- 1 -主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求被告が原告に対し平成16年12月17日付けでした学校法人の解散命令(16生文私行第2327号)を取り消す。 第2事案の概要本件は,専修学校を設置し,私立学校法に基づく法人であった原告に対し,被告が,原告が同法25条1項の資産保有義務に違反することを理由に,同法に基づき平成16年12月17日付け解散命令(以下「本件解散命令」という)を行ったことから,原告が,その処分の取消しを求めた事案である。 。 争いのない事実等(証拠により容易に認められる事実は,末尾にその証拠を掲記した)。 (1)当事者等原告は,昭和46年12月27日に私立学校法(以下「法」という)6。 4条4項の法人として認可され,本件解散命令まで,専修学校を設置していた(乙2)。 (2)民事再生手続の経緯ア原告は,平成14年9月27日,東京地方裁判所(以下「東京地裁」という)に民事再生法に基づく再生手続開始の申立てをした(乙9)。 。 イ東京地裁は,平成14年10月3日,原告について再生手続を開始する決定をした(乙10)。 ウ原告の提出した再生計画案は,平成15年7月9日,債権者集会で可決され,東京地裁はこれを認可した(甲4,乙14,15)。 エ東京地裁は,平成16年3月26日,原告に係る再生手続を終結する決- 2 -定をした(乙17)。 (3)本件解散命令の経緯ア被告は,平成16年11月29日,原告に対し解散命令を行うに先立ち,行政手続法15条1項及び法62条3項に基づき,原告に対し聴聞を実施する旨通知した(乙22)。 イ東京都私立学校審議会(以下「本件私学審議会」という)は,平成1。 6年12月13日,原告に対する意見 手続法15条1項及び法62条3項に基づき,原告に対し聴聞を実施する旨通知した(乙22)。 イ東京都私立学校審議会(以下「本件私学審議会」という)は,平成1。 6年12月13日,原告に対する意見の聴取を実施した。これに対し,原告は,被告が原告に予定している解散命令に異議がある旨陳述した(甲。 2,乙23,24,36)ウ本件私学審議会は,平成16年12月17日,被告に対し,原告に対する解散命令を適当と認める旨の答申をした。これを受けて,被告は,同日,原告に対し本件解散命令を行った(甲1,乙25,40)。 エ平成16年12月24日,原告に対する解散登記が完了した(乙2)。 法令の定め等(1)私立学校法(以下「法」という)64条4項は「専修学校又は各種学。 ,校を設置しようとする者は,専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人を設立することができる」と規定し(以下,同条項に基づいて設立さ。 れた法人を「準学校法人」という,同条5項は,準学校法人について,。)法第3章(25条ないし63条)の学校法人に関する規定を準用すると規定している。 (2)法62条1項は,所轄庁(都道府県知事,法4条2号)が学校法人に対して解散を命ずることができるのは,当該学校法人が「法令の規定に違反,し,又は法令の規定に基く所轄庁の処分に違反した場合」において「他の,方法により監督の目的を達することができない場合」に限ると規定し,学校法人に対し解散命令をしようとする場合の手続について,法62条3項は,所轄庁である都道府県知事による「聴聞に代えて私立学校審議会等による意- 3 -見の聴取を求めることができる」旨を規定し,同条4項は「私立学校審議,会等は,当該学校法人が私立学校審議会等による意見の聴取を求めたときは,所轄庁に代わって意見 立学校審議会等による意- 3 -見の聴取を求めることができる」旨を規定し,同条4項は「私立学校審議,会等は,当該学校法人が私立学校審議会等による意見の聴取を求めたときは,所轄庁に代わって意見の聴取を行わなければならない」と規定している。 。 (3)法25条1項は「学校法人は,その設置する私立学校に必要な施設及,び設備又はこれらに要する資金並びにその設置する私立学校の経営に必要な財産を有しなければならない」と規定し,同条2項は「私立学校に必要。 ,な施設及び設備についての基準は,別に法律で定めるところによる」と規。 定している。そして,法附則11項は,学校法人及び準学校法人が有しなければならない施設及び設備に関しては,法25条2項(法64条5項において準用する場合を含む)の規定にかかわらず,別に学校の施設及び設備の。 基準に関して規定する法律が制定施行されるまでは,なお従前の例によると規定している。 (4)現在「学校の施設及び設備の基準に関して規定する法律」は制定され,ておらず,学校教育法82条の6が「専修学校は,次の各号に掲げる事項,について文部科学大臣の定める基準に適合していなければならない」と規。 定し,同条2号は「目的,生徒の数又は課程の種類に応じて有しなければ,ならない校地及び校舎の面積並びにその位置及び環境」と規定している。 (5)学校教育法82条の6の「文部科学大臣の定める基準」として,専修学校設置基準(昭和51年文部省令第2号)があり,同基準22条1項は,「専修学校は,次条に定める校舎等を保有するに必要な面積の校地を備えなければならない」と規定し,23条1項は「専修学校の校舎には,目的,。 ,生徒数又は課程に応じ,教室…,教員室,事務室その他必要な附帯施設を備えなければならない」と規定し,24条は, 校地を備えなければならない」と規定し,23条1項は「専修学校の校舎には,目的,。 ,生徒数又は課程に応じ,教室…,教員室,事務室その他必要な附帯施設を備えなければならない」と規定し,24条は,備えるべき校舎の面積を規定。 している。これを参考として,被告東京都知事は「準学校法人設立認可基,準(以下「本件認可基準」という。乙1)を定めている。 」 争点 - 4 -,(1)本件解散命令は,法の定める要件を満たしておらず,また裁量権の逸脱濫用がある違法なものか否か。 (2)本件解散命令に先立つ本件私学審議会の意見聴取手続は違法か。 争点及びこれに関する当事者の主張(1)争点(1)(本件解散命令は,法の定める要件を満たしておらず,また裁量権の逸脱,濫用がある違法なものか否か)。 ア被告の主張(ア)本件解散命令当時,原告は校地及び校舎をすべて売却し,これらを保有せず,原告には約300万円程度の預貯金しかなかったから,その設置する専修学校に必要な施設及び設備又はこれに要する資金はなく,資産保有義務(法64条5項,25条1項)に違反していた。 (イ)法62条1項の「他の方法により監督の目的を達することができない場合」とは,学校法人及び準学校法人が法令の規定に違反し,又は法令の規定に基づく所轄庁の処分に違反した場合において,そのような状態を解消するため,もはや法人の内部努力に期待できず,所轄庁が行政指導や法の定める監督権限の行使等の方法を講じても改善が図られなかった場合と解される。本件の場合,原告は乱脈経営による経営破綻により学校教育に必要不可欠な校地及び校舎の売却を繰り返しており,資産保有義務違反の状態を解消するためには,もはや原告の内部努力には期待できない上,東京都が繰り返し実現可能な具体的再建策の作成等を求める行政 教育に必要不可欠な校地及び校舎の売却を繰り返しており,資産保有義務違反の状態を解消するためには,もはや原告の内部努力には期待できない上,東京都が繰り返し実現可能な具体的再建策の作成等を求める行政指導を行ったにもかかわらず,原告から実現可能な再建策が提出されないまま違法状態の解消は図られず,違法状態が解消される見込みもなかったのであるから,これに該当する。 なお,原告が再建手段として主張する旧経営陣に対する損害賠償請求訴訟についても,①A元理事長に対する訴訟は二審で勝訴したが,認容額は2300万円にすぎず,②B・C元理事に対する訴訟は一審で敗訴してお- 5 -り,③元顧問のDらに対する訴訟は一審判決で一部認容された(認容額1億4050万円)が,同人は平成11年に破産宣告を受けており,仮に判決が確定しても回収は不可能であることからすれば,本件解散命令をした被告の判断に裁量権の逸脱濫用がなかったことは明らかである。 イ原告の主張(ア)原告は,平成13年度末までに所有する校地及び校舎を順次売却し,平成14年に最後の校地及び校舎を売却した後,現在に至るまで校地及び校舎を取得できていないが,その原因は,東京都庁出身の元理事らの乱脈・放漫経営及び東京都私学部による悪質な誘導,再建妨害にあるから,被告が原告に校地及び校舎がないことを理由に法25条1項の資産保有義務違反を主張することは,信義則に反する。 (イ)原告は,本件解散命令時に学生を在籍させておらず,教育活動を行っていないから,そのような準学校法人に解散命令を発してまで資産保有義務を履行させる「監督の目的(法62条1項)は存在しない。また,原」告は,平成14年に旧経営陣らを一掃し,旧経営陣に対し刑事民事両面から責任を追及し,民事再生計画も完了させ,再建意思を強く表明し,そのための る「監督の目的(法62条1項)は存在しない。また,原」告は,平成14年に旧経営陣らを一掃し,旧経営陣に対し刑事民事両面から責任を追及し,民事再生計画も完了させ,再建意思を強く表明し,そのための努力を続けており,資金提供者もいたから,解散命令を出す必要性などなかった。 現に,原告が提起した損害賠償請求のうち,①A元理事長に対する訴訟は2117万円を認容する高裁判決が確定し,②元顧問のDらに対する訴訟は一審判決で一部認容され(認容額1億4050万円,控訴,これに)より,裁判外の交渉案件にも好影響を与えている。また,東京都が,東京都庁の出身者である原告の元原告理事らに対し道義的立場から正しく指導すれば,原告の再建は更に容易になるはずである。 以上によれば,本件解散命令は,法62条1項の「他の方法により監督の目的を達することができない場合」の要件を欠き,また裁量権を逸脱,- 6 -濫用した違法な処分である。 (2)争点(2)(本件解散命令に先立つ本件私学審議会の意見聴取手続は違法か)。 ア被告の主張本件私学審議会における意見の聴取は,原告の学校法人現況確認書(乙37)等の資料が提出された上,原告の資産状況等が説明され,さらに質疑応答が行われ,その結果,解散命令了承という判断がされたのであって,適法な手続である。 イ原告の主張本件私学審議会による意見の聴取に先立ち,当時の東京都前私学行政課長が,原告の教職員組合に対し,原告に対する解散命令を検討していることなどの秘密を漏洩していることからすれば,本件私学審議会の意見の聴取は,始めから解散命令を予定した形骸化したものであって,違法である。 第3当裁判所の判断 争点(1)(本件解散命令は,法の定める要件を満たしておらず,また裁量権の逸脱,濫用がある違法なものか否か)について。 散命令を予定した形骸化したものであって,違法である。 第3当裁判所の判断 争点(1)(本件解散命令は,法の定める要件を満たしておらず,また裁量権の逸脱,濫用がある違法なものか否か)について。 (1)資産保有義務違反についてア学校法人及び準学校法人は「その設置する私立学校に必要な施設及び,設備又はこれらに要する資金並びにその設置する私立学校の経営に必要な財産を有しなければならない」とされ,いわゆる資産保有義務を負う。 (法25条1項,64条5項。なお,前示第2の2(3)及び(4)記載のと)おり,原告のように専修学校のみを設置する準学校法人については,上記の「施設」とは,学校教育法82条の6第2号の「校地及び校舎」を意味するものと解される。 この資産保有義務は,学校法人及び準学校法人に上記の資産の保有を義務付けることによって,学校経営を安定的に維持し,学校教育に支障を来- 7 -さないことを期する趣旨であると考えられ,資産保有義務を果たしていることが学校法人及び準学校法人の設立を目的とする寄附行為の認可要件とされている(法31条)ことに鑑みれば,学校法人及び準学校法人は,現に必要な資産を保有しているという客観的状態にあることを要すると解される。そうすると,現に必要な資産を保有していると客観的に認められない学校法人及び準学校法人は,法25条の資産保有義務に違反することになる。 イそこで,原告が資産保有義務に違反しているかどうか検討するに,前記争いのない事実等に証拠(乙20,21,30,36ないし38)及び弁論の全趣旨を総合すると,本件解散命令当時の原告の資産保有状況については,原告が平成14年9月18日に所有していた校舎の最後の一棟を売却したことにより,原告は,校地及び校舎を所有していなかったこと,原告が保有する現金・ ,本件解散命令当時の原告の資産保有状況については,原告が平成14年9月18日に所有していた校舎の最後の一棟を売却したことにより,原告は,校地及び校舎を所有していなかったこと,原告が保有する現金・預貯金は約300万円にすぎなかったこと,原告が所有する唯一の不動産であるαの土地は国に差し押さえられていたこと,原告が提起した民事訴訟を通じて得た和解金は,賃料や教職員の給料の原資とされている状況であったこと,原告が本件私学審議会において主張した支援者による援助は,確実で具体的なものとはいえず,近い将来における原告の再建を保証し得るものではなかったことがそれぞれ認められる。そして,原告の旧理事らに対する損害賠償請求権等については,本件解散命令当時,何ら具体化しておらず,およそ回収の見込みが全く不明であるような損害賠償請求権は,そもそも法25条1項にいう「資金」ということはできない。 そうすると,原告は,本件解散命令当時において,校地及び校舎はもとより,これを取得するに足りる資金を保有していなかったと認められるから,法25条の資産保有義務に違反していたと認められる。 ウこれに対し,原告は,今日の原告の経営破綻の原因は,東京都庁出身の- 8 -元理事らの乱脈・放漫経営及び東京都私学行政課による悪質な誘導,再建妨害にあるから,被告が原告の資産保有義務違反を主張することは信義則に反する旨主張し,その主張を基礎付ける事情として,①被告は,本件認可基準のうち,校舎面積を150坪以上とする面積基準を削除した改正を平成16年3月に実施したことを隠蔽することにより,再建策のハードルを意図的に高くしたこと,②被告は,元理事のB弁護士及びC弁護士が東京都庁出身で東京都の顧問弁護士でもあるため,両弁護士に対する不当利得返還請求訴訟を阻むことを目的として本件解散 ,再建策のハードルを意図的に高くしたこと,②被告は,元理事のB弁護士及びC弁護士が東京都庁出身で東京都の顧問弁護士でもあるため,両弁護士に対する不当利得返還請求訴訟を阻むことを目的として本件解散命令に踏み切ったことなどを主張する。 そこで検討するに,①の校舎面積基準の改正の点については,証拠(甲20,乙1)によれば,本件認可基準は平成16年3月18日に改正され,校舎の面積を150坪とする従来の基準は,学校として必要な面積との基準に改められ,同年4月1日に施行されたことが認められるところ,原告代表者Eの陳述書(甲55,原告事務長Fの陳述書(甲63)及び原告)代表者Eの本人尋問における供述によっても,被告が意図的に本件認可基準の改正を原告に対し隠蔽した事実は認められず,他に,被告が,あえて原告の再建を意図的に妨害したことを認めるに足りる証拠はない。 次に,②の訴訟阻止の点についても,本件解散命令が,原告によるB弁護士及びC弁護士に対する不当利得返還請求訴訟(甲15)を阻むために行われたことを認めるに足りる証拠はない。 (2)解散命令についてア法62条1項は,都道府県知事が学校法人及び準学校法人に対し解散を命ずることができるのは「他の方法により監督の目的を達することがで,きない場合」に限るとしている。 そして,法においては,学校法人及び準学校法人に対する指導監督手段として,法62条1項の解散命令以外には,①必要な報告書の提出を求め- 9 -),ること(6条,②収益事業の停止命令(61条)しか規定されておらず①の報告書の提出要求は行政指導の過程で行われ,②の収益事業の停止命令は資産保有義務違反の場合には指導監督の手段とはなり得ない。そうすると,学校法人及び準学校法人が法25条1項の資産保有義務に違反している場合における「他の 指導の過程で行われ,②の収益事業の停止命令は資産保有義務違反の場合には指導監督の手段とはなり得ない。そうすると,学校法人及び準学校法人が法25条1項の資産保有義務に違反している場合における「他の方法により監督の目的を達することができない場合(法62条1項)とは,都道府県知事が,当該学校法人及び準学校法」人に対し必要な報告書の提出を求めるなどして行政指導を行っても,資産保有義務違反の状態が長期にわたり改善が図られず,近い将来に改善される見込みがなく,当該学校法人及び準学校法人が自主解散(法50条1項)の手続を執ることも見込まれない場合をいうと解すべきである。 イこれを本件について検討するに,東京都私学部私学行政課は,平成11年から平成13年にかけて,原告が当時所有していた校地及び校舎である6号館,4号館,5号館を順次売却した(乙8の1ないし5)ことから,原告の資産保有義務違反を解消させるため,原告から事情聴取を行い,代替施設の確保や,再建計画を策定し,その状況を報告するようにとの行政指導を行い(乙4,6,原告から報告を受けてきたものであり(乙3,)7,その後も原告の資産保有義務違反の状態は全く解消されず,かえっ)て資金繰りに行き詰まって再生手続に移行したこと(乙9,10,当時)の在校生を卒業ないし転学させるため,1年間の予定で再生計画案が認可され(甲4,乙14,15,その目的を達成したが,その後も,現在の)原告理事らの奔走によっても原告の資産保有義務違反の状態は結果的には改善せず,被告は,原告による自主解散を繰り返し要求したこと(乙18,19,しかしながら,原告はこれに応じず(乙21,本件解散命令当))時において,原告は,前記(1)イで認定したような資産保有状態に陥っていたこと(乙20)がそれぞれ認められる。 ウま 乙18,19,しかしながら,原告はこれに応じず(乙21,本件解散命令当))時において,原告は,前記(1)イで認定したような資産保有状態に陥っていたこと(乙20)がそれぞれ認められる。 ウまた,原告は,被告は,原告が提起した元理事らに対する民事訴訟の結- 10 -果を待って原告に対する解散命令の可否を判断すべきであったと主張するが,上記のとおり行政指導を尽くした上で,なお訴訟の結果を待つかどうかは,原告が勝訴する見込みや勝訴した場合であっても債権が回収できる見込みがあるかどうかを総合的に勘案して判断されるべきであるところ,本件解散命令当時において,そのような見込みがあったとまでは到底認められず,結果的にみても,証拠(原告代表者本人E,乙43)及び弁論の全趣旨によれば,①A元理事長に対する損害賠償請求訴訟は二審で勝訴したが認容額は2117万円(甲64,67)であって,原告の再建に十分な額とはいえず,②元理事のB弁護士及びC弁護士に対する不当利得返還請求訴訟は一審で敗訴し(E本人,③元顧問のDらに対する訴訟は一審)で一部認容され(甲65,認容額1億4050万円,現在は控訴審で審)理中であるが,勝訴が確定した場合においても,現実に回収できる保証があるかどうかは不明であることがそれぞれ認められる。 エなるほど,証拠(甲15,16,37,38,甲44の1ないし12,甲45の1ないし5,甲46の1ないし4,甲47の1ないし3,甲48の1ないし49)によれば,原告は,元理事であったB弁護士及びC弁護士らに対し多額の報酬等が支払われたことや,元顧問のDやA元理事らによる放漫経営ないし背任的行為が,今日の経営破綻の原因であるとして,上記の者らに対し損害賠償請求訴訟等を提起するなどして,原告の再建を図ろうとしていることが認められ,そうした 顧問のDやA元理事らによる放漫経営ないし背任的行為が,今日の経営破綻の原因であるとして,上記の者らに対し損害賠償請求訴訟等を提起するなどして,原告の再建を図ろうとしていることが認められ,そうした現在の原告理事らの思いは理解できるところであるが,法25条の資産保有義務違反に当たるか否かは,現在の客観的状態で判断されるべきであり,解散命令の要件を満たすか否かについても,過去の経緯とは切り離し,処分当時の違法状態が速やかに是正される見込みがあるか否か,そのための手段として解散命令しかないかどうかが判断されるべきことは前示のとおりである。 オそうすると,前記認定のような事実関係の下で,被告が,原告につき本- 11 -件解散命令を行う以外に監督の目的を達することができないと判断したことについては,裁量権の逸脱又は濫用があったとは到底認められず,およそ違法であるということはできない。 争点(2)(本件解散命令に先立つ本件私学審議会の意見聴取手続は違法か)について。 仮に,本件私学審議会による意見の聴取に先立ち,当時の東京都私学行政課長が,原告の教職員組合に対し,原告に対する解散命令を検討していることなどの秘密を漏洩したのだとしても,本件私学審議会による意見の聴取が,始めから解散命令を予定した形骸化したものであるということはできないし,証拠(乙36)によれば,本件私学審議会の委員による実際の審議内容が形骸化したものであったとは到底認め難いから,この点に関する原告の主張は採用することができない。 第4結論以上によれば,原告の請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官定塚誠裁判官古田孝夫- ら棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官定塚誠裁判官古田孝夫- 12 -裁判官工藤哲郎
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