主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人冨島智雄、同松川雄次、同東川昇の上告理由について所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができる。本件相殺予約の趣旨は必ずしも明確とはいえず、その法的性質を一義的に決することには問題もなくはないが、右相殺予約に基づきD株式会社のした相殺が、実質的には、上告人に対する債権譲渡といえることをも考慮すると、上告人はD株式会社が被上告人の差押え後にした右相殺の意思表示をもって被上告人に対抗することができないとした原審の判断は、是認することができる。原判決に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものであって、いずれも採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官園部逸夫裁判官可部恒雄裁判官大野正男裁判官千種秀夫裁判官尾崎行信- 1 -
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