平成19(行ケ)10343 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年2月25日 知的財産高等裁判所 1部 判決 請求棄却
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判決文本文46,691 文字)

- 1 -平成21年2月25日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成19年(行ケ)第10343号審決取消請求事件(商標)口頭弁論終結日平成20年11月27日判決原告株式会社インディアンモトサイクルカンパニージャパン訴訟代理人弁護士佐藤雅巳同古木睦美被告東洋エンタープライズ株式会社訴訟代理人弁護士伊藤真訴訟代理人弁理士野原利雄主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求特許庁が無効2006-89080号事件について平成19年9月4日にした審決を取り消す。 第2事案の概要 特許庁における手続の経緯本件は,被告が商標権者である後記商標登録について,原告が無効審判を請求したところ,特許庁が請求不成立の審決をしたことから,原告がその取消しを求めた事案である。 (1)被告は,平成6年9月21日,次のとおりの内容を有する商標登録出願(商願平6-95840号)をし,平成16年2月27日,登録第4751423号として商標登録を受けた(以下「本件商標」という。 。)- 2 -〔商標〕〔指定商品〕第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の「引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く,げた,草履類,運動用特殊衣服,運。)動用特殊靴(乗馬靴」を除く」「。)(2)平成18年6月6日,原告から本件商標につき商標登録無効審判請求がなされ,同請求は無効2006-89080号事件として係属した。特許庁は,同事件を審理の上,平成19年9月4日「本件審判の請求は,成り 平成18年6月6日,原告から本件商標につき商標登録無効審判請求がなされ,同請求は無効2006-89080号事件として係属した。特許庁は,同事件を審理の上,平成19年9月4日「本件審判の請求は,成り立たない」との,。 審決をし,その謄本は平成19年9月14日原告に送達された。 審決の判断審決は,本件商標は,商標法(以下「法」という)4条1項7号,10号,1。 5号に違反して登録されたものではないとしたものであり,その具体的な内容は,次のとおりである。 (なお,本判決においては,審決を引用する場合を含め,甲第1号証を「甲1,乙第1号証」を「乙1,法第1条第1項第1号を「法1条1項1号」などと表記し,また,枝番の記載は」原則として省略する)。 「第7当審の判断 4条1項7号該当について(1)商標自体に公序良俗違反のない商標であっても、その登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くものがあり、その登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして- 3 -到底容認し得ないような場合には、法4条1項7号に該当すると解される(東京高裁平成14年(行ケ)第616号事件・平成15年5月8日判決及び東京高裁平成16年(行ケ)第108号事件・平成16年12月8日判決参照。 )(2)そこで,本件商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあったか否かについて検討するに,当事者の主張及び証拠によれば,以下の事実(争いのない事実及び顕著な事実を含む)が認められる。 。 ア被請求人は,昭和40年に設立されたアメリカンカジュアル衣料の輸出入及び国内販売等を行う株式会社であり,請求人は,平成5年6月に設立された装身具,皮革製品,衣料品等の輸出入及び販売等を業とする株式会社である(乙25,同26。 )イ旧インディアン社(判決注:インディアン・モ 等を行う株式会社であり,請求人は,平成5年6月に設立された装身具,皮革製品,衣料品等の輸出入及び販売等を業とする株式会社である(乙25,同26。 )イ旧インディアン社(判決注:インディアン・モトサイクル・カンパニー。当初はヘンディー・マニュファクチュアリング・カンパニー)は,1901年(明治34年)に米国マサチ),ューセッツ州スプリングフィールドに設立されたオートバイのメーカーであり(甲2,同3その使用した「Indianロゴ「ヘッドドレスロゴ」等の商標(以下「引用商標」とい」う)は,米国,欧州,日本において,需要者の間に周知著名性を獲得するに至った(甲2。 )しかし,旧インディアン社は,1953年(昭和28年)に操業を停止し,その後,解散した(平成5年(1993年)7月24日付け日経流通新聞(甲2,同3及び同25。 ))ウ旧インディアン社が操業を停止した後にも,旧インディアン社の商標をモチーフとして使用した商品は米国内において販売され(甲2,我が国においても,従前から,旧インディ)アン社の商標に因んだ商標登録がなされている(甲8,同9。 )エ米国人Aは,旧インディアン社の復活を標榜して,1990年(平成2年)に,ザンギインディアン社を設立し,以下(ア(イ)のとおり,1991年(平成3年)7月に,同人が)旧インディアン社の復活を計画している旨の記事が新聞紙上(甲5,同6及び同25)に掲載された。 (ア)1991年7月1日付け「THEDAILYNEWS(甲6)には「Aは今まさ」,に,アメリカ史に残る伝説であるインディアン・モトサイクルを甦らせるという夢を実現しようとしている「A氏は衣類やアクセサリーのビジネスで大きな成功を収めている。インディ。」- 4 -アン・Tシャツ,皮ジャン,皮パンツ,しろめ製バックル,ブ トサイクルを甦らせるという夢を実現しようとしている「A氏は衣類やアクセサリーのビジネスで大きな成功を収めている。インディ。」- 4 -アン・Tシャツ,皮ジャン,皮パンツ,しろめ製バックル,ブーツなどの新シリーズが売り出されている」等と記載されている。 。 (イ)1991年7月5日付け「USATODAY(甲7)には「40年近くの間,製」,造を中止されていたインディアン・バイクが再び息を吹き返した・・・Aの計画が順調にいけ。 ば,このクラシックの大型バイクは1993年には路上へと帰って来る「彼は去年そのイン。」ディアンの商標権を買い取り,アクセサリー会社と共にテスト・マーケットをすることにした。 バイヤーたちはその会社のトレードマークであるインディアンヘッドを付したTシャツや皮ジャンに飛びついたのだった」との記載がある。 。 オその後,Aは,旧インディアン社及びその商標に関連して,虚偽の報告書を作成するなどして,多数の投資家から金員等を搾取したとして,1996年(平成8年)6月に逮捕され(乙15,米国の連邦地方裁判所において実刑判決を受けた。また,ザンギインディアン社)は倒産している(乙18及び同20。 )カ被請求人の常務取締役(E)が,1990年(平成2年)の終わり頃に,米国在住のビンテージバイクの愛好家に会った。その際に,インディアンという名のバイクに乗る彼のチームのユニフォーム(ジャケット)の作成依頼を受けた(乙24及び同33。 )(3)本件商標の出願に関し,請求人は,被請求人が上記新聞記事を見て,あるいは,人伝,,えや他の媒体で知り「Indian」ブランドビジネスが展開されるであろうことを予測し日本において同ビジネスを展開する者の業務を妨害する目的で,本件商標を出願したと主張する。 しかしながら,これらの記事は 他の媒体で知り「Indian」ブランドビジネスが展開されるであろうことを予測し日本において同ビジネスを展開する者の業務を妨害する目的で,本件商標を出願したと主張する。 しかしながら,これらの記事は,米国の一般誌上(甲6及び同7)で各1回掲載されたにすぎないうえ,被請求人が当該記事の存在を認識し,関心を持ったことを示す証拠はない。 また,被請求人の常務が米国内のビンテージバイク愛好家と接触した事実は認められるとしても,そのことから,被請求人が当該記事内容を知ったと認め得る直接的な証左はみいだせない。 そして,仮に被請求人が当該記事に接する機会があったとしても,これらの記事の主たる内容は,旧インディアン社のオートバイの製造を計画しているというにすぎず,インディアン- 5 -ブランドの衣服等のビジネスに触れた部分があるものの,我が国で同衣服等のビジネスを行うことが時期等の情報をはじめ何ら具体的に開示されたものではないから,これをもって,ザンギインディアン社の業務を妨害する意図に基づき本件商標の出願をしたとは推認できない。また,他に,本件商標の出願前に,何人かによる同ビジネスの我が国における展開を被請求人が知り得たと認め得る的確な証拠もない。 そうとすれば,これをもって,我が国における「Indian」ブランドビジネスが展開されたときに,その業務を妨害する意図(目的)で本件商標の出願をしたとは到底推認することができない。 さらに,本件商標の出願時,旧インディアン社の商標を独占的に使用する権限を有する者が存在したと認めるに足りる証拠はなく,被請求人がアメリカンカジュアル衣料の当業者として,インディアンブランドの衣料の事業を開始しようとして,本件商標を出願したとしても,これを違法視することはできない。 そして,上記のビンテージバイク愛好家との接触の事実は カジュアル衣料の当業者として,インディアンブランドの衣料の事業を開始しようとして,本件商標を出願したとしても,これを違法視することはできない。 そして,上記のビンテージバイク愛好家との接触の事実は,むしろ,前記の事業開始と本件商標の出願の動機づけの一つとみるのが相当である。 (4)請求人は,被請求人が商標「インディアンモーターサイクル」を使用せず,請求人が企業努力により平成6年前半頃までに「Indian」ブランドを我が国の市場に浸透させるや,請求人の使用する「Indianロゴ」と同一態様の標章をシャツ等に使用して,請求人やその取引先の業務を妨害した旨主張する。 しかしながら,請求人らの営業を妨害したと請求人が主張する被請求人の行為は,本件商標の出願から約1年後の,しかも本件商標とは別異の標章の使用に関することであるから,請求人の主張する標章についての使用行為が仮に認められるとしても,本件商標の出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くといえるような事実を構成するとみることは到底無理である。 また,被請求人が本件商標の使用を仮にしていないとしても,不使用による商標登録の取消の是非は格別として,本件商標の出願の経緯の社会的相性の欠如を左右する事実とはなり得ないというべきである。 (5)以上よりすれば,本件商標の出願の経緯が著しく社会的相当性を欠いたとして,当該- 6 -商標登録が商標法の予定する秩序に反すると認めることはできないから,本件商標は,法4条1項7号に該当するということはできない。 4条1項10号及び同15号該当について2-14条3項について商標法4条1項8号,10号,15号,17号又は19号に該当する商標であっても,商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては,これらの規定は適用しない(同法4条3項。 )商標法4条3項は 商標法4条1項8号,10号,15号,17号又は19号に該当する商標であっても,商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては,これらの規定は適用しない(同法4条3項。 )商標法4条3項は,出願に係る商標が同法4条1項各号に該当するかどうかの判断の時点は査定時であることを前提として,特に同法4条1項8号,10号,15号,17号及び19号についてだけは査定時にこれらの規定に該当していても,商標登録出願時にこれらの規定に該当していなければよいという趣旨を表している。 上記各号についてこのような救済規定を設けたのは,これら各号の場合には商標登録出願時に該当しないのに出願後これらの規定に該当するようになったものまで不登録にするのは酷に失するという理由による(社団法人発明協会が発行した工業所有権法逐条解説[第16版]1069頁。 )したがって,本件商標が,商標法4条1項10号及び同項15号に該当しその登録を無効とするためには,本件商標がその登録出願の時(平成6年9月21日)においても,同法4条1項10号及び同項15号に該当しなければならないことは,同法4条3項の規定からも明らかである。 2-2請求人が提出した各甲号証について請求人が提出した証拠のうち,上記2-1の理由により本件商標の登録出願前におけるものについて以下に検討する。 (1)インディアン社及びインディアン社が製造販売するオートバイを紹介したパンフレット(甲2)ないし雑誌記事(甲3)等によれば,インディアン社は,1901年(明治34年)に米国において設立されたオートバイメーカーであり,その商品に使用した「Indianロゴ「ヘッドドレスロゴ」等の商標は,米国,欧州,日本において,旧インディアン社の」- 7 -商標として,需要者の間に周知性を獲得するに至ったことがあるものの,同社は 商品に使用した「Indianロゴ「ヘッドドレスロゴ」等の商標は,米国,欧州,日本において,旧インディアン社の」- 7 -商標として,需要者の間に周知性を獲得するに至ったことがあるものの,同社は1953年(昭和28年)操業を停止したことが認められる。 (2「ブルータス」1993年(平成5年)1月1日,15日合併号(甲5)Aが,199)1年(平成3年)1月,再びインディアン社を興すことを紹介した記事が掲載されている。 (3)Bの宣誓供述書(甲10)には,インディアン・モトサイクル・ジャパンがBから日本において「インディアン」商標を独占的に使用する権利を買い取ったこと等が記載されている。 (4)平成4年商願第10316号,同第10317号,平成5年商願第30601号~同第30609号,同第30611号及び同第30612号に係る商標登録出願により生じた権利並びに商標登録第2674792号商標及び同第2710099号商標の各商標権について,Bから請求人に対する各譲渡証書(甲11)が提出されている。(5)新インディアン社の商品カタログ(平成4年(甲12)は,英語版であり,我が国において,一般の取引者,需要)者を対象に頒布されたものとは認められない。 (6)請求人の平成5年6月30日付け商業登記簿謄本(甲19)には,衣料品,オートバイ等の輸出入及び販売等の会社設立の目的が記載されている。 (7)平成元年1月15日発行の「広告」1,2月号(甲23)は,株式会社サンライズ社の執筆に係る「ハリウッドはあこがれのメディア」と題する記事が掲載されている。 (8)平成5年(1993年)7月24日付け繊研新聞(甲24)に「米アンティークバイ,ク『インディアン』ウエア発売」との見出しの下,Bを社長とするインディアンモトサイクルジャパン(請求人会社)が設立され,同年秋 (1993年)7月24日付け繊研新聞(甲24)に「米アンティークバイ,ク『インディアン』ウエア発売」との見出しの下,Bを社長とするインディアンモトサイクルジャパン(請求人会社)が設立され,同年秋から「インディアン」をイメージキャラクター,にした商品の輸入販売及びライセンス事業が開始される旨の記事が掲載された。また,同日付け日経流通新聞(甲25)にも「米国のオートバイメーカー,インディアン・モトサイクル,社(マサチューセッツ州)のライセンス供与を行っている『インディアン・モトサイクル・ジャパン(東京・渋谷,B社長)は,米国で人気上昇中のアンティークバイク『インディアン・』モトサイクル』関連商品のライセンス事業を,国内で展開する「インディアン』は190。」,『1-53年まで製造された高級バイクで,米国を象徴するブランドの一つ。会社は53年に解- 8 -散したが,実業家のA氏が92年1月に再建した」との各記載を含む記事が掲載されている。 。 しかしながら,本件商標の登録出願前にライセンス事業に係る商品が販売された事実を証明するもはない。 (9「POPEYE」1993年(平成5年)11月10日号(甲26)に「1940年),代,アメリカでハーレー・ダヴィッドソンと人気を二分したバイクメーカーがインディアン・モトサイクル社」であり,そのロゴグッズは「アメリカを象徴するトレードマークのひとつ,として,‥‥‥未だに根強いインディアン・マニアを持つほどの存在」であるところ,これらのロゴグッズがアパレルなどのキャラクターグッズとして復活しており「米国では既にブー,ムとなっている模様」で「日本でもブーム着火は時間の問題だといえる」との記事が掲載さ,。 れている。 (10「CLiQUE」平成6年1月号(甲27)は「スティーブ・マックイーンらが では既にブー,ムとなっている模様」で「日本でもブーム着火は時間の問題だといえる」との記事が掲載さ,。 れている。 (10「CLiQUE」平成6年1月号(甲27)は「スティーブ・マックイーンらが愛),した『インディアン・モトサイクル』の関連アイテムが揃う『アーバン・メディスン』が9月にオープンした。特に『インディアン』のシルバーブレスレットは,ライダーズジャケットに次ぐブームの兆し」との記載があるが,同記事は,本件商標の指定商品に係る商品とは認められない。 (11)若い男性向けのカジュアルファッションの大手専門店で配布されている月刊広報誌「DICTIONARY」平成6年(1994年)1月号(甲28)に,ヘッドドレスロゴを表示した請求人及び訴外サンライズの広告が掲載されたが,これがいかなる趣旨で掲載されたものであるか不明である上,その発行部数,頒布先は明らかではない。 (12)平成6年頃,請求人のマスターライセンシーである訴外サンライズは「インディア,ン」ブランドを使用したバッグの製造販売につき,訴外マルヨシとサブライセンス契約を締結した。訴外マルヨシは,同年5月頃,展示会を開催して引用商標を付したバッグの製造販売(甲31)を開始した旨記載されているが,本件の指定商品に係る商品とは認められない。 (13)平成6年6月25日付け「旬刊ファンシー(甲29)には「インディアン』が復」,『活・・・マルヨシは5月16~18日,本社2階展示室で’94秋~’95春の展示会を行っ- 9 -た・・・今回,新ブランドとして『インディアン』を商品化」との記載があるが「Indi。 ,anロゴ」等の商標の記載はなく,その発行部数も明らかではない上,その内容自体から一般の需要者を対象としたものとは認められない。 (14)株式会社マルヨシの商品カタログ(甲3 あるが「Indi。 ,anロゴ」等の商標の記載はなく,その発行部数も明らかではない上,その内容自体から一般の需要者を対象としたものとは認められない。 (14)株式会社マルヨシの商品カタログ(甲30)及び同社作成のバッグの仕様書(甲31)には,いずれもインディアン図形とIndianロゴを組み合せた標章が掲載されているが,前者についてはその発行部数,頒布先は明らかではない。後者については,商品が「バッグ」であり,その製造数量,製造期間,販売実績などが明らかでない。 2-3請求人の「Indianロゴ」等の引用商標の周知・著名性およびその獲得時期審判請求書6頁及び7頁によれば,請求人は,平成6年1月から「Indianロゴ」,「ヘッドドレスロゴ」等を付したシャツ,ジャケット,帽子等の輸入販売を開始した。輸入販売にかかる商品は「アーバンメディソン(甲27)などの「Indian」ブランドの需要」者に影響力のある店舗で販売されたことを主張している。 しかしながら,これに先立つ平成5年11月に,日本でも「インディアン」ブランドのブーム着火は時間の問題との記事が掲載され,平成6年1月から,請求人は,若い男性向けカジュアルファッションの大手専門店において無料で配布されている月刊広報誌に広告を掲載する,,などして「インディアン」ブランドの宣伝に努めていたものの,どの程度引用商標が取引者需要者に浸透したかを確認できる客観的な証左が提出されていないばかりでなく,テレビ,ラジオのマスメディアによる宣伝,広告したことも確認できないことから,この程度の期間では,引用商標が周知著名性を獲得するまでに至ったものと認め難い。 平成6年5月頃の時点においては,証拠上請求人の最初のライセンシーと認められる訴外マルヨシとのライセンスビジネスが開始し,引用商標を付したバッグが市 が周知著名性を獲得するまでに至ったものと認め難い。 平成6年5月頃の時点においては,証拠上請求人の最初のライセンシーと認められる訴外マルヨシとのライセンスビジネスが開始し,引用商標を付したバッグが市場に流通し始めたばかりであるから,この時点で,引用商標が請求人のライセンスビジネスにかかる商品等表示として市場に浸透し,需要者の間に広く認識されていたということはできない。 そして,請求人は,ライセンシーが引用商標を付した商品の販売数量,販売額,売上高などについて立証していないので,引用商標の周知著名に至った時期及びその商品を把握することができない。 - 10 -以上のとおり,引用商標は,少なくとも本件商標の登録出願時である平成6年9月21日の時点において,取引者,需要者の間で広く認識されていたものということができない以上,本件商標は,引用商標との類否について検討するまでもなく,商標法4条1項10号に該当するものではないと言わなければならない。 つぎに,本件の出願日前後の証拠を検討するに,平成6年11月から同年12月にかけても,2種類程度の雑誌に,引用商標を付したバッグ等の広告が掲載された事実が認められる程度であるから,この時点において,引用商標がバッグなどの本件商標の非類似商品において周知著名になったということもできない。 上記のとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時おいて取引者,需要者に広く認識されていたものとはいえないから,本件商標をその指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想,想起するようなこともなく,該商品が請求人ともしくは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれがないというのが相当である。 したがって,請求人が提出する甲各証拠によって もしくは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれがないというのが相当である。 したがって,請求人が提出する甲各証拠によっては,本件商標の登録出願日前(平成6年9月21日)において,引用商標が請求人に係る被服,バッグ等を表示するものとして周知・著名であったとまで認めることはできず,本件商標は商標法4条1項10号及び同15号に該当するものとは認められない。 …以上のとおり,本件商標は,法4条1項7号,10号及び15号に違反して登録されたものではないから,同法46条1項の規定によりその登録を無効とすることはできない」。 本判決においては,審決で用いた「旧インディアン社「新インディアン」,社」等の略語をそのまま用い,また,別紙被告商標目録記載のものを,それぞれ被告商標A~Jといい,別紙原告商標目録記載のものを,それぞれ原告商標A~Cというほか,次の略語を使用するものとする。 (1)Indianロゴ- 11 -(2)ヘッドドレスロゴ(3)MOTOCYCLEロゴMOTOCYCLE(4)Indian/Motocycle商標第3原告主張の審決取消事由次に述べるとおり,本件商標は,法4条1項15号及び7号に該当し,その登録を無効とすべきものであって,審決は,その認定判断に誤りがあるから,違法として取り消されるべきである(なお,法4条1項10号についての審決の説示に対しては,取消事由の主張はされていない。 。) 事実関係(1)1989年(平成元年)6月,米国においてインディアンモトサイクルカンパニーインク(IndianMotocycleCo.,Inc. (新インディアン社)が設立され,)「Indian」ブランドが,マーチャンダイジングのブランド においてインディアンモトサイクルカンパニーインク(IndianMotocycleCo.,Inc. (新インディアン社)が設立され,)「Indian」ブランドが,マーチャンダイジングのブランドとして復活された。 (2)この「Indian」ブランドの復活は,米国で大々的に報じられ,業界紙だけでなく,一般紙である1991年(平成3年)7月1日付け「TheDailyNews」(甲6)や1991年(平成3年)7月5日付け「USATODAY (甲7)にも,報」じられた。これらの記事には「Indian」ブランドのTシャツ,革ジャン等が既に,製造販売されていること,日本も市場としてターゲットにされていることも述べられていた。 (3)被告は,外国ブランドの情報など,ブランドビジネスの核になりそうなキャラクターの情報を集めていたところ「Indian」ブランドの復活の上記報道を直,接又は人づてに知り,その内容等から「Indian」ブランドによるビジネスが将来,日本で展開されることを予測した。 なお,新インディアン社が設立され「Indian」ブランドによるビジネスが開始さ- 12 -れた直後の新聞記事である上記の「TheDailyNews (甲6)や「USATODAY (甲」」7)の各記事に,日本進出に関する具体的な記載がないとしても,そもそもブランドが立ち上がった時点では外国でブランドビジネスを行うことについて具体的な企画等がないのは当たり前であるから,被告が将来日本に「Indian」ブランドが導入展開されることを予測したことを認定する妨げとなるものではない。 (4)被告は,平成3年11月5日,登録第2634277号商標(被告商標A:商標「インディアンモーターサイクル,指定商品旧17類被服,その他本」類に属する商品)を る妨げとなるものではない。 (4)被告は,平成3年11月5日,登録第2634277号商標(被告商標A:商標「インディアンモーターサイクル,指定商品旧17類被服,その他本」類に属する商品)を出願した。被告は,米国で「Indian」ブランドが立ち上げら」れ展開されたのを知って,いずれ日本に導入されることを予測し「ベアーサーフ,ボード」と同じく,片仮名で「インディアンモーターサイクル」を押さえておくことにしたものである。 なお,被告は,平成2年に米国ヴィンテージバイクの愛好家団体からそのバイクジャケットを作ることを依頼されたと主張するが,平成9年まで皮革製ジャケットやパンツの商品化がされていなかったことなどに照らし,虚偽である。また,被告は「インディアンモーターサイクル」が登録されたことを踏まえ,商品の具体的,な販売企画に着手するとともに,商標「INDIANMOTORCYCLE」についてカナダ国商標権者(INDIANMANUFACTURINGLTD.)と業務提携したと主張するが,乙19(平成8年10月25日付け書簡)は,署名がなく会社名の記載も欠いており,商標権者でない者からの手紙の形式をとった文書にすぎないこと,乙23(平成6年2月4日付けカナダ商標局「変更証明書)によれば,商標権者は「ONTARIOLIMITE」D」であり「INDIANMANUFACTURINGLTD.」ではないことなどに照らし,虚偽であ,る。 (5)日系3世でコンセプト・デザイナーであったB(以下「B」という)は,。 「Indian」ブランドの将来性に着目し,平成3年暮れ,新インディアン社に対して1億円を支払い,新インディアン社から「Indian」ブランドのビジネス一切につ,いて「Indian」ブランドに係る商標の出願,登録,ライセンスを 性に着目し,平成3年暮れ,新インディアン社に対して1億円を支払い,新インディアン社から「Indian」ブランドのビジネス一切につ,いて「Indian」ブランドに係る商標の出願,登録,ライセンスを含め,日本にお,- 13 -けるすべての権利の譲渡を受けた(Bの平成10年7月7日付け宣誓供述書〔甲1 。これに基づいて,Bは,平成4年2月,Indian/Motocycle商標の登録出願を〕)した(甲11。 )(6)平成5年1月29日付けの「二輪車新聞」により,新インディアン社の設立及び「Indian」ブランドによるビジネスの開始が報じられた(甲13。また,)平成5年1月~平成5年11月にかけて,雑誌「BRUTUS」に,21回にわたり,「Indian」ブランドの復活,アパレルマーチャンダイジングブランドとしての展開や,日本においても「Indian」ブランドのマーチャンダイジングビジネスが展開することが報じられた(甲226~246。 )「Indian」ブランドは,ヴィンテージバイカー系のアメリカンカジュアルのファッションブランドであり,その商品の需要者である顧客層は,そのようなファッションに関心を持つ若年男性層である(甲201,254。また,雑誌「BRUTUS」)は,発行部数が月25万部に上り,広告価値の非常に高い媒体である(甲249,250)ところ,その読者層は,上記の「Indian」ブランドの需要者層と重なっており,ファッション情報に敏感であって雑誌等によるブランド情報に注意している。 この結果,日本において,平成5年11月頃には「Indian」ブランドは十分需,要者,取引者の間に浸透していた(甲26,247。 )(7)Bは,平成5年6月3日,株式会社サンライズ社(以下「サンライズ社」という)と合弁して原告を設立し,その ndian」ブランドは十分需,要者,取引者の間に浸透していた(甲26,247。 )(7)Bは,平成5年6月3日,株式会社サンライズ社(以下「サンライズ社」という)と合弁して原告を設立し,その代表取締役に就任した(甲19,21。 。 )そして,Bは,平成7年6月から平成8年3月にかけて,原告に対し,Indian/Motocycle商標等を譲り渡した(甲11,21。 )(8)平成5年7月24日付け「繊研新聞(甲24)において「米アンティー」,クバイク『インディアン』ウエア発売」との見出しの下,Bを社長とする原告が設立され,同年秋から「インディアン」をイメージキャラクターにした商品の輸入,販売及びライセンス事業が開始されるとの記事が掲載された。また,同日付け「日経流通新聞(甲25)にも「米国のオートバイメーカー,インディアン・モト」,- 14 -サイクル社(マサチューセッツ州)のライセンス供与を行っている『インディアン・モトサイクル・ジャパン(東京・渋谷,B社長)は,米国で人気上昇中のアン』ティークバイク『インディアン・モトサイクル』関連商品のライセンス事業を,国内で展開する」などの記事が掲載された。 。 (9)原告は,平成5年秋から,次に掲げる商標(以下併せて「原告各表示」ということがある)を付したシャツ,ジャケット,帽子等の輸入販売を開始し(甲1。 2,14~18,24~27,輸入販売にかかる商品は,ファッションに関する)情報の発信地として機能し「Indian」ブランドの需要者に影響力もある「アーバ,ンメディスン(甲15,16,26,27「ビームス(甲25)などの店舗」),」で販売された。 (Indianロゴ)(ヘッドドレスロゴ)(以下「Indianロゴ+MOTOCYCLE」という)。 MOTOCY 5,16,26,27「ビームス(甲25)などの店舗」),」で販売された。 (Indianロゴ)(ヘッドドレスロゴ)(以下「Indianロゴ+MOTOCYCLE」という)。 MOTOCYCLEMOTOCYCLE(以下「ヘッドドレスロゴ+MOTOCYCLE」という)。 MOTOCYCLEまた,雑誌「POPEYE」1993年(平成5年)11月10日号(甲26)には,Indianロゴ,Indianロゴ+MOTOCYCLE,ヘッドドレスロゴが表示された上,「1940年代,アメリカでハーレー・ダヴィッドソンと人気を二分したバイクメーカーが,インディアン・モトサイクル社」であり,そのロゴグッズは「アメリカを象徴す,- 15 -るトレードマークのひとつとして,……未だに根強いインディアン・マニアを持つほどの存在」であるところ,これらのロゴグッズがアパレルなどのキャラクターグッズとして復活しており「米国では既にブームとなっている模様」で「日本で,,も,ブーム着火は時間の問題だといえる」との記事が掲載された。 。 これらの結果,遅くとも平成5年暮れには,原告各表示の「Indian」ブランドは,需要者,取引者の間に十分浸透し,周知となっており,少なくとも相当程度知られていた。 (10)原告は,平成6年1月~12月に「Indian」ブランドの需要者層である,若い男性向けのカジュアルファッションの「ビームス「シップス「ユナイテッ」,」,ドアローズ」等の大手専門店で配布されている月刊広報誌「DICTIONARY」に,Indianロゴ及びヘッドドレスロゴを表示した原告及びマスターライセンシーのサンライズ社の広告を掲載し,配布した(甲28。 )また,平成6年始め「アーバンメディスン」を所有開設している株式会社クラ,スから,原告に対 ッドドレスロゴを表示した原告及びマスターライセンシーのサンライズ社の広告を掲載し,配布した(甲28。 )また,平成6年始め「アーバンメディスン」を所有開設している株式会社クラ,スから,原告に対し,若者向けカジュアルファッション流行の発信地として知られる東京都内の渋谷公園通りにある大きな「アーバンメディスン」の店舗内に「In,dian」ブランドの衣類を販売するショップインショップを開設したいとの申し入れがあり,原告はこれを承諾した。その結果,同「アーバンメディスン」内に「Indian」ブランドのショップインショップが開設された。 さらに,平成6年始め,原告のマスターライセンシーであるサンライズ社が,原告各表示を使用したバッグの製造販売につき,株式会社マルヨシ(以下「マルヨ。 ,シ」という)とサブライセンス契約を締結した。マルヨシは,平成6年5月ころ展示会を開催して「Indianロゴ「ヘッドドレスロゴ「ヘッドドレスロゴ+MO,」,」,TOCYCLE「左向きのインディアンの図形,Indianロゴ及びMOTOCYCLEロゴを組み」,合わせた標章」を使用してバッグの製造販売を開始し(甲30,31「旬刊フ),ァンシー」平成6年6月25日号(甲29「グッズプレス」1994年(平成),6年)11月号(甲32)及び「フィールド・ギア」1994年(平成6年)12- 16 -月号(甲33)において,これらの商標を使用したバッグ,Tシャツ等の商品広告が掲載された。 この点,アパレルについて需要者の間に浸透していたからこそ,アクセサリーであるバッグへのライセンスが展開されたというべきである。したがって,平成6年初め,遅くとも平成6年中頃には,原告各表示を始めとする「Indian」商標は,若年男性向けのいわゆるアメリカンカジュアル系の るバッグへのライセンスが展開されたというべきである。したがって,平成6年初め,遅くとも平成6年中頃には,原告各表示を始めとする「Indian」商標は,若年男性向けのいわゆるアメリカンカジュアル系のブランドファッション市場において,シャツ,ジャケット,パンツを始めとする商品について,原告を出所とする商標として,需要者,取引者の間に浸透し,周知となっており,又は少なくとも相当程度知られていた。また,同様に「IndianMotocycleJapan「インディアンモ,」,トサイクルジャパン「IndianMotocycle「インディアンモトサイクル」も,」,」,「Indian」ブランドの提供者である原告の略称として需要者,取引者の間に浸透し,周知となっており,又は少なくとも相当程度知られていた。 (11)被告は,平成6年9月21日,上記の状況を承知の上で,登録第4751422号商標(被告商標B)登録第4751423号商標(本件商標,被告商標C)の登録出願をした(以下,併せて「被告第1商標」という。 。)(12)ア被告は,平成7年5月頃,Indianロゴ,Indianロゴ+MOTOCYCLE,ヘッドドレスロゴと類似する商標を使用したジャケット,シャツ,帽子等の販売を開始した(甲34~46,甲76~79。被告の使用したIndianロゴ等は「インデ),ィアンモーターサイクル」と同一性の範囲内になく,類似性の範囲内にもなかった。 また,次の(ア)~(エ)の被告の広告の記載から見ても,被告が,新インディアン社が復活した「Indian」ブランドの日本における正規の取扱者であるとの誤認を取引- 17 -者,需要者に植えつけようとしているのが明らかである。 (ア)「POPEYE」1995年(平成7年)6月号(甲34)①「インディ ランドの日本における正規の取扱者であるとの誤認を取引- 17 -者,需要者に植えつけようとしているのが明らかである。 (ア)「POPEYE」1995年(平成7年)6月号(甲34)①「インディアン・モーターサイクルっていえば,かつてハーレーと人気を二分したアメリカンバイクの名門中の名門」との記載部分があるが,虚偽である。 。 かつてハーレーと人気を二分したのは「インディアン・モトサイクル」であり,,「インディアン・モーターサイクル」ではない。このような記載は,原告が,新インディアン社が「Indian」ブランドをマーチャンダイジングブランドとして復活したことを告知して「Indian」ブランドを市場に浸透させていることと故意に混同させようとするものである。 ②「その名前を付けたウエアブランドが日本とカナダの共同企画で,この秋からドカーンと登場することになった」との記載部分があるが「日本とカナダの。 ,共同企画」との部分は虚偽である。カナダで活字体の「INDIANMOTORCYCLE」の商標登録を有するものは,トロントの「ONTARIOLIMITED」である(乙23。他方,)被告がIndianロゴなどを使用したシャツなどを発注して作らせたのは「INDIANM,OTORCYCLECLOTHINGCOMPANYINC. (乙37)であり「ONTARIOLIMITED」と別」,会社である。 (イ)「FINEBOYS」1995年(平成7年)7月号(甲35)「アメリカ最古のバイクメーカー“インディアンモーターサイクル。もうバイ”クメーカー自体は倒産してしまったのだけれど,ウエアはまだカナダで作られているのだ」との記載部分は虚偽である。アメリカ最古のバイクメーカーは「イン。 ,ディアンモトサイクル」であり「インディアンモ クメーカー自体は倒産してしまったのだけれど,ウエアはまだカナダで作られているのだ」との記載部分は虚偽である。アメリカ最古のバイクメーカーは「イン。 ,ディアンモトサイクル」であり「インディアンモーターサイクル」ではない。ま,た,ウェアは,被告が発注して作らせたものである。 (ウ)「FINEBOYS」1995年(平成7年)9月号(甲36)①「ハーレーダビッドソンと並び称される,アメリカ最古のバイクメーカーがインディアンモーターサイクル。現在バイクの生産はされておらず,バイカーウエアの生産のみ続けられている」との記載部分も,上記と同様に虚偽である。 。 - 18 -②「これまでビームスなどでも扱っていたが,今秋から東洋エンタープライズが大々的に展開」との記載部分も,虚偽である。ビームスなどで販売してきたの。 は,原告であり,新インディアン社のウエアや帽子などを輸入し,ビームスなどで販売して,市場に浸透させ,周知にしたものである。 (エ)「FINEBOYS」1995年(平成7年)10月号(甲37)にも同様の虚偽の記載部分がある。 イ新インディアン社は,正当に「Indian」ブランドをマーチャンダイジング,ブランドとして復活させ,これを広く告知した。Bは正当にこれを日本に導入し,原告を設立した。原告は,企業努力を傾注し,正当に「Indian」ブランドを日本市場に浸透させ,周知にし,又は少なくとも相当程度知られるようにしていた。被告は,それを見計らって,原告の企業努力の成果を収奪し「Indian」ブランドの商,品を販売し,原告の業務を妨害した。そして,被告があたかも復活された「Indian」ブランドの正規の取扱者であるとの誤認を生じさせるため,上記のような虚偽の広告をしたものである。 ウ原告は,平成7年6月30日,被告に対し警告 した。そして,被告があたかも復活された「Indian」ブランドの正規の取扱者であるとの誤認を生じさせるため,上記のような虚偽の広告をしたものである。 ウ原告は,平成7年6月30日,被告に対し警告書を送付した(甲47)が,被告は,同警告を無視して,販売広告を継続した。 (13)平成7年に,原告のマスターライセンシーであるサンライズ社が,原告各表示を使用した革製ジャケットの製造販売につき,西澤株式会社(以下「西澤」という)とサブライセンス契約を締結した。西澤は,平成7年10月ころ,パンフ。 レットを配布して,Indianロゴ+MOTOCYCLE,ヘッドドレスロゴ+MOTOCYCLE等の原告各表示等を付した革製ジャケットの製造販売を開始し,平成7年から平成8年にかけて巨額の資金を投入して広告宣伝を行った(甲48~57。 )この結果,平成8年の上旬には,原告各表示を始めとするIndian商標は,若年男性向けのいわゆるアメリカンカジュアル系のブランドファッション市場において,シャツ,ジャケット,パンツはもとより,レザージャケット等の商品についても,原告を出所とする商標として,需要者,取引者の間で広く認識され,周知になった。 - 19 -また「IndianMotocycle「インディアンモトサイクル」は原告の略称として需,」,要者,取引者の間に広く認識され,周知になった。 (14)被告は,原告のサブライセンシーである西澤が,平成8年の秋冬シーズンに前年の投資の成果を回収しようとした矢先に,平成8年の秋冬シーズンの初めから「インディアンモーターサイクル」と同一性の範囲内にない,Indianロゴ+,「Motorcycle (Motorcycle」の書体は「Indianロゴ」と同じ)等を使用した革」「。 製ジャケット等の販売を開始し,広告 イクル」と同一性の範囲内にない,Indianロゴ+,「Motorcycle (Motorcycle」の書体は「Indianロゴ」と同じ)等を使用した革」「。 製ジャケット等の販売を開始し,広告宣伝をした(甲76~79。 )(15)原告は,平成8年5月21日,被告に対し,Indianロゴ等のTシャツや皮革製ジャケット,パンツ等への使用の差止め,損害賠償等を求める訴訟を提起した(東京地方裁判所平成8年(ワ)第9391号。被告は,原告による上記の訴訟)提起に対抗するため,平成8年7月19日,原告外に対し「インディアンモータ,ーサイクル」についての商標権に基づく差止等請求訴訟を提起し(東京地方裁判所平成8年(ワ)第140265号事件(甲80,263~265,一方で,侵))害品の販売を継続した。原告は,市場の混乱を抑制するため,取引先に対する通知を行い,また,平成8年9月17日,被告に対し,仮処分命令の申立てをした。すると,被告は,原告による上記申立てに対抗するため,平成8年10月,原告外に対し「インディアンモーターサイクル」についての商標権に基づく標章使用等の,差止め仮処分命令の申立てをした。これらの審理の過程で和解が試みられたが(甲60,被告の拒否により和解成立に至らず,平成8年12月16日,被告に対す)る仮処分命令がなされた(甲59。しかし,被告は,同仮処分命令後も,侵害品)の販売,広告を継続した(甲61~63,65~75。 )(16)被告は,平成9年1月14日,上記の状況を承知の上で,登録第4751424号商標(被告商標D)- 20 -登録第4751425号商標(被告商標E)登録第4751426号商標(被告商標F)登録第4751427号商標(被告商標G)登録第4751428号商標(被告商標H)の登録出願をし )- 20 -登録第4751425号商標(被告商標E)登録第4751426号商標(被告商標F)登録第4751427号商標(被告商標G)登録第4751428号商標(被告商標H)の登録出願をした(以下,併せて「被告第2商標」という。 。)(17)被告は,平成9年3月31日,上記の状況を承知の上で,登録第4751429号商標(被告商標I)登録第4751430号商標(被告商標J)の登録出願をした(以下,併せて「被告第3商標」という。 。)(18)原告は,今日に至るまで「Indian」ブランド商品の販売,ライセンス,,広告宣伝を継続し,その結果,平成16年2月の段階で「Indian」ブランドは一,層の周知性を取得している。他方,被告が特許庁に対し登録出願をしていた被告商標A~Jが登録され,また,被告は,バッグにおいても,原告の企業努力の成果で- 21 -ある「Indianロゴ」及び「Indian/Motocycle商標」の周知性に便乗,ただ乗りをしており,その手段として「INDIANARROW」等の商標登録をしている。 上記1の事実関係を踏まえれば,次のとおりいうことができる。 (1)原告は「Indian」ブランドによるビジネスを正当に展開するものであり,,日本における「Indian」商標(原告各表示)の正当な出所である。このことは,原告の取扱商品に関連する取引者,需要者に止まらず,世間一般の広く認識するところである。 そして,新インディアン社は,Aとは別のものであり,マーチャイジングブランドとしての「Indian」ブランドの正当な出所である。Bは,日本において「Indian」ブランドによるビジネスを展開する権利につき,対価を支払って新インディアン社から取得したものであり,日本において正当に「Indian」ブランドに の正当な出所である。Bは,日本において「Indian」ブランドによるビジネスを展開する権利につき,対価を支払って新インディアン社から取得したものであり,日本において正当に「Indian」ブランドによるビジネスを展開したものである。Bからこのような地位を承継した原告は,日本において正当に「Indian」ブランドによるビジネスを展開したものである。 (2)すなわち,平成5年1月から平成5年11月にかけて,雑誌「BRUTUS」に21回にわたり「Indian」ブランドの復活,アパレルマーチャンダイジングブラ,ンドとしての展開や,日本においても「Indian」ブランドのマーチャンダイジングビジネスが展開することが報じられた(甲226~246。雑誌「BRUTUS」は,)発行部数が月25万部に上り(甲249,250,その読者層は「Indian」ブ),ランドの商品の需要者層と重なり,ファッション情報に敏感であり,雑誌等によるブランド情報に注意している。 また,原告は,平成5年暮れから「Indian」商標を使用した新インディアン社の製造に係るバッグの輸入を開始し(甲12,18,24,25,以後,平成6年)から継続して,自ら又はライセンシーを介して「Indian商標」を使用したバッグ,の製造販売を行ってきた(甲433・3~5頁。 )現在,原告は,ヘッドドレスロゴ,モトサイクルロゴ及びIndianロゴを使用して,バッグを自ら製造し,店舗又はネットで販売している(甲444~449。 )- 22 -ヘッドドレスロゴ,モトサイクルロゴ及びIndianロゴは,原告を出所とするものとして,衣類や靴はもとより,バッグ類に使用する商標としても,既に周知である。 (3)他方,被告は,被告商標A~Jの登録出願を行い,その設定登録を経て,原告の正規のライセンスビ 原告を出所とするものとして,衣類や靴はもとより,バッグ類に使用する商標としても,既に周知である。 (3)他方,被告は,被告商標A~Jの登録出願を行い,その設定登録を経て,原告の正規のライセンスビジネスを妨害している。 すなわち,被告は,当初メリヤス業者であり,ブランド商品の下請け製造を業としていたが,その過程で,ブランドビジネスが利益を生むものであることに着目し,海外のブランド,映画のタイトルや映画中で使用されたブランド,人名,社名,地名等のいわゆるキャラクターで,日本において,将来ブランドビジネス,キャラクターマーチャンダイジング展開の基となりそうなものを権利者に無断で少し変えて登録出願し,これを利用して,ビジネスを展開しようと企画するに至ったと考えられる。そして,被告が出願,登録した商標の中には「ベアーサーフボード」の登,録及び「BEARSURFBOARDS+図形」の出願等,被告による出願登録が著しく違法性を有すると解さざるを得ないものが多く含まれている。 法4条1項15号,法4条1項7号該当性の主張本件商標は,法4条1項15号及び法4条1項7号に該当するから,その登録を無効とすべきものである。 (1)法4条1項15号該当性ア本件商標は,平成6年9月21日に商標登録出願がされた。しかるに,同出願当時,原告各表示が,若年男性層向けのいわゆるアメリカンカジュアル系のブランドファッション市場において,シャツ,ジャケット,パンツなどの商品について,原告を出所とする商標として,需要者,取引者の間に少なくとも相当程度知られていた。そして,本件商標の登録時(平成16年2月27日)には,需要者,取引者の間で広く認識され周知であった。また「IndianMotocycle」は「Indian」ブ,,ランドの提供者である原告の略称とし ,本件商標の登録時(平成16年2月27日)には,需要者,取引者の間で広く認識され周知であった。また「IndianMotocycle」は「Indian」ブ,,ランドの提供者である原告の略称として,需要者,取引者の間に,本件商標の商標登録出願時(平成6年9月21日)には少なくとも相当程度知られており,本件商標の登録時(平成16年2月27日)には広く認識され周知であった。 - 23 -イ本件商標と原告各表示及び原告の上記略称とは,外観,称呼,観念において同一ないし酷似する点がある。また,本件商標の指定商品は,原告を出所とするシャツ,ジャケット,パンツと類似する商品を含む。 ウ以上によれば,本件商標をその指定商品に使用したとき,とりわけアメリカンカジュアル系のブランドファッション市場においてシャツ,ジャケット,パンツに使用したときは,本件商標を使用した商品は原告の商品と出所について誤認混同を生ずるおそれがある。したがって,本件商標は,法4条1項15号に該当するから,その登録を無効とすべきである。 (2)法4条1項7号該当性ア他人の業務の遂行を阻害し,他人の業務を妨害する意図で出願し登録を得た商標は公正な競業秩序を害する商標であり,公序良俗に反するおそれのあるものであり,登録を無効とすべきものである。 イ本件商標は,原告の業務の遂行を阻害し業務を妨害する意図で登録出願し設定登録を得たものである。すなわち,被告は,遅くとも平成6年中頃には,原告各表示や「IndianMotocycle」が,若年男性向けのいわゆるアメリカンカジュアル系のブランドファッション市場において,シャツやジャケットやパンツを始めとする商品について,原告を出所とする商標や原告の略称として,需要者,取引者の間に浸透し,周知となっていたこと,少なくとも相当程度知られ ンドファッション市場において,シャツやジャケットやパンツを始めとする商品について,原告を出所とする商標や原告の略称として,需要者,取引者の間に浸透し,周知となっていたこと,少なくとも相当程度知られていたことを知りながら,かつ,被告の「インディアンモーターサイクル」と同一性の範囲内にないものであることを知りながら,あえて採択し出願し登録を得たものである。 ウこのような本件商標を含む被告商標A~Jが登録出願され設定登録されれば,それだけで原告の業務の遂行は著しく阻害され,業務は妨害される。すなわち,本件商標が登録されれば,それだけで問屋や小売店は,原告の正規の「Indianロゴ」や「ヘッドドレスロゴ」や「Indian/Motocycle商標」を使用した商品の取扱いを躊躇し,また,原告からライセンスを受けようとする者も,ライセンスを受けることを躊躇し,さらに,原告が広告を打とうとしても,雑誌や新聞が取扱いを躊躇し,- 24 -また,ライセンシーも広告を躊躇するようになり,原告の業務の遂行は阻害され業務は妨害される。さらに,このような態様の登録商標又はこれに類似した商標がその指定商品である衣類等に使用されれば,かかる指定商品は,原告の取扱商品と類似するから,需要者はこれを原告又は原告のライセンシーの商品であると誤認するようになり,市場に混乱を来し,結局,原告の業務の遂行は阻害され業務が妨害される。 エ他方,被告は,原告の企業努力の成果を収奪して利益を得ることになる。そして,本件商標のような態様の商標の登録出願及び登録により,また,本件商標やこれに類似する商標がその指定商品に使用されることにより,上記のような原告の業務の遂行の阻害業務の妨害の事態が生ずることは,原告と同業者である被告において当然認識したことである。すなわち,被告は,原告の業 類似する商標がその指定商品に使用されることにより,上記のような原告の業務の遂行の阻害業務の妨害の事態が生ずることは,原告と同業者である被告において当然認識したことである。すなわち,被告は,原告の業務の遂行の阻害業務の妨害という結果を意図して本件商標の出願をし登録を得たものである。 この点,被告は,本件商標の登録出願後,平成7年に入って,Indianロゴ,ヘッドドレスロゴ等と類似する商標を使用したジャケット,シャツ,帽子等の販売を開始し,原告の警告を無視して継続し,平成8年に入って「Indianロゴ』/Motor,『cycle」からなる商標等を使ってレザージャケット等の販売を開始し,原告の警告を無視してこれを継続している。 オ以上によれば,本件商標が,被告において,原告の「Indian」ブランドによるビジネスの遂行を阻害し原告の業務を妨害する意図で出願し登録を得たものであることは明らかである。したがって,本件商標は,公正な競業秩序を害する商標であり,公序良俗に反するおそれのある商標であるから,法4条1項7号に該当し,その登録を無効とすべきである。 第4被告の反論審決の認定判断は正当であり,原告主張の取消事由は理由がない。 原告は,新インディアン社からの意味のない使用許諾書(乙22)を根拠に,先願商標である被告商標の存在を知りながら(乙67,これを無視し,旧インデ)- 25 -ィアン社と何らかの関係があるかのような宣伝流布により,衣料品等についてブランドビジネスを開始した。そして,被告に対しては,原告の商標が登録される前から権利侵害である旨の警告書(乙63)を送り,商標権侵害訴訟を提起するとともに,業界紙等を介してあたかも被告が原告商品のコピー業者であるかのような誹謗中傷を繰り返し,同様の主張内容によって,被告取引先に対して警告 る旨の警告書(乙63)を送り,商標権侵害訴訟を提起するとともに,業界紙等を介してあたかも被告が原告商品のコピー業者であるかのような誹謗中傷を繰り返し,同様の主張内容によって,被告取引先に対して警告書(乙178~180)を送り続けている。 新インディアン社及びAについて(1)原告が実際に関係したのは,旧インディアン社やその関係者ではなく,米国人Aが,1990年(平成2年)に設立した新インディアン社である。新インディアン社は,社名・住所・社章など,いずれも消滅した旧インディアン社と同一のものを採用しているが,両社の間にはいかなる関係も関連もない。 そして,新インディアン社を設立したAという人物は,旧インディアン社及び同社商標に関連して国内外200人にも及ぶ人々から金員等を詐取したとして平成8年6月5日に逮捕され(乙15,米連邦裁判所により「投獄90ケ月,百万ドル)を超える詐取金の返還支払を命ずる」との判決を受け直ちに収監された人物である(乙16,20,21。 )新インディアン社の実体は,上記事件の起訴状(乙17)からも明らかにされている。すなわち,新インディアン社は,旧インディアン社とは全く関係のない別法人で,Aが自己の犯罪行為の道具として利用するため,意図的に旧インディアン社と同一の商号・社章・住所を採用し,あたかも旧インディアン社との間に何らかの関係又は継続性があるかのように装ったにすぎない会社である。しかも,新インディアン社は,投資家から金員等を詐取しただけで,オートバイの製造はもちろんのこと,企業本来の事業活動はおろかその準備行為すら一切せずに,設立後間もなく倒産している(乙18,20。 )(2)原告は,新インディアン社と旧インディアン社とは全くの別会社で何の関係もないこと,Aが旧インディアン社及びその商標に関し刑事犯 すら一切せずに,設立後間もなく倒産している(乙18,20。 )(2)原告は,新インディアン社と旧インディアン社とは全くの別会社で何の関係もないこと,Aが旧インディアン社及びその商標に関し刑事犯として米国で訴追- 26 -され有罪判決を受けたこと,Aが米国で譲り受けたとする商標は,旧インディアン社の商標とは全く関係のない商標であることなどの事実をライセンシーらに一切告げず,平成5年6月には旧インディアン社と関係のある日本法人であるかのような商号を採用した原告を設立するとともに,全く関係のない旧インディアン社の名前を利用してブランドビジネスを開始し,真実を知り得ない我が国のライセンシーから多額のロイヤリティーを得ている。 (3)Aが米国で譲り受けたとする商標は,旧インディアン社消滅後18年経った1971年(昭和46年)に,Cという人物が,旧インディアン社とは全く無関係に登録を受けたものであるところ,Aは,その一部を1990年(平成2年)5月に当時共有者の一人であったDから持分の2分の1(全体の4分の1)を譲り受けたにすぎない(乙71。Aの刑事事件の起訴状(乙17)の記載によると「儲け),させてやるとの甘言により僅か1ドルで譲り受けた」ものであり,しかも,同商標は,原告が設立される前の1992年(平成4年)6月には,既に新インディアン社(INDIANMOTOCYCLECOMPANYINC.)から他社(INDIANMOTOCYCLEMANUFACTURINGCOMPANYINC.)に移転されている。 Bについて(1)新インディアン社の実体は上記のとおりであるが,同社から日本をテリトリーとする旧インディアン社の商標を登録し使用する権利を譲り受けたと主張する者が,米国人Bである。Bは,この新インディアン社からの使用許 ンディアン社の実体は上記のとおりであるが,同社から日本をテリトリーとする旧インディアン社の商標を登録し使用する権利を譲り受けたと主張する者が,米国人Bである。Bは,この新インディアン社からの使用許諾書(乙22)を根拠に「Indian」商標の日本におけるライセンスビジネスを企画し,原告の親会,社であったサンライズ社と共に原告を設立して自らが代表者に就任した。そして,後に,B名義で登録出願した原告商標A(無効とされた登録第2710099号商標)等を原告に譲渡したことにより,原告名による日本におけるライセンスビジネスが開始された。 (2)原告は「原告のビジネスは正規のブランドビジネスである「原告は『I,」,ndian』商標についての正当な所有者である」などとして「被告商標の登録やそ,- 27 -の使用は,原告のブランドビジネスを妨害するもので公序良俗に反する」と主張。 する。原告がこのような主張をするそもそもの根拠は,新インディアン社がBに与えたこの使用許諾書(乙22)であるが,旧インディアン社とは全く無関係なAや新インディアン社が,旧インディアン社の略称や同社が存続時に使用していた商標,さらには,これらを原型起源とする商標について,全世界的に,他者による採択や使用を制限することができるような原権を有さないことは論ずるまでもなく,まして,我が国における商標登録の適否を左右する要因とはなり得ない。 旧インディアン社との関係旧インディアン社と無関係であることについては,原告も被告も同等であって,「Indian」商標を被服等の商標として採択,使用することに関し,一方が正当な使用者で他方が不正な使用者である関係になるものでも,一方が他方の商標を冒用した関係になるものでもなく,たまたま,両者の商標の採択動機やその原型起源が同じであっ 択,使用することに関し,一方が正当な使用者で他方が不正な使用者である関係になるものでも,一方が他方の商標を冒用した関係になるものでもなく,たまたま,両者の商標の採択動機やその原型起源が同じであったということ,そして,指定商品「被服類」については被告による出願が先行し,他の指定商品群については原告が先行していたというものにすぎない。 被告による「Indian」商標の採択の経緯(1)採択の起源被告が「Indian」商標を採択したのは,被告代表者(E)が,1990年(平成,2年)に米国ヴィンテージバイクの愛好家団体のメンバーである「F」氏と出会い同氏のために,その名前「JERRY 「CHINN ,ラッキーナンバー「13」及び「India」」n」のロゴ・デザインを入れたレース用のジャケットを作り提供したのがきっかけである(乙72,73。すなわち,乙72の1は,1990年(平成2年)4月)に作成したそのレース用ジャケットの「仕様書」であり,また,乙72の2は,1996年(平成8年)9月の訪問時に撮影した同ジャケットの「写真」である。 (2)被告商標A~Jについて最初に出願した被告商標Aがカタカナ表記となっているのは,当初ロゴデザインが決まっていなかったことから,とりあえず音表示で出願したことによるものであ- 28 -る。このような出願手法は,先願主義を基調とする我が国の法制上普通に採られている手法であって,特に不自然なことではない。 (3)「Moto」と「Motor」との違い原告は,旧インディアン社は「IndianMotocycleCompany」であり「IndianMotorcycleCompany」ではないと主張するが「Moto/モト」が「Motor/モーター」,、の略語であることは「Motocross=モトク Company」であり「IndianMotorcycleCompany」ではないと主張するが「Moto/モト」が「Motor/モーター」,、の略語であることは「Motocross=モトクロス(オートバイで舗装されていない,山道や野原などを走るレース」の用法からも明らかなように周知の事実であり,)あくまでも,旧インディアン社の社名表記が「IndianMotocycleCompany」であるということにすぎず,同社のインディアンバイクを指称するときには「IndianMotorcycle」の語が用いられている(乙27~29。 )、(4)その後の経緯被告は,平成3年(1991年)11月5日に出願した被告商標Aが,平成5年(1993年)3月に公告され,平成6年(1994年)3月に登録されたことを踏まえ,商品化の具体的な検討に入るとともに,輸出入業務に関係して米国やカナダでの権利関係を調査したところ,米国では「Indian」商標について権利を主張する者が数多くいて権利関係が特定できないなどの事情から,商標「INDIANMOTORCYCLE」についてカナダ国で正当な商標権者として認められていた「INDIANMANUFACTURINGLTD. (以下「カナダインディアン社」という)と業務提携し(乙19,」。 ),23,186,平成7年初期に,商社(蝶理,フジエンタープライズ)を介して同社商品を輸入することにより「Indian」商標を付した商品の日本での販売を本,格的に開始した(乙34,35,75~116。これらの商品についての最初の)雑誌広告は,平成7年6月25日発行の雑誌「POPEYE」による(乙36。なお,)被告が当初使用していた「Indian」商標のすべては,カナダインディアン社から輸入した商品に元々付 ての最初の)雑誌広告は,平成7年6月25日発行の雑誌「POPEYE」による(乙36。なお,)被告が当初使用していた「Indian」商標のすべては,カナダインディアン社から輸入した商品に元々付されていたものである(乙37,75,98。 )(5)被告による「Indian」商標の使用の開始時期被告が,本格的に「Indian」商標を付した商品販売を開始したのは,平成7年の- 29 -中頃であったが,商社(蝶理,フジエンタープライズ)からカナダインディアン社を紹介されたのは,平成6年(1994年)であり(乙77,また,それ以前に)おいても,被告は,米国の取引先に「INDIAN」ブランド商品の米国市場での状況を調べてもらい,数多くいた業者の中の数社から「INDIAN」ロゴの入った商品を平成3年(1991年)に輸入し,同年秋口(10月ころ)に開催した被告の1992年(平成4年)春夏物展示会において販売していた(乙119。すなわち,被告)が,実際に「INDIAN」ロゴの入った商品の販売を日本で最初に手掛けたのは,日本国内市場での感触を得るためのインポート商品ではあったが,平成3年(1991年)秋口のことであり,輸入行為そのものが商標使用と認められる(法2条3項2号)とすると,被告による「Indian」商標の最初の使用は,上記被告展示会開催の数か月前からということができる。 こうした時系列的事実から明らかなのは,被告による「Indian」商標の日本での使用及び被告商標Aの出願(1991年(平成3年)11月5日)は,新インディアン社によるBに対する商標使用許諾(1992年(平成4年)2月12日,Bに)よる日本での原告商標Aの登録出願(1992年(平成4年)2月6日,AやBら)による業界紙(甲13)での原告の設立とブランドビジネス立ち上げの 標使用許諾(1992年(平成4年)2月12日,Bに)よる日本での原告商標Aの登録出願(1992年(平成4年)2月6日,AやBら)による業界紙(甲13)での原告の設立とブランドビジネス立ち上げの告知(1993年(平成5年)1月29日,原告の設立(1993年(平成5年)6月3)日,原告による業界紙(甲24,25)でのライセンス事業開始等の告知(19)93年(平成5年)1月29日,Bから原告への原告商標Aの譲渡(1996年)(平成8年)5月27日)のいずれにも先行していたということである。そうすると,被告による「Indian」商標の採択が冒認行為(フリーライド)であるとの原告主張の誤りは明らかであり,被告が「Indian」商標を使用し,かつ,出願する以前にあっては,原告らには,フリーライドの対象となり得るような事実や実績などは全くなかったものである。 (6)カナダインディアン社についてカナダインディアン社とは,グラフィックデザイナーである「G」氏が創立した- 30 -「ONTARIOLIMITED(オンタリオ社」から始まる,次のようなカナダ企業のこと)である。 まず,G氏は,1989年(平成元年)にカナダで「INDIANMOTORCYCLE」商標の登録を受け,1991年(平成3年)にオンタリオ社にこれを移転させた(乙23。その後,オンタリオ社は「INDIANMOTORCYCLECOMPANY」と社名を改め,ま)た,1990年(平成2年)に高級衣料品の卸売業を営む「H」氏とパートナーを組み,G氏がデザインを,H氏が生産販売を担当するようになった。その後,H氏が社長となり,社名を「INDIANMANUFACTURINGLTD.」とした。同社は,衣料品のほか,ライター,時計,家具等,多品目を北米やヨーロッパで販売し,1 当するようになった。その後,H氏が社長となり,社名を「INDIANMANUFACTURINGLTD.」とした。同社は,衣料品のほか,ライター,時計,家具等,多品目を北米やヨーロッパで販売し,1994年(平成6年)までにはカナダ国内で約100店舗と取り引きし,年商は約300万ドルまで達していた。そして,1999年(平成11年)に「IMCOALICENSINGAMERICAINC」が出資者となり,社名を「INDIANMOTORCYCLECLOTHINGCOMPANYINC.」と改めた。 すなわち,カナダインディアン社には,実質的に「INDIANMANUFACTURINGLTD.」と同一会社と認められる「ONTARIOLIMITED「INDIANMOTORCYCLECOMPAN」,Y」及び「INDIANMOTORCYCLECLOTHINGCOMPANYINC.」も含まれる。 (7)米紙報道について被告商標Aの出願前の事実があるとすれば,原告が強調する1991年(平成3年)7月1日付「TheDailyNews (甲6)と,1991年(平成3年)7月5日」付「USATODAY (甲7)の掲載記事であるが,その内容は,Aが金員を詐取するた」めに行った一方的な発表にすぎず,商標使用の実際や事業実態の存在を何ら証明するものでない。このことは,その後のAの犯罪行為や,発表内容の一切が実行されていない事実に照らせば容易に理解できる。そもそも,日本の一衣料品会社である被告が外国で発行されたこのような英字新聞を日々購読していたと考えること自体極めて不自然であり,しかも,当該記事は,被告商標Aの出願日よりわずか4か月前の記事である。被告による商標の採択は,当該記事の掲載以前に起因するもので- 31 -あることは ていたと考えること自体極めて不自然であり,しかも,当該記事は,被告商標Aの出願日よりわずか4か月前の記事である。被告による商標の採択は,当該記事の掲載以前に起因するもので- 31 -あることは前述したとおりであり,これらの米紙記事からヒントを得て被告商標Aを出願したという原告の主張は失当である。 (8)商標の近似性について被告及び原告が採択使用する商標態様が近似しているのは,どちらか一方が他方を真似したからでも,単なる偶然からでもない。両者の商標は,いずれも旧インディアン社が存続時に使用していた商標(乙27~29)を原型起源とするもので,旧インディアン社のバイクイメージや1900年初期の米国の華やかな時代イメージを種々商品に再現することを意図しての採択である。 このような試みは,旧インディアン社が消滅した4年後には既に行われており(乙30,31,同様の商品を取り扱う業者は各国に存在する。原告も被告もそ)の中の一業者にすぎず,これらの業者が採択使用する商標は,程度の差はあっても旧インディアン社の商標に依拠しているから,その構成や書体が近似するのは必然である。我が国においても「Indian」商標は,古くより数多く登録され,多様な,商品商標として使用されている(乙32。 )第5当裁判所の判断 本件の事実関係証拠(甲2,5~7,10,11,13~21,24~32,48~58,201,226~246,249,250,254,380,461,462,464~466,468,470,472~478,乙15~18,20,21,27,71~74,119,190,原告代表者,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められる。 (1)旧インディアン社1901年(明治34年,米国マサチューセッツ州スプリングフィールドにお)い ,119,190,原告代表者,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められる。 (1)旧インディアン社1901年(明治34年,米国マサチューセッツ州スプリングフィールドにお)いて,オートバイのメーカーが設立され,その商号として,1923年に「インディアン・モトサイクル・カンパニー(旧インディアン社)を名乗った。 」旧インディアン社のオートバイは,パワーと頑丈さに優れているとされ,数々の- 32 -歴史的伝統のあるレースで優勝し,州警察や軍のオートバイとして活躍するなどしてその名を知られるようになった。旧インディアン社は「INDIANMOTOCYCLE」,(インディアン・モトサイクル)と略称され,1950年代以前,ハーレー・ダヴィッドソンと並ぶ米国を代表するオートバイメーカーとして知られ,同社の使用するインディアンロゴ,ヘッドドレスロゴ等は,旧インディアン社の製造販売するオートバイに付された商標として,米国,欧州,日本において周知であった。しかし,旧インディアン社は,ハーレー・ダヴィッドソンのオートバイとの競争に敗れるなど,種々の要因から売上げが落ち,1953年に操業を停止し,その後,イギリス人のオーナーが工場を別の町に移して製造を再開したが,結局,1959年に会社が解散されるに至り,その後,同社が再開されることはなかった。 そして,新インディアン社の使用した商標,原告各表示,原告商標A~C,被告商標A~Jは,いずれも,旧インディアン社の使用していた商標に基づいたものであり,旧インディアン社の商標と同一ないしは類似するものである。 (2)新インディアン社ア米国人Aは,1971年(昭和46年)に,Cという人物が旧インディアン社と無関係に登録していた「IndianMotorcycle」という商標の一部を,1990 である。 (2)新インディアン社ア米国人Aは,1971年(昭和46年)に,Cという人物が旧インディアン社と無関係に登録していた「IndianMotorcycle」という商標の一部を,1990年(平成2年)5月,Dから譲り受け,1990年(平成2年)ころ,Aが中心となって,米国マサチューセッツ州スプリングフィールドにおいて「IndianMotocycleCo.,Inc.(インディアン・モトサイクル・カンパニー・インク」という社名の会)社を起こした(新インディアン社。新インディアン社は,1992年(平成4)年)1月,Aらから上記商標を譲り受けた。新インディアン社は,旧インディアン社とは「IndianMotocycle(インディアン・モトサイクル」社という社名を共通)にするが,これは,旧インディアン社と共通の商号が採択されたものにすぎず,旧インディアン社ないしその承継人との関係はなく,また,旧インディアン社ないしその承継人から,その商標権の譲渡や使用許諾を受けたものでもなく,さらに,旧インディアン社が有していた技術を当時の従業員等を介するなどして具体的に引き- 33 -継いだものでもなかった。 イ新インディアン社について,次の内容の記事が掲載された。 (ア)1991年(平成3年)7月1日付け「TheDailyNews」に「夢追うバ,タビア人見捨てられたバイク会社を復活に導く実業家」との見出しの下「Aは,今まさに,アメリカ史に残る伝説であるインディアン・モトサイクルを甦らせるという夢を実現させようとしている。40年の沈黙を破り,マサチューセッツ州スプリングフィールドにあるインディアン・モトサイクル・カンパニー…がかつての有名なバイクを製造するための場所としてコネチカット州のウィンザー・ロックスにある93エーカー を破り,マサチューセッツ州スプリングフィールドにあるインディアン・モトサイクル・カンパニー…がかつての有名なバイクを製造するための場所としてコネチカット州のウィンザー・ロックスにある93エーカーの敷地を確保する為の最終的な交渉が現在進められている」と。 の内容を含む記事が掲載された。 (イ)1991年(平成3年)7月5日付け「USATODAY」に「40年近くの,間,製造を中止されていたインディアン・バイクが再び息を吹き返した。コネチカットの投資家Aの計画が順調に行けば,このクラッシックの大型バイクは1993年には路上へと帰って来る「彼は去年そのインディアンの商標権を買い取り,。」,アクセサリー会社と共にテスト・マーケットをすることにした。バイヤーたちはその会社のトレードマークであるインディアン・ヘッドを附したTシャツや革ジャンに飛びついたのだった」との内容を含む記事が掲載された。 。 (ウ)そして,我が国でも,平成5年1月29日付け「二輪車新聞」に,ヘッドドレスロゴを冠したオートバイの写真や,ヘッドドレスロゴ+MOTOCYCLEが付されたウェアの写真とともに「よみがえるアメリカンインディアン復活7月4日,米国で1号車を発表」との見出しの下「1920年代から40年代にかけて全,盛を誇ったアメリカンモーターサイクル『インディアン』の製造元インディアン・モトサイクル社の40年ぶりの復活が決定,1月22日(金,同社オーナーのA),氏の来日に合わせ,同社の日本代表B氏の同席のもと記者会見が行われた。当日は新生インディアンモーターサイクルの概要および今年7月4日アメリカ独立記念日に発表される第1号モデルの内容などが明らかにされた」との内容を含む記事が。 - 34 -掲載された。 ウ新インディアン社は,上記のように,199 イクルの概要および今年7月4日アメリカ独立記念日に発表される第1号モデルの内容などが明らかにされた」との内容を含む記事が。 - 34 -掲載された。 ウ新インディアン社は,上記のように,1991年(平成3年)の新聞記事で紹介され,1993年(平成5年)1月に,上記イ(ウ)のように,そのオーナーとされるAの来日記者会見が行われ,1993年(平成5年)の春までに,工場建設用の敷地を取得し,オートバイのプロトタイプを2台製造したものの,結局,上記イ(ウ)の1993年(平成5年)7月4日の第1号モデルの発表もなされることはなく,本格的なオートバイの開発製造等を何ら行うことがないまま,やがて倒産するに至った。そして,Aも,新インディアン社の多数の投資家から金員等を詐取したとの証券詐欺等の容疑で,1996年(平成8年)6月5日ころ逮捕,拘禁され,1997年(平成9年)12月19日,米国マサチューセッツ地区連邦地方裁判所により有罪を宣告され,投獄90か月(7年6月)に処せられるとともに,百万ドルを超える弁償金等の支払を命ずる旨の判決を受けた。 なお,新インディアン社による旧インディアン社の商標と同一ないしは類似の商標を付した衣料等の生産についても,そのアイテム数は必ずしも多くなかった上,ライセンス先のトリニティー・プロダクツ社による衣料,アクセサリーの販売等を含め,雑誌「POPEYE」平成5年11月10日号の「米国では既にブームとなっている模様」等の記事はあるものの,その具体的な販売規模は不明であり,少なくとも大規模であったと認める証拠はない。 (3)原告の設立ア米国人Bは,日本に居住してファッション・コンサルタントなどの仕事をしていた折,前記(2)イ(イ)の「USATODAY」紙の記事を読み,ブランドとしての「Indian」に興味を持っ 原告の設立ア米国人Bは,日本に居住してファッション・コンサルタントなどの仕事をしていた折,前記(2)イ(イ)の「USATODAY」紙の記事を読み,ブランドとしての「Indian」に興味を持って,1991年(平成3年)12月,新インディアン社のAを訪問して面談した。その結果,新インディアン社のAとBは,Bが新インディアン社から,日本をテリトリーとして「Indian」商標を使用してライセンス及びマーチャンダイジングビジネスを展開する独占的権利を,約70万ドルの対価を払って買い受けることに合意した。これに基づき,Aは,新インディアン社の「Chairmanoft- 35 -heBoard (取締役会長)として,1992年(平成4年)2月12日付けで,」「関係者各位」宛「IndianMotocycle商標の所有者として旧インディアン社はB,に対して日本における営業目的のために当社のロゴ及び商標を使用する権利を付与する」との文書に署名した。 。 イBは,新インディアン社からの協力を得ることなく独自で日本において「Indian」商標を使用したビジネスを展開するため,原告の現代表者が取締役本部長を務めていたサンライズ社と共に,平成5年6月3日,皮革製品,衣料品の輸出入及び販売等を目的として原告を設立し,その代表取締役に就任した。そして,Bは,原告設立と同時に,原告に対し,Indian/Motocycle商標やインディアンロゴからなる商標等の「Indian」商標の使用を許諾し,その後,平成7年10月16日付けで原告商標Aを原告に譲渡するなど,平成7年から平成8年にかけて「Indian」商,標に関する権利をすべて原告に譲渡した。なお,原告においては,平成7年9月,現代表者が代表取締役に就任し,現在に至っている。 ウ平成5年7月24日 平成7年から平成8年にかけて「Indian」商,標に関する権利をすべて原告に譲渡した。なお,原告においては,平成7年9月,現代表者が代表取締役に就任し,現在に至っている。 ウ平成5年7月24日付けの「繊研新聞」紙には「米アンティークバイク,『インディアン』ウエア発売」という見出しの下「アンティークバイクとして有,名なアメリカの『インディアン』をイメージキャラクターにした商品が今秋から日本で発売される。同ブランドの世界戦略の一環で,すでに一部商品はアメリカで販売されているが,このほどインディアン・モトサイクル・ジャパン(本社東京,B社長)が設立され,今秋から輸入販売をはじめる。ライセンス事業も行い,日本では5年後,20億-30億円を目標としている」との内容を含む記事が掲載され。 た。また,同日付けの「日経流通新聞」にも,同様の内容の記事が掲載された。 (4)原告による原告各表示の使用ア平成5年1月から11月にかけて,雑誌「BRUTUS」に,21回にわたり,新インディアン社の創業や,原告の設立等について,原告の設立当初の取締役であった松木直也が執筆した記事が掲載された。このうち,雑誌「BRUTUS」平成5年10月号には「インディアン社,アパレル事業驀進。オーナーのB氏語る」との見出,。 - 36 -しの下に「ついに,インディアン社のアパレル事業がこの秋冬にかけて本格的に,動き出した「インディアン・モトサイクル・ジャパンの代表でもあり,アパレ。」,ルでもアジア地区の総代理人であるB氏は,次のように語る『アメリカ本社のオ。 ーナー,A氏と私のアパレルにおける契約は,日本…を含んだアジア地区におけるものです。インディアン・モトサイクル・ジャパンは,日本におけるマスターライセンシーであるサンライズ社との共同出資で設立しました。 ,A氏と私のアパレルにおける契約は,日本…を含んだアジア地区におけるものです。インディアン・モトサイクル・ジャパンは,日本におけるマスターライセンシーであるサンライズ社との共同出資で設立しました。日本市場でのブランド管理,ライセンスビジネス事業,輸入業務などを行います」との内容を含む記事』が掲載されている。 イ原告は,平成5年秋から,原告各表示を付したジャケット等の輸入販売を開始したところ,輸入販売に係る商品は「アーバンメディスン」や「ビームス」な,どの店舗でも販売された。そして,雑誌「POPEYE」平成5年11月10日号には,「米国では既にブームとなっている模様。日本でも,ブーム着火は時間の問題だといえる」との内容を含む記事が掲載され,雑誌「CLiQUE」平成6年1月号,同。 「DICTIONARY」平成6年1月号においても,関連記事等が掲載された。 ウ原告のマスターライセンシーであるサンライズ社は,平成6年始めころ,マルヨシに対し,バッグ,袋物類等について「Indian」商標のサブライセンスを許諾した。これに基づき,マルヨシは,原告のサブライセンシーとして,平成6年5月,取引業者等を呼んで展示会を開催した。これに関して,平成6年6月25日付け「旬刊ファンシー」に「◇マルヨシ◇『インディアン』が復活40年ぶりにバ,ッグなど商品化」という見出しの下「マルヨシは5月16~18日,本社2階展,示室で'94秋~'95春の展示会を行った。…今回,新ブランドとして『インディアン』を商品化。…『インディアン』は3つのシリーズから構成されている。トートなどのタウンバッグ系5アイテム…リュックなどのアウトドア系6アイテム…秋冬用のタウンバッグ系5アイテム…」との内容を含む記事が掲載された。また,雑誌「グッズプレス」平成6年11月号に,マルヨ ートなどのタウンバッグ系5アイテム…リュックなどのアウトドア系6アイテム…秋冬用のタウンバッグ系5アイテム…」との内容を含む記事が掲載された。また,雑誌「グッズプレス」平成6年11月号に,マルヨシが販売する「Indian」商標が付されたバッグ類が掲載された。 - 37 -エ原告のマスターライセンシーであるサンライズ社は,平成7年5月ころ,西澤に対し,レザージャケットなどについて「Indian」商標のサブライセンスを許諾した。これに基づき,西澤は,原告のサブライセンシーとして,また,平成10年1月~12月は原告の直接のライセンシーとして「Indian」商標が付されたレザ,ージャケットの製造販売を行った。これに関して,各種雑誌類(GETON!」19「95年別冊4号〔平成7年10月,同別冊5号〔平成7年12月「マッシモ」〕〕,平成7年11月号「Hot・DogPRESS」平成7年10月10日号「OutRider」平,,成7年11月号「エム・エー・ワン」平成7年12月号「FINEBOYS」平成7年,,12月号,平成8年1月号「ブーン」平成8年1月号)に,西澤が販売する「In,dian」商標が付されたレザージャケットが掲載された。 オ原告は,平成8年7月22日付け「繊研新聞」において,その広告を掲載した。これは,Indian/Motocycle商標を中央に大きく配し「LEGENDRETURNS 伝説,のブランド,復活」との見出しの下「現在のライセンシング状況<マスター。 ,ライセンシー>株式会社サンライズ社…<サブライセンシーおよび正規ディストリビューター>西澤株式会社…,株式会社三竹産業…,株式会社元林,兼松日産農林株式会社…,新規ライセンシー募集」等と記載されたものであった。 (5)被告による被告商標A イセンシーおよび正規ディストリビューター>西澤株式会社…,株式会社三竹産業…,株式会社元林,兼松日産農林株式会社…,新規ライセンシー募集」等と記載されたものであった。 (5)被告による被告商標A~Jの使用と商品の製造販売被告代表者は,1990年(平成2年,米国ヴィンテージバイクの愛好家団体)のメンバーであるFと出会い,その名前「F ,ラッキーナンバー「13」及び「Indi」an」のロゴ・デザインを入れたレース用のジャケットを作ったことがあったが,被告は,このことをきっかけとして「Indian」商標を使用することを考え始めるよ,うになった。そして,被告は,平成7年6月ころから,被告商標A~Jのいずれかを付した被服等の販売を開始したほか,別紙被告商標目録記載のとおり,平成6年9月(被告第1商標,平成9年1月(被告第2商標,平成9年3月(被告第3))商標)に,順次,被告商標A~Jの商標登録出願を行った。 以上を前提に,以下,本件商標(被告商標C)の法4条1項7号,同15号- 38 -該当性について検討する。 (1)法4条1項15号該当性についてア本件商標が,原告各表示ないし「IndianMotocycle」と類似するとしても,これが法4条1項15号に該当するというためには,本件商標の設定登録時(平成16年2月27日)においてはもとより,その登録出願時(平成6年9月21日)において,原告各表示ないし「IndianMotocycle」が,その被服等の商品の出所が原告であることを示すものとして,取引者,需要者間に広く認識されていることが必要というべきである(法4条3項。この点,原告は,原告各表示ないし「Indi)anMotocycle」が,その被服等の商品の出所を示すものとして,取引者,需要者間に相当程度知られていたこ とが必要というべきである(法4条3項。この点,原告は,原告各表示ないし「Indi)anMotocycle」が,その被服等の商品の出所を示すものとして,取引者,需要者間に相当程度知られていたことを指摘するが,この点を措いても,そもそも本件においては,後記のとおり,原告各表示ないし「IndianMotocycle」が,その被服等の商品の出所が原告であることを示すものとして,ないしは原告の略称として,需要者,取引者の間に知られるようになっていたということができないものである。 イ原告各表示ないし「IndianMotocycle」が,その被服等の商品の出所が原告であることを示すもの,ないしは原告の略称として,需要者,取引者の間に知られるようになっていたということができるかについて検討する。 (ア)原告の商号は「インディアンモトサイクル(IndianMotocycle 」の部,)分が旧インディアン社と共通であり,原告各表示は,旧インディアン社がその製造・販売していたオートバイに使用していた商標がその元となっており,しかも同商標と同一ないし類似のものである。しかるに,同商標は,1940年代において,米国,欧州,我が国においてオートバイに使用される商標として周知であったが,旧インディアン社が1953年にオートバイの製造を停止し,1959年に最終的に解散されるに至ってから,その後,同社が再開されることなく30年の月日が経過したことにより,1990年代後半において,オートバイの愛好家の間において根強い人気が続いていたことはともかく,被服・衣服の一般消費者間においてはその周知性を失っていたものである。 - 39 -(イ)しかるに,原告とそのライセンシーらは,旧インディアン社の正当な承継人である新インディアン社からライセンスを受けて,米国 般消費者間においてはその周知性を失っていたものである。 - 39 -(イ)しかるに,原告とそのライセンシーらは,旧インディアン社の正当な承継人である新インディアン社からライセンスを受けて,米国インディアンブランドである原告各表示を使用した事業を開始した,という宣伝広告を一貫して行い,これに基づく製造販売を行っている。これは,原告各表示が,旧インディアン社の商標と同一ないし類似することと相まって,旧インディアン社の復活を標榜することにより,オートバイ愛好家の間に存在する旧インディアン社のオートバイへの根強い人気や,過去に周知著名であったブランドが今回原告により復活されることの,アメリカンカジュアル衣料の一般消費者である若者に対するアピール効果を用いて,被服類のブランドとしての「Indian」商標の商品のブームを起こそうとしたものと考えられる。そうすると,原告は,旧インディアン社の用いた商標と同一又は類似のものを用いて旧インディアン社の有する潜在的な周知性に訴えてその営業上の信用を利用しようとしたものであり,あくまで,原告が旧インディアン社の正当な承継人であることを宣伝広告し原告各表示を付した商品を製造販売等していたものであるから,旧インディアン社と離れて,原告独自の「Indian」商標のビジネスを展開したものと解することはできない。そうすると,このような場合は,原告が旧インディアン社の承継人と認められるのであればともかく,何ら旧インディアン社と関係がない第三者である場合には,原告が「IndianMotocycle」を含む商号を採択し,また,原告各表示を使用しても,旧インディアン社と離れて,これらの商号及び表示が,原告の略称ないし原告が出所であることを示すものとして需要者,取引者の間に知られるようになっていたということはできないと解 ,原告各表示を使用しても,旧インディアン社と離れて,これらの商号及び表示が,原告の略称ないし原告が出所であることを示すものとして需要者,取引者の間に知られるようになっていたということはできないと解するのが相当である。 (ウ)しかるに,Bが許諾を受けた先である新インディアン社は,旧インディアン社とは「IndianMotocycle(インディアンモトサイクル」社という社名を共)通にするが,これは,旧インディアン社と共通の商号を意図的に採択したものにすぎないというべきであり,本件において,旧インディアン社と新インディアン社との間に法的に意味のある連続性を認めるに足りる証拠はない。そして,新インディアン社は,経済的に見ても,その従業員,営業組織,オートバイ製造の技術等が旧- 40 -インディアン社から引き継がれていると認めるに足りる証拠はなく,実際にその本来の事業であるオートバイの本格的な製造販売を行うことなくやがて倒産したものであって,アパレルのライセンス事業も大規模のものと認めるに足りる証拠もない。 さらに,新インディアン社をその中心となって創業したAは「Indian」商標に関,連する証券詐欺等の罪により有罪の宣告を受けて投獄されているものである。 これらに照らせば,新インディアン社について「Indian」商標を付したオート,バイを製造販売していた旧インディアン社を復活させたものと評価することはできないというほかない。また,Bないし原告が,旧インディアン社ないしその承継人から,原告各表示ないし「IndianMotocycle」について,商標権等の譲渡や使用許諾を受けたものと認めるに足りる証拠もない。 (エ)以上によれば,原告は,何ら旧インディアン社と関係がない第三者であるとの評価を免れないというべきであるから,このような原告が,旧 権等の譲渡や使用許諾を受けたものと認めるに足りる証拠もない。 (エ)以上によれば,原告は,何ら旧インディアン社と関係がない第三者であるとの評価を免れないというべきであるから,このような原告が,旧インディアン社と共通の「IndianMotocycle(インディアンモトサイクル」との部分を含む商)号を採択し,旧インディアン社の商標と同一又は類似のものである原告各表示を使用しても,旧インディアン社と離れて,原告の略称ないしは原告の原告を出所とするものとして需要者,取引者の間に知られるようになるということはできない。 ウなお,本件商標の登録出願当時(平成6年9月21日)前後における原告の輸入販売やライセンスビジネスの規模を見ても,原告やそのライセンシーグループの売上金額については,平成14年6月に原告の取締役に就任したIの平成14年7月31日付け陳述書(甲201)に「インディアン』の売上規模は小売値ベ,『ースで15億円です」との記載があり,また,平成16年10月4日付け陳述書。 (甲254)に「小売値ベースで20数億円」と記載されているにすぎず,これ,を裏付ける客観的な証拠はなく,他に,同売上金額について,これを認めるに足りる的確な証拠はない。また,広告宣伝状況を見ても,原告の設立(平成5年6月)をはさんで,平成5年1月から11月にかけて,雑誌「BRUTUS」に原告の当時の取締役が記載した連載記事が載り,平成5年11月号の雑誌に「日本でもブーム着,- 41 -火は時間の問題」との記事が掲載され,平成6年1月号の雑誌数誌に原告の輸入販売に関して記事が載り,また,平成6年5月ころ,原告からサンライズ社を介してライセンスを受けたマルヨシが原告各表示等を付したバッグの製造販売を開始して同バッグが市場に流通し始め,平成6年11月から12月 関して記事が載り,また,平成6年5月ころ,原告からサンライズ社を介してライセンスを受けたマルヨシが原告各表示等を付したバッグの製造販売を開始して同バッグが市場に流通し始め,平成6年11月から12月にかけて,雑誌数誌に,マルヨシが原告各表示等を付したバッグ等の広告が掲載され,また,その後,平成7年10月ころ,原告からサンライズ社を介してライセンスを受けた西澤により,原告各表示等を付したレザージャケットの販売が開始され,平成7年10月から平成8年1月にかけて,雑誌数誌に,西澤の製造販売するレザージャケットの広告が掲載されたという程度にすぎない。 これらによれば,本件商標の登録出願(平成6年9月21日)時点において,原告のライセンスビジネスは,本格的な規模のライセンスビジネスがある程度以上の期間継続して行われた段階には至っておらず,いわばまだ緒についたばかりの時期であったにすぎないというべきであるから,そもそも,上記時点において「Indi,anMotocycle」ないし原告各表示が,原告の略称として,ないしはその被服等の商品の出所が原告であることを示すものとして,取引者,需要者間に,本件商標の法4条1項15号該当性を肯定し得る程度に,相当程度知られていたということもできない。 エ以上によれば,本件商標が,法4条1項15号に該当するということはできない。 (2)法4条1項7号該当性について上記(1)イ,ウの説示によれば,新インディアン社は,法的には旧インディアン社との連続性は何らない会社である上,その従業員,営業組織,オートバイ製造の技術等,その他その具体的活動状況等に照らしても「Indian」商標を付したオー,トバイを製造販売していた旧インディアン社を復活させたものと評価することはできないのであり,原告は,何ら旧インディアン社と関 その他その具体的活動状況等に照らしても「Indian」商標を付したオー,トバイを製造販売していた旧インディアン社を復活させたものと評価することはできないのであり,原告は,何ら旧インディアン社と関係がない第三者であるとの評価を免れず,このような原告が旧インディアン社と共通の「IndianMotocycle(イ- 42 -ンディアンモトサイクル」との部分を含む商号を採択し,旧インディアン社の)商標と同一又は類似のものである原告各表示を使用しても,旧インディアン社と離れて「IndianMotocycle」ないし原告各表示が,原告の略称として,ないしはそ,の被服等の商品の出所が原告であることを示すものとして,需要者,取引者の間に知られるようになっていたということはできない。 そうであれば,同様の第三者である被告が,同様に旧インディアン社の商標と類似のものである本件商標を出願しても,旧インディアン社との関係ではともかく,原告各表示により展開されている原告の「Indian」商標のビジネスを妨害するものとはいえないことも明らかである。すなわち,被告商標A~Jの登録出願,登録により,競合する被服等の分野において同一又は類似する被告商標A~Jが登録出願を経て登録され,存在することによって,原告が原告各表示を使用した「Indian」商標のビジネスに事実上の影響を被っているとしても,それは,原告があえて旧インディアン社に依拠したビジネス展開を行ったことが招いた当然の結果であるといわざるを得ず,被告の行為は自由競争の範囲内のものと評価され,原告のビジネス展開を被告が妨害したものということはできない。 したがって,本件商標を含む被告商標A~Jの登録出願が,原告による原告各表示を付した「Indian」商標のビジネスを阻害し妨害する行為であるということはで 開を被告が妨害したものということはできない。 したがって,本件商標を含む被告商標A~Jの登録出願が,原告による原告各表示を付した「Indian」商標のビジネスを阻害し妨害する行為であるということはできず,そうである以上,本件商標の出願をもって,原告の業務の遂行を阻害し業務を妨害する意図でなされたものということもできない。 以上によれば,本件商標が,法4条1項7号に該当するということはできない。 (3)原告の個別の主張に対する判断以上判断したとおりであるから,原告主張の審決取消事由は,法4条1項15号該当性に関する主張についても,法4条1項7号該当性に関する主張についても,いずれも理由がなく,これに反する原告の主張は,いずれも失当であるか,又はことさら判断する必要がないものであるが,原告の主張のうち以下の主張については,事案に鑑み,念のため,個別的に判断を加えることとする。 - 43 -ア原告は,原告は「Indian」ブランドによるビジネスを正当に展開するものであり,日本における「Indian商標」の正当な出所である,このことは,原告の取扱商品に関連する取引者,需要者に止まらず,世間一般の広く認識するところであると主張する。 しかし,前記(1)イに説示したとおり,Bが契約を締結した新インディアン社は,法的には旧インディアン社との連続性は何らない会社である上,その従業員,営業組織,オートバイ製造の技術等,その他その具体的活動状況等に照らしても「In,dian」商標を付したオートバイを製造販売していた旧インディアン社を復活させたものと評価することはできないから,原告は,何ら旧インディアン社と関係がない第三者であるとの評価を免れない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は,新インディアン社は,Aとは別のものであり はできないから,原告は,何ら旧インディアン社と関係がない第三者であるとの評価を免れない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は,新インディアン社は,Aとは別のものであり,マーチャイジングブランドとしての「Indian」ブランドの正当な出所である,Bは,日本において「Indian」ブランドによるビジネスを展開する権利につき,対価を支払って新インディアン社から取得したものであり,日本において正当に「Indian」ブランドによるビジネスを展開したものであり,Bからこのような地位を承継した原告は,日本において正当に「Indian」ブランドによるビジネスを展開したものであると主張するが,上記アの説示に照らし,原告の同主張は失当である。 ウ原告は,本件商標の出願(平成6年9月21日)当時,原告各表示は,若年男性層向けのいわゆるアメリカンカジュアル系のブランドファッション市場において,シャツ,ジャケット,パンツなどの商品について,原告を出所とする商標として,需要者,取引者の間に少なくとも相当程度知られており,本件商標の登録時(平成16年2月27日)には,需要者,取引者の間で広く認識され周知であった,また「IndianMotocycle(インディアンモトサイクル「IndianMotocycleJ,)」,apan(インディアンモトサイクルジャパン」は「Indian」ブランドの提供者),である原告の略称として,需要者,取引者の間に,本件商標の商標登録出願時(平- 44 -成6年9月21日)には少なくとも相当程度知られており,本件商標の登録時(平成16年2月27日)には広く認識され周知であった,と主張する。 しかし,前記(1)イ,ウに説示したとおり,原告は,旧インディアン社の復活を標榜し,旧インディアン社の正当な おり,本件商標の登録時(平成16年2月27日)には広く認識され周知であった,と主張する。 しかし,前記(1)イ,ウに説示したとおり,原告は,旧インディアン社の復活を標榜し,旧インディアン社の正当な承継人であることを宣伝広告して原告各表示を付した商品を製造販売等していたものであるにもかかわらず,何ら旧インディアン社と関係がない第三者であるとの評価を免れないのであって,このような原告が,旧インディアン社と共通の「IndianMotocycle(インディアンモトサイクル,)」「IndianMotocycleJapan(インディアンモトサイクルジャパン」との部分を)含む商号を採択し,旧インディアン社の商標と同一又は類似のものである原告各表示を使用しても,旧インディアン社と離れて,原告を出所とする商号,原告の略称として需要者,取引者の間に知られるようになるということはできない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 エ原告は,本件商標は,原告の業務の遂行を阻害し業務を妨害する意図で出願し登録を得たものである,すなわち,被告は,遅くとも平成6年中頃には,原告の「Indian」商標や「IndianMotocycle」が,若年男性向けのいわゆるアメリカ,ンカジュアル系のブランドファッション市場において,シャツやジャケットやパンツを始めとする商品について,原告を出所とする商標や原告の略称として,需要者取引者の間に浸透し,周知となっていたこと,少なくとも相当程度知られていたことを知りながら,かつ,被告の「インディアンモーターサイクル」と同一性の範囲内にないものであることを知りながら,あえて採択し出願し登録を得たものであると主張する。 しかし,前記のとおり,原告が,旧インディアン社と共通の「IndianMotocycle( 」と同一性の範囲内にないものであることを知りながら,あえて採択し出願し登録を得たものであると主張する。 しかし,前記のとおり,原告が,旧インディアン社と共通の「IndianMotocycle(インディアンモトサイクル」や,これを含む「IndianMotocycleJapan(イ)ンディアンモトサイクルジャパン」との部分を含んだ商号を採択し,旧インデ)ィアン社の商標と同一又は類似のものである原告各表示を使用しても,旧インディアン社と離れて,原告を出所とする商号,原告の略称として需要者,取引者の間に- 45 -知られるようになっていたということはできないから,原告の上記主張はそもそも前提を欠くものである。さらに,前記(2)に説示したとおり,原告と,何ら旧インディアン社と関係がないという意味で同様の第三者である被告が,同様に旧インディアン社の商標と類似のものである本件商標を出願しても,旧インディアン社との関係ではともかく,原告各表示により展開されている原告の「Indian」商標のビジネスを妨害するものとはいえないから,原告のビジネス展開についての被告の認識の程度や,本件商標の「インディアンモーターサイクル(被告商標A)との同一」性等について検討するまでもなく,本件商標を含む被告商標A~Jの登録出願が,原告による原告各表示を付した「Indian」商標のビジネスを阻害し妨害する行為であるということはできず,本件商標の出願や登録をもって,原告の業務の遂行を阻害し業務を妨害する意図でなされたものということはできない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 オ原告は,本件商標が登録されれば,それだけで問屋や小売店は,原告の正規のIndianロゴ,ヘッドドレスロゴ,Indian/Motocycle商標を使用した商品の取扱い 張は採用することができない。 オ原告は,本件商標が登録されれば,それだけで問屋や小売店は,原告の正規のIndianロゴ,ヘッドドレスロゴ,Indian/Motocycle商標を使用した商品の取扱いを躊躇し,原告からライセンスを受けようとする者も,ライセンスを受けることを躊躇し,原告が広告を打とうとしても,雑誌や新聞が取扱いを躊躇し,ライセンシーも広告を躊躇するから,原告の業務の遂行は阻害され業務は妨害される,本件商標やこれに類似した商標がその指定商品である衣類等に使用されれば,かかる指定商品は,原告の取扱商品と類似するから,需要者はこれを原告又は原告のライセンシーの商品であると誤認するようになり,市場に混乱を来し,結局原告の業務の遂行は阻害され業務が妨害される,と主張する。 しかし,前記(2)に説示したとおり,被告商標A~Jの出願,登録により,競合する被服等の分野において同一又は類似する被告商標A~Jが出願を経て登録され,存在することによって,原告が原告各表示を使用した「Indian」商標のビジネスに事実上の影響を被っているとしても,それは,原告があえて旧インディアン社に依拠したビジネス展開を行ったことが招いた当然の結果であるといわざるを得ず,被- 46 -告の行為は自由競争の範囲内のものと評価されるべきであって,原告のビジネス展開を被告が妨害したものということはできない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 カ原告は,被告は,原告の企業努力の成果を収奪して利益を得ることになり,本件商標のような態様の商標の出願,登録及び指定商品への使用により,原告の業務の遂行の阻害業務の妨害の事態が生ずることは,原告と同業者である被告において当然認識したことであるから,被告は,原告の業務の遂行の阻害,業務の妨害という結果を意図し 定商品への使用により,原告の業務の遂行の阻害業務の妨害の事態が生ずることは,原告と同業者である被告において当然認識したことであるから,被告は,原告の業務の遂行の阻害,業務の妨害という結果を意図して本件商標の出願をし登録を得たものであると主張する。 しかし,上記オに説示したとおり,そもそも被告の行為は自由競争の範囲内のものと評価されるべきであって,原告のビジネス展開を被告が妨害したものということはできない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 キ原告は,被告は,商標の冒用出願登録を行い,正規のライセンスビジネスを妨害している,すなわち,被告は,海外のブランド,映画のタイトルや映画中で使用されたブランド,人名,社名,地名等のいわゆるキャラクターで,日本において,将来ブランドビジネス,キャラクターマーチャンダイジング展開の基となりそうなものを権利者に無断で少し変えたりしてまず登録出願し,これを利用して,ビジネスを展開しようと企画しているものであり,被告が出願,登録した商標の中には,「ベアーサーフボード」の登録及び「BEARSURFBOARDS+図形」の出願等,被告による出願登録が著しく違法性を有すると解さざるを得ないものが多く含まれている,と主張する。 しかし,たとえ上記の点を指摘したとしても,前記のとおり,原告が,旧インディアン社と関係がないのにあえて旧インディアン社に依拠したビジネス展開を行ったことに変わりはなく,原告のビジネス展開を被告が妨害したものということはできないという前記(2)の説示が左右されるものではないから,原告の上記主張は失当である。 - 47 - なお,本件商標が法4条1項10号に該当しないとの審決の説示については,取消事由として主張されていないところ,上記1,2の説示に照らし,原告各表示が 原告の上記主張は失当である。 - 47 - なお,本件商標が法4条1項10号に該当しないとの審決の説示については,取消事由として主張されていないところ,上記1,2の説示に照らし,原告各表示が,旧インディアン社を離れて,本件商標の登録出願の日(平成6年9月21日)の前に,原告の業務に係る商品を表示するものとして,取引者,需要者の間に広く認識されていた商標ということはできないから,本件商標は法4条1項10号に該当しないというべきであり,審決の上記説示に誤りはない。 結論 以上によれば,審決の判断に誤りはなく,原告主張の取消事由は理由がない。 よって,原告の請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第1部裁判長裁判官塚原朋一裁判官本多知成裁判官- 48 -田中孝一

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