【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人飛鳥田一雄及び同飛鳥田喜一の上告趣意第一点について。 論旨は、原審公判に於て、裁判所が被告人に対してその陳述を求
主文本件上告を棄却する。 理由弁護人飛鳥田一雄及び同飛鳥田喜一の上告趣意第一点について。 論旨は、原審公判に於て、裁判所が被告人に対してその陳述を求めるに先ち、自己に不利益な答弁をする義務がない旨を説示しなかつたのは、憲法第三八条第一項及び刑訴応急措置法第一〇条第一項にいわゆる、自己に不利益な供述を強要したものであるから、違法であると主張している。しかし右の法条は、威力その他特別の手段を用いて、供述する意思のない被告人に供述を余儀なくすることを禁ずる趣旨であつて、前記のような説示をすることを要求しているのではないから裁判所がそのような説示をしなかつたからとて、これを違法とすることはできない。 本来公判廷においては、裁判所の訊問に対して供述するか否かは被告人の自由である。仮りに所論のように、被告人が供述の義務あるものと誤信して供述したとしても、これを以て裁判所が供述を強要したものということはできない。このような場合を慮つて、裁判所が前記のような説示をすることは、望ましいことではあるにしても、本件に適用さるべき旧刑訴法上そうすることの義務がある訳ではない。よつて論旨は理由がない。 同第二点について。 論旨は、原審が執行猶予の言渡をしなかつたことを非難するものであつて、結局量刑不当の主張に帰するから、適法な上告理由となり得ない。 以上の理由により旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文の通り判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。 検察官宮本増蔵関与昭和二四年二月九日- 1 -最高裁判所大法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官長谷川太一郎裁判官 -最高裁判所大法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官長谷川太一郎裁判官沢田竹治郎裁判官霜山精一裁判官井上登裁判官栗山茂裁判官真野毅裁判官島保裁判官斎藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官河村又介- 2 -
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