予備的に被告各全体標章の使用の差止め及び被告各全体標章を付したPTPシートを包装とする薬剤の廃棄を求めた事案である。 1 争いのない事実等(後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実を含む。)(1) 当事者原告及び被告は,医薬品等の製造,販売等を業とする会社である。 (2) 原告の商標権原告は,以下の商標権(以下「本件商標権」といい,その登録商標を「本件商標」という。)を有している。 登録番号第4942833号出願年月日平成17年8月30日登録年月日平成18年4月7日商品の区分第5類指定商品薬剤登録商標PITAVA(標準文字)(3) 被告の行為ア被告は,別紙被告商品目録記載1~3の薬剤(以下「被告各商品」と総称し,それぞれを「被告商品1」などという。)を販売している。 イ被告商品1の錠剤のPTPシートには被告標章4が付され,被告商品- 3 -2には被告標章5が,被告商品3には被告標章6が同様に付されている。 被告標章1~3はそれぞれ被告標章4~6の上段部分を抜き出したものである。 ウ被告各商品の有効成分はHMG-CoA還元酵素阻害薬である物質で,その一般名は「ピタバスタチンカルシウム」,国際一般名(INN 1~3はそれぞれ被告標章4~6の上段部分を抜き出したものである。 ウ被告各商品の有効成分はHMG-CoA還元酵素阻害薬である物質で,その一般名は「ピタバスタチンカルシウム」,国際一般名(INN)は「pitavastatin」であり,慣用名としてはピタバスタチン等が用いられている(乙1,2,20。以下,この化学物質を「本件物質」ということがある。)。 エ原告は,本件物質を有効成分とする先発医薬品を製造販売しており,被告各商品はその後発医薬品である。 2 争点に関する当事者の主張(1) 被告各標章の使用の有無(争点1)について(原告の主張)被告各標章は,被告各全体標章のうちの「ピタバ」の部分であるが,同部分は被告各全体標章の「スタチン」の部分と異なる行に「スタチン」の文字より著しく大きく太字で記載されているから,需要者ないし取引者は,被告各標章が「スタチン」から独立した一つの標章であると認識する。 被告は,被告各商品の包装であるPTPシートに被告各標章を付し,使用している。 (被告の主張)被告各標章は,被告が使用している被告各全体標章の一部を抜き出したものであって,被告が使用する標章と同一性がない。 (2) 被告の使用する標章(被告各標章ないし被告各全体標章)と本件商標の類否(争点2)について(原告の主張)ア本件商標について- 4 -本件商標の外観は「PITAVA」の欧文字(標準文字)を横一段に配置したものであり,「ピタバ」の称呼を有し,特段の観念を生じない。 イ被告各標章について被告各標章は,「ピタバ」の片仮名を横一段に配置したもので,その外観は別紙被告標章目録記載1~3のとおりであり,「ピタバ」の称呼を有し,特段の観念を生じない。 ウ被告各全体標章について仮に,被告の使 は,「ピタバ」の片仮名を横一段に配置したもので,その外観は別紙被告標章目録記載1~3のとおりであり,「ピタバ」の称呼を有し,特段の観念を生じない。 ウ被告各全体標章について仮に,被告の使用する標章が被告各全体標章であるとしても,被告各全体標章においては,「ピタバ」の部分が高い識別力を有するから,被告各全体標章からは「ピタバスタチン」の称呼のほかに「ピタバ」の称呼が生ずる。そして,被告各商品の需要者である患者においては,ピタバスタチンが化学物質の一般的名称であるとは認識せず,商品名として認識するから,被告各全体標章からは特段の観念を生じない。 エ本件商標と被告各標章ないし被告各全体標章は,称呼が同一であり,いずれも特段の観念を生じないことから,類似する。 (被告の主張)ア本件商標について本件商標は本件物質を想起させるから,これが特段の観念を生じないとの原告の主張は不当である。 イ被告各標章について被告が被告各標章を使用しているとはいえないから,本件商標と被告各標章を対比する原告の主張は失当である。 ウ被告各全体標章について被告各商品の包装箱及びPTPシートには,被告各全体標章のほかに,被告各商品の商品名(別紙被告商品目録記載1~3の商品名)や一段表記での「ピタバスタチン」の文字からなる標章が何箇所も付されている。 - 5 -このような取引の実情からすれば,被告各全体標章から「ピタバ」の称呼を生ずることはなく,被告各全体標章の使用により出所の混同を生ずる余地はない。 (3) 商標法26条1項2号該当性(争点3)について(被告の主張)ア被告各標章について「ピタバ」は本件物質の一般的な略称表記であるから,被告各標章は原材料を「普通に用いられる方法」で表示するものである。 イ被告各全 争点3)について(被告の主張)ア被告各標章について「ピタバ」は本件物質の一般的な略称表記であるから,被告各標章は原材料を「普通に用いられる方法」で表示するものである。 イ被告各全体標章について被告各全体標章は,本件物質の一般名を「ピタバ/スタチン」と二段表記し,その識別力の高い冒頭の文字部分を他の部分より少し大きめに記載して強調するものであるが,このような表示の手法は医薬品のPTPシートの表示では普通に用いられているから,被告各全体標章は原材料を「普通に用いられる方法」で表示するものである。 (原告の主張)「ピタバ」は本件物質の一般的な略称表記ではないし,被告各商品の需要者である患者は,「ピタバスタチン」が化学物質の一般的名称であると認識することはなく,商品名であると認識する。 また,被告各標章及び被告各全体標章の表示態様は「普通に用いられる方法」に当たらない。 (4) 権利行使制限の可否(争点4)について(被告の主張)ア商標法4条1項7号(ア) 「pitava」は本件物質の略称である。すなわち,本件物質はスタチン系薬に分類されるところ,pitavastatinの後半の「statin」を省略した「pitava」の部分は本件物質の略称としてよく用いられる。 - 6 -(イ) 人の生命,身体の安全に最大限に配慮すべき医薬品の成分として用いられる化学物質の略称の表示について一企業の独占を許すことは商標制度の趣旨に反するから,指定商品を薬剤とする本件商標は,公序良俗を害するおそれがある商標に当たる。 イ商標法4条1項16号前記ア(ア)のとおり,「pitava」は本件物質の略称であり,また,医薬品に付された「pitava」の記載に接した医療従事者は本件物質を想起するから,本件物質を含 イ商標法4条1項16号前記ア(ア)のとおり,「pitava」は本件物質の略称であり,また,医薬品に付された「pitava」の記載に接した医療従事者は本件物質を想起するから,本件物質を含有しない薬剤に本件商標を使用した場合には,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。 ウ商標法3条1項3号,同項6号,同項柱書き(ア) 同項3号前記ア(ア)のとおり,本件商標は本件物質の略称であるから,原告が本件物質を有効成分とする医薬品に本件商標を用いた場合には,商品の原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に当たる。 (イ) 同項6号本件物質の略称である本件商標は特定の出所を表示する機能を欠いており,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標に当たる。 (ウ) 同項柱書き原告は本件商標を使用する予定を有しておらず,本件商標は原告が自己の業務に係る商品に使用する意思のある商標とはいえない。 (エ) 無効審判請求の除斥期間(同法47条1項)が経過した後であっても,「無効審判により無効にされるべきもの」(同法39条,特許法104条の3第1項)に当たり,商標権者の権利行使は制限されると解すべきである。 - 7 -(原告の主張)ア 「pitava」が特定の文献において本件物質の名称を略記するものとして用いられているとしても,「pitava」が本件物質の略称として一般的に認識されているとはいえない。特に,需要者等のうちとりわけ患者は,「pitava」から本件物質を想起することはない。 イ原告はキョーリンリメディオ株式会社に対し,本件商標の通常使用権を許諾しており,同社が「ピタバ」の文字から成る標章を使用していることから,商標法3条1項柱書きに反することはない。 ウ除斥期 イ原告はキョーリンリメディオ株式会社に対し,本件商標の通常使用権を許諾しており,同社が「ピタバ」の文字から成る標章を使用していることから,商標法3条1項柱書きに反することはない。 ウ除斥期間が経過し無効審判請求をすることができない場合には,商標法39条が準用する特許法104条の3第1項の適用はなく,商標権者による権利行使は制限されない。 (5) 権利の濫用の成否(争点5)について(被告の主張)ア本件商標の商標登録には,前記(4)(被告の主張)ウ記載のとおりの無効理由がある。 イ原告による本件商標権の行使は,先発医薬品メーカーである原告が独占的利益を追求するために,後発医薬品を利用する患者や医療関係者における医薬品の取扱いの便宜(誤投与防止の工夫)を後退させ,後発医薬品の排除を企図する不当なものである。 ウ以上によれば,原告による本件商標権の行使は権利の濫用に当たり,許されない。 (原告の主張)原告による本件商標権の行使は,正当な権利行使である。 第3 当裁判所の判断 1 被告各標章の使用の有無(争点1)について(1) 原告は,被告が「ピタバ」の文字から成る被告各標章を使用している- 8 -と主張する。 そこで検討するに,被告各標章は,被告がPTPシートに付している「ピタバスタチン」の文字から成る被告各全体標章の「ピタバ」の文字部分であるが,別紙被告標章目録記載4~6のとおり,被告各全体標章の「ピタバ」部分と「スタチン」部分は接着して配置され,PTPシートにおける被告各全体標章の配置(乙3)に照らしても,「ピタバ」部分と「スタチン」部分は一つのまとまりをなしており,「ピタバ」部分のみを独立した標章と解することはできない。 以上によれば,被告各標章は被告が使用している標章の一部を恣意的に抜き ,「ピタバ」部分と「スタチン」部分は一つのまとまりをなしており,「ピタバ」部分のみを独立した標章と解することはできない。 以上によれば,被告各標章は被告が使用している標章の一部を恣意的に抜き出したもので,被告が使用しているのは被告各全体標章であると解するのが相当であるから,被告各標章についての原告の主張は採用できない。 (2) したがって,その余の点を判断するまでもなく,原告の主位的請求は理由がない。 2 被告の使用する標章と本件商標の類否(争点2)について(1) 前記1のとおり,被告は被告各全体標章を使用しているものと解されるから,本件商標と被告各全体標章の類否が問題となる。 ア本件商標(ア) 本件商標は,「PITAVA」の欧文字の標準文字から成り,「ピタバ」の称呼を生ずる。 (イ) 次に,本件商標から生ずる観念について検討する。 a 証拠(乙5~8,12,13,20~23,26~30。なお,書証の枝番の記載は省略する。)及び弁論の全趣旨によれば,①医薬品の国際一般名において,薬理学的又は構造学的に類似性のある化合物群には共通のステム(語幹)が使用されるところ,HMG-CoA還元酵素阻害薬のステムは「-vastatin」であり,このような薬剤の国際一般名には,pitavastatin(本件物質)のほかに,- 9 -simvastatin(シンバスタチン),pravastatin(プラバスタチン)等があること,② 医療現場で繁用されている医療専門書である「今日の治療薬解説と便覧2014」,「治療薬マニュアル2009」,「今日のジェネリック医薬品2013,2014」において,HMG-CoA還元酵素阻害薬は「スタチン」と分類され,スタチンに分類される薬剤の名称として,ピタバスタチン(本件物質)のほかに,シンバス 「今日のジェネリック医薬品2013,2014」において,HMG-CoA還元酵素阻害薬は「スタチン」と分類され,スタチンに分類される薬剤の名称として,ピタバスタチン(本件物質)のほかに,シンバスタチン,プラバスタチン,フルバスタチン,アトルバスタチン,ロスバスタチン等が記載されていること,③ 平成16年~平成25年頃に刊行ないし発表された複数の日本語及び英語の論文,平成20年公開の国際出願,平成23年の医薬品安全性情報,平成24年公開の公開特許公報において,本件物質につき「pitava」ないし「ピタバ」と表記する例があり,また,平成14年~平成25年に刊行ないし発表された40件弱の英語の論文において,シンバスタチンについて「Simva」,プラバスタチンについて「Prava」,フルバスタチンについて「Fluva」,アトルバスタチンについて「Atorva」,ロスバスタチンについて「Rosuva」と表記する例があり,さらに,上記論文においてHMG-CoA還元酵素阻害薬を「statin」ないし「スタチン」と表記する例があることが認められる。 b 本件商標の指定商品である薬剤の需要者ないし取引者は,指定商品の性質上,患者及び医師,薬剤師,看護師等の医療従事者であると認められるところ,上記認定事実のとおり,本件物質等のHMG-CoA還元酵素阻害薬は共通する語幹「vastatin」を持つとともに,スタチンと総称されることは医療従事者に広く認識されていると解される上,論文等においてHMG-CoA還元酵素阻害薬の薬剤名を略記する際に「statin」ないし「スタチン」部分以外の語頭- 10 -の部分のみを記載する用法が一般的に用いられていることからすれば,需要者等のうち一般に医療従事者においては,医薬品に付された「PITAVA」の記載から本 し「スタチン」部分以外の語頭- 10 -の部分のみを記載する用法が一般的に用いられていることからすれば,需要者等のうち一般に医療従事者においては,医薬品に付された「PITAVA」の記載から本件物質を想起するものと認められる。 他方,需要者等のうち患者において,一般に「PITAVA」の記載から本件物質を想起すると認めるに足りる証拠はない。 以上によれば,本件商標は,需要者等のうち患者に対しては特段の観念を生じさせないが,医療従事者に対しては本件物質を想起させるものと認められる。 イ被告各全体標章被告各全体標章の外観は,別紙被告標章目録記載4~6のとおり,「ピタバ」と「スタチン」を二段にゴシック調の片仮名文字で横書きして成る。このうちの「ピタバ」の部分と「スタチン」の部分は,接着して配置され一つのまとまりをなしているとはいえ,一段目と二段目に分けて記載されており,各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえない。そして,「ピタバ」部分が需要者等の目に付きやすい一段目に配置されている上に,「ピタバ」部分のフォントは10.9ポイントであるのに対し「スタチン」部分のフォントは7ポイントであること,「ピタバ」部分の幅は「スタチン」部分の幅より広く外側に張り出していることが認められ(乙3,33),「ピタバ」部分が視覚上強調されて感得されるとみることができる。 そうすると,被告各全体標章からは,「ピタバスタチン」という一連の称呼だけでなく,「ピタバ」という称呼も生ずると認められる。 また,被告各全体標章は,需要者等のうち医療従事者に対しては本件物質を想起させるが,患者に対しては特段の観念を想起させないものと解し得る。 - 11 -(2) 以上によれば,本件商標と被告 また,被告各全体標章は,需要者等のうち医療従事者に対しては本件物質を想起させるが,患者に対しては特段の観念を想起させないものと解し得る。 - 11 -(2) 以上によれば,本件商標と被告各全体標章は,「ピタバ」の称呼を共通にするものであり,また,需要者等のうち医療従事者には同一の観念を想起させ,患者に対してはいずれも特段の観念を想起させないことから,商品の出所に混同を生じさせるものとして類似すると解する余地がある。 3 権利行使制限の可否(争点4)について(1) 上記2(2)のとおり,本件商標と被告各全体標章が類似すると解する余地があることから,本件商標の商標登録が審判により無効にされるべきか否かについて検討することとする。 (2) まず,本件商標が商標法4条1項16号の「商品の品質…の誤認を生ずるおそれのある商標」に当たるかどうかについてみるに,前記2(1)ア(イ)bのとおり,需要者ないし取引者のうち一般に医療従事者においては,医薬品に付された「PITAVA」の記載から本件物質を想起すると認められる。そうすると,本件商標の指定商品のうち本件物質を含有しない薬剤に本件商標を使用した場合には,需要者等が当該薬剤に本件物質が含まれると誤認するおそれがあるので,本件商標は「商品の品質…の誤認を生ずるおそれがある商標」(商標法4条1項16号)に当たると判断するのが相当である。 したがって,本件商標の商標登録は無効審判により無効にされるべきものであり,原告は本件商標権を行使することができない(商標法39条,特許法104条の3第1項)。 (3) これに対し,原告は,とりわけ患者は本件商標から本件物質を想起することはないから,本件商標が「商品の品質…の誤認を生ずるおそれがある商標」に当たるとはいえないと主張する。 そこで判 。 (3) これに対し,原告は,とりわけ患者は本件商標から本件物質を想起することはないから,本件商標が「商品の品質…の誤認を生ずるおそれがある商標」に当たるとはいえないと主張する。 そこで判断するに,商標法4条1項16号において,品質等の誤認を生じさせるおそれのある商標を不登録事由とした趣旨は,商標が表す観念と使用される商品等が符合しないために需要者等が誤った商品を購入するな- 12 -どの錯誤を防止し,需要者等の保護を図る点にあると解される。本件商標の指定商品である薬剤の需要者等には患者のみならず医療従事者が含まれるところ,医療従事者は薬剤の取引において患者と同様に主要な地位を占めるものであり,しかも,本件物質を有効成分とする薬剤が一般に店頭で市販されるものではなく医師の処方箋を要するものであること(弁論の全趣旨)を考慮すると,医療従事者において品質の誤認を生ずるおそれがある以上,本件商標は同号所定の商標に当たると解すべきである。 そうすると,患者において一般に「PITAVA」の語が本件物質を想起させるものでないとしても,上記判断を左右するものではないから,原告の主張を採用することはできない。 (4) したがって,その余の点を判断するまでもなく,原告の予備的請求についても理由がない。 4 結論よって,原告の請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官長谷川 浩 二 裁判官清野正彦 裁判官髙橋 彩 裁判官髙橋
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