平成28(わ)526 殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
平成28年11月17日 札幌地方裁判所
ファイル
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判決文本文1,620 文字)

主文 1 被告人を懲役17年に処する。 2 未決勾留日数中60日をその刑に算入する。 3 札幌地方検察庁で保管中のナイフ1本(平成28年領第1094号符号36-1)を没収する。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人は,平成24年11月20日以降,実母であるAの再婚相手であるB(以下「被害者」という。)との間で,Aの死亡による遺産分割協議について手紙のやり取りをするようになったことをきっかけに,Aが被告人の亡父と離婚する前から被害者と交際していたことなどを認識した。その後,被告人は,上記遺産分割による自己の取り分を使い切った上で被害者を殺そうと考え,被害者から入金された自己の取り分701万円について,平成28年2月21日から同年7月2日までの間に,そのほとんどを飲み食いや旅行に使い切った。その上で,被告人は,同月3日午後3時頃,札幌市a区・・・・・被害者方において,同人(当時73歳)に対し,殺意をもって,腹部等を持っていたナイフ(刃体の長さ約14センチメートル。主文3項の物件。)で多数回突き刺し,よって,同日午後5時55分頃,同区・・・・・C病院において,同人を胸腹部刺切創による出血性ショックにより死亡させて殺害した。 第2 被告人は,業務その他正当な理由による場合でないのに,同日午後3時頃,上記被害者方において,前記ナイフ1本を携帯した。 (法令の適用)罰条判示第1の所為刑法199条 判示第2の所為銃砲刀剣類所持等取締法31条の18第3号,22条刑種の選択判示第1の罪につき有期懲役刑を,同第2の罪につき懲役刑を各選択併合罪の処理刑法45条前段,47条本 22条刑種の選択判示第1の罪につき有期懲役刑を,同第2の罪につき懲役刑を各選択併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(重い判示第1の罪の刑に同法47条ただし書の制限内で法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条没収刑法19条1項1号,2項本文(判示第2の犯罪行為を組成した物)訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由)被告人は,亡母の遺産分割協議についての連絡をきっかけに,亡母が被害者と再婚する前の関係を認識し,亡父を馬鹿にされたなどと考えて犯行に及んだというのである。しかし,亡母と被害者の不倫関係はおよそ50年前のことである上,その当時,被告人は,少年院や刑務所に入るなどしており,その後も家族と疎遠であったことから,よく事情も知らないのに,被害者の殺害を決意したのであって,動機や経緯に同情の余地は乏しく,短絡的である。被害者の背後から,ナイフ(主文3項の物件)の刃のほとんどが刺さる程の強さで被害者の右脇腹を一回突き刺した上,正面からも,胸や腹を何度も刺すなどしており残酷である。殺意も強い。生命が失われた結果が重大であるのはいうまでもなく,理由も分からないまま,突如殺された被害者の無念は察するに余りある。被害者の養女でもあった被告人の実妹が被害者の死を悲しみ,被告人に対して厳しい処罰を望むのも当然である。 さらに,40年以上前ではあるものの2人を殺めた前科があるのに本件に及んでいることからすると,命の尊さを軽んじているというほかない上,法廷で後悔の念を窺わせる発言はしているものの,自分のしてしまったことの重さと十分に向き合 っているとは言い難い。そうすると,被 でいることからすると,命の尊さを軽んじているというほかない上,法廷で後悔の念を窺わせる発言はしているものの,自分のしてしまったことの重さと十分に向き合 っているとは言い難い。そうすると,被告人が自首した上で,事実を認めて捜査に協力していることを考慮しても,17年間は刑務所に入る必要がある。 (求刑懲役20年,主文掲記のナイフの没収)平成28年11月17日札幌地方裁判所刑事第2部 裁判長裁判官中桐圭一 裁判官高杉昌希 裁判官北島睦大

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