平成2(オ)1474 建物滅失登記抹消登記手続等

裁判年月日・裁判所
平成6年5月12日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 平成1(ネ)1894
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判決文本文1,633 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告代理人中島晃の上告理由その一について登記された甲建物について、滅失の事実がないのにその旨の登記がされて登記用紙が閉鎖された場合には、甲建物に設定され、その旨の登記を経由していた根抵当権が登記簿上公示されないこととなるから、右滅失の登記は根抵当権に対する妨害となっているといわなければならない。そして、更に右建物につき別の乙建物として表示の登記及び所有権保存登記がされている場合には、直ちに右滅失の登記の抹消登記の申請をしても、その抹消登記によって甲建物の表示の登記及び所有権保存登記が回復すれば、それらの登記と乙建物としてされた表示の登記及び所有権保存登記とが併存することとなっていわゆる二重登記となるため、右の申請は却下されることとなるのであるから、乙建物の表示の登記及び所有権保存登記も、根抵当権に対する妨害となっているということができる。したがって、登記された甲建物について、滅失の事実がないのにその旨の登記がされて登記用紙が閉鎖された結果、甲建物に設定されていた根抵当権設定登記が登記簿上公示されないこととなり、更に右建物につき別の乙建物として表示の登記及び所有権保存登記がされている場合には、根抵当権者は、根抵当権に基づく妨害排除請求として、乙建物の所有名義人に対し、乙建物の表示の登記及び所有権保存登記の抹消登記手続を、甲建物の所有名義人であった者に対し、甲建物の滅失の登記の抹消登記手続をそれぞれ請求することができるものというべきである。 これを本件についてみるのに、原審の適法に確定した事実関係によれば、登記された二個の区分所有建物(上告会社の所有に係る第一審判決添付物件目録三記載の- 1 -丙建物及び上告人A いうべきである。 これを本件についてみるのに、原審の適法に確定した事実関係によれば、登記された二個の区分所有建物(上告会社の所有に係る第一審判決添付物件目録三記載の- 1 -丙建物及び上告人Aの所有に係る同丁建物)から成る一棟の建物について、丙建物及び丁建物の区分所有の消滅の事実がないのにこれを原因とする滅失の登記がされて右の一棟の両建物の登記用紙が閉鎖され、丙建物及び丁建物に設定されていた被上告人を根抵当権者とする共同根抵当権設定登記が登記簿上公示されない結果となった後、更に上告会社を所有者とする別の建物として表示の登記及び所有権保存登記がされているというのであり、右表示の登記及び所有権保存登記、滅失の登記は、被上告人の有する根抵当権に対する妨害となっているものというべきであるから、被上告人は、根抵当権者として、建物の所有名義人である上告会社に対し右表示の登記及び所有権保存登記の抹消登記手続を、丙建物及び丁建物の所有名義人であった上告人らに対し右滅失の登記の抹消登記手続をそれぞれ請求することができる。 したがって、右各請求をいずれも認容すべきものとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。 その余の上告理由について所論の点に関する原審の認定判断及び措置は、原判決挙示の証拠関係及び記録に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、原判決を正解しないでこれを論難するか、又は原審の裁量に属する審理上の措置の不当をいうものにすぎず、採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官 することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官三好達裁判官大堀誠一裁判官小野幹雄- 2 -裁判官大白勝裁判官高橋久子- 3 -

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