昭和24(れ)2033 恐喝、賍物牙保

裁判年月日・裁判所
昭和24年11月29日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人加藤大謳の上告趣意書は、末尾に添えた別紙の通りである。  (一) 論旨第一点は、原審が本件併合罪につき贓物牙保罪よ

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判決文本文1,186 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人加藤大謳の上告趣意書は、末尾に添えた別紙の通りである。 (一) 論旨第一点は、原審が本件併合罪につき贓物牙保罪よりも恐喝罪の方を重いものとして併合加重をしたのは違去である、と非難する。しかし、判決文には「……恐喝の罪の一罪とし之と判示第一の罪とは併合罪であるから其の重い後者の罪に付……」とあるのであつて、「之」というのは恐喝罪、「判示第一の罪」というのは贓物牙保罪であり、そういう順序にならべて置いて「其の重い後者の罪」と書いたのだから、「後者」すなわち臓物牙保罪が重いとしたこと明白である。もしこの「後者」が恐喝罪とするならば、その続きの「其の所定の罰金」というのが恐喝罪に罰金刑があることに取れて、たちまちつじつまの合わぬことになる。すなわち論旨は判決文を誤読しての立論であつて、全く理由がない。 (二) 論旨第一点末段は、原判決には刑法第四八条を適用していない違法がある、と主張するが、同条は刑法総則の規定であつて、原判文自体から同条を適用した趣旨であることが明らかに認められるから、同条の適用を明記しなかつたことによつて直ちに原判決を違法とするわけに行かず、論旨は理由がない。 (三) 論旨第二点は、原判決が判示第三の恐喝の事実につき被害者Aに対する昭和二二年九月一八日附司法警察官の聴取書を証拠に採り第一審公判廷における同証人の証言を採用しなかつたのは実験則に違背する、と非難する。 しかし同一の事実について被告人に利益なまた不利益な数個の証拠がある場合には、事実審裁判所はその自由な心証に従いそのうちいずれが真実に符合するかを判断して取捨選択することができるのであつて、特定の証拠を必ず他の証拠よりすぐれた証明力があるものとして他に優先して証拠に採用しなければ 裁判所はその自由な心証に従いそのうちいずれが真実に符合するかを判断して取捨選択することができるのであつて、特定の証拠を必ず他の証拠よりすぐれた証明力があるものとして他に優先して証拠に採用しなければならない、という- 1 -わけのものではない。(昭和二三年(れ)第二三七号同年六月一九日最高裁判所第二小法廷判決参照)それゆえ本件においても、原審が適法な証拠である前記司法警察官の聴取書を判示第三の事実を認定する一つの証拠として採用し、前記第一審公判廷における証言を信用しなかつたからとて、経験則に反するものとは言えない。 論旨は結局原審の証拠の取捨を非難するものであつて、適法な上告の理由にならない。 よつて旧刑事訴訟法第四四六条に従い、主文の通り判決する。 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。 検察官竹原精太郎関与昭和二四年一一月二九日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 2 -

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