昭和22(れ)1150 北海道漁業取締規則違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和23年2月16日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告は之を棄却する。          理    由  本件上告の趣意第一乃至第三點は末尾に添付してある辯護人鍛冶利一同原谷厚名 義上告趣意書と題する書面記載の通りである。

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判決文本文1,477 文字)

主    文      本件上告は之を棄却する。          理    由  本件上告の趣意第一乃至第三點は末尾に添付してある辯護人鍛冶利一同原谷厚名 義上告趣意書と題する書面記載の通りである。これに對し當裁判所の判断を左に開 示する。  同上告趣意書第一點乃至第三點に對する判断。  原判示によると被告人が原判示の如く鮭を捕獲した場所即ち遊樂部川川口附近は 北海道廳長官が漁類の蕃殖を保護する目的を以て指定したる禁漁區城となつて居る が一方被告人は原判示A會の會員で同會の有する鰛地曳網専用漁業權を行使し得る 權利を有し右禁漁區は同時に右専用漁業權許容區城内に属する爲此地域に於ても右 専用漁業權に属する漁業をすることが出来る。但し被告人は鮭を採捕し得る免許又 は許可は受けないものであると謂ふのである。そとで禁漁區に於ける兩者の利害が 如何に調節せらるべきかと言ふことが問題となる譯である。右禁漁區を設定した北 海道漁業取締規則第三十五條には「魚類ノ蕃殖ヲ保護スル爲指定シタル河川湖沼ニ 於テハ別ニ定ムル期間左ノ漁具漁法ニ依ル水産物ヲ採捕スルコトヲ禁ズ、但シ漁業 權ニ依ルモノ及特ニ採捕又ハ漁業ノ許可ヲ受ケタルモノハ此ノ限ニ在ラズ」と定め られその第三十六條には「前條河川湖沼ニ於テハ左ニ定ムル區域及期間免許又ハ許 可ヲ受ケタル漁業及採貝採藻釣漁業ヲ爲ス外水産物ノ採捕ヲ禁ズ」とある。これに よると被告人は右禁區域城内に於て鰛を捕獲する目的を以て許されたる漁具漁法に 依つて漁業をすることはその權利であつてその爲右禁漁區内に於ける魚族の蕃殖が 妨げられたとしても止むを得ないととである。又魚のことであるあら鰛を取る目的 で網を入れても他の魚族しかも採捕を禁ぜられて居るものが同時に網に入ることも 止むを得ないことでありかかるものは所謂混獲としてこれを採捕して差支へないも のと解すべきであ< のことであるあら鰛を取る目的 で網を入れても他の魚族しかも採捕を禁ぜられて居るものが同時に網に入ることも 止むを得ないことでありかかるものは所謂混獲としてこれを採捕して差支へないも のと解すべきであ<要旨>らう。しかし乍ら許された漁具漁法に依るとは言へ専用漁 業權に認められた漁種即本件では鰛を採る目的では</要旨>なく禁制の漁種たる鮭を 捕獲する目的で漁業を爲すことは許されない。これは自明のことである。蓋しそれ は専用漁業權に属する鰛の漁業ではなく鮭の漁業であるからである。此の場合名を 鰛漁業に藉りその實鮭を採捕する目的で爲す漁業は脱法行爲であつて前同様許され ないものであること勿論である。斯く解釋しても農林大臣により許與せられた鰛地 曳網専用漁業權に下級官廳たる北海道廳長官が前記取締規定によつて制限を加へた と見るべきものではない。原判示によると被告人は許された漁具漁法によつたので はあるが専ら鮭を採捕する目的で漁業をしたのであるからその専用漁業權に属する 鰛漁業を爲したものでなく鮭の漁業を爲したものと認むべきである。従つて被告人 の行爲は右取締規定に違反したと判定した原判決は正當である。鰛地曳網の専用漁 業權を持つて居れば許容された漁具漁法による以上如何なる魚種を採捕するも權利 行爲に属するとか右取締規則が鮭等の採捕を禁じたとすれば上級官廳が與へた權利 に下級官廳が制限を加へたもので無效である等主張する論旨はいづれも理由がな い。  (裁判長判事 小泉英一 判事 久禮田益喜 判事 保持道信 判事 八木田政 雄 判事 堀眞道)

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