主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人立入庄司の上告理由第一点について。農地について売買契約が成立しても、都道府県知事の許可がなければ農地所有権移転の効力は生じないのであるが、売買契約の成立により、売主は、買主に対して所有権移転の効果を発生させるため買主に協力して右許可申請をすべき義務を負い、また、買主は売主に対して右協力を求める権利(以下、単に許可申請協力請求権という。)を有する。したがつて右許可申請協力請求権は、許可により初めて移転する農地所有権に基づく物権的請求権ではなく、また所有権に基づく登記請求権に随伴する権利でもなく、売買契約に基づく債権的請求権であり、民法一六七条一項の債権に当たると解すべきであつて、右請求権は売買契約成立の日から一〇年の経過により時効によつて消滅するといわなければならない。そして、原審の適法に確定した事実によると、本件売買契約成立の日は昭和二四年九月六日であるから、それより一〇年の経過によつて、上告人の許可申請協力請求権の消滅時効は完成したというべきであり、これと同旨の原審の判断は正当である。論旨は採用できない。同第二点について。所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠に照らし、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官大塚喜一郎- 1 -裁判官岡原昌男裁判官小川信雄裁判官 塚喜一郎- 1 -裁判官岡原昌男裁判官小川信雄裁判官吉田豊- 2 -
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