【DRY-RUN】主 文 本件再上告を棄却する。 理 由 弁護人竹内卯一の再上告趣意について。 精神異常の有無の問題は常識では容易に判定し得るものではないのである。そ れ
主文 本件再上告を棄却する。 理由 弁護人竹内卯一の再上告趣意について。 精神異常の有無の問題は常識では容易に判定し得るものではないのである。それ故、事実承審官たるものは被告人の犯行当時における精神状態に関し疑ある場合には、よろしく専門家の鑑定を俟つの態度に出ることは望むべきところである。したがつて、右の方法を講ぜずして輙く精神状態に関する判定を下すときは、経験則違背として違法の裁判となることも勿論あり得るのである。しかしながら裁判官が公判廷における被告人の供述態度等を仔細に注意し、且つ征人の証言等他の資料と相俟つて、犯行当時の被告人の精神状態に異常のなかつたものとの心証を構成し得る場合においては、たとえ被告人に精神分裂の既往症並びに犯行後に同様の医師の診断があつたとしても、叙上裁判所の心証判断をもつて直ちに経験則違反の不法あるものとは云い得ないのである。そして本件原上告審の判示も畢竟以上と同趣旨に出でたものであることは、判文上十分に窺い得るところである。されば、所論は原上告審の判示趣旨を正解することなくしてこれを論難するものであると同時に、論旨は究極するところ、被告人の犯行当時の精神状態に関する本件第二審裁判所の証拠判断の不法を攻撃するものであつて、したがつて畢寛刑事訴訟手続の違背を攻撃するものである。そしてこの違背の有無は所論憲法第一三条適否の問題に該当しないものであることは敢て喋辞を要しないところである。しからば所論は、違憲に名を藉りその実は違憲問題に関係のない部分の訴訟手続に関する違法を攻撃するものであつて、再上告適法の理由とならないことは明らかである。 仍つて、刑訴施行法第二条旧刑訴法第四四六条に従い、主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員つ致の意見である。 - 1 - 攻撃するものであつて、再上告適法の理由とならないことは明らかである。 仍つて、刑訴施行法第二条旧刑訴法第四四六条に従い、主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員つ致の意見である。 - 1 -検察官橋本乾三関与昭和二五年一月一三日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎- 2 -
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