【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。 本件を大阪地方裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人東幸生の上告理由について 上告人の訴えは、亡D
主文 原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。 本件を大阪地方裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人東幸生の上告理由について上告人の訴えは、亡DことE(以下「D」という。)が昭和三三年二月二二日に東大阪市長(当時布施市長)に対する届出によってした上告人に対する認知(以下「本件認知」という。)の無効確認を求めるものであるが、原審は、(一) 本件訴えについては、法例(平成元年法律第二七号による改正前のもの。以下同じ。)一八条一項により、認知者であるDの本国法としては大韓民国の法律が適用され、被認知者である上告人の本国法としては我が国の法律が適用される、(二) 大韓民国の認知に関する法律としては、同国民法(一九五八年法律第四七一号)八六二条、八六四条が本件に遡及的に適用されるが、同条によれば、被認知者は、認知の効力を争うには、認知の申告があることを知った日又は被認知者が認知者の死亡を知った日から一年内に認知に対する異議の訴えを提起しなければならない、(三) 大韓民国民法における右の出訴期間の制限は、認知者及び被認知者の双方に適用される要件であるから、上告人が本件認知を知った日及びDの死亡(昭和五〇年一一月二三日)を知った日からいずれも一年を経過した後に提起されたことが明らかな本件訴えは不適法である、と判断して、本件訴えを却下した第一審判決を正当として、上告人の控訴を棄却している。 しかしながら、原審の右(一)及び(二)の判断は正当であるが、(三)の判断は首肯することができない。その理由は次のとおりである。 法例一八条一項は、認知の要件につき、父又は母(以下「認知者」という。)に関しては認知の当時の認知者の属する国の法律によりこれを定め、子(以下「被認- 1 -知者」という。)に関しては である。 法例一八条一項は、認知の要件につき、父又は母(以下「認知者」という。)に関しては認知の当時の認知者の属する国の法律によりこれを定め、子(以下「被認- 1 -知者」という。)に関しては認知の当時の被認知者の属する国の法律によりこれを定める旨を規定しているが、同条は、国籍を異にする認知者と被認知者との間の身分関係を肯定するのに確実を期するとともに、不確実な身分関係を排除するため、認知者及び被認知者のそれぞれの本国法によって認知の要件を具備する場合に認知の効力を肯定することができるものとした規定であると解すべきである。したがって、認知者及び被認知者の各本国法の規定する認知の有効要件が異なる場合には、一方の本国法によって認知が有効とされるだけでは足りず、他方の本国法によっても認知が有効とされるときに、初めて認知の効力を肯定することができ、認知者及び被認知者の各本国法の規定する認知の無効要件が異なる場合には、一方の本国法によって認知が無効とされるときは、他方の本国法によって認知が無効とされないときであってもなお、認知の効力を否定することができるというべきである。 そして、右のような法例一八条一項の趣旨にかんがみれば、子が父に対して認知を求めるにつき、出訴期間の制限がある場合には、父又は子の一方の本国法の規定する出訴期間を徒過していれば、当該認知を求める訴えは不適法として却下を免れないが(最高裁昭和五〇年(オ)第九三号同年六月二七日第二小法廷判決・裁判集民事一一五号一六一頁参照)、子が父に対して父がした認知の無効確認を求めるにつき、出訴期間の制限がある場合には、父及び子の双方の本国法の規定する出訴期間を徒過していない限り、当該認知の無効確認を求める訴えを適法として、認知の効力の有無を判断すべきものである。 これを本件についてみるに の制限がある場合には、父及び子の双方の本国法の規定する出訴期間を徒過していない限り、当該認知の無効確認を求める訴えを適法として、認知の効力の有無を判断すべきものである。 これを本件についてみるに、上告人の訴えは、大韓民国の国籍を有する亡Dが日本国の国籍を有する上告人に対してした本件認知の無効確認を求めるものであるところ、亡Dの本国法である大韓民国民法八六二条、八六四条によれば、本件訴えは同条の規定する出訴期間を徒過しているため、本件認知の効力を争うことはできないが、上告人の本国法である我が国の法律によれば、なお本件認知の効力を争い得- 2 -るものと解されるのであるから、本件訴えはこれを不適法として却下すべきものではなく、本件認知の効力の有無について進んで本案判断をすべきものであったといわなければならない。 右と異なる原審の前記判断は法例一八条一項の解釈適用を誤った違法があり、その違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。これと同旨をいう論旨は理由があり、原判決は破棄を免れず、第一審判決は取り消されるべきである。 よって、本件を第一審に差し戻すこととして、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八八条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官藤島昭裁判官中島敏次郎裁判官木崎良平裁判官大西勝也- 3 - 申し訳ありませんが、提供されたテキストには整形する内容が含まれていないため、整形を行うことができません。別のテキストを提供していただければ、整形を行います。
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