令和6(ワ)115 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年9月26日 仙台地方裁判所
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判決文本文9,042 文字)

- 1 - 主文 1 被告は、原告Aに対し、67万円及びこれに対する令和4年6月24日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、55万円及びこれに対する令和4年6月24日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 3 その余の原告らの請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用はこれを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原告らの負担とする。 5 この判決は、第1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 請求 1 被告は、原告Aに対し、458万8600円及びこれに対する令和4年6月24日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、165万円及びこれに対する令和4年6月24日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 本件は、原告らが、その居住する建物の敷地の南側に隣接する土地上に被告が建物を建築したことにより日照被害を受けたと主張して、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、原告Aにつき458万8600円及び原告Bにつき165万円並びにこれらに対する令和4年6月24日(不 法行為日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 争いのない事実⑴ 当事者ア原告Aは、昭和49年12月3日、別紙1物件目録(以下「本件目録」 という。)記載1の土地(以下「原告土地」という。)を売買によって - 2 -取得し、昭和54年12月26日、同土地上に同記載2の建物(以下「原告自宅」という。)を新築し、以後、同建物に居住している。 イ原告Bは、原告Aの長女であり、原告Aとともに原告自 - 2 -取得し、昭和54年12月26日、同土地上に同記載2の建物(以下「原告自宅」という。)を新築し、以後、同建物に居住している。 イ原告Bは、原告Aの長女であり、原告Aとともに原告自宅に居住している。 ウ被告は、銀行業を営む株式会社である。 ⑵ 被告は、令和4年6月24日、被告のa支店店舗として本件目録記載3の建物(以下「被告店舗」という。)を新築した。なお、被告は、同記載4から6までの3筆の土地(以下、併せて「被告土地」という。)を被告店舗の敷地及び駐車場として利用しているところ、被告店舗は、主に同記載4の土地(原告土地の南側隣地)上に建っている(原告土地、原告自宅、被告 店舗及び被告土地の位置関係等は別紙2図面(甲6)参照)。 ⑶ 被告店舗は2階建てであり、その北側壁面は、原告土地の南側境界から1. 061mの距離にあり、高さ8.23m、横幅15.8mの長方形である。 ⑷ 原告土地及び被告土地が所在するb団地は、その大部分が都市計画法上の第一種低層住居専用地域に指定されており、原告土地も同地域内にある。 また、b団地には、幅員7、8m程度の市道(以下「本件市道」という。)が東西南北に走っており、本件市道に接する土地は、都市計画法上の第一種住居地域に指定され、被告土地も同地域内にある。 ⑸ 第一種住居地域においては、建築基準法56条の2第1項及び宮城県建築基準条例14条に基づく日影規制として、高さが10mを超える建築物につ き、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、平均地盤面から4mの高さの水平面に、敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲において、5時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない旨の建築規制が定められている(以下「本件 地盤面から4mの高さの水平面に、敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲において、5時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない旨の建築規制が定められている(以下「本件日影規制」という。)。 ⑹ 被告店舗は高さ8.23mであるため、本件日影規制の対象にはなってい - 3 -ないが、被告店舗により、原告土地に、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、平均地盤面から4mの高さの水平面に、敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲において、5時間以上日影となる部分が生じている。 3 本件の主要な争点及びこれに対する当事者の主張の概要 ⑴ 被告店舗の建築によって原告らが受忍限度を超えた日照制限を受けるようになったか(原告らの主張)被告店舗の建築による原告土地及び原告建物への日照制限は、次のとおり、その内容及び程度、地域性、被告が執った被害回避の努力の有無並びに交渉 経過等を総合すると、原告らの受忍限度を超えた違法なものである。 ア日照制限の内容及び程度被告店舗により原告土地上には巨大な日影が生じるようになり、日影が最も大きくなる冬至日には、同土地の大部分が4時間以上も日影で覆われる状態になる。また、平均地盤面から4mの高さ(建築基準法56条 の2、同法別表第四の3項(は)欄で定める高さ)に生じる日影を測定した場合、冬至日には、原告土地の南側境界線から水平距離で7.08mの地点でも5時間にわたって日影が生じることになり、原告自宅1階の開口部のほぼ全てが5時間以上にわたって日影で覆われることになる。 被告店舗の高さからすれば、本件日影規制の適用はないが、建築基準法 における利益衡量は一般的・概括的なも 自宅1階の開口部のほぼ全てが5時間以上にわたって日影で覆われることになる。 被告店舗の高さからすれば、本件日影規制の適用はないが、建築基準法 における利益衡量は一般的・概括的なものであり、最低の基準であるから、同規制に違反しないことは、日照被害が受忍限度内であることと同義ではない。むしろ、被告店舗が作出する日影は、本件日影規制以上のものとなっている。 イ地域性 原告自宅の周辺には、第一種低層住居専用地域の日照を害するような高 - 4 -い建物は被告店舗以外に存在しない。 ウ被告が執った被害回避の努力の有無被告は、3筆の被告土地を被告店舗の敷地及び駐車場として利用しているところ、主に本件目録記載5又は6の土地上に被告店舗を建築したり、現状のとおり主に同記載4の土地上に建築するとしても原告土地との境 界から距離を取ることや被告店舗の高さを抑えること等により、日照被害の発生を回避することは極めて容易であった。それにもかかわらず、被告は、被告店舗の建築にあたって日影図を作成せず、原告土地及び原告自宅の日照への影響につき検討しないまま被告店舗を建築した。 エ交渉経過 原告らは、被告店舗の建築が完了するまで、被告から前記の程度の日照被害が生じることを知らされていなかった。また、令和4年2月以降に原告Aが日照被害の補償を求めたところ、被告担当者は、20年分の冬の暖房費として228万円を支払うことを提案したが、その後、被告での経営会議の結果、30万円しか支払えないことになったと説明した。 オその他被告店舗が後発であるのに対し、原告らは、長年にわたり原告自宅に居住しており、日照被害を回避する可能性はない。 (被告の主張)次のとおり、日照制 た。 オその他被告店舗が後発であるのに対し、原告らは、長年にわたり原告自宅に居住しており、日照被害を回避する可能性はない。 (被告の主張)次のとおり、日照制限の内容及び程度、公的規制違反がないこと、地域性、 交渉経過に不誠実な点がないこと等からすれば、原告らが被告店舗の建築により予期に反して日照を奪われたものとはいえず、仮に、被告店舗による日照被害があったとしても、その被害の程度は受忍限度を超えるものではない。 ア日照制限の内容及び程度そもそも、被告土地の所在する第一種住居地域において、建築基準法を はじめとする法令は、建築物のある程度(高さ10m程度)の高度利用 - 5 -を予定していることは明らかであり、私法上も、高さが10m以内の建築物による日影は、原則として受忍限度の範囲内と解するべきである。 また、被告店舗による原告自宅の平均地盤面から1.5mの高さの日影時間(1階部分の開口部が日影に覆われる時間)は、冬至日(12月22日頃)から大寒(1月20日頃)においては5時間程度となるが、1 1月20日、2月20日頃は、南面の庇の辺りに3~5時間程度生じるのみで、開口部から奥側には日照を得ることができる。また、春秋分の頃は日照への影響はほとんどない。さらに、被告店舗による原告自宅の平均地盤面から4mの高さの日影時間(2階部分の開口部が日影に覆われる時間)は、冬至日こそ2階南面の庇辺りに3~5時間程度生じるが、 2階部分の開口部から奥側には日照を得ることができる上、冬至日前後1か月程度を除き、日照への影響は全くない。これらによれば、原告自宅は、被告店舗建築後も、1年間を通じて十分な日照時間を得られており、被害の程度が重大などとは到底いえない。 きる上、冬至日前後1か月程度を除き、日照への影響は全くない。これらによれば、原告自宅は、被告店舗建築後も、1年間を通じて十分な日照時間を得られており、被害の程度が重大などとは到底いえない。 イ地域性 b団地は、本件市道沿いについては、商業施設や共同住宅といった10m程度の高さのある建築物の利用が予定されている一方で、その他の場所については、平屋又は2階建ての戸建住宅による利用が予定されている地域であり、低層の建築物の利用だけが予定されている地域ではない。 実際に、本件市道沿いには、ある程度の高さのある共同住宅や店舗がい くつもある。被告店舗も2階建ての建物としては平均的な高さであり、b団地内の戸建住宅の高さと大差はない。 ウ被告が執った被害回避の努力の有無被告は、設計事務所の意見を聴き、被告土地を店舗及び駐車場として最も有効に活用できるように検討したものであり、土地所有者が法令の範 囲内で、土地を最も有効に活用しようとすることは当然であり、何ら非 - 6 -難されることではない。被告店舗の高さは、日影規制の対象となる10mから1.77m低く、容積率及び建蔽率についても、法令の許容限度から大幅に余裕をもって設計している。また、被告店舗は、本件日影規制の対象外であるから、日影図の作成義務もない。 エ交渉経過 被告は、被告店舗建築工事着工前に、原告Aに対し、被告店舗の概要等を説明したが、原告Aは異議を述べるようなことはなかった。その後、原告らが被告に対し補償を求めてきたのに対し、被告としては、内部での検討の結果、30万円の解決金を支払うことを提案したのであって、同交渉経過につき、被告が不誠実であったなどとはいえない。 オその他 償を求めてきたのに対し、被告としては、内部での検討の結果、30万円の解決金を支払うことを提案したのであって、同交渉経過につき、被告が不誠実であったなどとはいえない。 オその他後発の建物が先発の建物に比べてより大きな規制を受けることは原則としてあり得ない。 ⑵ 原告らの損害額(原告らの主張) ア原告Aa 慰謝料 150万円原告Aは、受忍限度を超えた日照被害により、快適で健康な生活を侵害され、同状況は現在81歳である原告Aが生存している間に改善する見込みは全くないこと等に鑑みれば、原告Aの精神的苦痛に対する慰謝 料としては、上記金額を下らない。 b 原告土地の価格下落 220万円原告土地は、標準価格8万7000円/㎡で取引されると評価される地域内にあるところ、日照被害によりその価格が10%下落したと評価されており、原告Aには原告土地の交換価値下落分220万円の損害が 生じた。 - 7 -(計算式)8700円×248.97㎡=216万6039円≒220万円c 日影図作成費用 11万円d 不動産鑑定評価書作成費用 35万8600円e 弁護士費用 42万円 f 合計 458万8600円イ原告Ba 慰謝料 150万円原告Bは、受忍限度を超えた日照被害により、快適で健康な生活を侵害され、かかる被害は今 600円イ原告Ba 慰謝料 150万円原告Bは、受忍限度を超えた日照被害により、快適で健康な生活を侵害され、かかる被害は今後40年以上にわたって改善する見込みがない こと等に鑑みれば、原告Bの精神的苦痛に対する慰謝料としては、上記金額を下らない。 b 弁護士費用 15万円c 合計 165万円(被告の主張) 否認ないし争う。 仮に、被告店舗の建築が、受忍限度を超える日照被害を生じさせたものとして不法行為が成立するとしても、これと相当因果関係のある損害は、慰謝料及び弁護士費用に限られ、慰謝料額についても、同種裁判例は概ね1人あたり15~50万円程度を認めるものが多い。また、原告らの提出する不動 産鑑定評価書は、具体的な根拠を示すことなく、必要な検討もなされていない点で信用できないし、そもそも原告らは今後も原告自宅に住み続けることを前提に、被告店舗による日照被害が受忍限度を超えるものであると主張しているのであるから、原告土地の価格下落分の損害及び不動産鑑定評価書作成費用は損害として認められない。 第3 当裁判所の判断 - 8 - 1 争点⑴(被告店舗の建築によって原告らが受忍限度を超えた日照制限を受けるようになったか)について⑴ 居宅の日照は、快適で健康な生活に必要な生活利益であるが、南側建物の建築が北側建物の日照を妨げたとしても、それだけで直ちに不法行為が成立するものではない。もっとも、南側建物の建築が、社会的妥当性を欠き、こ れによって生じた損害が、社会生活一般的に日照の妨げを受ける者において忍容す 妨げたとしても、それだけで直ちに不法行為が成立するものではない。もっとも、南側建物の建築が、社会的妥当性を欠き、こ れによって生じた損害が、社会生活一般的に日照の妨げを受ける者において忍容するのを相当とする程度を超えたと認められるときは、当該建築は、社会観念上妥当な範囲を逸脱したものであり、違法性を帯び、不法行為に基づく損害賠償責任を生じさせるものと認めるのが相当である(最高裁昭和47年6月27日第三小法廷判決・民集26巻5号1067頁参照)。 ⑵ 本件において、被告は、同じく原告土地の南側にあったa支店の旧店舗(昭和51年10月25日新築)を取り壊し、被告店舗を建築したところ、同旧店舗は1階建てであったこと(甲17)、被告店舗は、その高さから本件日影規制の適用を受けないものの、これにより、原告土地に、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、平均地盤面から4m の高さの水平面に、敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲において、5時間以上日影となる部分が生じており、本件日影規制を超える日照制限が生じていること(前記争いのない事実)、被告店舗による原告自宅の平均地盤面から1.5mの高さの日影時間(1階部分の開口部が日影に覆われる時間)は、冬至日(12月22日頃)から大寒(1月20日頃)においては5 時間程度となり、平均地盤面から4mの高さの日影時間(2階部分の開口部が日影に覆われる時間)は、冬至日頃には2階南面の庇辺りに3~5時間程度生じること(甲9~12、19、20、乙1の1~8、乙2の1~8)、上記日照制限により、原告自宅は日中も室温が上がらず暖房費が上がった、原告土地南側の車庫の雪が溶けない、洗濯物が乾かない等の被害を受けてい ること(甲20、29、30、原告ら本人)から 8)、上記日照制限により、原告自宅は日中も室温が上がらず暖房費が上がった、原告土地南側の車庫の雪が溶けない、洗濯物が乾かない等の被害を受けてい ること(甲20、29、30、原告ら本人)からすれば、被告店舗の建築に - 9 -より、原告らは、少なくとも冬至日頃において、日照被害を受けているものと認められ、本件ではこれを覆すに足りる証拠はない。 ⑶ また、原告土地は都市計画法上の第一種低層住居専用地域に、被告土地は第一種住居地域にあり、上記各土地のあるb団地の本件市道沿いには、3階建てや4階建ての店舗や共同住宅等も存在するが、数は多くはなく、同地域 は基本的に住宅街といえることからすれば(甲18の1、2、乙3の1、2、乙4の1、2、乙13)、日照保護の要請が強い地域といえ、被告においては、被告店舗を建築するにあたり、原告土地及び原告建物の日照に及ぼす影響ができる限り小さくなるよう、建物の形状、大きさ及び位置等について慎重に検討すべきであったといえる。 そして、原告土地及び原告建物に前記のとおりの日照被害が生じていることについては、被告店舗が、3筆の被告土地のうち、原告土地のほぼ真南、その北側壁面が原告土地の南側境界から1.061mの距離にくる位置に建てられたことや、その高さ及び形状(長方形)によることが大きいといえるのに対し、被告は、被告店舗の建築にあたって日影図を作成しておらず(争 いなし)、他に被告店舗の建築にあたって原告土地及び原告建物の日照への影響につき検討をしたことをうかがわせる証拠もない。 ⑷ なお、被告は、被告土地の所在する第一種住居地域において、建築基準法をはじめとする法令は、建築物のある程度(高さ10m程度)の高度利用を予定していることは明らかであり、私法上も、高さが10 ⑷ なお、被告は、被告土地の所在する第一種住居地域において、建築基準法をはじめとする法令は、建築物のある程度(高さ10m程度)の高度利用を予定していることは明らかであり、私法上も、高さが10m以内の建築物に よる日影は、原則として受忍限度の範囲内と解するべきであるとも主張するが、日影規制に関する法令は、建物建築に関する行政上の取締監督基準を示すものであり、当該建築の建築主等と第三者との間の私法関係を規制するものではないから、公法上の日影規制に違反していないからといって直ちに私法上も適法であり不法行為を構成しないものとはいえず、被告の前記主張は 採用できない。 - 10 -⑸ 以上によれば、被告は、被告店舗が本件日影規制の対象にならないことのみを根拠に、原告土地及び原告自宅の日照への影響について十分な検討を行わないまま被告店舗を建築し、原告らに対し前記のとおりの日照被害を生じさせたといわざるを得ず、原告らとの関係では、受忍限度を超える日照被害をもたらすものとして不法行為を構成するというべきである。 2 争点⑵(原告らの損害額)について⑴ 原告Aについてア慰謝料 50万円被告店舗の建築により受けた日照被害の内容及び程度、原告Aが今後も原告自宅に居住するつもりであり(甲29、原告A本人)、被害が継続 する蓋然性が認められること等本件に現れた全ての事情を総合的に考慮すると、慰謝料額としては上記金額を認めるのが相当である。 イ原告土地の価格下落 0円原告Aは、被告店舗による日照被害により原告土地の交換価値が220万円下落した旨主張するが、その立証のためとして提出した不動産鑑定 の価格下落 0円原告Aは、被告店舗による日照被害により原告土地の交換価値が220万円下落した旨主張するが、その立証のためとして提出した不動産鑑定 評価書(甲21)は、減価要因として日照の阻害、減価率として10%を挙げるものの具体的な根拠を示すものではない。また、同減価率は、従前の日照を所与の条件とするものであるが、従前の日照をもって直ちに原告土地の権利の内容として構成することも困難である。そもそも、原告らは、今後も相当の期間原告自宅に居住し続けることを前提に慰謝 料の請求をしているのであって、原告Aの主張する原告土地の交換価値の下落という損害が現時点で現実に発生しているものとは認められず、その抽象的な可能性は、慰謝料の算定にあたり斟酌すべき一事情というほかはない。 ウ日影図作成費用(甲22の1、2) 11万円 被告は、被告店舗の建築にあたって日影図を作成しておらず、原告Aが - 11 -被告の不法行為責任を立証するためには日影図の作成は不可欠であったといえるから、その作成に要した費用は、被告による不法行為と相当因果関係のある損害といえる。 エ不動産鑑定評価書作成費用 0円前記イのとおり、不動産鑑定評価書作成費用については、被告による不 法行為と相当因果関係のある損害とは認められない。 オ弁護士費用 6万円原告Aは、弁護士に委任して本件訴訟追行を余儀なくされており、その弁護士費用としては、認容額及び本件事案の内容等を勘案し、上記金額を認めるのが相当である。 カ合計 護士に委任して本件訴訟追行を余儀なくされており、その弁護士費用としては、認容額及び本件事案の内容等を勘案し、上記金額を認めるのが相当である。 カ合計 67万円⑵ 原告Bについてア慰謝料 50万円被告店舗の建築により受けた日照被害の内容及び程度、原告Bが今後も相当長期間にわたり原告自宅に居住するつもりであり(甲30、原告B 本人)、被害が継続する蓋然性が認められること等本件に現れた全ての事情を総合的に考慮すると、慰謝料額としては上記金額を認めるのが相当である。 イ弁護士費用 5万円原告Bは、弁護士に委任して本件訴訟追行を余儀なくされており、その 弁護士費用としては、認容額及び本件事案の内容等を勘案し、上記金額を認めるのが相当である。 ウ合計 55万円第4 結論よって、原告らの請求は、原告Aにつき67万円及び原告Bにつき55万円並 びにこれらに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、そ - 12 -の余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。仮執行免脱の宣言は相当でないからこれを付さない。 仙台地方裁判所第1民事部 裁判官谷良美

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