平成19(行ウ)38等 開発許可処分取消請求事件,一団地の認定処分取消請求事件,建築確認処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成19年12月27日 大阪地方裁判所 公用負担・公用収用など
ファイル
hanrei-pdf-36635.txt

判決文本文18,654 文字)

- 1 -主文 請求の趣旨(1),(2)に係る訴えをいずれも却下する。 請求の趣旨(3)に係る訴えのうち,原告P1,原告P2及び原告P3を除く原告らに係る部分をいずれも却下する。 原告P1,原告P2及び原告P3のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1請求 請求の趣旨(1)処分行政庁がP4株式会社,P5株式会社,株式会社P6(以下まとめて「本件建築主」という)に対し平成18年1月25日付けでした開発許。 可処分(枚方市指令都査×××-××号。以下「本件許可処分」という)。 を取り消す(38号。 )(2)処分行政庁が本件建築主に対し平成18年6月1日付けでした一団地の認定処分(都査審認定第×号。以下「本件認定処分」という)を取り消す。 (43号。 )(3)被告P7が本件建築主に対し平成18年6月23日付けでした建築確認(。 「」。)処分建築確認番号×××××大建確××× 以下本件確認処分というを取り消す(44号。 ) 本案前の答弁(被告枚方市)主文1項同旨 本案の答弁(両被告)原告らの請求をいずれも棄却する。 第2事案の概要本件は,本件建築主が,大阪府枚方市α及びβに,後記高層マンション(以下まとめて「本件マンション」といい,本件マンションの敷地部分をまとめて- 2 -「本件敷地」という)を建築するため,本件許可処分(都市計画法29条1。 項,本件認定処分(建築基準法86条1項,本件確認処分(建築基準法6)),),,条1項6条の2第1項を受けたことにつきその周辺住民である原告らが本件確認処分には,隣地高さ制限(建築基準法56条1項2号)に代わるものとして規定された天空率の制限(同条7項2号,同法施行令135条の5,1 項を受けたことにつきその周辺住民である原告らが本件確認処分には,隣地高さ制限(建築基準法56条1項2号)に代わるものとして規定された天空率の制限(同条7項2号,同法施行令135条の5,135条の7第1項)につき,違法に作出された隣地境界線を前提として天空率を算定した誤りがあるほか,建築基準法及びその委任を受けた同法施行令に適合しない算定方法を用いて天空率を算定した誤りがあるとして,本件確認処分の取消しを求めるとともに(44号,本件許可処分及び本件認定処分は,専)ら隣地高さ制限を潜脱することを目的とした違法なものであるとして,本件許可処分(38号)及び本件認定処分(43号)の各取消しを求めた事案である(なお,本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分の後,都市計画法及び建築基準法が一部改正されているが,本件事案に関する限り実質的な影響はないので,改正経緯は省略する。 。) 建築物の高さ制限に関する建築基準法等の定め(1)建築基準法は,建築物の高さ制限の1つとして,隣地高さ制限を規定している。この隣地高さ制限は,当該建築物のうち,用途地域ごとに定められた高さ(20m又は31m)を超える部分について,隣地境界線からの水平距離に,用途地域ごとに定められた数値(20mと定められた地域については1.25,31mと定められた地域については2.5)を乗じて得た数値に,20m又は31mを加えた高さ以下に制限するものである(同法56条1項2号。なお,後記のとおり,本件敷地は第2種中高層住居専用地域で)あり,容積率の限度が200%と定められているから,上記数値は1.25となる(同号イ,同法52条1項2号。 )(2)建築基準法は,用途地域ごとに定められた所定の位置において,隣地高,,さ制限が遵守されることにより確保される採光通風等と同 ら,上記数値は1.25となる(同号イ,同法52条1項2号。 )(2)建築基準法は,用途地域ごとに定められた所定の位置において,隣地高,,さ制限が遵守されることにより確保される採光通風等と同程度以上の採光- 3 -通風等が確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については,隣地高さ制限を適用しないものとしている(同法56条7項2号。 )(3)建築基準法施行令は,上記規定を受け,天空率という指標を用いて,隣地高さ制限の適用をしない建築物の基準を定めている。 まず,天空率とは,地上のある地点を中心として,その水平面上に想定する半球(以下「想定半球」という)に当該建築物を投影し,これを更に水。 平面に投影し,想定半球の水平投影面積のうち,当該建築物によって影にな()。 っていない部分の面積の割合と定義されている同法施行令135条の5そして,同法施行令135条の7第1項は,上記基準として,概ね以下のとおり規定している。 1号当該建築物(隣地高さ制限が適用される地域,地区又は区域内の部分に限る)の同法施行令135条の10に定める位置を想定半球の。 中心として算定する天空率が,当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面において隣地高さ制限に適合するものとして想定する建築物(隣地高さ制限が適用される地域,地区及び区域内の部分に限り,階段室等及び棟飾等を除く。以下「隣地高さ制限適合建築物」という)の。 当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること。 2号当該建築物(同法56条1項2号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあっては高さが20mを,同号イからニに定める数値が2.5とされている建築物にあっては高さが31mを超える部分に限る)の隣地境界線からの後退距離(同号に規定する水平距。 離のうち最小 ている建築物にあっては高さが20mを,同号イからニに定める数値が2.5とされている建築物にあっては高さが31mを超える部分に限る)の隣地境界線からの後退距離(同号に規定する水平距。 離のうち最小のものに相当する距離をいう)が,前号の隣地高さ制。 限適合建築物と同一の隣地高さ制限適合建築物(同項2号イ又はニに定める数値が1.25とされている隣地高さ制限適合建築物にあっては高さが20mを,同号イからニに定める数値が2.5とされている隣地高さ制限適合建築物にあっては高さが31mを超える部分に限- 4 -る)の隣地境界線からの後退距離以上であること。 。 前提事実(争いのない事実並びに後掲各証拠(特記しない限り枝番を含む。 以下同じ)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)。 。 (1)当事者等原告らは,いずれも本件マンション建築予定地の近辺に居住する住民である(弁論の全趣旨。 )処分行政庁は,特例市(地方自治法252条の26の3第1項,地方自治法第252条の26の3第1項の特例市の指定に関する政令(平成12年政令第417号)の市長として,被告枚方市を代表し,当該市域内の開発行)為を許可する権限を有するほか(都市計画法29条1項,特定行政庁(建)築基準法2条33号,4条1項,建築基準法第4条第1項の人口25万人以上の市を指定する政令(昭和45年政令第271号)として,一団地の認)定(建築基準法86条1項)をする権限を有する行政庁である。 被告P7は,建築物の計画が建築基準関係規定に適合するか否かを確認する権限を有するものとして国土交通大臣等から指定された財団法人である(建築基準法6条の2,77条の18以下(争いがない。 。))(2)本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分処分行政庁は,平成18年1月25日,本件建築 交通大臣等から指定された財団法人である(建築基準法6条の2,77条の18以下(争いがない。 。))(2)本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分処分行政庁は,平成18年1月25日,本件建築主に対し,本件敷地について開発許可(本件許可処分)をした(甲1,弁論の全趣旨。 )処分行政庁は,同年6月1日,本件建築主に対し,本件マンションの建築計画につき本件敷地を一団地とみなす旨の認定(本件認定処分)をした(甲 弁論の全趣旨なお本件敷地の容積率の限度は200%であった乙,)。 ,(2の1。 )被告P7は,同年6月23日,本件建築主に対し,以下のとおりの建築物()()。 につき建築基準関係規定に適合する旨の確認本件確認処分をした甲4,,,なお本件確認処分は本件マンションのC棟についてされたものであるが- 5 -同日,本件マンションのA棟(地上15階,高さ約44m)及びB棟(地上13階,高さ約38m)についても建築確認処分(A棟につき×××××大,)(,),建確××× B棟につき×××××大建確××× がされており甲56A棟からC棟までを合わせた敷地面積は合計2万2494.71㎡,建築物全体の延べ面積は5万7868.13㎡であった(甲4~6。 )建築場所枚方市α×番12,β×番2の各一部敷地面積1万0515.78㎡建築面積2605.80㎡延べ面積2万5553.48㎡用途地域第2種中高層住居専用地域主要用途共同住宅(分譲)高さ76.12m階数地上24階,地下2階構造鉄筋コンクリート造(3)隣地境界線本件敷地は,南東側で,長さ約45m,最大幅約1.2m,地積34.09㎡の細長い土地(枚方市β×番2。以下「本件隣接土地」という)と接。 しており(乙2の1,弁論の全趣旨, ト造(3)隣地境界線本件敷地は,南東側で,長さ約45m,最大幅約1.2m,地積34.09㎡の細長い土地(枚方市β×番2。以下「本件隣接土地」という)と接。 しており(乙2の1,弁論の全趣旨,本件隣接土地との境界線を隣地境界)線として本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分がされていた(弁論の全趣旨。 )(4)審査請求原告らを含む本件マンション周辺住民は,平成18年8月25日,枚方市建築審査会に対し,本件確認処分につき,隣地高さ制限に代わるものとして規定された天空率の制限において,違法に作出された隣地境界線を前提として天空率を算定した誤りがあるほか,法令に適合しない算定方法を用いて天空率を算定した誤りがあるとして,その取消しを求める審査請求(建築基準- 6 -法94条1項)をした(甲7。 )枚方市建築審査会は,同年11月13日,本件確認処分には,原告らを含む申立人らの主張するような違法事由は認められないとして,審査請求を棄却する裁決(以下「本件裁決」という)をし(甲7,そのころ,これを。 )原告らを含む申立人らに通知した(弁論の全趣旨。 )上記裁決においては,大部分の申立人は申立適格に問題がないことから,本件マンションの周辺に居住していない申立人についてもあえて申立適格を問題とせず,出訴期間についても,本件確認処分に関する書類が閲覧可能となったのは平成18年6月30日であったことから,処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内(行政不服審査法14条1項)に申し立てられたものとして適法と判断していた(甲7。 )なお,原告らを含む本件裁決に係る審査請求の申立人らは,審査請求前置主義にもかかわらず,本件許可処分(都市計画法52条参照)及び本件認定処分(建築基準法96条参照)については,審査請求をしなかった(争 お,原告らを含む本件裁決に係る審査請求の申立人らは,審査請求前置主義にもかかわらず,本件許可処分(都市計画法52条参照)及び本件認定処分(建築基準法96条参照)については,審査請求をしなかった(争いがない。 )(5)本件訴え原告らは,平成19年3月12日,本件訴えを提起した(顕著な事実。 ) 争点及び当事者の主張(1)審査請求前置をしない正当な理由(38号,43号の本案前の争点)(原告らの主張)アそもそも,行政事件訴訟法は,処分について審査請求をすることができる場合であっても,これを経ずに直ちに取消訴訟を提起することを認める自由選択主義を採用しており(行政事件訴訟法8条1項本文,審査請求)前置主義(行政事件訴訟法8条1項ただし書)は例外的な規定である。し,()たがって審査請求前置主義の適用を緩和する正当な理由同条2項3号は,これを緩やかに解することが,自由選択主義を採用した行政事件訴訟- 7 -法の趣旨に合致する。 イ本件許可処分及び本件認定処分は,本件確認処分と不可分に結びついた一連の処分であるから,これを一体としてみなければ,その違法性は明らかにならない。このような関係に立つ複数の処分については,そのうちの1つだけ審査請求をすれば,全体について審査請求を前置したものと評価すべきである。 ウ本件許可処分及び本件認定処分の違法は,隣地高さ制限に代わるものとして定められた天空率の規制を潜脱して本件確認処分を得るためのものであったという点にあるが,これは,本件確認処分についての本件裁決を受けて,初めて原告らに明らかとなったものである。 (被告枚方市の主張)ア審査請求前置主義は,行政庁自身に処分是正の機会を与え,更に上級行政庁による監督権の行使により行政の統一を図るものとして,各個別の行政法規において定めら なったものである。 (被告枚方市の主張)ア審査請求前置主義は,行政庁自身に処分是正の機会を与え,更に上級行政庁による監督権の行使により行政の統一を図るものとして,各個別の行政法規において定められたものであるから,その例外を比較的緩やかに解釈することは許されない。 イ開発許可処分,一団地の認定処分,建築確認処分は,それぞれ独自の目的に基づいて独自の手続でされる処分であって,不可分に結びついた一連の処分であるとはいえない。 ウ開発許可処分,一団地の認定処分が違法であるか否かは,それぞれの処分についてそれぞれの処分要件を充足しているか否かによって判断されるべきものであって,建築確認処分が違法であるか否かによって判断されるべきものではなく,ましてや,原告らがその違法を認識していたか否かによって左右されるものでもない。 (2)原告適格(全事件の本案前の争点)(原告らの主張)ア原告らは,いずれも本件マンションの周辺に居住する者であり,本件マ- 8 -ンションの建築により,採光,開放度が著しく阻害されるほか(甲9,10,原告P8及び原告P9を除く原告らは,原告らの依頼により作成さ)れた(仮称)γマンション計画風環境調査報告書(甲14。以下「本件報告書」という)で具体的な数値をもって指摘されているとおり,北東な。 いし北西方向からの通風が阻害される。 イ枚方市では,新たに中高層建築物を建築しようとする場合には,建築主は,当該建築物の高さの2倍に相当する距離の範囲内に居住する周辺住民を対象として,計画の公開や市長との協議をしなければならないこととされている(枚方市開発事業等の手続等に関する条例(平成17年枚方市条例第46号。甲15。以下「本件条例」という)23条,枚方市開発事。 業等の手続等に関する条例施行規則(平成17年枚方市規則 ととされている(枚方市開発事業等の手続等に関する条例(平成17年枚方市条例第46号。甲15。以下「本件条例」という)23条,枚方市開発事。 業等の手続等に関する条例施行規則(平成17年枚方市規則第53号。甲16。以下「本件規則」という)18条。そして,本件マンションの。 )高さは76.12mであり,原告らは,いずれもその2倍の距離の範囲内に居住しているから(甲17,上記の手続の対象となる周辺住民に該当)する。 したがって,原告らは,この条例によって,違法な高層建築物の建築により生活被害を受けないという条例上保護された利益を有しており,本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分の取消訴訟について原告適格を有する。 (被告枚方市の主張)争う。 原告らは,本件確認処分において天空率算定に違法があるため,採光,通風,開放度が阻害されると主張するが,これらの利益は,本件許可処分,本件認定処分の根拠法令において保護された利益ではないから,原告らは,本件許可処分,本件認定処分の取消訴訟の原告適格を有しない。 (,)(3)本件許可処分及び本件認定処分の違法性38号43号の本案の争点- 9 -(原告らの主張)本件確認処分及び本件認定処分は,隣地高さ制限に代わるものとして規定された天空率の制限を潜脱することを目的としてされたものであって,違法である。 (被告枚方市の主張)原告らの主張する事由は,開発許可基準(都市計画法33条)に抵触するものではないし,一団地の認定の判断事項(建築基準法86条1項)に含まれるものでもない。 したがって,原告らの主張を前提としたとしても,本件許可処分及び本件認定処分が違法となるものではない。 (4)隣地境界線(全事件の本案の争点1)(原告らの主張)ア本件隣接土地は,敷地となる余地のない狭小な土地で の主張を前提としたとしても,本件許可処分及び本件認定処分が違法となるものではない。 (4)隣地境界線(全事件の本案の争点1)(原告らの主張)ア本件隣接土地は,敷地となる余地のない狭小な土地であり,専ら天空率の規制を免れるために分筆されたものであるから,本件敷地と本件隣接土地の境界線を隣地境界線(建築基準法56条1項2号,7項2号)ということはできない。 イ建築基準法56条7項2号及び同法施行令135条の7は,隣地高さ制限が遵守されることにより確保される採光,通風等と同程度以上の採光,通風等が確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については隣地高さ制限を適用しないものとし,その基準として,隣地境界線を基準とした一定の地点から測定した天空率の制限を規定している。そうすると,これらの規定は,隣地における採光,通風等を確保することを目的としたものというべきであるから,隣地境界線とは,敷地又は敷地となり得る土地との境界線と解すべきであって,本件隣接土地のように敷地とはなり得ない土地との境界線は,隣地境界線とはなり得ない。 (被告枚方市の主張)- 10 -争う。 (被告P7の主張)本件隣接土地の分筆の経緯ないし目的については不知。 建築確認は,建築主等からの申請書類に基づき,書面審査のみので当該建築計画が建築基準関係規定に適合するか否かを客観的に判断する性格のものであり,基本的に裁量の余地のないものであるから,本件許可処分及び本件認定処分で境界線とされた線を前提としてした本件確認処分には,違法な点はない。 (5)天空率の算定方法(全事件の本案の争点2)(被告P7の主張)ア後退距離(水平占有角度及び勾配)建築基準法施行令は,天空率の算定に当たり,当該建築物の隣地境界線からの後退距離が,隣地高さ制限適合建築物の隣地境 法(全事件の本案の争点2)(被告P7の主張)ア後退距離(水平占有角度及び勾配)建築基準法施行令は,天空率の算定に当たり,当該建築物の隣地境界線からの後退距離が,隣地高さ制限適合建築物の隣地境界線からの後退距離以上であることと規定しているから(135条の7第1項2号,隣地高)さ制限適合建築物の隣地境界線からの後退距離は,当該敷地に計画する当該建築物の後退距離以内であれば,任意の位置に設定することができる。 原告らは,隣地高さ制限適合建築物は,あくまで当該立ち上げ位置において隣地高さ制限に適合していなければならないと主張するが,そのような制限は,本件敷地についていえば,高さが20mを超える部分に限られるから(建築基準法施行令135条の7第1項2号括弧書,少なくとも)当該高さを超えない部分は,隣地境界線からの後退距離を0とすることができるし,言い換えれば,高さを20mとして隣地境界線まで目一杯設定することができる。 したがって,隣地境界線上に隣地高さ制限適合建築物を立ち上げた状態,。 での水平占有角度及び勾配をもって天空率を算定したことは違法でないイ入り隅部- 11 -隣地境界線が当該建築物の敷地側に屈曲している場合(入り隅部)についての天空率の算定方法は,建築基準法施行令に明確な定めがないので,法の趣旨を没却しない範囲内で,特定行政庁ごとに取扱いを定めている。 枚方市は,当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面(建築基準法施行令135条の7第1項1号)において,入り隅を構成する2辺の内角を2等分して敷地の領域を2つに分け,当該入り隅を構成する2辺の外角を2等分し,ここから所定の距離だけ離れた地点に設定する方法を採用している(甲8の1。この場合,各測定点ごとに,当該測定点から見える隣地)高さ制限適合建築物及び当該建築物の最 を構成する2辺の外角を2等分し,ここから所定の距離だけ離れた地点に設定する方法を採用している(甲8の1。この場合,各測定点ごとに,当該測定点から見える隣地)高さ制限適合建築物及び当該建築物の最大幅を水平占有角度として測定し,天空率を算定する。したがって,測定点によっては,当該測定点から,,()みて適合建築物が台形に見えることもありその場合には手前側上底ではなく奧側(下底)の部分が水平占有角度の基準となることもある。 本件確認処分は,上記のような基準に従って算定された天空率を算定しているから,違法ではない。 (原告らの主張)ア後退距離(水平占有角度及び勾配)被告P7の主張するとおり,天空率の算定に当たり,隣地高さ制限適合建築物は,当該建築物の後退距離以内であれば,任意の位置に設定することができる。 しかし,ここにいう隣地高さ制限適合建築物は,あくまで当該立ち上げ位置において隣地高さ制限に適合していなければならないし,1つでなければならないが(同項1号参照,本件では,複数の隣地高さ制限適合建)築物を前提として天空率を算定している(例えば,乙第2号証の4(228丁)では,隣地高さ制限適合建築物として,後退距離0のものと,後退距離7.359mのものの2つを設定している。 。)また,被告P7は,同項2号括弧書を根拠に,高さ20mを超えない部- 12 -分には後退距離の規制が及ばないと主張するが,これは,あくまで高さ20mを超えない建築物として想定することを許す趣旨にとどまるというべきであるから,誤った解釈というべきである。 しかるに,本件確認処分は,隣地高さ制限適合建築物を隣地境界線上に立ち上げた状態での水平占有角度及び勾配をもって算定した天空率を基礎としているから,天空率の算定に誤りがあり,違法である。 イ入り隅 しかるに,本件確認処分は,隣地高さ制限適合建築物を隣地境界線上に立ち上げた状態での水平占有角度及び勾配をもって算定した天空率を基礎としているから,天空率の算定に誤りがあり,違法である。 イ入り隅部被告P7は,当該測定点からみて適合建築物が台形に見える場合には,手前側(上底)ではなく奧側(下底)の部分が水平占有角度の基準となることもあると主張するが,そうすると,隣地高さ制限適合建築物の後退距離が当該建築物の後退距離を超えることとなるから,違法である。 第3争点に対する判断 審査請求前置をしない正当な理由(38号,43号の本案前の争点)について(1)前記のとおり,本件許可処分及び本件認定処分については,都市計画法及び建築基準法において審査請求前置主義が定められているにもかかわらず,原告らは,本件許可処分及び本件認定処分についての審査請求を経ることなく,その取消訴訟を提起している。 ,,(2)行政処分の取消訴訟を提起するにつき審査請求前置が要求されるのは主として,司法審査に先立ち,行政庁あるいはその設置する第三者機関(以下まとめて「行政庁等」という)に,当該行政処分を見直す機会を与える。 ことにより,紛争の自主的解決を図るとともに,行政庁等の専門性を生かした迅速,的確な紛争解決を期待する趣旨と解される。そうすると,複数の処分のうちの1つについてのみ審査請求を前置することによって,その余の処分について審査請求を前置しないことの正当な理由(行政事件訴訟法8条2項3号)があるといえるのは,各処分が実質的に同一である場合とか,1つ- 13 -の処分について審査請求をした以上他の処分について審査請求をしても行政庁等の対応が変わる余地がなく,紛争の自主的解決を期待できない場合などの場合に限られるというべきである。 原告らは,行政事 3 -の処分について審査請求をした以上他の処分について審査請求をしても行政庁等の対応が変わる余地がなく,紛争の自主的解決を期待できない場合などの場合に限られるというべきである。 原告らは,行政事件訴訟法上は審査請求前置主義が例外的であるから,その適用を緩和する正当な理由は緩やかに解すべきであると主張するが,審査,,請求前置主義は都市計画法や建築基準法などの個別の行政実体法において上記の趣旨で規定されたものであって,それ自体に十分な合理性を見出すことができるから,原告らの上記主張は採用することができない。 (3)そこで,上記のような観点から,本件許可処分及び本件認定処分について審査請求を前置しない正当な理由があるといえるか否かについて検討する。 まず,原告らは,本件許可処分及び本件認定処分は,本件確認処分と不可分に結びついた一連の処分であって,これらを一体としてみなければその違法性は明らかにならないから,そのうちの1つである本件確認処分について審査請求を前置すれば,全体について審査請求を前置したものと評価すべきと主張する。 しかし,開発許可処分は,建築物の建築等を目的とした土地の区画形質の変更(開発行為)のうち,一定以上の規模のものについては,予定建築物等の用途が当該開発区域の用途地域等に係る用途制限に適合したものであるなどの所定の要件を充足したものに限って許可し,もって段階的かつ計画的な市街化を図ることを目的とする処分であり(都市計画法29条,33条,)一団地の認定処分は,当該建築物の敷地等が一団地を形成していることなどの所定の要件を充足したものについてその旨の認定をし,一建築物一敷地の原則を緩和して建築基準法上の各種制限規定を適用することとし,もって市街地環境の改善と土地の高度利用を図ることを目的とする処分であり(建築基 を充足したものについてその旨の認定をし,一建築物一敷地の原則を緩和して建築基準法上の各種制限規定を適用することとし,もって市街地環境の改善と土地の高度利用を図ることを目的とする処分であり(建築基準法86条,建築確認処分は,建築物が建築される前の建築計画の段階)- 14 -で,建築物の敷地,構造,設備及び用途に関する最低の基準を規定した建築基準関係規定に適合したものであることを確認し,もって国民の生命,健康及び財産の保護を図ることを目的とする処分であり(建築基準法6条,6条の2,いずれも,趣旨,目的,要件,効果を異にするものである。このよ)うに,本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分は,それぞれの処分ごとに処分要件が異なるから,審査請求も各別に前置する合理的な理由があるといえる。原告らの上記主張は理由がない。 また,原告らは,本件許可処分及び本件認定処分が,天空率の規制を潜脱して本件確認処分を得るためのものであったことを知り得なかったと主張する。 しかし,上記のとおり本件許可処分,本件認定処分,本件確認処分は処分要件を異にするものである以上,原告が主張する上記事由は,審査請求期間経過の正当理由(行政不服審査法14条3項)を基礎付ける1事情として考慮する余地があったとしても,審査請求を前置しない正当理由を基礎付けるものとはいえず,失当である。 (4)したがって,本件許可処分及び本件認定処分について審査請求を前置しないことについて正当な理由があるといえず,これらの処分の取消しの訴えは,審査請求前置主義に違背した不適法なものである。 原告適格(全事件の本案前の争点)について,,(1)前記のとおり本件許可処分及び本件認定処分の取消しを求める訴えは審査請求を前置しない不適法なものであるから,以下では,本件確認処分の取消しを 告適格(全事件の本案前の争点)について,,(1)前記のとおり本件許可処分及び本件認定処分の取消しを求める訴えは審査請求を前置しない不適法なものであるから,以下では,本件確認処分の取消しを求める部分について,原告らに原告適格があるといえるか否かを検討する。 (2)建築基準法6条及び6条の2の規定する建築確認処分は,建築物が建築される前の段階で,当該建築物に係る建築計画が建築基準関係規定に適合したものであることを公権的に確認する処分であって,これを受けなければ当- 15 -該建築物に係る建築工事をすることができないという法的効果を付与されたものであるから,同法は,建築確認処分により,同法に違反した違法建築物の出現を防止することを目的としていると解される。 上記建築基準関係規定として,容積率の制限(同法52条,第1種低層)住居専用地域及び第2種低層住居専用地域内における建築物の絶対的高さ制限(同法55条,前面道路の幅員や隣地境界線からの水平距離に応じた建)築物の高さ制限(同法56条,日影による中高層建築物の高さ制限(同法)56条の2,高度地区内の建築物の高さ制限(同法58条)等が定められ)ているが,これらの定めは,その規制内容にかんがみれば,建築密度,建築物の規模等を規制することにより,建築物の敷地上に適度な空間を確保し,もって,当該建築物及びその周辺の建築物等における日照,通風,採光等を良好に保つことを目的とするものと解される。本件で問題となっている隣地高さ制限(同法56条1項2号,7項2号)も,その規制内容にかんがみれ,,,ば上記各規定と同様に当該建築物及びその周辺の建築物等における採光通風等を良好に保つことを目的とした規定と解される。 そして,上記各規定の趣旨に,建築基準法が,建築物の敷地,構造等に関する最 ,,ば上記各規定と同様に当該建築物及びその周辺の建築物等における採光通風等を良好に保つことを目的とした規定と解される。 そして,上記各規定の趣旨に,建築基準法が,建築物の敷地,構造等に関する最低の基準を定めて国民の生命,健康及び財産の保護を図ることなどを目的とした法律である(同法1条)こと,上記各規制に違反する建築物が建築された場合,これにより日照,採光,通風が阻害される周辺の他の建築物に居住する者に健康被害をもたらし得ることなどを併せて考慮すれば,建築確認処分は,建築物の建築に当たり,当該建築物及びその周辺の建築物における日照,採光,通風等を良好に保つことを目的とした隣地高さ制限その他の各規制を遵守させることにより,当該建築物により日照,採光,通風等を阻害される周辺の建築物に居住する者の健康を個々人の個別的利益としても保護する趣旨を含むものというべきである。 そうすると,本件確認処分に係る本件マンションにより日照,採光,通風- 16 -等を阻害される周辺の他の建築物に居住する者は,本件確認処分の取消しを求める法律上の利益を有し,その取消訴訟における原告適格を有するというべきである。 (3)そこで,上記の基準に従い,原告らが,本件確認処分の取消訴訟における原告適格を有するか否かを検討する。 アまず,原告らは,本件マンションの建築により,採光,開放度が著しく阻害されると主張し,甲第9,第10号証を援用する。しかし,甲第9号証は現場写真,第10号証は原告ら作成の陳述書であり,原告らが本件マンション(建築面積2605.80㎡,高さ76.12m)の建築により,,一定の圧迫感を抱くことまでは推認されるものの具体的にどの程度採光通風等が阻害されるおそれがあるかが明らかではないから,これをもって原告らの原告適格を基礎付けるに十分でない m)の建築により,,一定の圧迫感を抱くことまでは推認されるものの具体的にどの程度採光通風等が阻害されるおそれがあるかが明らかではないから,これをもって原告らの原告適格を基礎付けるに十分でない。 イ次に,原告らは,本件マンションの建築により,通風が阻害されると主張し,甲第14号証を援用する。 ウそこで検討するに,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)原告らは,本件敷地から概ね50m以内の距離の建築物に居住する者である(甲17,弁論の全趣旨。 )(イ)原告らは,本件マンションの建設により周辺地域における風環境に与える影響の有無及び程度を調査するため,調査会社にその旨の調査を依頼し,平成18年7月に本件報告書が作成された(甲14,弁論の全趣旨。 )(ウ)本件報告書は,枚方測定局(枚方市役所に設置)における風量,風向の測定データを基に,原告らの居住地を中心とした96地点で本件マンション建設前後の風量の変化をシミュレートし,風速の低いものから累積した頻度が55%である風速値(年平均風速に近似する)及び同。 - 17 -95%である風速値(日最大平均風速の年間平均値に近似する)の変。 化を予測している(甲14。 )そして,本件報告書によれば,原告らの居住地から最も近い観測点のうち,観測点番号××番(原告P1。累積頻度55%の風速値が1.5m/sから0.9m/sまで40%の低下,累積頻度95%の風速値が3.7m/sから3.4m/sまで約8%の低下,同××番(原告P)2。累積頻度55%の風速値が0.9m/sから0.6m/sまで約33%の低下,累積頻度95%の風速値が2.7m/sから2.5m/sまで約7%の低下,同××番(原告P3。累積頻度55%の風速値が)1.2m/sから0.8m/sまで約33 sから0.6m/sまで約33%の低下,累積頻度95%の風速値が2.7m/sから2.5m/sまで約7%の低下,同××番(原告P3。累積頻度55%の風速値が)1.2m/sから0.8m/sまで約33%の低下,累積頻度95%の風速値が3.1m/sから2.3m/sまで約26%の低下)については,上記のとおり両数値のいずれもが相当程度低下しているが,その余の原告らの居住地から最も近い観測点では,上記数値のうちの片方のみがわずかに低下するにとどまるか,あるいはそのような低下がなく,むしろ向上していることが認められる(甲14,弁論の全趣旨。 )エ以上によれば,原告P1,原告P2及び原告P3については,本件マンションの建築により,同人らの居住地において,年平均風速及び日最大平均風速の年間平均値に近似する風速値のいずれもが相当程度低下することが予測され,通風が阻害されるものと認められるが,その余の原告らについては,これを認めるに足りる証拠がない。 原告らは,本件マンションの建築によって,原告P8及び原告P9を除く原告らの居住地において,北東ないし北西方向からの通風が阻害されると主張する。しかし,甲第14号証及び弁論の全趣旨によれば,例えば,(),. 観測点番号××番原告P10において北北東方向からの風速値が052m/sから0.28m/sまで低下している反面,東北東方向からの風速値は0.50m/sから0.71m/sに向上しているなど,各観測- 18 -点における北東ないし北西方向からの風速値が一貫して低下しているわけではないことが認められる。したがって,原告らが主張する上記事実を認めることはできないし,仮にその点を措くとしても,建築基準法は,特定の方向からの通風を具体的に保護する趣旨とまでは解されないから,原告らの上記主張は,いずれ したがって,原告らが主張する上記事実を認めることはできないし,仮にその点を措くとしても,建築基準法は,特定の方向からの通風を具体的に保護する趣旨とまでは解されないから,原告らの上記主張は,いずれにせよ理由がない。 したがって,原告P1,原告P2及び原告P3に限り,本件マンションの建築によって通風を阻害される者として,本件確認処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するというべきである。 オ原告らは,建築主が,新たに中高層建築物を建築しようとする場合に,一定の範囲の周辺住民に対して計画の公開等を義務付けている本件条例及び本件規則を根拠に,原告適格が基礎付けられると主張する。しかし,本件条例及び本件規則は,建築主に周辺住民に計画の公開等を義務付けるにすぎず,単に周辺住民との紛争を防止することを目的としているにとどまり,建築基準関係法規を遵守させることによって原告らの生命,健康等の具体的な利益を個別的に保護する趣旨を含むものと解することができない。 そうすると,本件条例及び本件規則をもって,原告らの原告適格を基礎付けることはできない。 (4)したがって,原告P1,原告P2及び原告P3については,本件確認処,,分の取消訴訟における原告適格を認めることができるがその余の原告らはその原告適格を認めることができないから,その限度で不適法な訴えとして却下を免れない。 隣地境界線(本案の争点1)について(1)上記のとおり,本件訴えは,原告P1,原告P2及び原告P3が本件確認処分の取消しを求める部分に限り適法であるから,以下検討する。 (2)原告らは,本件隣接土地が敷地となる余地のない狭小な土地であり,専- 19 -ら天空率の規制を免れるために分筆されたものであるから,本件敷地と本件隣接土地の境界線を隣地境界線(建築基準法56条1項2 告らは,本件隣接土地が敷地となる余地のない狭小な土地であり,専- 19 -ら天空率の規制を免れるために分筆されたものであるから,本件敷地と本件隣接土地の境界線を隣地境界線(建築基準法56条1項2号,7項2号)ということはできないと主張する。しかし,隣地境界線とは,その文理上,当該建築物の敷地とこれに隣接する土地の境界と解すべきであり,建築基準法上も,当該隣接土地の利用可能性の有無により境界線が変動することを予定。 ,,した規定を置いていないまた一筆の土地としては狭小であったとしてもこれに隣接する他の土地と相まって全体として有効活用できる土地もあれば,一筆の土地としては広大であったとしても,地形等の理由により有効活用が困難な土地もあるから,仮に隣地境界線につき原告らの解釈を前提とすると,すべての隣接地について上記のような意味での利用可能性を個別に判,,断しなければ建築確認を遂げることができないこととなるが建築基準法は建築確認について書面審理を原則とし,提出すべき書面も定型化されているから(同法施行規則1条の3等参照,同法が建築確認処分に当たって上記)のような判断がされることを予定しているとは解されない。そうすると,同法56条1項2号,7項2号所定の隣地境界線とは,文字どおり当該建築物の敷地とこれに隣接する土地の境界と解すべきであり,これと異なる原告らの上記主張は理由がない。 天空率の算定方法(本案の争点2)について(1)後退距離(水平占有角度及び勾配)について前記のとおり,建築基準法56条1項2号,7項2号は,政令に定める基準に適合する建築物については隣地高さ制限を適用しないと規定し,これらの規定を受けて,同法施行令135条の7は,天空率という指標を用いて,その基準を定めている。そして,同法施行令135条の7第1項 準に適合する建築物については隣地高さ制限を適用しないと規定し,これらの規定を受けて,同法施行令135条の7は,天空率という指標を用いて,その基準を定めている。そして,同法施行令135条の7第1項2号は,その基準の1つとして,当該建築物の隣地境界線からの後退距離が,隣地高さ制限適合建築物の隣地境界線からの後退距離以上であることと規定しているから,隣地高さ制限適合建築物は,当該建築物の後退距離以内の任意の位置- 20 -に設定することができることとなる。また,そのような後退距離の制限は,本件敷地についていえば,高さが20mを超える部分に限られるから(同号括弧書,隣地高さ制限適合建築物は,高さが20mを超えない部分につい)ては,隣地境界線からの後退距離を0として設定できることとなる。 原告らは,同号括弧書が,隣地高さ制限適合建築物につき高さ20mを超えない建築物として想定することを許す趣旨にとどまると主張するが,同号括弧書は,隣地高さ制限適合建築物のうち,高さが20mを「超える部分に限る」と規定しているから,隣地高さ制限適合建築物を高さが20mを超える部分と超えない部分と区分し,前者については隣地高さ制限を及ぼすが,後者についてはその制限を及ぼさない趣旨と解すべきである。原告らの上記主張は理由がない。 また,原告らは,天空率の算定に当たり複数の隣地高さ制限適合建築物を設定していると主張し,乙第2号証の4(228丁でいえば,後退距離を0とするものと後退距離を7.359mとするものの2つが設定されていると主張する)等を援用する。確かに,乙第2号証の4,228丁によれば,。 後退距離を0とするものと後退距離を7.359mとするものの2つを設定して天空率を算定しているようにも解されないではない。しかし,上記のとおり,隣地高さ制限適合建築物の の4,228丁によれば,。 後退距離を0とするものと後退距離を7.359mとするものの2つを設定して天空率を算定しているようにも解されないではない。しかし,上記のとおり,隣地高さ制限適合建築物のうち同号により後退距離の規制が及ぶのは高さが20mを超える部分に限られるから,これを超えない部分については隣地境界線からの後退距離を0とし,これを超える部分について所定の後退距離(乙第2号証の4,228丁でいえば7.359m)を設定して隣地高さ制限適合建築物を設定することが許されるが,そのような形状の隣地高さ制限適合建築物について天空率を算定すると,上記のとおり,後退距離を0とするものと所定の後退距離を設定したものの2つが設定されているようにみえるというにすぎない。したがって,原告らの上記主張は理由がない。 (2)入り隅部について- 21 -弁論の全趣旨によれば,隣地境界線が当該建築物の敷地側に湾曲している場合(入り隅部)に係る天空率の算定方法については,特定行政庁ごとに取扱いを定めていることが認められる。 入り隅部の天空率の算定方法は,建築基準法施行令に明確な定めがないから,上記取扱いが,隣地高さ制限を遵守した場合と同様の採光,通風等を確保することを目的とした建築基準法56条1項2号,7項2号の趣旨を没却するものでない限り,適法というべきである。 そこで,枚方市の採用した入り隅部に係る天空率算定方法を検討するに,甲第8号証によれば,枚方市は,当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面において,入り隅部を構成する2辺の内角を2等分して敷地の領域を2つに分け,当該入り隅部を構成する2辺の外角を2等分し,所定の距離だけ離れた地点に設定する方法を採用していることが認められる。枚方市の採用する上記の天空率算定方法が,隣地高さ制限を遵守することにより確 分け,当該入り隅部を構成する2辺の外角を2等分し,所定の距離だけ離れた地点に設定する方法を採用していることが認められる。枚方市の採用する上記の天空率算定方法が,隣地高さ制限を遵守することにより確保される採光,通風等と同程度の採光,通風等を確保することを目的とする建築基準法56条1項2号,7項2号,同法施行令135条の7の趣旨を没却するものであることをうかがわせる事情はないから,上記天空率算定方法は違法ではないというべきである。 そして,そのような方法で定められた測定点を基準とすると,天空率は,建築物を想定半球及びその水平面へ投影し,その影になっていない面積の割,,()合によって算定されるから隣地高さ制限適合建築物のうち手前側上底よりも奧側(下底)の広がりが大きく,その結果奥側が視野に入るのであれば,奥側を水平占有角度の基準として天空率を算定せざるを得ない。原告らは,手前側ではなく奧側を基準として天空率を算定すると,隣地高さ制限適合建築物の後退距離を当該建築物の後退距離以上に設定することとなると主張するが,奥側を水平占有角度の基準とするからといって,建築物の後退距離も奥側で計測することにはならず,同距離は手前側を基準とした最短距離- 22 -で算定すべきであるから(建築基準法56条1項2号,同法施行令135条の7第1項2号,甲8の1,原告らの上記主張は理由がない。 ) 結論 以上のとおり,本件訴えのうち,本件許可処分及び本件認定処分の各取消しを求める請求に係る部分は審査請求を前置しないことにつき正当な理由がない不適法なものであるからいずれも却下し,本件確認処分の取消しを求める請求に係る部分については,原告P1,原告P2及び原告P3を除く原告らには原告適格が認められないから当該部分をいずれも却下し,原告P1,原告P2 であるからいずれも却下し,本件確認処分の取消しを求める請求に係る部分については,原告P1,原告P2及び原告P3を除く原告らには原告適格が認められないから当該部分をいずれも却下し,原告P1,原告P2及び原告P3に係る本件確認処分の取消しを求める請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官廣谷章雄裁判官森鍵一裁判官棚井啓

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る