平成25(行ウ)129 文書不開示処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成29年9月21日 大阪地方裁判所 情報公開
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判決文本文51,175 文字)

平成29年9月21日判決言渡平成25年(行ウ)第129号文書不開示処分取消等請求事件(甲事件)平成26年(行ウ)第135号文書不開示処分取消等請求事件(乙事件)主文 1 甲事件に係る訴えを却下する。 2 乙事件に係る訴えのうち,行政文書の開示決定の義務付けを求める部分を却下する。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 甲事件(1) 大阪労働局長が平成24年11月26日付けで原告に対してした一部開示決定のうち,不開示とした部分(ただし,平成28年2月12日付け裁決及び大阪労働局長の同年4月8日付け通知により開示された部分を除く。)を取り消す。 (2) 大阪労働局長は,原告に対し,平成24年11月26日付け一部開示決定において不開示とした部分(ただし,平成28年2月12日付け裁決及び大阪労働局長の同年4月8日付け通知により開示された部分を除く。)の開示決定をせよ。 2 乙事件(1) 大阪労働局長が平成26年2月27日付けで原告に対してした一部開示決定のうち,不開示とした部分(ただし,平成28年2月12日付け裁決及び大阪労働局長の同年4月8日付け通知により開示された部分を除く。)を取り消す。 (2) 大阪労働局長は,原告に対し,平成26年2月27日付け一部開示決定に おいて不開示とした部分(ただし,平成28年2月12日付け裁決及び大阪労働局長の同年4月8日付け通知により開示された部分を除く。)の開示決定をせよ。 (3) 被告は,原告に対し,100万円及びこれに対する平成26年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の骨子(1) 原告は,平成24年 よ。 (3) 被告は,原告に対し,100万円及びこれに対する平成26年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の骨子(1) 原告は,平成24年9月26日付けで,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき,大阪労働局長に対し,「平成23年度に労働者派遣事業等1036事業所(平成24年6月28日大阪労働局需給調整事業部発表)に対して是正指導を行うために送付した文書の決裁書類及び指導監督記録並びに事業所からの是正報告書等一切」の開示請求(以下「本件開示請求」という。)をしたところ,大阪労働局長は,平成24年11月26日付けで,本件開示請求の対象となる文書には情報公開法5条1号,2号イ,6号イ所定の不開示情報が記載されているとして,一部不開示決定(以下「本件旧決定」という。)をした。 その後,大阪労働局長は,平成26年2月27日付けで,原告に対し,本件旧決定を取り消す旨の決定(以下「本件取消決定」という。)をするとともに,本件開示請求につき改めて一部開示決定(以下「本件新決定」という。)をした。 (2) 甲事件は,原告が,被告を相手に,本件旧決定により不開示とされた部分(後に開示された部分を除く。)の取消しと,上記不開示とされた部分の開示決定の義務付けを求める事案である。 乙事件は,原告が,被告を相手に,本件新決定により不開示とされた部分(後に開示された部分を除く。)の取消し及び上記不開示とされた部分の開示決定の義務付けを求めるとともに,本件新決定は国家賠償法上違法である として,国家賠償法1条1項に基づき,被告に対し,慰謝料等の損害賠償を求める事案である。 2 情報公開法の定め(1) 情報公開法5条は,行政機関の長は,開示請求があ 法上違法である として,国家賠償法1条1項に基づき,被告に対し,慰謝料等の損害賠償を求める事案である。 2 情報公開法の定め(1) 情報公開法5条は,行政機関の長は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に同条各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない旨規定し,同条1号,2号及び6号において,以下のとおり規定する。 1号個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。 イ法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報ロ人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報ハ省略2号法人その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるもの。ただし,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。 イ公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものロ省略 6号国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当 おそれがあるものロ省略 6号国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれロからホまで省略(2) 情報公開法6条1項は,行政機関の長は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならない旨規定し,同項ただし書は,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない旨規定する。 同条2項は,開示請求に係る行政文書に同法5条1号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において,当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは,当該部分を除いた部分は,同号の情報に含まれないものとみなして,同法6条1項の規定を適用する旨規定する。 3 前提事実(当事者間に争いがないか,各項掲記の証拠(証拠番号は特記しない限り枝番号を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実並びに当裁判所に顕著な事実)(1) 大阪労働局による指導監督ア大阪労働局は,労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派 限り枝番号を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実並びに当裁判所に顕著な事実)(1) 大阪労働局による指導監督ア大阪労働局は,労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保 護等に関する法律(平成24年法律第27号による改正前のもの。以下「労働者派遣法」という。)及び職業安定法(平成29年法律第14号による改正前のもの。以下,労働者派遣法と併せて「労働者派遣法等」という。)に基づき,平成23年度において,労働者派遣事業及び職業紹介事業を営む大阪府下の1036事業所に対して指導監督を実施した(乙2)。 イ上記アの指導監督の結果,大阪労働局は,労働者派遣法等の違反(以下「法違反」という。)が認められた事業所や,法違反は認められないものの派遣労働者や求職者の保護を図るために一定の措置を講じるべき不適正な状態(以下,法違反と併せて「法違反等」という。)が認められた事業所に対し,延べ678件の文書指導を行った(乙2)。 (2) 本件開示請求の対象となる文書本件開示請求の対象となる文書は,上記(1)の指導監督及び文書指導に際して大阪労働局が作成し又は取得した,後記アの各文書(以下「本件指導監督記録」という。)及び後記イの各文書(以下「本件是正報告書等」といい,本件指導監督記録と併せて「本件各文書」という。)である。 ア(ア) 労働者派遣事業関係指導監督記録(甲)(イ) 労働者派遣事業関係指導監督記録(乙)(ウ) 職業紹介事業関係指導監督記録(甲)(以下,上記(ア)の文書と併せて「甲記録」という。)(エ) 職業紹介事業関係指導監督記録(乙)(以下,上記(イ)の文書と併せて「乙記録」という。)イ(ア) 是正報告書(以下「本件是正報告書」という。)(イ) 是正報告 記録」という。)(エ) 職業紹介事業関係指導監督記録(乙)(以下,上記(イ)の文書と併せて「乙記録」という。)イ(ア) 是正報告書(以下「本件是正報告書」という。)(イ) 是正報告書添付資料(以下「本件添付資料」という。)(3) 本件各文書の内容等ア本件指導監督記録(ア) 作成経緯等 本件指導監督記録は,上記(1)イの文書指導のため,指導監督を行った大阪労働局需給調整指導官(以下「指導官」という。)が作成したものである。 指導官は,法違反が認められた事業所については,甲記録を作成し,法違反が認められないものの派遣労働者や求職者の保護を図るためには一定の措置を講じる必要があると認められた事業所については,乙記録を作成している。 (イ) 本件指導監督記録の記載事項本件指導監督記録には,①処理結果,②処分種別(甲記録のみ),③最終確認年月日,④指導監督年月日,⑤指導対象,⑥整理番号,⑦指導監督の区分,⑧指導形態,⑨指導の種類(甲記録のみ),⑩管理番号,⑪許可番号又は届出受理番号,⑫許可年月日又は届出受理年月日,⑬事業主の氏名又は名称,⑭事業主の住所,⑮事業所枝番,⑯雇用保険適用事業所番号,⑰労働保険番号,⑱事業所の名称,⑲事業所の所在地,⑳担当者・印,㉑法条項(甲記録のみ),㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及び措置の内容(乙記録),㉓是正期日(甲記録のみ),㉔是正確認(甲記録のみ),㉕受領年月日,㉖受領者職名・受領者名,㉗受領者の印影,㉘備考の各欄がある(甲3,4,44の1,45の1,乙3,4,6の1,15)。 イ本件是正報告書等(ア) 作成経緯等本件是正報告書等は,本件指導監督記録を受領した事業者が,指導官から指摘を受けた 3,4,44の1,45の1,乙3,4,6の1,15)。 イ本件是正報告書等(ア) 作成経緯等本件是正報告書等は,本件指導監督記録を受領した事業者が,指導官から指摘を受けた法違反等の是正状況について,大阪労働局長に報告するために作成し提出した是正報告書(本件是正報告書)及びその添付資料(本件添付資料)である。 (イ) 本件是正報告書の記載事項 本件是正報告書には,①事業所名,②代表者名(役職名を含む。),③事業所の所在地,④事業主(所)の印影,⑤指導年月日,⑥法条項,⑦是正(改善)年月日,⑧是正(改善)内容,⑨受付印,⑩作成年月日の各欄がある(甲5,44の2,45の2,乙6の2,16)。 (4) 本件開示請求原告は,平成24年9月26日,厚生労働大臣から権限の委任を受けた大阪労働局長に対し,情報公開法3条に基づき,開示を求める行政文書を「平成23年度に労働者派遣事業等1036事業所(平成24年6月28日大阪労働局需給調整事業部発表)に対して指導監督を行うために送付した文書の決裁書類及び指導監督記録並びに事業所からの是正報告書等一切」として,本件開示請求をした(甲1,乙13)。 (5) 本件旧決定ア大阪労働局長は,本件開示請求の対象となる文書を本件各文書と特定した上で,平成24年11月26日付けで,原告に対し,情報公開法5条1号,2号イ及び6号イ所定の不開示情報に該当することを理由として,本件各文書の一部を開示しない旨の本件旧決定をし,原告は,その頃,同決定の通知書を受領した(甲2,乙13,弁論の全趣旨)。 イ本件旧決定の内容は,別紙1記載のとおりである(甲2~5,乙3,4,弁論の全趣旨)。 (6) 甲事件に係る訴えの提起等ア原告は,平成25年1月21 乙13,弁論の全趣旨)。 イ本件旧決定の内容は,別紙1記載のとおりである(甲2~5,乙3,4,弁論の全趣旨)。 (6) 甲事件に係る訴えの提起等ア原告は,平成25年1月21日,本件旧決定を不服として,厚生労働大臣に対し,審査請求(以下「本件審査請求」という。)をした(乙1,13)。 イ原告は,平成25年6月19日,甲事件に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 ウ厚生労働大臣は,平成25年8月23日,平成26年法律第69号による改正前の情報公開法18条に基づき,本件審査請求について,情報公開・ 個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問した(乙13)。 (7) 本件取消決定及び本件新決定ア大阪労働局長は,平成26年2月27日付けで,本件旧決定を取り消す旨の本件取消決定をするとともに,本件開示請求につき,情報公開法5条1号,2号イ及び6号イ所定の不開示情報に該当することを理由として,本件各文書の一部を開示しない旨の本件新決定をし,原告は,その頃,本件取消決定及び本件新決定に係る通知書(以下「本件通知書」という。)を受領した(乙5,13,弁論の全趣旨)。 イ本件各文書のうち,本件新決定によって不開示とされた部分及びその理由は,別紙2のとおりであり,本件新決定においては,本件旧決定で開示されていた部分に加えて,以下の部分についても開示することとされた(乙5,6)。 (ア) 本件指導監督記録「㉕受領年月日」(イ) 本件是正報告書「⑤指導年月日」,「⑨受付印」,「⑩作成年月日」(8) 乙事件に係る訴えの提起原告は,平成26年7月11日,行政事件訴訟法19条により,乙事件に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 (9) 本件新決定の一部を変更する裁決 月日」(8) 乙事件に係る訴えの提起原告は,平成26年7月11日,行政事件訴訟法19条により,乙事件に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 (9) 本件新決定の一部を変更する裁決審査会は,平成27年8月7日付けで,厚生労働大臣に対し,本件審査請求に係る答申を行い,平成28年1月22日付けで,答申の更正(以下,更正後の上記答申を「本件答申」という。)を行った(甲26,35)。厚生労働大臣は,同年2月12日,本件審査請求を本件新決定に係る審査請求とみなして,本件新決定を変更し,同決定において不開示とされた部分の一部を開示する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をした(甲39~41)。 大阪労働局長は,同年4月8日付けで,別紙3のとおり,本件新決定において不開示とされた部分の一部について理由を追加するとともに,本件裁決により開示するものとされた別表記載の部分の開示を実施する旨の通知(以下「本件開示実施通知」という。乙14,弁論の全趣旨)をした。なお,本件裁決が本件新決定を有効に変更させるものでない場合には,大阪労働局長による本件開示実施通知により本件新決定が変更されたことになるが,本件裁決又は本件開示実施通知のいずれによるかを問わず,以下,上記による一部変更を「本件裁決による一部変更」という。 (10) 本件各文書のうち最終的に不開示とされた部分本件各文書のうち,本件新決定(ただし,本件裁決による一部変更後のもの。)により不開示とされた部分(以下,上記部分を総称して「本件不開示部分」という。また,本件不開示部分のうち,情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分を「本件1号不開示部分」といい,同条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分を「本件2号不開示部分」といい,同条6号イ所定 部分のうち,情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分を「本件1号不開示部分」といい,同条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分を「本件2号不開示部分」といい,同条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分を「本件6号不開示部分」という。)は,以下のとおりである。 ア本件指導監督記録(ア) 情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分「㉖受領者職名・受領者名」,「㉗受領者の印影」(イ) 情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「⑪許可番号又は届出受理番号」,「⑫許可年月日又は届出受理年月日」,「⑬事業主の氏名又は名称」,「⑭事業主の住所」,「⑯雇用保険適用事業所番号」,「⑰労働保険番号」,「⑱事業所の名称」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載並びに別表「⑱事業所名称」1及び2記載の部分,「⑲事業所の所在地」,「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及び措置の内容(乙記録)」のうち,別表記載の開示部分 を除く部分,「㉖受領者職名・受領者名」,「㉗受領者の印影」(ウ) 情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「⑦指導監督の区分」,「⑧指導形態」,「⑱事業所の名称」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載並びに別表「⑱事業所の名称」1及び2記載の部分,「⑲事業所の所在地」イ本件是正報告書(ア) 情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分「⑧是正(改善)内容」のうち別表「⑧是正(改善)内容」1及び2記載の部分(イ) 情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「①事業所名」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載部分,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」 記載の部分(イ) 情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「①事業所名」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載部分,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」のうち事業所名,事業所の所在地,事業主以外の法人等の名称(その部署,支社,支店,営業所,工場,倉庫等の個別の名称を含む。)並びに別表「⑧是正(改善)内容」3から5まで記載の部分(ウ) 情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「①事業所名」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載部分,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」のうち事業所名,事業所の所在地,事業主以外の法人等の名称(その部署,支社,支店,営業所,工場,倉庫等の個別の名称を含む。)並びに別表「⑧是正(改善)内容」3から5まで記載の部分ウ本件添付資料(ア) 情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分本件添付資料のうち,特定の個人を識別し得る部分 (イ) 情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分本件添付資料のうち,指導監督を受けた事業主が特定される部分(ウ) 情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分本件添付資料のうち,別表記載の開示部分を除く部分 4 争点(1) 本案前の争点(甲事件)本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益の有無(争点①)(2) 本案の争点(乙事件の争点で,一部甲事件の争点を含む。)ア取消請求(ア) 本件1号不開示部分の不開示情報該当性(争点②)(イ) 本件2号不開示部分の不開示情報該当性(争点③) (2) 本案の争点(乙事件の争点で,一部甲事件の争点を含む。)ア取消請求(ア) 本件1号不開示部分の不開示情報該当性(争点②)(イ) 本件2号不開示部分の不開示情報該当性(争点③)(ウ) 本件6号不開示部分の不開示情報該当性(争点④)(エ) 理由付記に係る行政手続法8条違反の有無(争点⑤)(オ) 部分開示に係る情報公開法6条違反の有無(争点⑥)(カ) 本件取消決定の無効に基づく本件新決定の違法性(争点⑦)イ国家賠償請求(乙事件)(ア) 本件新決定の国家賠償法上の違法性(争点⑧)(イ) 損害の有無及びその額(争点⑨) 5 争点に関する当事者の主張(1) 争点①(本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益の有無)について(被告の主張)ア取消訴訟は,違法な行政処分の法的効果により自己の権利利益を侵害されている者が,その法的効果を除去することによって,その法的利益を回復することを目的とする訴訟であるところ,本件旧決定は,本件取消決定により,判決で取り消された場合と同様に,最初から同決定がなかった状 態に復帰することになるから,本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益は失われている。 イ原告は,本件取消決定には重大かつ明白な瑕疵があり,無効であることを理由として,本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益が認められるなどと主張する。しかし,以下のとおり,本件取消決定に無効事由は存在しないから,原告の主張はその前提を欠く。 (ア) 本件取消決定は,本件旧決定の理由付記に瑕疵があったことから,大阪労働局長が本件旧決定を職権で取り消したものであるところ,瑕疵ある行政処分について,行政庁自らがその違法状態を解消するため,当該処分を取り消すことは, 件旧決定の理由付記に瑕疵があったことから,大阪労働局長が本件旧決定を職権で取り消したものであるところ,瑕疵ある行政処分について,行政庁自らがその違法状態を解消するため,当該処分を取り消すことは,法治主義の原則から当然に要請されるものであり,処分行政庁には職権取消しをするか否かの裁量権が認められる。 本件において,本件旧決定を維持したまま,手続違法を理由として同処分を取り消す旨の判決がされた場合,大阪労働局長は,再び実体要件の有無を審査した上で,本件旧決定と同内容の処分をすることが可能なのであるから,原告はその処分に不服がある場合,再度その取消しを求めて訴訟を提起しなければならず,職権取消しをする場合よりも紛争解決までに時間を要することとなり,原告の負担が大きい。 原告は,憲法や情報公開制度固有の事情等を根拠として,職権取消しが許容される場合がごく限定される旨主張するが,かかる解釈は原告独自の見解を述べるものにすぎない。 大阪労働局長は,本件旧決定に手続上の瑕疵があると認められたことや,本件旧決定を維持したまま訴訟を継続することによる原告の不利益等を総合衡量した上で,本件取消決定を行ったものであるから,かかる判断に何ら裁量権の範囲の逸脱又はその濫用は認められない。 (イ) 原告は,本件取消決定が行政手続法13条及び14条に違反する旨主張するが,本件取消決定は,原告の本件開示請求に対して,大阪労働 局長が応答すべき状態に戻すものにとどまるのであって,開示請求者である原告に直接に義務を課すものではなく,その権利を制限するものでもない。また,本件旧決定により開示された部分は,既に原告に開示されているため,本件取消決定によっても,事実上,その利益を剥奪することはできないから,本件取消決定は同法2条4号の不利益処分に該当 もない。また,本件旧決定により開示された部分は,既に原告に開示されているため,本件取消決定によっても,事実上,その利益を剥奪することはできないから,本件取消決定は同法2条4号の不利益処分に該当せず,原告の主張はその前提を欠く。 ウ原告は,仮に本件取消決定が許されるとしても,開示請求者が開示を欲する核心的情報が開示されない限り,不開示決定の取消しを求める訴えの利益は失われないなどと主張するが,本件旧決定についてどのような判決がされようとも,本件新決定の法的効力は存続し,依然として原告が求めるような文書の全部開示には至らないのであるから,本件において,本件旧決定の取消しを求める訴えの利益を認めるべき実益は乏しい。 (原告の主張)ア本件取消決定には,以下のとおり,重大かつ明白な瑕疵があり無効であるから,本件旧決定はなお存在しており,本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益は何ら失われていない。審査会も,本件新決定を本件旧決定の軽微な変更と位置付けた上で本件答申を行っており,本件旧決定が存在していることを当然の前提としている。 (ア) 憲法31条は,行政庁の行為について適正手続に基づき行政上の救済を受ける権利を保障し,その権利は行政手続法や行政不服審査法によって具体化されていることからすると,大阪労働局長及び厚生労働大臣は,本件審査請求に対し,迅速かつ適正に対応する必要があった。にもかかわらず,厚生労働大臣は,本件審査請求の7か月後に初めて審査会に諮問し,また,審査会のインカメラ審理の要請にも協力せず,手続を遅延させており,大阪労働局長は,本件審査請求から1年以上経過した後に,本件審査請求の対象となっている本件旧決定を取り消した。そし て,大阪労働局長は,本件取消決定と同日付けで本件新決定を行ったと せており,大阪労働局長は,本件審査請求から1年以上経過した後に,本件審査請求の対象となっている本件旧決定を取り消した。そし て,大阪労働局長は,本件取消決定と同日付けで本件新決定を行ったところ,本件新決定は,本件旧決定により不開示とされた部分のうち枝葉末節にすぎない部分を開示しただけのものであり,理由付記も不十分なままであったから,原告は,本件取消決定がされたことにより何らの利益も受けていない。そうすると,本件取消決定は,原告の本件審査請求及びそれに基づく審査手続を妨害し,原告の不服申立てを無に帰するものであり,適正手続に基づく行政上の救済を受ける権利を侵害し,違憲,違法であって,無効である。 (イ) 憲法32条は,国民に適正手続に基づく裁判を受ける権利を保障していると解されるところ,憲法31条の趣旨が行政訴訟に及ぶことは明らかである。特に,情報という性質上,時機を逸してしまえば情報公開の意義は大きく減少してしまうことから,情報公開を巡る訴訟では迅速に審理されることが不可欠であるところ,大阪労働局長は,原告が甲事件に係る訴えを提起した8か月後になって,本件取消決定をするとともに,本件旧決定と実質的に同内容の本件新決定をしており,原告の迅速かつ適正な手続に基づく裁判を受ける権利を侵害している。また,原告は,本件取消決定により,本件新決定について新たに取消訴訟を提起しなければならないという過大な負担を課せられており,原告の裁判を受ける権利それ自体をも侵害していることからすると,本件取消決定は,違憲,違法であって,無効である。 (ウ) 被告は,本件取消決定は,大阪労働局長の裁量権の範囲内の行為である旨主張するが,最高裁判所昭和43年11月7日第一小法廷判決・民集22巻12号2421頁は,行政庁による職権取消しを原則として認 ) 被告は,本件取消決定は,大阪労働局長の裁量権の範囲内の行為である旨主張するが,最高裁判所昭和43年11月7日第一小法廷判決・民集22巻12号2421頁は,行政庁による職権取消しを原則として認めない旨判示しており,情報公開条例に関する東京高等裁判所平成17年9月29日判決・平成17年(行コ)第145号も,行政庁が非公開決定を取り消すことは,通常の場合,当該文書の公開に応ずることを 意味するから,行政庁が非公開決定を取り消したにもかかわらず,その後,文書の一部につき再び非公開決定をすることは,原則として許されない旨判示していることからすると,判例は,行政庁による職権取消しを制限的に考えていることは明らかである。そして,情報公開制度においては,知る権利の手続的権利の保障の観点から,職権取消しは,時の経過や後発的事情に伴い,不開示を維持する根拠がなくなった場合に初めて可能と解すべきところ,本件取消決定は,上記のような職権取消しが認められる例外的な場合においてされたものではない。 よって,本件取消決定には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があり,違法かつ無効である。 (エ) さらに,本件取消決定は,本件旧決定のうち開示とした部分も取り消していることなどからすると,行政手続法2条4号の不利益処分に当たることは明らかである。にもかかわらず,大阪労働局長は,本件取消決定を行うにあたり,原告に同法13条所定の聴聞の機会を付与しておらず,同法14条所定の理由付記もしていないことからすると,この点においても,本件取消決定には重大な違法があり,無効である。 イ仮に,本件取消決定が許されるとしても,憲法による知る権利の保障は,実体的権利の保障のみならず,手続的権利の保障をも含むものと解されるから,不開示決定の取消訴訟係属中に対象文書の全部又 ある。 イ仮に,本件取消決定が許されるとしても,憲法による知る権利の保障は,実体的権利の保障のみならず,手続的権利の保障をも含むものと解されるから,不開示決定の取消訴訟係属中に対象文書の全部又は一部が開示された場合であっても,開示請求者が開示を欲する核心的情報が開示されない限り,不開示決定の取消しを求める訴えの利益は失われないというべきである。 (2) 争点②(本件1号不開示部分の不開示情報該当性)について(被告の主張)ア情報公開法5条1号本文該当性について(ア) 本件1号不開示部分(ただし,本件是正報告書の「⑧是正(改善) 内容」のうち別表「⑧是正(改善)内容」2記載の部分を除く。)は,特定の個人の氏名そのものが実名で記載され,あるいは職名及び印影等から特定の個人を識別することができることから,情報公開法5条1号本文の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」(以下「個人識別情報」という。)に該当する。 また,本件1号不開示部分のうち,本件是正報告書の「⑧是正(改善)内容」のうち別表「⑧是正(改善)内容」2記載の部分については,同号本文の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,…特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。 (イ) 原告は,情報公開法5条1号の規定は個人のプライバシー情報を不開示情報とするものであるところ,本件1号不開示部分はいずれもプライバシー情報に該当しないから,同号本文には該当しないと主張する。 しかし,同号の規定は,個人識別情報を原則不開示とした バシー情報を不開示情報とするものであるところ,本件1号不開示部分はいずれもプライバシー情報に該当しないから,同号本文には該当しないと主張する。 しかし,同号の規定は,個人識別情報を原則不開示とした上で,個人の権利利益を侵害せず不開示にする必要のない情報や,侵害しても開示することの公益が優越するため開示すべき情報について,ただし書に例外的開示情報として列挙する条文構造を採用しており,同号がプライバシー情報を不開示情報と定めていると解釈することは,条文を無視する解釈であって,失当である。この点を措くとしても,本件1号不開示部分を開示すれば,大阪労働局から指導監督を受けた従業員あるいは関係者であるという当該個人の社会的地位や,本件指導監督記録を受領したという当該個人の社会的活動に加え,自己の署名や印影が開示されることになるのであって,そのプライバシーを侵害するおそれがある。 (ウ) また,原告は,法人等を代表する者が職務としてする行為等,当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報については,非公開情報である個人に関する情報に当たらないと判示した最高裁判所平成15年11月11日第三小法廷判決・民集57巻10号1387頁(以下「平成15年判決」という。)を前提として,本件1号不開示部分のうち,会社の代表者が本件指導監督記録を受領した場合の当該受領者名や,本件添付資料に記載があると思われる代表者名は,いずれも個人識別情報には該当しないと主張する。 しかし,平成15年判決の事案は,法人等の名称が開示されていたことから,当該法人等の代表者名及び役職名等が,個人に関する情報ではなく法人等に関する情報として開示されるべきかが正に問題となっていた事案であったのに対し,本件は,法人等の名称が情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該 代表者名及び役職名等が,個人に関する情報ではなく法人等に関する情報として開示されるべきかが正に問題となっていた事案であったのに対し,本件は,法人等の名称が情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとして不開示とされていることから,法人等の代表者名等を法人等に関する情報と解したとしても,当然に不開示となるのであって,事案を異にする。そうすると,平成15年判決が示した判断枠組みによって,本件新決定における開示・不開示の判断の当否を検討することはできない。 そもそも,法人等の構成員に関する情報は,法人等に関する情報であると同時に,構成員各個人に関する情報でもあるから,上記各情報は,それが法人等の代表者のものか従業員のものかを問わず,同号所定の「法人等に関する情報」に該当するとともに,同条1号所定の個人識別情報にも該当すると解するべきである。 イ情報公開法5条1号ただし書該当性について(ア) 立証責任について情報公開法5条1号ただし書該当性については,同号の条文構造からして,原告がその立証責任を負うものである。 (イ) 情報公開法5条1号ただし書イ該当性について原告は,会社の取締役の氏名は登記事項になっているから,本件1号不開示部分のうち,会社の取締役が本件指導監督記録を受領した場合の受領者名や本件是正報告書の取締役の氏名等は,法令の規定により公にされている情報であり,情報公開法5条1号ただし書イの「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当すると主張する。しかし,本件では,指導監督を受けた事業所の名称は明らかにされていないから,大阪労働局から指導監督を受けた法人等の取締役の氏名等は,法令の規定により公にされている情報ではない。 また,原告 する。しかし,本件では,指導監督を受けた事業所の名称は明らかにされていないから,大阪労働局から指導監督を受けた法人等の取締役の氏名等は,法令の規定により公にされている情報ではない。 また,原告は,開示を求めている情報には,労働者派遣法により事業所名等が公表されているものも含まれているところ,既に公表されている事業所の受領者名及び印影は,同号ただし書イに該当することが明らかである旨主張する。しかし,労働者派遣法49条の2第3項の規定による公表は,同条1項及び2項による勧告に従わなかった場合に初めて行われるものであって,行政指導の段階で事業所名等が公表されることはないし,たとい公表がされたとしても,当該事業所の内部管理に関する情報までもが公になるわけではない。また,大阪労働局が平成23年度に実施した労働者派遣事業及び職業紹介事業を営む1036事業所に対する指導監督においては,上記勧告すら一切行われていない。 したがって,本件1号不開示部分は,情報公開法5条1号ただし書イには該当しない。 (ウ) 情報公開法5条1号ただし書ロ該当性について原告は,事業所の事業主及び代表者の氏名が開示されれば,事業所が開示による信用低下を免れるために,法令を遵守するように企業体質を改善すると考えられ,その結果,労働者の生命,健康,生活又は財産が 守られることになるから,不開示とすることにより維持される事業所の利益よりも,開示とすることにより得られる利益の方がはるかに大きいとして,情報公開法5条1号ただし書ロの「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」に該当する旨主張する。 しかし,後述するとおり,事業所を特定する情報については,事業所が行政処分や刑事処分を受けていない以上,法違反の状態 保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」に該当する旨主張する。 しかし,後述するとおり,事業所を特定する情報については,事業所が行政処分や刑事処分を受けていない以上,法違反の状態等は改善されているといえるのであって,事業所を特定する情報が不開示とされることによって,現実に人の生命等が侵害される結果が生じているわけではないことはもちろん,将来人の生命等が侵害される蓋然性が高くなるともいえない。このように,事業所を特定する情報は,情報公開法5条2号ただし書が定める「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」とはいえない。 したがって,法人等の代表者又は個人事業主の氏名についても,情報公開法5条1号ただし書ロには該当しない。 (原告の主張)ア情報公開法5条1号本文該当性について(ア) 情報公開法の規定する不開示情報の範囲については,上位規範である憲法や自由権規約,情報公開法の立法目的に適合するよう限定的に解釈すべきであるところ,本来,同法5条1号が個人のプライバシー保護を主たる目的としていることからすれば,同号の「特定の個人を識別できるもの」の範囲については,個人のプライバシーの保護に具体的かつ現実的に資する範囲に限定的に解釈されるべきである。 そして,本件1号不開示部分は,単なる特定の個人情報にすぎず,個人のプライバシーの保護に資する情報ではないから,個人識別情報には該当しない。 (イ) また,法人等の代表者が,本件指導監督記録を自ら受領した場合や,是正報告をした場合,それらの行為は,法人等を代表する者が職務として行う行為であって,法人等の行為そのものと評価されるのであるから,本件指導監督記録の受領者名や本件添付資料の代表者名等は,法人等に関 正報告をした場合,それらの行為は,法人等を代表する者が職務として行う行為であって,法人等の行為そのものと評価されるのであるから,本件指導監督記録の受領者名や本件添付資料の代表者名等は,法人等に関する情報であって,情報公開法5条1号本文の個人識別情報には当たらない(平成15年判決参照)。 イ情報公開法5条1号ただし書該当性について(ア) 立証責任について情報公開法5条1号ただし書該当性については,被告が開示請求に係る文書等の資料全てを保持していることからすると,被告において,同号ただし書に該当しないことを相当の根拠,資料に基づいて主張立証する必要があるというべきである。 (イ) 情報公開法5条1号ただし書イ該当性について会社の取締役が本件指導監督記録を受領した場合や本件是正報告書等に代表者名が記載されている場合,会社の取締役の氏名は登記事項(会社法911条3項13号及び14号)であるから,当該取締役の氏名は,仮に個人識別情報に該当するとしても,法令の規定により公にされている情報であるといえる。 また,事業所が労働者派遣法の勧告に従わない場合には,労働者派遣法49条の2第3項に基づいて会社名が公表されることになるところ,会社名が明らかになれば,同社の取締役の氏名も登記簿上明らかであるし,違法の程度が甚だしい場合には,大阪労働局長は,代表者の氏名をも公開の対象としている。そうすると,会社の取締役が本件指導監督記録を受領した場合の同記録中の「㉖受領者職名・受領者名」や,本件是正報告書等に記載されている取締役の氏名は,情報公開法5条1号ただし書イの「法令の規定により公にされ,又は公にすることが予定されて いる情報」に該当する。 (ウ) 情報公開法5条1号ただし書ロ該当性について本件各文書は,い 公開法5条1号ただし書イの「法令の規定により公にされ,又は公にすることが予定されて いる情報」に該当する。 (ウ) 情報公開法5条1号ただし書ロ該当性について本件各文書は,いずれも法違反等の事実を示す文書であるところ,本件各文書の法違反等の情報が開示されれば,事業所の信用が低下するおそれがあることから,事業所は信用の低下を免れるために,法令を遵守するように企業体質を改善すると考えられ,その結果,当該事業所の労働者の生命,健康,生活又は財産が守られることになる。そうすると,本件1号不開示部分を不開示とすることにより維持される事業所の利益よりも,これを開示することにより得られる利益の方がはるかに大きいといえるから,本件1号不開示部分は情報公開法5条1号ただし書ロの「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」に該当するというべきである。 被告は,本件指導監督記録を受領した事業所が行政処分や刑事処分を受けていないことからすると,法違反等は改善されているといえるのであって,現実に人の生命等が侵害される結果は生じておらず,また侵害の蓋然性が高いともいえないから,同号1号ただし書ロには該当しない旨主張するが,人の生命等を侵害する蓋然性があるかは,指導官による指導監督の時点を基準に判断すべきであって,その指導監督後に改善されたかどうかは問題とならない。さらに,本件指導監督記録を受領した事業所の中には,その後行政処分を受けた事業所もあるから,被告の主張はその前提を誤るものである。 (3) 争点③(本件2号不開示部分の不開示情報該当性)について(被告の主張)ア情報公開法5条2号イ該当性について(ア) 情報公開法5条2号イにいう「正当な利益」とは,ノウハウ,信用, 争点③(本件2号不開示部分の不開示情報該当性)について(被告の主張)ア情報公開法5条2号イ該当性について(ア) 情報公開法5条2号イにいう「正当な利益」とは,ノウハウ,信用,社会的評価等といった法人等の運営上の地位を広く含むものと解される。 また,同号イにいう「害するおそれ」の有無の判断にあたっては,法人等の性格や権利利益の内容,性質等に応じ,諸般の事情を十分に考慮して判断すべきであるが,当該行政文書の個別具体的な記載文言等から当該法人等の権利利益が具体的にどのように侵害される蓋然性があるのかを明らかにしなければならないとすると,当該文書の開示を要求するに等しい結果を招くことになり,不開示情報を定めた情報公開法の趣旨に反するから,上記「おそれ」があるか否かは,当該情報がいかなる法人等に関するどのような種類,内容のものであるかという一般的な情報の性質に照らし,当該法人の権利利益を害するおそれがあるかどうかを客観的に判断するのが相当である。 (イ) 本件2号不開示部分は,いずれも,情報そのもの,あるいは他の情報と組み合わせることにより,指導官が指導監督を実施した事業所を特定することができる情報である。これらの情報を開示することにより指導監督が実施された事業所が特定されることになれば,既に開示された部分に含まれている法違反の内容等の情報とあいまって,当該事業所が法違反等をした事実のみならず,当該事業所にとって秘匿すべき労務管理を始めとする内部管理に関する種々の情報が明らかとなり,当該事業所に対する信用を低下させ,取引関係や人材確保等の面において,同業他社との間で競争上の地位その他正当な利益を害するおそれが生じる。 また,本件各文書に記載されている法違反等の事実については,指導官による行政指導の過 下させ,取引関係や人材確保等の面において,同業他社との間で競争上の地位その他正当な利益を害するおそれが生じる。 また,本件各文書に記載されている法違反等の事実については,指導官による行政指導の過程で,同指導官が暫定的に判断したものにすぎないことや,労働者派遣法等において,行政指導の段階で本件各文書に記載されたのと同様の情報を一般に公開する定めはないことなどからすると,これらの情報を公にすることは,当該事業主に対する過酷な制裁となることは明らかである。そうすると,当該事業主の社会的信用等の低下という不利益を被らない利益は,なお法的保護に値する利益というべ きである。 したがって,本件2号不開示部分は,情報公開法5条2号イに該当する。 (ウ) 原告は,大阪労働局の指導監督に実効性がないことを理由として,事業所を特定する情報を公にすることが,当該事業所の体質改善を促し,ひいては当該事業所の利益につながる旨主張する。しかし,大阪労働局の指導監督に実効性がないという主張には根拠がなく,原告の主張はその前提を誤るものであるし,かえって,事業所を特定する情報を公にすることによって,大阪労働局と事業所との信頼関係が失われ,適切な指導監督を行うことができなくなるおそれがある。 イ情報公開法5条2号ただし書該当性について(ア) 情報公開法5条2号ただし書にいう「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」に該当するには,当該情報を公にすることにより人の生命等を保護する必要性が,これを公にすることにより侵害される法人等の権利利益の保護の必要性を上回ることが必要であると解される。 しかるところ,仮に,指導官により法違反等を指摘され行政指導を受けた事業所が,その行政指導に従わない場合には,労働者 り侵害される法人等の権利利益の保護の必要性を上回ることが必要であると解される。 しかるところ,仮に,指導官により法違反等を指摘され行政指導を受けた事業所が,その行政指導に従わない場合には,労働者派遣法等の定めに従って,改善命令等の段階的手続を踏み,最終的には罰則を受けることになるのであって,当該事業所が行政処分や刑事処分を受けていない以上,法違反等は改善されているといえる。そうすると,事業所を特定する情報が不開示とされることによって,現実に人の生命等に侵害が発生しているわけではなく,また将来これらが侵害される蓋然性が高いともいえない。したがって,本件2号不開示部分は,同号ただし書に該当しない。 (イ) 原告は,派遣労働が過酷であること,派遣労働者は労働条件などに 関する情報を取得し難いことなどから,本件2号不開示部分が情報公開法5条2号ただし書に該当すると主張する。しかし,派遣労働者が他の労働者と比較して特段過酷な就労状況にあるという事実は認められないし,労働基準法や労働者派遣法により,派遣労働者として従事する前に,労働条件のみならず,様々な情報を入手する機会は確保されているのであるから,原告の主張はその前提を誤るものである。 (原告の主張)ア情報公開法5条2号イ該当性について(ア) 原則公開主義を採用している情報公開法の趣旨からすると,情報公開法5条2号イにいう「正当な利益」とは,法人等の社会一般からの信用,評価の中でも特に法的保護に値するものをいうと解すべきであり,また「害するおそれ」とは,法人等の特に保護されるべき正当な利益を具体的かつ現実的に害するおそれがある場合に限定して解釈すべきである。 (イ) 本件2号不開示部分を開示することにより,事業所が法違反等をした事実が明らかとなって,当該 保護されるべき正当な利益を具体的かつ現実的に害するおそれがある場合に限定して解釈すべきである。 (イ) 本件2号不開示部分を開示することにより,事業所が法違反等をした事実が明らかとなって,当該事業所の信用等が低下するとしても,労働者派遣法に従って指導監督を受けた事業所には,過酷な労働条件の下で労働者を働かせ,人の生命や身体に危険を生じさせたという重大な責任があるのであるから,当該事業所はその信用等の低下を甘受すべきであり,法違反等の事実を秘する正当な利益は存在しない。 (ウ) また,労働者の生命等を保護するために,本件2号不開示部分を開示して指導監督を受けた事業所を明らかにする必要性は高いのに対し,これを開示することにより事業所の利益が侵害されるおそれは,抽象的かつ一般的なものにすぎず,具体的かつ現実的に正当な利益を害するおそれがあるとは認められない。 イ情報公開法5条2号ただし書該当性について (ア) 立証責任について情報公開法5条2号ただし書該当性については,被告がこれに該当しないことを相当の根拠,資料に基づいて主張立証する必要があり,これがされない場合には,被告に不合理な点があることが事実上推認されるものというべきである。 (イ) 情報公開法5条2号ただし書該当性について本件2号不開示部分が情報公開法5条2号イに該当するとしても,派遣労働は,正規労働者との間での労働条件の格差や労働災害等を生じさせ得る過酷な就労形態であり,現に法違反の事実が多発していることからすると,派遣労働者の生命等を保護するために,それらの情報を開示する必要がある。また,労働組合が組織化されていない派遣労働者においては,情報公開法による開示請求といった市民的権利に基づいて労働条件等に関する情報を入手するしかないところ めに,それらの情報を開示する必要がある。また,労働組合が組織化されていない派遣労働者においては,情報公開法による開示請求といった市民的権利に基づいて労働条件等に関する情報を入手するしかないところ,労働者派遣事業に関して大阪労働局が行った指導監督等は,派遣労働者にとり有益な情報であって,公益上,特に情報公開の必要性が高い。さらに,労働局による指導監督が実効性のない場合もあるから,事業所名等を公にすることで初めて法人等の体質改善を促すことにつながるものといえる。そうすると,本件2号不開示部分は,派遣労働者の生命等を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報であるから,同号ただし書に該当する。 (4) 争点④(本件6号不開示部分の不開示情報該当性)について(被告の主張)ア労働者派遣法等に基づく指導官による指導監督業務は,情報公開法5条6号イの「監査」「検査」及び「取締り」に該当する。 イ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑱事業所の名称」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載並びに別表「⑱事業所の名称」1 及び2記載の部分,「⑲事業所の所在地」,本件是正報告書の「①事業所名」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載部分,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」のうち事業所名,事業所の所在地,事業主以外の法人等の名称(その部署,支社,支店,営業所,工場,倉庫等の個別の名称を含む。)並びに別表「⑧是正(改善)内容」3から5まで記載の部分については,指導官による指導監督の対象となった事業所又は事業主を特定する情報が記載されているところ,これらが開示された場合には,法違反の有無と併せて事業所の違反の態様が明らかになり,今後,都道府県 ついては,指導官による指導監督の対象となった事業所又は事業主を特定する情報が記載されているところ,これらが開示された場合には,法違反の有無と併せて事業所の違反の態様が明らかになり,今後,都道府県労働局と事業所との信頼関係が失われ,事業所が関係資料の提出等の情報提供に協力的でなくなることで「正確な事実の把握が困難になるおそれ」が生じ,指導監督に対する自主的改善意欲を低下させ,さらには法違反の隠蔽を行うなど「正確な事実の把握が困難になるおそれ」のほか,「違法若しくは不当な行為を容易にし,もしくはその発見を困難にするおそれ」がある。 また,是正指導を行った段階で当該事業所の法違反等の事実が公になることになれば,その後,労働者派遣法に基づく勧告や公表を行ったとしても,法律が予定している効果が得られず,この点でも,指導監督業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。 ウ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑦指導監督の区分」には,定期,臨検又は申告のいずれによる指導であるかが記載されている。 当該部分が開示された場合には,申告を端緒として指導が行われた事案(申告事案)においては,指導を受けた事業所に係る労働者が申告を行ったことが明らかになり,労働者の中で誰が申告をしたのか申告者の探索が行われるおそれがある。その結果,労働者は,申告を行ったことによって自らに不利益な取扱いが及ぶことを恐れて申告をちゅうちょすることとなり,労働者からの申告という法違反に係る指導の重要な情報源が損なわれ,同 法に基づく指導に係る事務に関し,「正確な事実の把握を困難にするおそれ」がある。 また,申告事案の場合のみを不開示とすると,不開示とされた事案が申告事案であることが明らかになってしまい,その結果,申告者の探索が行われるおそれもあることから の把握を困難にするおそれ」がある。 また,申告事案の場合のみを不開示とすると,不開示とされた事案が申告事案であることが明らかになってしまい,その結果,申告者の探索が行われるおそれもあることから,申告以外の事案も含めて不開示とする必要がある。 エ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑧指導形態」には,指導監督の対象となった事業所に対する指導の手段(訪問又は呼出し)が記載されているところ,指導官による指導監督においては,比較的重大な事案では訪問による指導監督を,比較的軽微な事案では呼出しによる指導監督を行うことが多い。そのため,上記の指導形態が明らかになると,どのような場合に比較的軽微な事案で済むのか,あるいは重大な事案となるのかその対応について事業所に把握されることにより,事業所が指導監督手法を踏まえた準備をし,あるいは事業所による妥当性を欠く行為を助長し,ひいては比較的重大な事案について法違反の隠蔽行為を招くなど「正確な事実の把握を困難にするおそれ」及び「違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ」がある。 オ本件6号不開示部分のうち,本件添付資料(ただし,別表記載の開示部分を除く。)は,指導を受けた事業主が大阪労働局との信頼関係に基づいて任意に提供したものであり,個人識別情報又は事業主を特定する情報等を多く含む本件添付資料が開示されれば,都道府県労働局と事業主との信頼関係が失われ,今後,事業主が関係資料の提出等,情報提供に協力的でなくなることにより,「正確な事実の把握を困難にするおそれ」が生じるほか,指導に対する事業主の自主的改善意欲を低下させ,ひいては法違反の隠蔽を行うなど「違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ」も生じ,「当該事務又は事業の適 」が生じるほか,指導に対する事業主の自主的改善意欲を低下させ,ひいては法違反の隠蔽を行うなど「違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ」も生じ,「当該事務又は事業の適正な遂行に支障をおよぼ すおそれ」が大きい。 カよって,本件6号不開示部分は,情報公開法5条6号イの不開示情報に該当する。 (原告の主張)ア本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑱事業所の名称」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載並びに別表「⑱事業所名称」1及び2記載の部分,「⑲事業所の所在地」,本件是正報告書の「①事業所名」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載部分,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」のうち事業所名,事業所の所在地,事業主以外の法人等の名称(その部署,支社,支店,営業所,工場,倉庫等の個別の名称を含む。)並びに別表「⑧是正(改善)内容」3から5まで記載の部分については,それらの情報が,法違反に該当する事実と併せて開示されたとしても,具体的かつ現実的に,事業所等が情報提供に協力的でなくなる支障や法違反の隠蔽等が生じるおそれがあるとはいえず,被告は抽象的なおそれを述べるにすぎない。また,指導監督を行った段階での情報公開法に基づく情報開示と,労働者派遣法49条の2に基づく勧告や公表といった制裁措置とは,質的に異なるのであるから,これらの制裁措置の実効性が得られなくなるわけではない。 イ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑦指導監督の区分」については,これが開示されたとしても,申告者の探索が行われ,労働者が今後自主的な申告をちゅうちょし,正確な事実の把握を困難にする具体的かつ現実的なおそれが生じるとはいえない の「⑦指導監督の区分」については,これが開示されたとしても,申告者の探索が行われ,労働者が今後自主的な申告をちゅうちょし,正確な事実の把握を困難にする具体的かつ現実的なおそれが生じるとはいえない。また,仮に申告者の探索が行われたとしても,公益通報者保護法等により申告者を保護することは可能なのであるから,被告の主張には理由がない。 ウ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑧指導形態」につい ては,これが開示されて指導監督の手法が明らかになったとしても,事業所が法違反の隠蔽等を行うとは限らないのであるから,指導監督の手法が明らかになると,事業所がその手法を踏まえた準備あるいは隠蔽行為を行うなどのおそれがあるとする被告の主張は,抽象的なおそれを述べるにすぎない。 エ本件6号不開示部分のうち,本件添付資料(ただし,別表記載の開示部分を除く。)については,これが開示されたとしても,具体的かつ現実的に,事業所等が情報提供に協力的でなくなる支障や法違反の隠蔽等が生じるおそれがあるとはいえず,情報公開法5条6号イ所定の不開示情報には該当しない。 (5) 争点⑤(理由付記に係る行政手続法8条違反の有無)について(原告の主張)ア本件新決定の理由付記が不十分であること行政手続法8条の規定する理由付記の趣旨が,処分庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を相手方に知らせて不服申立てに便宜を与える点であることからすれば,行政文書不開示決定通知書に記載すべき理由の程度としては,いかなる事実関係に基づき,いかなる法規を解釈適用して,当該処分を行うに至ったのかを処分の相手方がその記載自体から了知し得るものでなくてはならない。 本件新決定の本件通知書には,不開示とした部分及びその理 事実関係に基づき,いかなる法規を解釈適用して,当該処分を行うに至ったのかを処分の相手方がその記載自体から了知し得るものでなくてはならない。 本件新決定の本件通知書には,不開示とした部分及びその理由として,不開示の根拠規定と条項が記載されているのみであるところ,以下のように,それらの記載のみでは,原告において,いかなる事実関係に基づき,いかなる解釈適用をして大阪労働局長が本件新決定を行うに至ったのか,その記載自体から了知することができない。 (ア) 情報公開法5条1号により不開示とされた部分については,上記(2)(原告の主張)のとおり,そもそも個人識別情報に該当しないものも多 数含まれていると考えられるところ,本件通知書には,漫然と情報公開法5条1号に該当すると記載されているのみであって,その記載のみでは,なぜ同条1号に該当すると判断したのか,その根拠を知ることができない。 (イ) 情報公開法5条2号イにより不開示とされた部分については,条文をほぼそのまま引用した理由が記載されているにすぎず,循環論法に陥っているし,その記載のみでは,法人の権利,競争上の地位を害するおそれがあるのか,あるいはその他正当な利益を害するおそれがあるのか不明であるし,仮に後者である場合,正当な利益とは具体的に何であるのか,全く不明である。 (ウ) 情報公開法5条6号イにより不開示とされた部分についても,条文をほぼそのまま引用した理由が記載されているにすぎず,循環論法に陥っているし,その記載のみでは,違反事項に対する指導監督の手法が判明した場合,なぜ職業安定行政機関が行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるのか,了知することができない。 (エ) 本件添付資料については,ただ単に不開示情報の根拠規定を示すのみであり,いかなる添付資料のいか 業安定行政機関が行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるのか,了知することができない。 (エ) 本件添付資料については,ただ単に不開示情報の根拠規定を示すのみであり,いかなる添付資料のいかなる記載が,いかなる事実関係に基づきいかなる合理的理由に基づいて不開示とされたのか,了知することができない。 イ本件開示実施通知による理由の追加が許されないこと大阪労働局長は,本件新決定から2年以上が経過してされた本件開示実施通知において,本件新決定では示されていなかった理由を一部追加しているところ,このような理由の追加は,行政手続法8条の趣旨に反するものであって,本件新決定の違法性を基礎付けるものである。 (被告の主張)ア本件新決定の理由付記は不十分ではないこと (ア) 情報公開法9条1項の通知文書に記載される不開示決定の理由については,不開示とされた情報につき,開示請求者をして同法5条各号所定の不開示情報のいずれに該当するかがその根拠と共に了知し得ることが原則であるが,仮に不開示の根拠規定を示しただけであっても,行政文書の種類,性質等からそれらを当然了知し得るのであれば,行政手続法8条に基づく理由付記として足りると解すべきである。 (イ) 本件通知書には,本件各文書に記載された情報の項目が挙げられ,どの項目が,情報公開法5条各号のいずれに該当するかが分かるようになっており,また各項目から情報の内容も推察することができることから,どのような情報が同条各号のいずれに該当するかを了知することが可能である。 そして,各項目から推察される情報の内容と本件通知書に記載された各不開示事由を併せて考えれば,各情報が情報公開法5条各号に該当する根拠もおのずから明らかである。 また,本件添付資料の不開示部 そして,各項目から推察される情報の内容と本件通知書に記載された各不開示事由を併せて考えれば,各情報が情報公開法5条各号に該当する根拠もおのずから明らかである。 また,本件添付資料の不開示部分については,情報公開法のどの条項に該当するかに加え,どのような種類の情報が記載されているかが明示されており,さらには表題部分が原則的に開示されていることからすると,不開示部分の記載内容を推知することが可能である上,その情報が情報公開法5条各号に該当する根拠も了知し得るというべきである。 したがって,本件新決定の理由付記が不十分であるとはいえず,原告の主張は理由がない。 イ本件開示実施通知における理由の追加が許されること一般に,取消訴訟においては,別異に解すべき特別の理由のない限り,行政庁は当該処分の効力を維持するための一切の法律上及び事実上の根拠を主張することが許されるものと解される(最高裁判所昭和53年9月19日第三小法廷判決・集民125号69頁参照)。そして,行政手続法8条 が,ひとたび本件通知書に理由を付記した以上,行政庁が当該理由以外の理由を本件新決定の取消訴訟において主張することを許さないものとする趣旨を含むと解すべき根拠はなく,本件において,上記「特別の理由」があるとはいえない。また,本件新決定においては,一定の不開示理由が明確に提示されており,本件開示実施通知においては,新たな不開示事由が一部追加されたにすぎず,本件新決定の際に誤った不開示事由が根拠として挙げられていたわけではないことからすると,行政手続法8条の趣旨に反する事態が生じていないことは明らかである。 したがって,本件において不開示理由が追加されたからといって,本件新決定が行政手続法8条の趣旨に反することになるとはいえない。 続法8条の趣旨に反する事態が生じていないことは明らかである。 したがって,本件において不開示理由が追加されたからといって,本件新決定が行政手続法8条の趣旨に反することになるとはいえない。 (6) 争点⑥(部分開示に係る情報公開法6条違反の有無)について(原告の主張)本件添付資料は,表題部分を除き全て不開示とされているが,情報公開法6条1項は,不開示部分とその余の部分を区分することができる場合には,不開示部分を除いたその余の部分について開示しなければならないと規定しており,不開示部分を区分することなく文書全体を不開示とすることは,同項の規定に違反する。 (被告の主張)本件添付資料は,指導監督を受けた事業主が大阪労働局との信頼関係に基づいて任意に提供した書面であるところ,当該書面には事業主による事業の実態を明らかにする情報が記載されている。そうすると,本件添付資料の不開示部分は,その全体が,これが開示されれば,事業主に関係資料の提出等の情報提供をちゅうちょさせ,正確な事実の把握が困難となるなどといったおそれが生じる情報に当たり,情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するものである。そして,本件添付資料のうち,公にしても事業主との信頼関係を害さない情報であるのかを的確に判別し,不開示情報を区分して除 くことは極めて困難である。 また,本件添付資料が開示されると,指導監督を受けた事業主の関係者がこれを見た場合に,その書面の体裁等から,当該事業主が大阪労働局から指導監督を受けた事実を推知されてしまい,当該事業主の競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれが生じる。そして,本件添付資料のうち,公にすることにより事業主の識別のおそれがある部分を的確に判別し,不開示情報を区分して除くこと しまい,当該事業主の競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれが生じる。そして,本件添付資料のうち,公にすることにより事業主の識別のおそれがある部分を的確に判別し,不開示情報を区分して除くことは,極めて困難である。 したがって,本件添付資料については,その全体が不開示情報に該当し,情報公開法6条1項に基づき不開示情報が記載されている部分を容易に区分して除くことができないことが明らかであり,原告の主張は理由がない。 (7) 争点⑦(本件取消決定の無効に基づく本件新決定の違法性)について(原告の主張)上記(1)(原告の主張)のとおり,本件取消決定は,憲法21条,31条,32条等に違反し,明白かつ重大な瑕疵があるから無効である。そして,本件取消決定と本件新決定は,同日に行われた一体的なものであることからすれば,本件取消決定が無効であることは,本件新決定における手続上の重大な瑕疵になるというべきであるから,本件新決定は違法である。 (被告の主張)上記(1)(被告の主張)のとおり,本件取消決定が無効であるとはいえないから,これを前提とする原告の主張には理由がない。 (8) 争点⑧(本件新決定の国家賠償法上の違法性)について(原告の主張)本件新決定は,以下のとおり,原告の憲法上の権利を侵害し,また法律に違反しており,本件新決定を行った大阪労働局長が職務上尽くすべき注意義務を尽くしていなかったことは明らかであって,国家賠償法上の違法性がある。 ア本件新決定が原告の知る権利(憲法21条)を侵害すること情報公開制度は,憲法21条により保障されている知る権利を具体化する制度であるところ,原告が開示を求めている情報は,近年多発している違法な派遣労働を是正するために必要な情報であり,公益性の見地 と情報公開制度は,憲法21条により保障されている知る権利を具体化する制度であるところ,原告が開示を求めている情報は,近年多発している違法な派遣労働を是正するために必要な情報であり,公益性の見地からも公開する必要性が非常に高い情報であった。にもかかわらず,本件新決定は,本件旧決定において不開示とされた部分のうち枝葉末節の情報を開示するのみで,本来国民に公開すべき情報を不開示としており,原告の知る権利(憲法21条)を侵害するものといえる。また,大阪労働局長は,本件旧決定を取り消したにもかかわらず,実質的に同じ内容の本件新決定を行っており,本件新決定は,原告の知る権利を二重に侵害するものである。 イ本件新決定が原告の適正手続に基づく行政上の救済を受ける権利(憲法31条)を侵害すること上記(1)(原告の主張)のとおり,厚生労働大臣は,本件審査請求において,審査会によるインカメラ審理の要請を長期間放置しており,また大阪労働局長においても,審査会の要請に協力しないばかりか,本件旧決定を取り消した上で,実質的に同内容の本件新決定を行っており,原告の不服申立手続を妨害している。また,大阪労働局長は,本件旧決定の理由付記が不十分であったことを認識していたにもかかわらず,理由付記に同様の不備がある本件新決定を行っていることからすると,大阪労働局長は,本件新決定を行うことにより,原告の不服申立手続を著しく遅延させており,原告の適正手続に基づく行政上の救済を受ける権利(憲法31条)を侵害している。 ウ本件新決定が原告の適正手続に基づく裁判を受ける権利(憲法31条,32条)を侵害すること上記(1)(原告の主張)のとおり,大阪労働局長が,本件旧決定と実質的に同じ内容の本件新決定をしたことにより,原告は,本件新決定の取消し を受ける権利(憲法31条,32条)を侵害すること上記(1)(原告の主張)のとおり,大阪労働局長が,本件旧決定と実質的に同じ内容の本件新決定をしたことにより,原告は,本件新決定の取消し を求める訴え(乙事件)を提起せざるを得なくなり,訴訟における紛争解決が遅延する不利益を受けた。したがって,本件新決定は,原告の適正手続に基づく裁判を受ける権利(憲法31条,32条)を侵害するものである。 エ本件新決定には行政手続法8条の趣旨を没却する違法があること本件新決定は,本件指導監督記録の受領者の職名等を漫然と情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとするなど,理由付記を義務付けた行政手続法8条の趣旨を没却する判断をしており,違法である。 オ本件裁決が違法であること本件裁決は,原告が本件旧決定に対して行った審査請求を本件新決定に対するものとみなして行われたものであるところ,このような取扱いは,審査会の本件答申とも齟齬する上,法的根拠がなく,違法である。 そして,厚生労働大臣が違法な本件裁決を行ったのは,大阪労働局長が違法な本件新決定を行ったことに由来するから,本件裁決の違法は本件新決定の違法を基礎付けるものである。 (被告の主張)以下のとおり,本件新決定を行った大阪労働局長には何ら職務上の法的義務違反はなく,国家賠償法上の違法があるとはいえない。 ア上記(1)(被告の主張)のとおり,大阪労働局長が,適法に本件取消決定を行ったことにより,本件開示請求に対し応答する義務が生じたことから,情報公開法に基づき本件新決定を行ったのであって,大阪労働局長に何ら職務上の法的義務違反があるとはいえない。 イ原告は,本件新決定に至るまでの本件審査請求等の過程を挙げて,本件 生じたことから,情報公開法に基づき本件新決定を行ったのであって,大阪労働局長に何ら職務上の法的義務違反があるとはいえない。 イ原告は,本件新決定に至るまでの本件審査請求等の過程を挙げて,本件新決定は本件訴訟を遅滞させ,原告の適正手続に基づく裁判を受ける権利等を侵害しているなどと主張するが,本件新決定と本件審査請求とは別個の手続であり,本件審査請求の過程を理由として,なぜ本件新決定が国家 賠償法上の違法と評価されるのか,その主張の根拠が不明といわざるを得ない。そもそも,上記(1)(被告の主張)のとおり,本件取消決定をせずに訴訟を継続する方が,かえって紛争解決に時間を要する可能性があったことに照らせば,本件新決定が原告の適正手続に基づく裁判を受ける権利等を侵害するものとはいえず,原告の主張には理由がない。その他の原告の違法主張についても,国家賠償法上の違法になるとはいえない。 ウ原告は,厚生労働大臣がした本件裁決は,本件審査請求を本件新決定に対するものとみなしており,審査会の本件答申と齟齬している上,法的根拠がなく,かかる本件裁決の違法は,本件新決定の違法を基礎付けるものである旨主張する。 しかし,本件裁決の違法が本件新決定の違法を基礎付けるとの原告の主張の趣旨は判然としない。また,そもそも本件答申自体,実質的に本件新決定の内容を基礎として行われていることからすると,本件答申と本件裁決とが齟齬しているとはいえず,また仮に齟齬していたとしても,審査会は諮問機関にとどまるのであるから,本件裁決が違法となるものではない。 さらに,厚生労働大臣において,本件取消決定により本件旧決定の法的効力が失われたことから,本件審査請求を却下することも考えられたものの,既に本件新決定に係る不服申立期間が経過していたことから,原告に不利益が生 労働大臣において,本件取消決定により本件旧決定の法的効力が失われたことから,本件審査請求を却下することも考えられたものの,既に本件新決定に係る不服申立期間が経過していたことから,原告に不利益が生じると考え,不開示部分の開示を求める原告の合理的意思を考慮し,あえて法的効力が存在する本件新決定についての審査請求とみなして本件裁決を行ったものであり,本件裁決は何ら原告の権利を侵害するものではない。よって,本件裁決が違法性を帯びるとは考えられない。 (9) 争点⑨(損害の有無及びその額)について(原告の主張)原告は,本件新決定がされたことにより精神的苦痛を受けており,その慰謝料は90万円を下らない。また,本件訴訟を追行するための弁護士費用は 10万円が相当である。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点①(本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益の有無)について(1) 行政処分の取消訴訟の目的は,処分の法的効果により個人の権利利益が侵害されている場合に,判決により,その法的効果を遡及的に消滅させ,個人の権利利益を回復させることにあるから,当該処分が権限ある行政庁によって全部取り消され,遡及的にその効力が消滅した場合には,取消しを求める対象が消滅しているのであるから,当該処分の取消しを求める訴えの利益は失われるものと解される。 そうすると,本件取消決定により,本件旧決定は取り消され,遡及的にその効力を失ったのであるから,本件旧決定のうち不開示とされた部分の取消しを求める訴えの利益は失われたものというべきである。 (2) 原告は,本件取消決定には重大かつ明白な瑕疵があり,無効であることを理由として,本件旧決定の取消しを求める訴えの利益は失われないなどと主張する。 しかし, 失われたものというべきである。 (2) 原告は,本件取消決定には重大かつ明白な瑕疵があり,無効であることを理由として,本件旧決定の取消しを求める訴えの利益は失われないなどと主張する。 しかし,瑕疵ある行政処分について,行政庁自らがその違法状態を解消するため,当該処分を取り消すことは,法律による行政の原理に合致するものであり,行政庁は職権取消しを行う裁量権を有するものと解される。そして,本件旧決定については,理由付記に係る手続上の瑕疵があったのであるから,これを取り消すべき必要性は明らかであった一方,仮に大阪労働局長がこれを職権で取り消すことなく,判決により本件旧決定が取り消された場合,大阪労働局長は,相当の理由を付記した上で,改めて本件旧決定と同内容の処分をすることが可能であるから,職権取消しがされた場合よりも紛争の解決 に長期間を要し,かえって原告の負担が増すことになる。このような事情に鑑みると,理由付記に瑕疵があることを認めて本件旧決定を職権で取り消すこととした大阪労働局長の判断は,社会通念上著しく不合理であるとはいえず,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとはいえない。また,以上の点に照らせば,本件取消決定が,憲法31条及び32条により保障されるという原告の手続的権利を侵害するものではないことも明らかというべきである(なお,本件は,原告が指摘する最高裁判所及び東京高等裁判所の各判決とは事案を異にする。)。 また,原告は,本件取消決定は行政手続法2条4号の不利益処分に該当するとした上で,意見陳述手続や理由付記を欠いており同法13条及び14条に違反する旨主張する。しかし,本件取消決定は,本件新決定と同一の書面で行われたものであり,実質的に本件新決定と一体のものといえるところ,原告は,本件取消決定と本件新決定 ており同法13条及び14条に違反する旨主張する。しかし,本件取消決定は,本件新決定と同一の書面で行われたものであり,実質的に本件新決定と一体のものといえるところ,原告は,本件取消決定と本件新決定により,本件旧決定において不開示とされていた部分の一部を開示するものとされ,より詳しい理由を付記することとされたのであるから,全体として原告に何ら不利益は生じていない。そうすると,本件取消決定及び本件新決定は不利益処分に該当しないというべきであり,たとい本件取消決定のみであれば不利益処分に該当するとしても,本件取消決定について独自の意見陳述手続や理由付記を行う必要性は乏しく,原告が主張する上記の手続上の瑕疵は,あるとしてもごく軽微なものというべきであって,本件取消決定を無効とするような重大かつ明白なものとはいえない。 したがって,本件取消決定が無効であるとは認められないから,原告の上記主張はその前提を欠くものというべきである。 (3) 以上によれば,本件取消決定により,本件旧決定の不開示部分の取消しを求める訴えの利益は失われたというべきである。 なお,原告は,仮に本件取消決定が許されるとしても,開示請求者が開示 を欲する核心的情報が開示されない限り,不開示決定の取消しを求める訴えの利益は失われないなどと主張するが,独自の見解であって採用することができない。 2 争点②(本件1号不開示部分の不開示情報該当性)について(1) 情報公開法5条1号本文該当性についてア(ア) 本件1号不開示部分は,いずれも,それ自体で特定の個人を識別し得る情報であるか,又は,他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなる情報であると認められる(なお,本件是正報告書の「⑧是正(改善)内容」のうち別表「⑧是正(改善)内 別し得る情報であるか,又は,他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなる情報であると認められる(なお,本件是正報告書の「⑧是正(改善)内容」のうち別表「⑧是正(改善)内容」2記載の部分は,一定範囲の関係者には特定の個人を識別することができる情報であると認められ(甲26),この部分についても,他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなる情報(情報公開法5条1号本文かっこ書)に含まれるというべきである。)。 (イ) もっとも,情報公開法5条は,1号において「個人に関する情報」から「事業を営む個人の当該事業に関する情報」を除外した上で,同条2号において「法人その他の団体(中略)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」と定めて,個人に関する情報と法人等に関する情報とをそれぞれ異なる類型の情報として不開示事由を規定している。これらの規定に照らせば,情報公開法においては,事業を営む個人の当該事業に関する情報のみならず,法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報についても,専ら法人等に関する情報としての不開示事由が規定されているものと解するのが相当である。したがって,事業を営む個人の当該事業に関する情報及び法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は,同条1号の「個人に関する情報」には該当しないというべきである(平成15年判決参照)。そうすると,本件指導監督記録の「㉖受領 者職名・受領者名」と「㉗受領者の印影」のうち事業主又は法人等の代表者のもの及び本件是正報告書等の特定の個人を識別し得る情報のうち事業主又は法人等の代表者が職務として行う行為に関するものについては,「個人に関する情報」には該当せず,同号の不開示情 又は法人等の代表者のもの及び本件是正報告書等の特定の個人を識別し得る情報のうち事業主又は法人等の代表者が職務として行う行為に関するものについては,「個人に関する情報」には該当せず,同号の不開示情報には該当しないというべきである(ただし,後記3のとおり,これらの部分は同条2号イの不開示情報に該当するものと認められる。)。 (ウ) 原告は,情報公開法5条1号の規定は個人のプライバシー情報を不開示情報とするものであり,上記各情報はいずれもプライバシー情報に該当しないなどと主張する。 しかし,情報公開法5条1号の規定は,個人に関する情報のうちプライバシー情報に関わるものを不開示情報とするのではなく,特定の個人を識別することができる情報(個人識別情報)を一律に原則不開示とした上で,公知の情報等個人に関する情報の不開示情報から除かれるべきものを限定列挙しているのであり,原告の主張は同号の規定の文理から離れた独自の解釈であって,採用することができない。 イ以上によれば,本件1号不開示部分のうち,本件指導監督記録「㉖受領者職名・受領者名」と「㉗受領者の印影」のうち事業主又は法人等の代表者のもの及び本件是正報告書等の特定の個人を識別し得る情報のうち事業主又は法人等の代表者が職務として行う行為に関するもの(上記ア(イ))については情報公開法5条1号本文に該当しないが,その余の部分は,いずれも同号本文に該当すると認められる。 (2) 情報公開法5条1号ただし書該当性についてア立証責任について情報公開法5条1号ただし書は,同号本文によって不開示とされる情報から例外的に除外されるものを定めたものであるから,同号ただし書該当性については,開示を求める原告がこれに該当する事実を主張立証する責 任を負うものというべきである。 イ情 とされる情報から例外的に除外されるものを定めたものであるから,同号ただし書該当性については,開示を求める原告がこれに該当する事実を主張立証する責 任を負うものというべきである。 イ情報公開法5条1号ただし書イ該当性について(ア) 情報公開法5条1号ただし書イは,同号本文所定の情報であっても,法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報については,同号所定の不開示情報から除く旨を定めている。ここで,公にされている情報とは,現に公衆が知り得る状態に置かれている情報のことをいい,公にすることが予定されている情報とは,将来公にする予定の下に行政機関において保有されている情報をいうと解するのが相当である。 (イ) 原告は,会社の取締役の氏名は登記事項(会社法911条3項13号及び14号)であるから,本件1号不開示部分のうち当該取締役の氏名は,仮に個人識別情報に該当するとしても,同号ただし書イの「法令の規定…により公にされ…ている情報」に該当すると主張する。 しかし,本件では,指導監督を受けた事業所や事業主の名称は明らかにされていないから,大阪労働局から指導監督を受けた法人等の取締役の氏名等は,法令の規定により公にされている情報には該当しないというべきである。また,本件において,労働者派遣法49の2第3項に基づき,指導監督を受けた事業所の会社名や代表者名が公表されたと認めるに足りる証拠もない。原告の上記主張は採用することができない。 したがって,本件1号不開示情報(ただし,上記(1)ア(イ)の部分を除く。)は,情報公開法5条1号ただし書イに該当するとは認められない。 ウ情報公開法5条1号ただし書ロ該当性について情報公開法5条1号ただし書ロは,同号本文所定の情報であっても,「人の生命 く。)は,情報公開法5条1号ただし書イに該当するとは認められない。 ウ情報公開法5条1号ただし書ロ該当性について情報公開法5条1号ただし書ロは,同号本文所定の情報であっても,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」については,同号所定の不開示情報から除く旨を定めている。そして,同号本文所定の情報が同号ただし書ロに該当するために は,当該情報が不開示とされることによって現に人の生命等への侵害が発生しているか,将来これらが侵害される蓋然性が高く,当該情報を開示することによってこれらの侵害が除去される蓋然性がある場合であって,当該情報を不開示とすることにより害されるおそれのある人の生命等を保護する必要性と,これを開示することにより害されるおそれのあるプライバシー等の個人の利益の保護の必要性とを比較衡量し,前者が後者に優越することが必要であると解するのが相当である。 原告は,本件1号不開示部分を不開示とすることにより維持される事業所の利益よりも,これを開示することにより得られる利益(公表を恐れる事業所が法令を遵守することにより守られる労働者の生命,健康,生活又は財産)の方がはるかに大きいとして,本件1号不開示部分は情報公開法5条1号ただし書ロに該当すると主張する。しかし,本件1号不開示部分のうち,事業主又は代表者の情報である上記(1)ア(イ)の部分を除く部分は,当該事業所の従業員や第三者の情報であって,そのプライバシーを保護する必要性は高いものというべきであるし,他方で,これを開示することによって事業所やその事業主がその信用低下を避けるため法令を遵守するようになるとは必ずしもいえず,また,これが不開示とされていることによって,現実に人の生命等に侵害が発生しているとも,将 示することによって事業所やその事業主がその信用低下を避けるため法令を遵守するようになるとは必ずしもいえず,また,これが不開示とされていることによって,現実に人の生命等に侵害が発生しているとも,将来これらが侵害される蓋然性が高いとも認められない。 したがって,本件1号不開示部分(ただし,上記(1)ア(イ)の部分を除く。)は,情報公開法5条1号ただし書ロに該当するとは認められない。 (3) まとめ以上によれば,本件1号不開示部分のうち,本件指導監督記録「㉖受領者職名・受領者名」と「㉗受領者の印影」のうち事業主又は法人等の代表者のもの及び本件是正報告書等の特定の個人を識別し得る情報のうち事業主又は法人等の代表者が職務として行う行為に関するもの(上記(1)ア(イ))につい ては,情報公開法5条1号の不開示情報には該当しない(ただし,後述のとおり,同条2号イの不開示情報に該当する。)が,その余の部分は,いずれも同条1号の不開示情報に該当すると認められる。 3 争点③(本件2号不開示部分の不開示情報該当性)について(1) 情報公開法5条2号イ該当性ア情報公開法5条2号イは,法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報のうち,「公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」を不開示情報とする旨定めている。そして,これに該当すると認められるためには,単に当該情報が通常他人に知られたくないというだけでは足りず,当該情報が開示されることによって,当該法人等又は当該個人の競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれが客観的に認められることを要するというべきであり,上記おそれは,単なる確率的な可能性では足りず,法的保護に値する蓋然性が必要であると解するのが 該個人の競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれが客観的に認められることを要するというべきであり,上記おそれは,単なる確率的な可能性では足りず,法的保護に値する蓋然性が必要であると解するのが相当である。 イ本件2号不開示部分(なお,本件指導監督記録「㉖受領者職名・受領者名」のうち事業主又は法人等の代表者のもの及び本件是正報告書等の特定の個人を識別し得る情報のうち事業主又は法人等の代表者が職務として行う行為に関するもの(上記2(1)ア(イ))を含む。)は,いずれも,それ自体で指導官による指導監督の対象となった事業所を特定する情報であるか,又は,他の情報と照合することにより上記事業所を特定することができることとなる情報であると認められる。 したがって,本件2号不開示部分が開示されれば,指導官から法違反等があると判断され,指導監督を受けた事業所が特定されるところ,指導官から指導監督を受けたことが明らかになれば,当該事業所が労働基準関係法令を遵守せず,あるいはこれを軽視していると評価され,当該事業所及びその事業主の社会的信用が低下し,ひいては,取引関係や人材確保等の 面において,競争上の地位その他正当な利益が害される蓋然性が高いというべきである。 そして,本件指導監督記録に記載された法違反等の事実は,行政指導の過程で指導官が暫定的に判断したものにとどまり,関係法令上,行政指導の段階においては,事業所に対し,任意の是正又は改善が求められるにすぎず,その事実や内容を一般に公表する旨の規定は見当たらない。そうすると,本件2号不開示部分が開示されることにより社会的信用の低下等を被らないという事業所及びその事業主の利益は,なお法的保護に値する「正当な利益」に当たるというべきである。 ウ原告は,法違反等に関する情報が開示され, 分が開示されることにより社会的信用の低下等を被らないという事業所及びその事業主の利益は,なお法的保護に値する「正当な利益」に当たるというべきである。 ウ原告は,法違反等に関する情報が開示され,事業主の信用等が低下するとしても,当該事業所は労働環境の改善を図る必要があり,その名称等が公開されることによりはじめて指導監督の実効性が得られるとして,事業主は上記不利益を甘受すべきであるなどと主張する。しかし,労働者派遣法48条1項や職業安定法48条の2が規定する指導監督の性質に照らせば,指導官の暫定的な判断に基づく指導監督の段階において,事業主に対し,上記不利益を甘受させるべきとはいえず,また労働環境の改善は,上記各法律により定められている指導監督,勧告,公表といった手続やその他の関係法令の定めに従って行われるべきものであるから,原告の主張は採用することができない。 エしたがって,本件2号不開示部分は,情報公開法5条2号イに該当すると認められる。 (2) 情報公開法5条2号ただし書該当性についてア情報公開法5条2号ただし書は,当該情報が同号本文に該当する場合であっても,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」については,同号所定の不開示情報から除く旨を定めている。そして,同号本文所定の情報がこれに該当するた めには,当該情報が不開示とされることによって現に人の生命等への侵害が発生しているか,将来これらが侵害される蓋然性が高く,当該情報を開示することによってこれらの侵害が除去される蓋然性がある場合であって,当該情報を不開示とすることにより害されるおそれのある人の生命等を保護する必要性と,これを開示することにより害されるおそれのある社会的信用等の法人等の利益の保護の必要性と 蓋然性がある場合であって,当該情報を不開示とすることにより害されるおそれのある人の生命等を保護する必要性と,これを開示することにより害されるおそれのある社会的信用等の法人等の利益の保護の必要性とを比較衡量し,前者が後者に優越することが必要であると解するのが相当である。 イ原告は,派遣労働は過酷な就労形態である一方,派遣労働者の労働組合は組織化されておらず,派遣労働者は労働条件に関する情報を入手する機会に乏しいなどとして,派遣労働者の生命等を保護するため,本件2号不開示部分を開示すべきである旨主張する。 しかし,証拠(甲30~33)によっても,一般的に,派遣労働が過酷な就労形態であるとか,派遣労働者が労働条件に関する情報を入手する機会に乏しいとは認められない。また,指導官により法違反等を指摘され行政指導を受けた事業所が,その行政指導に従わない場合には,労働者派遣法等の定めに従って,改善命令等の段階的手続を踏み,最終的には罰則を受けることになるのであって,当該事業所が行政処分や刑事処分を受けていない以上,法違反等はその前段階において是正又は改善されていることが推認されるのであって,本件2号不開示部分が不開示とされたことにより,現に派遣労働者の生命等に侵害が発生しているとか,将来これらが侵害される蓋然性が高いとは認められない。また,これらの利益の保護は,労働者派遣法等で定められた指導監督,勧告,公表の手続等によって図られることが予定されているというべきであって,本件2号不開示部分の開示がされなければこれらの利益を保護し得ないものでもない。 したがって,本件2号不開示部分は,情報公開法5条2号ただし書に該当するとは認められない。 (3) まとめ以上によれば,本件2号不開示部分は,いずれも情報公開法5条2号イの不 したがって,本件2号不開示部分は,情報公開法5条2号ただし書に該当するとは認められない。 (3) まとめ以上によれば,本件2号不開示部分は,いずれも情報公開法5条2号イの不開示情報に該当すると認められる。 4 争点④(本件6号不開示部分の不開示情報該当性)について(1) 情報公開法5条6号イ該当性について情報公開法5条6号は,国の機関等が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示情報としているところ,同号の不開示情報に該当するというためには,開示により得られる利益と開示により損なわれる利益を比較衡量した上で,開示した場合に当該事務又は事業の適正な遂行に支障が生じるおそれが,なお看過し得ない程度のものであり,かつ,それが,単なる確率的な可能性ではなく,法的保護に値する蓋然性があることを要するというべきである。 そして,同号イは,上記のおそれの例示として,「監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ」を掲げるところ,本件各文書は,労働者派遣法48条1項及び職業安定法48条の2に基づく指導監督において作成又は取得された文書であり(前記前提事実(3)),本件各文書に記載された情報は,指導官が行う監督事務に関する情報である。したがって,本件6号不開示部分は,情報公開法5条6号本文の「国の機関…が行う事務」のうち,同号イの「監査,検査,取締り…に係る事務」に関する情報に該当するというべきである。 以上を踏まえ,本件6号不開示部分の同号イ該当性につき,個別に検討する。 文の「国の機関…が行う事務」のうち,同号イの「監査,検査,取締り…に係る事務」に関する情報に該当するというべきである。 以上を踏まえ,本件6号不開示部分の同号イ該当性につき,個別に検討する。 (2) 個別の検討ア本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑱事業所の名称」の うち事業主の氏名又は名称と同一の記載並びに別表「⑱事業所名称」1及び2記載の部分,「⑲事業所の所在地」,本件是正報告書の「①事業所名」のうち事業主の氏名又は名称と同一の記載部分,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」のうち事業所名,事業所の所在地,事業主以外の法人等の名称(その部署,支社,支店,営業所,工場,倉庫等の個別の名称を含む。)並びに別表「⑧是正(改善)内容」3から5まで記載の部分については,いずれも,指導官による指導監督の対象となった事業所又はその事業主を特定することができる情報が記載されていると認められる(弁論の全趣旨)。 しかるところ,これらの部分が開示された場合には,既に開示されている内容と併せて事業所の法違反等の事実が明らかになり,今後,事業所又はその事業主が関係資料の提出等の情報提供への協力をちゅうちょするおそれや,法違反の隠蔽を行うなどのおそれがあるというべきである。しかも,厚生労働大臣は,労働者派遣法49条の2により,労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し,是正指導を行ってもなお違反するおそれがある場合には,同条所定の勧告や公表を行うことができるところ,指導を行った段階で特定の事業所に係る法違反等の事実が明らかにされることになれば,上記の勧告及び公表の威嚇的効果が薄れ,任意の是正又は改善が行われなくなるおそれもあるというべきである。 そうする 指導を行った段階で特定の事業所に係る法違反等の事実が明らかにされることになれば,上記の勧告及び公表の威嚇的効果が薄れ,任意の是正又は改善が行われなくなるおそれもあるというべきである。 そうすると,上記の部分を開示すると,指導監督事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれがある。 イ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑦指導監督の区分」には,定期,臨検又は申告のいずれによる指導であるかが記載されていると認められる(弁論の全趣旨)。そして,当該情報が開示されれば,労働者の申告を端緒とした事案(申告事案)においては,指導監督を受けた事業 所の労働者が申告を行ったことが明らかになり,申告者の探索が行われるおそれがあるし,申告事案の場合のみ不開示とした場合,不開示とされた事案が申告事案であることが明らかになるため,上記と同様のおそれがある。そうすると,労働者は,申告者であることが判明して不利益な取扱いを受けることを恐れ,申告をちゅうちょすることになりかねず,その結果,労働局に対する労働者の申告という重要な情報源が損なわれるおそれがあり,このおそれは,申告者が公益通報者保護法等により保護される可能性があるからといって,払拭されるものではないというべきである。 そうすると,上記の部分を開示すると,指導監督事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれがある。 ウ本件6号不開示部分のうち,本件指導監督記録の「⑧指導形態」には,指導監督の対象となった事業所に対する指導の手段(訪問又は呼出)が記載されていると認められる(弁論の全趣旨)。そして,訪問による事案は比較的重大な事案が,呼出による事案は比較的軽微な事案がそれぞれ対象となることが多いと解され に対する指導の手段(訪問又は呼出)が記載されていると認められる(弁論の全趣旨)。そして,訪問による事案は比較的重大な事案が,呼出による事案は比較的軽微な事案がそれぞれ対象となることが多いと解されるところ,本件指導監督記録の「⑥法条項」や「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及び措置の内容(乙記録)」のうち違反の態様等は既に開示されていることから,本件指導監督記録の「⑧指導形態」を開示することにより指導の手段が明らかになれば,どのような事案が重大な事案とされ,あるいは軽微な事案とされるかが明らかになり,軽微な法違反を助長し,あるいは重大な法違反の隠蔽を招くおそれがある。 そうすると,上記の部分を開示すると,指導監督事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれがある。 エ(ア) 本件6号不開示部分のうち,本件添付資料(ただし,別表記載の開示部分を除く。)は,事業主が大阪労働局の指導に対する是正事項を大阪 労働局に報告する際に,本件是正報告書に添付する書類群であり,その書面の種類及び内容は多岐にわたるが,概ね以下のような書面があるものと認められる(弁論の全趣旨)。 a 契約に係る書面派遣元事業主と派遣先事業主又は派遣労働者との契約に関する書面(例えば,労働者派遣契約書,雇用契約書,業務委託契約書等がある。)であり,派遣先及び派遣元の事業所名及び責任者の氏名,派遣される労働者の氏名,派遣労働者が行う業務内容や勤務時間,支払われる賃金の額,就業場所等の記載がある。 b 条件の通知等に係る書面労働者派遣法34条又は35条に基づき派遣元事業主から派遣労働者又は派遣先事業主に派遣就業条件を明示あるいは通知する書面,職業安定法5条の3 就業場所等の記載がある。 b 条件の通知等に係る書面労働者派遣法34条又は35条に基づき派遣元事業主から派遣労働者又は派遣先事業主に派遣就業条件を明示あるいは通知する書面,職業安定法5条の3により職業紹介事業者等が労働者等に対して労働条件を明示する書面(例えば,就業条件明示書,派遣先通知書,紹介票等がある。)であり,派遣労働者の氏名,派遣就業場所と就業時間,就業日,契約期間,賃金額といった労働契約の内容,社会保険の加入状況等が記載されている。 c 事業運営に係る台帳労働者派遣法37条又は42条に基づき,派遣元事業主や派遣先事業主が,派遣労働者ごとの業務内容,就業時間,派遣先又は派遣元の責任者,派遣労働者の社会保険加入状況等の労働条件を記録した台帳,あるいは,職業安定法32条の15に基づき,求職者及び求人事業者の氏名,住所,希望職種等を記載した帳簿書類(例えば,派遣元管理台帳,派遣先管理台帳,求人求職管理簿,求人求職手数料管理簿等がある。)である。 d 行政機関に対する届出書等の書面 労働者派遣事業や職業紹介事業を行っている事業主が提出する事業の変更や許可に係る申請・届出に関する書面(例えば,一般労働者派遣事業変更届出書及び許可証書換申請書,一般労働者派遣事業廃止届出書等がある。)であり,事業者の氏名や名称,所在地,事業変更に係る事項,許可に係る事業内容等といった事業主の事業運営の状況に関する事項が記載された書面である。 e 被告からの要請により事業主が契約先等の状況をとりまとめた書面派遣元事業主が派遣先事業主の名称,所在地,派遣業務内容等を記載し,一覧表にした書面(例えば,派遣先リスト,派遣元リスト,労働者派遣契約事業所内容一覧等がある。)である。 f その他事業主が是正したことを示すために添付した書面 称,所在地,派遣業務内容等を記載し,一覧表にした書面(例えば,派遣先リスト,派遣元リスト,労働者派遣契約事業所内容一覧等がある。)である。 f その他事業主が是正したことを示すために添付した書面等本件是正報告書の内容を補足するために,事業主からの報告内容が記載された書面やその他是正に関して事業主が作成した書面(例えば,申立書,顛末書,議事録等がある。)であり,事業主の名称や事業状況の詳細等が記載されている。 (イ) 本件添付資料は,指導監督の対象とされた事業所の事業主が,一般に公開されないことを前提に,大阪労働局との信頼関係に基づいて任意に提出したものであり,本件添付資料の不開示部分には,上記(ア)のとおり,従業員等の特定の個人を識別することができる情報や,事業所又はその事業主を特定することができる情報が多く含まれるものといえる。そうすると,本件添付資料の不開示部分が開示された場合には,上記アと同様に,今後,事業所又はその事業主が関係資料の提出等の情報提供への協力をちゅうちょするおそれや,法違反の隠蔽を行うなどのおそれがあるというべきである。 オ以上のとおり,本件6号不開示部分を開示すると,都道府県労働局の指導監督事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しく は不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれがあるというべきであり,そのおそれは,これを開示する公益的な必要性等を考慮しても,なお看過し得ない程度のものであり,かつ,単なる確率的な可能性にとどまらず,法的保護に値する蓋然性があると認められる。 これに対し,原告は,本件6号不開示部分を開示した場合に想定される上記のようなおそれは,いずれも抽象的なものにすぎないと主張するが,本件各文書に含まれる情報の性質,内容等 と認められる。 これに対し,原告は,本件6号不開示部分を開示した場合に想定される上記のようなおそれは,いずれも抽象的なものにすぎないと主張するが,本件各文書に含まれる情報の性質,内容等に加え,現在のネット社会における風評被害の深刻さ等も考慮すると,本件6号不開示部分が開示されることにより事業主等が過度に防衛的,非協力的になるなどといった事態は十分に想定されることであって,そのおそれは抽象的なものにすぎないとはいえないというべきである。原告の主張は採用することができない。 (3) まとめ以上によれば,本件6号不開示部分は,いずれも情報公開法5条6号イの不開示情報に該当すると認められる。 5 争点⑤(理由付記に係る行政手続法8条違反の有無)について(1) 理由付記の不備の有無ア行政庁は,申請等により求められた許認可等を拒否する処分を書面でするときは,申請者に対し,同時に,当該処分の理由を書面により示さなければならない(行政手続法8条)。これは,行政庁の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制するとともに,拒否処分の理由を申請者に知らせることによってその不服申立てに便宜を与える趣旨に出たものである。 このような理由付記制度の趣旨に鑑みれば,情報公開法5条所定の不開示情報が記録されているとして行政文書の全部又は一部を不開示とする決定の通知書に付記すべき理由は,開示請求者において,当該行政文書の種類,性質等とあいまって,同条各号所定の不開示情報のどれに該当するのかをその根拠とともに了知し得るものでなければならないというべきである (最高裁判所平成4年12月10日第一小法廷判決・集民166号773頁参照)。 イ本件新決定で不開示とされた部分の理由は,別紙2のとおり,本件通知書の別紙に記載 らないというべきである (最高裁判所平成4年12月10日第一小法廷判決・集民166号773頁参照)。 イ本件新決定で不開示とされた部分の理由は,別紙2のとおり,本件通知書の別紙に記載されているところ,これには,本件各文書のうち不開示とされた項目が表形式で記載され,その項目ごとに,情報公開法5条1号,2号イ及び6号イのいずれに該当するかが「○」の有無により分かるように記載されている。したがって,本件通知書の別紙をみれば,開示請求者である原告をして,本件各文書のどの項目が,同条各号所定の不開示情報のどれに該当するのかを了知することができるものと認められる。 ウ本件新決定において,情報公開法5条1号の不開示情報に該当するとして不開示とされた項目は,本件指導監督記録の「㉖受領者職名・受領者名」及び「㉗受領者の印影」並びに本件添付資料である。そして,本件通知書別紙「※2」には,「法第5条第1号個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名等により特定の個人を識別できる情報が記載されているため。」との記載があることから,上記の不開示部分については,特定の個人を識別することができる情報(個人識別情報)が含まれていることにより不開示とされたことが明らかであって,同号の不開示情報に該当するとされた根拠を容易に了知することができると認められる。 エ本件新決定において,情報公開法5条2号イの不開示情報に該当するとして不開示とされた項目は,本件指導監督記録の「⑪許可番号又は届出受理番号」,「⑫許可年月日又は届出受理年月日」,「⑬事業主の氏名又は名称」,「⑭事業主の住所」,「⑯雇用保険適用事業所番号」,「⑰労働保険番号」,「⑱事業所の名称」,「⑲事業所の所在地」,「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及 氏名又は名称」,「⑭事業主の住所」,「⑯雇用保険適用事業所番号」,「⑰労働保険番号」,「⑱事業所の名称」,「⑲事業所の所在地」,「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及び措置の内容(乙記録)」,本件是正報告書の「①事業所名」,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」,本件添付資料である。 そして,本件通知書別紙「※3」には,「法第5条第2号イ法人に関する情報であって,公にすることにより,当該法人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報が記載されているため。」との記載がある。そうすると,上記の不開示部分については,その項目の内容から,事業所又はその事業主を特定することができる情報や,事業所が指導官から指摘を受けた違反事項及び是正内容についての情報が含まれていることが推知されるところ,本件指導監督記録は,法違反等が認められた事業所に対する指導監督のため指導官が作成した文書であり,本件是正報告書等はその指導監督を受けた事業所がその是正(改善)状況を報告するため作成した文書であること(前提事実(3))も考慮すると,上記の不開示部分については,特定の事業所が法違反等を指摘されて指導監督を受けたという当該事業所やその事業主の社会的信用を低下させる情報が含まれていることにより不開示とされたものと理解することができ,同号イの不開示情報に該当するとされた根拠を了知することができると認められる。 オ本件新決定において,情報公開法5条6号イの不開示情報に該当するとして不開示とされた項目は,本件指導監督記録の「⑦指導監督の区分」,「⑧指導形態」,「⑱事業所の名称」,「⑲事業所の所在地」,「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又 の不開示情報に該当するとして不開示とされた項目は,本件指導監督記録の「⑦指導監督の区分」,「⑧指導形態」,「⑱事業所の名称」,「⑲事業所の所在地」,「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及び措置の内容(乙記録)」,本件是正報告書の「①事業所名」,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「⑥法条項」,「⑦是正(改善)年月日」,「⑧是正(改善)内容」,本件添付資料である。そして,本件通知書別紙「※4」には,「法第5条第6号イ職業安定行政機関が行う事務に関する情報であって,公にすることにより,当該事務の性質上,当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものが記載されているため。」との記載がある。そうすると,上記の不開示部分については,その項目の内容から,事業所又はその事業主を特定することができる情報や事業所が指導官から指摘を受けた違 反事項及び是正内容についての情報のほか,指導官による違反事実に対する指導監督の契機や手法が含まれていることが推知されるところ,上記エで述べた本件各文書の性質等(前提事実(3))も考慮すると,上記の不開示部分については,関係者からの任意の協力を得にくくなるとか,法違反の隠蔽行為を招くなどといった指導監督に係る適正な事務の遂行に支障を及ぼすおそれのある情報が含まれていることにより不開示とされたものと理解することができ,同号イの不開示情報に該当するとされた根拠を了知することができると認められる。 カ原告は,本件添付資料については,ただ単に不開示情報の根拠規定を示すのみであり,いかなる添付資料のいかなる記載が,いかなる事実関係に基づきいかなる合理的理由に基づいて不開示とされたのか,了知することができないと主張する。 しかし,情報公開法5条1号及び2号イの各不 みであり,いかなる添付資料のいかなる記載が,いかなる事実関係に基づきいかなる合理的理由に基づいて不開示とされたのか,了知することができないと主張する。 しかし,情報公開法5条1号及び2号イの各不開示情報該当性については,上記ウ及びエで説示したとおり,特定の個人や事業所等を特定し得る情報が含まれていることにより不開示とされたものと容易に理解することができる。また,同条6号イの不開示情報についても,本件添付書類は,前述のとおり,指導監督を受けた事業所が法違反等の是正(改善)状況を報告するため作成し,本件是正報告書に任意に添付した文書であるという当該文書の性質も考慮すると,上記オで説示したとおり,今後の指導監督事務の適正な遂行に支障が生ずるおそれのある情報が含まれていることにより不開示とされたものと理解することは十分可能というべきである。原告の上記主張は採用することができない。 キ以上のとおり,本件新決定の理由付記(別紙2)は,開示請求者である原告において,情報公開法5条各号所定の不開示情報のどれに該当するのかをその根拠とともに了知し得るものといえ,行政手続法8条に違反するものではない。そして,このことは,本件開示実施通知の際の理由付記に ついても同様である。 (2) 理由の追加の可否原告は,本件新決定から2年以上が経過してされた本件開示実施通知において,大阪労働局長が本件新決定では示されていなかった理由を一部追加したことが,行政手続法8条の趣旨に反し,本件新決定の違法性を基礎付けるなどと主張する。 しかし,前述のとおり,情報公開法に基づく不開示決定に理由付記が求められる趣旨は,行政庁の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制するとともに,拒否処分の理由を申請者に知らせることによってその不服申立てに便宜を り,情報公開法に基づく不開示決定に理由付記が求められる趣旨は,行政庁の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制するとともに,拒否処分の理由を申請者に知らせることによってその不服申立てに便宜を与えるためであると解される(行政手続法8条)。そして,このような目的は,不開示の理由を具体的に記載して通知させること自体をもってひとまず実現されるところ,情報公開法9条や行政手続法8条の規定をみても,ひとたび不開示決定の通知書に理由を付記した以上,行政庁が当該理由以外の理由を不開示決定の取消訴訟において主張することを許さないものとする趣旨をも含むと解すべき根拠はなく,したがって,不開示決定の際に付記された理由以外の理由を上記取消訴訟において主張することは許されるというべきである(最高裁判所平成11年11月19日第二小法廷判決・民集53巻8号1862頁参照)。そして,以上の理は,不開示決定を一部変更する際に理由を追加する場面においても,異なるものではないと解するのが相当である。 本件においては,上記(1)のとおり,本件新決定の際の理由付記に瑕疵はなく,本件開示実施通知により理由が追加されたとしても,そのことをもって本件新決定が行政手続法8条又はその趣旨に反し違法であるとされるものではないというべきである。原告の主張は採用することができない。 6 争点⑥(部分開示に係る情報公開法6条違反の有無)について原告は,本件添付資料が表題部分の一部を除き全て不開示とされたことにつ き,不開示部分とその余の部分を区分することなく本件添付資料全体を不開示とすることは,部分開示義務を定めた情報公開法6条1項に違反すると主張する。 しかし,前述のとおり,本件添付資料は,指導監督の対象とされた事業所が大阪労働局との信頼関係に基づいて任意に提供した書 とすることは,部分開示義務を定めた情報公開法6条1項に違反すると主張する。 しかし,前述のとおり,本件添付資料は,指導監督の対象とされた事業所が大阪労働局との信頼関係に基づいて任意に提供した書面であり,当該事業所又はその事業主の事業の実態を明らかにする情報が記載されていると認められることからすると,本件添付資料が開示されることとなれば,事業所又はその事業主が関係資料の任意の提出をちゅうちょするおそれがあるのであって,そのおそれは,本件添付資料の一部(事業所名等)を不開示とすることによって必ずしも払拭されるとはいえず,大阪労働局長においてその選別を的確に行うことも事実上困難である。したがって,表題の一部を除く本件添付資料の全部が情報公開法5条6号イに該当するというべきであって,本件新決定は同法6条1項に違反しない。 7 争点⑦(本件取消決定の無効に基づく本件新決定の違法性)について上記1のとおり,本件取消決定は適法かつ有効であるから,同処分の無効が本件新決定の違法事由となる旨の原告の主張は,その前提を欠くものというべきであり,採用することができない。 8 争点⑧(本件新決定の国家賠償法上の違法性)について(1) 上記2から5までによれば,本件新決定は適法であると認められるから,本件新決定の国家賠償法上の違法性は認められない。なお,本件新決定で不開示とされた部分には,後に本件裁決による一部変更で開示された部分があるが,上記部分は文書の一部や事業所からの是正報告の内容に関する情報が記載された部分であって(乙15~17),その内容に照らしても,これらの部分を不開示情報に該当すると判断したことにも相応の理由があるというべきで,上記部分を不開示とした本件新決定に国家賠償法上の違法性を認めることはできない。 (2 容に照らしても,これらの部分を不開示情報に該当すると判断したことにも相応の理由があるというべきで,上記部分を不開示とした本件新決定に国家賠償法上の違法性を認めることはできない。 (2) 原告は,本件新決定は原告の知る権利(憲法21条),適正手続に基づく救済を受ける権利(憲法31条),適正手続に基づく裁判を受ける権利(憲法31条,32条)を侵害するなどと主張するが,本件新決定は,前述のとおり,本件旧決定に理由付記の瑕疵があったため大阪労働局長がこれを職権で取り消し,その上で,改めて本件開示請求に対する応答を行ったものにすぎず,本件新決定に至る経緯等を踏まえても,原告の主張する上記憲法上の権利を侵害するものとは認められない。 (3) また,原告は,本件裁決の違法が本件新決定の国家賠償法上の違法性を基礎付ける旨主張するが,本件新決定の後に行われた本件裁決により本件新決定が遡って違法となる根拠は見当たらず,原告の主張は失当である。また,本件裁決は,本件旧決定は既に取り消されているとして原告の審査請求を却下することも理論上可能であったところ,そのような判断をした場合に生じる原告の不利益を考慮して,原告の審査請求を本件新決定に対するものとみなしてされたものであり,本件裁決は何ら原告の権利利益を侵害するものではなく,国家賠償法上の違法性も認められない。 9 結論(1) 上記1のとおり,甲事件に係る訴えのうち,本件旧決定の取消しを求める部分については,訴えの利益を欠く不適法なものとして却下すべきである。 甲事件に係る訴えのうち,行政文書の開示決定の義務付けを求める部分については,行政事件訴訟法3条6項2号のいわゆる申請型の義務付けの訴えであるから,同法37条の3第3項2号により,本件旧決定に係る適法な取消訴訟等と併合提起す 文書の開示決定の義務付けを求める部分については,行政事件訴訟法3条6項2号のいわゆる申請型の義務付けの訴えであるから,同法37条の3第3項2号により,本件旧決定に係る適法な取消訴訟等と併合提起することを要する。しかるところ,上記のとおり,本件旧決定に係る取消訴訟は不適法なものとして却下すべきであるから,上記義務付けを求める部分についても,上記併合提起要件を欠く不適法なものとして却下すべきである。 (2) 乙事件については,上記2から8までのとおり,本件新決定は適法である と認められ,国家賠償法上違法であるとは認められないから,本件新決定の取消請求及び国家賠償請求はいずれも理由がない。 乙事件に係る訴えのうち,行政文書の開示決定の義務付けを求める部分については,行政事件訴訟法3条6項2号のいわゆる申請型の義務付けの訴えであるから,同法37条の3第1項2号により,本件新決定が取り消されるべきものであり又は無効若しくは不存在であることを要するところ,上記のとおり,本件新決定は適法であるから,上記義務付けを求める部分は,同号の要件を欠く不適法なものとして却下すべきである。 (3) よって,甲事件に係る訴え及び乙事件に係る訴えのうち行政文書の開示決定の義務付けを求める部分はいずれも不適法であるからこれを却下し,原告のその余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官山田 明 裁判官徳地 淳 裁判官石川舞子(別紙2及び3省略) 別紙1本件旧決定の内容 1 本件指導監督記録について(1) 情 徳地 淳 裁判官石川舞子(別紙2及び3省略) 別紙1本件旧決定の内容 1 本件指導監督記録について(1) 情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分「㉖受領者職名・受領者名」,「㉗受領者の印影」(2) 情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「⑪許可番号又は届出受理番号」,「⑫許可年月日又は届出受理年月日」,「⑬事業主の氏名又は名称」,「⑭事業主の住所」,「⑯雇用保険適用事業所番号」,「⑰労働保険番号」,「⑱事業所の名称」,「⑲事業所の所在地」,「㉒違反事項及び是正のための措置(甲記録)又は措置の必要性及び措置の内容(乙記録)」のうち事業者の名称等,「㉕受領年月日」(3) 情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「⑦指導監督の区分」,「⑧指導形態」,「⑱事業所の名称」,「⑲事業所の所在地」,労働者派遣事業関係指導監督記録(甲)整理番号23-2-92,23-2-113,23-2-138,23-2-139,23-2-165,23-2-236,23-2-310及び23-2-436の「㉒違反事項及び是正のための措置」 2 本件是正報告書等について(1) 本件是正報告書ア情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「①事業所名」,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑧是正(改善)内容」,「⑨受付印」,「⑩作成年月日」イ情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「①事業所名」,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑤指導年月日」,「⑥法条 イ情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分「①事業所名」,「②代表者名(役職名を含む。)」,「③事業所の所在地」,「④事業主(所)の印影」,「⑤指導年月日」,「⑥法条項」,「⑦是正(改善)年月日」,「⑧是正(改善)内容」,「⑨受付印」,「⑩作成年月日」 (2) 本件添付資料ア情報公開法5条1号所定の不開示情報に該当するとされた部分特定の個人の氏名及び印影イ情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分事業所を特定することになる情報ウ情報公開法5条6号イ所定の不開示情報に該当するとされた部分全て

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