平成23(ワ)777 地位確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成25年2月14日 岐阜地方裁判所 その他
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判決文本文25,929 文字)

平成25年2月14日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成23年第777号地位確認請求事件口頭弁論終結日平成24年12月6日 主文 1 被告は,原告に対し,1万9354円及びこれに対する平成21年6月26日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 原告が,被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 2 被告は,原告に対し,7万2580円及びこれに対する平成21年6月26日から支払済みまで年6分の割合による金員並びに同年7月から毎月25日限り月額15万円の割合による金員及びこれらに対する各支払日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 仮執行宣言第2 事案の概要本件は,被告に雇用されていた原告が不当に解雇されたとして,被告に対し,雇用契約上の地位の確認並びに解雇された日の翌日である平成21年5月17日以降の未払賃金及びこれらに対する毎月の未払賃金の支払期日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めたのに対し,被告は,原告の解雇は有効であること,仮に当該解雇が無効であるとしても,期間満了により原告と被告との間の雇用契約は終了したと主張して争った事案である。 1 前提事実(争いのない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)当事者等ア被告は,パチンコ店の経営を業とする株式会社である。(争いがない)イ原告は,岐阜市在住の昭和63年 ない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)当事者等ア被告は,パチンコ店の経営を業とする株式会社である。(争いがない)イ原告は,岐阜市在住の昭和63年●月●●日生まれの女性である。(乙3) 原告の職歴等ア平成16年5月から同年7月までの間,原告は,Aにおいて,同年8月から同20年5月までの間,Bにおいて,各アルバイトをしていた。(乙3,弁論の全趣旨)イ平成20年8月下旬頃から同年11月上旬頃までの間,原告は,風俗店に勤務していた(以下「本件職歴」という。)。(甲8) 雇用契約の締結ア平成20年11月21日,原告は,被告との間で,雇用契約(以下「本件雇用契約」という。)を締結し,同日から被告が経営するパチンコ店「C」のホールスタッフとして就労を開始した。その際,原告は,以下の旨が記載された同日付けの「アルバイト労働条件通知書(初回)」と題する書面に署名押印をした。(甲1,弁論の全趣旨) 雇用期間期間の定めあり平成20年11月21日より2か月間 契約更新の有無更新する場合がありえる契約の更新は,原告のやる気・勤務態度により判断する 勤務形態午前8時30分から午後5時まで(うち休憩時間45分)所定時間外労働有り 賃金時給1150円毎月末日締め翌月25日支払諸手当無し 社会保険及び雇用保険の適用無しイ原告は,本件雇用契約を締結するに際し,被告に対し,履歴書(以下「本件履歴書」という。)及び原告の署名押印をした「誓約書」と題する書面(以下「本件誓約書」という。)を提出した。本件履歴書には,原告の職歴として上記アの職歴を記載したが,本件職歴は記 歴書(以下「本件履歴書」という。)及び原告の署名押印をした「誓約書」と題する書面(以下「本件誓約書」という。)を提出した。本件履歴書には,原告の職歴として上記アの職歴を記載したが,本件職歴は記載しなかった。また,本件誓約書には,「競輪・競馬・競艇・麻雀・ゲーム喫茶・カジノクラブ等のギャンブルの禁止。」「お客様との飲食禁止」「社員間でのお金の貸し借り及び消費者金融からの借入の禁止。」「刺青・タトゥーの禁止。」等のほか,「会社の名誉及び信用を傷つける行為を致しません。」「以上の項目を守れず違反したときは,減給・降格・解雇処分とする。」という旨が記載されていた。(甲6,乙3,弁論の全趣旨) 就業規則の定め被告の就業規則(以下「本件就業規則」という。)には,以下の規定がある。(甲4) 第2章雇入第5条当社に就職を希望する者の中から選考の上,適当と認められた者を従業員として雇用する。新規採用者の試用期間は原則として3か月とし,試用期間も勤続年数に通算される。 但し,特別の経験者で即刻職務に必要な場合は上記の期間を短縮する場合も有る。 第6章懲戒第36条従業員が次の各号の一に該当するときは,懲戒解雇に処する。但し,平素の就業態度・勤怠その他の情状により酌量の余地があると認めた時は,論旨退職にすることが出来る。 にせの経歴を作り,その他不正なる方法を用いて雇入れられた時。 第7章解雇・退職第41条下記の各号の一に該当する時,従業員はその資格を失う。 死亡した時。 退職を願い出て承認された時。 第36条により解雇された時。 定 記の各号の一に該当する時,従業員はその資格を失う。 死亡した時。 退職を願い出て承認された時。 第36条により解雇された時。 定年に達した時。 期間満了後退職することを定めた休職期間が満了した時。 懲戒解雇された時。 本件雇用契約の更新等ア 1回目の更新(甲2,弁論の全趣旨)原告及び被告は,平成21年1月21日,以下の内容で本件雇用契約を更新し,原告は,「D」(なお,同勤務地の所在地はCと同一である。)のホールスタッフとして就労を開始した。当該更新に関する書面として,以下の旨の記載がされた「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面が作成され,原告はこれに署名押印をした(なお,署名押印をした時期が,同日又は同年3月1日のいずれであるかについては争いがあるので,後述する。)。 雇用期間期間の定めあり平成21年1月21日より2か月間 契約更新の有無自動的に更新契約の更新は,原告の能力,やる気,勤務態度及び会社の経営状況のいずれかにより判断する 勤務形態午前8時30分から午後5時まで(うち休憩時間45分)又は午後4時から午前0時まで(うち休憩時間45分) 所定時間外労働有り 賃金時給1150円毎月末日締め翌月25日支払諸手当無し昇給有り賞与及び退職金無し(会社の業績及び勤務成績により支給する場合あり) 退職及び解雇については,就業規則第7章による社会保険及び雇用保険の適用有りイ 2回目の更新平成21年3月21日,本件雇用契約は更新された(なお,更新後の契約期間については争いがある。)。 は,就業規則第7章による社会保険及び雇用保険の適用有りイ 2回目の更新平成21年3月21日,本件雇用契約は更新された(なお,更新後の契約期間については争いがある。)。この際,更新契約書の作成をするなどの更新手続はなされていない。(弁論の全趣旨。なお,証人Eは,他の従業員については2回目以降も書面による更新手続をしており,原告については資料が見つからないだけである可能性も示唆するが,結局,原告につき書面による更新手続がなされたことを認めるに足りる証拠はない。) 解雇に至る経緯ア平成21年4月14日,被告の従業員は,ある風俗店のホームページに勤務者として原告の顔写真が掲載されていることを発見した。(甲3,弁論の全趣旨)イ被告は,原告に対し,本件履歴書及び面接チェックシート(証拠として提出されてはいない。)により勤務実績を確認したが,同書類上に本件職歴に関する記載がなかったことから,平成21年4月17日の終礼前,被告の従業員であるEは,原告を呼び出し,本件職歴について事実確認をした。原告は,最初は本件職歴について事実を認めずにいたが,上記アの写真を本人に見せて確認をしたところ,本件職歴に関する事実を認めた。(甲3,証人E,原告本人)そこで,被告は,原告に対し,雇入れ時の虚偽の申請による入社及び虚偽の言動による信用の逸脱・店舗のイメージを損なう行為があり,本件就業規則及び本件誓約書に基づいて,予告解雇として原告を1か月後の平成21年5月16日をもって解雇する旨の意思表示をした(以下,「本件通告」といい,本件通告による解雇を「本件解雇」という。)。(甲3,弁論の全趣旨)その後,原告は,平成21年5月16日まで,引き続き同じ勤務地で就労し,同日付で 示をした(以下,「本件通告」といい,本件通告による解雇を「本件解雇」という。)。(甲3,弁論の全趣旨)その後,原告は,平成21年5月16日まで,引き続き同じ勤務地で就労し,同日付で解雇となり,以後は被告において就労していない。(弁論の全趣旨)被告は,本件通告後に平成21年5月16日に至るまで,原告を接客の必要がない部署に配置転換するなどのことは考えず,実際にそのような措置が執られることもなかった。(証人E)なお,平成21年5月15日,当時原告と交際していた男性は,原告の了承の下,被告に対して電話をかけ,Eに対して「不当解雇だと思うので労働基準監督署に相談する。」という旨を伝えたところ,被告からこれに対する明確は回答はなかった。(甲13)ウ本件解雇について平成21年5月18日,被告は,原告に対し,解雇理由証明書(以下「本件解雇理由証明書」という。)を交付した。本件解雇理由証明書には,上記イの事実及び本件就業規則第6章懲戒の第35条の「譴責」の項の 「会社の規則通達に違反する行為があった時。」,第36条⑿「にせの経歴を作り,その他不正なる方法を用いて雇入れられた時。」に該当すること及び誓約書の「会社の名誉及び信用を傷つける行為はいたしません。」という項目に違反することが理由として記載されていた。(甲3,弁論の全趣旨。なお,本件解雇理由証明書に記載されている解雇の性質が懲戒解雇であること自体は,当事者間に争いがない。)解雇後の経緯ア平成21年5月下旬頃,原告は,被告に対して手紙を送り,本件解雇を撤回してもらい,被告で再度働かせてほしい旨を書いた手紙を送付したが,被告はこれに応じなかった。(甲9,10,13)イ平成21年7月1日頃及び同年9月25日,原告は て手紙を送り,本件解雇を撤回してもらい,被告で再度働かせてほしい旨を書いた手紙を送付したが,被告はこれに応じなかった。(甲9,10,13)イ平成21年7月1日頃及び同年9月25日,原告は,被告に対して電話をし,被告で再度働かせてほしい旨を述べたが,被告は原告を雇用することはできない旨を述べた。(甲9,10,13)ウ平成21年11月12日,原告は本件解雇の無効並びに有効である場合の経済的及び精神的損害として50万円の支払を求めて,岐阜労働局長に対してあっせんの申請をしたところ,同あっせん開始の通知を受けた被告が手続に参加する意思がない旨を表明したことにより,同月25日,同あっせんは,紛争の解決の見込みがないとして打ち切られることとなった。 (甲9,10)エ平成22年5月6日付けで,原告は,被告に対して再度雇用してもらえるよう依頼する手紙を作成して被告に送付した。(甲11,13,乙4) また,平成22年5月14日頃,被告から原告に対して電話があり,「どんなにせがまれてもあなたを雇用する気はない。」「今後は連絡をしないでください。」という旨が伝えられた。(甲13) 平成22年5月中旬頃,原告は,被告に対し,本件解雇が不当解雇である旨を記載したはがきを送付し,同月20日頃,被告から原告に対して電話があり,上記はがきに関する趣旨の確認がなされた上,原告を再雇用する気はないという旨が伝えられた。これに対して,同年9月10日頃,原告は,被告に対して,再度不当解雇を訴える旨を記載したはがきを送付した。(甲12,13)オ平成23年5月16日,原告は,岐阜地方裁判所に対して被告を相手方とする労働審判手続の申立てをした。(乙1) 平成23年7月11日,労働審判委員会は,申立人(原告)及び (甲12,13)オ平成23年5月16日,原告は,岐阜地方裁判所に対して被告を相手方とする労働審判手続の申立てをした。(乙1) 平成23年7月11日,労働審判委員会は,申立人(原告)及び相手方(被告)は,申立人が申立人と相手方との間の雇用契約上の権利を有しないことを相互に確認するとともに,相手方に対し,本件解決金として30万円を申立人に支払うことを命ずる労働審判(以下「本件労働審判」という。)をし,同審判は,同日の第2回労働審判手続期日において,申立人及び相手方に告知された。(当裁判所に顕著) 原告は,平成23年7月14日,本件労働審判を担当した岐阜地方裁判所裁判所書記官から上記期日調書の交付送達を受け,その際,同書記官に対して異議申立期間について尋ねたところ,同書記官は,原告に対し,上記期日調書を受け取った時が異議申立期間の起算点である旨の回答をした。 原告は,これを受けて上記期日調書を受け取った日である同日から2週間が経過する前の同月27日に同裁判所に対して異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行ったところ,その時点では,本件労働審判の告知を受けた日である同月11日から2週間が経過していた。(当裁判所に顕著,弁論の全趣旨) 2 争点 本件異議申立ての適法性 懲戒解雇の有効性ア本件就業規則の効力の有無(周知の有無) イ懲戒解雇事由の有無ウ解雇権濫用の有無期間の定めのある契約である場合の更新拒絶の有効性ア本件雇用契約は期間の定めのある契約であるか否かイ本件通告は,更新拒絶の意思表示も含むといえるか否かウ解雇権濫用法理の類推の有無時効成立の有無 3 争点に関する当事者の主張 本件異議申立て る契約であるか否かイ本件通告は,更新拒絶の意思表示も含むといえるか否かウ解雇権濫用法理の類推の有無時効成立の有無 3 争点に関する当事者の主張 本件異議申立ての適法性(被告の主張)労働審判がなされた後は,労働審判の告知を受けた日から2週間の不変期間内に裁判所に対して異議の申立てをしなければならないところ(労働審判法21条1項),原告は,同期間を経過した後に本件異議申立てをしており,「適法な異議の申立てがあったとき」(労働審判法22条1項)とはいえず,訴えの提起があったとは認められない。 よって,労働審判法21条4項により,労働審判の効力は失われることはなく,「裁判上の和解と同一の効力を有する」ことになる。 (原告の主張)本件において,原告が2週間の不変期間を徒過した原因は,原告が異議申立期間について裁判所書記官に尋ねた際の誤った回答によるものである。 法律家の専門家ではなく,弁護士の代理人もついていなかった原告が,裁判所書記官から誤った指示を受ければ正しいものと誤信してもやむを得ず,法律を調べることを期待することはできない。 また,行政不服審査法19条によると,行政庁が誤って法定の期間よりも長い期間を教示した場合にその期間内に不服申立てがなされた時は,当該不服申立ては,法定の期間内になされたものとみなされる。この規定は,国民は,行政庁の教示は正しいものとして行動するのが通常であるとの認識に基づき,行政庁の教示に従って行動したために不服申立ての機会を逸するといった不利益を国民に負担させないようにするためのものである。行政不服審査であれ,労働審判であれ,この趣旨に変わりはなく,本件においても同趣旨が考慮されるべきで ために不服申立ての機会を逸するといった不利益を国民に負担させないようにするためのものである。行政不服審査であれ,労働審判であれ,この趣旨に変わりはなく,本件においても同趣旨が考慮されるべきである。 以上によると,本件において,原告にはその責めに帰することができない事由(民事訴訟法97条1項)があったといえ,その事由消滅から1週間が経過するより前に本件異議申立てが行われている本件においては,訴訟行為の追完が認められるというべきである。 懲戒解雇の有効性ア争点ア(本件就業規則の効力の有無〔周知の有無〕)について(被告の主張) 本件就業規則(甲4)は,常時従業員の休憩室のホワイトボードに吊される形で備え置かれており,従業員であれば誰でもいつでも閲覧できる状態にあったのであるから,周知性に何ら問題はない。 原告本人尋問において,原告は,本件通告がされたときに本件就業規則は見ていないかという質問に対し,「ちらっと見ました。」と回答していることから,本件就業規則を閲覧しようと思えば閲覧できる状態であったことは原告自身が認めているといえ,本件就業規則の周知性については何ら問題はない。 原告の採用時に本件就業規則を明らかにしていなかったから周知性が問題になるという主張は,独自の見解であり採用することはできない。 仮に周知性に問題があるとしても,原告から本件就業規則を確認したいなどという申出は在職中から本件労働審判手続においても一切なく,一般常識からしても経歴詐称をしてよいはずがなく,本件において,原告には経歴詐称について明らかな故意があったといえる。このような者が就業規則の細かなところまで知らなかったから周知性がないというのは,信 からしても経歴詐称をしてよいはずがなく,本件において,原告には経歴詐称について明らかな故意があったといえる。このような者が就業規則の細かなところまで知らなかったから周知性がないというのは,信義則に反する。 (原告の主張) 本件において,被告が主張するような本件就業規則が常時従業員の休憩室のホワイトボードに吊されていた事実はない。 仮に上記の事実があったとしても,本件において,被告は,本件雇用契約を締結した採用時に原告が経歴詐称をしたことを理由に本件解雇をしたものであるところ,このような採用時の行為を理由とする懲戒解雇を定める本件就業規則が労働者に対して拘束力を有するためには,採用の時点で労働者が就業規則の内容を知りうるような形で周知されることが必要である。しかし,仮に上記の事実があったとしても,原告が採用された後にしかその内容を知りうる状況は存在しないのであるから不十分である。また,本件雇用契約締結時に原告は被告から本件就業規則を提示された事実はなく,本件誓約書(甲6)にも,経歴詐称による懲戒解雇については何ら記載されていない。 以上より,本件において,本件就業規則の周知性を欠いていたといえる。 被告の主張に対する反論懲戒処分は,刑罰に類似する制裁であり,再就職の重大な障害となりうるものであるから,規制の必要性はより大きい。懲戒について就業規則に定め,これを周知しなければならないのは,この要請に基づくものであり,原告は当然のことを主張しただけであって信義則に反するものとはいえない。 イ争点イ(懲戒解雇事由の有無)について(被告の主張)以下の及びによると あり,原告は当然のことを主張しただけであって信義則に反するものとはいえない。 イ争点イ(懲戒解雇事由の有無)について(被告の主張)以下の及びによると,原告の行為は,本件就業規則第36条の「にせの経歴を作り,その他不正なる方法を用いて雇入れられた時」及び本件誓約書の「会社の名誉及び信用を傷つける行為」に該当する。 被告が運営するパチンコ業は,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)によって厳しく統制されている特殊な業種であるから,いかなる些細な理由があろうとも風紀を乱すような行為があったと疑われる場合は,警察当局の指摘を受ける可能性があり,慎重に行動することが求められているのである。 そして,従業員が性風俗の業界で勤務した経験があり(又は勤務しており),顔写真がインターネット上に掲載されていると,それを見た不特定多数の男性らが,いわゆる風俗嬢が働いている店であるなどと噂を立てることもある。 このようなリスクがあるからこそ,被告は,予め風俗業界での勤務の経験について確認を求め,経歴を履歴書に記載してもらっているのであり,「会社の名誉及び信用を傷つける行為」をしないように誓約させてまでしているのである(甲6)。 しかも,原告が主張するような労働者保護の観点が必要であるとしても,このような経歴を告げては採用されないであろうと思いながら,あえて経歴を詐称した者まで保護することは行き過ぎた労働者保護であり,限定解釈するべきであるという主張は,本件においては妥当しない。 そもそも,採用希望者が提出する履歴書や職務経歴書が重要な役目を果たしているのは明らかであるところ,本件職歴は, り,限定解釈するべきであるという主張は,本件においては妥当しない。 そもそも,採用希望者が提出する履歴書や職務経歴書が重要な役目を果たしているのは明らかであるところ,本件職歴は,前科前歴や懲戒解雇歴などと異なりセンシティブな情報ではない。 また,原告は,ハローワークの職員に,「3か月以内で辞めた仕事は書かなくてもいい」と言われたから記載しなかったとしながら,上記1アのAに関する職歴については3か月未満であるにもかかわらず記載しており,本件職歴については採用されないことを予測して,あえて記載していないものといえる。 (原告の主張)原告の行為は,本件就業規則第36条に該当しない。 労働者の具体的な行為が就業規則の懲戒事由に該当するか否かの判断に当たっては,労働者保護の見地から就業規則の広範な文言を限定解釈するべきである。 このことからすると,経歴詐称についても詐称された経歴が重要なものであることを要し,懲戒処分の実質的根拠が企業秩序の維持にある以上,企業秩序を具体的に侵害した場合に懲戒処分を発動できると解するべきである。このことから,本件就業規則第36条は,企業秩序を具体的に侵害したような重大な経歴詐称をいうものと解釈するべきである。そして,以下の事情からすると,これに当たらないことは明らかである。 原告が風俗店で働いていたのは,これまでの複数のアルバイトの1つに過ぎず,期間は短いものであり,期間の短いものについて職歴として省略することも多く,企業も採用時に重視しないのが現状である。 本件職歴は,使用者が採用するに当たりマイナスに評価されるものであるが,これは一種の差別であって合理性を有するものではない。また,女 することも多く,企業も採用時に重視しないのが現状である。 本件職歴は,使用者が採用するに当たりマイナスに評価されるものであるが,これは一種の差別であって合理性を有するものではない。また,女性に積極的に開示を求めるのは酷であり,その労働者はあらゆる使用者から合理性を欠く理由により採用されないこととなり,就業の機会が実質的に失われてしまう。 よって,特段の事情のない限り,風俗店で働いていたことについて使用者に申告する義務はないものと解するべきである。 被告は,本件雇用契約締結時に原告に風俗店勤務の有無を質問して確認した事実はない。 原告が本件職歴について客と会話をすることなどなく,風俗店のホームページの写真についても既に削除されていることからすると,客に原告の本件職歴が知れるおそれは少ない。 本件職歴とパチンコ店のホールスタッフの仕事内容とは全く関係ないのであり,何ら影響を与えるものではない。実際に,本件通告後の1か月の間も即時解雇や配置転換をしておらず,本件職歴が被告の業務上支障になったとは認められないことからすると,原告が本件職歴を明らかにすれば,被告は雇用契約を締結しなかったであろうと客観的に認められるとはいえない。 「にせの経歴を作り」とは,積極的に虚偽の経歴を作出する作為による経歴詐称が懲戒事由になると解される。本件では単に本件履歴書に記載しなかったという消極的な行為をしたにすぎないこと,積極的に虚偽の事実を記載したり,面接時の質問に対して虚偽の回答をしたものではないことからすると,上記事由に当たらない。 ウ争点ウ(解雇権濫用の有無)について(原告の主張) 上記争点イ(原告の主張)ないしで述 の回答をしたものではないことからすると,上記事由に当たらない。 ウ争点ウ(解雇権濫用の有無)について(原告の主張) 上記争点イ(原告の主張)ないしで述べたとおり,わずか1か月間の就労で自己申告を求めることは酷である本件職歴について,被告から積極的に面接で質問等されたこともなく,被告の業務に具体的な支障を生じていないことなどからすると,本件解雇は重きに失するといえ,解雇権の濫用であり,無効である。 使用者は,労働契約の締結に際し,労働者に対して退職に関する事項(解雇の事由を含む。)について書面を交付する方法で明示しなければならないところ,被告は,原告に対して,採用時に経歴詐称が懲戒解雇事由であることを知らせておらず,書面も交付せず,本件誓約書(甲6)にもその旨の記載はない。 平成21年4月17日,Eは,原告に対して一方的に解雇を伝えたのみで,その時間は15分ほどにすぎなかった。また,原告は法律知識もなく,事前の準備等もしていない状況の中,Eの威圧的な態度により本件職歴を認めさせられ,本件解雇を言い渡されている。そして,本件通告後も被告が原告の言い分を聞く機会を設けたりすることはなかった。このことからすると,原告の弁明の機会を付与されたとはいえず,適正な手続が履践されたとはいえない。 (被告の主張) 上記争点イ(被告の主張)ないしで述べたことからすると,原告の本件職歴は被告にとって重大なことであり,あえて故意に本件職歴に記載しなかったという態様からしても,本件解雇が重きに失することはない。 本件雇用契約は,2か月間の有期雇用契約にすぎず,本件解雇がなかった場合でも平成21年5月20日には期間満了により終 ったという態様からしても,本件解雇が重きに失することはない。 本件雇用契約は,2か月間の有期雇用契約にすぎず,本件解雇がなかった場合でも平成21年5月20日には期間満了により終了する予定であったのであるから,事前に予告して本件雇用契約の更新がないと告げたという意味では,労働者の保護になっている。 当初,Eが原告に対して本件職歴に関する事情を聞くために原告を呼び出した際は,本件職歴について,否認して虚偽の回答をしており,Eが原告に対してインターネット上に原告の写真があったと告げて初めて認めたという経緯があることからすると,事実確認の機会を与えており,適正手続の点についても何ら問題はない。 期間の定めのある契約である場合の更新拒絶の有効性ア争点ア(本件雇用契約は期間の定めのある契約であるか否か)について(被告の主張) 仮に本件解雇が無効であるとしても,2回目の更新がなされた平成21年3月21日から2か月後の同年5月20日には本件雇用契約は期間満了により終了しているといえることから,地位確認及び同月21日以降の賃金の請求には理由がない。本件雇用契約が期間の定めのない契約になることは不当に労働者の地位を強化することとなることからしても妥当ではない。 民法629条1項の文言からしても,契約の更新が推定された場合でさえも,その契約は従前の雇用と同一の条件でしか更新されず,期間の定めのない契約に変更されることなどあり得ない。原告は,同項を根拠に期間の定めのない契約に移行するかのように主張するが,その裁判例はいずれも期間の定めのない契約と疑われるような事案であり,契約期間を過ぎても更新手続を一切しないというものであったが,本件において,被告は,2回の い契約に移行するかのように主張するが,その裁判例はいずれも期間の定めのない契約と疑われるような事案であり,契約期間を過ぎても更新手続を一切しないというものであったが,本件において,被告は,2回の更新のうち1回目の更新については少なくとも更新手続を行っており(甲2),更新回数も2回に過ぎないので,その前提を異にしている。 (原告の主張)本件雇用契約は,以下の事情からすると,期間の定めのないものである。 期間の定めのある労働者を予定している就業規則には,その旨の定めがなされているのが通常であるところ,本件就業規則(甲4)によると,新規採用者の試用期間を3か月とする旨の定めがあり(第5条),この規定は,本件雇用契約の期間を2か月とする内容と矛盾する。また,従業員が資格を失う場合(第41条)として,「期間を定める雇用の場合,その期間が満了したとき」といった規定はない。 以上のことからすると,本件就業規則は,期間の定めのない雇用契約のみを認めており,期間の定めのある雇用契約は予定していないというべきである。 労働契約法12条,労働基準法93条の規定に照らせば,期間の定めのない雇用契約のみを許容している本件就業規則の下で,これより労働者にとって不利な期間の定めのある雇用契約を締結しても無効であり,就業規則の効力(最低基準効)により,期間の定めのない雇用契約となるというべきである。 黙示の更新により,期間の定めのないものとなっている。 すなわち,原告と被告が,本件雇用契約を当初締結した際の雇用期間である平成20年11月21日から2か月が経過した後も原告の就労が継続されたので,本件雇用契約について黙示の更新がなされ,更新後の契約は期間の 告と被告が,本件雇用契約を当初締結した際の雇用期間である平成20年11月21日から2か月が経過した後も原告の就労が継続されたので,本件雇用契約について黙示の更新がなされ,更新後の契約は期間の定めのないものになったと解するべきである(民法629条1項,甲7)。なお,被告は2回の更新のうち少なくとも1回目の更新については更新手続がなされた旨主張するが,原告は,最初の期間満了時から1か月半ほど経過した同21年3月1日に,原告は,被告の従業員から「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)に「サインしといて」と渡された際に署名及び押印したものであり,このような期間満了から大幅に遅れた形だけの契約更新手続は何の意味も持たないことは明らかである。 イ争点イ(本件通告は,更新拒絶の意思表示も含むといえるか否か)について(被告の主張) 解雇の意思表示の根幹は,労働契約を継続しないということであるから,本件通告には更新拒絶の意思表示も当然に含まれていると解するべきである。 (原告の主張)本件通告は,懲戒解雇の意思表示であり,契約の更新拒絶の意思表示を含むものではない。 被告は,雇用期間満了時とは異なる平成21年5月16日を本件雇用契約の終了日であるとしている。解雇理由証明書(甲3)には,懲戒解雇に関する本件就業規則の規定が記載されているのみであり,更新拒絶に関する記載は何らなく,Eが原告に本件通告をした際も期間満了後の契約更新を拒絶する旨を原告に伝えているわけではない。 懲戒解雇は,企業秩序違反に対する制裁罰として,更新拒絶の意思表示とは制度上区別されたものであり,更新拒絶に比べて特別の不利益を労働者に与えるものであり,懲戒解雇と更新 けではない。 懲戒解雇は,企業秩序違反に対する制裁罰として,更新拒絶の意思表示とは制度上区別されたものであり,更新拒絶に比べて特別の不利益を労働者に与えるものであり,懲戒解雇と更新拒絶は,その要件・効果も異なる。そうであるにもかかわらず,懲戒解雇から更新拒絶への意思表示の転換が認められることになれば,安易に懲戒解雇を行う傾向を招き,解雇権の濫用を誘発するおそれを生じさせる。 したがって,懲戒解雇の意思表示は,あくまで懲戒解雇として独自にその有効性を検討すべきである。 ウ争点ウ(解雇権濫用法理の類推の有無)について(原告の主張)以下のないしの事実からすると,本件雇用契約は実質的に期間の定めのない契約であったか,又はそうでなくとも雇用継続に対する労働者の合理的期待があったといえるから,解雇権濫用法理が類推適用されるべきである。 上記ア(原告の主張)のとおり,本件において,契約の更新手続は一度もされておらず,黙示の更新がなされている。 また,原告が「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)に平成21年3月1日に署名したことにより,本件雇用契約は,その締結時における「更新する場合がありえる」(甲1)から,「自動的に更新」されることに変更され(甲2),同時に,原告には社会保険及び雇用保険が適用され,昇給がなされることも定められていることからすると,契約の更新が原則とされ,長期間の雇用契約を前提としたものとなったといえる。 被告は,原告に対し,契約が自動的に更新される旨の記載がある書面(甲2)への署名を求めており,これは,雇用継続を期待させる使用者側の言動であったといえる。 原告が従事していたの 被告は,原告に対し,契約が自動的に更新される旨の記載がある書面(甲2)への署名を求めており,これは,雇用継続を期待させる使用者側の言動であったといえる。 原告が従事していたのは,被告の本業であるパチンコ業のホールスタッフであり,臨時的な目的で一時的に雇用された者ではなく,原告の雇用には常用性があるといえる。 本件就業規則(甲4)には,期間の定めのある労働者と期間の定めのない労働者の区別はなく,両者の労働条件は同一のものとされているといえる。また,原告が就労していた当時,被告においては正社員もホール業務に従事しており,アルバイトでも経験を積めば,カウンター及び経理等の業務に就くことができた。 他の労働者についても契約の更新手続は形骸化していたし,被告において,これまで雇止めをされた従業員はいない。すなわち,被告において,期間の定めのある労働契約は形だけに過ぎず,実際には,すべての労働者が期間の定めのない労働者として扱われていた。 (被告の主張)以下の事実からすると,本件雇用契約は実質的に期間の定めのない契約であったとも,雇用継続に対する合理的期待があったともいえないから,解雇権濫用法理が類推適用されるべき場合には当たらない。 本件雇用契約において,契約更新は,平成21年1月21日と同年3月21日の2回に過ぎないのであるから,更新に対する期待が法的に保護される程度には至っていない。労働基準法14条2項に基づく「有期労働契約の締結,更新及び雇止めに関する基準」によれば,雇止めの予告は,有期労働契約が3回以上更新されているか,1年を超えて継続して雇用されている者に対象を限っているが,原告はそのいずれにも該当せず,アルバイト労働条件通知書という文書の題名 によれば,雇止めの予告は,有期労働契約が3回以上更新されているか,1年を超えて継続して雇用されている者に対象を限っているが,原告はそのいずれにも該当せず,アルバイト労働条件通知書という文書の題名に「アルバイト」と記載されていることからしても,契約更新の期待など低いといえる。 被告は,各店舗に店長,主任,副主任,主査等を配置しており,これらの役職者は正社員であり,業務や待遇について明らかな違いがある。アルバイト従業員から自動的に正社員になることはなく,厳密に職制は区別されていた。 また,原告は,原告以外の従業員で雇止めになった者はいないことを根拠とするが,実際には,雇止めがなされる前に自ら退職しているというのが現実である。 時効成立の有無(被告の主張)上記(被告の主張)のとおり,本件労働審判に対する適法な異議申立てがなされていないのであるから,訴えの提起があったものとみなされず,平成21年5月17日から同月20日までの4日間の賃金請求については,仮に発生していたとしても既に労働債権の消滅時効である2年が経過しており,時効によって消滅している。 (原告の主張)上記(原告の主張)のとおり,本件異議申立ては適法である。また,賃金は毎月末日締め翌月25日払いとされていたのであるから,平成21年5月17日から同月20日までの賃金請求権の消滅時効の起算点は,同年6月25日である。そして,原告は,同23年5月16日に労働審判手続の申立てをしているのであるから,同賃金請求権が時効消滅したとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(本件異議申立ての適法性)について前記前提事実によると,原告は,本件労働審判の告知を受けてから2週間が経過した後に が時効消滅したとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(本件異議申立ての適法性)について前記前提事実によると,原告は,本件労働審判の告知を受けてから2週間が経過した後に本件異議申立てをしたことが認められる。これによると,労働審判法21条1項所定の2週間の異議申立期間は不変期間と解されるところ,本件異議申立てが当該期間を経過した後になされたものであることは明らかである。 そこで,本件異議申立ての適法性を検討すると,民事訴訟法97条1項は,不変期間の不遵守について「当事者がその責めに帰することができない事由」(追完事由)がある場合には,同項の定めるところに従って,不変期間内にするべき訴訟行為の追完をすることができる旨規定しており,当該責めに帰することができない事由とは,当事者が訴訟を追行する上で通常用いうると期待される注意を尽くしても避けられないと認められるような事由をいう。 本件について検討すると,原告は,代理人ではなく自身において本件異議申立てをすることを選択した以上,原告自ら異議申立期間の経過について判断するべきものであったともいえる。しかし,原告は,本件労働審判を担当した裁判所書記官による回答に従った結果,不変期間である異議申立期間を経過したものであるところ,原告が法律知識に関する専門的知識を有しない一般人であり,そのような原告に対して訴訟を追行する上で通常用いうると期待される注意として,裁判手続に関する専門的知識を有する裁判所書記官(本件では,本件労働審判を担当した裁判所書記官)に問い合わせることは至極妥当なものであると解されること,同書記官の回答内容が,本件労働審判が告知された期日の期日調書を受け取った日が異議申立ての起算点となるというものであり,この内容は,労働 )に問い合わせることは至極妥当なものであると解されること,同書記官の回答内容が,本件労働審判が告知された期日の期日調書を受け取った日が異議申立ての起算点となるというものであり,この内容は,労働審判法21条1項が「審判書の送達又は・・・労働審判の告知を受けた日から2週間」と規定していることに照らしても,一般人にとってにわかに誤りであるとの判断をし難いものであり(むしろ,「審判書の送達」に該当すると解してもやむを得ないといえる。),当該回答が異議申立期間徒過の決定的要因となったといえること,行政庁が誤って法定の期間よりも長い期間を審査請求期間として教示した場合の救済規定である行政不服審査法19条の趣旨は,行政庁による教示内容を信じて行動するのはやむを得ないものであるところ,これに従って行動したために不服申立ての機会を逸する不利益から国民を保護することであると解され,同趣旨は,本件にも妥当することなどを考慮すると,原告が本件訴訟を追行する上で通常用いうると期待される注意を尽くしても避けられないと認められるような事由があったと解するのが相当である。 よって,原告が裁判所書記官の回答内容に従って第2回労働審判手続期日調書を受け取った日から2週間が経過する前に本件異議申立てをしたことによりその事由が止んだものというべく,これと同時に本件異議申立ては当裁判所に受理されたのであるから,これによって懈怠した訴訟行為は適法に追完されたものと解するのが相当であり,本件異議申立ては適法であると認められる。 2 争点(懲戒解雇の有効性)について⑴ 争点ア(本件就業規則の効力の有無〔周知の有無〕)について就業規則を労働者に周知させていたというためには,常時各作業場の見やすい場所に備え付ける方法等により,実質的に見て事業場の労 ⑴ 争点ア(本件就業規則の効力の有無〔周知の有無〕)について就業規則を労働者に周知させていたというためには,常時各作業場の見やすい場所に備え付ける方法等により,実質的に見て事業場の労働者に対して当該就業規則の内容を何時でも知りうる状態に置いていたことを要するものというべきである(労働基準法106条1項参照)。 そこで検討すると,証人Eは,本件就業規則は事務所と従業員の休憩室に1冊ずつ置いてあった,また,被告の休憩室のホワイトボードには本件就業規則が吊してあり,原告が在職していた時期にもそれがあったのを見ている旨証言しており,同証言に特段の疑いをいれるべき具体的事情は窺われず,原告自身,本人尋問において,本件通告後ではあるが,休憩室に本件就業規則が置いてあるのを見た旨供述していることからすると,本件就業規則については,少なくとも休憩室に備え置かれる形で周知されていたものと認められ,これを覆すに足りる証拠はない。 この点について,原告は,本件雇用契約の締結時である採用時に本件就業規則を提示されていなかった以上,周知性を欠くというべきである旨主張する。 しかし,就業規則が労働者に対して拘束力を有するために必要な周知は,当該労働者の採用時又は採用直後において当該就業規則の内容を知りうる状態があれば足り,当該労働者が採用の際に実際に就業規則の内容を知っている必要はないことからすると,原告の主張を採用することはできない。 争点イ(懲戒解雇事由の有無)について原告作成に係る本件労働審判の申立書(乙1)には「人事部の上司が言っている経歴詐称というのは入社する際,相手方の会社にどうしても入社したいという気持ちで,こんな物を書いたら採用するはずもないから書かなかったことになる。」 審判の申立書(乙1)には「人事部の上司が言っている経歴詐称というのは入社する際,相手方の会社にどうしても入社したいという気持ちで,こんな物を書いたら採用するはずもないから書かなかったことになる。」と記載されていること,原告自身,本人尋問において,本件通告の際に本件職歴を認めなかった理由について,それを認めてしまうと解雇のおそれがあると思った旨供述していること,また,その他の職歴は勤務期間が本件職歴より短いものでも記載されているのに(乙3),本件職歴は直前の職歴であるにもかかわらず記載されていないことからすると,原告は,本件職歴が被告に判明した場合,採用されることはないであろうということを危惧し,本件雇用契約の締結に際してあえて本件職歴を本件履歴書に記載しなかったものと認めることができる。 そして,被告は,被告が風営法の規制を受けるパチンコ店の経営を業とする会社であり,風紀を乱すような行為があった場合に警察当局による指摘を受けないために,被告は慎重に行動する必要があり,風俗店勤務の従業員の存在が客の間で噂になることを防止する必要があることから,本件職歴の有無は被告にとって重要な事実である旨主張しているところ,この主張については一応の合理性があるといえること,前記前提事実のとおり,平成21年4月頃に原告の本件職歴が判明した後,被告は原告に対して事実確認をした後直ちに本件通告により解雇予告をしている経過があること,前記前提事実イのとおり,被告は採用の際にはギャンブル,客との飲食,消費者金融からの借金及び刺青等の禁止を誓約させる内容の本件誓約書(甲6)の提出を求めており,原告自身,借金や刺青の有無について聞かれたことは認めているのであって(甲8),被告は従業員の素行に注意を払っていたと認められることから 誓約させる内容の本件誓約書(甲6)の提出を求めており,原告自身,借金や刺青の有無について聞かれたことは認めているのであって(甲8),被告は従業員の素行に注意を払っていたと認められることからすると,本件雇用契約締結時,被告が原告の本件職歴について知っていた場合は,企業秩序に対する影響等を考慮して,本件雇用契約を締結しなかったか,又は採用に関してより慎重な検討をした上で対応策を講ずるなどの結論を出したであろうと認められる。 以上の事実によると,原告が本件職歴を本件履歴書に記載しなかったことは,「にせの経歴を作り,その他不正なる方法を用いて雇入れられた時」(本件就業規則第36条⑿)という懲戒解雇事由に該当すると認められる。 この点について,原告は,本件就業規則第36条⑿は,企業秩序を具体的に侵害したような重大な経歴詐称をいうものと解するのであって,本件の場合にはこれに当たらない旨主張する。 しかし,原告の行為が本件就業規則に規定する懲戒事由に一応は該当することは上記で述べたとおりであり,原告が主張する企業秩序に対する具体的な侵害の有無及び程度については,後記の解雇権濫用の有無で個別的に考慮して検討するべきであることからすると,原告の主張を採用することはできない。 争点ウ(解雇権濫用の有無)について上記のとおり,被告は,被告の事業には風営法の規制が及び,その観点からすると,原告の本件職歴が客の間で噂になると業務に支障が生ずる旨主張するところ,確かに,被告の主張には一定の合理性は認められ,また,被告は原告に事実確認をし,その確認がとれた上で解雇の事由を伝えており,その後,本件職歴について原告から具体的な弁明を申し出たことに対して被告が対応 合理性は認められ,また,被告は原告に事実確認をし,その確認がとれた上で解雇の事由を伝えており,その後,本件職歴について原告から具体的な弁明を申し出たことに対して被告が対応することを拒否したというような事実も認められないから,被告は原告の利益保護のための相当な手続を履践していたものといえる。 しかし,原告が風俗店で働いていた期間は約2か月半という比較的短い期間であったこと,本件通告後約1か月にわたり,被告は原告をホールスタッフとしての就労を継続させており,企業秩序に対する影響を危惧して客との接点のない職務に配置転換するなどの措置も執っていないこと,後述のとおり,原告の立場は期間の定めのある契約によるアルバイト従業員に過ぎなかったことからすると,原告が本件職歴を記載しなかったことによって企業秩序が具体的に侵害されたことがあったとしても,程度としては軽微であったといえる。 そして,本件証拠上,本件雇用契約を締結するに際して行われた面接において,面接担当者が原告に風俗店勤務の有無を個別に確認しているか否かは明らかではないほか,本件職歴は被告で就労を開始する前の直前の職歴であることからすると,面接担当者としては,少なくとも直前の職歴につき履歴書に記載がない以上それを確認するのが自然であると思われるものの,面接担当者がかかる質問をしたか否か,それに対して原告がどのような回答をしたかという点については被告において立証されていないこと(なお,証人Eは面接を実際に担当した者ではなく,被告から当該担当者の尋問申請はなされていない。)からすると,本件においては,結局,原告には本件職歴を申告しなかったという不作為があったにとどまるものといわざるを得ない。また,採用を望む者が,採用面接に当たり,自己に不利 申請はなされていない。)からすると,本件においては,結局,原告には本件職歴を申告しなかったという不作為があったにとどまるものといわざるを得ない。また,採用を望む者が,採用面接に当たり,自己に不利益な事実の回答を避けたいと考えることは当然予測されることであり,採用する側もこれを踏まえて採用を検討するべきであるところ,本件職歴に関しても原告が自発的に申告するべき義務があったともいえない。 そして,本件通告以前において,原告の勤務態度等について特段問題があったとも認められない。 以上の事実を総合すると,上記懲戒解雇事由をもって懲戒解雇としたことは,本件に顕れた事情の下においては重きに失しているといえ,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であるとは認められない。 したがって,本件解雇は解雇権の濫用に当たり,無効である。 3 争点(期間の定めのある契約である場合の更新拒絶の有効性)について 争点ア(本件雇用契約は期間の定めのある契約であるか否か)についてア原告は,本件就業規則の定めからすると,被告において期間の定めのある契約は予定されておらず,就業規則の最低基準効により,本件雇用契約は,期間の定めのない契約となる旨主張する。 この点について検討すると,就業規則の最低基準効(労働契約法12条)は,「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定め」た場合に問題となるところ,確かに,本件就業規則(甲4)は,期間の定めのない契約を対象として規定されたものであると解され,その他アルバイト等の期間の定めのある契約を明示的に区別して対象とし,それらの職制について別の規律を定める就業規則は存在しない。 しかし,証拠(乙2,証人E)及び弁論の全趣旨によれば,被告においては,期間の定め ある契約を明示的に区別して対象とし,それらの職制について別の規律を定める就業規則は存在しない。 しかし,証拠(乙2,証人E)及び弁論の全趣旨によれば,被告においては,期間の定めのある契約を締結した労働者が現実として相当数存在し,被告が採用する雇用形態として期間の定めのある契約は当然のものとして定着していたといえ,その旨被告従業員らも全員認識していたと考えられること,原告を含む被告のアルバイト従業員らは,雇用期間は2か月と記載された「アルバイト労働条件通知書(初回)」と題する書面(甲1の書式のもの)に基づき雇用契約を締結しているものと認められ(乙2,証人E,弁論の全趣旨),雇用期間が2か月であることを当初から明確に認識していたといえることからすると,本件就業規則に期間の定めのある契約を区別して別に規定した項目が存在しないからといって,原告が主張するように,被告のアルバイト従業員に係る雇用契約が期間の定めのない契約となると解することは,当事者の合理的意思からも被告の運営状況からも著しく乖離するものといえ,これらによれば,被告が本件就業規則で期間の定めのない契約を労働者の一定の権利や利益として規定しているものと解することはできないというべきである(この点,退職金や賃金等,就業規則により基準が規定されていると明確に判断することができる場合と異なるといえる。)。 以上のことから,期間の定めのない契約という労働条件が,上記「就業規則で定める基準」(労働契約法12条)として本件就業規則に規定されていると解することはできず,本件雇用契約の雇用期間については,最低基準効が問題となる場面と解することはできないから,原告の主張を採用することはできない。 イ原告は,本件雇用契約については更新手続は とはできず,本件雇用契約の雇用期間については,最低基準効が問題となる場面と解することはできないから,原告の主張を採用することはできない。 イ原告は,本件雇用契約については更新手続は1回もなされておらず,黙示の更新(民法629条1項)がなされたことにより,更新後の契約は期間の定めのないものとなった旨主張する。 この点について検討すると,まず,前記前提事実アの1回目の更新については,「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)に記載された日付が,当初は「平成21年1月21日」と記載されているのに,後から「1月21日」の数字部分を二重線で訂正して「3月1日」としてあるため,いずれの日に上記書面が作成されたものであるかにつき争いがあるが,証人Eは,同年1月21日に署名押印をしてもらったものであり,訂正されているように見えるのは人事部の者が社会保険加入手続の関係からか鉛筆で書き込んだものに過ぎないとしており(乙2),原告自身,この書類を書いた正確な時期を覚えているわけではないとしていることからすれば(甲8),甲2が作成されたのは1回目の更新時期である同日であったと認められ,これによれば,1回目の更新手続については書面により履践されていたものといえる。そして,2回目の更新については,前記前提事実イのとおり,書面による更新手続がなされたとは認められないものの,そうであっても「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)に記載された前記前提事実アの契約条項によって行われたものと認められる。 上記認定事実によれば,期間満了後の事実上の就労継続による更新(原告が主張する民法629条1項による更新)ではないことから,更新後の本件雇用契約の期間の定めの有無は,民法上の上記 る。 上記認定事実によれば,期間満了後の事実上の就労継続による更新(原告が主張する民法629条1項による更新)ではないことから,更新後の本件雇用契約の期間の定めの有無は,民法上の上記条文の解釈の問題ではなく,当事者の合理的意思解釈の問題であると解するのが相当であり,本件において,本件雇用契約の締結後,本件通告までの期間は約6か月に過ぎず,その間の更新回数は2回のみであり,また,うち1回は契約期間を明示した「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)による更新手続がなされていること,証拠(甲1,2)によると,本件雇用契約の期間が2か月である旨の記載に続く形で契約更新の記載がされているなどの事情からすると,当事者の合理的意思としては,本件雇用契約が2回目の更新時に期間の定めのない契約に転化したものとは解することができず,本件雇用契約の2回目の更新後の雇用期間は,従前の内容と同様に2か月であったと解するのが相当である。 よって,原告の主張を採用することはできない。 争点イ(本件通告は,更新拒絶の意思表示も含むといえるか否か)について被告は,本件通告には更新拒絶の意思表示も含んでいた旨主張する。 そこで,この点について検討すると,本件就業規則第34条によると,懲戒解雇の場合には解雇予告をしないで解雇するとされているものの,本件において30日前の解雇予告がされている点で本件就業規則の規定とは相違しており,使用者の意思としては懲戒解雇に厳密に固執していたとはいえず,その主眼は原告との雇用契約の終了にあったものと解することができること,被告は,前記前提事実アのとおり,本件雇用契約が期間満了となる平成21年5月20日に近接した時期においても,原告からの雇用の依頼に対して被 との雇用契約の終了にあったものと解することができること,被告は,前記前提事実アのとおり,本件雇用契約が期間満了となる平成21年5月20日に近接した時期においても,原告からの雇用の依頼に対して被告が原告を雇用することはできない旨述べており,同イないしオのとおり,被告において,原告との雇用関係を終了させようとする態度はそれ以降本件訴訟に至るまで一貫しているといえ,その他懲戒解雇が無効であるとなった場合には雇用関係の消滅の効果を欲しなかったと解されるような事情も特段存在しないこと,前述のとおり,当事者の合理的意思からしても本件雇用契約が2回目の更新時に期間の定めのない契約に転化したと解することはできず,本件雇用契約の2回目の更新後の雇用期間は,従前の内容と同様に2か月であったと解するのが相当であるところ,その2回目の更新後の雇用期間の満了日は平成21年5月20日であり,本件通告によって予定された解雇日はその4日前である同月16日であって,かつ,本件において,被告は,本件職歴の真実性について原告自身に事実確認を行い,その確認が取れた上で解雇事由として本件職歴を本件履歴書に記載しなかったことである旨を伝え,一定の手続を経た上で懲戒解雇事由に該当するとして原告との雇用関係を終了させる旨を伝えており,これらによれば,原告においては,被告がこれ以上原告との雇用関係を継続していく意思がないことを当然に認識し,仮に本件通告によって示された同月16日に被告との雇用関係が終了しなかったとしても,期間満了となる同月20日には被告との雇用関係が終了することについて両者の間に共通認識があったものと考えられることからすると,以上のような具体的事情のある本件においては,本件通告は,懲戒解雇に固執して確定的にその効力を生じさせようとするものではなく ことについて両者の間に共通認識があったものと考えられることからすると,以上のような具体的事情のある本件においては,本件通告は,懲戒解雇に固執して確定的にその効力を生じさせようとするものではなく,原被告間の雇用関係を終了させる更新拒絶の意思表示を当然に内包していたものと解するのが相当である。 争点ウ(解雇権濫用法理の類推の有無)について原告は,本件雇用契約は実質的に期間の定めのない契約であったか,又はそうでなくとも雇用継続に対する労働者の合理的期待があったといえるから,解雇権濫用法理が類推適用される旨主張する。 この点,確かに,原告が主張するように原告が1回目の更新に際して署名した「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)の「雇用期間」欄に「自動的に更新」される旨が記載されており,その1回目の更新以降に原告には社会保険及び雇用保険が適用されるようになったほか,2回目の契約更新手続の時期においては更新契約書の作成をするなどの更新手続がとられた形跡はなく,また,他のアルバイト従業員に関して更新拒絶をした事例について,被告から何ら具体的な立証はなされていない。 しかし,本件雇用契約においては,契約締結時にアルバイトとしての期間雇用であることが明示されていたほか,その期間は,全体を通じても6か月と短く,更新回数も2回にとどまっていること,2回のうち1回は契約期間を明示した「アルバイト労働条件通知書(更新)」と題する書面(甲2)による更新手続がなされていたこと,被告においては,各店舗に配置されている店長,主任,副主任,主査等の役職者や,設備のメンテナンス等の慎重に扱う必要がある業務については正社員が,これ以外にホール内の掃除等の雑務を担当するものとしてアルバイト従業員が に配置されている店長,主任,副主任,主査等の役職者や,設備のメンテナンス等の慎重に扱う必要がある業務については正社員が,これ以外にホール内の掃除等の雑務を担当するものとしてアルバイト従業員がそれぞれ配置されており,また,アルバイト従業員から正社員になるためには役職者の推薦が必要であり,自動的に正社員になることはないほか,正社員の場合には交通費や食費,残業代が支給されるが,アルバイト従業員にはなく,制服も別であるなど,両者は業務内容,職制,待遇において厳密に区別されて存在し,被告においては長期にわたりかかる人事制度の下で運営がなされてきたと認められること(甲1,2,弁論の全趣旨),及び上記イで述べたところからすると,原告が主張するその他事情を考慮したとしても本件雇用契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態にあったと解することができず,また,原告に雇用継続に対する期待があったとしても,その保護の程度については,更新が長期にわたり繰り返されたような場合とはおのずから合理的な差異があるというべきである。 そうすると,本件雇用契約の更新拒絶について解雇権濫用法理が類推適用されず,本件雇用契約は,期間満了により終了したか,少なくとも,①上記 で述べたとおり,原告が本件職歴をあえて本件履歴書に記載しなかったことは懲戒解雇事由に該当し,かつ,そのことが被告の他の従業員によって報告されたという経緯や労使間の信頼関係の根幹にかかわる採用時の経歴詐称という行為の性質に照らしても,被告においては,職場の規律維持の観点から,原告に対して何らかの処分を行う必要性があったといえること,②前記前提 事実 イのとおり,原告は,本件雇用契約を締結する直前の平成21年11月上旬頃まで風俗店で就労しており,原告が被告での就労 から,原告に対して何らかの処分を行う必要性があったといえること,②前記前提 事実 イのとおり,原告は,本件雇用契約を締結する直前の平成21年11月上旬頃まで風俗店で就労しており,原告が被告での就労を開始した後もなおそれが同店のホームページ上に掲載されていたことは,本件誓約書をとるなどして従業員の素行に注意を払っていた被告にとって看過できない性質の事柄であったといえること,③上記2のとおり,被告は,本件通告に当たり,原告の利益保護のための相当な手続を履践していたといえる上,本件解雇までに1か月の予告期間を与えており,その予告期間の終期は本件雇用契約の期間満了と極めて近接していたこと及び④上述した本件雇用契約において雇用継続への期待が保護されるべき程度等の本件の具体的事情を踏まえて総合的に考慮すれば,原告への処分を懲戒解雇としたことが前述のとおり行き過ぎであったとしても,本件雇用契約をその期間満了をもって終了とし,以後の更新をしないものとしたことには合理的な理由があり,これをもって社会通念上相当性を欠くということはできないというべきである。 そして,原告と被告との間で,就労を拒絶された平成21年5月17日から同月20日までの間は本件雇用契約が継続していたのであるから,この間の原告の被告に対する賃金は発生するものといえる。 4 争点(時効成立の有無)について上記1で述べたところによれば,この点に関する被告の主張は採用することができない。 5 結論以上の次第で,本件において懲戒解雇は無効であって,本件雇用契約は期間満了により平成21年5月20日をもって終了したものと認められることから,原告の請求は,同月17日から同月20日までの4日間に相当する賃金の支払及び支払期日の翌日である同年6月26日 用契約は期間満了により平成21年5月20日をもって終了したものと認められることから,原告の請求は,同月17日から同月20日までの4日間に相当する賃金の支払及び支払期日の翌日である同年6月26日以降の遅延損害金を求める限度において理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却することとし,訴訟費用については民事訴訟法64条本文,同条ただし書,61条を適用し,仮執行宣言の申立てについては,訴訟費用についてはその必要がないのでこれを付さないこととし,その余の原告勝訴部分についてはこれを付すこととして,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第1部 裁判長裁判官針塚遵 裁判官戸 﨑 涼子 裁判官林敦子

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