- 1 -主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求,,,被告が建築基準法43条1項ただし書に基づき平成15年2月12日付けでP1に対し,別紙1物件目録記載の土地上の建築物についてした許可処分(建指46-559号)を取り消す。 第2事案の概要本件は,被告が,建築基準法43条1項ただし書に基づき,平成15年2月12日付けで,P1に対し,別紙1物件目録記載の土地(以下「本件敷地」という)。 上の建築物(以下「本件建築物」という)についてした許可(以下「本件許可」。 という)につき,本件敷地に隣接する土地を所有し,かつ,本件敷地の近隣に居。 住する原告が,その取消しを求めた抗告訴訟である。 法令の定め等( )建築基準法41条の2は,同法3章(同章8節を除く。41条の2から6 8条の8まで)の規定は,都市計画区域及び準都市計画区域(それぞれ,都市計画法4条2項に規定する都市計画区域又は準都市計画区域をいう。以下同じ。建築基準法2条20号)内に限り,適用すると規定し,建築基準法43条1項は,建築物の敷地は,同法にいう道路(同法43条1項各号に掲げるものを除く)に2メー。 トル以上接しなければならなず,ただし,その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で,特定行政庁(建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい,その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。以下同じ。同法2条32号)が交通上,安全上,防。 火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては,この限りでない旨規定する。 - 2 -建築基準法施行規則10条の2は,建築基準法43条1項ただし書の国土交通省令で定める基準は 生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては,この限りでない旨規定する。 - 2 -建築基準法施行規則10条の2は,建築基準法43条1項ただし書の国土交通省令で定める基準はその敷地の周囲に公園緑地広場等広い空地を有すること同,,,(条1号,その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メート)。)(),,ル以上のものに限るに2メートル以上接すること同条2号又はその敷地がその建築物の用途,規模,位置及び構造に応じ,避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であって,同法42条1項の道路に通ずるものに有効に接すること(同条3号)のいずれかのものとする旨規定する。 ( )大阪府においては建築基準法43条1項ただし書の規定に基づく被告大 ,(阪府知事)による許可及び大阪府建築審査会による同意に係る事務を公正かつ迅速に処理するために「建築基準法第43条第1項ただし書許可取扱い方針」におい,て建築基準法第43条第1項ただし書の許可に関する判断基準単に以下判,「」(,「断基準」という「提案基準」1から8まで及び「一括同意基準」1から9まで。),を策定し,これらにつき大阪府建築審査会の議決を経ており,これらに従って上記事務を処理している。 これらのうち,判断基準は,建築基準法43条1項ただし書及び建築基準法施行規則10条の2の規定における許可に関する判断について必要な事項を定め,もって適正な建築基準法の運用を図ることを目的として策定されたものであり(判断基準第1,提案基準及び一括同意基準は,大阪府建築審査会に諮問するに当たり,)公正かつ迅速な事務処理を図るため,判断基準に定めるところに従って策定されたものである(判断基準第3。 )そして,大阪府にお 1,提案基準及び一括同意基準は,大阪府建築審査会に諮問するに当たり,)公正かつ迅速な事務処理を図るため,判断基準に定めるところに従って策定されたものである(判断基準第3。 )そして,大阪府においては,一括同意基準に該当するものについては,あらかじめ大阪府建築審査会の同意を得たものとして取り扱うこととされ,建築基準法43条1項ただし書の許可をした場合速やかに大阪府建築審査会に報告することとされている(一括同意基準1から9まで。 )判断基準提案基準4及び一括同意基準4の主な規定は以下のとおりであるな,,(お,判断基準等(判断基準,提案基準及び一括同意基準をいう。以下同じ)にお。 - 3 -,「」,,「」,。)。 いて法とは建築基準法を施行規則とは建築基準法施行規則をいうア判断基準「運用の原則)(第2法第43条第1項ただし書の規定における許可については,次の各号に掲げるものを対象とする。 規則第10条の2第1号の基準に適合する敷地は,公園,緑地,広場等の空地に2m以上(かっこ書省略)接し通行上支障がないもの。 規則第10条の2第2号の基準に適合する敷地は,公共の用に供する幅員4m以上の次の道に2m以上接するもの。 ①土地改良事業,農道整備事業等による農道②河川又は海岸の管理用のもの③港湾施設であるもの④国又は地方公共団体の管理するもの⑤空港の管理道 規則第10条の2第3号の基準に適合する敷地は次のものとする。 ①山間部等で将来とも周辺に建築物の立ち並びが想定されない敷地②前2項に規定する空地又は道以外の通路に2m以上接する敷地③道路,第2項に規定する道若しくは通路に有効な空地を介して接する敷地(提案基準等)第3建築審査会に諮問するにあたり,公正かつ,迅速な事務処理を 規定する空地又は道以外の通路に2m以上接する敷地③道路,第2項に規定する道若しくは通路に有効な空地を介して接する敷地(提案基準等)第3建築審査会に諮問するにあたり,公正かつ,迅速な事務処理を図るため,この基準に定めるところに従い,提案基準及び一括同意基準を別に定める。 」イ提案基準4(判断基準第2第3項②の規定に該当する幅員が2.7m以上「の通路に接する敷地の戸建て住宅の取扱いについて)」「趣旨)(第1この基準は,判断基準第3の規定に基づき,判断基準第2第3項②に該当する通路に接する戸建て住宅の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。 - 4 -(適用の範囲)第2この基準は,次に掲げる通路(道路に至るまでの最小幅員が2.7m以上のものに限る)に,2m以上接する建築物の敷地について適用する。 。 ①(省略)②判断基準第2第2項①から④に掲げるもの及び私有地によって幅員が構成されている通路で平成11年5月1日時点において既に立ち並びのある通路。 ③(省略)(用途・規模・構造)第3許可に係る建築物は次の全ての規定を満足するものであること。 ( )次に規定する何れかの用途に供するもの。 ①専用住宅(2世帯住宅を含む)。 ②(省略)③(省略),,。 ( )建築物の高さが10m以下でかつ地階を除く階数が3以下であること ( )その敷地が接する通路を「道路」と読み替えて建築基準関係規定に適合す ること。 (土地所有権者による合意等)第4その敷地の接する通路について当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保することの合意があること。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。 ①昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路。 ②(省略)(通路の整備等)第5 り通路として確保することの合意があること。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。 ①昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路。 ②(省略)(通路の整備等)第5法第42条第2項の道路と同等の後退整備を行うこと。 」ウ一括同意基準4「第1提案基準4に該当し,かつ,同基準第5について次のものは,あらか- 5 -じめ建築審査会の同意を得たものとして取り扱う。 ①後退部分については,許可申請時において通路に準じた整備をし,側溝等により明確にされていること。 ②(省略)」(甲11,乙1,弁論の全趣旨) 争いのない事実及び証拠によって容易に認定することができる事実等( )本件敷地及びその周辺の土地の分筆等の経緯 ,。 ,(,「」。)アP2は原告の父であるP2は河内長野市α単に以下αという×××番の土地を所有していたところ,同土地は,昭和56年12月15日,同番1及び2に分筆された。 上記同番1の土地は,昭和60年4月24日,同番1(以下「本件1土地」という,同番4,同番5(本件敷地)及び同番6(以下「本件6土地」という)の。)。 各土地に分筆された。 上記同番2の土地は,同日,同番2及び3(以下「本件3土地」という)に分。 筆され同分筆後の同番2の土地は同年7月23日同番2及び同番7以下本,,,(「件7土地」という)の各土地に分筆された。 。 イP2は,昭和60年7月23日,P1の父であるP3に対し,本件敷地を売った。 ,,。 ,,ウP2は平成▲年▲月▲日死亡した原告はP2を相続して本件1土地本件3土地,本件6土地及び本件7土地の所有権を取得した。 (乙27,乙30から35まで)エ本件敷地は,都市計画区域内にある(乙2。 ) 平成▲年▲月▲日死亡した原告はP2を相続して本件1土地本件3土地,本件6土地及び本件7土地の所有権を取得した。 (乙27,乙30から35まで)エ本件敷地は,都市計画区域内にある(乙2。 )( )本件訴えの提起に至る経緯等 アP1は,本件敷地上に鉄骨造2階建ての戸建て住宅(本件建築物)を新築するために,被告との事前協議を経た上で,平成15年2月7日,特定行政庁である被告に対し,建築基準法43条1項ただし書の規定による許可の申請をした。 - 6 -,(「」。 本件敷地は本件3土地及び本件6土地を含む通路別紙2図面中Aの部分以下「本件通路」という)に接しているところ,被告は,本件建築物につき,判。 断基準,提案基準4及び一括同意基準4の各基準に該当するとし,あらかじめ大阪府建築審査会の同意を得たものとして取り扱い,平成15年2月12日付けで,P1に対し,本件許可をした。 (甲5,14,乙2,3,弁論の全趣旨)イ原告は,同年5月22日付けで,大阪府建築審査会に対し,本件許可の取消しを求める審査請求をし,同審査会は,同年10月7日付けで,同請求を棄却する旨の裁決をした(甲1,8。 )ウ原告は,同年12月26日,当庁に対し,本件訴えを提起した。 エ本件建築物は,建築等の工事が完了し,既に完成している(甲19,20の9,13,17,18及び27,乙2)なお,後記第3の1( )において説示する。 とおり,本件許可は,本件建築物につき,建築基準法43条1項の規定するいわゆる接道義務を免除するという法的効果を有するものであるから,これが取り消されるとすれば,本件建築物は上記の基準を満たさない建築物であるということになるから,その建築等の工事が完了し,本件建築物が完成したとしても,本件許可の取消しを求める訴えの利益 るから,これが取り消されるとすれば,本件建築物は上記の基準を満たさない建築物であるということになるから,その建築等の工事が完了し,本件建築物が完成したとしても,本件許可の取消しを求める訴えの利益が失われることはないと解される。 ( )判断基準等の要件該当性 ア判断基準第2の3②本件通路は判断基準第2の1及び同2に規定する空地又は道以外の通路であり,本件敷地は,本件通路に2メートル以上接する(甲14,弁論の全趣旨)から,本件通路は判断基準第2の3②に該当する。 イ提案基準4第2②前段本件通路は,国又は地方公共団体が管理する道(水路敷)及び私有地によって幅,. 員が構成されている通路であって建築基準法上の道路に至るまでの最小幅員が27メートル以上のものである(甲13,乙3,原告本人)から,提案基準4第2②- 7 -前段に該当する。 ウ提案基準4第3( )① ,(),。 本件建築物は専用住宅である乙2から提案基準4第3( )①に該当する エ提案基準4第3( ) 本件建築物は,その最高の高さが7.83メートルであり,地階はなく,階数が2である(乙2)から,提案基準4第3( )に該当する。 オ提案基準4第3( ) 本件建築物は,その敷地(本件敷地)が接する通路(本件通路)を「道路」と読み替えて建築基準関係規定に適合する(弁論の全趣旨)から,提案基準4第3( ) に該当する。 カ提案基準4第5及び一括同意基準4第1①後退部分について,本件許可の申請時である平成15年2月7日時点において通路に準じた整備をし,側溝等により明確にされていた(乙2)から,提案基準4第5及び一括同意基準4第1①(ただし,提案基準4に該当するとの点は除く)に。 該当する。 争点 ( )原告が本件許可の取消しの訴えに をし,側溝等により明確にされていた(乙2)から,提案基準4第5及び一括同意基準4第1①(ただし,提案基準4に該当するとの点は除く)に。 該当する。 争点 ( )原告が本件許可の取消しの訴えにつき,原告適格を有するか否か(本案前 の争点)(原告の主張),,,原告は本件3土地及び本件6土地を所有する者であるところ本件許可がされ上記両土地が通路として使用されることによって,通行者の増加や車両の駐停車に伴う交通上の不利益,及び第三者の侵入等による安全上の不利益を受けるほか,上記両土地の所有権を侵害されることになる。 大阪府の「建築基準法第43条第1項ただし書許可取扱い方針」において策定されている提案基準3から7までは「土地所有権者による合意等」として「その敷,,地の接する通路について当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保- 8 -することの合意があることを要件としさらに大阪府において策定している通」,,「」,「」路の確保に関する合意等の取扱いによれば上記の土地所有権者による合意等の要件は,所有権等を有する者の作成名義に係る,同人が現況通路部分について,将来とも現況幅員の通路として確保することの協定を締結する旨の協定書を所定の届出書とともに提出させることによって確認することとされている。これらは,建築基準法43条1項ただし書による許可が,処分の対象となる敷地の接する通路部分の所有権等を有する者に対し,法律上不利益を与えるおそれがあることから,これらの者の明示的な意思表示による合意を要件としているものと解される。 以上に照らせば,原告は,処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがあり,その取消し等によってこれを回復すべき法律上の利益を持つ者に該当し, される。 以上に照らせば,原告は,処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがあり,その取消し等によってこれを回復すべき法律上の利益を持つ者に該当し,原告適格は肯定されるべきである。 (被告の主張)原告は,本件敷地の隣接地を所有するにすぎず,仮に,本件許可によって当該隣接地の利用等に何らかの支障が生じるとしても,法律上保護された利益を侵害されたことにはならないから,原告は,本件許可の取消しの訴えにおける原告適格を有しない。 ( )本件通路が提案基準4第4ただし書①にいう「昭和45年6月20日時点 において既に立ち並びのある通路」に当たるか否か(本案の争点①)(被告の主張),,ア判断基準等は平成10年法律第100号による建築基準法の改正によって同法43条1項ただし書の適用による接道義務の免除が特定行政庁による許可制とされ,これについて建築審査会の同意を必要とすることとなった際に,大阪府において建築基準法施行規則10条の2所定の基準をさらに明確にするために策定したものである。 すなわち,平成10年法律第100号による建築基準法43条の改正は,建築確認検査業務の民間開放等を踏まえ,同改正前の建築基準法43条1項ただし書の処- 9 -分のように一定の裁量を伴う判断を要する処分については,その公平性,客観性を担保するため,行政が一義的に判断することとし,建築確認の際は技術的な基準適合性の審査のみを行うこととして,当該処分を再構成するとともに,基準の明確性を高め,処分の透明性,公平性を確保する必要性が高いことから,従前の建築主事によるただし書確認を省令で定める基準に従った特定行政庁の許可によることとしたものである。そして,許可に際しては,特定行政庁としての明確な判断基準を制,,定する 性が高いことから,従前の建築主事によるただし書確認を省令で定める基準に従った特定行政庁の許可によることとしたものである。そして,許可に際しては,特定行政庁としての明確な判断基準を制,,定するなど行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることが必要でありまた,同項ただし書の適用については相当な件数が予測されるため,建築審査会への諮問に際し,省令の定める基準を踏まえて明確な基準を定めるとともに,定型的なものについては建築審査会の承認を得た上で一括同意基準により処分するなど迅速な手続を定めることが必要であると考えられたことから,建築基準法施行規則1「」0条の2の基準を明確化した建築基準法第43条第1項ただし書許可取扱い方針を定め,大阪府建築審査会の議決を経て,平成11年5月1日から施行したものである「建築基準法第43条第1項ただし書許可取扱い方針」のうち判断基準は,。 許可に際しての基本的な考え方をまとめたものであり,提案基準は判断基準に基づき建築審査会に諮問するもののうち定型的なものについて定めた基準であり,一括同意基準は,あらかじめ建築審査会の同意を得て提案基準のうち特に問題のない定型的な建築物について一定の基準を制定し,許可に際しこれに適合することをもって建築審査会の同意を得たものとして取り扱い,特定行政庁として許可を行い,その後建築審査会に報告するもので,もって迅速な事務処理を図ろうとするものである。 ところで,前記のとおり,本件建築物は判断基準第2の3②,提案基準4第2②前段同第3( )①同第3( )同第3( )同第5及び一括同意基準4第1①た,,,,( ,。),,だし提案基準4に該当するとの点を除くにそれぞれ該当するところ被告は本件通路が提案基準4第2②後段の「平成11年5 及び一括同意基準4第1①た,,,,( ,。),,だし提案基準4に該当するとの点を除くにそれぞれ該当するところ被告は本件通路が提案基準4第2②後段の「平成11年5月1日時点において既に立ち並びのある通路」に該当するとともに同第4ただし書①の「昭和45年6月20日時- 10 -点において既に立ち並びのある通路」にも該当するから,本件建築物は提案基準4第2②,同第4ただし書①及び一括同意基準4第1①に該当するものと判断して,本件許可をしたものである。 提案基準4第2②後段にいう「立ち並び」の判断基準について書面化したものは,,「,ないが大阪府においては当該通路のみに接する建築物の敷地が2以上あってその建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面している」か否かを判断基準として運用してきている。すなわち,大阪府においては,建築基準法42条2項の「建築物が立ち並んでいる」という文言について,当該道のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が当該道に面していることをいうと解釈して,長年にわたり一貫して実務の運用をしてきた。また,前記改正前の建築基準法43条1項ただし書の適用についても,上記のように解釈した「立ち並び」の概念を用いて判断してきた。このような解釈,運用を踏まえて,大阪府において同一の用語を用いて規定した判断基準等を策定し,大阪府建築審査会においてこれらを承認する議決をしたのであるから,提案基準4第4ただし書①にいう「立ち並びのある」とは,建築基準法42条2項の「建築物が立ち並んでいる」と同じく,当該通路のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面しているという意味に解すべきである。 なお,ここにいう「敷地」とは,1の建築物又は用途上 でいる」と同じく,当該通路のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面しているという意味に解すべきである。 なお,ここにいう「敷地」とは,1の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいい(建築基準法施行令1条1号,したがって,)1の建築物ごとに1の敷地があるのが原則であり,その利用形態から客観的に用途上不可分と認められる場合にのみ,例外的に2以上の建築物につき1の敷地があるものと解すべきである。 イ以上の観点から,本件について検討する。 昭和45年6月20日時点において,その敷地が本件通路のみに接していた建築物として,P2が所有していた自立建物(母屋,納屋及びα×××番の土地上の)温室(以下「本件温室」という)があったが,これらのうち少なくとも本件温室。 - 11 -については,上記母屋と用途上不可分であるということはできない。すなわち,本件温室は,昭和43年に,基礎,鉄骨,ガラス工事等,工事費として当時の金額に,,して257万5000円もの費用をかけて建築された本格的な建築物でありまた比較的規模の大きい温室であって,業としての農業用途に用いられていたのであるから,住宅である上記母屋とは全く用途を別にするものである。また,上記母屋から分離すると住宅という主用途を実現するのに支障を来すものでもない。 以上によれば,上記母屋と本件温室は,用途上不可分ではなく,それぞれが1の建築物として1の敷地を有することになるから,本件通路のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が本件通路に面しているということができる。よって,本件通路は,昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路に当たる。 ウこの点について,原告は,建築基準法42条2項の「 玄関等主な出入口が本件通路に面しているということができる。よって,本件通路は,昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路に当たる。 ウこの点について,原告は,建築基準法42条2項の「建築物が立ち並んでいる」とは,ただ単に建築物が道を中心に2個以上存在していることをいうのではなく,道を中心に建築物が寄り集まって市街の一区画を形成し,道が一般の通行の用に供され,防災,消防,衛生,採光,安全等の面で公益上重要な機能を果たす状況にあることをいい,提案基準4第4ただし書①にいう「立ち並びのある」も同義に解すべきであると主張する。建築基準法42条2項の解釈については,確かに,原告が主張するような見解を採る裁判例がある一方,大阪府が採用してきた見解と同旨の裁判例もあり(東京高裁平成11年(行コ)第133号同年10月26日判決等,見解が対立している状況にあるが,そうであるとしても,上記のとおり,提)案基準4第4ただし書①は,大阪府における従前の解釈及び運用を踏まえて策定されたものであるから,建築基準法42条2項の解釈として上記のいずれの見解が妥当かということは,提案基準4第4ただし書①にいう「立ち並びのある」という文言の解釈には影響しない。 エ以上のとおり,本件建築物は,提案基準4第4ただし書①に該当し,同第2②後段にも該当するから,一括同意基準4に該当し,したがって,本件許可は適法- 12 -である。 (原告の主張)ア特定行政庁による建築基準法42条2項の規定に基づく道の指定は,その対象となる土地の所有者その他の利害関係人の意思にかかわりなく,特定行政庁がその職権により公権力をもって一方的に行うものであり,その結果,一方で個人の財産権の内容に一定の制約を加えるという効果を生ずるのであるから,特定行政庁がこれを行うには,そのよ わりなく,特定行政庁がその職権により公権力をもって一方的に行うものであり,その結果,一方で個人の財産権の内容に一定の制約を加えるという効果を生ずるのであるから,特定行政庁がこれを行うには,そのようにするに足りる公益上の必要性が存在することを要するものというべきである。このような見地に立って考えると,同項の「建築物が立ち並んでいる」という文言は,ただ単に建築物が道を中心に2個以上存在していることをいうのではなく,道を中心に建築物が寄り集まって市街の一区画を形成し,道が一般の通行の用に供され,防災,消防,衛生,採光,安全等の面で公益上重要な機能を果たす状況にあることをいうものと解するのが相当である(東京高裁昭和57年8月26日判決・判例時報1050号59頁参照。 )そして,建築基準法43条1項本文が接道義務を規定する趣旨は,市街地における道路が,単なる通行の場にとどまらず,建築物の利用,災害時の避難路,消防活動の場,建築物との日照,採光,通風等の確保など安全で良好な環境の市街地を形,,成する上で極めて重要な機能を果たしている点にあるところこの趣旨からすると特定行政庁による同項ただし書の規定に基づく接道義務を免除する旨の許可は,同許可において同法42条1項の道路に代替された通路に公共的な負担が課されることを前提としているということができる。そうであるとすれば,上記許可についても,同法42条2項の道の指定の場合と同じく,当該通路地の所有者その他の利害関係人の意思にかかわりなく,特定行政庁が公権力をもって一方的に行うものであり,その結果,一方で個人の財産権の内容に一定の制約を加えるという効果を生ずるのであるから,提案基準4第4ただし書①にいう「立ち並びのある」という文言についても,制限的に解釈すべきである。また,提案基準4第4は,当該通路 人の財産権の内容に一定の制約を加えるという効果を生ずるのであるから,提案基準4第4ただし書①にいう「立ち並びのある」という文言についても,制限的に解釈すべきである。また,提案基準4第4は,当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保することの合意があることを本文と- 13 -し,ただし書として,昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路について上記合意を不要としているのであるから,このような提案基準4第4の規定の構成に照らしても「立ち並びのある」という文言は,制限的に解釈すべきで,ある。さらに,提案基準4は,一括同意基準4の要件にもなっているところ,一括同意基準4は,建築基準法43条1項ただし書が要求している建築審査会の同意について,特定行政庁の判断によりあらかじめ同意があったものと取り扱うこととするものであり,その点からも「立ち並びのある」という文言は,制限的に解釈すべきである。 以上より,提案基準4第4ただし書①にいう「立ち並びのある通路」についても建築基準法42条2項に関する上記解釈が妥当し,通路を中心に建築物が寄り集まって市街の一区画を形成し,通路が一般の通行の用に供され,防災,消防,衛生,採光,安全等の面で公益上重要な機能を果たす状況にあることをいうものと解するのが相当である。 なお,被告は,従前の被告の運用を根拠として上記「立ち並びのある通路」を解釈すべきであると主張するが,それはあくまでも運用の域を出ない。 イ被告主張の母屋,納屋及び本件温室は,昭和45年6月20日当時,いずれもP2が所有しており,これらを利用していたのは,P2及びその家族だけであった。そして,本件通路は,これらの者以外の者が自由に通行することができる通路として通行の用に供されていたこともなかったから,本件通路を中心に建築物が寄 を利用していたのは,P2及びその家族だけであった。そして,本件通路は,これらの者以外の者が自由に通行することができる通路として通行の用に供されていたこともなかったから,本件通路を中心に建築物が寄り集まって市街の一区画を形成し,通路が一般の通行の用に供され,防災,消防,衛生,採光,安全等の面で公益上重要な機能を果たす状況にあったとはいえない。 さらに,温室が農業のために使用されるものであり,容易に取引の対象となるものではないことに照らせば,同一人の所有する住宅と温室とがある場合に,それらの建築物が別人の所有に帰し,当該住宅と温室とが接する通路が市街地における道路と同様の利益状況を形成するとは考え難い。 以上より,本件通路は,提案基準4第4ただし書①にいう「昭和45年6月20- 14 -日時点において既に立ち並びのある通路」に当たらない。 ( )P2とP3との間において,本件通路について通路として確保することの 合意があったか否か(本案の争点②)(被告の主張)P2は,昭和60年7月23日,P3に対し,本件敷地を売り,同月30日,同「,(),(),()人との間で①道路の通行は西側α×××-7×××-3××-6を原則とし,耕作及び建築する場合も同一とする。②水道の使用はキ設されている管より話合いの上で配管するものとする。③排水はキ設の水路へ流水する方向。 。」(。 へ埋設するものとする以上のことを双方で理解し同意するとの覚書乙28以下「本件覚書」という)を交わした(なお「××-6」は×××-6の誤記で。 ,あることが明らかである。 。)そして,昭和60年7月30日当時,本件通路の周辺には,P4の所有に係る住宅(昭和58年11月8日付け建築確認)及びP5の所有に係る住宅(昭和57年1月29日付け建築 ることが明らかである。 。)そして,昭和60年7月30日当時,本件通路の周辺には,P4の所有に係る住宅(昭和58年11月8日付け建築確認)及びP5の所有に係る住宅(昭和57年1月29日付け建築確認)が存在し,本件通路は,これらの住宅から公道に通じる通路として利用されていた。このように,本件通路は,複数の住宅から公道に通じる通路としての外形を保っている状況において,昭和60年4月24日,前記第2の2( )アの各分筆によってα×××番3の土地本件3土地と同番6の土地本 ()(件6土地)とされ,その上で,同年7月23日に上記本件敷地の売買がされ,同月30日に本件覚書が作成されたのである。 以上のような分筆及び売買の経緯並びに昭和60年7月30日当時の本件通路の使用状況に照らせば,上記覚書の作成により,P2とP3との間において,将来とも現況幅員の通路として当該通路を安定的に確保することの合意をしたものと認められる(諸般の状況にかんがみると,同人らは,同日,本件3土地及び本件6土地を承役地,本件敷地を要役地とする通行地役権を設定したものと推認される。 。)なお,大阪府においては,提案基準3から7までにおける土地所有権者による合意等の確認方法について,協定書の締結の届出,協定書及び指定区域図の図書の提- 15 -出を求める扱いにしており,本件許可の申請においては,これらの図書は提出されていないが,以上のような事実関係が認められるから,これらの提出がなくとも,本件通路について通路として確保することの合意があったということはできる。 したがって,本件建築物は,提案基準4第4本文,一括同意基準4第1に該当する。 (原告の主張)提案基準4第4本文においては,確保すべき通路の幅員について具体的な数値は定められていない。しかし,ただし書② って,本件建築物は,提案基準4第4本文,一括同意基準4第1に該当する。 (原告の主張)提案基準4第4本文においては,確保すべき通路の幅員について具体的な数値は定められていない。しかし,ただし書②について,幅員が1.8メートル以上のものであることが要件とされていることからも,提案基準4第4本文の合意は,確保すべき通路が一定の幅員を有する必要があることが明らかである。しかし,本件覚書においては,通行可能な範囲について具体的に記載がされていない。 また,本件通路上には農業用機材が置かれており,このような本件通路の利用状況に照らしても,P2とP3との間において,本件通路について通路として確保することの合意があったということはできない。 ,,,。 したがって本件建築物は提案基準4第4本文一括同意基準4に該当しない第3当裁判所の判断 本案前の争点(原告適格の有無)について( )行訴法9条1項は,取消訴訟の原告適格について,当該処分の取消しを求 めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができる旨規定するところ,同項にいう「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を- 16 -有するものというべきである。 そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有 を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を- 16 -有するものというべきである。 そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判,,断するに当たっては当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性,,,質を考慮しこの場合において当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害さ(,()れる態様及び程度をも勘案すべきものである同条2項最高裁平成16年行ヒ)。 第114号平成17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照( )建築基準法は,建築物の敷地,構造,設備及び用途に関する最低の基準を 定めて,国民の生命,健康及び財産の保護を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とする(同法1条。 )そして,建築基準法43条1項本文は,このような基準の一つとして,都市計画区域及び準都市計画区域内において,建築物の敷地は,同法にいう道路(同法43条1項各号に掲げるものを除く)に2メートル以上接しなければならないものと。 し,いわゆる接道義務を規定しているところ,同法42条1項が同法にいう道路について幅員4メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては,6メートル)以上のもの(地下におけるものを除く)をいう旨規定し。 ていることと併せ考えると,同法 の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては,6メートル)以上のもの(地下におけるものを除く)をいう旨規定し。 ていることと併せ考えると,同法43条1項本文が接道義務を原則としている趣旨は,十分な幅員を有するなど一定の要件を満たす道路に有効に接しない敷地上に建築物が建築されると,当該建築物及びその周辺において,平時から交通上の不便が生じるとともに,日照,通風,採光等が良好に保たれ難いだけでなく,当該建築物に火災その他の災害が発生した場合に,隣接する建築物等に延焼するなどの危険が大きく,また,避難の安全が十分に確保され難いなど種々の支障を生じるのが通常- 17 -であることに照らし,このような交通上,安全上,防火上及び衛生上の支障を生じるのを防ぐことを目的として,建築物を建築しようとする者に対し,建築物の敷地が幅員4メートル以上の道路に接することを義務付けることによって,当該建築物に係る避難,通行又は防火上の安全等を確保し,ひいては,その周辺に存する建築物やその居住者の安全等にも寄与することにあると解される。 もっとも,同法42条1項の道路に2メートル以上接しない敷地(以下「無接道敷地」という)であっても,建築物の用途,規模,位置及び構造等並びに周囲の。 状況に照らして,上記のような支障がないと認められる場合には,建築物の建築を認めるのが相当な場合があることから,同法43条1項ただし書は,その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で,かつ,特定行政庁が交通上,安全上,防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについて,例外的に接道義務を免除することとしたものであると解される。そして,同項ただし書にいう国土交通省令で 庁が交通上,安全上,防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについて,例外的に接道義務を免除することとしたものであると解される。そして,同項ただし書にいう国土交通省令で定める基準として制定された建築基準法施行規則10条の2各号の規定は,同法43条1項ただし書の許可の審査の前提要件として,同項本文に適合することにより確保されている市街地の環境と同等の水準が確保されていることを基本として定めたものであって,具体的には,同法42条の道路に代えて将来にわたって安定的に利用することができる空地に接すること,又は2メートル以上接することに代えて建築物の用途,規模,位置及び構造に応じ有効に接することとして,これを類型化して基準として規定したものである。すなわち,同規則10条の2第1号は,建築物の敷地の周囲に公園,緑地,広場等広い空地があるものについては,道路に直接接しない場合であっても,当該空地が,避難及び通行の安全,延焼の防止等の防火,日照,採光,通風等の衛生等の確保の観点から,道路と同等の機能を有することにかんがみ「その敷地の周囲に公園,緑地,広場等広い空地を有すること」を基準とした,ものであり,同条2号は,農道,港湾道路等,一般住民の通行等の用に供することを目的としているものではないものの,その状況から道路と同等の機能を有するも- 18 -,,のについては接道義務の例外許可の対象として扱うことができることにかんがみ「その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メートル以上のものに限る)に2メートル以上接すること」を基準としたものであり,同条3号。 の「その敷地が,その建築物の用途,規模,位置及び構造に応じ,避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であって,道路に通ずるもの 接すること」を基準としたものであり,同条3号。 の「その敷地が,その建築物の用途,規模,位置及び構造に応じ,避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であって,道路に通ずるものに有効に接すること」の基準は,同条1号及び2号の定型的類型に該当しないものについて,一般的にその性能を規定し基準としたものであって,交通上,安全上,防火上及び衛生上支障がないことを個別に総合的な観点から審査,判断することとしたものであると解される。 以上のとおり,同法43条1項が建築物の敷地の基準の一つとして,接道義務を規定しているのは,当該建築物及びその周辺の建築物における日照,通風,採光等を良好に保つなど快適な居住環境を確保することができるようにするとともに,当該建築物に火災その他の災害が発生した場合に,その周辺の建築物やその居住者に重大な被害が及ぶことがないようにするためであると解され,同項ただし書は,特定行政庁が,その敷地の周囲に広い空地を有するなど交通上,安全上,防火上及び,,衛生上支障がないと認めた場合に限り建築審査会の同意を得ることを要件として許可することができるものとしているのである。 以上のような同項の趣旨及び目的,同項が保護しようとしている利益の内容,性質等に加えて,同項ただし書の要件を満たさないにもかかわらず,特定行政庁によって許可がされ,その結果,本来建築確認を受けられないはずの建築物が建築された場合に害されることとなる当該建築物の周辺の建築物の居住者等の利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度などにかんがみれば,同項ただし書の規定は,同項本文に規定する接道義務の免除を特定行政庁の許可に掛からせることによって,一般的に,市街地の機能及び良好な環境の確保等の公共の利益を増進することを目的とするにとどまらず, 同項ただし書の規定は,同項本文に規定する接道義務の免除を特定行政庁の許可に掛からせることによって,一般的に,市街地の機能及び良好な環境の確保等の公共の利益を増進することを目的とするにとどまらず,同許可の対象となっている建築物の炎上等による被害が直接的に及ぶことが想定される周辺の一定範囲の地域に存する他の建築物に- 19 -ついてその居住者の生命,身体の安全等及び財産としてのその建築物を,個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解すべきである。そうすると,同項ただし書に基づく許可に係る建築物の炎上等により直接的な被害を受けることが予想される周辺の一定範囲の地域に存する他の建築物に居住し又はこれを所有する者は,上記許可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するものとして,その取消訴訟における原告適格を有するものと解するのが相当である。 ( )甲第19から第21号証まで,乙第3,第9及び第36号証並びに本人尋 問の結果によれば,原告は,本件1土地の南西に位置するα×××番の土地上の建物をいわゆる母屋とし,同土地の東側に隣接し,かつ,本件1土地の南側に隣接する同町×××番の土地上の建物をいわゆる離れとして,これらの建物(前者を,以下「本件母屋」といい,後者を,以下「本件離れ」という)において居住してい。 。 ,,,,ることが認められるそして甲第14号証乙第3第8及び第9号証によれば本件離れの敷地である上記×××番の土地と本件敷地との距離(本件1土地の南北の幅)は,およそ7メートルと近距離である(甲14)上,本件母屋及び本件離れは,いずれも本件通路に接し,本件通路(本件建築物に接する部分を含む)を通。 らなければ建築基準法上の道路に出ることができないものと認められる。これらの事実によれば,本件母屋及び 件母屋及び本件離れは,いずれも本件通路に接し,本件通路(本件建築物に接する部分を含む)を通。 らなければ建築基準法上の道路に出ることができないものと認められる。これらの事実によれば,本件母屋及び本件離れは,本件建築物の炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲内にあるものということができるから,本件母屋及び本件離れに居住している原告は,本件許可の取消しを求める原告適格を有するものというべきである。 判断基準等の規定内容及びその運用について(本案の争点①及び②の前提問題)( )判断基準等の規定内容について ア前記のとおり,判断基準は,建築基準法43条1項ただし書及び建築基準法施行規則10条の2の規定における許可に関する判断について必要な事項を定め,もって適正な建築基準法の運用を図ることを目的として策定されたものであり,提- 20 -案基準及び一括同意基準は,大阪府建築審査会に諮問するに当たり,公正かつ迅速な事務処理を図るため,判断基準に定めるところに従って策定されたものであり,大阪府においては,一括同意基準に該当するものについては,あらかじめ大阪府建築審査会の同意を得たものとして取り扱うこととされ,同法43条1項ただし書の許可をした場合速やかに大阪府建築審査会に報告するものとされている。そして,判断基準,提案基準4及び一括同意基準4の規定内容は,前記第2の1( )のとお りであるところ,これらの規定等にかんがみると,判断基準等は,建築基準法施行規則10条の2第3号の基準について,判断基準第2の3において,基準に該当する敷地の類型を規定した上,各類型ごとに提案基準において建築物の用途,規模,構造,通路の性状等に関する具体的基準を定め,当該提案基準の各規定に該当する建築物について,建築基準法43条1項ただし書の許 る敷地の類型を規定した上,各類型ごとに提案基準において建築物の用途,規模,構造,通路の性状等に関する具体的基準を定め,当該提案基準の各規定に該当する建築物について,建築基準法43条1項ただし書の許可の対象として取り扱い,大阪府建築審査会の同意を得られたときは,同許可をすることとする趣旨のものと解される。そして,一括同意基準は,当該基準に該当するものについて,あらかじめ大阪府建築審査会の同意を得たものとして,大阪府建築審査会による個別の同意を経ずして同許可をする取扱いを定めたものであると解される。 イ以上によれば,判断基準等においては,判断基準第2の3②に該当する敷地のうち,提案基準4第2②に該当する通路(土地改良事業,農道整備事業等による農道,河川若しくは海岸の管理用の道,港湾施設である道,国若しくは地方公共団体の管理する道及び私有地によって幅員が構成されている通路で平成11年5月1日時点において既に立ち並びのある通路)であって,道路に至るまでの最小幅員が2.7メートル以上のものであり,かつ,提案基準4第4の本文(その敷地の接する通路について当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保することの合意があること)又はただし書①(昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路)若しくは同②に該当するものに2メートル以上接する敷地上の建築物が提案基準4第3に該当し,かつ,提案基準4第5の基準(通路の整備等)を満たした場合において,一括同意基準4の基準に該当するときは,大阪府建築審査- 21 -会による個別の同意を経ることなく,建築基準法43条1項ただし書の許可要件を満たすものとして,被告(大阪府知事)において,同項の許可をするものと定められ,これに従った運用がされているということができる。 ( )判断基準等の運用について 基準法43条1項ただし書の許可要件を満たすものとして,被告(大阪府知事)において,同項の許可をするものと定められ,これに従った運用がされているということができる。 ( )判断基準等の運用について 被告(大阪府知事)及び大阪府建築審査会における建築基準法43条1項ただし,,書の許可及び同意に係る事務処理の運用は上記( )のとおりであるところ被告は 第2の2( )アのとおり,本件建築物が上記( )イの基準を満たすと判断して本件許 可をしたことが認められる。 ところで,平成10年法律第100号による改正前の建築基準法43条1項ただし書は「建築物の周囲に広い空地があり,その他これと同様の状況にある場合で,安全上支障がないときは,この限りでない」とのみ規定することにより,接道義。 務の免除の要件の認定を建築確認における建築主事の判断にゆだねていたところ,上記建築基準法の改正により,それまで特定行政庁の建築主事が行ってきた確認検査事務について,新たに必要な審査能力を備える公正,中立な民間機関(指定確認検査機関)もこれを行うことができるものとされたことから,接道義務の免除の要件の認定について,その判断に公平性,客観性を持たせるため,これを特定行政庁の許可に掛からせるとともに,公平な第三者機関である建築審査会の同意を要件として規定したものと解される。もっとも,建築基準法43条1項ただし書の許可及び同意の手続にはその性質上時間を要する上,建築確認等に先立って同許可の申請がされる場合も少なくないと考えられることなどからすれば,同項ただし書の規定は,許可に当たり常に建築審査会の個別の同意を要するとまでする趣旨のものとは解し難く,当該許可に関する事務の迅速かつ効率的な処理を確保する観点から,建築審査会において建築基準法施行規則10条の2各号 は,許可に当たり常に建築審査会の個別の同意を要するとまでする趣旨のものとは解し難く,当該許可に関する事務の迅速かつ効率的な処理を確保する観点から,建築審査会において建築基準法施行規則10条の2各号の基準に従って事案を類型化した上各類型ごとに具体的な同意基準をあらかじめ設定し,当該基準に該当する場合には同法43条1項ただし書の同意をしたものとして,建築審査会の個別の同意を経ることなく許可をする運用を行うことも,当該基準が同項及び同規則10条の- 22 -2の規定の趣旨及び目的に適合するものである限りにおいて,同法43条1項の許容するところと解される。そして,判断基準等における上記( )の定めは,その内 容にかんがみると,同規則10条の2第3号の基準に適合する建築物に係る許可の運用に係る基準として,同法43条1項の規定の趣旨,目的に照らして,合理的なものということができる(なお,提案基準4第2②及び同第4ただし書①の各「既に立ち並びのある通路」に係る基準の合理性については後述する。そうであると。)すれば,上記( )の定めに係る基準に適合するものとして建築審査会の個別の同意 を経ることなくされた同項ただし書の許可は,当該許可に係る建築物について当該基準に適合する限り,同項ただし書の要件を満たすものとして,適法というべきである。 ( )以上を前提に,本案の争点につき,以下検討する。 本案の争点①(本件通路が提案基準4第4ただし書①にいう「昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路」に当たるか否か)について( )「立ち並びのある通路」の意義について ア(ア)上記1( )に説示したとおり,建築基準法43条1項ただし書は,無接 道敷地であっても,建築物の用途,規模,位置及び構造等並びに周囲の状況に照らして,交 びのある通路」の意義について ア(ア)上記1( )に説示したとおり,建築基準法43条1項ただし書は,無接 道敷地であっても,建築物の用途,規模,位置及び構造等並びに周囲の状況に照らして,交通上,安全上,防火上及び衛生上の支障がないと認められるときは,建築物の建築を認めるのが相当な場合があることから,その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準(建築基準法施行規則10条の2が定める基準)に適合する建築物で,かつ,交通上,安全上,防火上及び衛生上支障がないと認められるものにつき,建築審査会の同意を要件として特定行政庁の許可によって同法43条1項本文の規定する接道義務を免除することができることとした規定である。同項ただし書のこのような趣旨からすると,同規則10条の2が定める基準は,同法43条1項本文に適合することにより確保されている市街地の環境と同等の水準を確保することを基本として定められたものであると解される。そして,同規則10条の2第3号の基準は,前記のとおり,同条1号及び2号の定型- 23 -的類型に該当しないものについて,一般的にその性能を規定し基準としたものであって,交通上,安全上,防火上及び衛生上支障がないことを個別に総合的な観点から審査,判断することとしたものであると解されるが,上記のような同法43条1項ただし書の趣旨及び同規則10条の2の趣旨に加えて,同法42条,43条1項,,及び同規則10条の2の各規定における道路道及び通路の各用例等を勘案すれば同条3号にいう通路とは,建築物の敷地と同法42条の道路との間に存在する空地であって,必ずしも一般の通行の用に供することを目的とするものである必要はないが,道路に代わるものとして,その位置,形状,利用状況等から客観的にみて将来にわたって安定的に の道路との間に存在する空地であって,必ずしも一般の通行の用に供することを目的とするものである必要はないが,道路に代わるものとして,その位置,形状,利用状況等から客観的にみて将来にわたって安定的に利用することができるものをいうと解するのが相当である。 (イ)ところで,前記のとおり,判断基準等は,建築基準法施行規則10条の2第3号の基準について,判断基準第2の3において,基準に該当する敷地の類型を規定した上,各類型ごとに提案基準において建築物の用途,規模,構造,通路の性,,状等に関する具体的基準を定め当該提案基準の各規定に該当する建築物について建築基準法43条1項ただし書の許可の対象として取り扱い,大阪府建築審査会の同意を得られたときは,同許可をすることとし,さらに,一括同意基準に該当するものについては,あらかじめ大阪府建築審査会の同意を得たものとして,個別の同意を経ずして同許可をする取扱いを定めており,判断基準第2の3②に該当する敷地のうち,提案基準4第2②に該当する通路(土地改良事業,農道整備事業等による農道,河川若しくは海岸の管理用の道,港湾施設である道,国若しくは地方公共団体の管理する道及び私有地によって幅員が構成されている通路で平成11年5月1日時点において既に立ち並びのある通路)であって,道路に至るまでの最小幅員が2.7メートル以上のものであり,かつ,提案基準4第4の本文(その敷地の接する通路について当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保することの合意があること)又はただし書①(昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路)若しくは同②に該当するものに2メートル以上接する敷地上の建築物が提案基準4第3に該当し,かつ,提案基準4第5の基準(通路の整備等)- 24 -を満たした場合において,一括同意 ち並びのある通路)若しくは同②に該当するものに2メートル以上接する敷地上の建築物が提案基準4第3に該当し,かつ,提案基準4第5の基準(通路の整備等)- 24 -を満たした場合において,一括同意基準4の基準に該当するときは,大阪府建築審査会の個別の同意を経ることなく,同法43条1項ただし書の要件を満たすものとして,被告(大阪府知事)において,同項の許可をするものと定められている。上記のとおり,提案基準4第4において,その敷地の接する通路について当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保することの合意があること,又は昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのあること等が基準とされたのは,現況として,その敷地がその建築物の用途,規模,位置及び構造に応じ,避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路(空地)であって,同,,法42条の道路に通ずるものに有効に接している建築物であっても将来において当該通路(空地)の利用状況等に変更が生じるなどした場合には,当該建築物につき,交通上,安全上,防火上及び衛生上の支障が生じ得ることにかんがみ,許可時において,許可に係る建築物の用途,規模,位置及び構造に応じ,避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有するとともに,将来にわたって同法42条の道路に代わるものとして安定的に利用することができることを確保しようとする趣旨によるものであると解される。そして,提案基準4第4ただし書①の基準は,当該通路部分の所有権等を有する者により通路として確保することの合意がない場合であっても,昭和45年6月20日の時点において既に立ち並びのある通路であれば,同第2②の基準(判断基準第2第2項①から④に掲げるもの及び私有地によって幅員が構成されている通路で平成11年5月1日時点に っても,昭和45年6月20日の時点において既に立ち並びのある通路であれば,同第2②の基準(判断基準第2第2項①から④に掲げるもの及び私有地によって幅員が構成されている通路で平成11年5月1日時点において既に立ち並びのある通路)に該当することと相まって,将来にわたり同法42条の道路に代わるものとして安定的に利用することができるとの考えに基づいて定められたものであると解される。そうであれば,提案基準4第4ただし書①の基準及び同第2②の各「立ち並びのある通路」に係る基準は,同規則10条の2第3号の基準に適合する建築物に係る許可の運用に係る基準として合理的なものということができる。 しかるところ,甲第8号証,乙第18,第19及び第39号証,証人P6の証言並びに弁論の全趣旨によれば,大阪府においては,建築基準法42条2項の「建築- 25 -物が立ち並んでいる」という文言を「当該道のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が当該道に面していること」をいうと解釈して,同項の適用関係につき長年にわたり一貫した実務の運用をしてきており,このような実務の運用を踏まえて,大阪府において提案基準4第4及び同第2の規定を,。 策定し大阪府建築審査会においてこれらを承認する議決をしたことが認められる,「」これらの経緯に照らせば提案基準4第4ただし書①にいう立ち並びのある通路の意義を解釈するに当たっては,上記大阪府における解釈を尊重すべきものということができる上,当該解釈によっても,その敷地が当該通路のみに接する建築物が2以上あって,これらの建築物が用途上不可分の関係になく(建築基準法施行令1条1号参照,これらの建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面している場合に)は,当該通路は,客観的にみて,同法42条の道路に代わるものとして らの建築物が用途上不可分の関係になく(建築基準法施行令1条1号参照,これらの建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面している場合に)は,当該通路は,客観的にみて,同法42条の道路に代わるものとして利用することができるものということができ,当該通路が昭和45年6月20日時点において既に上記のような状況にあり,平成11年5月1日時点においても上記のような状況にある場合には,当該通路は,客観的にみて,将来にわたり同条の道路に代わるものとして安定的に利用することができるものということができるから,建築基準法43条1項ただし書及び建築基準法施行規則10条の2第3号の規定の趣旨に違反しないことはもとより,提案基準4第4及び同第2の基準を定めた前記規定の趣旨にもかなうということができる。そうであるとすれば,提案基準4第4ただし書①及び同第2にいう「立ち並びのある通路」とは,当該通路のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面している通路をいうと解すべきである。 イこの点について,原告は,建築基準法42条2項の「建築物が立ち並んでいる」という文言につき,道を中心に建築物が寄り集まって市街の一区画を形成し,道が一般の通行の用に供され,防災,消防,衛生,採光,安全等の面で公益上重要な機能を果たす状況にあることをいうと解すべきことを前提に,同法43条1項ただし書の許可が,個人の財産権の内容に一定の制約を加えるという効果を生じると- 26 -いう点において同法42条2項の道の指定の場合と同様であるとして,提案基準4第4ただし書①の「立ち並びのある通路」の文言についても,上記と同様に解すべきであると主張する。確かに,同法43条1項ただし書の許可がされた場合,当該許可において同項ただし書にいう「広い空地」等に該当すると判 書①の「立ち並びのある通路」の文言についても,上記と同様に解すべきであると主張する。確かに,同法43条1項ただし書の許可がされた場合,当該許可において同項ただし書にいう「広い空地」等に該当すると判断された土地の所,,,。 有者等はその所有権等につき事実上一定の制約を受けるということができるしかしながら,同法42条2項の指定の対象とされた道の所有者等が法律上の制約同法44条45条参照を受けるのに対し同法43条1項ただし書にいう広(,),「い空地」等の所有者等について何らかの制約を課した規定は,建築基準法には見当たらない。そして,提案基準4第4ただし書①が,従前の大阪府における同法42条2項の適用関係についての実務の運用を踏まえて策定されたものであり,提案基準4第4ただし書①の「立ち並びのある通路」の文言について,当該実務の運用に係る大阪府の解釈と同義の解釈をしたとしても,同法43条1項ただし書及び同規則10条の2第3号の規定の趣旨等に反しないことは,既に認定,説示したとおりである。これらによれば,同法42条2項にいう「建築物が立ち並んでいる」の解釈いかんにかかわらず,上記原告の主張はその前提を欠くものというべきであり,採用することができない。 ウなお,前記のとおり,建築基準法42条,43条1項及び建築基準法施行規則10条の2の各規定における道路,道及び通路の各用例並びに同条2号が同号にいう道について公共の用に供することを明示的に要件として規定していることを勘案すれば,同条3号にいう「通路」は,必ずしも一般の通行の用に供することを目的とするものである必要はないと解され,そうであるとすれば,提案基準4にいう通路についても,同様に解するのが相当である。 エ以上によれば,提案基準4第4ただし書①及び同第2②にいう「立ち並 ことを目的とするものである必要はないと解され,そうであるとすれば,提案基準4にいう通路についても,同様に解するのが相当である。 エ以上によれば,提案基準4第4ただし書①及び同第2②にいう「立ち並びのある通路」とは,当該通路のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が当該通路に面している通路をいい,必ずしも,一般の通行の用に供することを目的とするものである必要はないと解される。 - 27 -( )本件通路について ア前記認定事実に加えて,甲第15から第18号証まで(各枝番を含む)及。 び第21号証,乙第4,第5,第24から第26号証まで及び第36号証,原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば,昭和45年6月20日当時,α×××番の土地上に本件母屋が,α×××番の土地上に本件温室がそれぞれ建っていたこと,本件母屋は,建築基準法2条1号にいう建築物に該当するものであって,原告を含むP2の家族が住居として生活しており,その玄関は本件通路に面していたこと,本件温室は,昭和43年ころ,P2が257万5000円をかけて建築したものであって,床面積は約200坪に及び,基礎を有し,鉄骨及び木材を骨組みとするガラス張りの大規模なもので,同号にいう建築物に該当し,その出入口は本件通路に面していたこと,P2とその妻は,園芸農家として本件温室において花(菊,ポインセチア等)の栽培をし,トラック等で出荷するとともに,その周辺においても花の栽培等をしていたこと,同人らは家族以外の者を雇うことはなく,家族だけで農業を営んでいたこと,同日当時,本件母屋及び本件温室を除き,その敷地が本件通路に接する建築物は建っていなかったこと,本件温室は,平成11年12月ころその同じ場所に約900万円をかけて立て替えられ,立て替えられた温室は現在 日当時,本件母屋及び本件温室を除き,その敷地が本件通路に接する建築物は建っていなかったこと,本件温室は,平成11年12月ころその同じ場所に約900万円をかけて立て替えられ,立て替えられた温室は現在も存在していること,現在,α×××番の土地上に本件離れも存在し,原告は,本件母屋及び本件離れにおいて居住していることが認められる。 イ以上認定したところによれば,本件母屋はP2及びその家族が生活するための住居として,本件温室はP2及びその妻の営む出荷用の農業に係る花の栽培のための施設として,それぞれ利用されていたのであって,これらの各建築物の用途に照らせば,本件母屋と本件温室とが近距離にあり,いずれもP2の所有に係り,かつ,同人及びその家族のみが使用していたことなどをしんしゃくしてもなお,両者はそれぞれ別の用途に供されていて,両者を分離してもそれぞれの用途を実現するのに支障を来すことはなかったといわざるを得ず,両者が建築基準法施行令1条1号にいう「用途上不可分の関係」にあったということはできない。したがって,本- 28 -件母屋及び本件温室のそれぞれに一の敷地があったということができるから,本件通路について,本件通路のみに接する建築物の敷地が2以上あって,その建築物の玄関等主な出入口が本件通路に面していたということができる。 以上より,本件通路は,提案基準4第4ただし書①にいう「昭和45年6月20日時点において既に立ち並びのある通路」に当たるというべきである。そして,上記事実関係によれば,本件通路は,提案基準4第2②にいう「平成11年5月1日時点において既に立ち並びのある通路」にも該当するというべきである。 本件許可の適法性について( )以上説示したところによれば,本件建築物は,提案基準4及び一括同意基 準4の規定する各基準(判断基 おいて既に立ち並びのある通路」にも該当するというべきである。 本件許可の適法性について( )以上説示したところによれば,本件建築物は,提案基準4及び一括同意基 準4の規定する各基準(判断基準第2の3②,提案基準4第2②,同第3,同第4ただし書①,同第5及び一括同意基準4)を満たすということができる。そして,前記2( )において説示したところからすれば,本件建築物が上記各基準に適合す るものとして大阪府建築審査会の個別の同意を経ることなくされた本件許可は,建築基準法43条1項ただし書の要件を満たすものとして,適法であるというべきである。 ( )以上によれば,その余の点を判断するまでもなく,本件許可は適法という べきである。 結論 よって,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部裁判長裁判官西川知一郎裁判官森田亮- 29 -裁判官田中健治は,転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官西川知一郎
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