【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を大阪高等裁判所に差戻す。 理 由 弁護人高橋義次、同保坂治喜、中山福蔵の上告趣意第一点について。 原判示第一のご
主文 原判決を破棄する。 本件を大阪高等裁判所に差戻す。 理由 弁護人高橋義次、同保坂治喜、中山福蔵の上告趣意第一点について。 原判示第一のごとく被告人が犯意を以てその町会議員たる職務に関し賄賂を収受した事実の認定は原判決挙示の証拠に照してこれを肯認するに足り、その問反経験則等の違法も存しない。所論は結局原判決の採用した各証拠の全体の趣旨を汲まずに、ただ被告人に利益と目される部分のみを引用して、独自の証拠判断に基ずき事実審たる原裁判所の裁量権内で適法にした証拠の取捨乃至事実の認定を非難するに帰し上告適法の理由とならぬ。 同第二点について。 原判決は第二(イ)として被告人は判示十坪の土地を借受けるに際し小作料として判示のように物納する旨を契約をしたことを認定しているが、判決挙示の証拠によれば、本件土地は農具小屋建築の目的で賃借されたものであることが窺知しえられるのであつて、若しそうであるとしたら、他に特別の事情のない限り、本件土地は耕作の目的で賃借された農地とはいえないから、その借地料は農地調整法九条の二にいわゆる「小作料」にあたらないといわなければならない。なぜならば、同法において小作料とは耕作の目的を以て農地が賃借せられる場合における借賃に限るからである(同法二条一項、二項参照)。されば、前記証拠によつて、小作料として物納する旨を契約をしたことを認定して、被告人の所為を右法条の違反に問擬した原判決には、右法令の解釈を誤つた違法があるか、理由齟齬の違法があるものといわなければならない。 次に原判示第二の(ロ)の事実中「木造建物」とあるのは、判示挙示の証拠に照- 1 -すと「農具小屋」を指すものと理解しえられるのである。 ところで、農地の一部を農具小屋建築の目的に供せんとする場 次に原判示第二の(ロ)の事実中「木造建物」とあるのは、判示挙示の証拠に照- 1 -すと「農具小屋」を指すものと理解しえられるのである。 ところで、農地の一部を農具小屋建築の目的に供せんとする場合は同法六条一項にいわゆる「農地を耕作以外の目的に供せんとするとき」にあたらないという論旨は独自の見解でとるをえないが、農地の一部を農具小屋建築の目的に供する場合でも、同法施行令五条一項五号に定める「耕地整理其の他土地の農業上の利用を増進する為農地を耕作以外の目的に供するとき」に該当すると解しえられないとは限らないのにかかわらず、原判決の挙示している証拠だけでは本件の場合が果して右施行令の定めている場合に該当しないかどうかが明らかではないのであるし、本件土地は十坪にすぎない小面積のものであるから、この賃借は同令同条同項六号昭和二一年農林省告示一四号に定める農地委員会の承認をうれば足り、知事の許可を不必要ならしめる事情のあることを疑わしめるのであるが、この点について、特段り審理をとげないで、前記の証拠だけで知事の許可を受けなかつた旨の判示第二の(ロ)の事実を認定し、これを同法六条一項違反に問擬した原判決にはこれ亦法令の解釈を誤つた違法あるか、理由不備の違法あるものといわなければならない。されば本論旨は結局その理由があつて、原判決は全部破棄を免かれない。 よつて旧刑訴四四七条、四四八条の二に則り裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 検察官茂見義勝関与昭和二六年一一月一五日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官沢田竹治郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官岩 沢田竹治郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官岩松三郎- 2 -
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