昭和22(わ)233 窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和23年5月22日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告はいずれもこれを棄却する。          理    由  本件上告の趣意は末尾に添附してある弁護人高橋義次同保坂治喜作成名義上告趣 旨書と題する書面記載の通りである

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判決文本文1,211 文字)

主文 本件上告はいずれもこれを棄却する。 理由 本件上告の趣意は末尾に添附してある弁護人高橋義次同保坂治喜作成名義上告趣旨書と題する書面記載の通りである。これに対し当裁判所は次の通り判断する。 第二点刑法第五條の法意は同一事件について外国も裁判権を有し又我国も裁判権を有する場合に於いて外国が同一行爲について已に確定裁判をして居ても外国の裁判は我国に於て既判力を認められて居ないから更に同一行爲について裁判をし処罰するを妨げないと謂うのであるから同條が適用せられるには同一事件について外国も裁判権を有し又我国も裁判権を有すると言うことが前提條件である。 次に刑法第五十五條所定の連続犯なるものは本来の一罪ではなく取扱上の一罪である。即本來は数罪であるが被告人の利益の爲に裁判上一罪として取扱ひ処断するものである。従つて連続犯を構成する個々の罪が同一裁判権に服し裁判上一罪として取扱い得ることが前提條件である。 <要旨第一>仮令連続したる数個の同一罪名に触れる行爲であつても一部が外国の裁判に服し他の一部が我国の裁判に服す</要旨第一>ると言う様な場合は全部を一罪として取扱うことができない筋合であるからして両者間には連続犯の関係は認められないのである。して見ると一部について外国の確定裁判があつても他の部分について我国が裁判をする<要旨第二>場合に同一事件について裁判をすると言うことができないから刑法第五條の適用はない訳である。従つて犯人</要旨第二>が右外国の裁判の執行を受けても我国が他の部分について裁判をする場合に刑の執行を減軽したり又は免除したりすることはあり得ないのである。 而して本件に於ける事実関係は論旨第一点に対する判断に於て説示した様に被告人等が犯意を継続して犯した数個の窃盗行爲の内一部がA 合に刑の執行を減軽したり又は免除したりすることはあり得ないのである。 而して本件に於ける事実関係は論旨第一点に対する判断に於て説示した様に被告人等が犯意を継続して犯した数個の窃盗行爲の内一部がAクラブの確定の軍事裁判を受けその刑の一部の執行を終つたものであるが、軍事占領下の我国の裁判権は特に留保せられざる限り我国の裁判所に任されて居るところ西暦千九百四十六年二月十九日指令第七五六号昭和二十一年六月十一日勅令第三百十一号第一條第四号によつて連合国占領軍その將兵又は連合国占領軍に附属し若しくは随伴する者の財産を不法に所持し取得し受領し又は処分する行為は軍事占領裁判所の裁判権に服し我国の裁判権はこれに及ばないことになつて居るから前段に色々説明した理由によつて右Aクラブの確定裁判は本件の場合に刑法第五條の外国の確定裁判の当らないものと言うべきである。同條の適用あることを前提として原判決を種々論難する論旨は的がはづれて居る、採用する訳にはゆかぬ。 (裁判長判事吉田常次郎判事保持道信判事細谷啓次郎)

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