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昭和30(ツ)8 損害賠償請求事件

裁判所

昭和30年8月22日 広島高等裁判所 棄却

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635 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 本件上告理由は別紙上告理由等記載の通りである。上告理由について民事訴訟法第百八十五条の認める自由心証主義が裁判官の専恣な判断を許容したものでないことは所論の通りであつて、証拠の取捨が経験則或は論理の法則に反してなされることは許されないものといわねばならぬ。<要旨>しかしながら、ある証拠を信用するか否かの判断は、経験則或は論理の法則により合理的にのみ為し得るもの</要旨>とは限らず、かえつて裁判官の直観、その理論を超越した全人格的な判断に依存する場合が少くないのであるから、証拠を信用し或はこれを排斥する理由を一た記載することはほとんど不可能な場合もあるのである。同法第百九十一条は、判決に理由を記載することを要求しているけれども、証拠の取捨が裁判官の自由なる心証に任せられていること並びに証拠の取捨の理由の記載が常に必ずしも可能であるといえないということに鑑み、同条は証拠の取捨につき一々その理由を記載することを要求しているものではないと解するのを相当とする。従つて、原判決がその理由において、所論の各証言及び控訴本人の供述を単に信用し難いものとして排斥し、その信用し難い理由を説明しなかつたとしても、原判決に理由を附せない違法があるものとは言い難く、論旨は理由がない。よつて、民事訴訟法第四百一条、第九十五条、第八十九条を適用して主文の通り判決する。(裁判長裁判官植山日二裁判官佐伯欽治裁判官松本冬樹)

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