昭和22(れ)92 強盗、窃盗、住居侵入

裁判年月日・裁判所
昭和22年12月4日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 0
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人青山新太郎上告趣意第一点は「原判決ハ採証ヲ誤リ且判決ニ理由ヲ附セズ 又ハ理由不備ノ違法アルモノトス、即チ原判決ノ採

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判決文本文3,895 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人青山新太郎上告趣意第一点は「原判決ハ採証ヲ誤リ且判決ニ理由ヲ附セズ 又ハ理由不備ノ違法アルモノトス、即チ原判決ノ採証及理由ニ於テ被告ノ原審ニ於 ケル供述即チ自白ヲ第一ノ証拠トス然レ共被告ハ昭和二十一年十二月二十七日ヨリ 昭和二十二年六月二十七日原判決ニ至ル迄満六ケ月ノ長期ニ亘リ勾留セラレ心身共 ニ衰弱シ居リ斯ル時期ニ於ケル自白ヲ第一ノ証拠ト為シタルハ失当ナリ且原判決摘 示第一ノ(一)ノ事実ニ付「強取ノ物品カ判示ノ如クナリトノ点ヲ除キ判示同趣旨 ノ各供述」トアリテ強取ノ物品ガ原判決摘示ノ物品ナリトノ点ニ付テ自白ナキコト ハ原判決自ラ認ムル処ナリ。而シテ其ノ他ノ証拠ニ付被害届ヲ挙グルト雖モ当該被 害物件ト被告ノ強取トノ連絡サレタル証拠ヲ示サズ被害者ガ当該物品ヲ被告ガ強取 シタリトノ証拠ヲ欠ク即チ一方ニ強奪行為アリ一方ニ被害アリタリトノ点ヲ指摘シ タルニ止マリ当該被害物ヲ被告ガ強取シタリトノ証拠ナク理由ナキハ採証ノ方法ヲ 誤リ理由不備ノ違法ナリトス。更ニ原判決ハ其摘示第三ノ事実ニ付「被告人Aハ単 独ニテ同年五月二十二日同年七月五日及同月二十五日ノ三回ニ亘リ千葉県君津郡a 町bc番地農業B外二箇所ニ於テ同人外二名所有ノ衣類約十三点自転車二台ヲ窃取 シ云々」トアリ然レ共之ニ依リテハ其三回ノ内何時何者ノ家ヨリ何物ヲ窃取シタル ヤ判明セズ、凡ソ有罪ノ判決ヲ為スニ当リ斯ル認定及理由ハ結局判決ニ理由ヲ附サ ザルカ尠クトモ理由不備ノ違法ヲ免レザルモノトス」というにある。  しかし、記録によつて取調の状況その他を精査したが、被告人に対する勾留は不 当に長いものとは認められない。従つて、原審において被告人の自白を証拠とした ことは所論のように採証を誤つたものということはできない。又原判決は、被害物 件の品目数量等 査したが、被告人に対する勾留は不 当に長いものとは認められない。従つて、原審において被告人の自白を証拠とした ことは所論のように採証を誤つたものということはできない。又原判決は、被害物 件の品目数量等詳細の点が、被告人の供述だけでは不充分と認めて被害顛末書を証 - 1 - 拠として採用した趣旨とみられる。なお公判廷において被告人に被害顛末書を読聞 けているのに対して、被告人は相違なき旨を供述している。被告人が一定の場所と 日時において強取をなし、他方においてその一定の場所と日時における強取被害の 物件が、被害顛末書をもつて明かにされた以上、当該被害物件を被告人が強取した と認定しても、所論のように採証の方法を誤つた違法はない。又連続一罪を構成す べき数多の行為を判示するには、各個の行為の内容を一々具体的に判示することを 要しない。数多の行為に共通した犯罪の手段方法その他の事実を具体的に判示する の外、その連続した行為の始期終期回数等を明かにし、且財産上の犯罪で被害者又 は贓額に異同があるときは被害者中或る者の氏名を表示するの外、他は員数を掲げ 贓額の合算額を表示する等、これによつてその行為の内容が同一罪質を有する複数 のものたることを知り得べき程度に具体的なるを以て足るのである。従つて、原判 決には所論のような理由不備の違法はない。  同第二点は「原判決ハ虚無ノ事実ニ付有罪ノ法条ヲ適用シタル違法アルモノトス。 原判決摘示第二ノ事実ニ付起訴状ヲ始メ其他ノ記録ニ徴スルモ犯行ハ昭和二十一年 八月二十二日午後十時頃トアリ然ルニ原判決ハ昭和二十一年八月二十三日午後十時 頃ト記載アリテ満一日ノ相違存ス、然レ共原判決摘示ノ日時ニ被告ガ斯クノ如キ犯 行ヲ為シタルコトハ何等ノ証拠ナシ、然ルニ之ニ有罪ノ法条ヲ適用シタルハ結局虚 無ノ事実ニ付有罪ノ法条ヲ適用シタル違法ニ帰スルモノトス、以上ノ如キ 日ノ相違存ス、然レ共原判決摘示ノ日時ニ被告ガ斯クノ如キ犯 行ヲ為シタルコトハ何等ノ証拠ナシ、然ルニ之ニ有罪ノ法条ヲ適用シタルハ結局虚 無ノ事実ニ付有罪ノ法条ヲ適用シタル違法ニ帰スルモノトス、以上ノ如キ次第ナル ヲ以テ原判決ヲ取消シ更ニ相当ノ御裁判ヲ求ムル次第ナリ」というにある。  記録を調べてみると、原判決において犯罪時を昭和二十一年八月二十三日午後十 時頃と記載したのは、昭和二十一年八月二十二日午後十時頃の誤記であると認めら れる。犯罪の日時は、犯罪の構成要件ではないから、逐一証拠をあげてこれを認め た理由を説示する必要はなく、ただ犯行を具体的事実としてその同一性を認め得ら れる程度に判示すればよい。偶々、犯罪の日時に関する証拠の説示中に暇疵があつ - 2 - ても、上告の理由とすることはできない。  従つて、原判決には、虚無の事実につき有罪の法条を適用した違法はない。  被告人上告趣意は「自分は此の度の事件に対して一審、二審も警察で述べた通り 間違有りませんと申し立てましたが、最初自分は此の事件を犯す迄のいきさつに付 て現在の事実と全然違う事を述べましたので相当にCと言う係り刑事に撲られまし た事実は身体に聞く家の者とも面会をさせない許りか何十日何ケ月で呼出しも何に もやらないと夫れから何んの調べもせずに共犯のDを一日二、三回呼出してては煙 草差入れものを食べさしたり自分は呼出しは一度も有りませんでした、不意に呼出 しが有つたので刑事室に行くと姉が来て居りまして自分に面会して刑事さんが日に 一度や二度必ず家に来てお前の事を色々と尋ねる子供が学校に行き泣て来る家とし ても刑事さんに店先で何かと聞かれると商売上非常に困る手数を掛けずに言つて家 に来ない様にしなさい妻のEも事情を知らないのだからお互に身の為だと言われた のは刑事の一つの手段なのです。其の捕まつた当時は自分は米 さんに店先で何かと聞かれると商売上非常に困る手数を掛けずに言つて家 に来ない様にしなさい妻のEも事情を知らないのだからお互に身の為だと言われた のは刑事の一つの手段なのです。其の捕まつた当時は自分は米の買出しで秋田から よく戻るので家では夫れに引張られたと思つたらしいので成る可く其の儘にと思ひ 此方から刑事さんを呼んで家には事件の真相は喋べらないで下さい其のかわり刑事 さんの言う通りと調べが進み早く調書が出来送られて刑も決つてから詰らぬことを 刑事が家内を呼出して自分に前科が五つ有る事から此ん度は買出しの事件ではなく dの事件を喋つたのです夫れに近所の金を使つた家まで行き泥棒であること迄話し たとは警察側にまる切りだまされたのです。此の事実も家内が面会に来て非常に母 親が恐つて居る其の翌日又姉上からお手紙が来ました夫れには家内中がお前の為に いい恥を近所でかいている何の意味で此の様な事をゆうたのか分らないです、自分 は二審で下がる積りで居りましたが警察の顔をよくしてしまへば此方は何でもよい との向勝手自分此の為に直ぐ召喚状を早野裁判長に出し此の間呼出しが有り此の話 を裁判長殿にお話しをしたら最高裁判所に書類を廻してしまつたから上告趣意書に - 3 - 書いて出しなさいと教へられて帰つて来ました。最高裁判所において上告した理由 を汲みとり御審理をお願ひ致します。一、dの事件は自分が全然知らなかつた事、 調書に自分が「アイクチ」持つて入つたとしてある事実は向うの人に尋ねれば分り ますが品物を一つも手をつけない事と二階に上る時初めてFから「アイクチ」取つ ておばさんが、二階に金があると聞き上つて行き五百持つて来た其の時家人が品物 を助けて呉れと泣かれて自分は皆と一部の品物を持つてゆく様にした事実此の時自 分が皆に兄貴顔して居る様に書いてある事や品物を一人で取つて金を自分のふとこ と聞き上つて行き五百持つて来た其の時家人が品物 を助けて呉れと泣かれて自分は皆と一部の品物を持つてゆく様にした事実此の時自 分が皆に兄貴顔して居る様に書いてある事や品物を一人で取つて金を自分のふとこ ろに入れたことになつて居りますが此時品物分配にあづからなかつたのはG一人で す此の事はC刑事部長で四人一緒に出て相談をして書いたので今になれば皆無駄で した。二、調書に今一つの「千葉県ナラハ」の事件でも犯人は彼方らで上つている のに自分の事にしてしまつたのです此の二つの審理をお聞き下さつて再審理をお願 ひ致します。警察側の態度の不思議なやり方に自分は二審で下る積りで居りました が此の新しい日本建設の指導者となる者のやり方と思へませんが何としても此の真 相をお調べ下さい。」というにある。  しかし、記録をよく調べてみても、所論のように暴行又は不当な待遇のために自 白をしたとは認められない、論旨は結局、原審の専権に属する事実認定を非難する ものであつて、上告の適法な理由とはならない。  右の理由により刑事訴訟法第四百四十六条に則り主文の通り判決する。  この判決は裁判官全員の一致した意見である。  検察官十蔵寺宗雄関与   昭和二十二年十二月四日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    真   野       毅             裁判官    沢   田   竹 治 郎 - 4 -             裁判官    斎   藤   悠   輔             裁判官    岩   松   三   郎 - 5 -

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