平成13(ワ)186 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年5月28日 岡山地方裁判所 倉敷支部
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判決文本文9,085 文字)

主文 被告らは,原告に対し,連帯して14万3545円及びこれに対する平成13年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用はこれを10分し,その1を被告らの負担とし,その余を原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求被告らは,原告に対し,連帯して128万0225円及びこれに対する平成13年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告運転の自動二輪車が,被告倉敷市臨港消防署所属で被告G運転の消防自動車に衝突するのをかわそうとしてバランスを崩し,滑走転倒し,対向車線側のガードレールに衝突して原告が負傷した事故につき,原告が,被告倉敷市に対して自賠法3条に基づき,被告Gに対しては民法709条に基づいて,連帯して損害賠償を請求した事案である。 争いのない事実等(1)事故の発生(日時につき弁論の全趣旨。その余は争いがない)。 下記の事故(以下「本件事故」という)が発生した。 。 記日時平成13年2月17日午後2時38分ころ場所岡山県倉敷市aj地内県道k線69キロポスト付近路上以下本. (「件事故現場」という)。 甲車両自動二輪車(以下「原告車両」という)。 運転者原告乙車両消防自動車(以下「被告消防車両」という)。 運転者被告G事故態様本件事故現場において走行中の原告車両が停止中の被告消防車両に衝突するのをかわそうとしてバランスを崩し,滑走転倒し,反対車線側のガードレールに衝突した。 (2)原告の負傷(甲11)原告は,本件事故により,頭部打撲,左肘挫傷,右肘打撲,左膝打撲,頚部打撲,腰部打撲,左足関節打撲の傷害を負った。 (3)被告消防車両の保有者(争いがない)。 被告倉敷市は,被告消防車両 甲11)原告は,本件事故により,頭部打撲,左肘挫傷,右肘打撲,左膝打撲,頚部打撲,腰部打撲,左足関節打撲の傷害を負った。 (3)被告消防車両の保有者(争いがない)。 被告倉敷市は,被告消防車両の保有者である。 争点に関する当事者の主張(1)被告Gの責任の有無(原告の主張)被告Gは,緊急の場合でもないのに,緊急道を通過しようとして,駐停車禁止場所である本件事故現場に被告消防車両を停止させた。 また,被告Gは,事故の続発を防ぐため,交通の妨げにならないような安全な場所に被告消防車両を移動させるなどすべきであったにもかかわらず,これを怠ったしたがって,被告Gは,民法709条に基づき,損害賠償の責任を負うというべきである。 (被告らの主張)被告Gは,ため池の調査のため,被告消防車両を本件事故現場に停止させた。消防では,消防活動を円滑に行うため,緊急時に備え,平素から地理や水利について調査点検を行っており,本件事故当時も,その活動の一環にあった。 また,被告Gが被告消防車両を停止させた直後に,1台の大型自動二輪車が接触転倒し,その救助活動がなされている途中に,原告車両が滑走してきたため,事故の続発を防ぐ措置を講じる余地がなかった。 被告Gが被告消防車両を停止させた位置は,道路左端である上,後方40メートルで被告消防車両を十分現認でき,後方50メートルでも注意すれば現認できるのであって,法定速度を遵守していれば,減速した上,被告消防車両の右側を安全に通過できたにもかかわらず,原告は,時速80キロメートルを超える速度で進行し,本件事故を引き起こした。 本件事故は,原告の一方的過失により発生したというべきである。 (2)被告倉敷市の責任(原告の主張)被告倉敷市は,被告消防車両の保有者であり,自賠法3条に基づき,損害賠償の責任を負うと こした。 本件事故は,原告の一方的過失により発生したというべきである。 (2)被告倉敷市の責任(原告の主張)被告倉敷市は,被告消防車両の保有者であり,自賠法3条に基づき,損害賠償の責任を負うというべきである。 (被告らの主張)被告消防車両の運転者である被告Gらは,本件事故当時,被告消防車両の運行について注意を怠らず,かつ,本件事故は,上記のとおり,原告の一方的過失によるものであり,しかも,被告消防車両には構造上の欠陥又は機能の障害がなかった。 したがって,被告倉敷市は,自賠法3条ただし書により,免責されるというべきである。 (3)原告の損害額(原告の主張)ア治療費2万3440円イ修理費31万6785円ウ衣料費2万5000円エヘルメット代4万0000円オ休業損害37万5000円カ慰謝料50万0000円よって,原告は,被告らに対し,上記アないしカの損害額合計128万0225円並びにこれに対する本件事故日である平成13年2月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (被告らの主張)ア治療費について不知。 イ修理費について否認する。 本件事故との間の相当因果関係があることの立証がない。 ウ衣料費について否認する。 原告が本件事故以前に購入したものであり,購入価格がそのまま本件事故当時の損害とはいえない。 エヘルメット代について否認する。 原告が本件事故以前に購入したものであり,購入価格がそのまま本件事故当時の損害とはいえない。 オ休業損害について否認する。 原告は,休業損害として1日当たり1万5000円の25日分合計37万5000円を請求する。 しかし,原告の平成12年分の所得額は93万円であり,本件事故前に原告主張のとおりの所得があったとは信じ難い。ま は,休業損害として1日当たり1万5000円の25日分合計37万5000円を請求する。 しかし,原告の平成12年分の所得額は93万円であり,本件事故前に原告主張のとおりの所得があったとは信じ難い。また,通院実日数は8日であり,原告が本件事故により1か月間休業したとは考えられない。 カ慰謝料について不知。 第3当裁判所の判断,(,,,,, 上記争いのない事実等に 証拠 甲1ないし3 乙1ないし35,10,証人H,原告本人,被告本人G)及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 (1)本件事故現場は,岡山県倉敷市aj地内県道k線6.9キロポスト付近路上(以下「本件道路」という)である。 。 岡山県倉敷市a地区の概況は別紙図面1のとおりであり,同市aj地区の概況は同図面2(縮尺は1:10,000)のとおりである。また,本件事故現場周辺の概況は同図面3(縮尺は1: 2,500)のとおりであり,本件事故現場付近の概況は同図面4のとおりである。 ,(),,本件道路は県道k線kスカイラインであり別紙図面1のとおり北は岡山県倉敷市lm丁目ないしn丁目付近から始まり,山中を蛇行しながら,本件事故現場を通過し,南は同市o付近まで通じている。 本件道路を北から南に走行してきた場合,別紙図面3のとおり,直線距離で本件事故現場の手前約330メートルに駐車可能な空地があり,そこから車両を走行させると,まず左にカーブをきり,間もなく右にカーブをきって,少し直線道路があった後,本件事故現場付近の手前から,少し下りながら再び左にカーブして,本件事故現場に至っており,カーブの先の見通しは悪い。また,本件事故現場を通過後,更に南へ走行すると,直線距離で約450メートル先に駐車可能な空地がある。 本件事故現場付近 ながら再び左にカーブして,本件事故現場に至っており,カーブの先の見通しは悪い。また,本件事故現場を通過後,更に南へ走行すると,直線距離で約450メートル先に駐車可能な空地がある。 本件事故現場付近の道路は,別紙図面4のとおり,概ね南北方向に走る片側一車線の道路であるが,西側に湾曲し,その部分にp自動車道qサービスエリア等へ通じる市道(以下「本件市道」という)の入口がある。 。 そして,幅0.4メートルの中央線上に10メートル間隔でパイロンがあり,歩車道の区別はなく,片側車線の幅員は車道が約3.3メートル,路肩が約0.9メートルの合計約4.2メートルである。また,駐車禁止場所であり,制限速度は時速40キロメートルに規制され,かつ,追越禁止場所に指定されている。 なお,本件市道の入口には柵がもうけられ,南京錠で常時施錠されている。別紙図面2のとおり,本件市道の入口に至る方法としては,本件道路から進入することだけが唯一のものではなく,p自動車道qサービスエリア方面やaj市街方面等から進入することもあり得る。 ,,,(2)原告は平成13年2月17日午後2時38分ころ原告車両を運転し概ね南北方向に走る片側一車線の道路の左寄りを北から南へ向かって,時速約80キロメートルの速度で走行し,本件事故現場付近に差し掛かり,車体を左に傾けて少し下り坂の左カーブを曲がろうとしたところ,前方に停止していた被告消防車両に気づき,体勢を立て直して右にハンドルをきり,消防車両に衝突するのをかわそうとしたが,バランスを崩し,滑走転倒し,対向車線側のガードレールに衝突した。 他方,被告Gは,H分隊長の指揮の下,2名の隊員とともに被告消防車両に分乗し,別紙図面1のとおり,r池(as,t池(as,u池(a))j,v池(aw,x池(ly丁目)及びz池(ly丁目) した。 他方,被告Gは,H分隊長の指揮の下,2名の隊員とともに被告消防車両に分乗し,別紙図面1のとおり,r池(as,t池(as,u池(a))j,v池(aw,x池(ly丁目)及びz池(ly丁目)の各ため池を))調査した後,天理教(旧パークセンター)でヘリポート発着場の調査を行い,q(aj)のため池調査に向かう途中であった。被告Gは,被告消防車両を運転し,概ね南北方向に走る片側一車線の道路を北から南へ向かって,時速約40キロメートルで走行し,本件事故現場付近に差し掛かり,qに通じる本件市道の入口に掛かっている南京錠を解錠するため,入口から直線距離で約13.8メートル手前の本件道路南行車線上に,被告消防車両を左端へ寄せて停止させたところ,その直後に,I運転の大型自動二輪車が被告消防車両の右後部に衝突し,この二輪車は,被告消防車両の右側を滑走し,対向車線側のガードレールに衝突した。そのため,H分隊長がIの救護に向かったが,その十数秒後に,原告車両が被告消防車両の右側を滑走転倒し,同じく対向車線側のガードレールに衝突した。 なお,被告Gは,被告消防車両を停止させるに際し,後方の安全を確認せず,また,被告消防車両の駐車灯(いわゆるハザードランプ)を点滅させるとか,被告消防車両の後方に三角反射板を設置するなど,被告車両の停止を後続車両に知らせる措置を講じなかった。 上記認定の事実によれば,被告Gは,カーブが連続する山中のいわゆるスカイライン上で,かつ,見通しの悪いやや下り坂の左カーブ途中で,しかも,駐車禁止の規制がなされている本件事故現場において,大型車両を停止させると後続車両が追突等することが予測されたのであるから,停止を避けるか,あるいは,やむを得ず停止させるにしても駐車灯の点滅や三角反射板の設置等により後続車両に停車車両の存在を て,大型車両を停止させると後続車両が追突等することが予測されたのであるから,停止を避けるか,あるいは,やむを得ず停止させるにしても駐車灯の点滅や三角反射板の設置等により後続車両に停車車両の存在を警告する措置を講ずべき義務があったにもかかわらず,これを怠り,後続車両に対する何らの措置を講ずることなく,大型特殊自動車である被告消防車両を停止させた過失により,本件事故を発生させたものであるから,民法709条に基づき,本件事故によって生じた損害を賠償すべき責任がある。 そして,被告倉敷市が被告消防車両を保有していたことは当事者間に争いがないところ,上記のとおり,被告Gがその過失に基づき被告消防車両を本件事故現場に停止させていたことにより本件事故が発生したのであるから,被告倉敷市は,自賠法3条に基づく損害賠償の責任を免れない。 この点につき,被告らは,被告Gは,ため池及びこれに通じる市道の調査のため,被告消防車両を本件事故現場に停止させたと主張する。確かに,緊急時の消防活動を迅速かつ円滑に遂行するため,常日ごろから,ため池やこれに至る道路を調査点検することは必要不可欠である。しかし,仮に被告Gらがq及び本件市道の調査を行う目的を有していたとしても,山中を蛇行するスカイライン上を往来する一般車両の安全に配慮すれば,被告消防車両のような大型車両を本件道路上に停止させた上で本件市道に進入することは相当でなく,上記認定のとおり,p自動車道qサービスエリア方面やaj市街方面等から本件市道に進入することは,もとより可能であるし,かつ,これらのルートを利用することは比較的容易なのであるから,被告Gらが上記目的を有していたことをもって被告らの責任を免れさせるものではない。 また,被告らは,被告Gが被告消防車両を停止させた直後に,1台の大型自動二輪車が接触 ことは比較的容易なのであるから,被告Gらが上記目的を有していたことをもって被告らの責任を免れさせるものではない。 また,被告らは,被告Gが被告消防車両を停止させた直後に,1台の大型自動二輪車が接触転倒し,その救助活動がなされている途中に,原告車両が滑走してきたため,事故の続発を防ぐ措置を講じる余地がなかったとも主張する。 確かに,上記認定の事実によれば,I運転の大型自動二輪車が接触転倒した後は,H分隊長や被告Gらがその救護に当たることに忙殺され,事故の続発を防ぐ措置を講じる余地がなかったことは想像に難くないけれども,そもそも被告Gは,本件事故現場に被告消防車両を停止させるに際し,後方の車両の有無及び動静に全く注意していない上,駐車灯を点滅させるなどもしていないのであって,この時点で,既に後続車両に停車車両の存在を警告する措置を講ずべき義務を怠っていることは明らかである。 さらに,被告らは,被告Gが被告消防車両を停止させた位置は,道路左端である上,後方40メートルで被告消防車両を十分現認でき,後方50メートルでも注意すれば現認できるのであって,原告が法定速度を遵守していれば,被告消防車両の右側を安全に通過できたにもかかわらず,原告は,時速80キロメートルを超える速度で進行し,本件事故を引き起こしたと主張する。しかしながら,被告らが上記主張の根拠とする消防車視認位置図(乙1)は,消防自動車が本件事故現場に停止していることを予め知っていることを前提に,その,,,視認の可否を見分する方法でなされているものでありまた撮影者の位置はその写真の内容からして,自動二輪車の運転手の目線とは違ったところにあって,原告車両がいわゆるオンロードタイプの自動二輪車であり,運転手の視線がやや下向きになることを考慮に入れなければならない。そして,原告は,本件 して,自動二輪車の運転手の目線とは違ったところにあって,原告車両がいわゆるオンロードタイプの自動二輪車であり,運転手の視線がやや下向きになることを考慮に入れなければならない。そして,原告は,本件事故現場に何らの警告措置をとることなく停止している車両があるものとは予想し得ないまま自動二輪車を運転させていたものであって,もっと手前に近づくまで被告消防車両を発見できなかったものと推認されるのであるから,原告とはその前提条件が異なり,上記視認結果をそのまま本件事故に当てはめることはできない。なるほど,後述のとおり,原告は,時速約80キロメートルの速度で走行しており,法定速度を遵守していれば本件事故の発生を回避できた可能性があり,原告にも相当程度の過失があったことが認められる。しかしながら,先行事故の被害者であるIと本件事故に遭った原告が連れだって自動二輪車を走行させていたわけでもないのにもかかわらず,被告消防車両の停止,,,直後に立て続けに自動二輪車を消防自動車に接触させ又は接触させないで,,滑走転倒していることにかんがみると原告の運転が交通法規を著しく逸脱しまた常軌に反したものであって,本件事故の発生が原告の一方的過失によるものとまでは断定できず,したがって,これをもって被告らが本件事故の責任を完全に免れるということはできない。 したがって,被告らの上記主張はいずれも採用できない。 そこで,以上の検討結果を踏まえて,双方の過失割合について判断するに,上記認定の本件事故現場の状況,後続車による停止車両の視認可能性及び停止車両側の事情等を勘案すると,カーブが連続するスカイライン上で,見通しの悪いやや下り気味の左カーブの,駐車禁止規制がなされていて,それほど道路の幅員が広くはない本件事故現場において,とりたてて緊急やむを得ない場合 勘案すると,カーブが連続するスカイライン上で,見通しの悪いやや下り気味の左カーブの,駐車禁止規制がなされていて,それほど道路の幅員が広くはない本件事故現場において,とりたてて緊急やむを得ない場合でもないのに,被告消防車両のような大型特殊自動車を何らの警告措置も講ずることなく停止させることは,一般車両の交通の妨げになるばかりでなく,極,,,めて危険な行為であるといわざるを得ず現実に被告消防車両の停止直後に立て続けに自動二輪車が接触転倒ないし衝突回避措置を講じてその脇を滑走している。そして,被告Gが被告消防車両を本件事故現場に停止させたのは,ため池及びこれに至る市道を調査点検するためというものであって,それ自体は正当なものであるが,その目的を達成するためには,他に採り得る手段はいくつか考えられるところであり,かかる危険な場所にあえて停止すべきやむを得ない理由は何ら存しない。 しかし,他方,原告も,被告消防車両の直前に至るまでその存在に気がつかなかったことがうかがわれ,原告が被告消防車両の右横を通り抜けるだけの時間的余裕をもって被告消防車両を発見することができれば,本件事故を回避することができたということができ,原告が被告消防車両の右横を通り抜けることは,原告が最高速度である時速40キロメートルを遵守して走行している限り,可能であったと推認することができるから,原告には少なくとも前方不注視の過失があったといわざるを得ない(もっとも,一般道路に駐停車中の車両に対する追突事故の過失相殺率を認定するに当たり,追突車両に前方不注視があることはもともと基本割合に含めて考慮しているので,この点を余りに重視し過ぎることは相当でないといわざるを得ない。また,前示のとおり,原。)告は,最高速度である時速40キロメートルを超えた時速約80キロメート と基本割合に含めて考慮しているので,この点を余りに重視し過ぎることは相当でないといわざるを得ない。また,前示のとおり,原。)告は,最高速度である時速40キロメートルを超えた時速約80キロメートルの速度で走行していたのであるから,原告には速度違反の過失もあったといわなければならない。 以上の諸事情を総合考慮した上,原告と被告Gとの過失割合を判断すると,原告につき8割,被告Gにつき2割とするのが相当である。 損害額(過失相殺前)そこで,更に進んで,原告の損害額について検討する。 (1)治療費2万3440円証拠(甲6,7)によれば,本件事故により,原告に治療費として2万3440円の損害が発生したことが認められる。 (2)修理費31万6785円証拠(甲5)によれば,本件事故により,原告に修理費として31万6785円の損害が発生したことが認められる。 (3)衣料費0円本件全証拠によっても,本件事故当時の損害を確定することができないので,慰謝料の費目中で考慮することとした。 (4)ヘルメット代0円本件全証拠によっても,本件事故当時の損害を確定することができないので,慰謝料の費目中で考慮することとした。 (5)休業損害7万7500円原告は,休業損害として1日当たり1万5000円の25日分合計37万5000円を請求する。 しかし,証拠(甲17)によれば,原告の平成12年分の所得金額は93万円であることが認められ,この事実に照らすと,休業損害の算定に当たり,本件事故前の実収入を原告主張のとおりの所得額とすることは相当でない。 したがって,原告の平成12年分の所得金額93万円の1か月分である7万7500円の限度で認める。 なお,被告らは,通院実日数が8日であることに照らし,原告が本件事故により1か月間休業したとは考えられないと って,原告の平成12年分の所得金額93万円の1か月分である7万7500円の限度で認める。 なお,被告らは,通院実日数が8日であることに照らし,原告が本件事故により1か月間休業したとは考えられないと主張するが,証拠(甲6,7,原告本人)によれば,原告の通院は,本件事故日である平成13年2月17日から同年3月16日の1か月間にわたっていることが認められるので,休業期間は1か月とみるのが相当である。 (6)慰謝料30万0000円証拠(甲6,7,原告本人)によれば,本件事故により,原告は,平成13年2月17日から同年3月16日までにかけて,J病院において,通院治療(実通院日数8日)を受けたことが認められる。 原告の受傷の部位,内容,程度,通院期間,その他一切の事情を考慮し,傷害慰謝料として30万円が相当である。 損害額(過失相殺後)以上掲げた原告の損害額の合計は,71万7725円であるところ,前示の次第でその8割を控除すると,14万3545円となる。 まとめよって,原告の損害賠償請求権の元本金額は,14万3545円となる。 結論 以上によれば,原告の本訴請求は,14万3545円及びこれに対する本件事故の日である平成13年2月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるので,主文のとおり判決する。 岡山地方裁判所倉敷支部裁判官中川博文(別紙図面添付省略)

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