平成17年(行ケ)第10377号特許取消決定取消請求事件平成18年1月30日判決言渡,平成18年1月25日口頭弁論終結判決原告東ソー株式会社訴訟代理人弁理士岸田正行,小花弘路,水野勝文,高野弘晋被告特許庁長官中嶋誠指定代理人板橋一隆,西川和子,唐木以知良,青木博文 主文 特許庁が平成11年異議第72341号事件について平成16年12月13日にした決定を取り消す。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判主文第1項と同旨の判決。 第2 事案の概要本件は,後記本件発明の特許権者である原告が,特許異議の申立てを受けた特許庁により請求項1に係る本件特許を取り消す旨の決定がされたため,同決定の取消しを求めた事案である。 1 前提となる事実等(1) 特許庁における手続の経緯(1-1) 本件特許特許権者:東ソー株式会社(原告)発明の名称:「洗浄剤組成物」特許出願日:平成5年4月9日(特願平5-83415号)設定登録日:平成10年10月16日特許番号:第2838347号(1-2) 本件手続特許異議事件番号:平成11年異議第72341号訂正請求日:平成12年4月10日(本件訂正請求)異議の決定日:平成16年12月13日決定の結論:「特許第2838347号の請求項1に係る特許を取り消す。」(本件訂正請求による訂正は,認められなかった。)決定謄本送達日:平成17年1月6日(原告に対し)(2) 決定の理由の要旨は,本件訂正請求による訂正は認められないとした上で,特許公報(甲2)の特許請求の範囲請求項1に記載された発明について検討し,同発明は,特許法29条1項2号の規定に該当し,特許を受けることができないもので 訂正請求による訂正は認められないとした上で,特許公報(甲2)の特許請求の範囲請求項1に記載された発明について検討し,同発明は,特許法29条1項2号の規定に該当し,特許を受けることができないものである,というものである。 (3) 決定が対象とした発明の要旨は,「【請求項1】炭素数10~13の飽和脂肪族系炭化水素にフェノール類を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。」というものである(甲1,2)。 (4) 原告は,本訴係属中の平成17年4月28日,本件特許請求の範囲請求項1につき,特許請求の範囲の減縮を目的として,訂正審判の請求をしたところ(訂正2005-39071号),同年12月28日,当該訂正を認める旨の審決があり,その謄本が原告に送達され,訂正審決は確定した(甲17~19,弁論の全趣旨)。 (5) 上記訂正審決による訂正後の発明の要旨は,「【請求項1】炭素数10~13の飽和脂肪族系炭化水素に0.0005~5重量%の2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール又はチモールを含有することを特徴とする1,1,1-トリクロロエタン,フロン113や他のハロゲン系溶剤に代替する,洗浄装置を用いて加温洗浄や高温度で繰り返し蒸留回収される使用条件下においても安定な非水系の,オゾン層を破壊しない環境汚染の心配のない洗浄剤組成物。」というものである(甲19)。 2 原告主張の決定取消事由決定は,本件発明の要旨を上記1(3)記載のとおり認定し,これに基づき,特許を取り消すべきものと判断したが,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定し,本件発明の要旨が上記1(5)記載のとおり訂正されたことにより,決定は,結果的に本件発明の要旨認定を誤ったものであり,この誤りは決定の結論に影響するものであるから,決定は,取り消されるべきである。 第3 当裁判 旨が上記1(5)記載のとおり訂正されたことにより,決定は,結果的に本件発明の要旨認定を誤ったものであり,この誤りは決定の結論に影響するものであるから,決定は,取り消されるべきである。 第3 当裁判所の判断本件証拠及び弁論の全趣旨によれば,第2の1に記載の事実関係を認めることができる。 そして,被告は,原告主張の訂正審決が確定したことを認め,これを理由に決定が取り消されることについては争わない。 当裁判所は,本件事案にかんがみ,決定を取り消すのが相当であると判断し,原告の請求が理由があるものとしてこれを認容し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法62条を適用して,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部裁判長裁判官田中昌利裁判官高野輝久裁判官佐藤達文
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