昭和30(あ)2212 爆発物取締罰則違反

裁判年月日・裁判所
昭和34年12月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を福岡高等裁判所に差戻す。          理    由  検察官小保方佐市の上告趣意は末尾添付のとおりである。  職権を以つて調査するに、

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判決文本文1,933 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を福岡高等裁判所に差戻す。 理由 検察官小保方佐市の上告趣意は末尾添付のとおりである。 職権を以つて調査するに、原判決は、いわゆるラムネ弾は爆発可能の分量である一五瓦以上のカーバイトの投入されたラムネ瓶に、十分な水量を注入した後、その球栓が栓座に接着して密栓された瞬間において、理化学上の意義における爆発物となると解するのが相当であり、球栓が栓座に接着せず瓶が密桂とならない限りは、いまだ右の意義における爆発物とはいい得ない、と判示し、これを前提として、「本件ラムネ弾は、ラムネ瓶内のカーバイトの分量は一七・三瓦乃至二〇瓦で一応爆発すべき分量であつたが、そのラムネ瓶は中央部辺で壊われて上部と底部の二個の破片となり、その瓶の破損状況、パツキンの附著状況からみて、パツキンの不完全なため球栓が栓座に接着せず完全な密閉がなされていないため、水の注入により発生したアセチレンガスは、瓶中から外部に飛散して爆発現象を惹起していないことが明らかであるから」、本件ラムネ弾はいまだ理化学上の意義における爆発物ですらなく、ひいて爆発物取締罰則にいわゆる爆発物にも該当しない、と認定、判示している。 しかし、原判決のいう理化学上の意義における爆発物の意味は兎も角として、いわゆるラムネ弾が右罰則にいう爆発物に当るとするためには、いまだ水が注入されておらずカ―バイトだけをラムネ瓶に入れただけで足りることは、既に当裁判所判例(昭和三三年(あ)第一八三七号、同三四年六月四日第一小法廷判決、刑集一三巻六号八八四頁以下参照)の示すところである。従つて原判決は、この点に関し右と異なる法律見解に立脚するものであることが明らかであつて、前記罰則にいわゆ- 1 -る爆発物の意義について、その解釈適用 巻六号八八四頁以下参照)の示すところである。従つて原判決は、この点に関し右と異なる法律見解に立脚するものであることが明らかであつて、前記罰則にいわゆ- 1 -る爆発物の意義について、その解釈適用を誤つた違法があるといわねばならない。 また、原判決の前記判示は、本件ラムネ弾のパツキンの不完全が被告人がこれを投てきする以前から既に存在していたとの認定を前提としているのみならず、原判決は前記のように、本件ラムネ弾の不爆発の原因は、専ら右パツキンの不完全なため球栓が栓座に接着せずそのため瓶の密閉がなされなかつたことにあると認定し、これらの点の証拠として、鑑定人Aの鑑定書と警察技官Bの物品検査報告書の各記載を掲記しているけれども、右鑑定書中には「ラムネ瓶は写真第一図の如く稍中央にて破砕され、瓶の内部に汚白色の粉末が附着し、又瓶の頸部のラムネ玉にも同様に汚白色の粉末が附着している。又ゴムパツキンは玉の密着に不良なる位置にあり、一部が瓶頭部にはみ出している。……本件ラムネ瓶はセロフアン紙の汚白色粉末も瓶中に入つていたカーバイトに基くものとしては爆発すべき分量なるも、その瓶の破損状況からしてパツキンの不完全に依るものか否かは不明なるも、完全な密閉がなされずアセチレンは瓶中より飛散し不発に終つたものと思考する。もし爆発せるものなれば実験五及六に於けるが如く破片は多数を生じ且つ飛散するものなればなり。」と記載され、また右物品検査報告書中には「本ラムネ瓶の口にはめてあるゴム輪が一部外れているが、本瓶を投入する時より外れていたとすれば瓦斯は洩れて爆発しない。その場合は投てきによる破損であろう。」と記載されているだけであつて、これらの記載のみによつては、本件パツキンの不全が被告人がこれを投てきする以前から既に存在していた事実及び本件ラムネ弾の不爆発の原因が、専 は投てきによる破損であろう。」と記載されているだけであつて、これらの記載のみによつては、本件パツキンの不全が被告人がこれを投てきする以前から既に存在していた事実及び本件ラムネ弾の不爆発の原因が、専ら、右パツキンの完全なため球栓が栓座に接着せずそのため瓶の密閉がなされなかつたことにあるとの事実を認定することは到底困難であ、原判決は、この点においても証拠によらないで事実を認定した違法があるか理由不備の違法があると断ぜざるを得ない。 従つて、検察官の上告趣意に対し判断を示すまでもなく原判決の右の違法はこれ- 2 -を破棄しなければ著しく正義に反するとめる。 よつて刑訴四一一条一号、四一三条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 検察官高橋一郎公判出席。 昭和三四年一二月二二日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官河村又介裁判官島保裁判官垂水克己裁判官高橋潔裁判官石坂修一- 3 -

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