平成12年(行ケ)第224号審決取消請求事件(平成13年1月22日口頭弁論終結)判決原告ミサワホーム株式会社代表者代表取締役 A訴訟代理人弁理士木下實三同中山寛二同石崎剛被告積水化学工業株式会社代表者代表取締役 B訴訟代理人弁理士浜本忠同佐藤嘉明同高橋邦彦 主文 特許庁が平成10年審判第35118号事件について平成12年5月8日にした審決を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告主文と同旨 2 被告原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯(1) 原告は、名称を「プレファブ住宅ユニット」とする実用新案登録第2500969号考案(平成元年9月26日実用新案登録出願、平成8年3月28日設定登録、以下「本件考案」という。)の実用新案権者である。 被告は、平成10年3月19日、本件実用新案登録につき無効審判の請求をし、特許庁は、同請求を平成10年審判第35118号事件として審理した上、平成12年5月8日、「登録第2500969号実用新案の登録を無効とする。」との審決(以下「本件無効審決」という。)をし、その謄本は同月29日原告に送達された。 118号事件として審理した上、平成12年5月8日、「登録第2500969号実用新案の登録を無効とする。」との審決(以下「本件無効審決」という。)をし、その謄本は同月29日原告に送達された。 (2) 原告は、本件無効審決の取消しを求める本訴提起後の平成12年9月29日、本件実用新案登録出願の願書に添付された明細書及び図面を訂正する旨の訂正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2000-39114号事件として審理した上、同年11月14日、上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし、その謄本は同年12月4日原告に送達された。 2 実用新案登録請求の範囲の記載(1) 本件訂正審決による訂正前の実用新案登録請求の範囲の記載予め箱形に組み立てられて一括して吊り上げられることにより所定位置に設置されるプレファブ住宅ユニットであって、このユニットのコーナ部には、壁面を形成している壁パネルの全高に渡る長さの棒状のコーナ結合材が配置されていて、該コーナ結合材に対して前記壁パネルの側縁部が全高にわたって結合されることにより、それら壁パネルどうしがコーナ結合材を介して連結されてなり、前記コーナ結合材の上端部に、このユニットを吊り上げる際に使用する吊り金物を着脱自在に設けてなることを特徴とするプレファブ住宅ユニット。 (2) 本件訂正審決による訂正後の実用新案登録請求の範囲の記載(注、訂正部分を下線で示す。)予め複数のパネルにより箱形に組み立てられて一括して吊り上げられることにより所定位置に設置されるプレファブ住宅ユニットであって、このユニットのコーナ部には、壁面を形成している壁パネルの全高に渡る長さを有し隣り合う2側面が直交する棒状のコーナ結合材がユニット外側に面して配置されていて るプレファブ住宅ユニットであって、このユニットのコーナ部には、壁面を形成している壁パネルの全高に渡る長さを有し隣り合う2側面が直交する棒状のコーナ結合材がユニット外側に面して配置されていて、該コーナ結合材に対して前記壁パネルの側縁部が全高にわたって結合されることにより、それら壁パネルどうしがコーナ結合材を介して連結されてなり、このコーナ結合材を介して連結される一方の壁パネルの端面が厚み方向に渡って前記コーナ結合材の一側面と当接し、他方の壁パネルの端面が前記コーナ結合材の他の側面と前記一方の壁パネルとの双方に当接可能なようにし、前記コーナ結合材の上端部に、このユニットを吊り上げる際に使用する吊り金物を着脱自在に設けてなることを特徴とするプレファブ住宅ユニット。 3 本件無効審決の理由本件無効審決は、本件考案の要旨を本件訂正審決による訂正前の設定登録時の実用新案登録請求の範囲記載のとおりと認定した上、本件考案は、特公昭61-46624号公報及び特開昭50-98115号公報に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定に該当し、旧実用新案法37条1項1号(注、平成5年法律第26号附則4条1項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法による改正前の実用新案法37条1項1号をいうものと解される。)の規定により無効とすべきものとした。 第3 当事者の主張 1 原告本件無効審決が、本件考案の要旨を本件訂正審決による訂正前の設定登録時の実用新案登録請求の範囲記載のとおりと認定した点は、本件訂正審決の確定により実用新案登録請求の範囲が前示のとおり訂正されたため、誤りに帰したことになる。 本件無効審決が本件考案の要旨の認定を誤った瑕疵は、その結論に影響を及ぼすものであるか 、本件訂正審決の確定により実用新案登録請求の範囲が前示のとおり訂正されたため、誤りに帰したことになる。 本件無効審決が本件考案の要旨の認定を誤った瑕疵は、その結論に影響を及ぼすものであるから、本件無効審決は違法として取り消されるべきである。 2 被告本件訂正審決の確定により実用新案登録請求の範囲が前示のとおり訂正されたことは認める。 第4 当裁判所の判断本件訂正審決の確定により実用新案登録請求の範囲が前示のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって実用新案登録請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると、本件無効審決が、本件考案の要旨を本件訂正審決による訂正前の設定登録時の実用新案登録請求の範囲のとおりと認定したことは、結果的に誤りであったことに帰する。そして、これが本件無効審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、本件無効審決は、瑕疵があるものとして取消しを免れない。 よって、原告の請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第13民事部裁判長裁判官篠原勝美裁判官長沢幸男裁判官宮坂昌利
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