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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。理由 上告代理人東浦菊夫、同古田友三の上告理由について手形授受の当事者間においては、手形債務者は原因関係上の抗弁を主張して手形債務の履行を拒絶することができるけれども、仮執行宣言付支払命令により手形債権が確定した場合に、右支払命令の送達前に完成した原因債権の消滅時効を手形債務者が送達後に援用し、これを右支払命令に対する請求異議の理由として主張することは、民訴法五六一条二項にいう仮執行宣言付支払命令の送達後に異議の原因を生じた場合にあたらず、したがつて、このような主張は許されないものと解するのが相当である。また、原因債権の消滅時効が右送達前に完成していない場合においては、手形はその授受の当事者間では原因関係に対する手段であり、手形債権者が右手段を行使して支払命令を申し立て、その確定を得て手形債権の時効を中断し、更に、民法一七四条ノ二によつてその時効期間が延長されたのに、原因債権の消滅時効完成によつて債務名義の執行力が排除されることがあり、もし手形債権者がその結果を避けようとすれば、更に、原因債権について訴を提起するなどの方法を講じてその時効を中断しなければならないというのでは、手形債権者の通常の期待に著しく反する結果となることに照らすと、同条の規定によつて手形債権の消滅時効期間が支払命令の確定の時から一〇年に延長せられるときは、これに応じて原因債権の消滅時効期間も同じくその時から一〇年に変ずるものと解するのが相当である。これを本件についてみるに、上告人らが本件請求異議の理由として主張するところは、本件仮執行宣言付支払命令の送達前に完成した原因債権の消滅時効を送達後- 1 -に援用するとし、又は右支払命令の送達後に完成 本件についてみるに、上告人らが本件請求異議の理由として主張するところは、本件仮執行宣言付支払命令の送達前に完成した原因債権の消滅時効を送達後- 1 -に援用するとし、又は右支払命令の送達後に完成した原因債権の消滅時効を援用するというのであるが、前者が本件支払命令に対する請求異議の理由となりえないこと、後者についても原審口頭弁論終結時までに原因債権の消滅時効が完成したとはいえないことは、いずれも前記説示に照らして明らかであり、その主張自体において上告人らの請求異議は理由がなく棄却を免れない。 令の送達前に完成した原因債権の消滅時効を送達後- 1 -に援用するとし、又は右支払命令の送達後に完成した原因債権の消滅時効を援用するというのであるが、前者が本件支払命令に対する請求異議の理由となりえないこと、後者についても原審口頭弁論終結時までに原因債権の消滅時効が完成したとはいえないことは、いずれも前記説示に照らして明らかであり、その主張自体において上告人らの請求異議は理由がなく棄却を免れない。これと結論において同旨の原審の判断は正当であり、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官本山亨裁判官岸上康夫裁判官団藤重光裁判官藤崎萬里- 2 -
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