平成29年10月25日宣告平成29年特第1605号成田国際空港株式会社法違反被告事件 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 被告人から金60万円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,平成27年6月24日から平成29年6月13日までの間,A株式会社上席執行役員兼空港運用部門副部門長兼空港運用部門保安警備部長として,B空港等における警備,防災等の職務に従事するとともに,保安警備部に分掌された業務に関連する物品の調達及び工事の契約事務等の職務に従事していたもの,分離前の相被告人Cは,建築工事業,空港施設・各種サービス業等を目的とするD株式会社の代表取締役として同社の業務全般を掌理していたものであるが,被告人は,前記A株式会社が調達する物品及び設置工事等に係る随意契約の相手方として前記D株式会社など前記Cが契約当事者の名義として使用している会社を選定するなど有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら,同年1月27日頃,千葉県富里市〔以下省略〕に駐車中の自動車内において,前記Cから,現金60万円の供与を受け,もって自己の職務に関して賄賂を収受したものである。 (量刑の理由)被告人は,A株式会社における保安警備等を司る保安警備部に分掌された業務に関連する物品の調達,工事の契約事務等の職務に関して60万円という少なくない賄賂を収受したのであり,高い公共性を有するその職務の公正とこれに対する社会の信頼を害したものであって,結果は重大である。被告人は,浪費等によって多額の借金を負っていたにもかかわらず,そのような生活態度を省みることなくさらに い公共性を有するその職務の公正とこれに対する社会の信頼を害したものであって,結果は重大である。被告人は,浪費等によって多額の借金を負っていたにもかかわらず,そのような生活態度を省みることなくさらに 浪費を続けて借金の返済等に窮した末,賄賂を要求したというのであるから,この点でも悪質性が高い。加えて,本件は単発的なものではなく,同様の行為が繰り返された中の1つである。 被告人の刑事責任は軽視できないが,被告人は,身柄拘束を含む一連の刑事手続を経て本件の重大さを自覚し,反省と謝罪の意思を示して今後の更生を誓っていること,前科がないこと,妻が被告人の監督を誓約していること,一定の社会的制裁を受けたといえることなどの事情を斟酌すると,被告人に対しては,主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予するのが相当である。 (求刑懲役1年6月,主文同旨の追徴)平成29年10月25日東京地方裁判所刑事第1部 裁判長裁判官園原敏彦 裁判官大西惠美 裁判官山部佑輝
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