【DRY-RUN】主 文 原判決中「当審における未決勾留日数中八〇日をその本刑に算入する」 との部分を破棄する。 原審における未決勾留日数中五五日を本刑に算入する。 その余の部分に対
主 文 原判決中「当審における未決勾留日数中八〇日をその本刑に算入する」 との部分を破棄する。 原審における未決勾留日数中五五日を本刑に算入する。 その余の部分に対する本件上告を棄却する。 理 由 検察官の上告趣意は判例違反を主張するけれども、原判決は論旨引用の判例に相 反する判断、すなわち刑の執行と重複する未決勾留日数を本刑に算入することが違 法ではない旨の判断を示したものとは解せられないから、所論判例違反の主張は、 前提を欠き、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 しかし、職権により調査すると、次の事実が記録上明らかである。 被告人は本件窃盗被告事件につき起訴(第一回)された昭和三八年一月二三日勾 引状の執行を受け、翌二四日勾留状の執行を受け、それ以後引続き勾留を継続され ているものである。そして原審は昭和三八年九月二八日被告人に対し、被告人の控 訴を棄却し、原審における未決勾留日数中八〇日を本刑に算入する旨の判決を言い 渡したのである。しかし、被告人は別件窃盗罪による懲役一年六月(未決勾留日数 裁定七〇日、法定一五日算入)の刑につき仮出獄中であつたものであり、第一審判 決言い渡し前である昭和三八年二月二〇日、仮出獄取消による残刑の執行が開始さ れ、本件が原審に係属中であつた昭和三八年八月三日その執行を終了したものであ る(記録一三八丁)。 したがつて、右残刑執行中は勾留と刑の執行とが競合していたのであつて、その 期間中の未決勾留日数を本刑に算入することは違法であることは、論旨引用の判例 の示すところである。されば、原審における未決勾留日数の算入しうべき限度は、 右刑執行終了の習日たる昭和三八年八月四日から、原判決言い渡しの日の前日たる - 1 - 同年九月二七日までの五五日である。しかるに原判決がこれを されば、原審における未決勾留日数の算入しうべき限度は、 右刑執行終了の習日たる昭和三八年八月四日から、原判決言い渡しの日の前日たる - 1 - 同年九月二七日までの五五日である。しかるに原判決がこれを超えて、原審におけ る未決勾留日数中八〇日を本刑に算入する旨言渡したことは、刑法二一条の適用を 誤まつたもので、これを破棄しなければ著しく正義に反するといわねばならない。 よつて刑訴四一一条一号、四一三条但書により、原判決中「当審における未決勾 留日数中八〇日をその本刑に算入する」との部分を破棄し、刑法二一条により原審 における未決勾留日数五五日を本刑に算入することとする。原判決中未決勾留日数 の算入に関する部分以外に対する上告については、上告趣意として何らの主張がな く、その理由がないことに帰するから、刑訴四一四条、三九六条によりこれを棄却 すべきものとする。訴訟費用については同一八一条一項但書により被告人に負担さ せないこととし、主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。 検察官 玉沢光三郎公判出席 昭和三九年二月七日 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 奥 野 健 一 裁判官 山 田 作 之 助 裁判官 草 鹿 浅 之 介 裁判官 城 戸 芳 彦 裁判官 石 田 和 外 - 2 -
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