【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 弁護人の控訴趣意は別紙記載のとおりでこれに対して当裁判所は次のとおり判断 する。 第一点について。 <要旨>有罪判決
主文 本件控訴を棄却する。 理由 弁護人の控訴趣意は別紙記載のとおりでこれに対して当裁判所は次のとおり判断する。 第一点について。 <要旨>有罪判決を言渡す場合に於ける罪となるべき事実としての犯罪の場所の記載は裁判管轄を明らかにし日時方</要旨>法等と相俟ちて犯罪事実を特定し得る程度において判示するを以て足るものと解すべきところ是を本件について見ると原判決は先づ「被告人は……札幌市ab丁目印刷業A産業の外交員となり……別紙のとおり前後十一回に亘り前記A産業のため集金し或は他に支払のため同人より受取り自己において業務上保管中……いづれもその頃擅に着服横領」と判示し其の別表備考において「(一)……支払の為Bより一万円受領内五千円着服。(二)右Bより紙代として四万四千円受取内二万四千円着服。(三)Bよりマッチ代として一万四千四百円受取内九千六百円着服。(四)札幌市cd丁目C株式会社よりマッチ代として受領着服。(五)BよりD店へ支払のため五千円受領内千五百円着服。(六)小樽市e町E書店より絵葉書代として受領着服。(七)札幌市fg丁目Fより絵葉書代として受領着服。(八)札幌市fh丁目Gよりマッチ及び包装紙代として受領着服。(九)i町H漁業会より便箋代として受領着服。(十)札幌市fj丁目Iより受領着服。(十)札幌市fk丁目J交通公社より絵葉書代として受領着服と判示しているのであつて被告人が金員の受領を為した都度本件着服による業務上横領の所為が既遂に達し従つて其の犯罪の場所は夫々金員を受領した右別表(一)乃(三)(五)国については札幌市ab丁目印刷業A方(四)については札幌市cd丁目C株式会社方(六)については小樽市e町E書店方(七)については札幌市fg丁目F方(八)については札幌市fj丁目I方(十一 )(五)国については札幌市ab丁目印刷業A方(四)については札幌市cd丁目C株式会社方(六)については小樽市e町E書店方(七)については札幌市fg丁目F方(八)については札幌市fj丁目I方(十一)については札幌市fk丁目J交通公社方であることが推知し得られ其の裁判管轄は札幌地方裁判所に属する事実を知り得るのみでなく原判示の日時方法と相俟ちて犯罪事実は特定し得られるのであるから原判決の判示方法は稍々不明確のきらいがないでもないが弁護人主張の如く犯罪の場所の記載がないとは云い得ない論旨は理由がない。 第二点について。 本件記録に現われた諸般の事情を綜合すれば原審が判示事実を認定し被告人を懲役二年の実刑を科したのは量刑重きに失するものと信ずるに足る理由がなく此の点の論旨も亦採用に値しない。 而して職権により記録を精査するも原判決には事実誤認その他違法の点がないから刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却する。 よつて主文のとおり判決する。 (裁判長判事黒田俊一判事猪股薫判事鈴木進)
▼ クリックして全文を表示