平成23(行コ)52 道路占用許可処分取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所 平成22年(行ウ)第1号)

裁判年月日・裁判所
平成23年10月5日 大阪高等裁判所 公物・公企業など
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判決文本文18,012 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 当事者の求める裁判 1 控訴人(1) 原判決を取り消す。 (2) 処分行政庁が平成22年3月31日付けでA株式会社に対してした道路占用許可処分(高建管第○号)のうち,高槻市α×及び同市β×-3を占用場所とする部分をいずれも取り消す。 2 被控訴人(1) 本案前の答弁ア原判決を取り消す。 イ本件訴えを却下する。 (2) 本案についての答弁本件控訴を棄却する。 第2 事案の概要 1 本件は,平成22年3月31日付けで処分行政庁がA株式会社(以下「A」という。)に対してガス管の埋設を目的とする道路占用を平成23年3月31日まで許可する旨の処分(以下「本件許可処分」という。)をしたところ,占用許可の対象とされた道路の一部に既にガス管を埋設している控訴人が,保安協議を欠くこと等を理由として,本件許可処分のうち,控訴人がガス管を埋設している道路を対象とする部分の取消しを求めている事案である。 原審は,控訴人の請求を棄却したところ,控訴人はこれを不服として控訴した。 被控訴人は,当審において,原判決後,本件許可処分の占用期間が終了したから訴えの利益が失われたとの主張を追加している。 2 関連法令の定め,前提事実,争点,争点に関する当事者の主張は,次のとおり改めるほか,原判決「第2 事案の概要」の1ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 3頁10行目「ガス管埋設工事」の次に「(以下,そのための下記各許可処分を併せて「本件旧許可処分」という。)」を加える。 (2) 4頁11行目末尾に続き,改行して,次のとおり加える。 ) 3頁10行目「ガス管埋設工事」の次に「(以下,そのための下記各許可処分を併せて「本件旧許可処分」という。)」を加える。 (2) 4頁11行目末尾に続き,改行して,次のとおり加える。 「オ処分行政庁は,平成23年3月31日付けで,Aに対し,高槻市が管理する道路(本件各道路を含む。)の占用につき,以下の内容の道路占用許可処分(以下「本件新許可処分」という。)を一括して行った(乙6)。 占用目的ガス管埋設(継続)占用の場所高槻市内一円占用の期間平成23年4月1日から平成24年3月31日まで占用物件ガス管(但し,本件各道路以外の場所において新設されたガス管が新たに若干加わっている。)」 3 当審における当事者の本案前の主張(1) 被控訴人本件許可処分は,平成23年3月31日に占用期間が終了し,同日,占用期間を平成24年3月31日までとする本件新許可処分がなされた。 本件新許可処分は,本件許可処分と比べ,占用物件であるガス管の長さが異なっており,単に,期間を更新したものではない。したがって,本件許可処分が違法であったとしても,そのことから当然に本件新許可処分が違法となるという論理必然の関係は認められない。 よって,本件許可処分の取消しを求める訴えは,その利益を欠き,不適法 である。 控訴人は,最高裁昭和43年12月24日判決(民集22巻13号3254頁。以下「昭和43年最判」という。)を援用して,訴えの利益が失われない旨主張する。しかし,これは,テレビジョンの解説に関し,同一周波数を巡って競願関係にある者が免許人の地位を得るために訴えたものであり,事案を異にする。 (2) 控訴人本件許可処分は,占用 する。しかし,これは,テレビジョンの解説に関し,同一周波数を巡って競願関係にある者が免許人の地位を得るために訴えたものであり,事案を異にする。 (2) 控訴人本件許可処分は,占用期間を平成23年3月31日までとするものであるが,その占用は,ガス管を継続して埋設するためであるから,本来,ガスの供給目的が継続する限り,継続占用することが予定されている。これを平成23年3月31日までとしたのは,処分行政庁が,道路占用許可処分を年度単位で行っているためであり,毎年,年度初めに占用期間を1年間延長更新許可する扱いになっており,更新処分にほかならない。 したがって,本件許可処分は,その占用期間の満了後も更新許可されることが予定されており,かつ,その後の路占用許可処分はいずれも本件許可処分を前提にその占用期間を延長するだけのものであるから,本件許可処分の占用期間が満了したからといって,本件許可処分の取消しを求める訴えの利益が消滅するものではない(昭和43年最判)。 4 当審における控訴人の補充的主張(1) 本件許可処分は,保安協議を経ておらず,違法である。 原審は,保安協議を経ることは,ガス管埋設工事のために道路を占用することを許可する場合の要件であって,工事完了後にガス管を継続して設置するために道路を占用することを許可する場合の要件ではない旨判示する。 しかしながら,法32条1項は,「物件を設け,継続して道路を使用しようとする」行為について占用許可を要するものとし,「継続して道路を使用すること」を「物件を設けること」から分離して規定しておらず,占用許可 申請書にも両者を区別せず,「工事実施の方法」を記載するよう定めている(同条2項)。また,高槻市における道路占用許可は,年度単位で行われ 物件を設けること」から分離して規定しておらず,占用許可 申請書にも両者を区別せず,「工事実施の方法」を記載するよう定めている(同条2項)。また,高槻市における道路占用許可は,年度単位で行われているため,本件許可処分(継続)と,これに先立つ本件旧許可処分(新設)がなされているが,前者は,後者の占用期間を1年間延長する更新処分にほかならず,実質的に1つの処分である。 したがって,道路占用許可の要件を新設の場合と継続の場合とで別意に解することは不当である。 (2) 原判決は,本件旧許可処分がなされた時点では判明していなかった本件各道路の埋設物の状況や処分後のAによるガス管埋設時の状況に基づいて,本件許可処分の要件適合性(占用場所と構造)を判断しており,抗告訴訟の審理構造に反している。 また,被控訴人は,本件許可処分の際には,本件各道路の埋設物の状況について何ら調査しておらず違法である。 (3) 占用の場所についてア本件各道路は,道路の幅員や埋設状況を勘案すれば,雨水管,汚水管,電柱,複数のガス管を埋設することは,危険であり,「他の占用物件と錯そうするおそれのない場所」に当たらない。 イ原判決は,法は,ガス管が埋設されている道路に新たに別のガス管を埋設することを許容していると解するが,そのような根拠はない。 ウ 「他の占用物件と錯そうするおそれのない場所」を要件とするのは,占用物件が錯そうすると改修工事等を行うに当たって複雑な作業を要し,他の占用物件を毀損するおそれがあることから,そうした事態を防ぐためでもある。しかるところ,幅員が3.55メートルから4.8メートルである本件各道路においては,地下埋設物件の維持管理・改修工事のための道路占用スペースの確保がそもそも難しい上に,複数のガス管があれば,い ある。しかるところ,幅員が3.55メートルから4.8メートルである本件各道路においては,地下埋設物件の維持管理・改修工事のための道路占用スペースの確保がそもそも難しい上に,複数のガス管があれば,いずれのガス管からのガス漏れかが直ちに分からず,Aと控訴人の両方の緊 急車両による作業を実施する必要があるが,そのようなスペースはない。 (4) 構造についてア原審は,控訴人所有のガス管とA所有のガス管は平行部で30センチメートル以上の離隔距離が確保され,交差部でもそれだけの距離が確保できない箇所については土嚢を挟んで配管されていることを理由にA所有のガス管が控訴人所有のガス管の構造に支障を及ぼすものではないと判示するが,維持管理や緊急時には,慎重な作業を期待できず,ガス管の材質はPE管であって容易に損傷し,損傷したときにはガス漏れを生ずる。したがって,今後の維持管理や緊急作業時を考えれば,他の占用物件の構造に支障がないとはいえないはずである。 イ原審は,Aのガス管と電柱との関係についても,埋設物間の距離を具体的に定めた法令は存しないとするが,実際には,ガス管破損事故は極めて多く,工事作業員の不注意があっても,ガス管が損傷されることがないような離隔距離が確保される必要がある。本件は十分な距離が確保されておらず,控訴人所有のガス管の構造に支障を及ぼすものである。 第3 当裁判所の判断 1 本案前の主張について被控訴人は,本件許可処分は,占用期間である平成23年3月31日の経過により,処分の効力が失われ,処分の取消しを求める訴えの利益がない旨主張する。 確かに,本件許可処分は,平成23年3月31日の経過により,効力を失い,本件新許可処分は,占用期間を更新する旨の処分ではなく,改めて,平成23年4月1日から る訴えの利益がない旨主張する。 確かに,本件許可処分は,平成23年3月31日の経過により,効力を失い,本件新許可処分は,占用期間を更新する旨の処分ではなく,改めて,平成23年4月1日から平成24年3月31日までの占用を許可する処分であるから,形式上新たにされた許可処分であって,単に期間を更新したものではない。しかしながら,前提事実及び証拠(乙4,6)によれば,本件旧許可処分,本件許可処分及び本件新許可処分は,いずれもAのガス管の埋設を 目的とするものであり,長期間にわたって道路を占用することを前提としていること,本件新許可処分は本件許可処分と比べて占用物件であるガス管の長さが若干増加しているが,これは,本件各道路部分以外の地区に新規に敷設されたガス管分が増加しているだけであって,その他の事項に変更はなく,少なくとも本件各道路部分に係る処分については,実質的には占用期間が更新されているに等しいことが認められる。したがって,本件許可処分において,道路の占用が1年間の短期間で終了するものとして,その期間内においてのみの許可要件について判断したということはあり得ず,道路の占用が相当長期に及ぶものであり,その間,多数回占用許可処分が繰り返されることを前提として,許可要件について判断したものと推認できる。このことは,本件新許可処分についても同様である。そうすると,本件許可処分について違法事由があることを理由として判決によって取り消されれば,その事情は本件新許可処分にも引き継がれ,行政庁は,その判決によって,その後の許可を取り消さなければならない拘束を受けるものと解される(行政事件訴訟法33条1項)。 よって,訴えの利益の観点からは,本件新許可処分は実質的には本件許可処分を更新したものと解され,本件許可処分の取消を求める訴えの利 ならない拘束を受けるものと解される(行政事件訴訟法33条1項)。 よって,訴えの利益の観点からは,本件新許可処分は実質的には本件許可処分を更新したものと解され,本件許可処分の取消を求める訴えの利益を認めるのが相当である。 なお,被控訴人は,昭和43年最判は競願関係にある当事者からの訴えの場合であり,本件とは事案を異にする旨主張するが,競願関係であることは原告適格を基礎付ける事情であると解されるから,被控訴人の主張は当たらない。 2 本案について当裁判所も,本件許可処分は法及び施行令に違反せず,控訴人の請求は認められないと判断する。 その理由は,原判決「第3 争点に対する判断」に記載のとおりであるか ら,これを引用する。 3 補足説明(1) 保安協議を経ていないことについて法32条1項は,道路に,工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用しようとする場合に,道路管理者の許可を要すると定めており,各号で工作物等が列記されているから,本条は,工作物等を設けて道路を継続使用する場合が予定されており,工作物等を設けることなく,継続して道路を使用することを想定しているとは解されない。 もっとも,工作物等には,ある程度の期間道路に設置し,その後は撤去することが予定される物とその撤去時期を予定せずに継続的に工作物等を設置して道路を占用することが予定される物があると解されるから,同条1項の「設け」には,「新たに設ける」場合と「継続して設置する」場合が含まれると解される。しかるところ,同条2項5号は,「工事実施の方法」を記載した申請書を提出することを求め,施行令13条6号は,これを受けて,工事実施の方法に関する基準として,「ガス管……が地下に設けられていると認められる場所又はその付近を掘削する工 事実施の方法」を記載した申請書を提出することを求め,施行令13条6号は,これを受けて,工事実施の方法に関する基準として,「ガス管……が地下に設けられていると認められる場所又はその付近を掘削する工事にあっては,保安上の支障のない場合を除き,イ試掘その他の方法により当該電線等を確認した後に実施することロ当該電線等の管理者との協議に基づき,当該電線等の移設又は防護,工事の見回り又は立会いその他の保安上必要な措置を講ずること」を定めるが,このような保安協議等は,工作物等を新たに設ける場合にのみ意味があるのは明らかであり,本件のように,既設のガス管を敷設した状態で道路の占用を継続する場合にまで,保安協議等を経ることを要件としているとは解されない。 そうすると,保安協議を欠くことを理由として,本件許可処分が違法であるとの控訴人の主張は認められない。 なお,控訴人は,本件許可処分が,これに先立つ,本件旧許可処分(新 設)と,実質上1つの処分である旨も主張するが,これらは,別個の処分であって,控訴人の主張は採用できない。 (2) 要件適合性の判断資料について控訴人は,①被控訴人は,本件許可処分をする際,占用の場所及び構造適合性について,要件適合性を調査していない,また,②原判決は,処分後,Aのガス管埋設工事によって判明した事情に基づいて,占用場所や構造についての要件適合性を判断しており,不当であると主張する。 しかしながら,処分行政庁は,本件許可処分(及びその前提となる本件旧許可処分)を行うに当たり,Aから,道路の占用の目的,場所,工作物の構造,工事実施の方法等を記載した申請書の提出を受けており(法32条2項),それによって,本件道路の幅員が3.55メートルないし4. 8メートルであることや住宅街の一般的な市道である ,場所,工作物の構造,工事実施の方法等を記載した申請書の提出を受けており(法32条2項),それによって,本件道路の幅員が3.55メートルないし4. 8メートルであることや住宅街の一般的な市道であること等の状況を確認しているのであるから,控訴人の主張は認められない。 また,確かに,原判決は,埋設工事の際のガス管の敷設状況(甲16,20)をも資料として占用の場所や構造が処分要件に適合していると判断しているが,実際に,ガス管が設置された後の状況をも資料として,処分の違法性を判断することは何ら抗告訴訟の構造に反するものではない。 (3) 占用の場所についてア施行令10条2号は,法33条の道路の占用許可基準に関する占用の場所について,「イ一般工作物等の種類又は道路の構造からみて,路面をしばしば掘削し,又は他の占用物件と錯そうするおそれのない場所であること。ロ保安上又は工事実施上の支障のない限り,他の占用物件に接近していること。ハ道路の構造又は地上にある占用物件に支障のない限り,当該一般工作物等の頂部が地面に接近していること。」を定めているところ,上記認定事実によれば,本件各道路は,幅員が3. 55メートルないし4.8メートルの住宅街にある一般的な市道である ことが認められ,これによると,本件各道路について,路面をしばしば掘削するおそれや,他の占用物件と錯綜するおそれのない場所に当たると判断した行政処分庁の判断が,法32条2項3号,1項,施行令10条2号に反するとは認められない。 イ控訴人は,法が複数のガス管の敷設を許容していると解すべきでないと主張する。しかしながら,ガス管を複数敷設することになることが,他の占用物件と錯そうするおそれを生じさせることになると解することはできず,控訴人の主張は失当である。 また ていると解すべきでないと主張する。しかしながら,ガス管を複数敷設することになることが,他の占用物件と錯そうするおそれを生じさせることになると解することはできず,控訴人の主張は失当である。 また,控訴人は,ガス漏れ等の場合に改修工事をする上で支障が生ずる旨主張するが,仮に,いずれのガスが漏れているかが不明であった場合があり,改修工事の際に支障が生ずる可能性があるとしても,他の占用物件と錯そうするおそれを生じさせる事情として,そのような事情を考慮すべきであると解することはできず,控訴人の主張は失当である。 (4) 構造について控訴人は,緊急作業時に作業が困難となる旨主張して,Aのガス管の構造が,構造についての要件を充足しない旨主張する。しかしながら,地下に設けられるガス管については,その構造が堅固で耐久性を有するとともに,道路及び地下にある他の占用物件の構造に支障を及ぼさず,道路の強度に影響を与えないものであれば足り(施行令12条2号),他の占用物件との距離や作業の困難性に影響するかどうかは,上記要件に影響しない。 4 以上によれば,控訴人の請求を棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第7民事部 裁判長裁判官永井ユタカ 裁判官泉薫 裁判官舟橋恭子 (原裁判等の表示) 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求処分行政庁が平成22年3月31日付けでA株式会社に対してした道路占用許可処分(高建管第○号)の をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求処分行政庁が平成22年3月31日付けでA株式会社に対してした道路占用許可処分(高建管第○号)のうち,高槻市α×及び同市β×-3を占用場所とする部分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本件は,処分行政庁がA株式会社(以下「A」という。)に対してガス管の埋設を目的とする道路占用許可処分(以下「本件許可処分」という。)をしたところ,占用許可の対象とされた道路の一部において既にガス管を埋設している原告が,本件許可処分のうち,原告がガス管を埋設している道路を対象とする部分の取消しを求めている事案である。 1 関係法令の定め道路法(以下「法」という。)及び同法施行令(以下「施行令」という。)は,以下のとおり規定している。 (1) 道路にガス管を設け,継続して道路を使用しようとするときは,道路管理 者の許可を受けなければならない(法32条1項2号)。この許可を受けようとする者は,申請書を提出しなければならず(法32条2項),同申請書には,道路の占用の場所(同項3号),ガス管の構造(同項4号),工事の実施方法(同項5号)等を記載しなければならない。 (2) 道路管理者は,道路の占用目的が法32条1項各号のいずれかに該当し,かつ,同条2項2号から7号までに掲げる事項について政令で定める基準に適合する場合に限り,道路占用許可を与えることができる(法33条1項)。 (3) ガス管を地下に設置しようとする場合,ガス管の種類又は道路の構造からみて,路面をしばしば掘削し,又は他の占用物件と錯そうするおそれのない場所でなければ,法32条2項3号にいう「道路の占用の場所」について政令で定める基準に適合しない(施行令11条の3 道路の構造からみて,路面をしばしば掘削し,又は他の占用物件と錯そうするおそれのない場所でなければ,法32条2項3号にいう「道路の占用の場所」について政令で定める基準に適合しない(施行令11条の3第2項,10条2号)。 (4) ガス管を地下に設置しようとする場合,当該ガス管が堅固で耐久性を有するとともに,道路及び地下にある他の占用物件の構造に支障を及ぼさないものでなければ,法32条2項4号にいう「構造」について政令で定める基準に適合しない(施行令12条2号イ)。 (5) 既にガス管等が地下に設けられていると認められる場所又はその付近を掘削する工事にあっては,保安上の支障のない場合を除き,既設のガス管等の管理者との協議(以下「保安協議」という。)に基づき,保安上必要な措置を講じなければ,法32条2項5号にいう「工事実施の方法」について政令で定める基準に適合しない(施行令13条6号ロ)。 2 前提事実(争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。)(1) 当事者等ア原告は,ガスの販売等を業とする株式会社であり,後記(2)ア,イの道路占用許可がされる前から,高槻市α×及び同市β×-3にある各道路の地下にガス管を埋設している(争いのない事実)。 イ Aは,ガスの供給等を業とする株式会社である(争いのない事実)。 ウ被告は,高槻市内の市道を管理する道路管理者であり(法16条1項),処分行政庁は被告の執行機関である(争いのない事実)。 (2) ガス管埋設工事ア Aは,処分行政庁に対して道路占用許可の申請をし,平成21年6月30日付けで以下の内容の道路占用許可を受けた(甲2)。 占用の目的ガス管埋設(新設)占用の場所高槻市α×(路線名・××号線)(以下「本件道路 可の申請をし,平成21年6月30日付けで以下の内容の道路占用許可を受けた(甲2)。 占用の目的ガス管埋設(新設)占用の場所高槻市α×(路線名・××号線)(以下「本件道路1」という。)占用の期間平成21年7月1日から平成22年3月31日までイ Aは,処分行政庁に対して道路占用許可の申請をし,平成21年11月2日付けで以下の内容の道路占用許可を受けた(甲4)。 占用の目的ガス管埋設(新設)占用の場所高槻市β×-3(路線名・×××号線)(以下「本件道路2」といい,本件道路1と併せて「本件各道路」という。)占用の期間平成21年11月4日から平成22年3月31日まで(3) 取消訴訟の提起及びその後の経緯ア原告は,平成22年1月6日,上記(2)ア,イの各占用許可処分の取消しを求める訴えを提起した(顕著な事実)。 イ Aは,上記(2)ア,イの各占用許可処分の定める占用の期間中に本件各道路におけるガス管の埋設工事を完了した(弁論の全趣旨)。 ウ処分行政庁は,平成22年3月31日付けで,Aに対し,高槻市が管理する道路(本件各道路を含む。)の占用につき,以下の内容の道路占用許可処分(本件許可処分)を一括して行った(乙4)。 占用の目的ガス管埋設(継続) 占用の場所高槻市一円占用の期間平成22年4月1日から平成23年3月31日までエ原告は,本件訴訟の第3回口頭弁論期日において,本件許可処分の取消しを求める旨訴えを変更し,第5回口頭弁論期日において,取消しを求める範囲を前記第1「請求」のとおり限定した(顕著な事実)。 3 争点本件許可処分のうち,本件各道路を対象とする部分が違法か否か。 4 争点に関する当事者の 口頭弁論期日において,取消しを求める範囲を前記第1「請求」のとおり限定した(顕著な事実)。 3 争点本件許可処分のうち,本件各道路を対象とする部分が違法か否か。 4 争点に関する当事者の主張(原告の主張)(1) 保安協議(施行令13条6号ロ)既にガス管が埋設されている道路につき新たにガス管埋設の工事を行うためには,既設のガス管の管理者との保安協議に基づき保安上必要な措置を講じなければならない。これは,既設のガス管の状況を正確に把握することによって事故を未然に防ぐという趣旨に出たものであり,保安協議がされることなく工事のための道路占用許可がされた場合,当該許可は違法である。 そして,保安協議を経ずに埋設工事がされた場合,当該埋設物は危険な状態で埋設されたことを意味するから,当該埋設物を継続的に保有することを目的とする道路占用許可処分においても,その違法事由になると解すべきである。 本件においては,Aがガス管を埋設するに当たって,既にガス管を埋設している原告との間で保安協議がされた事実はないから,ガス管の埋設工事完了後にされた本件許可処分のうち,本件各道路を占用場所とする部分は違法である。 (2) 占用場所(施行令11条の3第2項,10条2号)ア本件道路1について本件道路1の地下には,原告所有のガス管だけでなく,雨水管や汚水管 も埋設されており,電柱も設置されている。しかも,道路の幅員は約3. 55mと狭い。そして,Aのガス管は,ある部分においては原告所有のガス管の上を,ある部分においてはその下を通過する形で埋設されている。 イ本件道路2について本件道路2の地下には,原告所有のガス管だけでなく,雨水管や汚水管も埋設されており,電柱も設置されている。し 部分においてはその下を通過する形で埋設されている。 イ本件道路2について本件道路2の地下には,原告所有のガス管だけでなく,雨水管や汚水管も埋設されており,電柱も設置されている。しかも,道路の幅員は約3. 6mと狭い。 ウ以上ア,イの状況に照らすと,本件各道路は,埋設物の維持管理のために路面をしばしば掘削し,又は他の占用物件と錯そうするおそれのある場所ということができ,本件許可処分のうち本件各道路を対象とする部分は,施行令11条の3第2項,10条2号に反し,違法である。 (3) 構造(施行令12条2号イ)本件各道路のいずれにおいても,Aのガス管は,原告のガス管に近接した位置に埋設されており,「他の占用物件」たる原告のガス管の構造に支障を及ぼすおそれがあるから,本件許可処分のうち本件各道路を対象とする部分は,施行令12条2号イに違反し,違法である。 (被告の主張)(1) 保安協議(施行令13条6号ロ)原告とAが保安協議を経ていないのは,Aが協議を申し入れたにもかかわらず原告が拒絶したためであって,保安協議を経ていないことを原告が違法事由として主張することは信義則に反し,許されないというべきである。 (2) 占用場所(施行令11条の3第2項,10条2号)ア取消訴訟においては,自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることはできないとされている(行政事件訴訟法10条1項)ところ,施行令11条の3第2項,10条2号の規定が保護しているのは,安全かつ円滑な交通という一般的な公益であり,他の占用物件に係 る私法上の権利を保護するものではない。したがって,上記施行令の規定に違反することを理由に本件許可処分の一部が違法であるとする原告の主張は失当である。 イ であり,他の占用物件に係 る私法上の権利を保護するものではない。したがって,上記施行令の規定に違反することを理由に本件許可処分の一部が違法であるとする原告の主張は失当である。 イそのことをおくとしても,Aのガス管は,その種類及び構造からみて,路面をしばしば掘削したり,他の占用物件と錯そうしたりするおそれはなく,施行令11条の3第2項,10条2号には反しない。 (3) 構造(施行令12条2号イ)Aのガス管は,堅固で耐久性を有するものであり,原告所有のガス管の構造に支障を及ぼすおそれはなく,施行令12条2号イに反しないことは明らかである。 第3 争点に対する判断 1 認定事実前記前提事実(第2の2),証拠(各項括弧内に掲記)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) 本件道路1の状況本件道路1の形状及び地下に埋設されたガス管等の状況はおおむね別紙図面1のとおりであり,同図面の赤線は原告所有のガス管を,青線はA所有のガス管を,「EP」と記載された緑色の円は電柱を,それぞれ表している(なお,A所有のガス管のうち,東端の電柱付近のものは,別紙図面1とは異なり,電柱から数㎝程度の間隔を空けた付近に埋設されている。)。 本件道路1の幅員は約3.55m~4.8mであり,地下には雨水管及び汚水管が埋設されている。原告所有のガス管は,道路とほぼ平行に埋設された本支管(ガスの輸送のために道路と平行に埋設されるガス管をいう。以下同じ。)及び道路に対しほぼ垂直に埋設された供給管(本支管から分岐して各顧客の所有地等まで埋設されるガス管をいう。以下同じ。)からなり,道路の地下約0.75m~0.95mの位置に埋設されている。 A所有のガス管も,本支管及び供給管からな ら分岐して各顧客の所有地等まで埋設されるガス管をいう。以下同じ。)からなり,道路の地下約0.75m~0.95mの位置に埋設されている。 A所有のガス管も,本支管及び供給管からなり,道路の地下約0.6m~0.75mの位置に埋設されている。A所有のガス管は原告所有のガス管と交差している部分があり,原告所有のガス管の上部又は下部を通過する形で埋設されている。 (以上につき,甲14から16まで,21,22,26,27,弁論の全趣旨)(2) 本件道路2の状況本件道路2の形状及び地下に埋設されたガス管等の状況はおおむね別紙図面2のとおりであり,赤線,青線及び緑色の円が表すものは上記(1)と同様である。原告所有のガス管は,道路の最北端で東西方向に埋設されている部分を除き,道路の地下ではなく道路に面する各顧客の所有地等の地下に埋設されており,その位置は地下約0.15mである。 A所有のガス管は,道路の地下約0.6m~0.75mの位置に埋設されており,原告所有のガス管と交差する部分では,Aの供給管が原告所有のガス管の下部を通過する形で埋設されている。なお,交差する上記部分は,いずれも道路内ではなくこれに面する各顧客の所有地等内に位置する。 (以上につき,甲18から20まで,23,24,27,弁論の全趣旨) 2 原告主張の各違法事由について(1) 保安協議(施行令13条6号ロ)原告は,Aがガス管埋設の工事を行うに当たって原告と保安協議を経ていないことが,本件許可処分のうち本件各道路を対象とする部分の違法事由になると主張する。 しかし,施行令13条6号の規定は,「工事実施の方法」(法32条2項5号)に関する基準を定めたものであり,保安上必要な措置を講じること(前記関係法令の定め(第2 違法事由になると主張する。 しかし,施行令13条6号の規定は,「工事実施の方法」(法32条2項5号)に関する基準を定めたものであり,保安上必要な措置を講じること(前記関係法令の定め(第2の1)(5))のほか,「試掘その他の方法により当該電線等を確認した後に実施すること」(施行令13条6 号イ),「ガス管又は石油管の付近において,火気を使用しないこと」(同号ハ)を要求していることからすれば,工事を行う過程で既存のガス管等が損傷されることを防止し,工事関係者や周辺住民の安全等を確保する趣旨に出たものであることは明らかである。そして,ガス管の埋設工事が完了したことを前提に当該ガス管の設置を継続するための道路占用許可がされる場合,「道路の占用の場所」(法32条2項3号),「工作物,物件又は施設の構造」(同項4号)等について改めて安全性の審査がされるのであるから,こうした事項について法令の定める要件を満たすにもかかわらず,工事の段階で保安協議を経ていないことを理由にして,ガス管の設置の継続に係る占用許可を与えないとする理由はないというべきである。 確かに,後に改修工事等を行う場合を想定すると,保安協議を経ていた方が道路の安全確保に資するとも考えられるが,改修工事等を行うに当たっては原則として道路管理者の許可を受けることが求められており(法32条3項参照),その時点で改めて安全性の審査がされることになるから,改修工事等を行う際の安全確保の点は,ガス管の設置の継続に係る占用許可を与える場合に保安協議を経ていることを必要とする理由にはならないというべきである。 したがって,保安協議を経ていないことが本件許可処分のうち本件各道路を対象とする部分の違法事由になるとする原告の主張は採用できない。 (2) 占用の場所 由にはならないというべきである。 したがって,保安協議を経ていないことが本件許可処分のうち本件各道路を対象とする部分の違法事由になるとする原告の主張は採用できない。 (2) 占用の場所(施行令11条の3第2項,10条2号イ)ア被告は,施行令11条の3第2項,10条2号イの規定は,安全かつ円滑な交通を確保するという公益目的の規定であり,他の占用物件に係る私法上の権利を保護するものではないとして,同規定に違反することを理由に本件許可処分の一部の取消しを求める原告の主張は行 政事件訴訟法10条1項に反すると主張する。 しかし,施行令11条の3第2項,10条2号イの規定が,「道路の占用の場所」の基準として「他の占用物件と錯そうするおそれのない場所であること」を要求しているのは,許可の対象となる占用物件と他の占用物件とが錯そうする場合,改修工事等を行うに当たって複雑な作業が必要となり,他の占用物件を毀損するおそれもあることから,こうした事態を未然に防ぐという趣旨も含むものと解するのが相当であり,他の占用物件に係る私法上の権利を保護する趣旨を含まないとする被告の主張には理由がない。 そこで,以下,本件許可処分のうち本件各道路を対象とする部分が施行令11条の3第2項,10条2号イの規定に反しないかについて検討を加える。なお,同規定は,一義的には,これからガス管等を埋設しようとする場面を想定したものとみることができるが,埋設時に他の占用物件と錯そうしていることを看過して占用許可が与えられたガス管について,その設置の継続に係る占用許可を与えることも,同規定に反し違法であるとする解釈が可能であるから,以下ではこうした解釈を前提として検討を進めることとする。 イ本件道路1本件道路1に 設置の継続に係る占用許可を与えることも,同規定に反し違法であるとする解釈が可能であるから,以下ではこうした解釈を前提として検討を進めることとする。 イ本件道路1本件道路1については,A所有のガス管以外の「他の占用物件」として,原告所有のガス管のほか,雨水管,汚水管(法32条1項2号)及び電柱(同項1号)がある上,A所有のガス管は原告所有のガス管と交差している部分があり,原告所有のガス管の上部又は下部を通過する形で埋設されている(前記認定事実(1))ことからすると,A所有のガス管と他の占用物件が錯そうしているようにもみえる。 しかし,雨水管,汚水管及び電柱は,ほとんどの国民の日常生活に欠かすことのできない設備であるから,多くの道路で埋設されている ものと考えられ,これらが埋設されていることのみから新たな物件を埋設することができなくなるというのは法の予定するところではないと解されるし,本件道路1に埋設された雨水管等が特に複雑な構造で埋設されているなどの事情も見当たらない。また,法は,既にガス管が埋設されている道路に新たに別のガス管を埋設することを許容しているものと解される(前記関係法令の定め(3)から(5)まで)ところ,その場合,ガス管の一部が交差することはほとんど不可避と考えられるから,ガス管が交差することをもって「他の占用物件と錯そうするおそれ」があるとするのは相当でないし,証拠(甲14)によれば,原告所有のガス管とA所有のガス管が交差する部分が著しく多いとも認められない。さらに,既存のガス管の埋設状況や地面の固さ等から,ある部分については既存のガス管の上部を通過し,他の部分については下部を通過する形でガス管が埋設されることもある程度まではやむを得ないといえるところ,Aのガス管がいたずら 設状況や地面の固さ等から,ある部分については既存のガス管の上部を通過し,他の部分については下部を通過する形でガス管が埋設されることもある程度まではやむを得ないといえるところ,Aのガス管がいたずらにその深度を変えて埋設されているとは認められない。加えて,本件道路1を平面図でみれば,原告所有又はA所有のいずれをとっても,ほとんどのガス管は道路と平行又は垂直になるよう整然と配置・埋設されており(甲14),ガス管が埋設されている場所についての予測可能性は確保されているといえるから,ガス管が「錯そう」しているとまではいい難い。 原告は,道路の幅員が狭いとも主張するが,本件道路1の幅員は約3.55mから4.8mであり,ガス管の直径がせいぜい8㎝程度にすぎないこと(甲2,15)や上でみたガス管の配置・埋設状況からすると,埋設されるガス管に比較して道路の幅員が狭いとは認め難い。 以上検討したところによれば,本件道路1の地下に埋設されたAのガス管は,他の占用物件と錯そうしているとはいえないし,ガス管や雨水管等の維持管理のために頻繁に路面を掘削する必要があるともい い難いから,「路面をしばしば掘削」する必要があるとも認められない。 したがって,本件許可処分のうち本件道路1を対象とする部分は施行令11条の3第2項,10条2号イに反しない。 ウ本件道路2本件道路2にも,本件道路1と同様,雨水管,汚水管及び電柱が埋設されているが,これらが埋設されていることのみから新たな物件の埋設が認められなくなるわけではないことは上記イのとおりであるし,本件道路2における雨水管等が特に複雑な構造で埋設されているなどの事情も見当たらない。 また,原告所有のガス管は,道路の最北端で東西方向に埋設されている部分 ことは上記イのとおりであるし,本件道路2における雨水管等が特に複雑な構造で埋設されているなどの事情も見当たらない。 また,原告所有のガス管は,道路の最北端で東西方向に埋設されている部分を除き,道路の地下ではなくこれに面する各顧客の所有地等の地下に埋設されており,道路の地下においては,原告所有のガス管とA所有のガス管が交差することさえない。 以上検討したところによれば,本件道路2の地下に埋設されたA所有のガス管は,他の占用物件と錯そうしているとはいえないし,ガス管や雨水管等の維持管理のために頻繁に路面を掘削する必要があるともいい難いから,「路面をしばしば掘削」する必要があるとも認められない。 したがって,本件許可処分のうち本件道路2を対象とする部分も施行令11条の3第2項,10条2号イに反しない。 (3) 構造(施行令12条2号イ)ア本件道路1(ア) 原告は,本件道路1において,A所有のガス管が原告所有のガス管に近接して埋設されていることから,原告所有のガス管の構造に支障を及ぼすものであり,施行令12条2号イに反すると 主張する。 しかし,埋設物間の距離を具体的に定めた法令上の規定は存在しない。また,社団法人B協会が定める「B協会本支管指針(工事編)JGA指-○-○」(甲29。以下「協会指針」という。)は,「法定基準に規定されている事項(関連通達を含む。)及び保安確保上必要な事項」を「遵守すべき事項」,「保安レベルの向上のため考慮すべき事項」を「望ましい事項」とし,前者については,「なければならない」,「てはならない」及び「とする」等の表現を,後者については「望ましい」,「推奨する」及び「原則とする」等の表現を用いることとした上で,埋設物間の離隔距離について, ついては,「なければならない」,「てはならない」及び「とする」等の表現を,後者については「望ましい」,「推奨する」及び「原則とする」等の表現を用いることとした上で,埋設物間の離隔距離について,「他企業者の埋設物との離隔距離は,将来の維持管理や他工事による損傷防止を考慮して平行部で30㎝以上,交差部においては接合部を避けることも可能であるため15㎝以上確保し配管することが望ましい」,「交差部において15㎝以上離隔距離を確保できない場合は,ゴム板,砂袋等を用い本支管の防護を行うとともに,竣工図に詳細を記載しておくと後の維持管理に有効である」などとするにとどめており,一定の離隔距離を置くことを不可欠の要請とはしていない。しかも,原告所有のガス管とA所有のガス管は,平行部では30㎝以上の離隔距離が確保されているというのであり(弁論の全趣旨),この部分は協会指針の定める上記基準を満たしているし,原告から依頼を受けてAの工事に立ち会ったCの陳述書によれば,少なくとも同人が立ち会っている間は,30㎝以上の離隔距離がとれない箇所については土嚢を挟んで配管がされたというのである(甲27)から,原告所有のガス管に支障を及ぼさないための措置が講じられているといえる。 (イ) 原告は,Aのガス管が電柱のすぐ横に配管されていること(前記認定事実(1))から,電柱の入替え工事がされる際に事故が発生する高度の蓋然性が認められるとして,他の占用物件の構造に支障があるとも主張する。 しかし,埋設物間の距離を具体的に定めた法令上の規定が存在しないことは上記(ア)のとおりであるし,将来電柱の入替え工事がされるに当たっては,試掘その他の方法によりガス管を確認した後に工事を実施する(施行令13条6号イ)など,安全確保のための措置を 存在しないことは上記(ア)のとおりであるし,将来電柱の入替え工事がされるに当たっては,試掘その他の方法によりガス管を確認した後に工事を実施する(施行令13条6号イ)など,安全確保のための措置を講じることが別途求められているのであるから,電柱のすぐ横にガス管が配管されたからといって,電柱の入替え工事がされる際に事故が発生する可能性が高まるとまではいい難く,原告の上記主張に理由はない。 (ウ) 以上検討したところによれば,本件道路1におけるAのガス管の構造は,他の占用物件の構造に支障を及ぼすものではないといえ,本件許可処分のうち本件道路1を対象とする部分は施行令12条2号イに反しない。 イ本件道路2原告は,本件道路2においても,A所有のガス管が原告所有のガス管に近接して埋設されていることから,原告所有のガス管の構造に支障を及ぼすものであり,施行令12条2号イに反すると主張する。 しかし,本件道路2の地下に埋設されている原告所有のガス管は少なく,その付近にはA所有のガス管は埋設されていない(前記認定事実(2),甲18)。そして,道路に面する各顧客の所有地等の地下に埋設された原告所有のガス管を考慮に入れても,A所有のガス管は,原告所有のガス管から40㎝以上の距離を置いて配管された というのであり(甲27),協会指針が定める上記ア(ア)の基準を満たしている。 そうすると,本件道路2におけるAのガス管の構造は,原告所有のガス管の構造に支障を及ぼすものではないといえ,本件許可処分のうち本件道路2を対象とする部分は施行令12条2号イに反しない。 3 結論以上の次第であり,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方 主文 以上の次第であり,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 理由 事実 争点 判断 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官吉田徹 裁判官小林康彦 裁判官金森陽介

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