【DRY-RUN】○ 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は、原告の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 原告 1 原告の昭和四一年分の所得税について被告が同四四年二月二八日付でした更正 及び過少申告
○ 主文原告の請求を棄却する。 訴訟費用は、原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告 1 原告の昭和四一年分の所得税について被告が同四四年二月二八日付でした更正及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。 2 訴訟費用は、被告の負担とする。 との判決二被告主文と同旨の判決第二原告の請求原因一本件処分の経緯 1 原告は、昭和四一年分の所得税について、昭和四二年三月一五日所得金額を零とする確定申告をしたところ、原告は昭和四四年二月二八日付で所得税額を一八四五万二一〇〇円とする更正及び過少申告加算税九二万二六〇〇円の賦課決定(以下、両処分を合わせて「本件処分」という。)をした。 2 被告は、原告の異議申立てに基づき、同年六月二七日件で、所得税額を一〇七六万三五〇〇円、過少申告加算税を五三万八一〇〇円とする旨の本件処分の一部取消しの決定をし、さらに、東京国税局長は、原告の審査請求に基づき、同四五年三月一〇日付で、所得税額を一〇六五万八五〇〇円、過少申告加算税を五三万二九〇〇円とする旨の本件処分の一部取消しの裁決をした。 二本件処分の違法性しかしながら、本件処分(ただし、前記審査裁決によつて維持された部分。以下同じ。)は、後記のとおり、譲渡所得の金額の計算上、収入金額から控除すべき金額を誤り、所得金額を過大に認定した点において違法であるから、その取消しを求める。 第三請求原因に対する被告の認否及び主張一請求原因に対する認否請求原因一の事実は認めるが、同二の事実は争う。 二本件処分の根拠に関する被告の主張原告の昭和四一年分の所得は、原告が同年六月一七日原告所有の土地(東京都小金井市<以下略>の宅地、二六八七番地<以下略>の宅地、同番地<以下略>の雑種地、合計二八六二・〇七平方メートル。以下「本件土地」という。 一年分の所得は、原告が同年六月一七日原告所有の土地(東京都小金井市<以下略>の宅地、二六八七番地<以下略>の宅地、同番地<以下略>の雑種地、合計二八六二・〇七平方メートル。以下「本件土地」という。)を国(郵政省)に売却(以下「本件売却」という。)して得た不動産の譲渡所得であつて、その所得金額及び税額算出の根拠は、以下のとおりである。 1 譲渡価額一億一二六〇万〇九五〇円 2 譲渡資産の取得価額三七六万八二六五円(一) 原告は、本件売却に先立つて、昭和四〇年一二月六日、芙蓉開発株式会社(以下「芙蓉開発」という。)に対し本件土地を金六〇〇〇万円で左記買戻特約付で売り渡し八以下一「本件買戻特約付売渡し」という。)、右特約に基づく買戻しの時までは原告においてこれを使用することとした。 記(1)売主(原告)が昭和四一年五月末日までに本件土地を郵政省に売り渡した場合には、買主(芙蓉開発)は金六〇〇〇万円でこれを売主に売り戻すことを承諾すること、(2) 前項の場合、売主は遅滞なく買主に対し、(ア)買戻金六〇〇〇万円、(イ)右買戻金に対する期間中日歩二銭五厘の場合による利息金額、(ウ)本取引に要した諸経費、登録税、不動産取得税その他の公租公課の実費及びこれらに対する期間中日歩二銭五厘の割合による利息金額、(エ)手数料一二〇万円を支払うこと。 (二) ところで、右売買は、買戻特約、原告の利息・諸経費・手数料の各支払約定が存在すること、本件土地を原告が使用していたこと及び右売買の際すでに同土地が原告から郵政省に売却されることが予定されていたことなどからみて、原告が芙蓉開発から六〇〇〇万円を日歩二銭五厘その他の条件で借り受けるに際し、右債務の担保のために本件土地を売り渡すという形式、すなわち譲渡担保にすぎないものというべきである。 (三) 現行税法 、原告が芙蓉開発から六〇〇〇万円を日歩二銭五厘その他の条件で借り受けるに際し、右債務の担保のために本件土地を売り渡すという形式、すなわち譲渡担保にすぎないものというべきである。 (三) 現行税法は、現実に発生した経済的成果ないし経済的利益に担税力を測定して課税するいわゆる実質主義を基本原則としているのであるから、その解釈に当たつては、課税の基因となるべき行為の法形式や法的評価よりは、その行為によつて実現をみる実質たる経済的成果に対して税法的評価を行うべきである。 ところで、本件買戻特約付売渡しは、形式は売買であるが、実質は譲渡担保であつて、右売買の時点では担保の提供がされたにすぎないから、譲渡による所得は生じておらず、原告が債務の不履行その他の理由で担保物件を弁済に充てられ、買戻権を失つたとき、はじめて売買による譲渡所得が生ずるものと解すべきである。そして、本件買戻特約付売渡しは、昭和四一年五月一六日前記借入金の弁済がされ原告の買戻権が行使されたことにより、その担保提供の目的は達成され両者間に売買の実質が発生しないままその法律関係は消滅したのであるから、本件売却による譲渡所得の金額の計算上控除すべき本件土地の取得価頷は、買戻価額六四六五万九〇〇〇円ではなく、当初の取得時の価額三七六万八二六五円であるというべきである。 3 譲渡経費二〇七万一一八三円(一) 被告が本件処分において認定した譲渡経費の内訳は次のとおりである。 (1) 取りこわし費八〇万四〇〇〇円(2) 仲介料一〇〇万円その内訳は、aに対するもの七〇万円、太平洋観光株式会社に対するもの三〇万円である。 (3) 測量費六万九〇八三円(4) 登記費用一九万八一〇〇円合計二〇七万一一八三円(二) 〇万円、太平洋観光株式会社に対するもの三〇万円である。 (3) 測量費六万九〇八三円(4) 登記費用一九万八一〇〇円合計二〇七万一一八三円(二) 原告は、本件土地を郵政省に譲渡するに際し、b、c及びdに譲渡契約促進のために支払つた金員、養鶏用設備の一つである「CK立体ふ卵機」の無償寄贈による損害金、種鶏をいわゆる「つぶし」価額で処分したことによる損害金等が譲渡に要した費用であると主張する。 しかし、譲渡に要した費用とは、譲渡のための仲介手数料、登記料、借家人を立ち退かせるための立退料、譲渡の対象たる土地上にある建物等の取りこわし費用等のように、資産の譲渡のために通常直接必要とされる経費を指すのであるから、仮に原告主張のような前記の金員支払等の事実があつたとしても、これらは、譲渡に要した費用ということはできない。また、b、c及びdに対する支出は、原告が同人らに対してその不当利得返還請求権を有する点からも、譲渡経費に当たらないことは明らかである。 4 買換資産の取得価額四二八六万四五六一円その内訳は次のとおりである。 (一) 土地三九五五万七七五〇円(二) 建物三三〇万六八一一円 5 譲渡収入金額六九七三万六一三八九円租税特別措置法(昭和四二年法律第二四号による改正前のもの。以下「旧租特法」という。)三五条、同法施行令(昭和四四年政令第八六号による改正前のもの。以下「旧施行令」という。)二四条四項に基づき、前記1の譲渡価額から前記4の買換資産の取得価額を差し引いて算出した金額である。 6 必要経費三六一万六五〇四円同法旧施行令二四条四項に基づき、別紙計算式(1)によつて算出したとおりである。 7 譲渡益六五七六万九 を差し引いて算出した金額である。 6 必要経費三六一万六五〇四円同法旧施行令二四条四項に基づき、別紙計算式(1)によつて算出したとおりである。 7 譲渡益六五七六万九八八五円旧租特法三八条の二、同法旧施行令二四条四項に基づき、別紙計算式(2)によつて算出したものである。8 特別控除額一五万円 9 総所得金額二三八〇万九九四二円所得税法(昭和四四年法律第一四号による改正前のもの。以下「旧所得税法」という。)二二条二項二号に基づぎ、別紙計算式(3)によつて算出したものである。 10 所得控除額五〇万五〇〇〇円その内訳は次のとおりである。 (一) 配偶者控除額一二万七五〇〇円(二) 扶養控除額二四万円(三) 基礎控除額一三万七五〇〇円 11 課税総所得金額三二三〇万四九四二円前期9の譲渡所得金額から前記10の所得控除額を控除した金額である。 12 所得税額一七〇八万五七八〇円 13 退少申告加算税八五万四二〇〇円したがつて、本件処分は、その所得税額及び過少申告加算税額において右各金額を下回るから、本件処分に違法はない。 第四被告の主張に対する原告の認否及び反論一被告の主張に対する認否被告の主張事実のうち、原告の昭和四一年分の所得が本件売却による譲淀所得のみから成ること並びに同主張1、4、5及び8の各事実はすべて認め、同2のうち、原告が被告主張の日に芙蓉開発に対し本件土地を買戻特約付で売り渡したこと、原告がその後右特約に基づく買戻権を行使したこと及び本件土地の当初の取得時の価額が三七六万八二六五円であること、同3のうち、(一)の(1)、(3)、(4)及び(2)のa及び太平洋観光株式会社(原告主張 告がその後右特約に基づく買戻権を行使したこと及び本件土地の当初の取得時の価額が三七六万八二六五円であること、同3のうち、(一)の(1)、(3)、(4)及び(2)のa及び太平洋観光株式会社(原告主張のeと同一)に対する各仲介料はいずれも認めるが、その余の被告の主張事実はすべて争う(ただし、被告の主張10の事実及び被告主張にかかる前記買戻特約付売渡しの特約の内容については、原告において明らかに争わない。)。 二原告の反論 1 譲渡資産の取得価額について(一) 原告は、被告主張のとおりり、本件売却に立つて、昭和四〇年中に芙蓉開発に対し本件土地を買戻特約付で売り渡し、同四一年五月一六日にこれを代金六四六五万九〇〇〇万円で買い戻したうえ、同年六月一七日本件売却をしたものである。 (二) そして、右買戻特約付売渡しに、独立の譲渡所得原因とみるベきであるから、本件土地の本件売却における譲渡所得の計算上控除すべき取得価額は、六四六五万九〇〇〇円である。 2 譲渡経費について本件売却における譲渡経費として、被告主張の二〇七万一一八三円のほかに、次のとおり三九四二万九三一五円の支出があるから、結局合計四一五〇万〇四九八円となる。 (一) 仲介料三五〇万円(1) fに対する支払一五〇万円同人は、三多摩地区選出の自民党所属代議士故gの秘書であつて、原告と郵政省との間の本件売却の価格交渉を側面から援助してくれ、また、市長の斡旋により原告が本件売却に先立ち本件土地上の抵当権等の負担を抹消するため芙蓉開発から六〇〇〇万円の融資を受けるについて寄与してくれたので、原告は同人に対しその謝礼として一五〇万円を支払つたものである。 (2) hに対する支払二〇〇万円同人は、当時小金井市議会議員であつて、前記(1)の融資の実現に寄与してくれたので てくれたので、原告は同人に対しその謝礼として一五〇万円を支払つたものである。 (2) hに対する支払二〇〇万円同人は、当時小金井市議会議員であつて、前記(1)の融資の実現に寄与してくれたので、原告は、同人に対しその謝礼として二〇〇万円を支払つたものである。 (二) 契約締結促進費三三四三万四三一五円(1) bに対する支払二八三七万三八七一円右bは、原告を債務者とする左記(ア)ないし(オ)記載の各債権を、それぞれ原債権者から譲り受け、原告に対しその請求をしていたものであるが、原告は、同人が本件土地につき抵当権等を有していたので、これを抹消して本件売却を早急に実現するため「bの請求が後記のとおり過大であるにもかかわらず、昭和四〇年一二月六日その請求額どおりの支払いなせざるを得なかつたものである。したがつて、右支払金額のうち、元木及び利息制限法所定の利息の額をこえる部分は、右契約締結促進費ともいうべきものであつて、譲渡経費のうちに含まれるべきものである(なお、原告は、bに対しその後右超過利息分について東京地方裁判所に不当利得返還請求の訴えを提起し、同裁判所に係属中であるが、右訴訟により該不当利得の返還がされた場合には、その際に新たな所得があつたものとみるべきで、このことのために、右支出金の経費性を否定すべきではない。この点、後記(2)、(3)についても同様である。)。 (7) 原債権者日本不動産銀行分六五万七五〇九円原告は、昭和三三年九月六日、右銀行から五六〇万円を、元本返済方法を同三四年二月以降同三八年六月まで毎月二二日限り一〇万円ずつ、同年七月二二日限り三〇万円を返済し、利息を日歩三銭二厘、遅延損害金を日歩四銭とする旨の約定で借り受けた。 右債権は、その後右銀行から、i、jを経て、bに譲渡され、その昭和四〇年一二 一〇万円ずつ、同年七月二二日限り三〇万円を返済し、利息を日歩三銭二厘、遅延損害金を日歩四銭とする旨の約定で借り受けた。 右債権は、その後右銀行から、i、jを経て、bに譲渡され、その昭和四〇年一二月六日現在の残債権額は、元本一〇〇万円、利息・損害金四一万九五六〇円、合計一四一万九五六〇円であつたところ、bは、同日原告に対し同債権の買受代金の名目で一五〇万円、遅延利息の名目で五七万七〇六九円、合計二〇七万七〇六九円を請求し、原告はやむなく同人に同額を支払つた。 したがつて、右支払金員のうち前記残債権額をこえる六五万七五〇九円は、法律上の原因のない超過支払分であつて、契約締結促進費に当たるものである。 (イ) 原債権者協和商工信用株式会社分六一三万〇九四三円原告は昭和三四年五月二〇日右会社から三八四万七〇七九円を、返済期限同三九年八月二〇日、利息年一割五分、遅延損害金日歩八銭の約定で借り受けた。 右債権は、その後右会社から、b、kを経て、再びbに譲渡され、その昭和四〇年一二月六日現在の残債権額は、元本一六八万六六〇九円、遅延損害金九七万一二四三円、合計二六五万七八五二円であつたところ、bは、同日原告に対し元本の名目で五七三万四八〇〇円、遅延損害金の名目で三三五万三九九五円、合計八七八万八七九五円を請求し、原告はやむなく同人に同額を支払つた。 したがつて、右支払金員のうち前記残債権額をこえる六一三万〇九四三円は、法律上の原因のない超過支払分であつて、契約締結促進費に当たるものである。 (ウ) 原債権者l、同m、同n分一八九一万三九二七円原告はoから左記の五口の金員を借り受けた(なお、利率は、いずれも月四分の約であつた。)。 <23990-1>右債権は、その後oの死亡によりl、同m、同nにおいて相続し、同人らから、pを経て、bに譲渡され、その昭 の五口の金員を借り受けた(なお、利率は、いずれも月四分の約であつた。)。 <23990-1>右債権は、その後oの死亡によりl、同m、同nにおいて相続し、同人らから、pを経て、bに譲渡され、その昭和四〇年一二月六日現在の残債権額は、元本四五六万七六〇九円、遅延損害金四八〇万九一三一円、合計九三七万六七四〇円であつたところ、bは同日原告に対し元利合計として二八二九万〇六六七円を請没し、原告はやむなく同日bに同額の支払をした。 したがつて、右支払金員のうち前記残債権額をこえる一八九一万三九二七円は、法律上の原因を欠く超過支払分であつて、契約締結促進費に当たるものである。 (エ) 原債権者q分九七万七五〇〇円原告は、昭和三八年一月二〇日、右qから二〇万円を、返済期限は一〇日後、利息は一〇日で一割との約定で借り受け、その後利息制限上の元利二六万円を完済したが、bは右債権を譲り受けて、原告に対し九七万七五〇〇円を請求し、原告は本件売却実現のため同四〇年一二月六日bに同額の支払いをせざるを得なかつた。 したがつて、右支払金員は、契約締結促進費に当たるものである。 (オ) 原債権者r分一六九万三九九二円原告は、昭和三八年五月八日、右rから四〇〇万円を、返済期限一か月後、利息月四分の約定(ただし、天引利息及び、手数料(みなし利息)三二万円、弁護士費用(みなし利息)二〇万円を控除した手取借入金額は三四八万円である。)で借り受けたところ、その後bが右債権を譲り受け、同人は、昭和四〇年一二月六日、右同日の残債権額が利息制限上五六八万八〇八八円であるのに、原告に対し七三八万二〇八〇円を請求し、原告は同日やむなくbに同額を支払つた。 したがつて、右支払金員のうち前記残債権額をこえる一六九万三九九二円は、超過支払分であつて、契約締結促進看に当たるものである。 対し七三八万二〇八〇円を請求し、原告は同日やむなくbに同額を支払つた。 したがつて、右支払金員のうち前記残債権額をこえる一六九万三九九二円は、超過支払分であつて、契約締結促進看に当たるものである。 (2) cに対する支払三八六万〇四四四円(7) 原告は、亡cから昭和三九年六月二四日に一〇〇万円(ただし、天引利息四〇万三八〇〇円)、同年七月八日に八〇万円(ただし、天引利息二七万二八〇〇円)、同年八月二〇日に七〇万円(ただし、天引利息一六万八〇〇〇円)、同四〇年四月四日に二万円、同年九月三〇日に一五万円をそれぞれ借り受け、同人のために本件土地上に抵当権を設定していたので、これを抹消するため、同年一二月六日までに同人に対し右債権について合計五〇二万五四五四円を支払つたが、当時の利息制限法上の元本は一九四万六五三三円、利息は一六万七三二四円であるから、前記支払金員のうち右元利をこえる二九一万一五九八円は超過支払分であつて、契約締結促進費に当たるものである。 (イ) 原告は、dから、昭和三九年一二月一〇日に二〇万円(ただし、天引利息一万六〇〇〇円)、同四〇年一月八日、同年二月六日、同年三月七日、同年四月四日、同年五月四日に各一五万円ずつ、同年六月三日に二五万円、同年八月三〇日に一〇万五〇〇〇円をそれぞれ借り受けたところ、cは同人から右債権を譲り受け、右債権の同年一二月六日現在の利息制限法上の金額が元本一二九万一六三六円、利息一四万一六一〇円、合計一四三万三二四六円であるのに、同日原告に対し元利合計として二三八万二〇九二円を請求し、原告はやむなく同日同人に同額を支払つた。 したがつて、右支払金員のうち前記の利息制限法上の金額をこえる九四万八八四六円は、超過支払分であつて、契約締結促進費に当たるものである。 (3) dに対する支払一二 同人に同額を支払つた。 したがつて、右支払金員のうち前記の利息制限法上の金額をこえる九四万八八四六円は、超過支払分であつて、契約締結促進費に当たるものである。 (3) dに対する支払一二〇万円右dは、前記(2)の(イ)のとおり、原告に対する債権をcに譲渡したので、原告に対してはなんら債権を有しなかつたにもかかわらず、たまたま本件土地について昭和三九年九月二二日付のd名義の所有権移転請求権保全仮登記が抹消されずに残つていたのを奇貨として、同四〇年一二月六日、原告の債権者らに対する清算手続の場に乗りこみ、「一五〇万円渡さなければ、仮登記抹消に必要な書類を渡さない。」と申し向けて、原告から一二〇万円を喝取したのであるが、右金員も、契約締結促進費とみるべきものである。 なお、以上の(2)、(3)の支出は、そもそも借入れの目的が(1)の債権に基づく本件土地に対する強制執行を停止するために必要な費用に充てることにあつたから、結局その所有権保全のための必要経費であつて、仮に譲渡経費に当たらないとしても、資産の取得価額のうちに含められるべきものである。 (三) 本件売却による土地引渡履行のための出費(1) 原告は、本件売却に際し、本件土地の明渡期日を昭和四一年一一月三〇日とする旨約したが、それとともに同年六月一七日小金井市から代替資産たる土地(小金井市<以下略>所在宅地七百余坪。以下「代替土地」という。)を買い受けるに先立ち、同市長との間でその引渡期日を本件土地の前記明渡期日と同日とする旨合意していたところ、代替土地の払下方法について、市議会内に公売入札を行うべきことを主張する者がいたため、その手続がとられることとなり、結局、原告と小金井市との間の代替土地の売買契約の成立は同四二年三月一日、その引浮しは同年四月二五日に至つてしまつた。 (2 入札を行うべきことを主張する者がいたため、その手続がとられることとなり、結局、原告と小金井市との間の代替土地の売買契約の成立は同四二年三月一日、その引浮しは同年四月二五日に至つてしまつた。 (2) 原告は、本件土地上で養鵜業を営んでいた者であるが、右のように代替土地の引渡しが遅延したため、右営業を廃止し、養鶏用設備である「CK立体ふ卵機」四台と種鶏二三〇〇羽を処分せざるを得なくなり、そのため、次の損害を被つた。 (ア) CK立体ふ卵機四台一〇〇万円原告は右機械四台を一台当たり三〇万円で購入してまだ使用しないうちに、急に代替土地のないまま本件土地を明け淀さなければならなくなつたため、これを売却するのに必要な猶予日数もなく、またその保管場所もなかつたので、当時時価一台当り二五万円の右機械四台のうち、一台を都立瑞穂農芸高校に、三台を日本大学農獣医学部にそれぞれ寄贈するほかなかつた。 (イ) 種鶏二三〇〇羽一四九万五〇〇〇円原告は、昭和四一年当時種鶏(直輸入鶏ニユーハンプシヤー種、肉用鶏バントレス種及び白色レグホーン種)二三〇〇羽を飼育していたところ、前記(ア)と同じ事情によりこれらをすべて肉鶏としていわゆる「つぶし」価格で処分せざるを得なかつた。ところで、種鶏の価格は、生産原価でも一羽一〇〇〇円を下らないが、「つぶし」価格は一羽平均三五〇円であつたから、原告は右処分により合計一四九万五〇〇〇円の損害を受けたものである。 3 旧租特法三三条一項の適用について(一) 旧租特法三三条一項により、同法三一条一項二号に該当する資産の売買について所得税課税上の特別措置が定められているのは、土地収用法上の一定の要件をみたす公共の事業の対象となつた土地については、私有財産権はその円満な行使を制限され、その譲渡対価は通常の自由な取引において いて所得税課税上の特別措置が定められているのは、土地収用法上の一定の要件をみたす公共の事業の対象となつた土地については、私有財産権はその円満な行使を制限され、その譲渡対価は通常の自由な取引において実現されるものに比してはるかに低廉になるのであるから、このような権利者に対し税法上の優遇措置を講ずることによつて私有財産権相互の間の実質的公平をはかり、結局は公共の事業に必要な土地等の収用を円滑にする趣旨に出たものと解すべきである。したがつて、同法三一条一項二号所定の「資産について買取の申出を拒むときは土地収用法等の規定に基いて収用されることとなる場合」とは、当該公共事業が土地収用法等の事業の認定を受けている場合に限らず、これを受け得る可能性があるため、対象土地の私有財産権がその円満な行使を妨げられ、自由な取引におけるような譲渡対価を実現し得ない場合をも含むものというべきである。 (二) ところで、小金井市には市制施行後も普通郵便局(いわゆる本局)が存在しなかつたためその誘致運動が起こり、同市長らは、昭和三九年ころから原告に対し本件土地を郵便局庁舎敷地として提供するようにとの交渉を始め、その後郵政省が、本件土地以外の庁舎敷地候補地についていずれも地理的条件等の点で難色を示したため、同市当局者は昭和四〇年末ころ原告に「小金井市への郵便局誘致のためには本件土地を提供してもらう以外に方法がない。」と懇請するに至り、原告に郵政省担当者を引き合わせて膝詰めの交渉に及んだ結果、原告は昭和四一年六月一七日本件売却をするに至つたものであつて、当時の本件土地の時価は坪当たり二〇万円を下らなかつたが、右売却における価格は坪当たり一二万六三〇〇円にとどまつたのである。そして、右の郵便局庁舎の設置の事業が土地収用法三条三一号所定の施設に関する事業であつて、土地を収用 たり二〇万円を下らなかつたが、右売却における価格は坪当たり一二万六三〇〇円にとどまつたのである。そして、右の郵便局庁舎の設置の事業が土地収用法三条三一号所定の施設に関する事業であつて、土地を収用ないし使用し得る事業であることは明らかである。したがつて、本件売却による譲渡所得金額の計算については、旧租特法三三条一項を適用すべきである。 第五原告の反論に対する被告の認否及び再反論一原告の反論に対する認否原告の反論1の(一)の事実は認めるが、同(二)の点は争う。 同2及び3の各事実のうち、本件売却が市の郵便局誘致運動によるものであるとの点は認め、その余は、いずれも争う。 二旧租特法三三条一項の適用に関する再反論 1 右法条適用のための手続上の要件の欠如旧租特法三三条一項所定の課税の特例の適用を受けるためには、当該年分の所得税の確定申告書にその適用を受けようとする旨を記載し、かつ、この規定による譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他旧租特法施行規則(昭和四二年n省令第二七号による収正前のもの。以下「同法旧施行規則」という。)一四条六項五号所定の書類を添付しなければならない(旧租特法三三条三項、三一条五項)ところ、原告は、昭和四一年分の所得税の確定申告書に右規定の適用を受けようとする旨を記載せず、かえつて同法三五条(居住用財産の買換えの場合の譲渡所得の金額の計算)二項及び三八条の六(事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の金額の計算)三項の規定の適用を受けようとする旨を記載して確定申告書を提出しているのである。したがつて、原告は、旧租特法三三条一項の適用を受けるための手続上の要件を欠いている。 2 右法条適用についての実体的要件の欠如旧租特法三三条一項が適用されるためには、当該譲渡が同法三一条一項二号所定の「資産について買取の申出を拒むと の適用を受けるための手続上の要件を欠いている。 2 右法条適用についての実体的要件の欠如旧租特法三三条一項が適用されるためには、当該譲渡が同法三一条一項二号所定の「資産について買取の申出を拒むときは、土地収用法等の規定に基づいて収用されることとなる場合」に該当しなければならないところ、同号所定の場合とは、当該土地の譲渡が、土地収用法による収用手続が開姶され、少なくとも事業認定を経た後にされた場合を指すものと解すべきである。けだし、同規定は、資産を強制収用される者の税負担の軽減を考慮したものであるところ、当該資産につき収用手続が開始され、事業認定が行われて始めて強制収用される具体的可能性を生ずるのであつて、それ以前の段階での任意の売買について減税する必要性は全くないのであり、また、同法三一条一項二号の文言自体が、強制収用の単なる抽象的可能性では足らず、その具体的可能性を生じたときに限つて減税を考慮すべきことを明示しており、さらに、もし、そのように解しないとすれば、官庁が庁舎等の敷地を買い受ける場合には常に同法三三条一項の適用により売渡人が減税されることとなり手当だからである。 ところが、本件売却は、事業認定の申請すらされていない段階で行われたのであるから、同法三三条一項の適用の余地はないのである。 第六被告の再反論に対する原告の答弁一被告の再反論1の事実のうち、原告が旧租特法三三条三項所定の手続をしていないこと、原告提出の確定申告書の特例適用条文欄に「三五条、三八条適用」との文言の記入をしたことは認めるが、その余の点は争う。同法条の書類添付義務に関する規定は訓示規定にすぎない。また、右特例適用条文欄の記入は、被告係官の指示に基づき、その意味も理解しないまま行つたものである。 二再反論2の点はすべて争う(ただし、本件売却が本件土地に 義務に関する規定は訓示規定にすぎない。また、右特例適用条文欄の記入は、被告係官の指示に基づき、その意味も理解しないまま行つたものである。 二再反論2の点はすべて争う(ただし、本件売却が本件土地についての事業認定の申請もなく行われたとの主張事実は、原告において明らかに争わない。)。 第七証拠関係(省略)○ 理由一本件処分の経緯請求原因一の事実は、当事者間に争いがない。 二本件処分の違法事由の有無原告の昭和四一年分の所得が本件売却による譲渡所得のみから成ること、右所得金額及び税額算出の根拠となるべき項目中、譲渡価額が一億一二六〇万〇九五〇円、買換資産の取得価額が四二八六万四五六一円、譲渡収入金額が六九七三万六三八九円、特別控除額が一五万円であることは、いずれも当事者間に争いがなく、また、所得控除額が五〇万五〇〇〇円であるとの被告主張の事実は、原告において明らかに争わないので自白したものとみなす。 そこで、以下、その余の所得金額及び税額算出の根拠項目について、本件処分に原告主張の誤りがあるかどうかを検討する。 1 譲渡資産の取得価額原告が本件土地を当初取得したときの価額が三七六万八二六五円であつたこと、原告は本件売却に先立つて、昭和四〇年中に芙蓉開発に対し本件土地を買戻特約付で代金六〇〇〇万円で売り渡し、同四一年五月一六日にこれを代金六四六五万九〇〇〇円で買い戻したうえで本件売却をしたことは、当事者間に争いがない。そして、成立に争いのない乙第二、第三号証、証人sの証言及び原告本人尋問の結果によると、原告の芙蓉開発への本件買戻特約付売渡しは、原告が同社から六〇〇〇万円を借り受け、右債務を担保するために、本件土地を、被告の主張2の(一)の(1)、(2)のとおりの買戻特約(同特約の内容については、原告において明らかに争わないので、自白 、原告が同社から六〇〇〇万円を借り受け、右債務を担保するために、本件土地を、被告の主張2の(一)の(1)、(2)のとおりの買戻特約(同特約の内容については、原告において明らかに争わないので、自白したものとみなす。)付で、かつ、同土地は買戻期間中原告が継続使用する約定にて、同金額で売り渡したものであること、原告は昭和四〇年分の所得税の確定申告の際には、右譲渡による所得の申告はしなかつたことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はないから、右売渡しは、いわゆる譲渡担保に当たるものということができる。 ところで、譲渡所得に対する課税は、資産の値上りによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が売却その他の処分によつて所有者の支配を離れて他に移転することにより増加益が具体化したときに、これを捉えて課税する趣旨に出たものであるところ、いわゆる譲渡担保の場合には、所有権は形式的には他へ移転するが、それは債務の担保を目的とする限度にとどまり、当該資産に関するその余の権能は譲渡人に引き続き保有されるのであるから、その契約時において、その資産が所有者の支配を離れ増加益が確定的に具体化したものということはできず、所得税法上これをもつて資産の譲渡と解することはできない。したがつて、譲渡担保の場合には、譲渡人がいぜんとして当該資産を所有しているものと考えるほかないから、同人が担保提供の目的を達してこれを買い戻した場合にも、該買戻しをもつて資産の取得とみる余地はなく、結局、その買戻価額をもつて当該資産の譲渡所得の計算上控除すべき取得価額と解することはできない。 してみると、本件売却による譲渡所得金額の算出に当たり、右売渡しの際の特約に基づく買戻しの価額をもつて譲渡収入額から控除すべき本件土地の取得価額と解する余地はなく、原告の当初の取得価額た できない。 してみると、本件売却による譲渡所得金額の算出に当たり、右売渡しの際の特約に基づく買戻しの価額をもつて譲渡収入額から控除すべき本件土地の取得価額と解する余地はなく、原告の当初の取得価額たる三七六万八二六五円を本件売却における取得価額とみるほかない。よつて、この点に関する原告の主張は理由がない。 2 譲渡経費(一) 本件売却による譲渡収入に対する譲渡経費として、取りこわし費八〇万四〇〇〇円、測量費六万九〇八三円、登記費用一九万八一〇〇円及びaと太平洋観光株式会社に対する仲介料合計一〇〇万円の各支出があつたことは、当事者間に争いがない。 原告は右の他に合計三九四二万九三一五円の譲渡経費の支出があつた旨主張するので、以下この点について検討をする。 (二) 仲介料原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によると、原告は、本件売却に先立ち、b等債権者に対する債務を弁済して本件土地に設定されていた抵当権等の負担を抹消するために六〇〇〇万円の融資をうける必要があつたが、小金井市市議会議員h及び元地元代議士秘書fらは、原告が富士銀行筋の芙蓉開発から右金額の融資を受けるについて尽力したほか、債権者bに対する支払関係についても原告のために交渉したこと、原告は昭和四一年六月ころ、右融資の斡旋及びbとの交渉等についての謝礼として、hに対し二〇〇万円、fに対し一五〇万円を支払つたことが認められ、右認定を動かすに足りる証拠はない。しかし、fに対する謝礼には本件売却についての尽力に対する謝礼の意味も含まれていたとの原告の主張については、これに一部符合する原告本人尋問の結果はにわかに採用し難く、他にこれを認めるに足りる適確な証拠もない(原告本人尋問の結果によつても、右の謝礼は主に原告のための融資の斡旋及びbとの交渉に対する謝礼の趣旨であつたことが窺われる。)。ま 結果はにわかに採用し難く、他にこれを認めるに足りる適確な証拠もない(原告本人尋問の結果によつても、右の謝礼は主に原告のための融資の斡旋及びbとの交渉に対する謝礼の趣旨であつたことが窺われる。)。また、仮に、右謝礼に本件売却についての尽力に対する謝礼の意味が含まれていたにしても、そもそも前記謝礼の金額の算定根拠が明らかでなく、したがつて、右金額の中、本件売却に関する謝礼の部分を特定することもできないのであつて、右は所詮、h及びfの各搬にわたる好意的尽力に対する謝意としての贈与にすぎないと認めるほかはなく、それが本件売却にとつて必要な経費であつたとの点は、本件全証拠によつても認めることができない。 (三) 契約締結促進費原告は、本件売却に先立ち、本件土地につき抵当権等を有していた債権者らに対し、その登記の抹消を求めるため同債権者らの請求にかかる利息制限法所定の利息、損害金をこえる金員を支払わざるを得ず、また、同土地について所有権移転請求権保全の仮登記を有していた旧債権者にその抹消を求める関係で金員を喝取されたが、これらは契約締結促進費に当たるから、譲渡経費として控除すべきであると主張する。しかし、旧所得税法三三条三項にいう「資産の譲渡に要した費用」とは、譲渡のための仲介手数料、登記費用等のように、当該資産の譲渡のために直接かつ通常必要な経費を指すものと解すべきであるから、原告主張のように、本件土地についての抵当権設定等の登記を有する債権者らに対する利息制限法の制限をこえる利息等の支払いや、同土地についての所有権移転請求権保全仮登記を有する旧債権者に対する金員の交付が、本件売却の契約締結を促進しようとの原告の意図に出たものであつたとしても、これらをもつて「資産の譲渡に要した費用」と解する余地はなく、また、そのうちc及びdに対する支出分が、 者に対する金員の交付が、本件売却の契約締結を促進しようとの原告の意図に出たものであつたとしても、これらをもつて「資産の譲渡に要した費用」と解する余地はなく、また、そのうちc及びdに対する支出分が、原告主張のように本件土地の所有権保全のために支出されたとしても、これを資産の取得価額の一部を構成するものとみることもできないのはいうまでもない。 (四) 廃業による損失原告は、本件売却に関して、代替土地の取得が遅れたが、右売却に基づく本件土地の引渡しを約定の期限に履行しなければならなかつたため、従前から同土地上で営んできた養鶏業を廃業し、営業用機械を他へ寄贈し、種鶏を肉鶏として売却せざるを得なくなつたので、右損失を本件売却についての譲渡経費として譲渡収入から控除すべき旨主張する。しかし、右損失は、本件売却によるというよりは、むしろ原告による代替土地の取得が遅れたという特殊事情によつて生じたものであつて、これを事業上の損失として事業所得金額の計算上控除し得るか否かは格別、これが本件売却に直接かつ通常必要な経費に該当するとはとうていいうことができ、ないから、原告の右主張は失当である。 3 旧租特法三三条一項の適用の可否原告は、小金井市には普通郵防局(いわゆる本局)がなく、これを誘致する必要があり、その庁舎敷地として本件土地以外に適切な土地がなかつたため本件売却に及んだものであつて、右は旧租特法三一条一項二号所定の場合に該当するから、右売却による譲渡所得金額の計算上、同法三三条一項所定の特例が適用されるべき旨主張する。 しかしながら、同法三三条一項の規定は、その適用を受けようとする年分の確定申告書又は修正申告書にその適用を受けようとする旨を記載し、かつ、譲渡所得の金額の計算に関する明細書及び当該土地が土地収用法三条各号の一に該当するものに関する事 、その適用を受けようとする年分の確定申告書又は修正申告書にその適用を受けようとする旨を記載し、かつ、譲渡所得の金額の計算に関する明細書及び当該土地が土地収用法三条各号の一に該当するものに関する事業等に必要な土地で当該事業の用に供されるものであり、かつ、旧租特法三一条一項二号に規定する事由があると認められる旨を証する書類を添付しない場合には適用しないと定められている(同法三三条三項、三一条五項、同法旧施行規則一四条六項五号)ところ、原告がこれらの手続を経由していないことは当事者間に争いがないから、本件売却による譲渡所得については、同法三三条一項の課税の特例の適用はないものといわなければならない(なお、原告は同法三三条三項等は訓示規定であると主張するが、そのように解すべき合理的理由はない。)。よつて、この点に関する原告の主張も(同規定適用の実体的要件について判断するまでもなく、)採用するに由ない。 三結論以上判示の理由により、原告の、本件売却による譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除すべき者とする各項目に関する主張は、いずれも採用できないから、本件処分に原告主張のような所得を過大に認定した違法があるということはできない。 よつて、原告の請求は理由がないから、これを棄却し、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官杉山克彦加藤和男石川義則)(別紙)計算式(1) 必要経費=(譲渡資産の取得価格3、768、265+譲渡経費2、071、183)×譲渡収入金額69、736、389/譲渡価格112、600、950=3、616、504(2) 譲渡益=譲渡収入金額69、736、389-必要経費3、616、504-350、000=65、769、885(3) 総所得金額=(譲渡益65、769、885-特悦控除 0=3、616、504(2) 譲渡益=譲渡収入金額69、736、389-必要経費3、616、504-350、000=65、769、885(3) 総所得金額=(譲渡益65、769、885-特悦控除額150、000)×1/2=32、809、942
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