昭和35(ラ)62 不動産競落許可決定に対する即時抗告事件

裁判年月日・裁判所
昭和35年3月25日 福岡高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原決定を取り消す。      本件競落は許さない。      本件を福岡地方裁判所小倉支部に差し戻す          理    由  一、 抗告の趣旨及び理由は別記のとおりで

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判決文本文2,268 文字)

主    文      原決定を取り消す。      本件競落は許さない。      本件を福岡地方裁判所小倉支部に差し戻す          理    由  一、 抗告の趣旨及び理由は別記のとおりである。  二、(一) 本件競売申立抵当権者である相手方会社は、抗告人に対し一三三 八、〇〇〇円の金銭債権(弁済方法は、昭和二七年一一月から同二八年一〇月まて の一二ケ月間に、毎月八三、〇〇〇円宛、同二八年一一月から同二九年四月までの 六ケ月間に、毎月五七、〇〇〇円宛を、各その月の二五日までに支払い、利息は無 利息とし、分割金の支払を一回でも怠つたときは期限の利益を失い、即時債務全額 を弁済すること、なおこの場合には遅延利息として一〇〇円につき一日八銭の金員 を支払う特約がある。)を有したので、これを担保するため、昭和二八年三月三月 二三日抗告人との間に、同人所有の本件競売家屋に抵当権を設定し、同月二五日福 岡法務局受付第一、三一五号をもつてその登記を経、なお同月二三日本件家屋につ き、抗告人が右割賦金をその各弁済期に支払わないことを停止条件として、相手方 会社のため、賃借期間条件成就の時から満三年、賃料月三百円、賃料支払期毎月末 日とする停止条件付賃貸借契約をなし、同月二五日福岡法務局受付第一、三一六号 をもつて賃借権設定請求権保全の仮登記をなしたこと、そして相手方会社は、抗告 人が昭和二七年一一月及び一二月の二月分の月賦金を支払つただけて、その後の月 賦金を支払わないので、昭和二八年一月二五日の経過とともに、抗告人は約旨によ り分割払の期限の利益を失い、即時残債務全額を支払う義務を有するにいたつたと して、昭和三十二年九月一四日原裁判所に対し、前示抵当権実行の競売を申し立 て、原審がこれに基いて競売開始決定をなし、競売手続を追行したことは、本件記 録に徴し明らかであるから、右 を有するにいたつたと して、昭和三十二年九月一四日原裁判所に対し、前示抵当権実行の競売を申し立 て、原審がこれに基いて競売開始決定をなし、競売手続を追行したことは、本件記 録に徴し明らかであるから、右の停止条件付賃貸借は、抗告人主張のように七十一 萬円の支払が本件抵当債務の内入弁済たるの効力を有しないとすれは、昭和二八年 一月二五日の経過とともに、また右内入弁済の効力を有するとしても、遅くとも、 競売申立前の昭和二九年四月二五日の経過とともに、条件の成就により、相手方会 社は本件家屋につき説示の短期賃借権を有するにいたつたと推認しなければならな い。  <要旨>(二) ところで、抵当権設定登記後の民法第六〇二条所定の期間を越え ない停止条件付賃貸借で、賃借権設定</要旨>求権保全の仮登記かあるものは、後日 条件成就し本登記を経由すれは、仮登記の時に遡つて対抗力を生じ、その結果当該 賃借権は競落人にも対抗し得るにいたるものであるから、競売期日の公告を掲示す る際、でに条件不成就に確定しているものは格別、右のような賃借権はこれを競売 期日の公告に掲記することを要するものと解しなければならない。  (三) しかるに原裁判所は競売申立書に前示賃借権の存することが明記され、 また同申立書添付の登記簿謄本に徴し、同賃借権の存することが明らかであるにも かかわらず、(1)昭和三二年一二月六日(第一回競売期日、以下同じ。)(2) 昭和三四年二月三日(第二回)(3)同年四月二日(第三回)(4)同年六月一一 日(第四回)(5)同年九月三日(第五回)(6)同年一〇月二二日(第六回) (7)昭和三五年二月一一日(第七回)各午前一〇時の競売期日の公告に、前認定 の賃貸借を全然掲記せずして競売手続を進行し、第一ないし第六回の競売期日に競 買申出人がないため、最低競売価額を順次低減し、第七回の競売期日に 二月一一日(第七回)各午前一〇時の競売期日の公告に、前認定 の賃貸借を全然掲記せずして競売手続を進行し、第一ないし第六回の競売期日に競 買申出人がないため、最低競売価額を順次低減し、第七回の競売期日において、最 高価競買の申出をなした相手方A・・に対し競落を許している(A・・はその氏名 よりして、帰化していないかぎり外国人のようであり、果して外国人てあるとすれ ば、同人が外国人の財産取得に関する政令第二三条の二所定の外国人(昭和二七年 八月二一日大蔵省・通商産業省告示第一号による指定の大韓民国人、中華民国人) であるか否か明らかでなく、記録によれば、本件家屋は同令第三条第一項第一号但 書にあたる建物とは見られない。しかし、右政令に関する点はしばらく措く。)こ とは記録上明らかであるところ、競売期日の公告手続に違法がある場合は、競売期 日を開くべきてはないので、たとえ同期日に競買申出人がないにしても、次の競売 期日における最低競売価額を低減し得ないものである(昭和三四年(ラ)第二二六 号同年一二月一〇日、昭和三三年(ラ)第二〇号同年七月一八日各当裁判所決定参 照)。  (四) 以上見たとおり原決定並びにその基礎をなす前説示の競売手続は違法で あり、本件は民事訴訟法第六七二条第三号前段第四号、第六七四条第二項、第六八 二条第二項により競落を許すことのできない場合に当るので、抗告理由に対する判 断を省略し、同法第三八六条、第三八九条に従い主文のとおり決定する。  (裁判長判事 鹿島重夫 判事 秦亘 判事 山本茂)

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