令和元年6月19日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成31年(ワ)第7965号発信者情報開示請求事件口頭弁論終結日令和元年5月8日判決原告株式会社トイズファクトリー 同訴訟代理人弁護士尋木浩司林幸平亀井英樹塚本智康石坂大輔 笠島祐輝佐藤直子佐藤省吾松木信行前田哲男 福田祐実被告ソニーネットワークコミュニケ―ションズ株式会社同訴訟代理人弁護士横山経通渡邉峻 主文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文同旨 第2 事案の概要 1 本件は,実演家Mr.Childrenが歌唱する楽曲を録音したレコードの送信可能化権を有すると主張する原告が,経由プロバイダである被告に対し,氏名不詳者が上記レコードを圧縮して複製したファイルをコンピュータ内の記録媒体に記録して蔵置し,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して自動公衆送信し得る状態にした行為により,上記送信可能化権を侵害され たことが明らかであるとして,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及 被告の提供するインターネット接続サービスを経由して自動公衆送信し得る状態にした行為により,上記送信可能化権を侵害され たことが明らかであるとして,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,上記著作権侵害行為に係る別紙発信者情報目録記載の各情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を求める事案である。 2 請求原因 (1) 被告は,一般利用者に対してインターネット接続プロバイダ事業等を行っている株式会社である。 (2) 原告は,実演家Mr.Childrenが歌唱する楽曲「Printing」ほか全12曲を録音したレコード(以下「本件レコード」という。)を製作し,平成6年9月1日,「AtomicHeart」(商品番号:T FCC-88052)という名称の商業用音楽CDに収録して日本全国で発売した。 (3) 氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)は,本件レコードを圧縮して複製したファイルをコンピュータ内の記録媒体に記録して蔵置した上,被告の提供するインターネット接続サービスを利用して,被告からIPアドレス 「182.171.42.116」の割当てを受けてインターネットに接続し,平成30年11月10日午前1時15分32秒頃,ファイル交換共有ソフトウェアであるShare互換ソフトウェアにより,インターネットに接続している不特定の他の同ソフトウェア利用者からの求めに応じて同ファイルをインターネット回線を経由して自動的に送信し得る状態に置き,もって, 本件レコードの送信可能化権を侵害した。 (4) 本件発信者からみて他のShare互換ソフトウェア利用者は不特定の者であり,本件発信者は,不特定の者に 状態に置き,もって, 本件レコードの送信可能化権を侵害した。 (4) 本件発信者からみて他のShare互換ソフトウェア利用者は不特定の者であり,本件発信者は,不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信(プロバイダ責任制限法2条1号の特定電気通信)を行った。 被告は,このような特定電気通信の用に電気通信設備を供していたのであるから,同法2条3号の特定電気通信役務提供者であり,本件発信者による 本件レコードの送信可能化権侵害との関係において,同法4条1項にいう開示関係役務提供者に当たる。 (5) 原告は,本件レコードの送信可能化権を侵害した本件発信者に対して,損害賠償請求権や差止請求権を行使する必要があるから,本件発信者情報の開示を受ける正当な理由がある。 (6) 被告は,本件発信者情報を保有している。 (7) よって,原告は,被告に対し,プロバイダ責任制限法4条1項に基づき,本件発信者情報の開示を求める。 3 被告の認否(1) 請求原因(1)は認める。 (2) 請求原因(2)及び(3)は不知。 (3) 請求原因(4)ないし(6)は不知又は争う。ただし,一般論として被告が特定電気通信役務提供者及び開示関係役務提供者に該当し得ることは認める。 第3 当裁判所の判断 1 証拠(甲2,3,弁論の全趣旨)によれば,請求原因(2)及び(3)が認められ る。 2 上記1によれば,原告は本件発信者に対して著作権(送信可能化権)侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権等を有するところ,原告が本件発信者に対してその権利を行使するためには,本件発信者情報の開示が必要である。 また,本件発信者に対してインターネット接続サービスを提供して 基づく損害賠償請求権等を有するところ,原告が本件発信者に対してその権利を行使するためには,本件発信者情報の開示が必要である。また,本件発信者に対してインターネット接続サービスを提供していた被告は,プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たり,証拠(甲4,弁論の全趣旨)によれば,被告は本件発信者情報を保有しているものと認められる。したがって,請求原因(4)ないし(6)が認められる。 3 結論 よって,本訴請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 佐藤達文 裁判官 三井大有 裁判官 今野智紀 (別紙)発信者情報目録 平成30年11月10日1時15分32秒頃に「182.171.42.116」というインターネットプロトコルアドレスを使用してインターネットに接続していた者の氏名(または名称),住所及び電子メールアドレス
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