平成20年(ワ)第40号(交通)損害賠償請求事件判決主文 被告は,原告に対し,1221万9618円及びこれに対する平成16年7月29日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを2分し,その1を原告の,その余を被告の各負担とする。 この判決は,原告勝訴部分に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1請求 被告は,原告に対し,2622万2709円及びこれに対する平成16年7月29日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。 訴訟費用は被告の負担とする。 仮執行宣言第2事案の概要本件は,後記交通事故(本件事故)により受傷した原告が,被告に対して,聴覚障害者にとって肩や手の運動障害は健常者にとっての言語障害に相当する等主張し,民法709条,自賠法3条に基づき損害賠償請求をなした事案である。 当事者間に争いのない事実等(証拠を挙げていない事実は争いがない)。 ( ) 原告は,聴覚障害者であり,身体障害者1級の認定を受けている。 ( ) 本件事故の発生 ア日時平成16年7月29日午後8時20分ころイ場所名古屋市(以下略)先路線上(その他名古屋市道)ウ被告車被告所有,運転の普通乗用自動車エ態様原告が横断歩道を横断中,被告車が原告に衝突し,原告を道路上に転倒させた。 ( ) 原告は,本件事故により,右肋骨骨折,右鎖骨骨折,左橈骨遠位端骨折 の傷害を受け,A病院に平成16年7月30日から同年8月17日まで入院し(19日間,同病院に同年8月18日から平成17年3月2日まで通)院し(実通院日数59日,平成17年1月26日から平成18年3月24)日までB病院に通院した(実通院日数62日。 )( ) 院し(19日間,同病院に同年8月18日から平成17年3月2日まで通)院し(実通院日数59日,平成17年1月26日から平成18年3月24)日までB病院に通院した(実通院日数62日。 )( ) 原告は,平成18年3月24日症状固定し(甲7,以下のとおり後遺障 )害等級併合11級の認定を受けた(甲8の1・2。 )右肩関節の機能障害12級6号右鎖骨の変形障害12級5号左手関節神経障害14級9号( ) 被告は,右折するにあたり,横断歩道上の歩行者の有無を注視し,注意 して右折すべきであり,これを怠り,本件事故を起こしたものであって,また,被告車の所有者であり,民法709条,自賠法3条により,原告の被った損害を賠償すべき義務がある(甲2ないし4。 )( ) 言語障害に関する後遺障害等級 語音は,口腔等附属管の形の変化によって形成されるが,この語音を形成するために,口腔等附属管の形を変えることを構音という。 語音は,母音と子音とに区別される。子音を構音部位に分類すると,次の4種類となる。 口唇音(ま行音,ぱ行音,ば行音,わ行音,ふ)歯舌音(な行音,た行音,だ行音,ら行音,さ行音,しゅ,し,ざ行音,じゅ)口蓋音(か行音,が行音,や行音,ひ,にゅ,ぎゅ,ん)喉頭音(は行音)4級2号,6級2号にいう「言語の機能に著しい障害を残すもの」とは,4種の語音(口唇音,歯舌音,口蓋音,喉頭音)のうち,2種の発音不能のもの又は綴音機能に障害があるため,言語のみを用いては意思を疎通することができないものをいう。 9級6号,10級3号にいう「言語の機能に障害を残すもの」とは,4種の語音のうち,1種の発音不能のものをいう。 ( ) 既払い 原告は治療費113万1536円,メガネ代4万2624円,シャワートイレ取付代3万4807円,自賠責保 機能に障害を残すもの」とは,4種の語音のうち,1種の発音不能のものをいう。 ( ) 既払い 原告は治療費113万1536円,メガネ代4万2624円,シャワートイレ取付代3万4807円,自賠責保険から331万円(原告自認,合)計451万8967円の支払を受けている。 争点 ( ) 原告の後遺障害等級(手話障害の有無,相当等級) (原告の主張)ア原告は,聴覚障害を抱えており,手話によってコミュニケーションを行っている。肩や手の運動障害は,いわゆる健常者における発語障害にも相当する。このような原告の特殊事情を考慮した場合,原告の手話言語能力における後遺障害(甲20参照)は,4種の語音のうちの2種の発音不能が言語機能の著しい障害とされていることと対比すれば,手話言語能力の著しい障害(自賠責後遺障害等級6級2号)に相当する。そして,原告の右肩関節の機能障害等が併合11級に認定されているので,併合5級となる。 イ被告の主張に対する反論作業療法報告書について,作業療法士は手話の専門家ではない。可動域についても症状固定以前の測定であり,また,手話で問題となるのは「他動」ではなく「自動」である。手話は利き手で主要な動きを行い,非利,き手を補助的に使うものであって,原告は左利きであり,主要な動きは左手で行ってきた。原告は,左手の損傷により著しい手話機能の障害を受けている。 1つの現象が2つの機能障害をもたらした場合,双方の機能障害として評価されるのは当然のことであり(例えば口腔部に障害を受けた結果,そしゃく機能と言語障害を受けた場合,双方の後遺障害として評価され)て何の不自然さもない。 原告は,聴覚障害者の手話機能障害は口話者における言語機能障害と同等の後遺障害と評価される,そして,その程度については,交通事故損害賠償実務に定着 後遺障害として評価され)て何の不自然さもない。 原告は,聴覚障害者の手話機能障害は口話者における言語機能障害と同等の後遺障害と評価される,そして,その程度については,交通事故損害賠償実務に定着している自賠責保険後遺障害等級と相応させて評価すべきであると主張しているのである。 (被告の主張)ア原告は,作業療法報告書(乙2の2)には,手話について両手で表現をする際に左手が動かしづらく,左右の手の動きのスピードが異なるために,話し方が変わったと周囲から言われるようになったと記載され,他者との手話が行われていた可能性が高く,また,原告は,本件事故後であっても左手の母指及び小指は伸屈が可能であり,原告の手話に支障が出た程度については,慎重に判断するべきである。さらに,原告の手形要素はおよそ障害されていないものと考えることができる。 イ口話の言語障害は必ずしも他の障害を前提としていない。それに対し,手話の障害は上肢の障害が存することが当然の前提となっており,手の機能障害を後遺障害として認定しながら,さらに手話の後遺障害を認めるとなると,いわば機能障害を二重評価することになり,必然的に併合が生じてしまう。 そもそも,言語の機能障害についての等級は明確かつ厳格な基準に基づいている(前記1( )参照。手話については,このように明確に区別を )なし得ず,後遺障害の等級に相当するかどうかは,より慎重に判断されなければならない。 手話は,両手の動作等で単語を表すものであるが,それとは別にいわゆる指文字によって片手の指で50音全てを表現することができる。原告は両手両腕が存し,一部手話によって表現できない単語については指文字で表現できる。 このように,原告の手話は,口話の場合の「ゆっくりと発言すれば,聞き取りにくくはなく,1音ずつ発音すれば発音不能 告は両手両腕が存し,一部手話によって表現できない単語については指文字で表現できる。 このように,原告の手話は,口話の場合の「ゆっくりと発言すれば,聞き取りにくくはなく,1音ずつ発音すれば発音不能の語音はない」という状態に相当し,口話の言語障害と比較し後遺障害6級や10級には該当しない。 また,口話の場合,声帯麻痺による著しいかすれ声は12級を準用されるが,原告の手話による会話が困難となった程度は,両手両腕により多くの単語を表現することができ,単語は指文字を使って表現でき,12級に相当するレベルのものとはいえず,12級にも該当しない。仮に,12級に該当するとしても,本件においては12級の後遺障害が他に2つあり,併合級で11級に上がっており,さらに,手話の後遺障害が12級とされたとしても,原告の後遺障害等級は併合11級に変わりはない。 ( ) 損害額(特に,休業損害,逸失利益) 第3当裁判所の判断 争点( )(原告の後遺障害等級〈手話障害の有無,相当等級)について 〉( ) 原告は,前記認定のとおり,本件事故により,右肋骨骨折,右鎖骨骨折, 左橈骨遠位端骨折の傷害を受け,右肩関節の機能障害(12級6号,右鎖)骨の変形障害(12級5号,左手関節神経障害(14級9号)により,併)合11級の後遺障害認定を受けている。 平成17年8月2日,B病院理学療法記録(乙2の2・11頁)では,原告の手指の可動域につき,以下のとおりであった(いずれも他動。なお,)同日の右手指の測定値は見あたらない。 左母指IP関節の屈曲70度,伸展35度の合計105度左小指のMP関節の屈曲95度,伸展55度の合計150度PIP関節の屈曲105度,伸展5度の合計110度B病院の平成17年12月20日付けのOT報告書(乙2の2・24頁)では,手話につい 105度左小指のMP関節の屈曲95度,伸展55度の合計150度PIP関節の屈曲105度,伸展5度の合計110度B病院の平成17年12月20日付けのOT報告書(乙2の2・24頁)では,手話について両手で表現をする際に左手が動かしづらく,左右の手の動きのスピードが異なるために,話し方が変わったと周囲から言われるようになったと記載されている。 B病院医師の平成18年3月29日作成の自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書(甲7)には以下のとおりの記載がある。 「自覚症状」欄「左手関節部の疼痛。左手で重いものが持てない。フライパンを左手だけでは使えない。包丁が使いにくい。更衣時右鎖骨の疼痛がある。更衣時左手は使えない。タオル絞りが出きない。ビン,缶のふたが開けられない。寒冷時に右鎖骨・肩甲部,左手関節の疼痛がある。右肩の違和感がある。左手で右手指の爪は切れない。受傷前はバドミントン,ウオーキング,スキー,水泳をやっていたが,現在はしていない。左手で食器把持は困難軽度」また「精神・神経の障害他覚症状および検査結果」欄「右鎖骨変形して,骨癒合している,左橈骨骨癒合良好(金属製のプレートとスクリューで固定されている,手話言語能力は受傷前の60%程度,1時間くらいで痛み,)疲れが出現する,左母指の動きが悪く右の50%の動かし易さである,左手関節を内側にひねる手話言語能力がわかりにくいと指摘される」。 ,,,,関節機能障害として手関節背屈他動右65度左60度自動右65度左45度,掌屈他動右70度,左45度,自動右65度,左40度(以下,他動,自動同じ)前腕回内右80度,左80度,回外右80度,左75度,,,,,,肩関節外転右120度左180度内転右0度左0度挙上右150度左180度,伸展右60度,左60度である。 動,自動同じ)前腕回内右80度,左80度,回外右80度,左75度,,,,,,肩関節外転右120度左180度内転右0度左0度挙上右150度左180度,伸展右60度,左60度である。指関節に関する記載はない。 C教授は,原告が左手が利き手であり,手話の音素(語と語の意味を区別することのできる最少の単位のもの)として手型,位置,動きを抽出し,原告の手話言語機能障害の程度について,各要素につき利き手と非利き手ににつきそれぞれの障害の程度を示し,それによれば,手型要素利き手77パーセント,非利き手0パーセント,掌の方向要素利き手88パーセント,非利き手50パーセント,位置要素利き手50ないし60パーセント,非利き手27ないし50パーセント,動き要素のうち,軌跡運動利き手判定不能,非利き手10パーセント,掌方向変化利き手100パーセント,非利き手0パーセント,手型変化利き手95パーセント,非利き手0パーセントとなっている。すなわち,手形要素については日本手話で使用する44種類の手型のうち,23パーセントにあたる10種類しか弁別機能のある手型として表し分けることができなかった。24種類の掌の方向要素につき,それぞれ前記のパーセントの種類につき表すことができなかった。位置要素について日本手話では14種類の位置要素が音素的に機能しており,約6割が利き手では表すことができなかった。動き要素について,軌跡移動につき手首の動きが制限されているために判断不能であり,掌方向の変化の動きは,手首関節により表されるが掌屈・背屈回転回外・回内・回転左右への屈曲尺,,(),(),()。 屈・橈屈利き手についてはどの動きも表すことができなかった甲20平成20年7月22日,B病院で,原告の関節可動域の測定がなされている(甲21・ 右への屈曲尺,,(),(),()。 屈・橈屈利き手についてはどの動きも表すことができなかった甲20平成20年7月22日,B病院で,原告の関節可動域の測定がなされている(甲21・11,12頁。骨萎縮の影響が指摘されている。 )()(,),(,),左母指MPの屈曲35度他動以下同じ30度自動以下同じ伸展15度,-10度(IP)の屈曲20度,-10度,伸展70度,70度右母指(MP)の屈曲60度,56度,伸展10度,10度(IP)の屈曲70度,65度,伸展15度,10度左小指のMPの屈曲60度,30度,伸展40度,30度PIPの屈曲80度,38度,伸展0度,0度右小指のMPの屈曲86度,86度,伸展35度,15度PIPの屈曲92度,92度,伸展0度,0度( ) そこで,以下判断する。 ア手話と後遺障害等級聴覚障害者において,手話は相手方と意思を疎通する伝達手段であり,健常者の口話による意思疎通の伝達手段に相当するものであって,手,肩に傷害を負って後遺障害が残り,手話に影響が及んだ場合には,その程度によって後遺障害と扱うのが相当である。そして,訴訟での後遺障害等級認定は,自賠責後遺障害の等級を参考にするものの,口話と手話の手段の違いに照らし,意思疎通が可能かどうか,手話能力がどの程度失われているかを中心に個別的に判断するのが相当である。また,機能障害と言語障害と両方を評価したとしても,原告の主張するように口話の言語障害の場合にもありうることであり,手話特有の問題ではなく,また,労働能力喪失率の割合及び慰謝料額は必ずしも等級からそのまま導かれるものではないこともあり,これをもって手話につき後遺障害を認めることを否定するものではない。 イ原告の後遺障害等級原告の手関節,肩関節の機 失率の割合及び慰謝料額は必ずしも等級からそのまま導かれるものではないこともあり,これをもって手話につき後遺障害を認めることを否定するものではない。 イ原告の後遺障害等級原告の手関節,肩関節の機能障害の程度については,後遺障害診断書のとおりと認められる。 左母指及び左小指の関節の可動域については,前記のとおり平成17年8月2日の測定結果と,平成20年7月22日の測定結果がある(さらにそれ以前の測定結果もある。可動域の測定の変化につき甲24参照。ま)た,甲20号証で原告の指の動きについて記載されている。 平成17年8月2日の測定値については,他動であり,これを採用できない。そして,平成20年7月22日の可動域の測定は,症状固定後のものであり,骨萎縮の進行の影響を受けているものの,自動の数値が比較的正確なものと認められる(左小指は)他動的には全部動くとの記載があ。 るものの(甲21・3頁,動いても可動域制限があることはありうるこ)とであり,これをもって甲21号証の測定値が採用できないことにはならない。なお,甲20号証の原告の指の動きについては,医学的な整合性をもって説明することは困難の指摘があり(乙3,原告の左小指がまった)く曲がらないとはいえず,これをそのまま採用することはできない。 以上のとおり,原告の利き手である左手の母指及び小指につき(その,程度は必ずしも明確ではないが)可動域制限が認められ,左手関節及び右肩関節の可動域を考え合わせると,原告の手話に影響を及ぼしているものと認められる。 そして,影響の程度につき検討するに,甲20号証があるものの,これをそのまま採用できず,また,原告は手話で意思疎通ができており,著しい障害とまで認めることはできない。 しかし,原告の実際の手話について,分かりにくくなったとする者がおり(甲1 証があるものの,これをそのまま採用できず,また,原告は手話で意思疎通ができており,著しい障害とまで認めることはできない。 しかし,原告の実際の手話について,分かりにくくなったとする者がおり(甲15の1ないし11,単語につき表現できにくいものや,他の単)語表現と紛らわしいものがあること(甲20,左手関節,右肩関節にも)後遺障害を残し,原告は長く手話をしていると1時間ほどで痛み,疲れが出てくること,手話能力は従前の60パーセント程度であるとの記載があり(甲7,これらを総合すると,原告の手話言語能力は後遺障害12級)程度の14パーセント程度失われたものと認めるのが相当である。なお,原告の手話を長く見ていると,慣れてくるため手話が成立することがあるが,手話通訳者が通訳できているからといって(たとえば,平成19年3月30日の記載〈乙2の1・22頁,原告の手話について後遺障害を〉)否定するものではない。 そして,その他の原告の後遺障害等級と併せると,手話の障害の12級相当の障害が増えるものの,併合11級となり,等級に変わりはない。 争点( )について ( ) 治療費(請求・認容額117万5920円) 原告は,117万5920円の治療費を要したことが認められ(甲5,6〈枝番を含む,弁論の全趣旨,相当因果関係のある治療費と認める。 〉)( ) 入院雑費(請求・認容額2万6600円) 前記のとおり,原告は,本件事故により19日間入院しており,入院雑費は1日当たり1400円が相当であるから,合計2万6600円となる。 ( ) 付添看護費(請求・認容額11万4000円) 原告は19日間入院し,骨折の傷害を負い,入院の翌日から退院するまで鎖骨バンドをはめており(甲5の1,また,聴覚障害者であることから)付添看護の必要があり,入院 請求・認容額11万4000円) 原告は19日間入院し,骨折の傷害を負い,入院の翌日から退院するまで鎖骨バンドをはめており(甲5の1,また,聴覚障害者であることから)付添看護の必要があり,入院付添看護費は1日あたり6000円とするのが相当であり,合計11万4000円となる。 ( ) 介助器具等(請求・認容額11万2239円) 原告は,メガネ代4万2624円(甲11の2,シャワートイレ代6万)(),,9615円甲11の1合計11万2239円を要したことが認められ相当因果関係のある損害と認められる。 ( ) 休業損害(請求466万5411円)375万6469円 前記のとおり,原告は,本件事故でA病院に入院し,その後,A病院及びB病院に通院し,平成18年3月24日症状固定した。そして,原告は専業主婦で,本件事故当時○歳であり(甲2,原告,退院後,自宅でリハビリ)をしており,平成16年12月13日「そうじきかけると痛い(A病院診」,,),「」()療録以下同じ乙1の3・30頁同月15日雑巾しぼると痛い同と記載されておりまた平成17年1月19日日常生活は調子よい乙,,「」(1の2・23頁,同月26日「力がかからない事なら日常内動作大分行え)るようになった」と記載されている(乙1の3・32頁。しかし,他方,)平成17年7月29日「包丁皮むきができない(B病院診療録,以下,」同じ,乙2の1・8頁,同年9月30日「皮むき包丁掌側にあてると痛)みでやりにくい(乙2の1・11頁)との記載もみられる。 」以上のとおりであり,原告は専業主婦で,退院後はリハビリ中心であり,症状は固定時まで徐々に改善していくものであり,被告の主張するような平成17年1月末で主婦業が可能となったとは認めら みられる。 」以上のとおりであり,原告は専業主婦で,退院後はリハビリ中心であり,症状は固定時まで徐々に改善していくものであり,被告の主張するような平成17年1月末で主婦業が可能となったとは認められないが,家事労働につき入院から退院してA病院に通院しているころまでの6か月間の180日間は100パーセント,その後は症状固定時まで50パーセント休業したものと認めるのが相当である。 ,,。 そうすると休業損害は以下の計算式により375万6469円となるなお,原告は平成18年女子中卒年齢別の賃金センサスで請求しているが,家事労働であり,本件事故時の平成16年学歴計全年齢女子賃金センサス350万2200円を用いるのが相当であり,これを基礎収入とする。 350万2200円÷365日×(180日+〈603日-180日〉÷2)(原告の請求平成18年賃金センサス女子・中卒55ないし59歳282万4100円×603日〈原告の請求分〉被告の主張原告が自用を弁ずるのに支障がなくなる時期は,本件受傷後3か月であり,平成17年1月末ころには通常の主婦業は概ね可能となったものである)。 ( ) 慰謝料(請求・認容額150万円) 原告は,本件事故による傷害により,19日間入院し,実通院日数合計121日(原告の主張する12か月見当で算定する)通院している。そして,その他の事情を考慮すると,慰謝料額は150万円と認める。 ( ) 逸失利益(請求1424万7506円)475万3357円 原告は,前記のとおりの後遺障害を残し,症状固定時○歳であり,家事労働につき左手関節部の疼痛があり,左手で重いものが持てない,フライパンを左手だけでは使えない,包丁が使いにくい,更衣時右鎖骨疼痛がある,更衣時左手は使えない,タオル絞りが出きない,ビン,缶のふたが開けられな 手関節部の疼痛があり,左手で重いものが持てない,フライパンを左手だけでは使えない,包丁が使いにくい,更衣時右鎖骨疼痛がある,更衣時左手は使えない,タオル絞りが出きない,ビン,缶のふたが開けられない,寒冷時に右鎖骨・肩甲部,左手関節の疼痛がある,右肩の違和感がある,左手で右手指の爪は切れない,受傷前はバドミントン,ウオーキング,スキー,水泳をやっていたが,現在はしていない,左手で食器把持は困難軽度,手話での会話に支障があるという状態である(甲7,17,原告。そして,鎖骨変形は,鎖骨骨折によるものであり,更衣時ある)いは寒冷時に鎖骨に疼痛が残り,家事労働への影響を否定することはできず,11級の20パーセントの労働能力喪失率を認めるのが相当である。 そうすると,逸失利益は以下の計算式により,475万3357円となる。なお,基礎収入は平成18年女子学歴計60ないし64歳の平均賃金の286万1400円とするのが相当である。 286万1400円×0.2×8.306(原告の請求平成18年賃金センサス女子・中卒・60ないし64歳217万1300円×0.79×8.306〈11年のライプニッツ係数〉被告の主張鎖骨変形については労働能力に影響を与えるものではなく,12級の14パーセントとすべきである)。 ( ) 後遺障害慰謝料(請求650万円)420万円 原告は本件事故により併合11級の後遺障害が残り,その他本件で現れた諸事情を考慮すると,慰謝料額は420万円と認める。 ( ) 以上合計 1563万8585円() 既払い 既払い額合計451万8967円を控除すると,1111万9618円となる。 () 弁護士費用(請求240万円)110万円 本件訴訟の経緯等に照らすと,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は110万円と認め 万8967円を控除すると、1111万9618円となる。弁護士費用(請求240万円)110万円 本件訴訟の経緯等に照らすと、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は110万円と認める。以上合計 1221万9618円 結論 よって、原告の本件請求は、主文の限度で理由がある。なお、仮執行免脱宣言の申立ては相当でないので、却下する。名古屋地方裁判所民事第3部裁判官徳永幸藏
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