【DRY-RUN】主 文 原判決中上告人敗訴の部分を破棄し、右部分につき本件を東京高等裁判 所に差し戻す。 理 由 原判決の確定するところによれば、被上告人は、昭和二三年五月二
主 文 原判決中上告人敗訴の部分を破棄し、右部分につき本件を東京高等裁判 所に差し戻す。 理 由 原判決の確定するところによれば、被上告人は、昭和二三年五月二六日上告人よ りその所有の本件土地を普通建物所有の目的で賃借したが、その地上に建物を所有 することなく推移していたところ、上告人は、昭和三六年一一月二五日訴外Dに本 件土地を売り渡した。その際、上告人は、右売買の仲介人Eに本件土地を他に賃貸 している旨を告げ、Dをして本件土地に借地権が設定されていることを知ることを えしめただけで、右Dとの間で被上告人に対する土地賃貸人の地位承継に関する契 約を締結しなかつたというのである。その結果として、被上告人は、右Dおよび同 人よりさらに本件土地を買い受けた訴外Fに対し、上告人との間の前示土地賃貸借 契約における賃借人としての地位を主張し得なくなつたことは、原判決の判示する とおりであるが、それは、被上告人が建物保護ニ関スル法律一条による保護を受け るのに必要であるところの本件土地上に登記のある建物を所有しなかつたためにほ かならず、これをもつて直ちに上告人が違法に被上告人の権利を侵害したものとい うことはできない。 以上の次第であるから、原判決の確定した事実だけでは、上告人は被上告人に対 し前示土地賃貸借契約により負担する本件土地を使用収益せしめる債務が履行でき なくなつたことが認められるだけであつて、上告人はそのことにより被上告人に生 じた債務不履行上の損害賠償責任を負担することがあるのは格別、違法に被上告人 の権利を侵害したとして不法行為による損害賠償責任を負担する理由としては十分 でないものといわなければならず、原判決中被上告人勝訴の部分は、この点におい て破棄を免れない。本件は、なお審理判断する必要があるから、原審東京高等裁判 行為による損害賠償責任を負担する理由としては十分 でないものといわなければならず、原判決中被上告人勝訴の部分は、この点におい て破棄を免れない。本件は、なお審理判断する必要があるから、原審東京高等裁判 - 1 - 所に差し戻すべきである。 よつて、上告代理人の上告理由に対する判断を省略し、民訴法四〇七条に従い、 裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 長 部 謹 吾 裁判官 松 田 二 郎 裁判官 岩 田 誠 裁判官 大 隅 健 一 郎 裁判官入江俊郎は海外出張のため署名押印することができない。 裁判長裁判官 長 部 謹 吾 - 2 -
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